久住女中本舗

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2008年 05月 31日

フリーサウンドノベルレビュー 『花兎』

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今日の副題 「雰囲気のある名作短編」

※吟醸
ジャンル:ある夏の日、田舎での一日(?)
プレイ時間:10~15分程度
その他:選択肢なし、一本道。本レビューはWindows版にてプレイ。
システム:Adobe Flash Player

制作年:?
容量(圧縮時):16.5MB


道玄斎です、こんばんは。
今日は、先ほどホラーっぽい作品をやっていたのですが、途中でエラーが出て進めなくなってしまいました……。ちょっとイライラっとなってしまったので、別の作品を。
というわけで、今回は「DD-HOST web」さんの『花兎』です。
良かった点

・Mac版、Unix版もあり、どんな環境でもプレイ可能。

・とても優しい雰囲気で、短いながらも感動出来る。


気になった点

・消化不良となっている主人公の設定がある。

ストーリーは、私が簡単に纏めておきましょう。
ある夏の日、主人公は10年振りに自分の故郷に帰ってきた。
実家に帰ろうと、バスを待っていると、少女が現れて……。

と、このくらいでやめておきましょう。

大体、私がプレイして10分程度でした。
本当なら「番外編」の方に入れるべきなのかもしれませんけれども、とても良い読後感を持っていて、素直に感動出来る良作だと思いましたので、通常のレビューで。

先ず、システムがフラッシュを使用しています。
ちょっと変わっていますよね?ただ、実際に10分程度の作品ですからプレイしにくい、とはあまり感じませんでした。実際、とても綺麗で洗練されたインターフェイスでしたよ。
敢えて、Unix版にてプレイしてみる、という手もあったんですが(愛用のVine Linux4.2で、ね)、ちょっと面倒だったので、机の上に鎮座ましましている、Windowsを使ってプレイしてみました。

夏の日に一人の少女と出会って、なんて感じだといかにもありそうな感じがしますが、作品自体が丁寧に作られており、ありがち感も感じる事はありませんでした。
背景なんかも、かなり気合いが入っていて作品の雰囲気を盛り上げてくれますし、音楽のチョイスもセンスがあったんじゃないかな、と。
なんか、本当にうだるような夏の日を、雰囲気たっぷりに描いているのですが、それが暑苦しくなく、寧ろ「心地よい暑さ」のような、一種の爽やかさを感じさせるもので、好印象。
これはやっぱり、クリーンな背景が一役買っているんじゃないかなぁ、と愚案する次第。

ちなみに、本作、以前にプレイした記憶があるんですよね。
その時はフラッシュじゃなかった気がするんだけども、気のせいかしら?意外と昔からある作品のように思えますが、詳しい事をご存じの方はいらっしゃいますか?
とはいえ、今回新たにプレイしてみると、昔プレイしたと思しき時よりも、遙かに洗練されており、より一層の感動があったように思えます。
もし、リメイクが施されたものだとしたら、大成功だと思います。

一点、気になった点を挙げるなら、主人公はどうやらラストのあたりを見ると、余命幾ばくもない、という感じみたいなんですが、その設定が本当にラストでぽんっと出てくるので、若干違和感を感じなくもないかな?と。
とはいえ、ストーリーの本筋の良さは変わらないのです。ラストのツボを押さえた感動の演出はとても良かったですし、妙なあざとさを感じる事もなく、気持ちよくプレイ出来ました。

本当に短い作品なので、ストーリーに関しての解説めいた事は今回はやめておきますね。
是非是非、プレイしてみて下さい。

少し季節を先取りしている感はあるのですが、暑さが増してくる時期にプレイするのにぴったりだと思います。

それでは、今日はこのへんで。
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by s-kuzumi | 2008-05-31 20:48 | サウンドノベル
2008年 05月 31日

なんてことない日々之雑記vol.76

道玄斎です、こんばんは。

書庫の整理が完了致しました……。
ふぅ……長かった……。

かなり捨てました。
「思い出」と称してとっておいたブツが物凄く書庫を圧迫していたので、「ベストオブ思い出」みたいなものを除いて、泣く泣く処理。まぁ、仕方あんめぇ。

出てくるわ出てくるわ。
若い頃、娘さんから貰った『となりのトトロ』のシリアルナンバー入りライターとかが謎のものも出てきました。
「何で、お前等書庫に入ってるんだよ?」と言いたくなるような感じですよね。

今、月100冊ペースで本が増えているわけですが、ちょっと自粛したほうが良さそうですね……。
毎月溜まっていく未読の本を読めよ、って話なわけで。。
さて、次は部屋の本棚を何とかするか……。



で、禁煙なんですが、完全に忘れていました……。
今、机の上の灰皿に吸い殻が山のように積もっているのを見て「禁煙しよう」とちょっと前に言っていた事を思い出しました……。
駄目だこりゃ……w
今日は、色々作業が押してイライラしているので、少し強めの煙草になっています。「さくら」という煙草。タール7mg、ニコチン0.6mgとその雅やかな名前に似合わず、有害なヤツです。基本は「ケントウルトラメンソール」(1mm、0.1mg)なんですが、たまにこうやって少し強い煙草を吸ったりします。
それでも、以前に比べたら、滅茶苦茶弱い煙草なんですよ? 何しろ昔はタール17mg、ニコチン1.4mg(だったとおもふ)の「ジョーカー」なる煙草を吸っていましたから。

ちょっと、煙草遍歴でも書いてみましょうか?

最初は、マイルドセブンのアイスブルーという、メンソールだったと記憶しています。あんまり売ってないよね? んで、マルボロメンソールに移行。基本的に刺激の強い方が好きなようで、メンソールが主流です。
その後、ジョーカーの存在を知りそいつ一辺倒に。ジョーカーはメンソールじゃなかったんですが、とても美味しい煙草でした。
その後やっぱりメンソールが恋しくなり、セブンスターのメンソールに。「やはりメンソールが一番だ」という結論に達する。で、四年くらい前かなぁ?ケントウルトラメンソールなる、「最強のメンソール」なるものが発売されてから、そいつがお気に入りとなり今に至る、と。

どうやら、なんか自動販売機で煙草を買うのに、カードが必要なんだって?
全然申し込みとかやってないんだけども、コンビニとかで出来るのかな? 或いはこれを期にマジで禁煙してみるとか。

昔、若い頃「煙草やめなよ」と娘さんに言われて「禁煙読本」みたいな本を頂いた事がありますが、読もうと思った矢先に、振られて悲しい思い出の一冊になってしまったので、炎の中に投じた覚えがw


