2008年 08月 30日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『贋紙幣事件』

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道玄斎です、こんばんは。
今日は番外編。いつものように番外編では、短めの作品をご紹介致します。
さっくりと遊べて、且つ興味をそそられるものを探していたら出会った作品です。
というわけで、原作、甲賀三郎、ノベルゲーム化「言ノ葉迷宮」さんの『贋紙幣事件』です。
どうやら、「にせしへい」ではなく「にせさつ」と読むようですよ。


本作はちょっと変わり種でして、元々は小説だったものをゲーム化した作品です。更に元の小説は初出が『少年倶楽部』なる雑誌でして、昭和5年の号に載っているのでした。大体今から80年くらい前の少年誌に載った小説です。
広い意味で「ジュブナイルミステリー」というジャンルになるんでしょうけれども、何となく「ジュブナイル」って言葉は合わないような気がしますね。
まさに「少年小説」みたいな、そういう感じです。

この原作者である甲賀三郎という人は、少年向けミステリー専門の作家のようで、今ざらっと調べてみたらあの江戸川乱歩の最大のライバルであったそうです。

実際、本作をプレイしてみると分かるのですが、文体は「少年探偵団」にやっぱりよく似ています。あっ、文体っていうとちょっと誤解があるかな。「当時的な文章の書き方」という感じですね。

出てくる少年達の台詞もやっぱり現代から見ると、ちょっと時代掛かっているというか、妙に大人びた印象を受けます。「~呉れ給え」とか、ね。
80年も経つと、同じ日本語とはいへ凄い変化しているんだなぁ、と感じますね。「たとえ」って言葉は「仮令」という字を当てたりします。

余談ですが、「仮令」は私だと「おおよそ」ってくらいの意味の方が何となくしっくりきますね。
いや、この「仮令」にも色々な意味があるんですよ。興味のある人は辞書を引いてみたりしても楽しいですよ。

さて、肝心の中身の方ですが、少年向けという事もあってか殺人事件なんかは起こりません。主人公の友人で、優等生の森君が絶妙な推理で、偽札作りの陰謀を暴き、同時に友人も助けてしまうというそんなちょっぴり微笑ましいミステリー作品となっていました。
トリックに関わる部分でも、やっぱり時代背景というか現代じゃお目にかかれないようなものが沢山出てきて、当時の風俗を知る資料としても興味深いものとなっています。

ちなみに立ち絵は「影絵」となっています。
下手にイラストをおこすよりも、こうやって影絵にした方が雰囲気がでますよね。個人的に、とても良い処理の仕方だな、と感じます。


大体プレイ時間は15分~20分といった所でしょう。
現代の文章とは少し違うので、読みにくい部分もあるのですが、今プレイするととっても新鮮な感じがしますし、作品自体も短めなので是非楽しんでみて下さい。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-08-30 20:28 | サウンドノベル


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