2008年 08月 25日

ノベルゲーム愛好家のDTM勉強会 第四回勉強会

道玄斎です、こんにちは。
今日は早い段階で、暇になってしまったので、こんな時間にこんにちは。

さて、昨晩書いた「効果音」作りの記事が思いの外好評で、やってよかったなぁ、と思っております。メールで問い合わせて下さった方もいらっしゃいましたので、前回分をフォローしつつ、更にプラスアルファな内容をお届けしてみようかと。
正直、結構いつも通りのグダグダ感全開で書いてしまったので、もうちょっとマニュアルっぽい感じに書き直してみようかな、というのも連続して「DTM」関連の記事を上げる動機の一つです。

ノベルゲーム/サウンドノベルの作り方を紹介したページ(ツールの使い方なども含む)は多々あれど、「効果音を作ってみよう」的なページは少なそうなので、自分で言うのもアレなんですが、「スキマ」を狙えたのかな? と思ってます。まぁ、少しでもお役に立てれば嬉しいですよね。

本当なら、「補講」とかそういうタイトルにしようかと思ったのですが、色々考えてやっぱり「第三回」「第四回」と分けて書いた方が良さそうだったので、そのように。

で、昨日同様、私も初めての経験ですから、これを書きながら試行錯誤しつつやってみます。
ネットで調べたり、はたまた手持ちの参考書を開いたり、当然シーケンサーを立ち上げて実際に作業をしたり……。
ちょっとマニュアル的な側面が強くなっちゃいますが、どうぞ、お付き合い下さいませ。



■効果音の考え方

あれから、私も著名な二つの効果音素材を扱ったサイトに行きまして(もう、どこか分かりますよね?w)、ちょっと勉強してきました。前回はソフトシンセで効果音を作ったわけですが、例えば、

自分で録音したものを加工する

なんて効果音の作り方もあるわけです。
その為の道具を持っていらっしゃるならば、実際に自分で録音すればリアルな効果音を作り出せそうです。加工の仕方は、恐らく「ノイズの除去」「不必要部分のカット」「エフェクトを掛ける」なんて事をやるんじゃないかな、と。サンプラーを使って、音程を上げたり下げたりなんて事もやってそうです。
さすがに、そこまでやっちゃうとやり過ぎなので、私は取り敢えず現段階では、普通にソフトシンセで作っていくつもりです。

そういえば、サンプリングレートの問題もありました。
私はいつものように何の気無しに44.1で制作していたのですが、22で配布している所もありましたね。寧ろ多少音質が悪い方が「リアルに聞こえる」場合なんてのもあると思うのですが、「効果音の一般的なサンプリングレート」ってのはあるんでしょうか? これはちと分かりませんでした。

ま、ともあれ前回のおさらいから始めましょうか?



■前回のおさらい

前回は試行錯誤しつつ、「効果音」を作ってみました。
もう一度、作り方をおさらいしておきましょう。


1、シーケンサーを立ち上げる。

2、効果音がプリセットされているシンセサイザーを選択し、音色を変える。

3、シンセのパラメータを弄ったりイメージする音に近づけて、譜面を書く。

4、オーディオ化してエフェクトなどを掛け完成。


大体、こういう手順になります。
正直な所を言えば、「シンセのパラメータを弄る」或いは「エフェクトを掛ける」といった作業はしなくてもそれほど問題ないと思います。というのは、プリセットで入っている音だけでも十分「らしい音」が鳴るからです。
ただ、前回は「それだとあまりにも手抜きだよなぁ」と感じた為、自分のイメージに近づけてパラメータを弄ったり、エフェクトを掛けてみたのです。とはいえ、こだわりの効果音を作りたい場合は、やっぱり多少あれこれやった方がグーな音になります。
そうそう、パラメータやエフェクトを掛ける前に、先ずは「ヴェロシティ」の値、或いは音量を調節してみると良いかもしれません。ダイレクトに「音の聞こえ方」に影響する所ですから。

で、例えば、前回上げた「幽霊/妖怪の笑い声」の音ですが、あれはかなりリバーブを掛けていたりしますし、ヴェロシティも大きめにしています。「電車の音」も同様です。特に電車の音はリバーブを強めに掛けてやる事で「らしさ」が増すようです。
こういった「音とエフェクトの相性」もあるので、出来たら色々試してみると良いのですが、めんどくさい場合は端折ってもさほど問題はないでしょう。

