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2007年 07月 31日

Firefox 2.0.0.6リリース。

道玄斎です。
しばらく、フリーサウンドノベルの更新は難しいのですが、こうしてちょこちょこと記事は書いていくつもりです。

Firefox 2.0.0.6がリリースされました。
要点は以下の通り。


MFSA 2007-27  エスケープされていない URI が外部プログラムに渡される
MFSA 2007-26  クロームによって読み込まれた about:blank ウィンドウを通じた特権昇格


例のIEとの相互的な問題が解決されたのでしょうか。
又、以前から話題になっていたabout:blankの特権引き上げも修正されています。
詳細は、こちらから。

まだ更新をなさっていない方はお早めにどうぞ。

// そうそう、「このゲームのレビューを書いて欲しい」などのリクエストがあれば、どうぞお気軽// にコメント欄に書き込んで下さいね。
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by s-kuzumi | 2007-07-31 16:48 | 日々之雑記 | Comments(0)
2007年 07月 30日

『よくわかる 「世界の妖怪」事典』 世界の妖怪を探求する会著 廣済文庫

こんにちは、久住です。
最近は、道玄斎さんがノベルゲームのレビューばかり書いているので、すっかり御無沙汰してしまいました。
その間、わたくしは何もしていなかったわけではなくて、本を注文してみたりしましたので、少しづつ読了記録も載せていこうと思っています。

今日もご近所の本屋さんにいってきたのですが、あまり興味をひかれるものはありませんでした。しかし、あまり学術的(講談社の学術文庫とか、岩波文庫)ではなく、ちょっとサブカル寄りの文庫シリーズで気になるものがあったので、とりあえず購入してみました。
それが『よくわかる 「世界の妖怪」事典』です。

ざっと読んでみた所、ほとんどが鳥山石燕の『画図百鬼夜行』に出てくる妖怪たちばかりで、「世界の妖怪」というタイトルとずれますね……。

述べましたように、殆どが『画図百鬼夜行』なのですが、中国物の妖怪や、西洋物の妖怪も少し載っています。
ただ、神農を妖怪にしてしまうのは問題ないのでしょうか?
神農に関しては、『捜神記』の記事をひっぱってきてもらいたかったですね。


神農以赭鞭鞭百草、盡知其平毒寒温之性、臭味所主。以播百穀。故天下號神農也。


わたくしは漢文には疎い(漢文は男性の教養ですしね)のですが、頑張って読み下してみましょう。

神農、赭鞭を以て百草を鞭つに、盡く其の平毒寒温之性、臭味の主る所を知る。
以て百穀を播す。故に天下神農と號す也。


こんなところでしょうか?
この『捜神記』の記事によりますと、神農さんは、赤い鞭で草をたたくとその草がどういう性質を持っているかを知ることが出来たようです。
そして、その知識を活かして多くの穀物を播いた為、農業の神様、つまり神農と呼ばれるようになった、という事のようです。

中国にはこういう面白いお話しがいっぱい残っています。
多分、日本のそれよりも断然に多いのではないでしょうか?

とりあえず、道玄斎さんに版本の『捜神記』をお借りして、読んでみてもいいですね。
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by s-kuzumi | 2007-07-30 17:29 | 読書 一般図書 | Comments(0)
2007年 07月 30日

フリーサウンドノベルレビュー 『透明な優しさ』

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今日の副題「えいえんのやさしさ」


※吟醸
ジャンル:兄と最後に過ごした夏
プレイ時間:一時間~一時間半程度

その他:選択肢アリ、エンドが分岐。ちなみにデフォルトでフルスクリーン。右クリックからコンフィグにて、ウインドウ表示にする事が可能。

システム:NScripter
容量(圧縮時):52.5MB

道玄斎です。こんばんは。
先ず、謝らないといけません。今回、スクリーンショットにATOKのバーが映りこんでしまいました。ちゃっちゃと直せばいいのですが、何よりも早くレビューを書きたくて書きたくて。
又、名作を引き当ててしまったのです。スクリーンショットがちょっと失敗したけど、それよりも早くこの作品をお伝えしたい、という気持ちで一杯です。

さて、今回は「P.o.l.c.」さんの『透明な優しさ』です。
P.o.l.c.さんは、あの『手紙』などのサウンドノベルを手がけているところで、『手紙』をご存知の方は多いのではないでしょうか?

