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久住女中本舗

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2008年 05月 01日

フリーサウンドノベルレビュー 『リストカット』

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今日の副題 「攻めの入れ子構造」

ジャンル:魔法少女アドベンチャー。そして……。
プレイ時間:20分程度
その他:選択肢無し。ラスト若干グロ描写有り。
システム:Nscripter

制作年:2008/4/28
容量(圧縮時):11.1MB


道玄斎です、こんばんは。
徐々にレビューの方も書いていきますよ。
実は、最近めぼしいリリースがなくて徐々にやる気が出てきているのに、少し肩透かしを食らっています。
まぁ、それは兎も角、今日も「あおぞら幼稚園」さんの作品です。本当にリリースペースが異常なまでに短いっすね……。
というわけで今回は『リストカット』というお話です。
良かった点

・入れ子型の物語は物語マニアにはぐっとくるものが。

・いつも通りに気軽に楽しめるけれども、ラストに又しても新機軸が。


気になった点

・ラストにもう少しオチというか、何かしらの結末が示されていると良かったかも。

ストーリーはサイトの方から引用しておきましょう。
ある日、親に仕事をしろ!と言われる。
もともと部屋で引き篭もり生活を送っていたせいか、乗り気じゃなかった。
だが、お母様に乗せられて、ひとつやってみるかと街へと飛び出した!

そこには様々な仕事があるが、どれも貰える賃金が安い!
そんな時、一日で十万稼げる!と声を掛けられた。
なんて素晴らしい! そう思った葵は、相手について行くのだが……。

こんな感じのストーリーになっています。


タイトルが『リストカット』です。
正直びっくりしました。
起動してみると、リストカットだなんて或る意味で物騒なタイトルとは異なり、明るく小綺麗なロゴが出てきてその落差にまたびっくり。

なんか、ヤバめの話なのかな?と思いながらこわごわゲームを進めます。
大まかなストーリーラインは、いつものように女の子がえっち系の犯罪に巻き込まれるというものw
また、いつものように恵比寿(余談ですが、私はヱビスビールなら黒が好きですな)の背景画像が出てきて、いつも感は全開。

なんだけども、何となくいつもよりポップな印象があるんですよ。
というのは、一人称が女の子の語りなのです。
いつもだったら、正義感は強いけれども、ちょっと冴えない男の子のぼやき漫談みたいなw そういう冒頭部から始まる所ですが、本作の場合、「自分が世界の中心」みたいなそういう女の子のポジティブ全開(というか自己中全開のw)の語り口調が新鮮で良かったんじゃないかな。

ただ、「自分が世界の中心」型の女の子って結構始末に悪くて……。
本作の主人公葵ちゃんそっくりの思考をする女の子が、昔同級生だったので良く知っているのですが、この手合いは本当にタチが悪くて、尚かつ本作同様にえっち系の犯罪に容易に巻き込まれてしまうという……。何度助けに行ったか数え切れないぜ……。
時々、「あおぞら幼稚園」さんの作品にはどきっとする程、私自身の身の上に重なるような所があって、作者様は私のお隣さんなんじゃないか……とか、もしや私と昔机を並べて勉強していた同級生なんじゃないか?とか色々勘ぐってしまいますw

いや、本当に青春の過ちみたいな、そういう描写が私自身のそれと強烈にオーバーラップする時があって、「痛い痛い!」とか叫んだりしてしまうくらいで。
或いは、みんなそういう道を通るのかしら?

まぁ、私の個人的な体験は置いておいて。
何はともあれ、いつも感は免れないのですが、最後の最後にやってくれました。
最初「あれ?どういうこった?」と思ってしまいましたが、実は入れ子構造だったんですよね、この物語。
これで三度目のびっくりです。
しかも、ラストの後味がまた、結構悪くてw 今までの花丸ハッピーエンドみたいな感じとは明らかに違う、ダークな世界になっています。
これで四度目のびっくりです。とはいへ、私は後味が少し悪いくらいのラストが結構好みだったりするので、こういうシメ方そのものに異論はありません。

このダークなラストとタイトルであるリストカットは絡んできます。
この終わり方には本当にびっくりして、「え?これで終了???」と何度かゲームを起動し直したりしてしまいました。
最近では、ラストに一ひねりを加えて、今までとは異なった作風にしようとする、作者様の意気込みが見えるわけですが、ぼちぼちラストだけでなく、全体のストーリーラインみたいなものも変化すると良いかもですね。ハイペースな作品リリースは、私にとっては嬉しい所なのですが、もう少しペースを落として一つ一つの作品の密度を高めると、がらりと異なる作品が出てきそうな気がしていて、期待しております。


今日は少し、辛口になってしまいましたね。
とまれかうまれ、少しづつ変化を見せている「あおぞら幼稚園」の次回作に期待しつつ、筆を擱く事に致します。

by s-kuzumi | 2008-05-01 04:53 | サウンドノベル | Comments(0)
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