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2008年 08月 31日

フリーサウンドノベルレビュー 『40日40夜の雨』

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今日の副題 「もの悲しい終わりと始まり」

※吟醸
ジャンル:終末ファンタジーノベル(?)
プレイ時間:1~1時間半程度
その他:選択肢なし、一本道。
システム:NScripter

制作年:2007/1/?
容量(圧縮時):14.1MB




道玄斎です、こんばんは。
最近、雨が良く降りますね。雷も鳴ったりして、何となく不安な気持ちを駆り立てられたりします。今日は、コメントにてご紹介して頂いた作品を調べていたら発見した作品を取り上げようかと思います。実は既にダウンロード済みで「未プレイ」なるフォルダに入っていたと知ったのは、プレイし終えてから。
というわけで「ZIGZAG」さんの『40日40夜の雨』です。

勘の良い方はタイトルだけで、うっすらと作品の内容が推測出来るんじゃないかな、と思います。
良かった点

・全体的な雰囲気が見事に統一されている。

・独特の余韻を残す良質のラスト。


気になった点

・スクリプト関係でエラーが出てしまう(私の環境だけかも……?)。

・多めのアイキャッチが、やや五月蠅いか?

ストーリーは今回は私が軽く纏めておきましょう。
降り続く雨の中、“ブリキ”と呼ばれる兵士は一人の少女と出会う。
戦争の続くこの世界で、二人の出会いは何をもたらすのか? 
幾夜も続く雨の中、この世界の行く末は?
上質の雰囲気と余韻を残す終末ファンタジックノベル。

大体、こんな感じです。


終末モノは久々です。
そういえば『終末によせて』でしたっけ? 良質の終末モノがフリーのノベルゲームでありましたね。あれは確か現代というか、近未来が舞台の作品だったように記憶しています。
本作の場合、多くの終末モノと決定的に異なっているのは、その舞台設定にあります。現代ではない、かといって近未来でもない。ファンタジックな世界が舞台となっているのです。

今、パッと思いつくよくある終末モノの設定は「各国間の戦争が激化し、人類は滅亡の一途を辿る」とか、或いは、「原因不明の病が蔓延し、人類の努力も空しく少しづつ、そして確実に世界は滅んでいく」とかですよね。

本作は、手榴弾があったり、ライフルといった武器が存在しているけれども、どこか懐かしさを覚えるような西洋風のファンタジックな街の雰囲気が同居していました。
この雰囲気作りが巧みでしたね。背景画像の選択、そしてその加工(してますよね?)、オルゴールの音色の音楽、淡く儚いイラストと全体が統一された雰囲気は見事の一言。
こういう雰囲気、好きなんですよねぇ……。

今、少し触れましたがイラストもとっても綺麗でした。
綺麗と言っても淡く儚いタイプの綺麗さ、ですね。塗りも少し水彩風と申しましょうか? 作品の雰囲気にマッチしており良かったと思います。ヒロイン(?)のキリエ自体のイラストも可愛らしさの中に儚さを持っており、好感が持てました。


勘の良い人ならば、本作のタイトルでもある「40日40夜の雨」がどこから取られているか、お分かりでしょう。そう、「創世記」です。

「七日の後、わたしは四十日四十夜地上に雨を降らせ、わたしが造ったすべての生き物を地の面からぬぐい去ることにした」(創世記7.4)

というわけでして、本作のタイトルもここから取られているようです。
あんまり、ネタバレっぽくならない方が止さそうな作品なので、自重しますが、大体これで本作がどういう感じの作品なのか、その一端が分かるのではないでしょうか?
まぁ、割とすぐに仕掛けが分かってしまう部分もあるのですが、そうしたものが分かっても尚、独特の雰囲気、そして良質の余韻を残す良い作品だったと思います。

文章も上手ですよね。
割と細かい描写など凝っているんですが、厭味が無くて読みやすい、良い文章でした。
画面の構成の仕方もやっぱりセンスを感じさせます。

中身に関する部分で、少しだけ分からなかったのは、「それじゃあ、キリエは誰を選んだんだ?」という事。
って、こんな事を書いてしまったらネタバレになっちゃうか……w


さて、気になった点ですが、実はエラーが出てしまったんですよ。
物語開始直後に、「取り敢えず、一度セーブしておこう」と思い、右クリックをしてみたら「suiteki.wavが開けません」とかいうエラーが出てしまいました。suiteki.wavを鳴らすように記述してあるにも関わらず、ファイルが無かったりするとこういうエラーが出るのでしょうか? 或いはもっと単純に、悪名高いWindowsVistaを使っている私の環境の問題なのかもしれません。そっちの可能性の方が高そうだ。

ですので、右クリックを使わないで一気にプレイしました。
何か途中でプログラムが落ちてしまったら困るので、バックログも使わず、一文一文じっくりと読んでいったら、結構時間が掛かってしまったという訳です。
大体30分程度のプレイ時間が想定されているわけですが、流石に30分って事はないんじゃないかな、と。40~50分くらいは掛かると思います。

もう一点は、かなりアイキャッチが多いんですよね。
アイキャッチっていうと、ちょっと違うかもしれないのですが、場面が変わる際にそれ専用の一枚絵が表示されて場面が変わっていきます。
かなり頻繁に、このアイキャッチが表示されているので、やや五月蠅く感じる部分がありました。ま、あんまり作品の本筋とは関係のない部分ではあるのですが、それでも少し、ね。
又、そのアイキャッチ画像に「強い雨が降り始めた」って文字が書いてあって、英訳も表示されています。これは、ほんっと私の主観というかイメージなんですが「Heavy rain has begun to fall」の方がいいんじゃないかなぁ、なんて思ったり思わなかったり。

私の英語力なんてちょっと怪しげなので、アレなんですが、一応書き留めておきますw


最後に、本作の良かった点をもう一点挙げておくと、ラストがいいんですよね。
終末モノのラストって、割と「余韻」を残したものになるような気がしないでもないのですが、そういう事情を考えたとしても、本作のラストはとっても良かったです。単純に私の好みでもあるんですが。
“感動的”というのとは違うし、かといって絶望的な終わりでもなくて、敢えて表現するならば、ほんの一さじの悲しさを持った優しさ、とでも言えばいいのか……。少し不思議な感覚を覚える印象的なラストでした。


30分では終わらないとはいへ、そんなに長い作品でもない事は確か。
完全なハッピーエンドでもないし、バッドエンドでもない或る意味で、プレイヤーの受け取り方次第のような、そんな作品でした。
もう九月になりますし、雨の日にでもプレイしてみて下さい。
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by s-kuzumi | 2008-08-31 20:48 | サウンドノベル | Comments(2)
2008年 08月 30日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『贋紙幣事件』

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道玄斎です、こんばんは。
今日は番外編。いつものように番外編では、短めの作品をご紹介致します。
さっくりと遊べて、且つ興味をそそられるものを探していたら出会った作品です。
というわけで、原作、甲賀三郎、ノベルゲーム化「言ノ葉迷宮」さんの『贋紙幣事件』です。
どうやら、「にせしへい」ではなく「にせさつ」と読むようですよ。


本作はちょっと変わり種でして、元々は小説だったものをゲーム化した作品です。更に元の小説は初出が『少年倶楽部』なる雑誌でして、昭和5年の号に載っているのでした。大体今から80年くらい前の少年誌に載った小説です。
広い意味で「ジュブナイルミステリー」というジャンルになるんでしょうけれども、何となく「ジュブナイル」って言葉は合わないような気がしますね。
まさに「少年小説」みたいな、そういう感じです。

この原作者である甲賀三郎という人は、少年向けミステリー専門の作家のようで、今ざらっと調べてみたらあの江戸川乱歩の最大のライバルであったそうです。

実際、本作をプレイしてみると分かるのですが、文体は「少年探偵団」にやっぱりよく似ています。あっ、文体っていうとちょっと誤解があるかな。「当時的な文章の書き方」という感じですね。