では、逸る気持ちを抑えつつ、いつものように。



良かった点

・多彩なBGM。それぞれが場面に良くマッチしている。

・丁寧に描かれたストーリー。伏線の回収もばっちり。

・ストーリーを通して、メッセージがちゃんと読者に伝わってくる。


気になった点

・立ち絵は、趣味が分かれそう。個人的には背景のみでも良かったような……。背景だけの方が作品にマッチしていた印象がある。

・少し詩的というか、難しく文章を書きすぎている所があり、すんなりと頭の中に内容が入ってこない部分がある。が、後半になるに従ってテキストは洗練されてくる。



ちなみに、選択肢アリのノベルです。
四つ+αのエンディングがあり、どのエンドでも一回攻略する事で、エンディングリストを見る事が出来ます。

このレビューでは、割と「新鮮」なサウンドノベルを紹介してきているつもりです。
発表されて間もない作品の非常が多いですね。所謂名作と言われるようなタイプのものは、優れたレビュワーさんが色々と書いて下さっているので、「新鮮」なサウンドノベルを紹介しつつ、名作や過去にプレイしたものなんかも織り交ぜていけたらなぁ、と。

本作は、最近リリースされたノベルの中で、ダントツの良さです。
ストーリーの良さもさる事ながら、そのストーリーを紡いでいく過程がちゃんと描写されているのは非常に良い点です。
妹が兄と過ごした最後の夏。入院している兄と妹の様子を一日一日と丁寧に描写しています。この描写があったからこそ、兄への感情の変化、大切なものは何か?という気づきに繋がるのです。
音楽も本作では重要なキーワードで、BGMの選定や使い方も非常に上手いと思いました。
兎に角、丁寧に作り込まれてるなぁ、というのが第一印象ですね。

勿論、本作にも欠点と言えるようなものがあります。
既にいくつかを書いたのですが、他に挙げるならば、病院の描写にリアリティがあまり無いのが気になった所です。
普通、病室というのは、静かに寝ている所です。個室であってもフルートを吹いたりは出来ませんよね?大抵の病室は防音設備なんてついていませんから、フルートの音は駄々漏れです。
入院した事のある方は分かるかと思いますが、入院患者同士のいざこざって大抵、「騒音」から生まれるんです。
いつもテレビを大音量にして見ているとか、深夜にラジオを付けているとか。そういう所から入院患者同士の喧嘩は勃発します。

そういう部分で、リアリティが少し足りないかな?と思いました。
が、あのフルートの演奏はストーリー上必然的なものだから、大目に見るべきでしょうねw
私だったら、屋上で吹かせるというのがパッと思い付くアイデアです。ただ、屋上も普通は入れないからねぇ……。

あとは立ち絵ですか、これは上にも書きましたが、好みが分かれる所です。
個人的には背景のみの方が、ストーリーの良さが引き立ったんじゃないかなぁ?と思います。


良い箇所は先に挙げた通りですが、丁寧な描写はやはり重要だと改めて感じます。
兄と妹の距離感や二人に存在する愛情、これを読者に理解させラストへ繋げていく為には丁寧にストーリーを描くことです。
又、様々な気になる伏線が張られていますが、それが結末に向けてちゃんと機能しており、ちゃんとその伏線を活かしているのは高ポイントでした。

妹が兄と過ごした最後の夏、という事でまさに今プレイすべき作品だと思います。
穏やかながらも夏らしいBGMも素敵でした。
評価は四としましたが、五段階評価だと五を付ける人も多いんじゃないでしょうか?
兎に角、かなりの名作です。是非是非プレイしてみて下さい。


それで、今週、俺はちょっと忙しくなるので、なかなかレビューをアップする事が出来そうにありません。ですので、今回はお詫びの意味も込めて少し長目の作品を選んだのです。

それはそうと、もし、宜しければ「これをプレイしてみて欲しい」「自分の作品のレビューがないぞ」とか、そういうのが御座いましたら、是非お気軽にコメントに書き込んで下さい。
成る可くご要望に応えられるようにしたいと思っています。

それでは。
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by s-kuzumi | 2007-07-30 04:44 | サウンドノベル | Comments(0)
2007年 07月 29日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『VOICE』

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道玄斎です。こんばんは。
今日は短いながら、なかなかに良い作品を引き当てました。
NOTE BOOK」さんの『VOICE』です。


良かった点

・短いながらもツボを抑えた作品構成

・ストーリーの素材が良い。

・癖の無い読みやすいテキスト。



気になった点

・中編もしくは長編でやって欲しかった。

・もう少し適切な音楽素材があったような気がする。

・消化不良の伏線らしきもの(男性の名前とか)が存在する。



こんな感じです。
ストーリーを軽く概観しておきましょう。


夢を諦め、生きている意味も分からないまま惰性で生活している男が、チャットで知り合った女性に会いに行く。
教えられた住所に行ってみると、そこは病院だった……。


こんな所です。

ほんっと惜しい作品です。
素材やネタ、文章力はあるのですが、短いプレイ時間の為に、作品の潜在的に持つ持ち味を生かし切れていない印象でした。

一見すると、良くあるタイプの話かと思ってしまうのですが、最後までプレイして見ると、どこか引っ掛かるというか、妙にプレイヤーを惹きつけるものを持っている作品だと分かります。
作品全体を見て、どこか光るものがあるのです。

最初にもいいましたが、これは短編作品にしてしまうのは惜しいです。
中編程度の分量にして、随所随所をもっと丁寧に描写していったなら、名作になる可能性を秘めています。

