久住女中本舗

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2008年 05月 25日

フリーサウンドノベルレビュー 『グッバイトゥユー』

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今日の副題 「早くの完成が待たれる……」

※大吟醸(一応、未完なので、暫定大吟醸ですねw)
ジャンル:異能アドベンチャー(?)
プレイ時間:ver2、ver3を通して5~6時間くらい。
その他:選択肢有り。バッドエンドも。尚、まだ未完。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:(今プレイ出来るVer2)2006/02/06、(今プレイ出来るVer3) 2006/02/01
容量(圧縮時)15.3MB+14.3MB


道玄斎です、こんばんは。
今日は、今までプレイを自粛していた作品のご紹介。
というのは、現在まだ未完、なんですよ。今回レビューで扱ったVer2、Ver3も「テスト版」という位置づけです。
基本的に「完成品」しか扱わないつもりなのですが、過去にも未完のまま(って言い方でいいのかな?)レビューを書かせて頂いた作品もありますよね?例えば『天雨月都』とか。

そんなこんなで、まだ未完ながら、ちょっと変則的ではありますが今回は「沢山ソフトウェア」さんの『グッバイトゥユー』です。
良かった点

・キャラクターメイキングが秀逸。

・ストーリーそのものも、巧みな引っ張りと勢いがありとても面白い。


気になった点

・少し、既読スキップの動作が早すぎる。

ストーリーは、サイトのURLを張っておきましょう、こちらからどうぞ。

っと、これだけじゃ、本作の真価は分かりづらいのでw もう少しだけフォローを。
主人公夏川は、ひょんな事から異能力者の集団「美術館」に入る事になります。
夏川自身も先天的な異能を持っていたわけで、その先天性に加えて、「K-タイプ」となる為のと強化手術を受け更にパワーアップし、「美術館」の一員となり、そこでのミッションを行っていく、という感じです。うんと端折りまくってますが。

Ver2では、夏川が「美術館」という組織に入って、平穏な日常生活に別れを告げるまで。
そして、Ver3では、実際に「美術館」での第一回目のミッションを完遂する所までとなっています。

兎に角、本作で凄いのは、キャラクターメイキングでしょう。
Ver2、3を通して、かなりの数の登場人物が出てきますが、プレイヤーは誰が誰だか分からない、といった混乱を起こすことは一切ありません。頭の悪い、私でさえ混乱しなかったんですから、驚くべき事ですw
どのキャラもちゃんと「キャラが立っていて」魅力的。その魅力の付与の仕方も、ちょっと電波な特徴を持たす、といったものではなく、ナチュラルに表現されていて好印象です。
勿論、各人の異能が識別を容易にしている面はあるのですが、それにしてもみんな魅力的でいきいきと描けているのではないでしょうか。
私のお気に入りは、なんと言っても民谷ちゃんです。きまじめで可愛い女の子で、とても魅力的だと思いました。

キャラクターの作り方の範疇に入れていいのかな?
あんまりストーリーそのものに関わりの薄い、「不良」とか「ゴロツキ」とか「愚連隊」とか呼ばれる連中の立ち絵がちょっと笑えますw
これでもかってくらいにデフォルメして、良い意味でのいい加減な感じが良く出ていて、一人で爆笑してしまいましたw 特に受けたのはVer3で出てくる揉み手をしている出っ歯の男ですなw
ちなみに、最初の最初に、物凄く胸くそ悪い野郎が出てきますが、そいつには立ち絵も用意されていませんw 

けれども、最初で描かれるような事って実は結構あるんですよ……。政治家絡みとか流石にそういうのはないですけれども、ああいう事をやっているヤツは確実に存在していて、今日も今日とて悪事をやっています……。正直、読みながら物凄く厭な気持ちになりました。昔を思い出して、煙草を一箱も吸ってしまったくらい……。
そういう意味ではVer2はちょっとキツイ描写が多いかもしれませんね……。本作が名作である事は確かなんですが、どうしても極悪人が出てきてしまうとムカムカしてしまいますw
Ver2に関してはシメなんか、物凄く良かったんですけれども、敢えて述べるなら、ちょっと胸くそ悪い極悪人が多すぎる、という感じでしょうか?


