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2008年 06月 01日

フリーサウンドノベルレビュー 『鳥の歌声』

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今日の副題 「あの“終わり”のものかなしさ」

※吟醸
ジャンル:絵本風ノベル(?)
プレイ時間:小一時間くらい。
その他:選択肢なし、一本道。フルボイス。使用CPUは1GHz以上を推奨。
システム:LiveMaker

制作年:2005/?/?
容量(圧縮時):203MB



道玄斎です、こんばんは。
今日は、また珍しいタイプの作品を見つけてきてしまいました。カラフルでほのぼのとしていて、魅力溢れる作品だったと思います。
というわけで、今回は「いちなりSOFT」さんの『鳥の歌声』です。
良かった点

・フルボイスで、全員役にばっちり合った声が付いている。

・立ち絵は存在せず、かなりの枚数の一枚絵と共にストーリーが進行。

・ラストの独特な余韻が非常にグッド。


気になった点

・インストールを要求される……。

・ストーリーの長さに比して、容量が大きすぎるかも。

ストーリーは、今回は私が簡単に纏めておきましょう。
アンナは父親と一緒に、住居スペース付きの大型車で旅をしている。旅の道連れはインコのピィちゃん。ある夜、ピィちゃんはひょんな事から人間の姿になってしまう。これで、歌の大好きなアンナと一緒に、立ち寄った村での歌のコンテストにアンナと一緒に参加出来る。
そして、二人はステージに立つ……。

このくらいで止めておきましょう。

普通に面白かったです。
というのは、ファンタジックな作品ですし、なんだか「絵本」のようで感触で楽しむ事が出来たからです。立ち絵が存在せず、かなりの枚数の一枚絵が物語を彩ります。立ち絵の変わりに一枚絵が毎回毎回表示されている、という感じですね。

妙にほのぼのとしていて、優しい雰囲気。
ファンタジックな部分はあれども、「現実世界」は確実に存在している。敢えて言うならば魔女が併存している『魔女の宅急便』みたいな感じとも言えなくもないかも。

又、嬉しい事にフルボイス。しかもボイスのクオリティも上々ときていますから、一読(一聴)の価値は大いにあるのではないかと。一枚絵+フルボイスでその分容量がかなり大きくなってしまっているんですけれどもね。

なんというか、悪役、みたいのも出てきますが、それも「絵本」のようにどこか抜けていて妙に憎めないタイプの悪役ですし、うんと簡単に全体を纏めちゃうと「夢一杯の絵本風ノベル」という感じでしょうかね。意外とこうしたタイプの作品は少ないので、貴重だと思います。

そういえば、システムはLiveMakerなんですが、ここ最近一気に使い勝手が向上して、主流の一角を占めてきたLiveMakerよりもちょっとヴァージョンが古いのは、微妙に使い勝手が。例によってあのマウスホイールによるバックログが無かったりするので……。
あとは、遊ぶ為に、インストールを要求する、というあたりでしょうか?NScripterなんかを使っていて、尚かつインストールを要求するものなんかは、フォルダの中を漁って.exeを見つけちゃえばインストールしないでもプレイ出来るのですが、本作の場合、圧縮された.zipをほどいてやるとインストーラーとAUTORUN.INFしか入っていないというw
一応、作者様の側で想定されているプレイ時間は1時間15分程度なわけですが(全三章という構成になっています。各話25分という目安ですね)、実際プレイしてみると一時間も掛からないでしょう。さくさくとテンポ良く読み進める事が可能です。


本作で、特筆すべきは、ラストの雰囲気でしょうか?
人によって感想はまちまちだと思うのですが、私には妙にラストの余韻に良いものを感じました。
夜のネオンの街に走り出していく車。ほんの少しの寂しさを感じさせるようなエンドで、私の好みです。もう少しだけ物語の中に浸っていたいような、そういう印象ですね。
エンドの前に最高に盛り上がる場面がムービー付きで出てくるので、その落差みたいなものもエンドを後押ししているのかな?祭りの後、みたいな、楽しかった思い出だけが残るみたいな。
先に『魔女の宅急便』を例としてちらっと挙げましたが、ジブリ作品のエンドに近い手触りがあるように思えます。少しファンタジックで、良いお話。なんだけども、ラストはほんの一さじのものかなしさがあるような、そういう感じです。
少なくとも、私にとっては、妙に懐かしさとゆかしさを感じてしまうエンドで印象的でした。

「絵本」「絵本」と連呼していますが、「童話」っぽい所もあるのかな?
だから、インコのピィちゃんが人間になったり、なんて場面も「嘘っぽく」ならずに、作品世界に綺麗になじんでいたように思えます。

少し容量が大きい(フリーサウンドノベルの中では最大級の容量だ)のですが、プレイする価値はあると思います。

ファンタジックで、ほのぼのとしていて、可愛らしくて、それでいて最後に一さじの悲しさを感じさせてくれる作品です。
是非是非、プレイしてみて下さい。
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by s-kuzumi | 2008-06-01 17:20 | サウンドノベル | Comments(0)


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