2008年 07月 20日

フリーサウンドノベルレビュー 『MIST』

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今日の副題 「霞に閉ざされた心の内」

ジャンル:女性向けビジュアルノベル(?)
プレイ時間:1ルート15~20分くらい。全部で6ルートあり。
その他:選択肢あり、結構多いかも。
システム:NScripter

制作年:2008/7/15
容量(圧縮時):10.3MB



道玄斎です、こんばんは。
昨日、原因不明の腹痛で蹲っていたので、更新が出来ませんでしたが、今日はちゃんと正露丸を服用しているので大丈夫。また、色々お勧めの作品なんかも教えて頂いているので、当分、プレイするゲームには困りそうにありません。
さて、今回は「JACK IN THE [BOX]」さんの『MIST』です。絵師さんとのコラボ作品という事になりましょうか。
良かった点

・若干耽美っぽい雰囲気がグー(耽美っていうとそっち系だと思われちゃいそうだけど)。

・背景とイラストの雰囲気が良くマッチしていたと思う。イラストも可愛らしくて、キレイです。


気になった点

・どのルートも若干の物足りなさが。

・意外と、全てのルートを見るのが難しいような。

ストーリーは、特設サイト(?)から引用しておきましょう。
「どうぞ」

差し出された白いカップに、赤い液体がゆらめいていた。


数秒、その赤に視線を落とす。甘さの中に酸味を含んだ、強い香り。
特に意識せず顔を上げると――彼は、静かに見つめ返してきた。
なのにどうしてだろう、その表情が読み取れない。

「さあ。……お嬢様」

このひとは、だれだった、だろう。

こんな感じのストーリーとなっています。

一応、女性向けという位置づけのようなのですが、男性でも普通にプレイ出来る作品です。視点キャラが女性(デフォルトの名前=アリス)で、恋愛要素もちゃんと入っているので「女性向け」となっているだけで、実はどなたでも問題なくプレイ出来ると思います。
たまーに女性向けと銘打たれた作品をプレイしているわけですが、意外と侮れないものが女性向きにはあったりします。女性向き、というジャンル分けで敬遠される方もいらっしゃると思うのですが、どうぞ先入観を捨ててプレイしてみて下さい。

プレイして先ず気付くのは、タイトルとの連動性です。
タイトルが『MIST』で、視点キャラ=アリスの視界、そして意識は霧が掛かったようになっており、目の前に立っているキャラは最初は薄ぼんやりとしか認識出来ません。
この薄ぼんやりとしたアリスの世界から、抜け出すのか、或いはそのまま溺れていくのか、というのが選択肢の大きな区分けになります。

どちらが現実で、どちらが夢なのか分からない、そんな霧に包まれたような不明瞭感が大きな特徴です。
ちなみに舞台は、少し中世ヨーロッパ風で、アリスはお屋敷のお嬢様という役所なので、ちょっと中世ヨーロッパ風ノベルの耽美な感じが微妙にあって、こういう雰囲気結構好きです。
これは蛇足なんですが、私の身の回りの人って、アメリカ至上主義みたいな人たちが多くって(特に女性が多い)、私は少し辟易としているんですよw 個人的に或る程度の「歴史」があるものの方が好きなので、こういう雰囲気は結構好みなのでした。
それに微妙に隠微な空気感があって、そういうのが好きな人にはたまりません。


基本的には「これ」と決めた選択肢を選び続ける事で、四つのエンドは比較的簡単に見ることが可能です。一応、それぞれバッドとハッピーエンドの二種類があって、それで四つのエンドになっています。
で、もう二つのエンドは結構到達するのに苦労します。
というのも、単純にストーリーだけを追っていくなら、かなり短めのストーリーなのですが、その割に選択肢の数が結構多いんです。それも特徴的な行動を選択していく、というタイプよりも「ある行為をするかしないか」という二択に近い感じで、色んな組み合わせを試していかないと中々エンド5、エンド6にたどり着けませんでした。
結局、オールクリアーまでに2時間くらい掛かってしまいましたね。

