2008年 05月 29日

フリーサウンドノベルレビュー 『Bisque Doll』

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今日の副題 「王道ホラーの実力」

※吟醸
ジャンル:館ホラーモノ(?)
プレイ時間:1ルート1時間半くらい。全部で2ルート。
その他:選択肢有り。バッドエンドも。要所要所にボイスあり。
システム:NScripter

制作年:2001/5/?/(本レビューはVer.1.06にてプレイ)
容量(圧縮時):7.46MB



道玄斎です、こんばんは。
さて、予告通りの昔懐かしのホラー作品のレビューです。
過去にプレイした人も多いんじゃないでしょうか?やはり、当時話題作となっていましたよね。
というわけで、今回は「零式改.com」さんの『Bisque Doll』です。
良かった点

・兎に角恐い。フリーサウンドノベルの館ホラーの草分け的存在。

・オーソドックスながらも、「あきりたり」な感じはせずにプレイを楽しめる。


気になった点

・立ち絵(影絵)のモーションが変わるたびにウエイトが掛かる。結構ストレスw

・バックログがマウスホイールの回転で見れない。

ストーリーは、サイトへのリンクを張っておきましょう。ここからどうぞ。


懐かしくプレイ致しました。
記憶の中で、ホラーというと私の場合どうしても『柵の淵』とこの『Bisq Doll』というのが、まっさきに思いつく作品となっています。大体リリース時期も近いんじゃなかったかな??
今から、七年くらい前の作品なんですが、良い作品は色あせないものなのです。

最近、ホラーといっても、割とひねりが効いているようなものを多くプレイしていたように思えます。というか、直球のホラーがあまりリリースされなくなっているのかも。
たまに、私は「うわっ、ここは悪霊の住む館だ!」とか書いているわけですが、本作はその直球のパターンです。

今回、改めて何年かぶりにプレイしたわけですけれども、ホラーって奥が深いなぁ、と。
ちょっとホラーに対しての認識を変えないといけないくらいに、面白い作品でした。
オーソドックスって言えばオーソドックス。なんだけども、それがとても面白い。まだまだ直球ホラーって、洗練させていく事が出来そうですよねぇ。

最初に言っておきますが、本作は普通に「恐い」です。
間違っても夜中にプレイしないように……。いや、「敢えて俺は夜中にプレイしてやるぜ!」って猛者には止めませんけれどもw
どこが恐いって、「雰囲気」が恐いんですよ。オドロオドロシイ髑髏が出てくるとか、ゾンビが出てくるとかじゃなくて、鳥肌を催す「空気感」とでもいいましょうか。
こうした恐い雰囲気を高めているのは、実は立ち絵です。立ち絵自体は、影絵なんですが、その影が想像力をかき立てますし、ホラーに合っていると思います。
又、影絵を見るだけで、キャラの特徴が分かるわけで、とても良い影絵だったんじゃないかな?と思います。暴力系(?)幼なじみの女の子は、キュロットスカート(らしきもの)が影絵であっても分かるようになっていたりと、意外と細部が凝っています。

で、要所要所にボイスが付いているのですが、「悪霊の館」のメイドさんこと、フォリナーさんの声の怖さは半端じゃない……w ちなみにフォリナーさんの声と主人公の妹は一人二役でした。
私は、どちらかと言うとフルボイスが好きな方なんですが、要所要所にだけ声を当ててもらう、というのもアリかな、と思いましたね。
意図したものかどうかは分からないのですが、要所要所にだけ再生される声だからこそ、怖さや安堵感、或いはラストの演出として機能しているような面がありました。

本作はルートが二つ。
一つは、幼なじみの女の子の、涼香のルート。
そしてもう一つは、クラスメイトで主人公が密かに恋心を描いている水谷さんのルート。

キャラクターメイキングも良かったと思います。
変なギミックじゃなくて、やはりここでもオーソドックスなキャラクターメイキングなんですが、それが心地よいというか。厭味がなくてとても良い。
これも割と良く言っている事ですが、オーソドックスって悪い事じゃないんですよね。問題はオーソドックスに飲み込まれてしまうか、あるいはそれをモノに出来ているのか、という点ですかね。この問題を解決した時に、オーソドックスはありきたり、ではなくて、素直に気持ちよくプレイ出来る要素になるように思えます。
その意味で、本作はお手本になるような作品なんじゃないでしょうか?