多分ね、禁煙って身辺が「落ち着いている時」にするといいと思うのよ、うん。
忙しかったり、イライラしている時って、どうしても手を出してしまうから。というわけで、禁煙はもうちょい延期ですw

今日は、このへんで。
それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-05-31 03:05 | 日々之雑記
2008年 05月 29日

フリーサウンドノベルレビュー 『Bisque Doll』

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今日の副題 「王道ホラーの実力」

※吟醸
ジャンル:館ホラーモノ(?)
プレイ時間:1ルート1時間半くらい。全部で2ルート。
その他:選択肢有り。バッドエンドも。要所要所にボイスあり。
システム:NScripter

制作年:2001/5/?/(本レビューはVer.1.06にてプレイ)
容量(圧縮時):7.46MB



道玄斎です、こんばんは。
さて、予告通りの昔懐かしのホラー作品のレビューです。
過去にプレイした人も多いんじゃないでしょうか?やはり、当時話題作となっていましたよね。
というわけで、今回は「零式改.com」さんの『Bisque Doll』です。
良かった点

・兎に角恐い。フリーサウンドノベルの館ホラーの草分け的存在。

・オーソドックスながらも、「あきりたり」な感じはせずにプレイを楽しめる。


気になった点

・立ち絵(影絵)のモーションが変わるたびにウエイトが掛かる。結構ストレスw

・バックログがマウスホイールの回転で見れない。

ストーリーは、サイトへのリンクを張っておきましょう。ここからどうぞ。


懐かしくプレイ致しました。
記憶の中で、ホラーというと私の場合どうしても『柵の淵』とこの『Bisq Doll』というのが、まっさきに思いつく作品となっています。大体リリース時期も近いんじゃなかったかな??
今から、七年くらい前の作品なんですが、良い作品は色あせないものなのです。

最近、ホラーといっても、割とひねりが効いているようなものを多くプレイしていたように思えます。というか、直球のホラーがあまりリリースされなくなっているのかも。
たまに、私は「うわっ、ここは悪霊の住む館だ!」とか書いているわけですが、本作はその直球のパターンです。

今回、改めて何年かぶりにプレイしたわけですけれども、ホラーって奥が深いなぁ、と。
ちょっとホラーに対しての認識を変えないといけないくらいに、面白い作品でした。
オーソドックスって言えばオーソドックス。なんだけども、それがとても面白い。まだまだ直球ホラーって、洗練させていく事が出来そうですよねぇ。

最初に言っておきますが、本作は普通に「恐い」です。
間違っても夜中にプレイしないように……。いや、「敢えて俺は夜中にプレイしてやるぜ!」って猛者には止めませんけれどもw
どこが恐いって、「雰囲気」が恐いんですよ。オドロオドロシイ髑髏が出てくるとか、ゾンビが出てくるとかじゃなくて、鳥肌を催す「空気感」とでもいいましょうか。
こうした恐い雰囲気を高めているのは、実は立ち絵です。立ち絵自体は、影絵なんですが、その影が想像力をかき立てますし、ホラーに合っていると思います。
又、影絵を見るだけで、キャラの特徴が分かるわけで、とても良い影絵だったんじゃないかな?と思います。暴力系(?)幼なじみの女の子は、キュロットスカート(らしきもの)が影絵であっても分かるようになっていたりと、意外と細部が凝っています。

で、要所要所にボイスが付いているのですが、「悪霊の館」のメイドさんこと、フォリナーさんの声の怖さは半端じゃない……w ちなみにフォリナーさんの声と主人公の妹は一人二役でした。
私は、どちらかと言うとフルボイスが好きな方なんですが、要所要所にだけ声を当ててもらう、というのもアリかな、と思いましたね。
意図したものかどうかは分からないのですが、要所要所にだけ再生される声だからこそ、怖さや安堵感、或いはラストの演出として機能しているような面がありました。

本作はルートが二つ。
一つは、幼なじみの女の子の、涼香のルート。
そしてもう一つは、クラスメイトで主人公が密かに恋心を描いている水谷さんのルート。

キャラクターメイキングも良かったと思います。
変なギミックじゃなくて、やはりここでもオーソドックスなキャラクターメイキングなんですが、それが心地よいというか。厭味がなくてとても良い。
これも割と良く言っている事ですが、オーソドックスって悪い事じゃないんですよね。問題はオーソドックスに飲み込まれてしまうか、あるいはそれをモノに出来ているのか、という点ですかね。この問題を解決した時に、オーソドックスはありきたり、ではなくて、素直に気持ちよくプレイ出来る要素になるように思えます。
その意味で、本作はお手本になるような作品なんじゃないでしょうか?

涼香の方は、割とあっさりとしているのですが、水谷さんのルートは恋愛風味もちょっと色濃く出ていて、色々楽しめます。こういう恋愛未満の空気感って大好物です。
水谷さんは、本当に理想的な女の子ですよね。霊感少女だけどもw
ちょっと蛇足なんですが、高校生くらいの時って、実際は水谷さんみたいな落ち着いたタイプじゃなくて、もっと派手な感じの子の方がモテるよね?歳をとるにつれて「水谷さんタイプ」の女の子の良さが分かってくるという。私ですか?私はもう小学生くらいの時から「ちょっと地味」なタイプの子の方が好きだったので、「お前の趣味はちょっと変」と言われ続けてきましたw
個人的な話で恐縮なんですけれども、私は「地味」な娘さんが好きなんですよ。何しろ私の究極の理想の顔って「のっぺらぼう」だもん(それは地味なのか?w)。

水谷さんルートのラスト付近の選択肢で、彼女に対して「誰かと付き合ってるわけじゃないんだよね?」と聞く事になるんですが、なんかもうそういうやりとりが甘酸っぱくて、たまらんですな。あと、普通にそういう事を正面きって相手に言える主人公に男気を感じてしまいました。大したもんだ。
私の場合だと、忘れもしない、山手線の中ですよ。あれ、どこだったかなぁ?池袋とかなんかそこらへんを通過していた時に「あー、えー、そのですねー、市場調査なんだけども、付き合ってる人とかいらっしゃいます?」と、恐らく史上最低の聞き方をした事がありますw 時間が戻るなら、過去の自分の愚行をやめさせたい!!


