2008年 04月 01日

フリーサウンドノベルレビュー 『皆殺しのワルツ』

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今日の副題 「切って結んでまた切って」

ジャンル:新伝奇&ホラー(?)
プレイ時間:二時間くらい
その他:選択肢なし、一本道
システム:NScripter

制作年2008/3/?/
容量(圧縮時):27.2MB


道玄斎です、こんばんは。
いやぁ、四月になっても毎日超過勤務で疲れます。比較的今日は早く帰ってきたものの、それでも10時間労働ですから。いや、まぁ世の中もっと大変な方もいるのでそんな甘っちょろい事を言ってはいけないのですが。

さて、今日はなつかしの……じゃなくて、あのゲームを作られた方の新作がついに登場です。
というわけで、今回は「千葉ノダヲ」さんの『皆殺しのワルツ』です。
ちょっと物騒なタイトルですねw そういえば「みなごろし」って漢字があるんですよ。「皆殺し」みたいなのじゃなくて一字で「みなごろし」と読む漢字。確か「鹿」を書いてその下に「金」を書くんだったかな?多分そんな字でした。今私のすぐ左に『大漢和辞典』があるのですが、めんどくさいので引きません。興味のある方は是非調べてみてください。
良かった点

・中盤以降、意外な展開に目が離せなくなる。

・やっぱり中盤以降、テンポが非常に良くなって楽しくプレイ出来る。

・実はホラーっぽい要素もある。正直滅茶苦茶恐い画像があったw


気になった点

・中盤以降の展開を考えると、前半がちょっとノリきれない所が。

・かなりコテコテの新伝奇テイスト。結構人を選ぶ気が……。

ストーリーは、サイトの方から引用しておきましょう。
ダーク&ポップ路線(を目指した)学園物です。 総プレイ時間は1時間程度で、選択肢無しの一本道です。

って、これは作品の概要であって、ストーリーではありませんねw
少し補足しておくと、
主人公「飴野甘露」(あめのかんろ。男性です)は、殺人鬼の友人祇咲永久(しざきとは。「し」の字がこれしか変換出来ませんでした……。詳細はサイトにてご確認下さい)となんてことない高校生活を満喫していたが(?)、ある日彼らの住む街で「人が喰われる」という事件がおきて……。

と、まぁこのくらいにしておきましょうか。

伝奇作品です。
登場人物のネーミングで分かってしまいますかw
と言っても、「ナウマクサンマンダ~」とかの伝奇じゃありません。そうですね、イメージとしては奈須きのこさんが代表的存在のミステリー的な要素も強い「新伝奇」というようなジャンルに最も近いかもしれません。

伝奇が苦手だって人が、ミステリー色の強い新伝奇をどう見るかっていうのは興味深い所なのですが、まぁ、少なくとも「ダーク」ではあっても、あんまり「ポップ」な作品ではなかったかな、とw
作者様はアレですよ、『Midnight cerebration』を制作された方と同じです。あれも伝奇作品でしたね。
本作は『Midnight~』よりもさらにパワーアップした世界を見る事が出来ます。

昨日から実はプレイしていたのですが、最初はなんだか、妙にコッテコテの伝奇テイストで、あんまり後味みたいなのも良くないので、載せようかどうしようか迷っていたのです。そもそも「友人が高校生殺人鬼」ってなんだよ!と、ねw
所が、昨日のプレイを終了した中盤くらいで、ストーリーが思わぬ展開を見せます。
で、今日続きをプレイしてみたら、中盤以降の展開が秀逸だったので、ここで取り上げる事に。

なんと言っても中盤以降がテンポもよいし、伝奇(或いは新伝奇)にありがちな「難解さ」みたいなものもなく、すんなりと楽しめるエンターテイメント作品になっていたように思えます。
だからこそ、余計に前半部分にノリきれなさみたいな、そういうのを感じてしまいました。登場人物の名前も難しいしねw

結構ミステリー的な要素が強いのですが、切って結んで又切ってというように、ミスディレクションを上手に使って、物凄く意外なストーリーが展開します。
あんまり本作に関してはネタバレをしたくないので、詳細は語りませんが、かなり周到に「読者をだます」準備がなされています。

何度も何度も、「まじかよ」と思わずつぶやいてしまった程で、見事に作者様のトリックに引っかかってしまいました。この「どんでん返し」の連続技は、凄いインパクトがあって面白かったです。
ここまでやってくれると、ある種の清々しさすら感じますね。仕掛けも周到だし、主人公の謎を巡る物語も「次」をキチンと期待させるものになっていましたし。
前半部で、「このキャラ、あんまり意味ないよなぁ?なんかとって付けた感があるぜ」とか思っていたら……。
あと、結構恐いです。ホラーの要素も強いです。
特に前半~中盤に出てくる「口裂け女」の怖さたるや……。あのイラストは恐すぎるよ。

先にも述べましたが、だからこそ前半がちょっと……。
一時間くらいプレイすると一気に面白さが出てくる作品なだけに、前半の「ツカミ」の無さが惜しいなぁ、と思われます。

そういえば、本作は一本で完結していると思しいのですが、大きな物語の第一章としての側面もあります。伝奇オムニバスの最初の一篇という位置づけなのかな。
普段は基本的に完結している作品を扱っているのですが、今後の期待の意味も込めて、今回はイレギュラーですが本作を取り上げる事にしました。
主人公の出自やその周辺人物に関してはまだまだ謎が残されていて、本作のラストでその一端がちらっと明かされるのですが、この読者へのクエスチョンの出し方もなかなか巧みだったのではないかと思いました。「こりゃ、次も読まないと駄目だな」と感じてしまうのです。


登場人物の名前が結構ややこしかったりするわけですが、伝奇好きは是非チェックして欲しい作品ですね。
先ずは一時間くらい、プレイしてみて下さい。その後の展開にびっくりすること請け合いです。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-04-01 23:26 | サウンドノベル


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