涼香の方は、割とあっさりとしているのですが、水谷さんのルートは恋愛風味もちょっと色濃く出ていて、色々楽しめます。こういう恋愛未満の空気感って大好物です。
水谷さんは、本当に理想的な女の子ですよね。霊感少女だけどもw
ちょっと蛇足なんですが、高校生くらいの時って、実際は水谷さんみたいな落ち着いたタイプじゃなくて、もっと派手な感じの子の方がモテるよね?歳をとるにつれて「水谷さんタイプ」の女の子の良さが分かってくるという。私ですか?私はもう小学生くらいの時から「ちょっと地味」なタイプの子の方が好きだったので、「お前の趣味はちょっと変」と言われ続けてきましたw
個人的な話で恐縮なんですけれども、私は「地味」な娘さんが好きなんですよ。何しろ私の究極の理想の顔って「のっぺらぼう」だもん(それは地味なのか?w)。

水谷さんルートのラスト付近の選択肢で、彼女に対して「誰かと付き合ってるわけじゃないんだよね?」と聞く事になるんですが、なんかもうそういうやりとりが甘酸っぱくて、たまらんですな。あと、普通にそういう事を正面きって相手に言える主人公に男気を感じてしまいました。大したもんだ。
私の場合だと、忘れもしない、山手線の中ですよ。あれ、どこだったかなぁ?池袋とかなんかそこらへんを通過していた時に「あー、えー、そのですねー、市場調査なんだけども、付き合ってる人とかいらっしゃいます?」と、恐らく史上最低の聞き方をした事がありますw 時間が戻るなら、過去の自分の愚行をやめさせたい!!


っと、今回は蛇足ばっかりですね……。
さてさて、気になった点、なんですが、実は殆どシステムに関するものです。
影絵のモーションが変わる時に、結構なウエイトが掛かってしまって、スムーズなプレイの妨げになっていて、ここが一番気になりましたかね。二週目に既読スキップでさくさくっと、プレイしていきたい時に、モーションで時間が掛かるとちょっとイライラしてしまいます。
あとは、マウスホイールでバックログが使えない、という辺りも。私は割とかちゃかちゃとクリックして文章を読んでいっちゃうタイプなので、頻繁にバックログのお世話になります。

とはいえ、まぁ、リリースが2001年と七年も前ですから、細かい所には目をつぶるのが正しいあり方なのかも。
そういえば、気になるって程じゃないんですが、最近よく見るので、一言。ダブルクオテーションってありますよね。たとえば「ホラー作品」とカギ括弧にしているのを、クオテーションで書くと、“ホラー作品”と表示されます。それが、”ホラー作品”となっているようなものが多いんですよね。ちょっと表示が分かりにくいかな?「“”」でワンセットなハズが「””」となってしまっている、と。多分、前者の方が正しいよね?
このクオテーションの処理って、商業ゲームでもかなり多くのゲームが、「””」式になっていて、どうにも気になってしょうがないんですよね。もしかしたらIMEの関係で上手く出ないのかなぁ?私の場合、ATOKを使っているのですぐに出せます。意外とATOKいいですよ?


今回は蛇足多めでしたね……。
けれども、作品は細部まで気を遣って書かれたクオリティの高いホラー作品だったように思えます。
オーソドックスな「館ホラー」。だけど、だからこその、細部のクオリティの高さ、怖さを是非是非実感してみて下さい。夜中にプレイしない事を推奨しておきますw

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-05-29 22:09 | サウンドノベル | Comments(0)


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