っと、今回は蛇足ばっかりですね……。
さてさて、気になった点、なんですが、実は殆どシステムに関するものです。
影絵のモーションが変わる時に、結構なウエイトが掛かってしまって、スムーズなプレイの妨げになっていて、ここが一番気になりましたかね。二週目に既読スキップでさくさくっと、プレイしていきたい時に、モーションで時間が掛かるとちょっとイライラしてしまいます。
あとは、マウスホイールでバックログが使えない、という辺りも。私は割とかちゃかちゃとクリックして文章を読んでいっちゃうタイプなので、頻繁にバックログのお世話になります。

とはいえ、まぁ、リリースが2001年と七年も前ですから、細かい所には目をつぶるのが正しいあり方なのかも。
そういえば、気になるって程じゃないんですが、最近よく見るので、一言。ダブルクオテーションってありますよね。たとえば「ホラー作品」とカギ括弧にしているのを、クオテーションで書くと、“ホラー作品”と表示されます。それが、”ホラー作品”となっているようなものが多いんですよね。ちょっと表示が分かりにくいかな?「“”」でワンセットなハズが「””」となってしまっている、と。多分、前者の方が正しいよね?
このクオテーションの処理って、商業ゲームでもかなり多くのゲームが、「””」式になっていて、どうにも気になってしょうがないんですよね。もしかしたらIMEの関係で上手く出ないのかなぁ?私の場合、ATOKを使っているのですぐに出せます。意外とATOKいいですよ?


今回は蛇足多めでしたね……。
けれども、作品は細部まで気を遣って書かれたクオリティの高いホラー作品だったように思えます。
オーソドックスな「館ホラー」。だけど、だからこその、細部のクオリティの高さ、怖さを是非是非実感してみて下さい。夜中にプレイしない事を推奨しておきますw

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-05-29 22:09 | サウンドノベル
2008年 05月 27日

なんてことない日々之雑記vol.75

道玄斎です、こんばんは。

書庫の整理を少しづつやっているのですが、何とか片付く目途が立ってきました。
今回、やむを得ず、泣く泣くお別れをしなければならないモノもあったりして、少し寂しいですね。
明日、明後日くらいには、何とか使えるレベルまで書庫が回復すると思いますが、問題はその後、部屋の本棚を何とかしたいですね……。部屋ん中も、足の踏み場もないくらい本で埋まっているので、早い所始末したい……。


さてさて、最近よく頂く質問に、

「バナーとかないっすか?」

というものがあります。ちょっと分かりにくいですよね。実は本館の方にあるっちゃあるんだけども、あそこは容量が30Mしかなくて、早くもパンク気味になっていて、綺麗に作り替えるとか、そういう問題以前でありました。
しょーがないから、ドメインでも取得してサーバー借りようかしら?
うんと、昔Linuxで自宅サーバーを立てていたのですが、ウルグアイのアドレスを持つ何者かによって侵入されたという悲しい経験がありまして、それ以降、自分でサーバーを立てるのを躊躇してしまいますw
不要なサービスは全部コメントアウトしたり、アンインストールしたりして結構頑丈にしていた積もりなのですが、それでもやられる時はやられてしまう……。

話が逸れてしまいました。

んで、バナーなんですが、
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こんな二種類が用意してあるので、ご入り用の方はどうぞご自由にお使い下さいませ。
ここのサーバーに負荷が掛かると宜しくないので、お持ち帰りでお願い致します。
リンク先もまぁ、別にどこを張ってくれてもいいんだけども、無難にこのブログのトップがいいんじゃないかと思う次第。
考え方って色々あると思うんだけども、私の場合「トップページ以外リンク張ってくれるな」とか、そういうのはあんまり好きじゃないので、もう、それは本当にお好きなように。
「こちらから(極力)宣伝をしない」をコンセプトの一つとして活動をしているので、リンクを張って下さる、という方が居ると、本当に嬉しいです。

んで、実はこのブログも容量が30Mなんですよね。
せいぜい20kくらいの画像を張ったりするくらいですので、まだまだ全然余裕はあるのですが、やっぱり隙を見てもうちょっとおっきな所にいづれ移行しようかしら?と考えております。
そうはいっても、当分はこのままですよ。


ここの所、なんだか勢いに任せて、随分沢山更新をしてしまいました。
自分のプランでは「今年の七月に~くらいのアクセス数を達成したい」と目標があったのですが、早くも実現してしまって、些か困惑しております。
といっても、他のレビューサイトさんなんかと比較したら、全然大した事ないんですよ?

今、プレイしているのは某ホラー作品。
和風ホラー好きな方な方には、申し訳ないのですが、どちらかと言えば洋風ホラーに近い。
昔懐かしの「あのホラー作品」です。
私も昔『柵の淵』の前後にプレイした記憶があって、中々好みだった作品ですね。正直結構恐いので、じっくりと……。近日レビューを書く予定ですので、ホラーファンはこうごきたい(?)。

もうあと一月くらいで、この「久住女中本舗」も一周年を迎えます。
その時に向けて、色々と整理なんかをしたいですね。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-05-27 21:00 | 日々之雑記
2008年 05月 26日

フリーサウンドノベルレビュー 『雨と猿』

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今日の副題 「主役が脇役で、脇役が主役で」

※吟醸
ジャンル:ミステリー&人間ドラマ(?)
プレイ時間:1時間半~2時間くらい
その他:選択肢なし、一本道。
システム:NScripter

制作年:?
容量(圧縮時):32.5MB



道玄斎です、こんばんは。
今日は、コメントにてお教えいただいたゲームをプレイしてみました。
少し暗い陰鬱な雰囲気を持つものの、やはり滋味溢れるツウ好みの作品だったように思えます。
というわけで、今回は「大山椒魚」さんの『雨と猿』です。作者様サイトが見つからなかった為、ふりーむ!のリンクを張っておきます。
良かった点

・主人公の立ち位置が非常にユニーク。

・影絵の使い方が独特で、面白い。

・ラストはからりとした気持ちの良い終わり方で好印象。


気になった点

・少し、全体的に暗い雰囲気があって、多少じめじめとした、閉塞感を感じなくもない。

ストーリーは、ふりーむ!の紹介文から引用しておきましょう。
道に迷い、雨に祟られ、崖から落ちた“私”が
猿に似た男に導かれた先は……。

選択肢無しのノベルです。

こんな感じのストーリーになっています。

いや、見逃していましたね。「ふりーむ!」は一応一渡り毎回新作のリリースを確認したりしているわけですが、こんな作品が眠っていたなんて……。
なんて言うか、凄く抽象的な言い方になってしまうのですが、「どっしり」とした感触がしました。それは別に容量が大きいとか、そういう事ではなくて描きたいと思っている「作品の根っこ」をちゃんと作者様自身がコントロールしている、くらいの意味です。

