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2008年 06月 06日

フリーサウンドノベルレビュー 『時流』

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今日の副題「全ては“彼女”の為に……」

※吟醸
ジャンル:ループ系伝奇(?)
プレイ時間:6時間~8時間くらい
その他:選択肢はあれど、一本道。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2006/9/?容量(解凍時):118MB



道玄斎です、こんばんは。もう丑三つ時ですね。
ここ数日、「是非再度プレイしたい」と思う作品があって、それをコツコツとプレイしなおしていました。セーブデータを元にしてみると、どうやら私が最後に遊んだのは2006は10月だったようです。思ったよりも昔じゃないですねぇ?
というわけで今回は「WhiteFlame」さんの『時流』です。「じりゅう」ではありませんよ? 「ときながれ」です。
良かった点

・全体的にレベルの高い伝奇作品。

・キャラが皆、魅力的。

・安心のハッピーエンド設計w


気になった点

・ループ系なので、多少ダレてしまうかも。

・後半、少し分かりにくい部分も。

ストーリーは、ベクターの紹介文から引用しておきましょう。
死するなれば慈悲を。せめて痛い思いをしないように、そう願うだけ。 生き残るなら慈愛を。せめて運命に絶望しないように、そう願うだけ――。これは、終わりの始まり。 無数に始まる終わりの物語。 時の流れの果てにある、誰かが歌うほろびの唄。
White Flameの送るサウンドノベル「時流」

こんな感じのストーリーです。
って、これだけじゃ分からないよね。まぁ、結構複雑なストーリーになっているので、是非プレイしてみて確かめてみて下さい。


二年ぶりのプレイです。
改めて、「クオリティが高いなぁ」と素直に感じました。イラストも水準以上で魅力的ですし(私は鴇乃さんが一番好き)、音楽もばっちり。割と観たことのある背景素材とかもあるのですが、そういった部分がマイナスに写る事もなくとても綺麗で、好感の持てるものでした。

何より、8時間掛かるその物語を作り上げたという、その情熱にびっくりですよね。
更に長い(何と20時間オーバー)のフリーのサウンドノベルもプレイした事はありますが、8時間という数値は、フリーのノベルゲームではかなり長いプレイ時間になるでしょう。

敢えて、誤解を恐れずに言えば、「ひとかた」的なループを持った作品、という事になります。全部で何回ループするんだろう?結構ループしますw
選択肢はあるのですが、選択できる箇所は一箇所だけだったりと、「ループの為のしかけ」とでもいいましょうか、そうしたものも感じられて私はしかけの一つとして、好きですよ?

何度かループを繰り返して、「そろそろダレそう……」というあたりで、ループが簡略になったりする処置はグーだと思います。なんだけども、やっぱりループは少しダレちゃうかもしれませんね。作品の特徴とも言える、このループなわけですが、ループ系の作品の持つ良さと同時に、気になった点も持っているように思えました。

結局、ループするわけですから「ループするような設定」になっているわけです。当たり前ですよね? つまり「何度もループする為の必然性」というのもそこには内包されているわけです。これもいいですよね。
とすると、「決定的に足りない何かの為に奔走する」とか「因果の流れを断ち切る」というような、ストーリーラインが自ずと浮かんできてしまうんですよ。ループという特徴を持つが故に、オリジナリティみたいなものの一部もそのループに支配されてしまっている、とでもいいましょうか。

そこにやはり「ループが必然である設定」として伝奇(か、或いはそれに近い)というジャンルが浮かび上がってきてしまう。ですので、こういうループ系の作品を何度かプレイした事があれば、割と簡単にストーリーの流れを全部プレイしないでも、大凡掴めてしまうという。
とはいえ、最終的な「ループの目的」はちゃんと隠されていたり、「最終ループ」まで観ないと明らかにならない設定があったり、そういう処置とても良い。

キャラも皆立っていて、良かったです。
ヒロイン(の一人?)氷花も可愛いですし、もうおなじみの馬鹿の友人役も適度な「お馴染み感」を感じさせつつ、キメる所はしっかりキメてくれます。更に、そのお馬鹿な友人の幼なじみの女性キャラ梓も良い味出してました。
ビジュアルで言えば、鴇乃さんがダントツなんですが、本当の私の好みを申しますと、その梓の外見に、氷花から茶目っ気を取った中身が入っていれば、もう最高です……w
氷花はあのクール+茶目っ気があるから、魅力的なヒロインなんですけれどもね。基本的に厭味が無いキャラクターメイキングで、隠れた高ポイントだと思います。十兵衛さんなんて、結構コテコテのキャラだけども、ちゃんとシリアスな顔があるし、くどさや、「無理矢理感」を感じないんですよねぇ。
いや、あるんすよ。たまにヒロインの中にどうしても魅力を感じないタイプのものが。それは最近、某商業作品をプレイしていて思ったんですが。
くどくなりすぎず、厭味がない。キャラクターメイキングはこうありたいものです。

あー、そういえば鴇乃さんのフォローがラストに無かったのがちょっと……。折角の魅力溢れるキャラなので是非彼女も幸せになれるようなフォローがあったらなぁ、なんて。

そこらへんの、「みんながハッピー」になれるようなエンドの描写があれば、最終的にもっと完成度の高い作品になったのではないかと思います。
とはいえ、下手な商業作品なんか目じゃないくらいのクオリティですよ。文章だって上手ですし、伝奇のオイシイ所はちゃんと踏襲されているし、これがフリーなのが信じられないくらいです。いや、ホントフリーの世界って面白いですよねえ。下手なプロを越えるような作品がこうやって出てきてしまうんですから。そこらへんのフリーのサウンドノベル/ノベルゲームとは何か?みたいな話はまた今度、「箸休め」ででも語ろうかと思います。

何はともあれ、超気合い入りの作品です。
少しプレイ時間が長いのですが、伝奇好きは迷わずプレイすべきでしょう。勿論、伝奇好き以外の方も、読み応えがあって面白いので、是非是非。

それでは、今日はこのへんで。
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by s-kuzumi | 2008-06-06 03:24 | サウンドノベル | Comments(0)


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