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2008年 03月 08日

フリーサウンドノベルレビュー 『万華鏡奇談』

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今日の副題 「隠微なホラー世界」

ジャンル:和風ホラー(?)
プレイ時間:一時間くらい。
その他:選択肢アリ。ルートが三つに分岐。
システム:吉里吉里/KAG
その他:ヘッドフォン推奨。心臓の弱い方や妊婦の方はプレイをお控え下さい(と書いてある)。

制作年:2007/09/10(ヴァージョン1.00)
容量:圧縮時、11.3MB


道玄斎です、こんにちは。
昨日、久々にホラー作品(?)をプレイしたら、無性にやりたくなってしまって、今日もホラー的な要素の強い作品を探してきました。
というわけで、今回は「偽書[香津宮奇譚]」さんの『万華鏡奇談』です。
とても雰囲気のある作品でした。こういう作品なら夜よりも、却って夕方(逢魔が時)にプレイする方が雰囲気が出るかもしれませんね。
良かった点

・縦書きの文章だが、適度にスペースが空いており読みやすい。文章も上手だと思う。

・江戸川乱歩の和風ホラーっぽい趣があって、素敵。

・雰囲気に合った画像をチョイスしており、好印象。


気になった点

・各ルートの結末部がちょっと難解。

ストーリーはベクターの紹介文から引用しておきましょう。
祖母の葬儀のため実家に帰ってきた主人公は、ほのかに樟脳の匂い立ち込める薄暗い土蔵で、見慣れない万華鏡を見つける。

ヘッドホン推奨の和風ホラーサウンドノベル。

こんな感じになっています。


旧家の土蔵、そしてそこで発見された万華鏡を巡ってのお話、という事です。
初めて取り上げる作者様ですが、作者様のサイト名を見るだけでもう、私の好物が詰まっている事、想像に難くないw 
偽書なんて大好物ですから。そもそもちょっと変わった本が好きな私は、江戸時代頃の版本を買ってきたり、和歌短冊を購入したり(これは本じゃないか……)、はたまた最近はグリモワールを一冊入手してしまいました。


で、話を戻して、本作は、漢字変換率は高めなのですが、それが作品の雰囲気に貢献しており私は全く気になりませんでした。あまり普段見かけない字や熟語なんかはルビが振ってある親切設計です。

旧家独自の因習、みたいなものがストーリーの一つの柱になっているようで、なんとも隠微で妖艶な感じが出ていたように思えます。
あんまり、主人公に感情移入しながら読んでいく、というよりも「プレイヤー=読者」が物語を俯瞰的に眺めている、といった感覚ですね。

万華鏡というオイシイ小道具も良かったと思います。他には「系図」とかね。やっぱりああいう系図みたいなものを見ていると、妙に不思議な感覚がするんですよね。
尊卑分脉』って本見た事ありますか?日本の系図集なんですけれども、こういうのを見ているだけでも、なんというか歴史の中に自分が埋もれていくような、そういう感覚が味わえます。まだ見たことの無い人が居たら是非、図書館なんかで探してみて下さい。
古典の授業とかでやった有名人とか好きな人とかを探してみると、面白いですよ。

又脱線してしまいました……。
で、本当にちょっと江戸川乱歩っぽい趣があって『鏡地獄』みたいな、そういう要素も無きにしもあらず、といった感じ。

「うわっ、怖ぇ!!」というよりも、「ビクッ」となってしまうような、そういうタイプの怖さです。
だからこそのヘッドフォン推奨だと思います。実際問題は、ヘッドフォン付けて無くてもビクッとなってしまうんですが……。


ちょっと気になった点があります。
それは各ルート(三つに分岐します)の結末部分の処理の仕方です。
なんだか妙にあっさり終わってしまうものや、なんだか難解になってしまって理解しづらいものがあるんです。いや、単純に私の頭の程度が宜しくないってだけかもしれないのだけど。

一番分からなかったのは、「各ルートはそれぞれパラレルに繋がっているのか?」という事です。特に選択肢の所で「壁を見る」「床を見る」で分岐される物語はどうにも繋がりがありそうな気がします。「天井を見る」というのは少し独立している度合いが高いような気がしないでもない。
なんて言うか、どうも「壁を隔てて主人公自身が向き合っている」ように思える箇所があるんですよね。あるルートを選択肢した主人公と、別のルートを選択肢した主人公が対峙しているような……。
このあたり、ちょっと難解でちょっと分かりづらかったです。

例えば、三つのルートをコンプリートしたら「最終章」みたいな、謎が全部明らかになるような、そういうパートがあっても良かったのかも。


あんまりくどくどと説明めいた事を書くよりも、実際にプレイしてみてもらった方が手っ取り早いタイプの作品ですね。
「和風」「土蔵」「旧家」「少女」「万華鏡」なんてキーワードにピンときたら、是非プレイを。
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by s-kuzumi | 2008-03-08 15:58 | サウンドノベル | Comments(2)
Commented by oftrom at 2008-05-28 20:52 x
こんばんは、お久しぶりです。oftromです。

今日はこの『万華鏡奇談』についてお知らせです。

もうご存じかもしれませんが、『万華鏡奇談』はバージョンアップされ、今は『真説・万華鏡奇談』と改題されています。

『真説~』では、シナリオの大幅な追加・修正があります。雰囲気もver1.00と比べてかなり変わったと思います。例えばそのうちの第二話のジャンルは和風ホラーというより伝奇ミステリとなっています。

ちなみに、ver1.00にあった三択も無くなっていて、独立していたと思われる話も消えています。もし、『真説~』を読むつもりがあって、まだver1.00を削除していないのなら、そのままとっておくとよいと思います。

個人的には以前のバージョンのほうが好きですし、打ち開けると『真説~』は少し失敗のような気もするので、あまり積極的にはすすめませんが、それでもなんとなくそういう気分になったので、とりあえずお知らせだけでもしてみました。

……なんというか、いやに支離滅裂な文章になってしまってすみません。

それでは。
Commented by s-kuzumi at 2008-05-29 22:16
>>oftromさん

こんばんは、ご無沙汰しております。
『真説・万華鏡奇談』、実はまだ未プレイだったりします。

少し、雰囲気が変わったとの事でしたので、先入観が入ってしまいそうで、少しだけプレイを躊躇しておりました。
とはいえ、折角ご紹介頂いたので、是非プレイさせて頂きますね。

プレイしたら、多分、この記事に追加分を入れるんじゃないかなぁ、と思うのですが、その時にはまたご笑覧頂ければ、と思います。
わざわざ報告下さり、本当に有り難う御座いました。どうぞ、またお気軽に書き込みなさってくださいね。

それでは、失礼致します。


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