派手さ、みたいなものはありませんが、滋味溢れる作品だったと思います。
イラストも綺麗な塗りが施されたもの、というわけではなくて所謂影絵ですね。破天荒な某教師モノ(w の影絵とは一味違うのですが、この影絵、そしてその使い方が非常に巧みで効果的に物語を演出していました。

最初は、ホラーかな?と思ったくらいなんですが、段々とサスペンスの様相を示してきてけれども、最後は気持ちの良いドラマでしめられる、という物語の中に何段階かフェーズが存在する、という感じです。

さて、ストーリーに少しフォローを入れておきましょう。
主人公は、友人に勧められて、ど田舎の旅館に行く事になっています。どうやらその旅館には「鬼が書いた掛け軸」がある、というわけで、それを目当てに道無き道を進み、山の上にある旅館に行こうとするも、途中で遭難してしまった。

と、こういう所から物語が始まっていきます。
そして、崖から落ちた主人公が、ぼろ小屋を見つけて中に入ってみると、猿丸と自称する謎の小男が住んでいて、旅館まで案内してくれるという……。

こんな感じのイントロになっています。
雨の夜、という舞台設定ですので、どうにもじめじめとした空気感が漂う作品ではあるのですが、その旅館の隠微な感じや、数々の謎と相俟って、独特の雰囲気を出していましたね。

特筆すべきは、主人公の立ち位置です。
主人公は、一応「視点人物」ではあるものの、「事件」には一切立ち入る事の無い或る意味で完全な「傍観者」です。
実は、主役は猿丸であり、又旅館の親父なのです。
それを「聞き上手」の主人公が、猿丸と交流をしつつ、隠された物語を「語らせていく」というような体裁となりましょうか。
だから、言ってしまえば、主人公は全く何もしていないw いや、「上手な聞き手」であり物語の「進行役」となっているのです。

こういう主人公の立ち位置が物凄く新鮮でしたね。
普通、こういう作品だと主人公が、謎に挑んでいき自主的に隠された物語を白日の下にさらすわけですが、そういう感じではない。
あくまで、「聞き手」であり「誘導役」だという所がポイントです。

先に、色んなフェーズが一つの物語の中に入っている、と申しましたが、要所要所で、各フェーズに相応しい演出がなされており、こうした所も高ポイントです。
ホラーっぽい場面では、本当に恐い演出がなされたり、ミステリーっぽいシーンでは、読者をじらしながらも、少しづつ謎が明らかになっていったり……。
画面は、灰色、黒、白とモノの見事にモノトーンなわけですが、所々に赤字が表示されたりするんですよ。それが結構恐い……。


まぁ、こんな調子で全体的にかなり暗めである事は確か。
ですけれども、だからこそラストにその暗さが綺麗に払拭されるようになっているわけで、良い演出になっていました。


兎に角、なんだか「どっしり」とした印象を受ける作品でした。
多分、物凄いセンスがある作者様ですよね。
割と、昔のサウンドノベルが好きな人の方がウケは良さそうな感じですが、どなたにもお勧め出来る良い作品です。
五月雨のこの時期、本作をプレイするのはうってつけです。是非、雨の日にプレイしてみて下さい。
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by s-kuzumi | 2008-05-26 23:30 | サウンドノベル
2008年 05月 26日

フリーサウンドノベルレビュー 『平安御子女恋絵巻』

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今日の副題 「五月雨の 絶へ間に遊ぶ 我が身には 独り寝る夜も 何とおもはず」

ジャンル:平安時代恋愛アドベンチャー
プレイ時間:一ルート、20分くらい
その他:選択肢有り。全部で二ルート。
システム:コミックメーカー2 ※コミックプレイヤー2をインストールしておくこと。

制作年:2004/3/1
容量(圧縮時):1.02MB


道玄斎です、こんばんは。もうそろそろお早う御座います、の時間かもしれません。
なんだか寝付きが悪くて、全然眠れなかったので、先程お酒を久々に頂きましてその勢いでゲームをプレイしております。今日も今日とて「明鏡止水」の吟醸酒です。こう、なんていうかすぅっと体に入っていくとても良い日本酒ですね。この「明鏡止水」の大吟醸の粕で粕漬けを作ると、またこれが旨くてねぇ……。日本酒好きの人は是非おためし下さい。

さてさて、今回はいつもと毛色を変えて「平安時代モノ」です。
そっちで大学院まで出ている私の言わば「専門分野」なわけですねw 
ここのところ、古典には正直あまり付き合いがなくてですね、寂しい思いをしていたのも事実。久々にゲームという形ではありますが、直球で好きなモノに触れられて、とても嬉しいですね。
酔った勢いというやつで、わざわざコミックプレイヤー2をダウンロードして遊びました。
というわけで、「綾の国」さんの『平安御子女恋絵巻』です。
良かった点

・絵がとても綺麗で、可愛らしい雰囲気。

・どのキャラクターにも好感が持てる。


気になった点

・コミックメーカー製じゃない方がプレイしやすい。

ストーリーは簡単に私が纏めておきましょう。
帝の娘、つまり内親王である朝姫は、お転婆娘。宮中での少々気詰まりな生活に少し飽き飽き。
そんなある日、朝姫は、父帝が自分を内大臣の息子と結婚させようとしている事に気付き、「自分で恋を探してきます」と置き文を残し宮中を脱走して……。

という感じのストーリーです。

今まで、微妙に避けていた「平安時代モノ」の作品ですね。
何故避けていたのか、というと自分がそれで修士号を持っていたりするからですw だから本当はとても大好き。なんだけども大好きだからこそ、ひっそりと心の奥にしまっておきたいな、なんて思ったりもしますし、私はその道で食っていく事を諸事情により諦めた人間ですから、ちょっと古傷になっているような所もあったりしてw

けれども、今回、本作をプレイしてみて良かったな、と素直に感じました。
自分がその道に入るきっかけになったような、「平安時代への憧れ」のようなものを強く感じたからです。勿論、時代考証とかそういうのは完璧じゃない。けれども、「平安時代」と聞いてイメージするような美しさや、雅さ、そういうものがひしひしと作品から感じられたんですよ。
自分が国文科(私の大學では国文科という言い方では無かったのですが)に進もうと思った18歳の頃の、今よりもちょっと素直だった自分を思い出してしまいました。
今日は、ちょっとお酒が入っているから饒舌になっているかもしれませんw