出てくる少年達の台詞もやっぱり現代から見ると、ちょっと時代掛かっているというか、妙に大人びた印象を受けます。「~呉れ給え」とか、ね。
80年も経つと、同じ日本語とはいへ凄い変化しているんだなぁ、と感じますね。「たとえ」って言葉は「仮令」という字を当てたりします。

余談ですが、「仮令」は私だと「おおよそ」ってくらいの意味の方が何となくしっくりきますね。
いや、この「仮令」にも色々な意味があるんですよ。興味のある人は辞書を引いてみたりしても楽しいですよ。

さて、肝心の中身の方ですが、少年向けという事もあってか殺人事件なんかは起こりません。主人公の友人で、優等生の森君が絶妙な推理で、偽札作りの陰謀を暴き、同時に友人も助けてしまうというそんなちょっぴり微笑ましいミステリー作品となっていました。
トリックに関わる部分でも、やっぱり時代背景というか現代じゃお目にかかれないようなものが沢山出てきて、当時の風俗を知る資料としても興味深いものとなっています。

ちなみに立ち絵は「影絵」となっています。
下手にイラストをおこすよりも、こうやって影絵にした方が雰囲気がでますよね。個人的に、とても良い処理の仕方だな、と感じます。


大体プレイ時間は15分~20分といった所でしょう。
現代の文章とは少し違うので、読みにくい部分もあるのですが、今プレイするととっても新鮮な感じがしますし、作品自体も短めなので是非楽しんでみて下さい。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-08-30 20:28 | サウンドノベル | Comments(0)
2008年 08月 30日

なんてことない日々之雑記vol.111

道玄斎です、こんばんは。

というかもう朝ですねぇ。
先ほどまで、雷雨が酷くて寝ていられませんでしたが皆様はいかがお過ごしでしょうか?



■薄荷

私は、薄荷が好きです。もうちょっと一般的な名称を使うとミント、という事になります。
たまにパフェとか食べると、てっぺんのクリームの上にちょこんとミントが載ってますよね? ああいうの大好き。あのクリームとミントを一緒に食べると、甘さの中にひとさじの爽やかさがあって、とってもお勧め。

どのくらい薄荷が好きかっていうと、実は薄荷を栽培しているくらい好きです。
折角入れてやった肥料がみんなバラに喰われている気がしないでもないので、そろそろ植える位置をずらしてやろうかな、と最近考えています。

良く考えたら、吸っている煙草だって「ケントウルトラメンソール」というもので、バリバリの薄荷味。何で「ケントウルトラメンソール」にしたのかっていうと、「最強のミントあらわる」みたいな宣伝文句が発売当初あったからなんですよね。

今日は珍しくキオスクで飴を買いました。
ホールズというシリーズの「ハイパーミント」というものですw 飴はナンテンのど飴が好きなんですが、ちと後味が悪いですよね。
あー、また脱線しちゃうんだけども「南天」ってのは音が「難転」に通じる事から、縁起物とされております。どうでもいい話ですね……。

話を戻すと「ホールズ」のレベルの高いスースー度のものは、「ある使い道」があったりします。それは「激辛料理を食べた後に舐めると、ヒリヒリが一発で取れる」んです。
激辛カレーとかありますよねぇ? 食べた後いつまでも舌が痛くて痛くて、もう泣きそうになってしまう。水を飲んでも瞬間的に収まりはすれど、嚥下した後は余計に辛さが増したりして。そんな時はホールズですよ。一発で辛さが収まります。
「激辛カレー、30分で完食すればタダ!」なんてたまにありますが、きっとホールズを舐めながら望めばクリアーが見えてくるのではないでしょうか?w 尤も味は酷い事になりそうですが。



■なんてこったVista

先日、PHPをインストールしたんですよ。apacheと一緒に。
Windows2000を使っていた時には普通にさっくりとインストール出来たのですが、何故かVistaで入れようとしたらPHPでトラブルが起きました。apacheは普通にインストール出来ました。

で、何が起きたのかっていいますと、インストール中にエラーメッセージが出てきたんですよね。訳すと「インストーラーは予期せぬ~に遭遇しました」的なヤツです。予期しとけよ! って言いたくなるんですが、エラーが出ちゃったんだからしょうがない。
さっくりとアンインストールしようと思ったら、やっぱり同じエラーがアンインストール中に出てきてしまって二進も三進もいかなくなっちゃいました。
多分、Vistaのユーザーアカウント制御に関するところで引っかかったのかも。事前にオフにしておけばこんな事に成らなかった可能性も……。

あれこれ悩んだ末、先ほどPHPフォルダそのものを削除するという暴挙にでました。
恐らく、中身とphp.iniさえマシンから除去してやったら問題なかろう、という訳です。とどめにレジストリを綺麗にしておけば完璧(?)。

これで綺麗さっぱり無くなったわい、と思ってコントロールパネルから「プログラムと機能」なるインストール/アンインストールの管理画面に入ってみたら、まだ名前が残ってる……。んー、完全に削除出来たわけじゃなかったのか……?

何か、こう残ってるんだか残ってないんだかって状況は気持ち悪いですね。
そもそも私はマシンをクリーンな状態にしておきたいタイプなので(そうでないと、Windowsはやったらめったら重くなったり不安定になったりする)、こういう状況に遭遇するとイライラします。
週末にこっそりと調べて、何とか綺麗な状態に戻したいところなんですが……。



■最近好きなソフト

先の話題とちょっと被るんですが、最近、すっごい頻度で使っているソフトがあります。
「Glary Utilities」というものです。名前の示すようにユーティリティ用のソフトですね。ちゃんと日本語でメニューの表示が出来るので便利。

特にこいつの「レジストリクリーナー」で余計なレジストリをバッサリ削除するのは、とっても快感。不要なショートカットを削除したり、重複ファイルを探し出して削除してくれる機能、はたまた削除してしまったデータの復元まで出来ちゃうマルチなユーティリティソフトです。

取り敢えず、一本こいつをインストールしておけば何かと便利なんじゃないでしょうかね。
あー、そうそうレジストリを安全に弄くってくれるとはいえ、やっぱり自己責任で使いましょう。レジストリはおっかねぇ……。



さて、ボチボチ夜も更けてくる時間です。
これから少し眠ってきます。

それでは、おやすみなさい。
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by s-kuzumi | 2008-08-30 04:55 | 日々之雑記 | Comments(4)
2008年 08月 29日

フリーサウンドノベルレビュー 『天使の呪い歌』

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今日の副題 「どこか不思議な場末感」

※吟醸
ジャンル:
プレイ時間:30~40分くらい
その他:選択肢なし、一本道。ついでにBGMもなし。15歳以上推奨。
システム:NScripter

制作年:2008/8/18
容量(圧縮時):6.90 MB




道玄斎です、こんばんは。
今日はお勧めして頂いた作品の中で、気になるタイトルを見つけてプレイしてみました。
タイトルはちょっとアレですけれども(最初はホラーかと思ってたw)、ヒューマニズム溢れる感じで、独特の存在感を放つレアな作品だったと思います。
というわけで、今回は「回転寿司の萩本」さんの『天使の呪い歌』です。
良かった点

・不思議な場末感漂う作品の雰囲気(良い意味で)

・結構エピソードを見ていくとダーティなのに、テンポ良く読めてあまり暗さや重さを感じない。


気になった点

・もしかしたらBGMが一曲くらいあっても良かったかも。

ストーリーはサイトの方から引用しておきましょう。
平凡でこれといった夢も無い若者の昭吾は、
春に高校を卒業したばかりの新大学生。
一人暮らしを始めたばかりで、不要な物を片付けて
大量にゴミ捨て場に出していた所、突然捨てたゴミの上に
女が落下して来た。