やはり、男性と女性はチャットで知り合っているわけですが、そのチャットの内容の描写なども必要だと感じました。チャットを通じて、男性がどのようにその女性に興味を持っていったか、又どのように救われていったかを描写して欲しかったです。
お互いの交流を描いていないと、本作のラストが妙に唐突に感じてしまいます。
又、もう少し、「実際に会った」あとの交流にも力を注いで欲しいと思いました。そうした二人の交流があってこそ、あのラストが活きてくると思うのです。

大まかなストーリーラインで示すと、

①男性がチャットで知り合った女性の所に行く。

②そこが病院である事に気付く。

③女性と会う。

④ラストへ。

とこんな感じで、割と平坦です。
例えば、ですよ?俺なら、こうするかな、というのを示してみます。

①男性がチャットで知り合った女性の所に行く。

②移動中の回想シーン。男性と女性のチャットでの出会いや、そこでの交流を回想する(わりとじっくりと描写)。

③目的地到着。女性が教えてくれた住所が病院である事に気付く。

④女性に会う。

⑤これをきっかけにリアルに、女性と交流していく。随所随所に実際の交流を通じてのエピソードも欲しい。

⑥男性の日常の描写。男性の夢とは何だったのか?何故夢を捨てなければならなかったのか?などの説明もこういう所で。そして自分がいかに女性とのチャットが心の安らぎとなっていたのか、という部分も示して欲しいですね。

⑦ラスト

と、こんな感じのが、いいかな、と個人的には思いました。
簡単な図式で、上手く説明出来ないのですが、やはり伏線の回収やラストへの必然性をもう少し持たせて欲しい、というのが素直な印象です。


短い作品で、何かいいモノ持ってるなぁ、と思わせる作品に久々に出逢いました。
本作が処女作らしいのですが、是非、分量を多くして本作のリメイクを作って欲しいですね。
結末部分に向けての因果関係・必然性を丁寧に描くことが出来たら、かなりの作品になるはずです。

次回作、期待しています。
あっ、出来たらNScripterとかで作って貰えると……(本作はLiveMakerでした)。
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by s-kuzumi | 2007-07-29 02:29 | サウンドノベル | Comments(0)
2007年 07月 28日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『四色さん』

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今日の副題「ようかいのほうそく」

道玄斎です。
せっかく、レビューの数も順調に増えてきているのですが、急に忙しくなってしまって中~大規模の作品がプレイ出来そうにありません。
実は、商業モノの『リトルバスターズ!』も買ってしまったし……。こっちも早くプレイしたいなぁ……。

けど、もう夏、という利点を活かして短編ホラーをやってみる事にしました。
モノによっては一本5分くらいで終えられるものもありますからね。

それに俺自身、ホラーやオカルトや民俗学とかが好きな方でして、それっぽい古典なんかもかなり読んでいます。
そもそも、かなり古典が好きな方でして、そんじょそこらの国文科の学生さんなんかより、沢山古典を読んでいると思います(勿論、古語で読んでますよ?)。
そもそも、古典っていうのは説話とかじゃなくても、ホラー要素を持つ作品が多いです。
それは、単純に「物の怪」とか「鬼」とかが出てきたりもしますし、又「人間の持つ怖さ」みたいなものも描かれます。
基本的に、恐いもの、不思議なものが俺は大好きです。そういえば、中国古典の『捜神記』なかも読みましたね。
中華書局という国家古典プロジェクト団体が発行しているテキストを取り寄せて、白文のまま読んだ記憶があります。漢文は苦手ですが、辞書を引き引き何とか何とか……。


というわけで、今回は「たぶんおそらくきっと」さんの『四色さん』(ししきさん、と読むようです)です。



良かった点

・効果音が恐い……

・良くあるタイプのお話しを逆手に取ろうと頑張っている。

・オマケモードがついている。ホラー短編でオマケが付くって珍しいですよね?


気になった点

・マンネリを逆手に取ろうとした努力は見えるけれども、やっぱりマンネリな印象が。

・フルスクリーンモードを想定していない為か、フルスクリーンにすると文字がぼやけて見にくくなる。



こんな所です。
まぁ、良くある「赤・青・黄」をトイレに住む妖怪が、特定の儀式(ノックを規定回数するとか)を行ったものに対して、選択させるというアレです。

良くある話では、色の選択によって(赤と青が駄目な選択肢な場合が殆どだと思います。逆に黄色は助かる場合が多い)、妖怪に殺されてしまうのですが、本作では、色の選択で死ぬ事はありません。死ぬパターンは一つ。「色を選ばない」事です。
又、「無い色」を選んではいけない、というルールも付加されています。これがどういう意味なのか、オマケモードを遊んで確認してみて下さい。

ね?ちょっとひねりが利いているでしょ?
オマケモードについている「ショートショートホラー」を選択すると、ある色の選択がどういう結果を招くのか、という四色さんなる妖怪の法則が垣間見えます。
オマケモードで本編のフォローが入るあたり、短編とはいえ、結構作り込まれいます。
ちょっとひんやりしたい時、プレイしてみると良いかもしれません。