さて、本作はストーリーの所でも触れたように、お転婆姫の冒険という趣でしょうか?
ただ、「冒険」と言っても文字通りの冒険ではなくて、「恋の冒険」と呼べるようなタイプのものです。
宮中を飛び出した朝姫は人さらいに連れ去れる所を、間一髪で尾張守の俊貴なる人物に助けられます。彼は丁度妻を亡くしていて、朝姫と自分が惚れるか、朝姫が自分に惚れるか、という「恋のゲーム」をする事にして、自分の別荘に彼女を引き取る事に。

主に、この俊貴の屋敷での数日間が本作のメイン、という事になりましょうか。
『古今和歌集』や『万葉集』の歌、更にびっくりな事に自作の和歌なども出てきたりして、お勉強になる事請け合いです。
選択肢は、朝姫の振るまいを選択していく事となります。文に返信するかどうか、どういった曲を琴で奏でるか、といったような事です。
本当なら、お琴って言っても、いくつか種類があるんですけれどもね。

実際の平安時代にはありえないような、お姫様だったりするわけですが、厭味がなくて好印象です。俊貴も「失恋の傷」を武器にするようなタイプでもないし、朝姫の幼なじみ的存在の成樹もちょっと不器用な男キャラで、やっぱり読んでいてほほえましいというか。
この二人が最終的に朝姫の恋の相手となるわけですが、二人とも厭なヤツではないので、何故か私自身がほっとしているというw
エンドもこの二人に合わせて二種類あるので、是非可愛らしい朝姫の恋の行方を二種類チェックしてみて下さい。

今日は、ちょっと蛇足多めでいきますよ?
多分、本作は「平安時代のイメージ」という作品として捉えると良いかと思います。
時代考証だとか、細かいつっこみなんて野暮な真似はしないで素直に「1000年くらい前の恋愛モノ」として楽しむのが吉。
けれども、折角ですから、少し語ってみようかな?なんて。


■平安時代は、貴族と庶民とでは、言葉が通じない可能性があった。

『源氏物語』なんて読むと、どうやらそういう事だったみたいですよ?
勿論、外国語くらいに違うという事ではなくて、東京の人間が方言バリバリの田舎に行った時の感触、くらいのもんでしょうけれども。
本作の場合、人さらいのおじさん達と、朝姫は普通に会話が成立しているんですが、そういう野暮なつっこみは無しでw

そうそう、本作の時代は、平安時代は平安時代なんですが、「おまけ」では平安中期と書かれていましたね。少なくとも延喜5年(905年)の『古今和歌集』が出てきているのでそれ以降という事になります。今の数え方ですと平安時代は、鳴くよ鶯平安京ですから、794年から、源頼朝が全国に支配体制を敷いた1185年までとなっています(つまり最近の数え方では鎌倉時代は、いい国作ろうの1192年ではなく1185年から始まるという訳です)。
あんまり、細かい事を言ってもアレですけれども、大体本作の舞台は1000年前後と考えればいいのかな?

他にも本作をプレイして、色々と思い出した事があるので、蛇足だって分かっているのですが、もうちょい色々書いてみます。


■平安時代は一夫多妻制じゃなかった可能性がある。

平安時代と聞いて、結構多くの人がイメージするのが、一夫多妻制なのではないでしょうか?
けれども、そうでなかった可能性があるんですよね。具体的にどういう事かと申しますと、当時の法律を見ると、普通に「重婚の禁止」が書いてあるんですよね。
と、そういう事を書くと「じゃあ、『源氏物語』とかは何だよ?」とかそういう声が聞こえてきそうです。私はあんまりそういうこの時代の結婚の制度とかには詳しくないのですが、昔読んだ本に拠れば「妻とは別枠で、お妾さんを持っていた」という事になるわけです。
だから、現在の我々から見ると一夫多妻制に見えるけれども、実は「奥さん」と「お妾さん」と区別は一応付いているので、一夫一妻制、という事になるようです。
ここらへんは、あんまり知られていない話だと思いますが、如何でしょうか?

このくらいで止めておきましょう。本筋と関係ない事をつらつらと書くのもアレですしね。
正直、平成年間で生きていくのに「全く不必要な知識」ですw ま、話のタネくらいにはなるかな?


ともあれ、なんだか懐かしい気持ちになって色々書いてしまいましたが、本当に細かい部分なんて無視して楽しむべき作品ですし、それで楽しめる作品です。
気負わずに、平安時代の恋愛の「雰囲気」を楽しんでみて下さい。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-05-26 04:50 | サウンドノベル
2008年 05月 26日

フリーサウンドノベルレビュー 『あの夏祭りで誰が死ぬ?』

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今日の副題 「家族って大切だよね」

ジャンル:ちょっぴりホラーとサスペンス風味のドラマ(?)
プレイ時間:30分程度
その他:選択肢なし、一本道。
システム:NScripter

制作年:?
容量(圧縮時):3.24MB


道玄斎です、こんばんは。
なんだか、色々と厭な事があって、現実逃避をする為にゲームに逃げていますw
少し、精神的に疲れてしまった、という感じでしょうか?まぁ、そういう時にはゲームをプレイするのが一番、というわけですね。

はっきりいって、このブログは他のレビューサイトさんとかに比べると、アクセス数は全然大した事はないんですが、意外とホラー作品の紹介なんかをすると、反応が良かったりするんですよね。メールを頂いたりする事も屡々。
私自身は、恐いのニガテなんですが、「ホラー作品」をプレイするのは大好きです。それでもなるべく真夜中にプレイするのは控えますがw

今回ご紹介する作品は、ホラーというよりも、人間ドラマみたいな所が結構ある感じですね。怖さみたいなものは殆どありませんし、ラストは良い締め方で好感が持てるものだったと思います。
というわけで今回は「河童ボーナス」さんの『あの夏祭りで誰が死ぬ?』です。
作者様のサイトが分からなかった為、ベクターへリンクを張っておきます。
良かった点

・正面切って家族愛を衒いなく描いており、好印象。

・後味の良いラスト。


気になった点

・一気に文章が表示されたりするので、少し読みにくい所が。

ストーリーは、今回は私が簡潔に纏めておきましょう。
真由美は、五年前の夏祭りの日に弟翔太を見失ってしまい、翔太は何者かによって殺害されてしまう。
真由美はその事を後悔し続けていたのだが……。

