2008年 08月 03日

フリーサウンドノベルレビュー 『歌恋』

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今日の副題 「ちょっぴりディープな恋愛ストーリー」

※吟醸
ジャンル:ディープな恋愛ストーリー
プレイ時間:1ルート小一時間くらい。
その他:選択肢有り。5つのルートに分岐。15歳未満はプレイしちゃ駄目。
システム:FAB system

制作年:2005/2/19
容量(解凍時):3.48MB




道玄斎です、こんにちは。
今日は、久しぶりに昔プレイしたゲームを掘り出してきました。
セーブの日付を見ると、丁度ぴったり三年前にプレイしていたんですよ。たまにこういう事ってあって、「そういえば、アレやりなおしてみようかな?」なんて思って、昔プレイしたゲームを起動すると、丁度一年前とか、二年前にプレイしていた事が発覚みたいな。
何か、きっとその作品の持っている空気感とか、そういうのが季節とリンクしたりしているんでしょうかね。
さて、今回はかなり色んなタイプのディープな恋愛が詰まったお話のご紹介。「sugar star」さんの『歌恋』です。
良かった点

・ただの恋愛モノではなく、かなりディープなので、恋愛モノの作品愛好家に幅広くお勧め出来る。

・これだけの中身で、驚きの低容量。

・勿論、王道恋愛的なじわりと来るルートも。


気になった点

・色んなタイプの恋愛が入っているだけに、全体的な統一感は少し薄いかも。

・結構ハードな男同士の恋愛ストーリーもw

ストーリーは、今回は私が纏めておきましょう。
引っ越しにより、大好きだった恋(れん)と離ればなれになってしまった主人公。
それから四年の歳月が過ぎ、主人公の隣家に引っ越しがある。何と離ればなれになってしまった恋がこの街に戻ってきたのだが……。

まぁ、このくらいで。文章の下手さは目をつぶって下されば幸いです。



かなり密度の濃い恋愛モノだったのではないでしょうか?
今回、三年ぶりにプレイしてみたのですが、面白くて一気にプレイしてしまいました。
全部で5つルートがあるのですが、王道的な恋愛を扱ったものは2ルート。雛ルートと、芹ルートですね。

雛ルートが本作のメインのルートという事になりましょうか。
ちょっぴり変則的な「ぼたんゆき」タイプとでもいいましょうか、そういう部分もあるのですが(序盤ですぐに分かるハズ)、それを踏まえてもやっぱり面白かったです。面白いというと語弊があるかな。「ああ、いい話だったなぁ」と。
今流行の(もう少し廃れてきてる?)ヤンデレに近いような部分もちらりと描写されていたり、お腹いっぱいの内容でした。このルートはやっぱり気合いが入ってますし、お勧め出来ますね。

問題にしたいのは、芹ルートでして、この芹さんという女の子がクセモノなんだw
一見すると清楚系。なんだけれども……。
彼女は本作の中で「ドロドロ」担当というか、まぁちょっぴり損な役回りかもしれません。三年前も、そして今日プレイした時も即座に「この女には気をつけた方がいい」と脳みそが警告を発していましたw 
さっきも書きましたが、ヴィジュアルを見るとおっとり清楚なお嬢様、って感じなんですが、コケティッシュというか妙なお色気むんむんというかw
彼女のルートに入ると、彼女がそうなってしまった結構重たい理由が分かったりするのですが、ちとプレイしていて辛い所もあるかな? 特にプレイヤーが男性だと。
エンディングはキレイに纏まっていましたし、まぁ、総じて考えてみればやや重ためではあるものの、恋愛モノとして十分納得のいくルートだったと思います。

んで、本作、びっくりな事に男×男のルートもしっかり完備。
なんか、作者様はかなりノリノリで書いていらっしゃるような……。あっさり爽やかに(?)恋愛未満くらいで止まるシナリオがあったり、或いはもう、こりゃハードなBL小説なんじゃないかと思うようなディープなものもあったりして。男の身としては、なんだか読んでいてある種の寒気がするのですが、そういうのがお好みの女性も多いようですので色んな人のニーズに応える作品だなぁ、と。


さてさて、後書きの「座談会」を見れば分かるのですが、「フリーで最高クラスのグラフィックを」と仰っていたのですが、2005年のリリースを考えれば、実現出来ていたんじゃないかな、と。少しクセはあるものの(ちょっと等身低めな感じ)、可愛らしくてキレイなイラストだったんじゃないでしょうか? やっぱり一枚絵は気合い入ってますね。特にルートをクリアした後に出てくる、イラストはかなりのハイレベルで、雰囲気も出てました。
ちなみに先に触れたハードなBLっぽいシナリオのお相手のイラスト、やっぱり女の子っぽく見える……w

微百合っぽいルートもある事はあるのですが、最後がちょっと後味が悪いというか……。
王道的なルートとしては、やはり雛ルート、そして芹ルートという事になりますね。

システムは、ちょっと変わり種を使っていらっしゃるようなのですが、既読スキップも出来ますし、取り敢えず操作に関しては特に問題はありませんでした。
ただ、右クリックからメニューを出そうとすると、普通のエンジンとは違った反応を返すので、何か操作をしたい場合には、メニューバーから行えばOKです。
にしても、驚きの低容量ですよね。
2008年の今では、割と大容量化が進んできて、落としてくるのにも一苦労、という作品も少なくありません。本作はビジュアルもしっかりしているし、ちゃんと音楽も入っている(お馴染みの音が多いですが)のにも関わらず、4MB未満という。
システムのお陰なのか、はたまた作者様の手腕なのかは分からないのですが、これだけの中身が詰まっていて、この低容量はHDDにも優しくていい感じですね。

個人的には、雛ルートは一番最初か一番最後にプレイすると良いかな、なんて。
一番タイトルとの親和性が高いエンドで、言ってしまえばこのルートが本作の「本筋」なわけですから、最初に作品世界を丸掴みしちゃうという意味で最初に攻略、或いは、最後のお楽しみとして取っておくという考え方で最後に攻略、と、個人的にはこの二つのやり方がお勧めです。
私ですか? 私はまっさきに彼女を落としに掛かりましたよ?w


そんな作品の全体像を掴んだ上で、他のちょっとイロモノっぽいルートをプレイすると一番かな、と。気になった点ともリンクしていくのですが、色んな人の色んなニーズに応えてくれる作品ではあるものの、タイトルを含めた全体的な統一感という意味では、少し纏まりが悪かったかもしれません。ディープではあるものの王道恋愛モノの系譜を継ぐストーリーと、ハードBL(だとおもふ……)が同居してしまっているわけで、このあたりのバランスですね。


驚きの低容量に、ギュッと色んなタイプのお話が詰まった良作だと思います。
全体的なレベルも高いですし(特に雛ルート)、「ちょっとディープな恋愛ものがプレイしたいなぁ」なんて思っていらっしゃる方にお勧めの一本です。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-08-03 14:31 | サウンドノベル | Comments(2)
Commented by at 2014-02-20 20:15 x
これ二次配布してませんか?
Commented by s-kuzumi at 2014-02-23 12:28
>>あさん

こんにちは。
二次配布はしてないと思いますねー。今、ちょっと調べてみたのですが、私が記載しているURLのサイトは消失していて、多分、このサークルさんだろうな、というのは見つけたのですが(http://sgst.blog.fc2.com/)、本作品に関しては、過去の作品リストにすら載っていません。

作者さんに、お願いすれば、もしかしたらどこかにアップしてもらえたりするかもしれませんねぇ。


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