2008年 05月 10日

フリーサウンドノベルレビュー 『最上邸』

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今日の副題 「夜にプレイしなくて良かった!」

ジャンル:和風ホラー
プレイ時間:全てのルートを見て2時間くらい?
その他:選択肢有り。バッドエンド多数。
システム:Yuuki! Novel

制作年:2007/5/21
容量(圧縮時):54.5MB


道玄斎です、おはようございます。
昨晩は、夕餉を採ったあと妙に眠気が襲ってきて、そのまま結構な時間まで眠ってしまいました。その後、非常識にも人に電話を掛けたりして……。

で、電話を切った時点ではそこまで眠くなかったのですが、何となく厭な予感がしたので、やろうと思っていたゲームをやらずに再び強引に眠りにつきました。
今、プレイし終わった後で、昨晩の自分の選択が本当に正しかった事を思い知りました……。
というわけで、今回はかなり恐いホラー作品のご紹介。「DANGERZONE」さんの『最上邸』です。
良かった点

・開始五分で、絶叫したくなるくらいの恐い演出が……。

・全てのルートに比較的到達し易い。


気になった点

・Yuuki! Novel製なので操作性が……。

・少し後味の悪いラスト。もう少し最上家について踏み込んでも良かった。

ストーリーはベクターの紹介文から引用しておきましょう。
心霊ホラー研究部に所属し部長を務める(桐生茜)は最上邸廃墟ツアーを提案するが10年前の失踪事件の事等から全部員に却下される。
そこで、クラスメートで友達でもある主人公(神崎ゆかり)を誘い最上邸を訪れるのだが屋敷の中はこの世の存在でないモノの巣窟と化していた...

こんな感じのストーリーになっています。


或る意味、王道的なホラー作品ですね。
廃墟などの閉鎖された空間に閉じこめられ、そこで怪異に逢うというモチーフは今から1000年くらい前に成立したと思しい『今昔物語』にも見られる古典的なものです。
サウンドノベルに於いても、私の大好きな『柵の淵』だったり、はたまた『Bisque Doll』などといったゲームも、基本パターンは同じです。

私がこうしたサウンドノベルをガシガシプレイしはじめた時期、大体西暦2000年くらいからなんですが(まだ20世紀だ)、サウンドノベル=ホラー作品、といったイメージが少なからず、私の中にはありました。
ほら、元々『かまいたちの夜』とかの系譜を継いでいるような、そういう作品が多かったんですよね。中でも大作は『1999ChristmasEve』でしょう。私は、これはあまりなじめなかったのですが、その後のホラー作品に大きな影響を与えた作品ですね。

ともあれ、いまだに恐いのがニガテなくせに、ホラー作品そのものは大好きなので、こうやってちょくちょくとプレイしています。
本作は、その「怪異的」な意味での怖さは、歴代1、2を争うくらいの怖さでした……。
兎に角恐い!朝早く起きてプレイして大正解です。これが夜中だったらトイレいけなくなっちゃうよ。


ゆかりとあかねの高校生コンビが、最上邸なる怪異スポットを探索していく中で、様々な怪奇現象に遭遇し、尚かつその怪奇現象の背後にある事件を暴いていく、といった感じでしょうか。
ルートも結構な数があって、中には10分くらいで終わってしまうようなエンドも(勿論バッドなエンドなわけですが……)。
最初に素直に素直にプレイした時には、ちょっといい話的なエンドだったんですよ。
それはTrueルートと銘打たれていたわけですが、真のルートとは違うんですよね。何かしらのルートに到達した場合、「他にもルートがあるよ」とキャラクターが教えてくれたりするので、是非「真」のルートを見るまであれこれ試行錯誤しながら、頑張ってみて下さい。

ただ、そこまで選択肢に複雑なものはないかな??
選択肢音痴の私ですが、意外に迷わず全てのエンドを見ることが出来ました。一つ注意点を挙げるとすれば「敢えてそこを調べない」という選択を採る事で先に進めるものがある、という辺りですね。
選択肢が複雑なゲームで尚かつシステムがYuuki! Novelだったりすると、致命的にプレイしにくいのですが、今回はその中でもかなりプレイしやすい部類だと感じました(といっても、やっぱり少しプレイしにくいところがあるのは事実なんですが)。

先にも述べましたように、かなり恐いです。
開始五分で、「うぎゃっ!」と絶叫してしまうほど恐いです……。
ツカミの部分のインパクトはかなりのものが。

内容を突き詰めていくと、所謂Evel Eyeとか、見毒とかそういうものが絡んできたり、探索の途中で見つかる古文書(?)みたいなものには「オシラサマ」(学生時代、遠野まで見に行った事があります)と読めるものがあったりと、色んな伝承やらをミックスしている感じ。
又、随所随所で「わらべうた」なんかが出てきたりして、怖さを煽ります。

これは余談なのですが、岩波文庫で『わらべうた』って本がありまして、各地のわらべうたが譜面・歌詞付き(ヴァリアントも併記)で載っており、そういうのに興味がある人は是非読んでみて下さい。
ちなみにこの本、絶版になっていたので神保町の古本屋で1500円で買ったのですが、最近「ワイド版」で復刊されているみたいですね。こうしたわらべうたの大半が4分の2拍子なのは興味深いですな。


敢えて気になった点を探すならば、「真」ルートの後味の悪さでしょうか?w
後味の悪いエンドって私は割と好きなんですが、ちょっと救いがないよなぁ?と。
こういうホラー作品って、基本「恐怖・緊張」→「脱出・安堵」みたいなそういう流れがあるからこそ、最後に落ち着いた気持ちで画面を閉じる事が出来るわけで、最上邸にまつわる呪いを解放してやるような、そういうエンドが一つ付いていたら良かったなぁ、なんて少し思いました。
更に言うなら、結局「最上」の家とは何なのか?って所まで踏み込めるとベストだったのではないでしょうか?アッチの世界とコッチの世界の境界を管理する、神官的なそういう家柄だっていうのはうっすら推測可能なのですが、もうちょっとそこらへんを描いても良かったのかもしれません。

プレイしやすいですし、お勧めのホラー作品です。
キャラの絵は素材と思しいものの、そんなのが気にならないくらいの怖さにやられる事請け合いです。
夜中のプレイは要注意、です。
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by s-kuzumi | 2008-05-10 11:18 | サウンドノベル


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