今の自分の実感を言えば、夜遅くにプレイするのは避けた方が無難かとw
最後に、この手の怪談についてポピュラーだと思われるモノに関して、補足しておきましょう。


①主にトイレに妖怪が住んでいて、特定の合い言葉(「~さん」と呼びかけるものなど)や特定の儀式(該当するトイレのドアをノックするなど)を行う事で妖怪を呼び出す事が出来る。


②呼びかけに応じた妖怪は、「赤・青・黄」のどの色を選ぶか、選択を迫る。

ここですね。

赤を選ぶと、切り裂かれたりして血まみれに。
青を選ぶと、血を吸われて真っ青に。
黄を選ぶと、何事もない。

というのがパターンです。
ただ、ヴァリエーションがあり、黄色を選択する事で狂気の世界に連れて行かれる、というものもあります。
本作では、こっちの黄色に近いかな? という感じです。


いきなりフルスクリーンで起動したりしますが、実はこういうホラーものは大きい画面でプレイすると怖さが倍増するのかもしれません。ウインドウ表示にすると些か小さい感じがしますしね。

というわけで、今日はこのへんで。
それでは、また。
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by s-kuzumi | 2007-07-28 02:41 | サウンドノベル | Comments(0)
2007年 07月 27日

フリーサウンドノベルレビュー 『君が好き』

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今日の副題「まっすぐなきもち」


ジャンル:シンプルな恋愛ノベル。
プレイ時間:~30分くらい。
その他:選択肢なし、一本道。
システム:NScripter

制作年:2007/5/?
容量(圧縮時):21.2MB


道玄斎です、こんばんは。
またしてもこんな時間に一本レビューを。何しろ、他のサウンドノベルのレビューを書いていらっしゃる方は、何十本もレビューをぶち挙げているわけでして、少しでも彼らに近づくために出来るだけ頑張って、取り敢えずは「数」を増やしたいな、と。

で、今回は「ケイトー」さんの『君が好き』です。
何とも直球なタイトルで、人目で恋愛モノだと分かりますね。

恋愛ものは、このレビューを読んで下さっている方はお分かりかと思いますが、俺は最近、意図的に恋愛モノをプレイするのを避けています。
恋愛的要素のある作品はそれこそ大量にありますし、「恋愛がメイン」というタイプのものも大量にプレイしてきています。半ば食傷気味なんですよ。
「恋愛の要素もあるけれども、メインは別」みたいなタイプを、ここではメインに扱ってきたつもりです。

では、何故今になって恋愛モノでレビューを書こうと思ったのかと申しますと、「プレイ時間が短そうだった」からですw ダウンロードファイルの容量を見れば大体、どの程度でプレイし終わるか、いい加減見当も付きますよね。
それに、敢えて避けてきたけれども、レビューも10本を越えましたので、そろそろ一本くらい……、という気持ちもありました。

それでは、いつものように……。


良かった点

・最初に主題が明確に示される為、話が最後までブレる事無く進行していく。

・ギャグがなかなか面白い(これは好みの問題だと思うけれども)。
ギャグと言っても、幼なじみの由梨を振り向かせる為の行動が空回った末、ギャグになるのであって、単なる「ウケ狙い」的なギャグではない。

・テキストにスペースを設ける事で、読者に読みやすい様に工夫が見られる。


気になった点

・何て言っても、あのラストのオチはひどいw

・後半部で一気に展開が進みすぎる。もう少し前半と後半を繋ぐ部分を描写して欲しかった。


本作は、光之が幼なじみの女の子由梨に、告白をする、というメインテーマが冒頭で示されます。冒頭部でテーマを明確に示したせいか、話の焦点は最後までブレません。
こうした手法は、良い面もありますが、悪い面もあります。最後までプレイする事で主題を示す、という方法もあり、そちらの方が作品全体を見た時に、印象に残りやすいからです。
しかし、本作は短編、といって良いほどの長さですので、こうした主題を最初に打ち出す、という方が合っている気がしました。

好きな女の子に良い所を見せようとして、計画を練ったり、或いは本人は至って真面目なつもりが、周りから見るとただのアホというw そういう描写はリアリティがあり、評価出来ます。
それがギャグに繋がっていくのですが、光之の試行錯誤とその結果生まれるギャグのテンポが良いですね。やはり、「ギャグになってしまう」必然が存在しているのが評価のポイントです。

至ってオーソドックスなスタイルですが、テキスト部分に工夫が見られます。
長い文章や間投詞を冒頭に持ってくる場合、句読点を使ったあとすぐに次の文章なりセリフを持ってくるのが割と普通のやり方だと思いますが、本作では、読者の読みやすさなどを意識して、句読点の後に少しスペースが空けられています。
ただ、少しスペースが空きすぎかな?全角で一字若しくは二字分くらいが丁度いいのかも。
ともあれ、こういう読みやすさを意識した姿勢は評価出来ると思います。

気になったのは、後半部の急な展開です。
それ以前までは、ツボを抑えつつテンポ良くストーリーが進行していたのですが、「ありのままの自分を見せる事」に光之が気づいてから、由梨に告白するまでの描写が薄すぎると感じました。

