2008年 02月 20日
今日の副題 「大好物がてんこ盛り」 ※吟醸 ジャンル:近未来ヴィジュアルアドベンチャーノベル プレイ時間:4時間くらい。 その他:選択肢アリ、デッドエンドも多数。 システム:LiveMaker 道玄斎です、こんばんは。 いよいよ明日(というか今日)、ちょっと入院&手術をしてきます。 そんな大層な事をする訳じゃないし、別に命に関わる問題じゃないので、すぐに戻ってきます。 まぁ、某所の筋肉をぶった切ったりするみたいで、結構痛そうでそれだけが心配。結構血だるまになるらしい……? まぁ、そんな事はともかく今日は久々のレビューになりますね。 ここの所、色々と雑務に追われて更新出来なかった事、お詫び申し上げます。 というわけで、今回は「深山楓」さんの『NEW WORLD【新世界】』です。 私の大好物がてんこ盛り、といった感じで、非常に楽しくプレイ出来ました。 では、いつものように……。 良かった点 ストーリーは、サイトの方から引用しておきましょう。 天才エレクトラ・バーマンの遺児、エレクトラ・ドリスコールの『接触』後、Disの破壊こそ失敗したものの、その粛正の勢いは明らかに緩められた。 こんな感じ。 いやぁ、久々に「SF全開!」ってな作品をプレイしました。 面白かったです。 Readmeを読むと「レビューなどではネタバレをしないように」と書かれているので、ネタバレを回避しつつやっていこうと思います。 物語(の本筋)は、先ずサイバーな戦闘シーンから始まるわけですが、それが又直球のサイバーバトルな感じが出ていて、私は凄く好きな感じですよ? なんていいますか、私の好物てんこ盛り、って感じなのですよ。 作品の雰囲気っていうか世界観みたいなものは、『マトリックス』とかそういうのに似た手触りがあるかしらね。或いは『火の鳥』の「未来編」とか、そういう感じ。ストーリーを見て頂ければ、分かると思います。ストーリーをよんで「ピン」ときた人は即ダウンロードしてみて下さいな。 ずぅっとプレイしていて、「いやいや、他に似た手触りの作品があったハズだが……」と考えていたところ、小林めぐみの『いかづちの剣』に似ていた事に思い当たりました。 小林めぐみは元々ライトノベル作家だったのですが、近年ではSF色の強い作品もリリースしていて、私の大好きな作家の一人です。 そういえば、直木賞を受賞した桜庭一樹も、ライトノベルが出発点でした。私はいい歳こいてライトノベルとかかなり好きなので(というか1000年前とかの古典の物語作品もライトノベルとして捉えている)、桜庭一樹に関しては『Gosick』が出た時点で「こりゃ大成するぞ……」と密かに応援していましたが、ついに直木賞作家となってしまいました。 懸念しているのは、「もうラノベ書かない」ってなっちゃう事で、直木賞を取ってもラノベを書き続けて欲しいなぁ、と思いますね。 と、滅茶苦茶脱線しています。 けど、実はあながちへんてこな脱線でもなくって、本作の場合「ハードSF」とかそういう感じでもなくやっぱり「ライトノベル」風なんですよね。SFっていうのも勿論そうですが、「エンターテイメント」を強く意識した作品であることは間違いなんじゃないかしら。 サウンドノベルとかノベルゲームとか呼ばれるタイプのものは、そもそもライトノベル的ではあるのですが。 ネタバレを排除して書くって、結構難しいですな……。 まぁ、本作が何かの作品の影響を受けている、とかは実はどうでもよいし、検証のしようもないのですから脇に置いておいて。 一読してみて気がついたことは、北欧神話からネーミングを取っているものが多いんですよね。私自身、去年辺りからかな?かなり北欧神話には興味がわいてきて、近いうち『エッダ』でも取り寄せて読もうかと思っているくらいです(まだぬるめの解説書しか読んでない)。 で、北欧神話っていうのはご存じの通り、彼方此方のファンタジー作品に取り込まれているわけで、或る意味ファンタジーの源流とも言えるものです。 本作もまたそうした北欧神話の影響をネーミングという顕著な形で承けていて、とても興味深いです。何が言いたいかっていうと、「SF」と「ファンタジー」の融合が本作のオイシイ所だって事です。元々「SF」ってファンタジーと区別しにくいものもあるわけだけども、両者の食べやすい所を一つのお皿に盛ってくれたっていう感じかな。 そうそう、忘れちゃいけないのが登場人物です。 視点人物のアヤもそうだし、オーシャンやロフィ、ジャン、マリィなど個性的なキャラクターが自然と作品の中にとけ込んでいて好印象。それなりに登場人物は多いのですが、それを煩雑に感じる事はありません。イラストの雰囲気もとてもいいですよ。 アヤのちょっとツンツンした知的な感じのするキャラクターは、その手の女性キャラが好きな人にはたまらないでしょうね。 ストーリーやイラスト、或いは音楽が巧みに合わさって一つの作品になっています。 ストーリーに関しては結構複雑な面もあって、完全に理解するには私の足りない頭では、もう一回くらいじっくりとプレイしないと駄目みたいです。。けど、ちょっと難関な部分がありますので、じっくりと進めて欲しいと思います。 さてさて、一方で気になった点ですが、その前に攻略の為のヒント(?)を書いておきましょう。 ・セーブをこまめに取る。 これに尽きます。 具体的に言うと、選択肢の前では必ずセーブ。これは大事。デッドエンドが多いので必須作業です。空きスロットに選択肢の度、新しいデータを保存しておきましょう。 こまめにセーブをとっておくと後で…… 割と選択肢は大目かな? 私はこういう「選択肢を選んでトゥルーエンド」を目指す、というタイプのゲームが苦手です。 苦手っていうと嫌いみたいだけども、そういう苦手じゃなくて「選択下手」と申しましょうか、選んだ選択肢選択肢悉く死亡に直結したりと、そういうプレイヤーですw ところが、今回はかなり順調に選択肢を選んでいくことが出来たんですよ。 それが仇になった部分があって……。 選択肢絡みでもう一点。 選択肢を謝ってバッドエンド、或いはデッドエンドに到達した場合「ぱんださん」からのヒントコーナーが待っています。 これがまた、テンションが異常に高いコーナーでして、本編とのギャップにびっくりするかもしれませんw 悪いエンドに到達してもめげずに是非、「ぱんださん」のヒントコーナーに目を通しましょう。その後のプレイが飛躍的に楽になります。 あと、地の文は基本的に「アヤの一人称」と思しいのですが、場面によっては突如「三人称」みたいになっている所があって(「アヤは」とか語られ出す)、そこまで気にする所じゃないのですが、一応挙げておきます。 エピローグも含めて全てのエンドを見たのですが、ラストにもうちょっと感動とかインパクトを持たせても良かったかな、と思いました。 じっくりと物語が進行していったので、最後の最後でそれらを全部バーストさせてくれたら良かったなぁ、と。実質上気になった点は、この一点ですね。とても惜しい所。 けれども、人によってはこのくらいのラストの方が好きっていう人もいるかもしれません。一応、私は、という事で。 久々に読み応えのある作品でした。 とても良く出来た作品で、かなり好みでした。 SFなんてキーワードに興味があれば、是非プレイしてみると良いでしょう。 というわけ、今回はこのへんで。 /* そういや、最近ホントLiveMakerの作品が増えてきましたね。ツール自体の使い勝手も凄く良いですし */
by s-kuzumi
| 2008-02-20 03:15
| サウンドノベル
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