久住女中本舗

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2008年 11月 27日

フリーサウンドノベルレビュー 『雪と手袋』

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今日の副題 「頑張れ、女の子!」

ジャンル:恋愛&微ミステリー(?)
プレイ時間:小一時間くらい。
その他:選択肢なし、一本道。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2006/2/3
容量(圧縮時):6.56MB



道玄斎です、こんばんは。

今日は半日、このエキサイトブログがメンテナンスをしていたそうです。今、自分が毎日見ているブログ(エキサイトブログじゃないやつですよ)とかを見てみても、なんだかメンテナンスをしていて、そういう時期なんでしょうか?

今日も寒かったですね。
もう今週からマフラーを着用して外に出ているのですが、今日はそんな冬の小道具、手袋がキーアイテムとなる作品のご紹介。
というわけで「半透明舞台」さんの『雪と手袋』です。派手さみたいなものはないですけれども、じんわりとくる作風でした。
良かった点

・文章がかなり文学的! 普通に巧いと思います。

・ラスト付近の空気感や、明らかになる真相とかがちょっといい感じ。


気になった点

・テキストの描写とイラストに齟齬が見られる。

・ちょっと特徴のあるタイプのイラストw

大体、こんな感じですね。
ストーリーは、サイトの方から引用しておきましょう。
彼女は見かけた
木枯らしの吹く十二月の町で彼は、手袋をしていなかった
雑踏につまづく彼、ポケットから転がったのは
黒い手袋
人波をやりすごした後、拾おうと伸ばした
彼の手が――

こんなストーリーになっています。


大体、小一時間もあればプレイ出来てしまう作品なんですけれども、結構色々詰まっていたかな、と思います。

超箱入り娘の霧子ちゃんが主人公。お嬢様にも程があるって感じですが厭味の無い性格でちょっとホッとしましたw
この「箱入り娘」って所が、実は本作の根幹を貫く設定なのかもしれません。女子校育ちの霧子ちゃんは「わたあめ」を手に入れたかったんですよね。「わたあめ」ってのは比喩なんですけれども。
この「わたあめ」の比喩とかが、結構文学的で良い感じです。
少し、小説調、みたいな印象はあるのですけれども、文章もかなり上手だと思いますよ。

前半部に出てくる、霧子のバックグラウンドを語る描写は、何か凄く詩的な感じがしますし、ちょっと文学してるんじゃない? って所もあって凄く好きな雰囲気です。

で、共学の大学にて、文芸部に所属するわけですけれども、その数少ない部員の男に、霧子はちょっと心惹かれている、という感じ。
だから、最初読んでいった時は「恋愛ものか?」と思ったのですが、お相手の晶也君を巡る謎が浮上して、ちょっとミステリーっぽい雰囲気が出てきます。

推理に参加するのは、主人公たる霧子と文芸部の先輩の蒼川さん。
探偵役はこの蒼川さんって感じで、こういう推理モノの古式ゆかしい伝統に則って、霧子ちゃんは「いい線」まで行くんですけれども、最終的な解答は導けません。蒼川さんの誘導があって、初めて「謎」に気がついて……という。

ちょっと気になった点は、この蒼川さんの描写です。テキストではワンレングスって書いてあるんだけども、表示されるイラストをどうみてもワンレンに見えない……w
テキストで表現される彼女の属性は、イラストに反映されているんですよ、それは間違いない。けれども、何故か髪型だけ反映されていないというw

気になった点を挙げたので、残りの気になった点も。
というのは、あんまり上手なイラストっていう感じじゃないんですよね。ただ、作品自体は私はとっても好きな感じですし、背景写真素材なんかも綺麗なものを使用しているので、もっとイラストの部分を強化したら、ガラッと印象が変わるかもしれません。勿論、良い方向に。

そういえば、部室での蒼川さん、そして晶也君との会話の最中に、なんだか妙に長いウエイトが入ります。これはもしかすると私の環境の問題とかだったりするのかしら?
一瞬、「固まった?」と思ってひやりとしました。もし、プレイしていて、何か動かなくなったら暫く放置を推奨します。或いはエンター連打とかw 割と前半部分でこのウエイトの問題が出てくるのですが、そこでゲームをやめずに是非、最後まで見て欲しいですね。


結局、ラストではちょっぴり意表を突くような、真実が明らかになるわけですけれども、何か、その雰囲気がいいんですよ。
ミステリー風味とはいえ、人死にが出てるとかじゃなくて、「晶也君は、何故手袋をしていなかったのか?」という日常の、見方によっては本当になんてこと無い謎を解明していくわけで、ちょっとほのぼのして微笑ましいような、そしてちょっぴり「女の子って怖いなぁ……」と思えるような女の子の心情とか技とか、そういうものも。

サイトの方のプロフィールを見てみると、本作、何と男性の方が書いていました。
てっきり、こういう女の子の心情みたいなものって、女性じゃないと書けないだろうなぁ、と思っていたので吃驚です。


特に劇的に盛り上がったりという事はない作品ですが、とっても良い雰囲気の作品で、私的に好みのものでした。
是非、寒い日に暖かい飲み物片手に読んでみてもらいたい作品です。


それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-11-27 00:43 | サウンドノベル | Comments(0)


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