ちなみに再度使ったソフトを記しておくと、SONAR6 LEというシーケンサーを使用し、TTS-1というソフトシンセサイザーを使用しました。TTS-1では、音色がカテゴライズされており「SFX」というカテゴリーに入っている音を選び、それに味付けをしてやった、という事になります。

前回のフォローとしてもう一点。
通常、シーケンサーで音楽を作る際、「二小節目」から記述するというオマジナイがあります。DominoなんてフリーのMIDIシーケンサーで一小節目に音符を置いても鳴ってくれないんですよね。そんなわけで通常二小節目から音符を置いていくわけですが、前回上げた効果音もそのせいで「一小節分の無音」が入ってしまっています。

ですので、オーディオ化した際にソフト上で無音部分をカットしてやった方が良い場合もあると思います。特に「笑い声」みたいな効果音は「意図した場所でばっちり鳴らしたい」ものですから、無音部分は不要でしょう。或いは、.wavで書き出してオーディオ編集ソフトでカットしても良いかもしれません。



■ループ素材を作ってみよう。

今日のメインはこれです。ループ型の効果音ですね。
一応、説明しておくとノベルゲームで使う効果音には大きく分けて二種類あります。「単発型」と「ループ型」です。通常「ワンショット」と「ループ」という言い方をしたりします。

ワンショットは、その名の通り単発で使う効果音。
例えば刀で斬りつけた時の「斬撃音」だったり、或いは殴る時の「バシッ」って音だったり、前回ご紹介した「笑い声」「扉の開く音」なんかもワンショットです。

一方でループとは、「鳴りっぱなし」にさせる効果音の事です。
場面が小川であったら、水のせせらぎだったり、雨が降っていたら雨音だったり、そんな状況でループして鳴らし続ける効果音です。

こんな声が聞こえてきそうです。曰く「それだったら長い尺の素材を鳴らせばいいじゃん」と。
しかし、尺を長くしてしまうと、ファイルサイズそのものが大きくなってしまいますし、例えば「10クリックで次の場面に行く」くらいの状況であっても、プレイヤーがゲームを立ち上げたりしたままご飯を食べに行ったり、或いは電話に出てたりして戻ってきたら「曲が終わって無音になっていた」なんて状況は避けたいわけです。
「どれだけ鳴らすか?」というのは、スクリプトで記述すれば良いのです。だからループ素材もワンショットと同じくらいのものでOKです。

というわけで、前回と同じくらいの尺で、しかもループとして延々と流し続けられる効果音を今回は作ってみましょう。



■雨音を作ってみる。

ループ効果音として最もポピュラーなものが、この雨音でしょう。
雨が降っているシーン、そんな場面で静かに鳴り続けている雨音、そうねぇ、例えば……

俺は土砂降りの雨の中、走り去る彼女の背中を、ただ見つめることしかできなかった……。


なんて地の文がゲームにあったとしましょう。何か、良くありそうでしょ?w 
BGMとは別に、この場面で延々と鳴り続けるのは「雨音」です。で、画面が暗転してBGMはいつの間にかフェードアウトしていて、雨の音だけが聞こえるも、それもフェードアウトして、次の場面に。そんなシーンですね。

又長々どうでもいい事を書いてしまいましたが、こういう場面で使うべきループ雨音、そいつを作ってみましょう。
いつも通り、シーケンサーを立ち上げ、TTS-1を起動し「SFX」の括りの中から「Rain」というそのものずばりの名前の音色を取ってきます。手順自体は、ワンショットの時と変わりません。

で、こんなファイルが出来ました。
シンセのパラメータを弄ったり、リバーブやコンプレッサーを掛けたりしてみたのですが。あんまりいい音じゃないですね……。
こういうのは、恐らく他のトラックに所々、水の「ぴちゃぴちゃ」っとした音を入れてやったりして作ると、もっと「らしく」なるハズです。
けれども、説明には困らないのでこのまま突っ走りますw
ともあれ、ここで注目して欲しいのは、ループ加工を施していない状況だと「無音部分がある」「フェードイン/フェードアウト気味に始まり/終わる」という部分です。



■ループに加工だ。

というわけで、ここまでは全くワンショットと同じです。
次にやるべきは「ループとして使えるように加工」してやる、という作業。

ループですから素材自体に「無音状態」や「フェードイン/フェードアウト」なんてものは要りません。掛けたい場合は、使用するノベルエンジンにスクリプトで命令を掛けてやりましょう。