このくらいで止めておきましょう。
割と短い作品ですからね。

さてさて、家族愛を正面切って描く作品は久々です。
意外とありそうでなかった感じかもしれませんね。

ストーリー紹介では、書かなかったのですが、真由美と翔太の家は凄い貧乏らしく、500円が一人の三日分の食費になったりと、相当凄まじい生活をしています。そんな中で起きた、そんな中で弟を喜ばせようと真由美のとった行動が、結果として彼を死に追いやってしまうんです。

で、中盤くらいから、いきなり舞台は、謎の世界に突入しますw
死神が出てくる世界です。そこには何故か死んだはずの翔太も存在しています。
死神は「翔太が死ぬ世界」と「真由美の死ぬ世界」という二つのパラレルな世界を提示するのですが、この二つの世界は両立し得ないので「どちらか一つを選べ」と突きつけきます。
五年前のあの日、死んだ「誰か」の足に先に触れた方が、死ぬ、というルールで。

この辺り、なかなかドキドキしましたね。
緊張感みたいなものが良く表現されていたと思います。
だけれども、それだけで終わらず、高校生の真由美、高校生の翔太がそれぞれ出てきて「自分を生かす為」に相手を殺そうと醜い争いを繰り広げます。

ここで緊張感が台無しになってしまうんですが、私は、昔見たドラえもんを思い出してしまいましたw
ほら、ドラえもんでこんな話ありませんでした?
のび太の元に、中学生ののび太が出てきて「お前がこの時期にしっかり勉強しなかったから俺が今苦労してるんだ!」と怒る。なんだけども、次に高校生ののび太が出てきて中学生ののび太にやっぱり、同じ事を。そして大学生ののび太が……と、そんなお話です。オチとしては「今」ののび太は「結局、ボクは大学まで通えているって分かったから、いつもどおり怠けます」というw
全然切迫感が違うんですけれども、不覚にもドラえもんを思い出してしまいましたねw
これは、全くの余談なんですが、小学生くらいの私はそのドラえもんを見て「のび太も大學にいけるなら、俺も大丈夫だな……」とw

話を元に戻しましょう。
それで、結局、それぞれの年代の真由美が三人、翔太が三人そろう事になるわけですが、果たして、誰が生き残るのか?という辺りで解説はやめておきましょう。
ラストで明かされていく真実なんかは意外性があっても面白かったですね。
貧乏と家族愛みたいなものが一つの大きなテーマのなっているようです。

恒例の気になった点ですが、少し文字が読みにくいんですよ。
ばぁっと表示される、っていうのもそうなんですが、適度に段落を変えたり、スペースを空けたりしてもう少し読みやすいと良かったな、と。
気になったのはそのくらいでしょうか?


ちょっと暗めながらも、読後感はとても良い感動的な作品です。
さらっとプレイ出来ますので、是非どうぞ。
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by s-kuzumi | 2008-05-26 01:03 | サウンドノベル
2008年 05月 25日

フリーサウンドノベルレビュー 『グッバイトゥユー』

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今日の副題 「早くの完成が待たれる……」

※大吟醸(一応、未完なので、暫定大吟醸ですねw)
ジャンル:異能アドベンチャー(?)
プレイ時間:ver2、ver3を通して5~6時間くらい。
その他:選択肢有り。バッドエンドも。尚、まだ未完。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:(今プレイ出来るVer2)2006/02/06、(今プレイ出来るVer3) 2006/02/01
容量(圧縮時)15.3MB+14.3MB


道玄斎です、こんばんは。
今日は、今までプレイを自粛していた作品のご紹介。
というのは、現在まだ未完、なんですよ。今回レビューで扱ったVer2、Ver3も「テスト版」という位置づけです。
基本的に「完成品」しか扱わないつもりなのですが、過去にも未完のまま(って言い方でいいのかな?)レビューを書かせて頂いた作品もありますよね?例えば『天雨月都』とか。

そんなこんなで、まだ未完ながら、ちょっと変則的ではありますが今回は「沢山ソフトウェア」さんの『グッバイトゥユー』です。
良かった点

・キャラクターメイキングが秀逸。

・ストーリーそのものも、巧みな引っ張りと勢いがありとても面白い。


気になった点

・少し、既読スキップの動作が早すぎる。

ストーリーは、サイトのURLを張っておきましょう、こちらからどうぞ。

っと、これだけじゃ、本作の真価は分かりづらいのでw もう少しだけフォローを。
主人公夏川は、ひょんな事から異能力者の集団「美術館」に入る事になります。
夏川自身も先天的な異能を持っていたわけで、その先天性に加えて、「K-タイプ」となる為のと強化手術を受け更にパワーアップし、「美術館」の一員となり、そこでのミッションを行っていく、という感じです。うんと端折りまくってますが。

Ver2では、夏川が「美術館」という組織に入って、平穏な日常生活に別れを告げるまで。
そして、Ver3では、実際に「美術館」での第一回目のミッションを完遂する所までとなっています。

兎に角、本作で凄いのは、キャラクターメイキングでしょう。
Ver2、3を通して、かなりの数の登場人物が出てきますが、プレイヤーは誰が誰だか分からない、といった混乱を起こすことは一切ありません。頭の悪い、私でさえ混乱しなかったんですから、驚くべき事ですw
どのキャラもちゃんと「キャラが立っていて」魅力的。その魅力の付与の仕方も、ちょっと電波な特徴を持たす、といったものではなく、ナチュラルに表現されていて好印象です。
勿論、各人の異能が識別を容易にしている面はあるのですが、それにしてもみんな魅力的でいきいきと描けているのではないでしょうか。
私のお気に入りは、なんと言っても民谷ちゃんです。きまじめで可愛い女の子で、とても魅力的だと思いました。

キャラクターの作り方の範疇に入れていいのかな?
あんまりストーリーそのものに関わりの薄い、「不良」とか「ゴロツキ」とか「愚連隊」とか呼ばれる連中の立ち絵がちょっと笑えますw
これでもかってくらいにデフォルメして、良い意味でのいい加減な感じが良く出ていて、一人で爆笑してしまいましたw 特に受けたのはVer3で出てくる揉み手をしている出っ歯の男ですなw
ちなみに、最初の最初に、物凄く胸くそ悪い野郎が出てきますが、そいつには立ち絵も用意されていませんw 

けれども、最初で描かれるような事って実は結構あるんですよ……。政治家絡みとか流石にそういうのはないですけれども、ああいう事をやっているヤツは確実に存在していて、今日も今日とて悪事をやっています……。正直、読みながら物凄く厭な気持ちになりました。昔を思い出して、煙草を一箱も吸ってしまったくらい……。
そういう意味ではVer2はちょっとキツイ描写が多いかもしれませんね……。本作が名作である事は確かなんですが、どうしても極悪人が出てきてしまうとムカムカしてしまいますw
Ver2に関してはシメなんか、物凄く良かったんですけれども、敢えて述べるなら、ちょっと胸くそ悪い極悪人が多すぎる、という感じでしょうか?