そういえば、エンド5までは序盤からの一貫した物語軸にそったエンドだったのですが、エンド6は若干唐突感があるかな? 
エンドに関して言えば、「これからどうなる?」という期待を持たせた所で終了、というパターンが多かった気がします。出来たら、もうちょいエンディングとかで「その後」を補完してくれるような、そういうものがあっても良かったのかもしれません。そういう意味で若干、物足りなさが。


全体的にもやもやとした雰囲気、そしてどこか隠微な空気感が魅力の作品だったと思います。
割とさっくりとプレイ出来るハズ(全てのエンドを見ようとすると話は別なのですが)ですので、気軽にプレイして欲しいと思います。
一応、女性向けなので、女性の方はどういった感想を持たれるのか、興味がありますね。

今回はちょっと短めですが、このへんで。
それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-07-20 21:16 | サウンドノベル | Comments(4)
Commented by SHO at 2008-07-21 07:15 x
道玄斎さん、はじめまして。いつも感想、興味深く読んでます。
このゲーム対象がどうとかよりも主人公を取り巻く状況に目が行き、視覚効果と断片的なピースで主人公と共にもやもやもどかしい気持ちになれるのが面白かったです。思考も視覚もはっきりせず、しかしながら覚醒に向う辺りは画面がはっきりしだしタイトルと相まってうまい演出だと思いました。BADでは兄の行動が暗い影を落としてましたね。シナリオではこんな状況に落とされたのにそれでも向き合いに行くED4が好みです。

最近の女性向けではAnothers Letterが面白かったですよ。
ホラー、ミステリー、ラブ。ルートによって雰囲気が変わります。
おそらく一般でも楽しめるかと。 個人的にキャラ絵がとても好きです。
Commented by s-kuzumi at 2008-07-21 13:17
>>SHOさん

こんにちは、はじめまして。
いつもこんな駄文を読んで下さっているとの事、嬉しく思います。

『MIST』は本当に仰る通りで、主人公の状況を断片的なピースから或る意味で推測していくような、そういうもやもやした感触が良かったですね。兄のエンドはちょっと危ない感じがしないでもないのですがw 結構好きなエンドだったりします。

さて、作品のご紹介有り難う御座います。
『Another Letter』は実は既にダウンロード済みです(まだプレイしていませんが)。どうやら、恋愛だけでなく、色んなジャンルがルートで分岐するタイプみたいで、面白そうですね。
少し長目かもしれないのですが、折りをみてプレイするつもりです。

またお勧めの作品などが御座いましたら、どうぞお気軽に書き込みをなさって下さい。
それでは、失礼致します。
Commented by at 2009-10-18 13:00 x
道玄斎さん、はじめまして。日々追加されていく丁寧なレビューの方、常々楽しく読ませて頂いております。

文字数の事もあってイキナリ不躾にオススメを……。既にプレイ済みだったらすいません。
同作者様の発表されている「蛸」という作品が実に味わい深いものでした。
MISTとは同じ女性向けですが、かなり趣が異なっています。出発点は女性向けだったけど色々と描いていく内にもっと広い枠で扱える作品に仕上がってしまった、といった感じです。
女性向け作品としての甘さに現実的なほろ苦さが加えられており、さらに作者様特有の主人公像もいかされて二重三重に面白い物語だと思います。
プレイ一週目、攻略を見ながらノーマル2というエンドを迎えた時の切なさが……
人を選ぶものかもしれませんが、素晴らしい作品の一つだと思います。
Commented by s-kuzumi at 2009-10-19 19:29
>>鋏さん

こんばんは、はじめまして。
拙いレビュー、ご覧頂き恐縮です。

さて、作品のご紹介有り難う御座いました!
早速『蛸』の方、落としてきて少しプレイしているのですが、まだ読了していません。
やはり、女性向きっぽい……かな? という感触はあるのですが、取り敢えず風邪を直してからコンプリートを目指してみようと思います。

またお気軽に書き込みなどなさって下されば幸いで御座います。

それでは、失礼致します。


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