で、オーディオ編集ソフトを使い、ループになるように加工します。
所謂「波形編集ソフト」ですね。今回は「SoundEngine Free」というものを使用します。

…………と、今、上の「~使用します」と書いてから相当な時間が経過して、これを書いています。自分で実験しつつやってますから、どうしてもタイムラグがでちゃいますね。実際、あれこれやってみて「吉里吉里/KAG」でちゃんとループ素材として使用出来る、という所まで確認しました。ふぅ……疲れた……。

さて、話を戻しましょう。何故、SoundEngine Freeなるソフトで加工が必要なのか? そう、ループさせる為です。ではループさせる為にどういう加工が必要になるのか? まずそれを箇条書きにしてみましょう。


・無音部分をカットする(ループには必要ありません。音の真ん中に必要なものとして入っている場合なんかは除く)。

・音の出始めやファイルの末尾(つまり波形が著しく異なる部分)をカットする。

・連続で再生しても違和感の無いように波形をカットする(波形の終わりと始まりがスムーズに連結するように)。


大体、こんな所でしょう。
編集前と、編集後の波形の画像を載せてみます。
b0110969_16505156.jpg

b0110969_16512181.jpg

前者が編集前、後者が編集後です。
分かりますでしょうか? 頭の無音部分と出だし、終わりの波形がすぼまっている所をばっさりカットしています。
二枚目の画像の方は、作業をしやすくする為、波形部分を拡大して表示しています。

こうして編集したファイルですが、無音状態が無い事、音量の変化も無くひたすら音がなっている事に注目してみて下さい。
こちらからどうぞ。

で、完成したファイル(.wavのままやりました)を、吉里吉里/KAGを立ち上げて、実際にループするようにシナリオに記述して、実際のノベルゲームとして鳴らしてみたわけですが、普通に違和感なくループしていました。
元々、雨の音はノイズっぽいので、無音部分と音の鳴り始め、鳴り終わりの波形がすぼまっている部分だけカットしてやれば、問題なくループする素材が出来るかと。

これが、もうちょっと複雑な効果音になると、終わりと出だしがちゃんと繋がるよう意識して波形をカットしてやる必要があるハズです。そこらへんは、実際に確かめつつやってみて下さい。


さて、如何でしたでしょうか? これでノベルゲームに使う効果音が一渡り作れるようになりましたね。
波形編集ソフトの使い方なんかは、ここでは解説しませんので、ご自身で調べて、或いは使いながら覚えてみて下さい。
実際、私も特にマニュアルとか読まずに直感的に作業してみたのですが、何とかなってますw



■まとめ

最後にループになるように編集してやる以外は、基本的に前回のワンショット効果音制作と変わりません。めんどくさいのは波形編集のソフトを別途立ち上げたりしなきゃいけない辺りかな? 意外とやってみると出来ちゃうものではあるんですけれども。

ここで、実際のノベルゲームに使用する際の手順も書いておきましょう。

NScripter、吉里吉里/KAGという二大エンジンならば、問題なく「ループ再生」をスクリプトで制御する事が出来ます。実際、先ほど私も吉里吉里/KAGでやってみました。
ポイントは、ループ素材のフェードイン、フェードアウトです。これもやっぱり、「音素材」そのものにフェードイン/フェードアウトを付与させるのではなく、スクリプトで制御するようにします。
吉里吉里/KAGでは“[fadebgm volume=100 time=800]”とか記述するみたいです。BGMとしてループ効果音を流したい場合でしょうかね。
上に書いたスクリプトの是非は兎も角、素材はそのまま、スクリプトで制御、これが効果音運用のコツらしいです。
無責任で申し訳ないのだけれども、あれこれ試しつつグーな運用方法を探ってみて下さい。

そうそう、勿論、ループとワンショットを重ねて使う事も可能ですよ。雨の中の決闘のシーンとかで、雨のループが流れている上に、刀の斬撃音とかを重ねたりね。

この二日間で、自分自身、物凄く勉強させて貰いました。
手探りでシーケンサーと格闘してあれこれやっていたわけですが、クオリティは兎も角「誰にでも効果音は作れるんだなぁ」と妙に感心してしまいました。

折角、オリジナルのゲームを作るんだったら、効果音とかも自作だとちょっぴりカッコいいですよね。こういうノウハウは界隈のみんなで共有した方が良いに決まってますから、ちょっと人柱になって、あれこれやってみました。
DTMなのか? って言われるとちょっぴり怪しいものの、こういう切り口でやっていくのが「ノベルゲーム愛好家のDTM勉強会」ですw
少しでも皆様のお役に立てる事を願って。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-08-25 16:53 | 日々之雑記 | Comments(0)


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