「ほっ」と。キャンペーン
2008年 06月 11日

フリーサウンドノベルレビュー 『friend&solitudeR』

b0110969_143363.jpg

今日の副題 「二番目の原点」

※吟醸
ジャンル:青春アドベンチャー(?)
プレイ時間:1時間半程度
その他:選択肢なし、一本道
システム:NScripter

制作年:2008/6/8
容量(圧縮時):51.0MB



道玄斎です、こんばんは。
今日は例によって「あおぞら幼稚園」さんの新作です。新作って言っても実はリメイク作品ですね。確か、二番目のオリジナル作品の『friend&solitude』を大幅リニューアルしたものです。画像や音楽がパワーアップしていて、更に楽しめる作品になっていました。
良かった点

・なんと言っても熱い展開と疾走感が堪らない。

・伏線が効果的に張られ、また綺麗に回収されていく。

・基本、悪人が存在しないので、綺麗なラストを迎える事が出来る。


気になった点

・ちと、ご都合主義的な所が多いw

ストーリーは、サイトの方から引用しておきましょう。
貴方は友達のことをちゃんと考えたことはありますか?
貴方は友達をどういう風に考えていますか?
貴方は友達に何をしてあげられますか?

貴方は孤独の恐ろしさを知っていますか?
貴方は孤独の寂しさを知っていますか?
貴方は孤独の辛さを知っていますか?

自分の居場所を求め続ける者に幸せはあるのか。
そして強き想いを胸に秘めて───

こんな感じのストーリーになっています。

さてさて、結構久しぶりな感じですね、あおぞら幼稚園さんの作品を取り上げるのは。
また近いうちに『おにあい』でもやりたい所なんですが、『おにあい』の方もリメイクされないかなぁ? フリーゲーム史上に残る強烈なオチが付いていて私は大好きですw

んで、ストーリー紹介を見ると、ちょっと「いじめ、駄目」みたいな印象を持つと思うのですが、実はそこまで「いじめからの復帰」みたいなテーマは打ち出されていません。前半部ではそういうテイスト全開なんですが、全体で見ると、まさに「青春アドベンチャー」なんじゃないかなぁ、と思う次第であります。

結構、ドロドロしていて、矢継ぎ早に事件が起こって、という感じです。
実はドロドロ度はかなり高め。お昼のドラマみたいな、そういう感じがあったりなかったり。
ヒロインの水菜さんが、いじめられっ子で、いじめから復帰して主人公と付き合いだしたら、密かに主人公を想っていた幼なじみが嫉妬に狂って、銀色の凶器を持ち出したり……、とかなりトバしてます。

けれども、全体を貫くのは例の「主人公の熱い行動力」とそれに伴う「疾走感」なのです。
何か事件が起これば、即座にそれに対処すべく立ち上がり、綺麗に話しを仕切る。男気溢れるヤツなのです。その後のあおぞら幼稚園さんの作品の主人公は、大凡このスタイルを踏襲していきます。本作に於いては、そういう熱さがじめじめっとした空気を薄めています。
スタイルの踏襲と言えば、例の「悪役が目論むえっちぃ犯罪」もちゃんと健在。スクリーンショットはまさにその場面です。

今回のリニューアルで変わったのは先ず絵なんですが、私は実を言うと、以前の無印『フレソリ』の絵も好きなんですよね。『おにあい』でもいいんですけれども、ああいう絵って味わいがあっていいじゃない? かならずしも立ち絵が付いて無くてもいい、というのが同人なり、フリーのサウンドノベルの良い所なので今回のように、美麗なイラストが付いていれば、それはそれで嬉しいんだけども、そこまで私はヴィジュアルにはこだわらないのでした。

改めてプレイしてみて気付いたのですが、2007年くらいからのリリースラッシュ、あれはもしかすると本作の「部品」から派生して出てきたものが多いんじゃないかなぁ?なんて。
やっぱり、同一の作者様って事なんですが、どうにも連続でリリースされてきた短編の基礎になっているような、そんな印象を本作に持ちました。


さっき、ヴィジュアルはそんなに気にしない、と言ったのですが、その舌の根が乾かぬ内に、「それでもヒロインは可愛いよ!」と声を大にして言いたいw
正直、こんな可愛い子がいたらいじめられねぇよ、と思っちゃいますよね。可愛くても「地味」な子がいじめられる、ってのはまぁ、大体中学生くらいまででしょうか?