では、ちょっと順番が逆な気がしますが、本作での異能、もしくはその異能集団の一つである「美術館」についての説明をしていきましょう。

先ず異能について、なんですが、大体は後天的に「K-タイプ」の手術を受ける事で異能が発現出来るようになります。主人公の夏川のように先天的な異能力者が「K-タイプ」の手術を受け異能集団に加わる、というのは実は割とレアなケースみたいです。
能力には、系統があって、精神作用に秀でたものや、肉体強化に秀でたものなどがあります。うんと分かりやすく説明すると、『ハンター×ハンター』の念能力みたいなもんだと思ってw

ちなみに、夏川の能力は実はまだ未知数です。「K-タイプ」の能力者としては平凡な能力なのですが、彼にだけ使用出来る異常なまでの反応速度という武器があります。
これは先天的に持っていた能力なのですが、主人公の持つこうした能力も今後の展開で明らかになっていくのでしょう。
うんと大雑把に纏めると、ちょっと伝奇作品っぽい感触がありますよね。だけども、敢えてジャンル分けをすると、SFとかサイキックアドベンチャーとかそっちに近い。

夏川が集中した時に発現出来る、反応速度の能力は本作の「ゲーム性」の部分と密接に繋がっています。
というのは、戦闘パートがあるんですよ。画面を四つのブロックに区切って、敵の攻撃を見極めて避ける、というような形で戦闘パートが進んでいきます。ここでミスをするとバッドエンドになってしまいます。
ともあれ、攻撃に特化した能力というよりは、「逃げ」に特化した能力を主人公が有している、というのは面白いですね。こういうキャラクターの味付け、物凄く好きです。

蛇足なんですけれども、いつか作ろうと思って諸般の事情からあれこれ頓挫している、自分のサウンドノベルで、本作と似たような能力を主役の女の子(の一人)に付ける事に決めていたので、本作をプレイした時に「ありゃ……遅かったか……」と。
ただ、私の方の主役は、本作の主役よりも遙かに弱いです。あんまり戦闘とかそういうのは想定していないノベルゲームなので。
能力が「逃げ」とか「避け」に特化している、という部分は共通しているものの、こちらの場合「集中する事で、視界にマス目が見えて座標で攻撃を認識出来る」というものだったり、「せいぜいその異能は3分くらいしか体力の関係で保たない」と、ウルトラマンのような制約が付いていたりしますw 
そういう事情も相俟って、「攻撃に特化していない主人公」は私は大好きですw


……以上、蛇足でした。
ともあれ、戦闘パートがあるので、作品にもメリハリがついています。
ただ、この戦闘、以外と難しいです。最初予備知識の無い状態でやって、即死しました……。
その後、大分慣れたと思っても、後半では相当苦戦が強いられます。こまめにセーブをとっておいた方が良いでしょうね。


次に組織の説明なんですが、異能力者の集団は「美術館」だけに限らず、各地に点在して、凡そトータルで500人くらいいるようです。
各組織は協調する事もあるし、平和の為の「決まり事」みたいなものもあるのですが、一方で危ない思想を持っているグループもいます。

結局、異能力者の集団は、「法で裁けない極悪人を殺す」という事になります。
と、字面だけ見ると、ちょっとアレな感じがするかもしれません。しかし、単純な勧善懲悪の『必殺仕置き人』みたいな感じともまた違うんですよ。社会を蝕む悪に対しての怒りと悲しみ、というのが彼らの行動の動機です。
ここらへんは、ニュアンスが難しいので、是非実際にプレイして確かめてみて下さい。
兎に角、「美術館」もそうした正義の集団の一つ、という感じでしょうか。


なんだか、非常に説明的な感じになってますが、本当に面白い作品だと素直に感じました。
六時間くらいがあっという間でしたから。単純なバトルアクションとは一味違う、良質の作品です。
なんと言っても、テンポがいいんですよ。
すいすいっと、読めていく心地よさに加えて、次を読みたくなるような、巧みなストーリー構成。そして魅力的なキャラクター達。本当に滅多に出会えない素晴らしい作品です。
謎やアクシデントが出てきて、解決して……の連続なんですが、そうした部分のストーリーの引っ張り方も上々ですよ。


さてさて、ここらで気になって点を。
ツール自体に使いにくい所は特にないのですが、セーブがブロックで行われる、という辺りは吉里吉里/KAGの特性でしたよね? プラグインを入れる事でどこでもセーブが可能になるのですが、一応本作ではブロック単位でのセーブになります。
まぁ、そこはそんなに気にならないのですが、問題は既読スキップが異常に早いw
ほら、先にも述べましたように、戦闘シーンがあるんですよ。
戦闘で負けたからちょっと前のブロックからロードして、既読スキップを使って戦闘の直前で止めようかと思ったわけです。そうしたら、既に戦闘が始まっていて、結局再度死亡……w

戦闘自体が実は割と難易度が高めなので、ちゃんとこちらも準備しておかないと死亡してしまいます。ですので、結構既読スキップが、難易度を上げているというか、本作をプレイするにあたって、ちょっとネックになっている部分かもしれません。

大体こんな所でしょうか?
他にも、ちょっとBGMがありきたりのものが多いとか、色々あるんですが、それは蛇足というものでしょう。一プレイヤーとして早く完成したものを楽しみたいですね。
少し開発が滞っているようなのですが、無事に完成版が出る事を祈りましょう。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-05-25 23:03 | サウンドノベル
2008年 05月 24日

フリーサウンドノベルレビュー 『西高買います』

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今日の副題 「あの日の思い出は胸にしまって……。」

ジャンル:ホラー&ミステリー(?)
プレイ時間:1ルート小一時間くらい。
その他:選択肢有り。選択肢によって物語のテイストが変化する。
システム:Yuuki!Novel