もっと言えば、「ありのままの自分を見せる事」の重要性を光之が気付く、その描写が少し足りなかったと思います。もう一つでも短めのエピソードを入れて、そこの所を改良すれば一個の作品としての纏まりが今以上に生まれたのではないでしょうか。

あとは、由梨サイドの描写も欲しかったですね。
恋愛モノの大半がそうであるように、恋愛は成就するのですが、由梨が光之の事を本当は好きだった、という設定を支える描写が足りないと思います。
マラソンのイベントがそれに相当するのかもしれませんが、もう少し分かりやすい形(セリフや地書きなど)で、伝える必要があると思いました。

後半部までは、なんだかんだいいつつも、ちょっと甘酸っぱくて良い雰囲気だったのですが、ラストのラストで……。ちょっとこれはないんじゃないかなぁ? なんて思ってしまいましたw


ちょっと厳しい評価でしたが、サクッとプレイできますので是非おためしあれ。
なんだかんだ言っても、処女作でこの出来映えですから、次回作が楽しみです。今の内に目を付けておくと良いかもしれませんね。

例のラストも……或る意味必見です。
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by s-kuzumi | 2007-07-27 03:36 | サウンドノベル | Comments(0)
2007年 07月 26日

フリーサウンドノベルレビュー 『楽園』

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今日の副題 「本当の楽園とは」


※吟醸
ジャンル:田舎に住む兄の元に訪れる妹とその生活(?)
プレイ時間:10~15分程度

その他:選択肢なし、一本道ノベル。


道玄斎です、こんにちは。
最近、段々と「お勧め指数」を付けるのが難しくなっています。五段階評価じゃなくて十段階にすれば良かったんだろうか?
ジャンルというのも、単純にどの作品も「恋愛」とか「伝奇」とか分けられないものが多くて難儀します。しょうがないので、作品の概略みたいな、そんな感じで書いています。


さて、本日のレビューは「Team Eye mask」さんの『楽園』です。
「Team Eye mask」さんは一次創作を目的としたプロジェクトユニット、ということで、クオリティの高いオリジナル作品を精力的にリリースしているユニットです。

今現在のメインは、「Windows/PSP Hybrid Mini-novel Series」で、普通のサウンドノベルのようにWindowsマシンで動かす事も出来れば、PSPで遊ぶ事も出来る、というハイブリッドな環境で遊べるフォーマットで、作品を制作しています。

ストーリーをサイトから張り付けます。


過疎化の進む近未来の日本のある農村。
足りなくなった労働力を確保するために、農作業の機械化は進んでいった。 そして村には人間の労働力は必要無くなりそのすべてはアンドロイドによって賄われていた。

機械化の影響で人がいなくなったこの街に機械を管理するために派遣されたエンジニアのシゲル。 そんな彼を訊ねに、妹のミドリが都会からやって来る。

夏の収穫期を前にその手伝いも兼ねてやって来たミドリだが、 本当の目的は暫く会う事が出来なかった兄と夏休みの短い時間を過ごすことだった。

二人がすごす、ハイテク農村での一時。


良かった点

・普通のサウンドノベルの様な表示形式ではなく、横に細長いタイプの、今までにないノベルの形(今回、画像はスクリーンショットを切り取りました)。

・イラスト・音楽・テキストのマッチが凄い。ちょっとでこぼこした紙に描いたような質感の背景に入らすとが乗っているという感じ。音楽も綺麗で作品の雰囲気に良くあったものを選んでいる感じです。

・特に何か事件がなくても、設定やキャラ作り、テキストの巧みさで十分に一つの作品として完成している。


気になった点

・人によっては淡々としすぎていて、物足りないと感じるかも。

・解凍したフォルダの中にリードミーが入っていない。


淡々としつつも、やっぱり作品のトーンには波があって、盛り上がるべき所は盛り上げてくれます。音楽とテキスト・イラストのマッチが凄くいいです。長閑な現代に於ける「楽園」らしい雰囲気を出しています。
PSPでも遊べるフォーマットですので、そちらの方に準拠した画面構成で、これはPCでプレイする人は好みが別れる所でしょうか?今までにないタイプ、というのは俺は無条件的に好きになってしまうのでなかなか良いと思いましたが。

ただ、リードミーは欲しかったですね。
作者の情報(サークル名・URLなど)は、こうしたレビューを書く際に必須ですしね。
もしかしたら、PSPで動かす為にはそういうのを入れちゃマズイのかな?
大体の特徴はこんな所です。

一見すると、この都会にはない農村こそが「楽園」だと思ってしまいそうですが、この農村にも機械化の波は押し寄せています。寧ろ機械の農作業用アンドロイドが存在しなければ、この農村は維持出来ないのです。
カラスを完全に農作物から追い払う、のではなくて寧ろ、或程度カラスが囓ってくれるような野菜を作る、というように、何だか人工の「農村」的な気配もします。
多分、カラスが食べても安全、という事なんですが、出来たらカラスは完全におっぱらった方がいいですよね?けど、完全に追っ払っても駄目、というように、そこには「コントロール」の匂いが微かにするのです。