こんな感じになっています。


私、このストーリーの概略を見た時についつい『ちょびっツ』を思い出してしまいましたw
知ってる人、あんまりいないよね……。
まぁ、兎に角とっても珍しいタイプの作品で、個人的に物凄く楽しませて貰いました。
どうしようか迷った挙げ句の吟醸にしてみました。

イラストも背景も終わりから最後までモノクロ。
そしてBGM無し、という或る意味凄い冒険作なわけですが、不思議と作品の雰囲気にあっていましたね。
本作の中で出てくるエピソードは不思議と場末感漂う感じで、ダーティではあるけれども、嫌悪感を催すようなものとは違います。寧ろ、どうしようもないやるせなさのような、もはや「切なさ」と言い換えてもいいくらいのものなのです。

昭吾という或る意味で冷めた若者が、ちょっとぶっ飛んでる智子(さとこ)さんと謎の同棲生活をなし崩し的に開始してしまうわけで、この二人の関係、そして昭吾、智子それぞれの過去がそれに交差してストーリーが展開していきます。
テンポの良いストーリーの進行で、BGMが無くてもそんなに気にならないのが不思議ですよね。あっ、そうは言っても「効果音」なんかは入っています。

正直な所、作中に出てくる昭吾、或いは智子の過去は結構ダークで、暗いものがあります。しかし、今書きましたようにテンポのよさ、或いは独特の場末感が漂うようなものなので、プレイしていても、不愉快に思うとか、「もう、駄目だ、俺……」とか暗い気分にならずに済みますw

エピソード自体も、グイグイと読者を引き込んでいくようなものでして、それに付随して起きる事件(?)もやっぱりとっても面白い。強烈な派手さとか、演出こそないものの、これはこれで完成度は高いですし、ツウ好みの作品になっていたんじゃないかな、と。

そう言えば、イラストもあまりこういうノベルゲームではお目にかかれないタイプの絵柄でしたね。割とリアル指向で、結構上手いというか味のある絵で、私は好みでした。
あと、立ち絵、「まばたき」するんですよ。こういうのも珍しいですね。


気になった点としては、正直、これで“完成”しちゃってる作品ですから、中々挙げづらい所はあるのですが、強いて言えば、最初っから最後までBGMが無いので若干寂しかったかな、と。
或いは、ラストのあそこで一曲、入れると又ちょっと印象が変わったかもしれません。



短めの作品であるという事、そしてあまりネタバレ的な事を書かない方が楽しめる為、今日は短めに。ちょっと新しいタイプの作品で、お勧め出来ます。
少しでも気になった方は是非プレイを。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-08-29 19:02 | サウンドノベル | Comments(0)
2008年 08月 28日

フリーサウンドノベルレビュー 『氷城の鏡』

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今日の副題 「暖かい雪国の御伽噺」

ジャンル:御伽噺風ファンタジックノベル(?)
プレイ時間:1時間くらい
その他:選択肢なし、一本道。
システム:NScripter

制作年:2008/8/20
容量(圧縮時):6.70MB



道玄斎です、こんばんは。
今日は寝付けずにこんな時間になってしまったので、お酒を久々に呑んでいます。
一升瓶で日本酒を頂いてしまったので、それをお燗で。

さて、今日はまだ八月のこの時期に、季節的に若干合わないかもしれないのだけれども、冬を扱った作品のご紹介。「空と雪」さんの『氷城の鏡』です。
前作までの独自の雰囲気を保持しつつも、テンポが良くなりさくさくと読み進めるようになったのではないかと思います。
良かった点

・テンポが良くなり、読みやすさが増した。

・どことなく不思議で、ノスタルジックな世界観は健在。


気になった点

・もうちょい捻りがあっても良かったかも。

ストーリーは、サイトの方から引用しておきましょう。
どこか遠い国の雪の深い森の中での物語です。
ある日森に氷でできた巨大なお城が姿を現しました。

近くの村の人々はそのお城に探索に入って、その城の主である
氷の王女様に次々と凍り付けにされてしまいます。
そんな不穏な日々が続き、主人公のリュシーもまたお城に入りますが・・・

こんな感じです。


この間、作品をご紹介したと思ったら、もう新作がでており吃驚しました。
で、早速プレイというわけです。

いつものように、一般的な「ノベルゲーム」の文体とはちょっと違う、どこか詩的で地の文というか、登場人物の心中思惟が多いわけですが、それにも関わらず、本作はテンポが格段に良くなっていたように思いました。
作品のパーツパーツが明確に見えてくるという感じでしょうか。

ストーリーを見て頂ければ分かるように、童話とか御伽噺を洗練させたようなタイプの作品ですね。作品の舞台は、ロシアの方とか、或いは北欧の方の田舎の町とか、そういう雰囲気でしたね。
実は数年前から、私の中でこっそり北欧ブームがきておりまして、上手く言えないのですが、冷たさの中にある暖かさみたいな、北欧のインテリアとかデザインとか、凄く興味があります。たまには意図的に「日本離れ」をしないと、自分の中でバランスが保てなかったりするので、時々、こうやって全く文化圏の違う国に興味を持つのでした。

それは兎も角、持ち味を活かした作品だったと思いますね。
主人公のリュシーのイラストも可愛かったです。着ているものもちょっとセーラー服っぽくて、「完全にバタ臭い」なんて状況が回避されていて、好感が持てます。
いくら舞台が寒い国だからって、完全に実在の現地の人の格好とかにしちゃうと、それはそれでノベルゲームにした時に違和感を感じてしまうのですが、いかがでしょうか?

今回、改めて気がついたのですが音楽のチョイスのセンスがいいですよね。
割と頻繁に音楽が変わったりするのですが、五月蠅い感じは全然しませんし、作品の合う音楽を選んで選んで使用されているんだな、と分かります。

今日は脱線しまくってますが、最近、エレクトロニカって音楽のジャンルが凄く気になるんですよね。特に「非ダンス系」と呼ばれるタイプです。ダンス系に関して言えば私も結構好きなUnderworldとかもその括りに入るのかしら?
で、非ダンス系はやっぱり、北欧のような寒い雪国の中にある戦い雰囲気が電子音の中に不思議と存在していて、独特の存在感があってとってもいいですね。本作のようなタイプの作品に入っていてもマッチしそうだし、意外と普通の「青春ノベルゲーム」みたいなものに、入れてもグーな効果が出そうなんじゃないかな、と。

今回、ちょっと印象的だったのは、台詞回しですかね。
「行きはよいよい……」とか出てくるのです。こういう純和風(?)の言葉をさらりと入れるセンス、とっても好きです。
下手をすると、こういうセリフって作品の世界観を壊しかねないんですが、印象を残しつつも世界観から浮きでていないわけで、面白い試みだったと思います。


さて、気になった点ですが、先程も述べましたように、童話とか御伽噺に近い感触があるわけで、もうちょい捻りがあっても良かったかな、と感じました。
大体、グリム童話にしてもそうですけれど「ハッピーエンド」か「バッドエンド」の二択なんですよね。で、作品を読んでいくと「この流れだと、~でシメになるか、~でシメになるかの二択だな」と或る意味、ラストが見えてしまう部分があるように思えます。
もしかしたら、今回のテンポの良さとも関係があるのかもしれませんね。
前作までの、或る意味つかみ所の無い(あっ、勿論良い意味で、です)、どう転ぶか分からない感じが、私は好きだったので余計にそう思うのかも。

そうそう、また脱線していいですか……?
本作の中で重要アイテムは「杖」です。杖を持った人が氷の城の主になれる、というアイデアは、実は、結構重要な問題を孕んでいます。
というのは、古代王権と杖というアイテムは実は結構繋がりがあるんですよ。詳しくは柳田国男の本を読むなり、或いは「御杖代」なんて言葉で検索を掛けてみるといいかもしれません。
実際に、そこらへんを意識なさった設定なのかは分からないのですが、個人的に「おっ」と思いましたね。