では、ちょっと順番が逆な気がしますが、本作での異能、もしくはその異能集団の一つである「美術館」についての説明をしていきましょう。

先ず異能について、なんですが、大体は後天的に「K-タイプ」の手術を受ける事で異能が発現出来るようになります。主人公の夏川のように先天的な異能力者が「K-タイプ」の手術を受け異能集団に加わる、というのは実は割とレアなケースみたいです。
能力には、系統があって、精神作用に秀でたものや、肉体強化に秀でたものなどがあります。うんと分かりやすく説明すると、『ハンター×ハンター』の念能力みたいなもんだと思ってw

ちなみに、夏川の能力は実はまだ未知数です。「K-タイプ」の能力者としては平凡な能力なのですが、彼にだけ使用出来る異常なまでの反応速度という武器があります。
これは先天的に持っていた能力なのですが、主人公の持つこうした能力も今後の展開で明らかになっていくのでしょう。
うんと大雑把に纏めると、ちょっと伝奇作品っぽい感触がありますよね。だけども、敢えてジャンル分けをすると、SFとかサイキックアドベンチャーとかそっちに近い。

夏川が集中した時に発現出来る、反応速度の能力は本作の「ゲーム性」の部分と密接に繋がっています。
というのは、戦闘パートがあるんですよ。画面を四つのブロックに区切って、敵の攻撃を見極めて避ける、というような形で戦闘パートが進んでいきます。ここでミスをするとバッドエンドになってしまいます。
ともあれ、攻撃に特化した能力というよりは、「逃げ」に特化した能力を主人公が有している、というのは面白いですね。こういうキャラクターの味付け、物凄く好きです。

蛇足なんですけれども、いつか作ろうと思って諸般の事情からあれこれ頓挫している、自分のサウンドノベルで、本作と似たような能力を主役の女の子(の一人)に付ける事に決めていたので、本作をプレイした時に「ありゃ……遅かったか……」と。
ただ、私の方の主役は、本作の主役よりも遙かに弱いです。あんまり戦闘とかそういうのは想定していないノベルゲームなので。
能力が「逃げ」とか「避け」に特化している、という部分は共通しているものの、こちらの場合「集中する事で、視界にマス目が見えて座標で攻撃を認識出来る」というものだったり、「せいぜいその異能は3分くらいしか体力の関係で保たない」と、ウルトラマンのような制約が付いていたりしますw 
そういう事情も相俟って、「攻撃に特化していない主人公」は私は大好きですw


……以上、蛇足でした。
ともあれ、戦闘パートがあるので、作品にもメリハリがついています。
ただ、この戦闘、以外と難しいです。最初予備知識の無い状態でやって、即死しました……。
その後、大分慣れたと思っても、後半では相当苦戦が強いられます。こまめにセーブをとっておいた方が良いでしょうね。


次に組織の説明なんですが、異能力者の集団は「美術館」だけに限らず、各地に点在して、凡そトータルで500人くらいいるようです。
各組織は協調する事もあるし、平和の為の「決まり事」みたいなものもあるのですが、一方で危ない思想を持っているグループもいます。

結局、異能力者の集団は、「法で裁けない極悪人を殺す」という事になります。
と、字面だけ見ると、ちょっとアレな感じがするかもしれません。しかし、単純な勧善懲悪の『必殺仕置き人』みたいな感じともまた違うんですよ。社会を蝕む悪に対しての怒りと悲しみ、というのが彼らの行動の動機です。
ここらへんは、ニュアンスが難しいので、是非実際にプレイして確かめてみて下さい。
兎に角、「美術館」もそうした正義の集団の一つ、という感じでしょうか。