大抵の場合、女の子っていうのはグループを作るもんでして、「派手」な子が多く所属する最大派閥があって、中規模の団体が二つくらい。そして二人で一組みたいな団体がやっぱり二つくらい。一クラスの中の女子グループの構成ってこういう感じじゃありません?w
地味なんだけども、磨けば光るものを持っているのは、二人で一組タイプの女の子です。私はこういう子大好きなんですよ。自分が中学生くらいの時は、良くそういうタイプの子とつるんでました。ただ、彼女達は割とその、なんていうか、「オタク」テイストが強い人が多くてですね、生まれて初めて同人誌(しかも男×男のヤツだ……)を見させられたのも、こういう子達からでしたw もしかすると彼女達との出会いが無かったら今、こんな活動やってないかもなので、感謝ですね。

無印版とリニューアル版で、印象が大きく変わったのは悪役「佐川さん」です。
無印版はそれなりに可愛い顔をしていて、私は結構好きだったんですが、リニューアル版では「イカニモ」なキャラになっていて、本気でちょっと憎らしくなりました。けど最後にちらっとデレシーンが入るw


さて、恒例の気になった点なんですが、これは難しい問題なのです。
というのは、作風という問題があるからです。多少ご都合主義的な所が多い、と書いたわけですが、それすら勢いで突破してしまう、というのがあおぞら幼稚園さんの大きな特徴で、良い所なんですよね。

例えば、イジメが無くなった途端、クラスのみんなもぴたっとイジメをやめて、水菜ちゃんと親しくなるとか、逆にイジメの主犯だった佐川さんは、急にみんなからイジメられちゃう、とか。
そういう部分で、リアリティっていうか、ちょい気になる部分があります。
或いは、ラストの事件(?)にどうもとってつけた感があるとか、ね。何となく論理的にリアリティがないような気もします。ま、だからこそこの勢いを殺さずラストまで疾走出来るのだけども、もうちょい「リアリティ」ではなくていいけれど、「リアリティっぽさ」があっても、と。

後は、文章でちょいと。
大体、主人公視点で物語が進むと、ヒロインの水菜ちゃん視点からその物語をもう一度捉え直して描写される、という二つの視点があるわけです。
それが、なんて言うかラストの辺りまでずっと、そういう体裁で進んでいくので、多少ダレてしまう。こういう視点を変えた「場面の捉え直し」って効果的にピンポイントで使う方がインパクトもあるし、良かったんじゃないかなぁ?

大体こんな所。
普通に良作です。疾走感があるから、1時間半もあっと言う間に過ぎるのではないでしょうか?
ののかちゃんがあんなに主人公の事が好きだったのに、あっさり二年後には結婚しちゃうなんて、女は信じられねぇ、とかそういう野暮な感想は言わない方向でw

沢山の作品をリリースされているあおぞら幼稚園さんの、初期の作品です。
この熱さ、疾走感は中々味わえませんぜ。
そうそう、ファイルを解凍すると、作者雪双葉さん(<<今度ご飯でも食べにいきません?w)自ら、あおぞら幼稚園の歴史を纏めたテキストファイルが入っております。ファンは必読です。

それでは、また。
[PR]

by s-kuzumi | 2008-06-11 01:05 | サウンドノベル | Comments(7)
Commented by val at 2008-08-09 00:09 x
これがDLできるとこってどこでしょう?
Commented by s-kuzumi at 2008-08-09 00:58
>>valさん

はじめまして、こんばんは。

http://www.geocities.jp/nanaminamo/furesorir.htm

ここの下の方に、ダウンロード先のリンクが張られています。
一緒にダウンロードキー(パスワードですね)も書いてありますので、それを使って落としてやればOKだと思います。

……と思いきや、今自分で試してみたら、403が出ますねぇ。
もしかしたら、このアップローダーは、古い日付のものから消えていっちゃう仕組みなんでしょうか。。

というわけで、現状、ダウンロードが出来ないみたいです。
お役に立てず、申し訳ないです……。
Commented by s-kuzumi at 2008-08-09 01:03
追記。

ちなみに、リニューアル版じゃない通常版は、ベクターから落とせます。

http://www.vector.co.jp/soft/win95/game/se367491.html

ストーリー自体は基本的に変わらないので、興味があればこちらをプレイするという手も……。
Commented by val at 2009-05-28 19:57 x
挨拶もなしに質問だけの相手に答えていただきありがとうございます
9ヶ月以上空いてしまいましたが、今更お礼に来た次第です
時間的に余裕ができたので、さっそくベクターさんの方から落としてプレイしてみたいと思います
Commented by s-kuzumi at 2009-05-29 19:55
>>valさん

こんばんは。
いえいえ、本当にお気になさらず。。。

リニューアル版と通常版では、イラスト面が滅茶苦茶違うので、些か戸惑うような所もあるかと思いますが、基本的なストーリーは変化はないハズですので、ヴィジュアル面にさえ目をつぶれば問題なくプレイ出来ますw
とはいえ、私は個人的に、ああいう味のあるタイプの画、好きなんですけれどもね……w
Commented by falcon at 2010-03-09 15:34 x
リニューアル版は再びアップロードされないでしょうか
Commented by s-kuzumi at 2010-03-09 23:13
>>falconさん

こんばんは、初めまして。

>リニューアル版は再びアップロードされないでしょうか

んー、こればっかりは……作者さん次第ですよねぇ。HPの方に動きがない以上、もしかしたらあるかもしれない再アップを待つしかないのかなぁ、と。

多分……ビジュアル面や演出面で強化されているだけで、シナリオ自体は変わっていないハズですので、旧ヴァージョンを楽しむ、というのが出来うる最善策かなぁ。


<< フリーサウンドノベルレビュー ...      一周年企画第一弾 『一年を振り... >>