さて、今日はまた脱線しまくってしまいました……。
ちょっと季節的には合わないのですが、割と短めの作品ですし、それこそ童話的な良さを持った作品だと思うので、是非プレイしてみて下さい。


それでは、アルコールが回ってきたのでこのへんで。
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by s-kuzumi | 2008-08-28 03:44 | サウンドノベル | Comments(4)
2008年 08月 26日

なんてことない日々之雑記vol.110

道玄斎です、こんばんは。

昨日、今日でツールの解説書をちらほら読んでいます。
何のツールかってーと、言わずもがなですが「NScripter」と「吉里吉里/KAG」です。一応、二冊とも持ってるんですよ。NScripterは改訂版のオフィシャルガイド。

まぁ、なんていうかツールくらい使えないとよくねぇよなぁ、と思ってあれこれあれこれ。
取り敢えず、二大エンジンのNscripter、吉里吉里/KAGをおさえておけば、ね。
当たり前っちゃ当たり前なんだけども、NScripterの方が習得が容易ですね。それは参考書の中身からもすぐに分かります。二冊とも厚さは同じくらいなんですが、NScripterは100ページそこそこ読めば、一通り色々出来るんです。
一方で吉里吉里/KAGの方は、140ページくらいまで読んで概要が分かるって感じで、ゲームとして成立させる為にはラストまで読まないと……。

そりゃぁ、完成度の高いもの、自分のイメージ通りのものを作ろうと思ったら、NScripterであれ吉里吉里/KAGであれ物凄く大変な事だと思います。結局、最終的にはボタンとか素材まで自分で作ったり、或いは発注したりしなきゃいけないしね。
やっぱり、そう考えていくと、絵が描けるとか、デザインが出来るとかって物凄いアドバンテージだな、と思いましたね。

自分で何か作るとしたら、やっぱり吉里吉里/KAGかなぁ? とは思うのですが、一度NScripterを弄ってみる、という経験も必要でしょう。吉里吉里/KAGよりも比較的気軽に制作可能ですしね。そんな訳で、こっそりそういう練習もしていこうかな、と思っています。


段々とね、効果音を作ったり、ジングル? みたいなヘンテコなショート音楽を作ったりと、中間目標である「ゲーム制作」に向かっている感じはしますねw
そう、ゲーム制作は最終目標じゃないのですよ。最終目標は当初から言っているように「ノベルゲームを一般に広く啓蒙する」という所にあるわけでしてw 道のりは遠いのですが、一歩一歩着実に。



そうそう、ざっと参考書を読んだ感想なんだけれども、NScritperの場合「アドバンス」も持っていた方がいいかな、と思いました。デフォルトのままで動かすというのが、段々と少なくなってきているような気もしますし、自分の作りたいものに近づける為にも、「アドバンス」が必要になるような気がします。
これは余談だけれども、こういう解説本ってノベルゲームそのままに可愛い女の子の「立ち絵」が表示されていて「私たちの掛け合いで楽しく解説♪」みたいに書いてあるんだけども、実際、掛け合いになってねぇw かといって俗にK&Rと呼ばれる『プログラミング言語C』みたいに硬派すぎる解説でもアレだけども。

ここ数日で、また何本かプレイすべき作品を発掘してきましたので、近々プレイしちゃおうと思います。
それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-08-26 21:55 | 日々之雑記 | Comments(3)
2008年 08月 25日

ノベルゲーム愛好家のDTM勉強会 第四回勉強会

道玄斎です、こんにちは。
今日は早い段階で、暇になってしまったので、こんな時間にこんにちは。

さて、昨晩書いた「効果音」作りの記事が思いの外好評で、やってよかったなぁ、と思っております。メールで問い合わせて下さった方もいらっしゃいましたので、前回分をフォローしつつ、更にプラスアルファな内容をお届けしてみようかと。
正直、結構いつも通りのグダグダ感全開で書いてしまったので、もうちょっとマニュアルっぽい感じに書き直してみようかな、というのも連続して「DTM」関連の記事を上げる動機の一つです。

ノベルゲーム/サウンドノベルの作り方を紹介したページ(ツールの使い方なども含む)は多々あれど、「効果音を作ってみよう」的なページは少なそうなので、自分で言うのもアレなんですが、「スキマ」を狙えたのかな? と思ってます。まぁ、少しでもお役に立てれば嬉しいですよね。

本当なら、「補講」とかそういうタイトルにしようかと思ったのですが、色々考えてやっぱり「第三回」「第四回」と分けて書いた方が良さそうだったので、そのように。

で、昨日同様、私も初めての経験ですから、これを書きながら試行錯誤しつつやってみます。
ネットで調べたり、はたまた手持ちの参考書を開いたり、当然シーケンサーを立ち上げて実際に作業をしたり……。
ちょっとマニュアル的な側面が強くなっちゃいますが、どうぞ、お付き合い下さいませ。



■効果音の考え方

あれから、私も著名な二つの効果音素材を扱ったサイトに行きまして(もう、どこか分かりますよね?w)、ちょっと勉強してきました。前回はソフトシンセで効果音を作ったわけですが、例えば、

自分で録音したものを加工する

なんて効果音の作り方もあるわけです。
その為の道具を持っていらっしゃるならば、実際に自分で録音すればリアルな効果音を作り出せそうです。加工の仕方は、恐らく「ノイズの除去」「不必要部分のカット」「エフェクトを掛ける」なんて事をやるんじゃないかな、と。サンプラーを使って、音程を上げたり下げたりなんて事もやってそうです。
さすがに、そこまでやっちゃうとやり過ぎなので、私は取り敢えず現段階では、普通にソフトシンセで作っていくつもりです。

そういえば、サンプリングレートの問題もありました。
私はいつものように何の気無しに44.1で制作していたのですが、22で配布している所もありましたね。寧ろ多少音質が悪い方が「リアルに聞こえる」場合なんてのもあると思うのですが、「効果音の一般的なサンプリングレート」ってのはあるんでしょうか? これはちと分かりませんでした。

ま、ともあれ前回のおさらいから始めましょうか?



■前回のおさらい

前回は試行錯誤しつつ、「効果音」を作ってみました。
もう一度、作り方をおさらいしておきましょう。


1、シーケンサーを立ち上げる。

2、効果音がプリセットされているシンセサイザーを選択し、音色を変える。

3、シンセのパラメータを弄ったりイメージする音に近づけて、譜面を書く。

4、オーディオ化してエフェクトなどを掛け完成。


大体、こういう手順になります。
正直な所を言えば、「シンセのパラメータを弄る」或いは「エフェクトを掛ける」といった作業はしなくてもそれほど問題ないと思います。というのは、プリセットで入っている音だけでも十分「らしい音」が鳴るからです。
ただ、前回は「それだとあまりにも手抜きだよなぁ」と感じた為、自分のイメージに近づけてパラメータを弄ったり、エフェクトを掛けてみたのです。とはいえ、こだわりの効果音を作りたい場合は、やっぱり多少あれこれやった方がグーな音になります。
そうそう、パラメータやエフェクトを掛ける前に、先ずは「ヴェロシティ」の値、或いは音量を調節してみると良いかもしれません。ダイレクトに「音の聞こえ方」に影響する所ですから。

で、例えば、前回上げた「幽霊/妖怪の笑い声」の音ですが、あれはかなりリバーブを掛けていたりしますし、ヴェロシティも大きめにしています。「電車の音」も同様です。特に電車の音はリバーブを強めに掛けてやる事で「らしさ」が増すようです。
こういった「音とエフェクトの相性」もあるので、出来たら色々試してみると良いのですが、めんどくさい場合は端折ってもさほど問題はないでしょう。