なんだか、非常に説明的な感じになってますが、本当に面白い作品だと素直に感じました。
六時間くらいがあっという間でしたから。単純なバトルアクションとは一味違う、良質の作品です。
なんと言っても、テンポがいいんですよ。
すいすいっと、読めていく心地よさに加えて、次を読みたくなるような、巧みなストーリー構成。そして魅力的なキャラクター達。本当に滅多に出会えない素晴らしい作品です。
謎やアクシデントが出てきて、解決して……の連続なんですが、そうした部分のストーリーの引っ張り方も上々ですよ。


さてさて、ここらで気になって点を。
ツール自体に使いにくい所は特にないのですが、セーブがブロックで行われる、という辺りは吉里吉里/KAGの特性でしたよね? プラグインを入れる事でどこでもセーブが可能になるのですが、一応本作ではブロック単位でのセーブになります。
まぁ、そこはそんなに気にならないのですが、問題は既読スキップが異常に早いw
ほら、先にも述べましたように、戦闘シーンがあるんですよ。
戦闘で負けたからちょっと前のブロックからロードして、既読スキップを使って戦闘の直前で止めようかと思ったわけです。そうしたら、既に戦闘が始まっていて、結局再度死亡……w

戦闘自体が実は割と難易度が高めなので、ちゃんとこちらも準備しておかないと死亡してしまいます。ですので、結構既読スキップが、難易度を上げているというか、本作をプレイするにあたって、ちょっとネックになっている部分かもしれません。

大体こんな所でしょうか?
他にも、ちょっとBGMがありきたりのものが多いとか、色々あるんですが、それは蛇足というものでしょう。一プレイヤーとして早く完成したものを楽しみたいですね。
少し開発が滞っているようなのですが、無事に完成版が出る事を祈りましょう。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-05-25 23:03 | サウンドノベル | Comments(3)
Commented by Low at 2013-12-18 13:02 x
いまVer3をプレイしております。こんにちは 道玄斎殿。Lowです。
この作品はすごくいいですね。名前は知っていましたが 未完成のテスト版ということで まだみてなかったんですよ。 

世界に引き込まれること 引き込まれること。

>本作が名作である事は確かなんですが、どうしても極悪人が出てきてしまうとムカムカしてしまいますw

わたしは もう バットエンドになるのを承知で 選択肢選んでました。  その後再プレイで先に進めるための選択を押すまでしばらくかかりました。 心情的にどうしても・・・・・
選択肢を選びなおすのは嫌いな性格は元々なんですが ここまでのは 久々でした。 もちろん 先に進める選択肢のほうで正解なのですが^^;(心情的に行動するのはほんとに行き止まりのことなのはわかります)

うんすごい作品だなあ。 さあ まだ途中なので またコメント書くかもしれません。
Commented by Low at 2013-12-19 13:01 x
とりあえず プレイできるものは すべてしました。

あのあとは 心情的になる選択肢はなく ほっとしました。

ただ 自分が選ぶと・・・・・ 話が終わってしまう・・・・  ううう 選びなおすのは嫌いなほうだし・・・・・

・・・・・・

やっと 解決策見つけました。  自分で選ぶからだめなんだ! 主人公に選ばせるしかない!(まあ 要するに ぜんぶ選んでみて少し様子見て正解らしいほうに進む ずっこい方法)

うむ 彼の洞察力すごいな と 感心してみてました・・・・

う~む ゲームするでなく ノベルとして読んでしまった^^;

面白かったです。
Commented by s-kuzumi at 2013-12-27 20:22
>>Lowさん

普通に面白いですよね。
それもとびっきり。

選択肢というか、敵弾避けがちょっと大変ですけどw
この作品の一番の問題(?)は、本当に完結するのかなぁ? という部分だったりしますw

「もう……次のバージョンは出ないのかな……?」なんて油断していると、新バージョンが出たりするので、そういうのを込みで、楽しみにしている作品です。


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