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2008年 05月 01日

フリーサウンドノベルレビュー 『嫉妬深い彼女』

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今日の副題 「それも幸せなのかも……」

ジャンル:ヤンデレホラー(?)
プレイ時間:1ルート30分くらい
その他:選択肢有り。全部で4つのルートがある。一応、十五禁くらいかなぁ?
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2008/4/21
容量(圧縮時):44.1MB



道玄斎です、こんばんは。
今日はホラー系の作品です。俗に言う「ヤンデレ」ってヤツです。
精神的に病んじゃった愛情を示す女の子に追い詰められていくジャンル(?)ですね。
というわけで、今回は「シンプル・イズなんとか」さんの『嫉妬深い彼女』です。
良かった点

・ヤンデレ入門に最適。

・エンド数が4つで、全てのルートを見ると結構遊びでがある。


気になった点

・もう少し、独自の味付けが欲しい所。

ストーリーは、サイトの方から引用しておきましょう。
異常に嫉妬深い彼女をもってしまった主人公。
可愛くて優しい自慢の彼女だったのだけれど、しだいに重く感じ始めていた。
迫りくるクリスマス前に、そんな彼女との関係に一つの答えを出すのだが・・・

こんな感じのストーリーです。


ヤンデレです。
以前にも、ときたまちらっちらっと、それっぽい作品をプレイしてレビューを書いてました。
ぱんけーき」さんの作品とか、或いは「たぶんおそらくきっと」さんの作品なんかが、それに当たります。

今回の作者様は本作が初のゲーム制作という事みたいです。
初のゲーム制作にしてヤンデレとは、中々果敢な挑戦をw

では、ストーリーの解説に移りましょう。
ヤンデレな彼女の名前は琴音ちゃんといいます。中々イラストも手作りの味があって可愛いですよ。イラストも初という事でしたが、初めてであの絵は中々描けないと思います。
病み方としては、割とオーソドックス(?)。
携帯電話にアホみたいに電話を掛けてきたり、主人公(=次郎君)が他の女と話すと、狂ったように暴れ出すという、迷惑極まりないタイプw 他の女とは、喫茶店のウエイトレスさんだったりするわけですが……。

エンド数が四つあったので、遊びでがありました。
システムも吉里吉里/KAGでしたので、既読スキップも完備しておりスムーズなプレイが可能となっています。
そうそう、システム面で一言。特にデフォルトの吉里吉里/KAGだと思しいわけで、それは全然良いのですが、タイトル画面の「続きから」を選択すると「おまけ」画面に入ってしまいます。
単純なスクリプトのミスでしょうね。一瞬とまどうかもしれませんが、大人しく画面上部のメニューバーから「栞から読む」を選択しましょう。

即死型のバッドエンドは二つ。
即死型に関しては特にないのですが、もう二つのノーマルとハッピーエンドの設置が良かったですね。特にノーマルエンドはヤンデレという女の子の狂気の怖さに留まらない、それに順応していってしまう主人公の精神的な崩壊が見物となっています。
ハッピーエンドは、その名の通りハッピーなエンドを迎えるものの、うっすらと将来に影が落ちていて、そういう雰囲気は個人的に好みです。何しろ、

「子供は二人がいいかな?」
「子供はいまはいらない……」
「子供嫌いだった?」
「ううん。子供は好き。だけども女の子だったら……」

みたいな、セリフのやりとりがあって……w
自分の娘すら「女」と見なしてしまう琴音にびっくりです。
ちなみに、このハッピーエンドは他のエンドを見た後で、再度プレイをするとある場所で選択肢が増えていて、それを選ぶ事で到達出来ます。

本作をプレイして思った事は、意外とヤンデレの彼女が居るって幸せなんじゃないか?ってw
私なんて、彼女なんて居ませんしね……。ゆがんだ形とはいえ愛してくれるなら、それはそれで幸せなんじゃないか?とか思ってしまいましたよ。

さっくりと遊べるヤンデレ作品としては、中々のものがあるのではないでしょうか??
ただ、敢えて気になった点を述べると、「独自のヤンデレへのつっこみ」が少し物足りなかったかな、と。
「ぱんけーき」さんの作品のように、世界そのものが病んでしまうとかw 或いは病んでいるのか病んでいないのか分からない、そのあわいを魅せるような感じというわけでもなく、はたまた「たぶんおそらくきっと」さんのように、或る意味でやたらと可愛らしい「病み方」がギャグになり、しかも最終的にしっかりとしたストーリーのバックグラウンドがある為に、エンドで意外にも感動出来るような、そういう感じでもない。

そういう意味で、もう少し、独自の「ヤンデレ」へのこだわりやつっこみが欲しかったですね。
一つには、プレイ時間の問題もあるのかな?
もう少し主人公に対する琴音の執着具合を見せるとか、それによってどんどんと追い詰められていく次郎の精神状態を描くとか、そういうのが描写されていたら、もう少し奥行きのある作品になったように思えます。
一応、「ヤンデレ」なるジャンルが確立(?)されているわけですから、一般的なヤンデレをなぞるだけではなく、そこに作者様のオリジナリティがもう少し配合されていると、ヤンデレとして予定調和にならずに良かったという事ですね。

実は、作品を深める為の要素は、提示されていました。
そう、琴音の過去です。「男に振られて以来、精神的に病んでしまった」というバックグラウンドがちらっと語られるんです。そこらへんを糸口として、琴音の過去に踏み込んでいったりしても良かったのかな、なんて思ったりして。

とはいえ、処女作でヤンデレに挑戦し、シナリオからスクリプト、イラストまでお一人で手がけてしまったポテンシャルは高く評価すべきです。文章も読みにくいとかはないし、次回作へ期待が持てますね。

先ずは、「ヤンデレはじめの一歩」として、プレイしてみることをお勧めいたします。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-05-01 21:35 | サウンドノベル


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