ちなみに再度使ったソフトを記しておくと、SONAR6 LEというシーケンサーを使用し、TTS-1というソフトシンセサイザーを使用しました。TTS-1では、音色がカテゴライズされており「SFX」というカテゴリーに入っている音を選び、それに味付けをしてやった、という事になります。

前回のフォローとしてもう一点。
通常、シーケンサーで音楽を作る際、「二小節目」から記述するというオマジナイがあります。DominoなんてフリーのMIDIシーケンサーで一小節目に音符を置いても鳴ってくれないんですよね。そんなわけで通常二小節目から音符を置いていくわけですが、前回上げた効果音もそのせいで「一小節分の無音」が入ってしまっています。

ですので、オーディオ化した際にソフト上で無音部分をカットしてやった方が良い場合もあると思います。特に「笑い声」みたいな効果音は「意図した場所でばっちり鳴らしたい」ものですから、無音部分は不要でしょう。或いは、.wavで書き出してオーディオ編集ソフトでカットしても良いかもしれません。



■ループ素材を作ってみよう。

今日のメインはこれです。ループ型の効果音ですね。
一応、説明しておくとノベルゲームで使う効果音には大きく分けて二種類あります。「単発型」と「ループ型」です。通常「ワンショット」と「ループ」という言い方をしたりします。

ワンショットは、その名の通り単発で使う効果音。
例えば刀で斬りつけた時の「斬撃音」だったり、或いは殴る時の「バシッ」って音だったり、前回ご紹介した「笑い声」「扉の開く音」なんかもワンショットです。

一方でループとは、「鳴りっぱなし」にさせる効果音の事です。
場面が小川であったら、水のせせらぎだったり、雨が降っていたら雨音だったり、そんな状況でループして鳴らし続ける効果音です。

こんな声が聞こえてきそうです。曰く「それだったら長い尺の素材を鳴らせばいいじゃん」と。
しかし、尺を長くしてしまうと、ファイルサイズそのものが大きくなってしまいますし、例えば「10クリックで次の場面に行く」くらいの状況であっても、プレイヤーがゲームを立ち上げたりしたままご飯を食べに行ったり、或いは電話に出てたりして戻ってきたら「曲が終わって無音になっていた」なんて状況は避けたいわけです。
「どれだけ鳴らすか?」というのは、スクリプトで記述すれば良いのです。だからループ素材もワンショットと同じくらいのものでOKです。

というわけで、前回と同じくらいの尺で、しかもループとして延々と流し続けられる効果音を今回は作ってみましょう。



■雨音を作ってみる。

ループ効果音として最もポピュラーなものが、この雨音でしょう。
雨が降っているシーン、そんな場面で静かに鳴り続けている雨音、そうねぇ、例えば……

俺は土砂降りの雨の中、走り去る彼女の背中を、ただ見つめることしかできなかった……。


なんて地の文がゲームにあったとしましょう。何か、良くありそうでしょ?w 
BGMとは別に、この場面で延々と鳴り続けるのは「雨音」です。で、画面が暗転してBGMはいつの間にかフェードアウトしていて、雨の音だけが聞こえるも、それもフェードアウトして、次の場面に。そんなシーンですね。

又長々どうでもいい事を書いてしまいましたが、こういう場面で使うべきループ雨音、そいつを作ってみましょう。
いつも通り、シーケンサーを立ち上げ、TTS-1を起動し「SFX」の括りの中から「Rain」というそのものずばりの名前の音色を取ってきます。手順自体は、ワンショットの時と変わりません。

で、こんなファイルが出来ました。
シンセのパラメータを弄ったり、リバーブやコンプレッサーを掛けたりしてみたのですが。あんまりいい音じゃないですね……。
こういうのは、恐らく他のトラックに所々、水の「ぴちゃぴちゃ」っとした音を入れてやったりして作ると、もっと「らしく」なるハズです。
けれども、説明には困らないのでこのまま突っ走りますw
ともあれ、ここで注目して欲しいのは、ループ加工を施していない状況だと「無音部分がある」「フェードイン/フェードアウト気味に始まり/終わる」という部分です。



■ループに加工だ。

というわけで、ここまでは全くワンショットと同じです。
次にやるべきは「ループとして使えるように加工」してやる、という作業。

ループですから素材自体に「無音状態」や「フェードイン/フェードアウト」なんてものは要りません。掛けたい場合は、使用するノベルエンジンにスクリプトで命令を掛けてやりましょう。

で、オーディオ編集ソフトを使い、ループになるように加工します。
所謂「波形編集ソフト」ですね。今回は「SoundEngine Free」というものを使用します。

…………と、今、上の「~使用します」と書いてから相当な時間が経過して、これを書いています。自分で実験しつつやってますから、どうしてもタイムラグがでちゃいますね。実際、あれこれやってみて「吉里吉里/KAG」でちゃんとループ素材として使用出来る、という所まで確認しました。ふぅ……疲れた……。

さて、話を戻しましょう。何故、SoundEngine Freeなるソフトで加工が必要なのか? そう、ループさせる為です。ではループさせる為にどういう加工が必要になるのか? まずそれを箇条書きにしてみましょう。


・無音部分をカットする(ループには必要ありません。音の真ん中に必要なものとして入っている場合なんかは除く)。

・音の出始めやファイルの末尾(つまり波形が著しく異なる部分)をカットする。

・連続で再生しても違和感の無いように波形をカットする(波形の終わりと始まりがスムーズに連結するように)。


大体、こんな所でしょう。
編集前と、編集後の波形の画像を載せてみます。
b0110969_16505156.jpg

b0110969_16512181.jpg

前者が編集前、後者が編集後です。
分かりますでしょうか? 頭の無音部分と出だし、終わりの波形がすぼまっている所をばっさりカットしています。
二枚目の画像の方は、作業をしやすくする為、波形部分を拡大して表示しています。

こうして編集したファイルですが、無音状態が無い事、音量の変化も無くひたすら音がなっている事に注目してみて下さい。
こちらからどうぞ。

で、完成したファイル(.wavのままやりました)を、吉里吉里/KAGを立ち上げて、実際にループするようにシナリオに記述して、実際のノベルゲームとして鳴らしてみたわけですが、普通に違和感なくループしていました。
元々、雨の音はノイズっぽいので、無音部分と音の鳴り始め、鳴り終わりの波形がすぼまっている部分だけカットしてやれば、問題なくループする素材が出来るかと。

これが、もうちょっと複雑な効果音になると、終わりと出だしがちゃんと繋がるよう意識して波形をカットしてやる必要があるハズです。そこらへんは、実際に確かめつつやってみて下さい。


さて、如何でしたでしょうか? これでノベルゲームに使う効果音が一渡り作れるようになりましたね。
波形編集ソフトの使い方なんかは、ここでは解説しませんので、ご自身で調べて、或いは使いながら覚えてみて下さい。
実際、私も特にマニュアルとか読まずに直感的に作業してみたのですが、何とかなってますw



■まとめ

最後にループになるように編集してやる以外は、基本的に前回のワンショット効果音制作と変わりません。めんどくさいのは波形編集のソフトを別途立ち上げたりしなきゃいけない辺りかな? 意外とやってみると出来ちゃうものではあるんですけれども。

ここで、実際のノベルゲームに使用する際の手順も書いておきましょう。

NScripter、吉里吉里/KAGという二大エンジンならば、問題なく「ループ再生」をスクリプトで制御する事が出来ます。実際、先ほど私も吉里吉里/KAGでやってみました。
ポイントは、ループ素材のフェードイン、フェードアウトです。これもやっぱり、「音素材」そのものにフェードイン/フェードアウトを付与させるのではなく、スクリプトで制御するようにします。
吉里吉里/KAGでは“[fadebgm volume=100 time=800]”とか記述するみたいです。BGMとしてループ効果音を流したい場合でしょうかね。
上に書いたスクリプトの是非は兎も角、素材はそのまま、スクリプトで制御、これが効果音運用のコツらしいです。
無責任で申し訳ないのだけれども、あれこれ試しつつグーな運用方法を探ってみて下さい。

