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2008年 08月 17日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『暑い日にはお話を』

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道玄斎です、こんばんは。
今日は随分と涼しかったですね。雨がしめやかに降り、秋風も吹いていたように感じます。

のっけから脱線しちゃうんだけども、和歌の世界で「秋風」というと「恋愛の終わり」を意味する文脈で使われる事が結構あります。何故かといいますと「秋→飽」と、季節の秋と「あなたには飽きたわ」の飽きが同音ですから、掛詞的に使われるんですね。

そんな秋の気配(?)が徐々に漂ってきた今日この頃ですが、皆様は如何お過ごしでしょうか?
今日までが夏休みという人も多いかもしれませんね。
期待していた程怖い話のテレビの特番とかが無くて(いや、本当はあったのかもしれないのだけど)、しょうがないから、ちょくちょくその手のサイトを見たり、ホラー系のゲームをやって楽しんでいます。
で、今回はちょっぴり新感覚なホラー作品のご紹介。「路地裏の茶屋」さんの『暑い日にはお話を』です。ギミックみたいなものが楽しいホラー作品(?)でした。


番外編では、ストーリーの紹介とか良かった点、気になった点なんかは載せないのだけれども、今回は作品の雰囲気を掴んで頂く為に、敢えてストーリーを載せてみましょう。
クーラーが壊れた。だから彼氏の部屋に行ったのにこっちもクーラー壊れてる。しかも扇風機なし。
暑くて動く気にならないー、でもヒマー。なんか話聞かせてー。

こんなストーリー。

彼女が彼氏の家に行って、怖い話をねだり、彼氏がそれに応えて一生懸命怖い話を「作って」聞かせてあげる、というそういう体裁になっています。
うんと広い意味で捉えれば、複数人で(それが二人であっても)怖い話をする/聞くというのは、一種の百物語的な部分もあるような気もしますが、兎に角こういうフレームになっていますから、妙にポップで楽しい雰囲気に仕上がっています。

彼女と彼氏が微妙にいちゃいちゃしていて、そういう所はまことに気にくわないのですがw 全体で見ると今までに無かったようなタイプの作品で、さっくり楽しむのにぴったりな作品だったように思えます。

怪談(?)の内容も、割とお馴染みなものをアレンジしているタイプですかね。
特に第一話の「石を積む子」なんてのは、タイトルですぐに賽の河原だな、なんて分かるわけです。けれども、ほんの僅かなギミックでお馴染みの話ががらりと変わるわけで、こういうの、とっても面白いですね。

第二話の「視線を感じて」では、幽霊になっちゃった男の子が恋人と妹の会話を立ち聞き(?)している、という感じで、怖さみたいなもの自体は全く感じないのだけれども、妙に“夏らしい”怪談風味になっていて、地味だけれども、本作に必要なお話だったな、と。

で、最終話「お人形」。
これが一番ホラーっぽい作品ですね。それもサイコホラーみたいな趣もあって、中々ぞっとするお話です。例えば、急に悲鳴が流れてきたりとか、いきなり怖い顔が表示されたりとか、そういう即時的な怖さじゃなくて、じわりじわりとやってくる狂気の世界。そういう怖さでした。

結局、合間合間に彼女と彼氏の会話(一方的に彼女が語りかけている体裁なんだけど)が入って、いちゃいちゃしつつ解説めいた事まで行われているので、怖さというよりも、「怖い話をしている空気感」みたいな、そういう所に本作のキモがあるように思いました。


ちょっと珍しい新感覚のホラー作品です。
こういうホラーもアリですよね。短い作品ですが、色々拘って作られたんだなぁ、と分かるわけで、結構気に入っています。

んで、誰か私の所にもご飯を作りに来てくれる女の子もがな、という魂の叫びを以て、シメの言葉とさせて頂きます(?)w
それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-08-17 19:31 | サウンドノベル


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