しかし、それでも都会の人間にとって、蛍があり綺麗な水があり、何よりも美味しい野菜があるこの農村は、何にも代え難いものなのです。
完全なユートピアな[「楽園」ではなくて、近未来人の出来うる限りの「楽園」が、この農村といった印象でした。

そして、そんな農村で暮らす兄を訪ねてきた妹との交流。
本当の「楽園」は自分の愛する人たちの居る場所、お互いが繋がり逢える場所なのかもしれません。


と、何だかヘンテコな事を言ってしまいましたが、本作は間違いなく良作です。
多分、プレイする人によって印象は大きく変わってくるのではないでしょうか。
俺が抱いた感想は上に述べた通り。

都会の生活に疲れたとか、本当に豊かで人間的な生活って何だろう?と考えている人は是非プレイして貰いたい作品です。
とても穏やかな気持ちになれますよ?
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by s-kuzumi | 2007-07-26 16:45 | サウンドノベル | Comments(0)
2007年 07月 25日

フリーサウンドノベルレビュー 『天使屋』

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今日の副題 「帰るべき場所を探して」

お勧め指数(五段階評価):四
ジャンル:幼なじみの女の子との再会や宗教戦争(?)
プレイ時間:30~1時間程度。



道玄斎です、こんばんは。
今日もレビューをぶちかまします。

本日は、「あずき」さんの『天使屋』です。



良かった点

・天使屋というネーミングが良い。思わず興味をそそられる。
・短いながらも良くまとまっており、読後の消化不良感が少ない。複数のエンディングを見る事で、より物語のリンクやそれぞれのキャラの思惑などが分かる仕組み。マルチエンディングが活かされている。
・おまけシナリオの充実w


気になった点

・こういうマルチエンディングでエンディング数がそれなりの数のものだと、エンディングリストが欲しい。


というわけで、特に粗がないんですよね。
マルチエンディングだからこそ、リストが欲しいなぁ、と思いはしたのですが特に問題が無く、素直に楽しめる作品です。
ですので、評価を四と致しました。まぁ、正直、俺の好みに近い作品なんですよ。

この作品をプレイしてみると、ある作品を思い出します。
言わずと知れたあの名作『TRUE REMEMBRANCE』です。ちなみに『TRUE REMEMBRANCE』はリメイクが作られましたね。唯一の欠点、と言っても良かったコミックメーカー製ではなくなり、プレイのしやすさが格段に向上していますし、追加シナリオや、ムービーも付いているという。

話を戻しましょう。
本作はどこか、『TRUE REMEMBRANCE』を彷彿とさせるような感じです。
作品全体を覆う雰囲気や、トゥルーエンド(だと個人的には思う。エンディングno.4)の終わり方など、ストーリーは全く違うのに、どこか同じような世界観や手触りがします。
「今日の副題」は最初は、

「もう一つの『TRUE REMEMBRANCE』」

にしちゃおうかな、とか思っていたくらいですが、それだとあまりに『TRUE REMEMBRANCE』を基礎に置いているので、止めました。

良かった点でも書きましたが、そこまで長い作品では無いのにも関わらず、とても纏まりのある作品です。
ストーリーラインは、男性主人公が「喪服」と「天使屋」という二つの宗教団体の抗争に巻き込まれ、「天使屋」の高位聖職者にかつて施設で一緒だった女の子と再会して……。
という感じで、フリーのサウンドノベルを沢山プレイしていらっしゃるかたは一度や二度くらいは、似たようなストーリーを見た事があるのではないでしょうか。
しかし、やはり丁寧で無駄のない描写やエピソードは、作品の纏まりを良くし、全体的な魅力を大きく引き上げます。

どうやら、テキストを書いていらっしゃる方は、普段は落語などの同人誌を作っていらっしゃるそうで、その幅の広さに驚かされます。コミティアなどに出店していらっしゃるようなので、そちらに興味のある方は、チェックしてみてもいいですね。最近だと文学フリマなんかにも出店しているのかな?

シンプルで無駄の無い文章。
それでいて尚、必要なモノは必要なだけ詰まっている(エンディングを複数見る事で明かになるモノもある)という作品です。
水彩タッチの絵柄も可愛らしくて『天使屋』という、ネーミングに合っていると思います。
そうそう、オマケシナリオは本編で感動した後に、絶対に見てみましょう。かなりトバしてますw


『TRUE REMEMBRANCE』(の作風や手触り)がお好きだという方は、是非プレイしてみて下さい。勿論、そうでない方もプレイしてみて下さい。自信を持ってお勧め出来る作品です。


※追記
最後のオマケをみたりすると、やっぱり、『TRUE REMEMBRANCE』風味がするなぁ。
特に男性主人公の洋服の感じとか。影響受けてるんですかねぇ?
あっ、けど、それでもこの作品は名作だと思いますよ?
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by s-kuzumi | 2007-07-25 20:00 | サウンドノベル | Comments(2)
2007年 07月 25日