制作年:2008/5/6
容量(圧縮時):16.4MB


道玄斎です、こんばんは。
琴欧洲が優勝を決めましたねぇ。久々に佐渡ケ嶽部屋の力士の優勝です。
今日は、お酒を呑んで一人祝杯を挙げようかと思います。
琴稲妻の事……時々でいいから、思い出して下さい……w

昨晩、ちょっと気になるゲームを発見したので、空き時間を使ってプレイしてみました。
中々良いアイデアで、読後感も良い作品でしたよ?
というわけで、今回は「SUPER RANDOM」さんの『西高買います』です。
良かった点

・選択肢によって、ホラーかSFに分岐するという試みは面白い。

・ちょっと懐かしさを感じさせるような、作品の構成。


気になった点

・ツール(Yuuki!Novel)に起因する問題がいくつか……。

ストーリーは、ベクターの紹介文から引用しておきましょう。
高校時代の女友達から手紙が来る。母校が廃校になる前に一度会わないかと言う。俺は高校時代に彼女と体験した不思議な事件の記憶を辿る。土曜日の放課後……。
ノスタルジックなSFで終わるか、凄惨なホラーワールド陥るかはあなたの選択次第。

こんな感じのストーリーです。

少しフォローしておくと、時間がサンドイッチされているタイプです。
高校時代の思い出の時間が「今」に挟まれているわけです。
基本的に、プレイヤーは高校生時代の主人公となり、ゲームを進めていく事になります。

とても面白い良い作品でした。
少し懐かしいサウンドノベルの手触りがあって、それも好印象。
「大人向けの童話」の名に恥じない、通好みの滋味溢れる感じの作品でしたよ。
選択肢によって、物語のテイストが変化する、というのは面白いですよね。以前紹介した作品にも、確かそういうのがあったのですが、名前が出てきませんw 
選択肢を持つ作品は多いのですが、テイストそのものが変わってしまうというタイプは、意外と少ないんですよね。

本作では、ホラーとSFと大きく分けて二つのテイストが存在している事になります。
と、言ってもホラーは「うわっ、恐いっ!!」と思わず刀を取り出して傍らに置いてプレイしたくなるようなものではなくて、昨日紹介したような『Moonlight Blue』とか、そういうほのぼのとしたホラーですね。って、それはホラーと呼べるのか?w
いや、実は、後でお話するつもりなんですが、もしかしたら身の毛もよだつようなホラーがある可能性もあるんですよねぇ……。
で、一方で、SFの方は直球のSFでした。

どのルートに行っても、楽しめるのは嬉しいですね。
かたっぽだけ、やたら偏っているとか、そういうのはありません。
プレイ時間もそんなに長くないですし、さっくり遊べるのに妙に充実感のある良い作品でしたよ。


さてさて、本作で気になった点は、なんと言ってもツールに起因するものです。
先ず、それなりの数選択肢があるわけで、通常ならば既読スキップを使いながら、全てのルートを探っていくわけですが、何しろYuuki!Novelなので、既読スキップが……w
スキップ機能自体は付いているのですが、未読の部分も容赦なくスキップしてしまいますし、バックログ機能がないから「うわぁ……」なんていいながら、またロードしなおして、という一幕がありましたw

加えて、本作には複数のエンドがあるわけです。自分が到達したエンドが、ノーマルエンドなのか、はたまたベストエンドなのか、が分かるエンディングリストがついていないと(或いはエンディングでそれを示唆してくれないと)、ちょっときついですよねぇ。
あっ、ちなみにバッドエンドの時は「バッドエンドです」と表示されました。
ですので、実は自分がベストエンドを見たのかどうか、イマイチ自信がないんですよw
もしかしたら、驚愕のホラーがベストエンドなのかも……。私の見たゆるめのホラーはただのノーマルエンドだったりして……。
「これぞベスト」というエンドに到達した方がいらしたら、是非攻略の手順を教えて下さい。
このプレイのしにくさがなかったら、「吟醸」にしたいですね。

ラストの雰囲気はとても良かったですね。
思い出を思い出としてとっておく、みたいなエンドは少しノスタルジックな感じと微妙な切なさ、そして明るい前向きなエンドになっており、好印象でした。
ただ、バッドエンド以外のラストのシメがどれも同じだったので、その辺り工夫があっても良かったのかもしれませんね。
あっ、もしかしたら「ベストエンド」では、また違ったシメの文句が出てくるのかしら?

そういえば、タイトルが面白いですよね。「西高買います」なんてタイトルを見ただけで、思わずダウンロードしてしまいましたから。
ほんの少し不思議な思い出のお話です。

ちょっぴりプレイしにくさはあるけれども、良い作品だと思いました。
是非、プレイしてみて下さい。
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by s-kuzumi | 2008-05-24 21:01 | サウンドノベル
2008年 05月 23日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『Unimela -うにめら-』

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道玄斎です、こんばんは。
一日二本レビューは久々です。

けれども、今回は番外編なのです。
というわけで「まのちゃアニメーション」さんの『Unimela -うにめら-』です。

可愛い!
絵が可愛い!

何か凄くほわーっとした優しい雰囲気の作品。
実は、ストーリー性はゼロに近いです。「ゆるーい雰囲気」を楽しんで、癒される為のゲームという感じでしょうか?
ショートストーリー二本立てという体裁になっています。

三人の女の子の、どうでもいい、やっぱりゆるーい掛け合いと、背景に表示される可愛らしい絵が全て。だからこそ、妙にほのぼのとして、脱力系の楽しさが確保されているように思えます。何もない、だけれども何かがある、みたいな。

一応、システム的には吉里吉里/KAGで作られていたりするわけですが、意外と会話ウインドウっていうのかな?それがあまりに普通な感じで、少しだけ違和感を感じたのも事実。

ほら、たまーにあるじゃない?あのフキダシみたいに会話ウインドウが表示されていくやつ。三人いたら、三人の会話ウインドウが出てくる位置が決まってる、みたいな。

背景に表示されているイラストや、掛け合いなど、ゆるくて、ちょっとほんわかした雰囲気が魅力なので、会話ウインドウに関しても雰囲気を作り込んで欲しいですね。

可愛い雰囲気が全ての作品。
ちょっと落ち込んだ時とかにプレイすると、何故だか分からないけれども少し元気になれるような、そんな作品でした。
ちなみにプレイ時間は大体5分くらい。気軽にプレイしてみて下さい。
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by s-kuzumi | 2008-05-23 23:21 | サウンドノベル