そうそう、勿論、ループとワンショットを重ねて使う事も可能ですよ。雨の中の決闘のシーンとかで、雨のループが流れている上に、刀の斬撃音とかを重ねたりね。

この二日間で、自分自身、物凄く勉強させて貰いました。
手探りでシーケンサーと格闘してあれこれやっていたわけですが、クオリティは兎も角「誰にでも効果音は作れるんだなぁ」と妙に感心してしまいました。

折角、オリジナルのゲームを作るんだったら、効果音とかも自作だとちょっぴりカッコいいですよね。こういうノウハウは界隈のみんなで共有した方が良いに決まってますから、ちょっと人柱になって、あれこれやってみました。
DTMなのか? って言われるとちょっぴり怪しいものの、こういう切り口でやっていくのが「ノベルゲーム愛好家のDTM勉強会」ですw
少しでも皆様のお役に立てる事を願って。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-08-25 16:53 | 日々之雑記 | Comments(0)
2008年 08月 24日

ノベルゲーム愛好家のDTM勉強会 第三回勉強会

道玄斎です、こんばんは。

今週は何と金曜日まで雨が続くようで、少し気が滅入ります。
昨日とか今日なんて気温が25℃とか26℃ですから、少なくとも八月の天気じゃないですよねぇ。
また、月曜から色々と忙しいわけですが、マイペースで頑張りましょう。

というわけで、今日は久々の「DTM」関連のお話。



■短いブツを作ってみよう。

昨晩、友人達と下らない話で盛り上がっていて、どんな下らない話かってーと、語るのも下らないくらいでアレなんですが「キモメンクエスト」なるRPGを作ろう、という本当に訳の分からない話です。
勿論、NScripterとか、吉里吉里/kagとか、はたまたツクールを使って作るなんて本格的なものじゃなくて、言わば「自作自演のゲームブック」みたいな感じで、某SNSの日記の代わりにそれを綴っていくというプロジェクト(?)。

私もお酒が入っていて、なんだか良く分からないテンションのまま、友人達と話していてついつい「何か面白そうだな」と思ってしまいました。今しらふで考えてみると、「なんて自虐的で下らない企画なんだ……」と昨晩の自分を思いっきり責めたいわけですが。

まぁ、どういう事をやるのかってーと、テキスト型RPGです。
って言っても、Nethackみたいな、超絶に面白くてハイテクノロジー(?)なものでもなくて、ただ単に、

///////////////////////////

コマンド:→話しかける
       逃げる
       道具
       殴る

道玄斎「やぁ、こんにちは!」

女の子「キモイ!」

~~道玄斎は全滅した~~

……カミサマの声が聞こえる……
“おお、道玄斎よ。ふられてしまうとはなさけない” 

///////////////////////////

とか、ほんっとくだらねぇ事をつらつら日記に書いていくというw

で、基本は「全滅」です。
ロードランナーとワイリーコヨーテ宜しく、毎回毎回、女の子から袖にされて「全滅」する、という箸が転がってもオカシイ年頃の中学生みたいな、そんな企画w

で、何故か話が盛り上がって「全滅のテーマ曲を作ろうぜ!」という事に。
ああ、やっと「DTM」に話しが持って行けました。
で、かなりアルコールに侵蝕された頭でシーケンサーを立ち上げて、「全滅のテーマ」を書いてみる事に。昨日は珍しく麦焼酎なんてものを呑んでまして、しかもアルコール度が40度もあるヤツです。半分、フラフラで半分眠りながら、やってみました。

全滅のテーマ

まぁ、こんな感じですね。全部で六小節とかそんなもんです。制作時間は15分。ほんっとへたくそでゴメンナサイ。表に出すのが恥ずかしいのだけども、だからと言って自分では何も出さないってのもアレだしね……。

何が言いたいのかというと、こういう「全滅のテーマ」とかって「お決まりの音」があるんですよね。例えば、パイプオルガンとか。
作りたい曲が明確に決まっていて、且つ「使用する(すべき?)楽器」が決まっていると、意外とすんなり一曲出来てしまう気がします。勿論、そこに上手い/下手という判断基準は当然入ってくるんですが。

今回みたいに「全滅のテーマ」とか或いは「ジングル」的なものは、曲(と言えるのかどうか定かではないけれども)そのものの尺が極めて短いので、意外とすんなりと作ることが出来るんじゃないでしょうか? で、使う音が決まっていると更に作りやすいという。

キーボードがある場合、「使いたい音」で適当に弾いていると、それっぽい音が出来る。
んでもって、場合に応じて「二番手の音」(例えば「全滅のテーマ」だったらストリングス)を追加で入れてみる。そうすると完成してしまうという超お手軽作曲術(?)な訳です。やっぱりひとえに尺が短いからこそ可能な技でしょうね。本当に数小節でいいわけですから。

ともあれ、「自分のイメージする音」を実際に出して、弾いてみると良いような気がします。
大抵の初心者向けのDTMとか作曲の本を見ると、取り敢えず「ピアノの音で」コードを置いて、メロを作って、みたいな感じで解説が進んでいくんですが、やっぱり自分の音のイメージみたいのを大切にすると、場合によってはすんなりといける事もあるんじゃないかなぁ、と愚案する次第。



■効果音を作ってみよう。

よく、ノベルゲームをプレイしているとエンドロールで、「効果音」の項目があって、著名なサイトから曲素材を借りている事が示されたりします。
やっぱり、そういうサイトでは流石のクオリティで効果音を制作なさっているわけですが、或る程度だったら自分でも作れるんじゃないかなぁ? なんて上の記事を書いた時に思いついたので、今、自分でシーケンサーを立ち上げながら、書いていこうと思います。


・効果音とは。

さっきの「全滅のテーマ」が一応楽器の音を使って作ったものであるわけですが、効果音ってのは、例えば「銃声」だったり或いは「風の音」だったり、楽器では表現出来ない場合が多いと思われます。
けれども、DTM野郎には、シンセサイザーという強い味方がおりまして、ハードシンセ、或いはソフトシンセにそれっぽい音色が入っています。ちなみに私はハードシンセを持っていないので、今回はソフトシンセオンリーでやっていきます。

ちなみに立ち上げたシーケンサーは、SONAR6 LE。PC-50というローランドのMIDIキーボードを買ったらついてきたヤツですが、オマケとは思えないくらいに高性能ですし、このSONAR6 LE用の参考書まで出ているので、使い勝手の良いソフトです。どうでもいい事ですが、さっきの「全滅のテーマ」はFL STUDIO8というソフトで作ってます。

で、シンセサイザーには「プリセット」と呼ばれるものがありまして、予め「音色」のセットがあるんです。そこで好みの音色を選択して、場合によってはそれをベースに加工してやったり、なんて事をして音を作っていきます。
で、このプリセット、通常いくつかのジャンルに別れて表示されているはずです。例えば「piano」という括りの中に普通のピアノ、グランドピアノ、エレキピアノの音色が入っていたり、はたまた「guitar」という括りの中にはアコースティックギターだったりエレキギターだったりの音色が入っている、というわけです。

今回は「効果音」ですから、それっぽい括りを見つけてやらねばいけません。
今回使用するソフトシンセ「TTS-1」では「SFX」といういかにもな括りで「効果音」が入っていました。入っている音色は悲鳴だったり雨音だったり、電車の音だったり結構使い勝手の良さそうなものがぞろぞろと。

じゃあ、まぁ、折角ですから、いくつか効果音作ってみましょうか。


・ホラー系の笑い声。

ホラー作品をやっていると、人ではない妖怪や幽霊が笑い声を上げる、なんてシーンが良く使われます。夜中にこういう音がするとホント怖いっすよね……。

で、作ってみました。
こんな感じ。

勿論、もうちょっと「人間っぽい」笑い声も出せるんですが、妖怪っぽい感じで。
まぁ、よくあるタイプの効果音ですよね。


・ドアが開いたぞ!