フリーサウンドノベルレビュー 『雪花 -きら-』

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今日の副題「脆くも優しい日本の吸血鬼」


ジャンル:古都+女の子+吸血鬼
プレイ時間:30分程度
その他:18禁。18歳未満の方はプレイをお控え下さい。


道玄斎です、こんばんは。
今日は中編程度の大きさの作品です。しかも18禁。

さて、さっそくレビューへと移りましょう。
tinsmith」さんの『雪花 -きら-』です。


良かった点

・古都の町並みや、幻想的な雰囲気作りが巧みだった。
・立ち絵・一枚絵がなかなか可愛い。更に儚さもあって作品にマッチしていた。
・音楽(オリジナルなのかな?)が主張しすぎることなく、作品に合っていた。


気になった点

・既読文章を読み直せないのは良くない。ついクリックして先に文章を進めてしまうと非常に困る。
・ラストの演出があまりにも冗長。
・スタッフロールが終わると共にゲームが強制終了してしまう。これはバグか?
・釈然としないラスト。


では、詳しくみていきましょう。
本作は、吸血鬼モノの系譜に連なる作品、という事になるのでしょうか。
一人の青年が少女と出会い、「夜だけ友達」になり、仲を深めていく、というのが作品概要。

作品の雰囲気は非常に良いです。
古都を思わせる町並みや、関西弁の女の子。そしてそこにやってくる標準語を話す青年。
そして、「夜の間だけ」舞子と斗一は友達となり、公園で話しをするようになるという設定は、非常に面白いですし、興味をそそります。

しかし、何て言うか、公園での逢瀬(?)が殆ど描写されない為、話の展開がどうしても急に思えてしまいます。
吸血鬼である舞子の「夜の間だけ友達になって」という願いが込められている場面ですので、この夜の逢瀬に、もう少しスポットを当ててみても良かったのではないでしょうか。
二人の心の交流といいますか、そうしたものが描かれていない為に、18禁なシーンを含め、その後の二人の関係に感情移入が出来ませんでした。

又、ラストでは、舞子は朝日を浴びて自ら死んでしまうわけですが、その演出があまりにも冗長でした。一字一字ゆっくりと舞子のセリフが真っ白な画面に表れていく、という演出自体は良いのですが、いくらなんでもあのテンポは遅すぎです。
ラストのほんの数行分のセリフだけで3~5分くらい使っているような……。
そこが作品のクライマックスで、最後の見せ場なのは分かりますが、もう少し読者に配慮した演出があっても良かったのではないでしょうか?

恐らく、本作は、丁寧に二人の関係を描いていったらかなりの良作になったはずです。
夜の逢瀬が、その二人の関係やその進展具合を「読者に分からせる」良い装置でしたが、活かされていないのは残念でした。

ちょっと辛口になってしまったので、少しフォローをしますと、イラストがかなり可愛いです。
俺はこういうタイプの子好きですね。まぁ、『マリア様がみてる』の二条乃梨子みたいな感じですな。全体的に古式ゆかしい独特の雰囲気が出ている作品ですので、そういうのに興味を持った方はプレイしてみると良いかもしれません。

今回も、ちょっと「惜しい」タイプの作品でしたね。
雰囲気作りやイラストのクオリティ、テキストは高水準であるのに、実は作品のキモである部分を端折ってしまった為に、消化不良になってしまった、という感じです。

作者の「tinsmith」さんはかなり長い間、サークル活動を休止なさっているようですが、本作を越えるような次回作がリリースされる事を、期待しております。
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by s-kuzumi | 2007-07-25 01:30 | サウンドノベル | Comments(2)
2007年 07月 24日

フリーサウンドノベルレビュー 『カレイドスコープ』

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今日の副題「基本こそ王道」

※大吟醸
ジャンル:女の子の成長(?)
プレイ時間:3時間くらい。



道玄斎です、こんにちは。

今日は、ずっと、とある理由からプレイしなかった作品のレビューです。

というのも、この作品は、私がフリーサウンドノベルの世界に足を踏み入れた当初からお世話になり、又絶大な影響力を持ってきたレビューを大量に書かれている方の作品なのです。
故に、なんかプレイしちゃいけないような気がしていて、ずっと躊躇していたのです。
憧れの人に、逢いたい反面、逢いたくないような……。観たいけど、観ちゃいけない気がする……。

そんな自分にとっての特別な作品なのです。
しかし、今回、思い切ってプレイしてみたのは、

・レビューを自分でも書くようになって、原点に戻るという意味で、自分のフリーサウンドノベル人生に最も影響を与えた人の作品を、レビューしてみたくなった。

というのが一番大きな理由です。
正直、自分の偏向を入れた評価を下してしまうのか、それともそう思われないように敢えて低い評価を付けてしまうのか……。自分でも悩んだのですが頑張って評価をつけました。



さて、本作NaGISAさんの『カレイドスコープ』のレビューです。
正直、圧巻です。
勿論、私が作者のNaGISAさんに心酔している、という偏向もあるのですが、これは凄いと思いました。


良かった点

・基本に忠実。
・音楽が自作で、他のサウンドノベルでも良くお目に掛かる楽曲。
・病院関係にお勤めされている、という作者のバックグラウンドが良く活かされている。
・きらりと光る脇役達。



