久住女中本舗

kuzumi.exblog.jp
ブログトップ
2008年 05月 16日

フリーサウンドノベルレビュー 『ひなたぼっこ』

b0110969_127146.jpg

今日の副題 「ゆっくり心に染み渡る」

※吟醸
ジャンル:感動ノベル(?)
プレイ時間:1時間程度
その他:選択肢無し、一本道
システム:NScripter

制作年:2008/3/15
容量(圧縮時):44.7MB



道玄斎です、こんにちは。

最近は微妙にホラーテイスト溢れる作品ばかりプレイしていたように思えます。
恐いのはニガテですけれども、ホラー作品は大好きなので、それはそれで。。
とはいへ、たまには少し毛色の異なったものをプレイしたいと思うのも又人情。というわけで、少し前にダウンロードしておいたゲームをプレイしてみたら、とても良い作品にあたりました。
今回は「isenjo」さんの『ひなたぼっこ』です。
良かった点

・ツボを押さえた感動作品。良い雰囲気。

・独自の雰囲気を持ったイラストの処理の仕方。


気になった点

・ラストが少しあっけなかったかも。

・ラスト後にクリックを行うとNScripterが落ちる仕様だったので、タイトル画面に戻る、くらいの方がベターかと。

ストーリーはサイトのURLを載せておきます。こちらからどうぞ。


全体的にレベルの高い作品だと思いました。
こうした感動物を扱うのも、久々ですね。

舞台は、実はさりげなく近未来みたいです。
というのは、ヒロインのひなたは、遺伝子操作の技術で作られた「ミミッコ」と呼ばれる人種(?)なのです。
ミミッコは、能力の向上・可愛らしさの追加などを遺伝子レベルで行っており(ガンダムSEEDで言う所のコーディネーターみたいなもんだ)、特に可愛さの追加の面で、猫や犬といった動物の特徴を持たせたりもしています。

ヒロイン、ひなたは犬の特徴を持っています。だから犬のしっぽがついていたりするんですよね。こうしたひなたの特殊性が物語の鍵の一つとなっています。


なかなか出だしも良かったですよね。
まぁ、ちょっと無感動な男子高校生のモノローグみたいなもので始まったので、少しひやひやしたのですが、ヒロインが出てきた時点で「これは期待出来そうだ」と感じました。
何となく、なんですがゲームを始めて最初のインパクトのある場面で大体そのゲームが良さそうかどうかって分かりますよね。勿論、途中で大化けするものもあるので一概には言えないのですが。

そうそう、イラストに関しては触れなければならないでしょう。
塗り方がとても変わっている。上手く言えないのがもどかしいのだけれどもカラーフィルムを使ったような少しパキッとした感じ。塗りムラみたいなものも無く、濃淡もやっぱりカラーフィルム重ね張りみたいな感じで仕上げています。
あまりお目に掛からないタイプのイラストですが、中々良いんじゃないでしょうか? イラストのレベル自体も高いですし、何より作品に合っていたと思います。

全体的に、優しい雰囲気が漂う作品になっています。
ひなたとの生活を通して、段々と心を開くようになる主人公や、その主人公を支えるクラスメイトの女子の存在など、ありがちっていえばありがちなんですが、良い雰囲気で纏まっており、好感が持てました。

ひなたと主人公の交流が前半~中盤に掛けてのメインパートになるわけですが、無邪気に主人公を慕うひなたに戸惑いを覚えつつも、ひなたの優しさに触れ徐々に変化していく主人公が見所の一つ。
主人公を「ご主人さま」と呼ぶのはちょっとやりすぎかも、と思わないでもないけれどもw

脇役クラスメイトの遠宮さんも、中々いい味を出しているキャラでした。
ちゃんとバックグラウンドが設定されているからこその、脇役キャラとしての存在感と脇役ならではの行動力があったように思えます。


さて、気になった点なんですが、もう少しだけ設定を深く読者に理解させるような描写があったら、と感じました。
具体的に言うと、犬属性のミミッコであるひなたの「犬」としての特質をもう少し、説明しても良かったのかもと。

いや、勿論犬としての特性として大事な所はしっかり抑えてあるんです。
そこらへんは、まぁ実際にプレイして確かめて欲しいのですが、もうちょっと「大した事ない犬特質」が描かれていた方がより「上位の犬特質」が際だったんじゃないかなと愚案する次第。
というのは、主人公が帰宅して扉を開けると、すぐひなたが待っている、って描写があるんですが、これって多分「匂い」で分かったから出迎えてるって事なんですよね、多分。

あとは、人物に関する設定で少し。
というのは、主人公の死別した妹とか、或いはひなたの前の家族(?)の存在とか、「もうちょっと知りたいなぁ」と感じさせるような所がありました。
逆にこのくらいの飢餓感があったほうが良いのかもしれないのですが、ひなたの前の家族に関してはもう少し(間接的なものであっても)、説明があったら良かったのかも。
そこらへんがラストに活きてきたらベストだったのでは? 少しだけラストがあっさりしている感じを受けなくもないので。


後半、色々と書いてしまいましたが、レベルの高い作品ですし、素直に感動出来る良作です。
こういうテイストでの良作は久々でした。
プレイ時間も負担にならない程度の時間となっていますので、先ずはプレイしてみて下さい。
[PR]

by s-kuzumi | 2008-05-16 12:12 | サウンドノベル


<< フリーサウンドノベルレビュー ...      フリーサウンドノベルレビュー ... >>