やっぱりホラー系の効果音を作ります。
人の気配も何もないのに、木製のドアが「ぎぎぎぃぃ」と開くあの音です。

こんな感じ。

捻りもなにもないけれども。これに、ドアが閉まる「ばたん」って音と組み合わせてもいいかもしれませんね。


・電車。

ホラー系ばっかりやってもつまらないので、今度はもうちょい汎用性の高そうな「電車の音」。
リバーブを少し強めに掛けてやるとリアルな感じになるようです。

こんな感じ。

これも良くある効果音ですよね。あの「かーんかーん」って踏切の音と一緒に使ってもいいよね。
段々と疲れてきたので、効果音作りはこのくらいにしておきましょう。



■まとめ

というわけで、実際にこれを書きながら、適当に効果音を作ってみました。
DTMに関しては、初心者なわけで、「全然なってねぇよ、お前」みたいなおしかりを受けそうな気もするのですが、「このくらいだったらすぐに出来ちゃうよ」という事を示すため、そして何より「ノベルゲーム制作に活かせるDTM」という大前提があるので、細かい突っ込みは勘弁して下さると助かりますw

大体、どうやって効果音を作ったのか、ってーと。
先ほど解説した「プリセット」で「SFX」を選ぶ。んでもって、その音色で楽譜(ピアノロール)を記述します。
今、記述なんて偉そうな言葉を使ってしまいましたが、実は「全部単一の音」です。「ド」とか「ソ」とかそういう音符を長目に書いてやっただけです。当然、譜面上で音が高くなると、実際発声される「効果音」も高い音で出てきます。
最初の「笑い声」はちょっと高めの音程ですね。ちなみに低くすると「オッサンの笑い声」みたいのも作れます。

で、リバーブを掛けてやったり、ちょっぴりシンセのパラメータを弄ったりして「イメージに近い」音にしていきます。が、殆どシンセを弄らなくても大丈夫。

最後にオーディオ化してやって、エフェクト(ディレイを掛けたり、リバーブを掛けたり、或いはコンプレッサーを掛けたり)を加えてやったり、或いはフェードアウトするようにしたりして完成、というわけです。

どうでしょう? 意外といけそうじゃないですか?
勿論、今回紹介した三種類意外にも沢山、効果音に使えるプリセットがあるので(使ってるシンセにもよるか)、色々試してみて下さい。
また、作ったものをループで使えるように加工を施したり、とか色々出来るんじゃないかと思います。


そんなこんなで第三回DTM勉強会を終えたいと思います。
「こんな技があるぜ?」とか「このシンセだと色々グーな音色があるぜ」なんかの情報を持っている方がいらしたら、是非教えて下さいね。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-08-24 22:03 | 日々之雑記 | Comments(4)
2008年 08月 23日

フリーサウンドノベルレビュー 『紅刻の唄』

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今日の副題 「完結、してくれたらいいんだけども……」

※大吟醸
ジャンル:伝奇(?)、百合もあるよ。
プレイ時間:第零話=2時間程度、第一話=3時間程度。
その他:選択肢なし。18禁。
システム:NScripter

制作年:今プレイ出来るヴァージョンは、第零話=2003/10/26、第一話=2003/11/7
容量(解凍時):第零話=44.6MB、第一話=65.0MB




道玄斎です、こんばんは。
ここ数日、ちょこちょこちょこちょこと、是非ご紹介したい作品をプレイしていました。
ちょくちょく私もレビューなり、日々之雑記なりで名前を出している作品ですね。
今、プレイ出来るヴァージョンでのリリース日が2003年ですから、単純に考えてもう五年も前の作品になります。けれども、古さを感じさせるどころか、やっぱり物凄くいい作品でした。
本当に良い作品は、きっと時間が経っても、演出なんかが多少陳腐で垢抜けなく見えても、そこにしっかりと「良さ」を保持しているように感じます。
今日はそんな作品のご紹介(いや、演出なんかも全然古く感じないんだけどもね)。
というわけで「Atelier of Chiharu」さんの『紅刻の唄』です。今ある伝奇の走りというか、元祖的なイメージを持っている(いや、私が勝手に持ってるだけですが)作品です。
良かった点

・かなり美麗なイラストで、一枚絵・立ち絵共にハイレベル。

・BGMの使いどころが良かったり、ラストの締め方なども上手い。

・ストーリーの進行もとってもグー。


気になった点

・なんと言っても、開発が止まってしまっている……。完成は絶望的か……?

ストーリーは、サイトの方のページへリンクを張っておきましょう。キャラクターのイラストも見れるので是非是非。こちらからどうぞ。


実に久々にプレイしました。
やっぱり面白いですねぇ……。割とこってりとした伝奇なんですが、とっても和風で心がゾワゾワしてしまうような独特な魅力を持った作品です。

最初に言っておくべきなのは、今リリースされているのが、第零話、第一話しかないわけですが、ちゃんとそれぞれお話自体は完結しています、という事。うんと乱暴に纏めてしまうとオムニバス的に一話ごとに話は完結している、という事になりましょうか。勿論、本作はオムニバスではなくて、ちゃんとした一本のお話なのですが、中途半端に途切れたりする事無く、取り敢えず区切りは付きますので、「未完成かよ」と思ってプレイをためらわないで下さいw これは本当にお勧めの伝奇作品ですね。

前からちょくちょく発言していましたが、この『紅刻の唄』。モチーフの一つに長野県の伝承「紅葉伝説」があるような気がしてなりません。長野県在住の方でご存じの方はいらっしゃいますか? 意外と長野県民の中でもマイナーな伝説だと思っているのですが……。戸隠の伝説なので、かなりピンポイントな伝承な気もしますし。
私の場合、祖父の代まで一族は長野に住んでおりました故、今でも時々長野に行く事があります。やっぱり東京も大好きなのですが、長野の空気、自分にとって心地よく感じますね。まぁ、それは兎も角、私の場合、長野の家々が所蔵している刀剣を集めたカタログのオマケページに、この「紅葉伝説」についての記事が載っておりまして、それが発端で知ったという訳です。
以来、郷土史研究みたいな感じで、ことあるごとにアンテナを張り巡らしていたわけですが、まさかそれが自分の好きなサウンドノベルで引っかかるとは……。最初にこの作品をプレイした時には正直かなりびっくりしました。

本当に本作が「紅葉伝説」を典拠の一つにしているのかは定かではないものの、やっぱりその伝説を知っている人には確実に引っかかってくる作品ですよね。


ストーリーの概略は、上記のリンクを張ったURLを示したわけですが、もうちょい補足しておくと、主人公(?)の瑞貴とヒロイン(?)紅葉(もみじ、に非ず。くれは也)の運命に導かれた出会いがあって、その後、紅葉は鬼と化して、この世でない、そしてあの世でもない「紅刻の世」の住人となってしまい、「御霊」なる存在を狩る事になってしまいます。
そうして、紅葉を追った瑞貴も又、「紅刻」の世界で、一振りの太刀を手にした事により、人間でなくなってしまいます。
そうして、瑞貴は今日も紅葉の存在を求めてさまよい歩く。

と、まぁ情緒のない説明になってしまいましたが、こういう背景があるわけですね。いや、ホント私が説明すると味も素っ気も無くなってしまうので、是非是非、実際にプレイしてみて下さいな。