気になった点

・背景画像が、全て「キャンバス地」的な加工がなされていて、観にくい。長時間観ていると背景で疲れてしまう。
・改行ごとの一字下げ。俺は何故かこれが気になってしまう。気にならない人には全く問題ない所。
・微細な点だが、梓の年齢が19歳なのか18歳なのか、分からなかった。時々によって違ったような……。


大体、こんな所ですかね。

流石にあのレビューをお書きになっている方です。
とにかく、丁寧で基本に忠実なゲーム作りです。
ただの受け狙い的なギャグを省いたり、余計な描写やエピソードを省くだけで、これだけすっきりと一個の作品として纏まるのか、と思わされました。

非常に興味深かったのは、入院の様子が中盤あたりからメインとなるのですが、そのナースステーションの様子や、病室の描写など病院内での描写が、凄くいいです。
病院関係で働いておられるバックグラウンドが遺憾なく発揮されています。

私も入院に関してはちょっとしたマニアでして、というのも物心付く前から、しょちゅう入院しているからなんです。昨年は肺炎で三週間くらいですかね、入院しました。
そういう関係で、サウンドノベルであっても病院の描写にはちょっとうるさいのですが、本作では、ナースステーションが戦場になる時間の描写など、凄くリアルで良かったと思います。
自身のバックグラウンドをゲームに活かしていく、というのは良いですね。
そうする事で文章や物語に説得力が生まれますから。

あとこれは特筆すべき事なのですが、脇役が抜群に良いです。
寧ろ、主人公達じゃなくて脇役こそが物語を支えている、という氏の主張を裏付けるような、素晴らしい脇役の活躍ぶり。場面によっては脇役が主人公になってしまうようなシーンもありました。
特に片桐先生。脇役にもかかわらずちゃんとキャラの味付けがなされていて、仏頂面で冷たい医者に見えるけれども、実は何よりも患者の事を考えている優しい先生です。
この片桐先生が、いなければ本作は駄作になったかもしれない、といえるくらいの重要キャラです。一種の医者の理想像ですよね。


欠点に関しては、最初に列挙した通りで、背景が良くないです。
普通の加工していない写真じゃまずかったのでしょうか?流石にあのキャンバス地的な質感の背景しかないと、疲れてしまいます。そういう加工をする事によって、色味も悪くなってしまっている所もありました。

次に改行の一字下げです。
俺はどうしても気になってしまうのですよね。
例えば、今書いているように、改行の際に一字下げを行わない、というのは、ノベルゲーム型式にした際、見にくいなどの欠点があるのでしょうか?
サウンドノベルは、基本的にテキストを目で追うゲームですから、目線が、一字下げの分移動するのが続くと、妙に疲れてしまうのです。



大体、良い点・悪い点は以上です。

しかし、別段「新しい」と感じさせるものはないのに、ここまで完成度の高いノベルが作れるんだな、と素直に関心しました。
人物の設定を丁寧に作り込む事。素直で読みやすいテキストを書く事。やはりサウンドノベルの王道はそういう所にあるのだと思います。
正直、このゲームは二日乃至三日くらい掛けて少しづつ、読む予定だったのですが、もう目が離せなくなって、一気に朝方までプレイしてしまいました。

めぐみが、一生下半身不随となってしまう、など重たいテーマではあるのですが、それを支える梓、明、和美、看護婦さんや片桐先生などの描写がしっかりしている為に、非常に前向きな作品となっています。
しかし、「みんなの支えで退院出来ました。ありがとう」で終わってしまわずに、障害を持ってしまった為に生じる社会生活で不利な面も、描写されています。これは一種のタブーなのですが、安直なハッピーエンドよりも全然説得力があるのです。
それでも、本作は尚前向きな作品で、けっしてプレイ中にどろどろしたものに引きづり込まれる事はないのです。

ご都合主義的な所はあるのですが、それは嫌味な在り方じゃなくて、必然的なものです。
これは現代のおとぎ話みたいな、そういう強くて大きい力を持つ作品だと思います。
ヒロインのめぐみが、最終的に梓を選ぶ理由も、丁寧な描写は過去の回想などを通して生まれた必然です。一方で、めぐみがアホ男に騙されるのも、現代のオンナノコらしさが出ていますよね。
あのアホ男が梓に殴り飛ばされた時は、俺は一人で喝采をあげましたよ?

テーマに向かっていく因果関係をしっかりと描写出来るかどうか。
そこがサウンドノベルのキモです。
中には、凄い斬新なテーマで、多少の粗を隠してしまうような勢いを持った作品があったりもするのですが、それはやはりそういう才能のある方の特権なんですよね。
基本というか王道は、丁寧でしっかりとした因果関係を描写する事、これに尽きると思います。


本作は、多くの人のプレイして貰いたいと思います。
プレイする側の人だけじゃなくて、ゲームを作っている人にも是非一読してもらいたい作品です。
是非是非、プレイしてみて下さい。
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by s-kuzumi | 2007-07-24 16:43 | サウンドノベル | Comments(2)