全九話の内の一話目まで公開されているわけでして、ストーリーとしては、まだまだ捻りやどんでん返しがまっていそうで(とはいえ、第零話、第一話だけでも相当満足感がある)、謎も多く抱えたままになっています。
果たして、「御霊」なる存在は一体何者なのか? 一体紅葉の身に何が起きたのか? 何故、紅葉は奴らを狩らねばならないのか? そういうラストにダイレクトに繋がってきそうな、肝心の所はまだ分かっていないのです。

さて、折角「御霊」なる単語が出てきたので、又しても脱線して解説してみましょう。

作中世界には、「現し世」「隠り世」そして「紅刻の世界」の三つがあります。で、紅刻の悪いヤツらを「御霊」というようです。
実際の歴史から見てみると、御霊ってのは、基本的に「冤罪」などで恨みを抱えたまま死んだ人の恨みを取り除く為、死後そいつをカミサマに仕立てたものを言います。
有名なものに、菅原道真がいますね。彼の場合藤原時平って人にハメられて、失脚して太宰府で死亡したわけですが、その後、怪異がおきた為(日本史の教科書とかで見たことありません? 
時平さんが太刀を構えていて、雷様が迫ってきている絵。あの雷様が道真です)、カミサマとなり、「天満宮」というものが出来ました。
受験で有名なカミサマになっているわけですが(湯島天神とかも彼を祀った神社です)、彼は学問の神様で、生前も抜群の秀才でならしていたお人ですが、実は大学入試では中の上だかで合格しています。思ったより良くないでしょ?w まぁ、これは本当に雑談ですね。

で、御霊を紅葉は目覚めさせ(人一人をよりまし(生け贄?)にして)、それを殺している。そしてそれを追っているのが瑞貴です。ちなみに瑞貴の家は古流武術の道場で、彼女は最強の武術家でもあるのです。そして幼い時に事故とはいえ、人を殺めてしまった過去があって……。

どうも、前世的なもので、紅葉、そして瑞貴には関わりがあるようで、そこらへんが紅葉、そして瑞貴変質(人ならざるものになる)の理由の一端のようです。ただ、まぁ何度も述べてるように、本当に物語全体のさわりの部分しかリリースされていないので、謎は多いんですよね……。


キャラクターメイキングは、こってりとした伝奇でありながら、意外とさっぱりしているような……。まぁ、かなり私自身がこの作品に思い入れがあるから、そう感じるだけかもしれないのだけれども。
ちなみに主人公の瑞貴はとっても綺麗です。所謂クールビューティーを地でいくような、そういうタイプで、個人的にとっても好きなビジュアル。一応、瑞貴はこの世のものでは無くなった15歳の時から歳もとらないわけですが、23歳くらいのお姉さんに見える……。

そう言えば、脇役が良かったですよね。駿一というキャラです。
彼は、瑞貴がまだ人であった頃から、瑞貴の道場に入門していた男性でして、彼女の従者を以て自らを任じている人物です。立場的にアリーナ姫に対するクリフトみたいなヤツです。
駿一の立ち位置好きですねぇ。お姫様の従者ってポジションは私の理想でもあるのです。
基本的に、自分がトップになる、というのは厭なんですよ。二番目のポジション。そこに私のこだわりがあります。そう例えば、新撰組で言えば、土方歳三みたいな(って、これはこれで美味しすぎる役かw)。
駿一は、みずきに「人間」としての生活を忘れさせない為に食事を採らせたり(そう、もうみずきは食事すら採らなくてもいい体なのだ)する。

ともあれ、この駿一が相当美味しいキャラなのは間違いなくて、彼が実は作品を底の部分で支えている、そんな印象がありました。


気になった所は、やっぱり本作が未完である、という所に拠るものが殆どです。
結局、瑞貴は紅葉を追って何をしたいのか? が不明瞭なんですよね。ただ、愚直に自分の愛している紅葉を追っているだけで、彼女の行動に干渉したいのか、それともただ追えばいいのか? はたまた紅葉が呼び出す御霊を彼女の代わりに始末したいのか、そこらへんがまだ現段階では分かりません。瑞貴自身もそれについて悩んでいる、という描写すらあるわけです。

挙げ句、第一話目のラスト付近で、瑞貴は半分は自分のせい、もう半分は紅葉のせいで完全に「アッチ」に踏み込んで、あまつさへ変質してしまったヤツに「何でこんな所にきたんだ」なんて怒鳴ったりするわけですが、紅葉こそ最後の一押しをした犯人なんですよねぇw
この部分もちゃんとフォローされているんですけれどもね。


結局、文章も上手いんですよ。三点リーダは二つ続けて使っているし、「?」の後は全角一字分空けているし、読みやすい文章です。しかも気になる部分があっても、ちゃんとフォローも入る。
内容もまさに「伝奇」でありながら、やっぱりとっても面白いし、そこにはオリジナリティもちゃんと入っている。

そんなハイクオリティの作品だからこそ、制作が凍結してしまっているのが本当に残念。
いや、あんまり考えたくないのだけれども、これは……もう完結は絶望的かなぁ……?
一番の気になった点は、このリリースの問題ですよね。
そうそう、18禁作品ですが、そんなにアレな場面はないと思います。百合ですしw

いつにもましてとりとめのない文章になってしまいましたが、クオリティも高く、私イチオシの伝奇作品です。伝奇好きは固より、そうでない人も是非一度、プレイしてみて下さい。

それでは、また。

P.S あまりにとりとめがなさ過ぎるので、後で書き直すかも。
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by s-kuzumi | 2008-08-23 20:59 | サウンドノベル | Comments(0)
2008年 08月 22日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『昨日見えた夕日は今日は見えない』

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道玄斎です、こんばんは。
今日も図らずも番外編。夏を締めくくる為、恐怖系の作品を探していて面白そうなものを見つけた、と思ったら意外にも尺が短かったのでした。
というわけで、今回は「かくざとう」さんの『昨日見えた夕日は今日は見えない』です。作者様のHPが分からなかった為、ふりーむへのリンクを張っておきます。


ホラーはホラーでもサイコホラーに近い感じですね。
自分が作って流した“噂”のせいで、憂き目を見る事になってしまう明(女性ですよ?)が主人公。最近ご無沙汰の「館に閉じこめられた」的な設定が出てきてワクワクしてしまいました。
安堵から恐怖へ突き落とすラストの描写が本作のキモです。

脱線しちゃいますが、最近こういうサイコホラーもので面白いマンガを見つけました。『ミスミソウ』ってヤツなです。もう胸くそ悪くなるくらいの(色んな意味で)厭な描写が連続して、読んでいて辛い部分もあるのですが、所謂「怪奇系」ではなく、田舎の風習的なものだったり、或いは現代の子供達の抱える問題だったり、そういった部分を物凄く、そして過剰なまでに残酷に描いていくタイプの作品です。カバーのアオリ文句「せき止められない憎しみに、少女の心は崩壊する」なんて書いてあって、ついつい買ってしまいました。

本作も同様に怪奇系ではなく、人間の病んでしまった心とか、そういう部分が作品の怖さに繋がっています。ただ、なんて言うか最後の最後でその怖さを「現代社会の諸相」みたいな形で纏めてしまったので、そこは少し残念。
もうちょっとラストでぶっ壊れた怖さみたいなものが見れても良かったかな、と感じました。


個人的には、もっと長目の作品に出来るように感じましたね。
主犯の行動がやや唐突に感じてしまったりもするので、じわりじわりと主犯が病んでいくような、そういう描写が(勿論、それと誰が主犯か分からないような形で)行われていても良かったのかも。
まぁ、タイトルなんかも凄い凝っているので、どんな形であれ、もうちょいボリュームがあると嬉しかったです。

Yuuki! Novel製ですが、選択肢は最後に一個だけあるのでプレイはしやすかったと思います。
プレイ時間は10~15分くらい。是非、夜中に部屋を暗くしてプレイして欲しいですね。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-08-22 21:51 | サウンドノベル | Comments(0)