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2008年 09月 30日

フリーサウンドノベル関係の雑記 箸休めvol.22

道玄斎です、こんばんは。

少し前に、ちょいと私の活動についてお話したわけですけれども、大体の完成形が見えてきたので、ここで告知させて下さいませ。



と、まぁ、そんな企画に参加させて頂いております。
勿論、「やらせてください!」と立候補しています。何しろ、私の活動の最終目標はこういう所にあるわけで、且つこの企画が「ジャンル布教用」の為という大儀があるわけですから参加しない手はないのです。

執筆者のリストがサイトから見れると思うのですが、界隈では有名な方が多数参加されておりますし、私自身が取り上げた事のある作品の作者様も多く参加なさっております。

で、私は「同人ゲーム布教用」という企画で何を書くのか? と言えば「フリーのノベルゲーム」についてです。まぁ、いつもと全く変わりませんねw
ただ、やはり全体を或る程度概観出来るような、そういう記事を書いているつもりです。その分、個々の作品に関しての解説は少なめに。一般の人にフリーのノベルゲームに関心を持って頂けるような、そして既にフリーのノベルゲームが大好きな人にとってはちょっとニヤッと出来るような(立ち絵無し、一枚絵無しの作品に触れたり、ね)、まぁそんな記事が書けたらいいな、と。

例によって勢いでガシガシっと書いて、原稿用紙21枚にも及ぶ第一稿を提出してしまったのですが、編集の方が綺麗に分量を下げて下さったので、完成したものは、約半分くらいになる予定です。少し、物足りないなぁ、と思わない部分もあるのだけれども、他の方との兼ね合い、そして「読みやすさ」を考えるとそのくらいがベストかな、と。
正直、そこまでマニアックにしすぎちゃうと問題があったりするので(けれども、歴戦のプレイヤーがにやりと出来る部分は入れたい)、そのあたりのバランスを調整しつつ完成させていきたいですね。


大体、こんな所かな?
今回は、ちょっと宣伝になってしまいましたが、完成された本は来年の5月、コミティア88にて頒布予定です。私の担当記事はともかく、ノベルゲームを愛する人、既に作っている人、そしてこれから作ってみようと思っている人にとって有益な情報が満載のムック本になるハズですので、宜しくお願い申し上げます。

ではでは。


P.S

そういえば、グッバイトゥユーのテスト版4がリリースされましたな!
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by s-kuzumi | 2008-09-30 19:59 | 日々之雑記 | Comments(6)
2008年 09月 29日

なんてことない日々之雑記vol.120

道玄斎です、こんばんは。
今日も寒かったですねぇ。この二日の間で、急に寒くなってきました。初冬くらいの寒さがあるんじゃないかしら? 今、ついに耐えられなくなってエアコンで暖房を掛けています。



■アレな証人がやってきた。

先日、アレな証人の方がやってきました。
しょうにんって言っても、marchantじゃなくて、witnessのほうです。

私が在宅で、ごにょごにょ作業(しかも微妙に煮詰まっていた)をしていたら、インターフォンが。
「どちら様でしょう?」と出てみたら、「聖書についてお話をさせて下さい」、と。

いや、まぁ、聖書、読んでますし、知り合いでその宗教に入信していらっしゃる方もいるので、大体の事は分かってるし、とっとと追っ払おう、と思ったわけですが、妙に若い感じの声だったんですよ。殆どの場合、結構なおばちゃんがやってくるのですが、その日は違ったようです。
で、ついつい、のこのこと門の所まで出て行ってしまいましたw

行ってみてびっくり。楚々として綺麗なお嬢さん(とおばちゃん。おばちゃんは別に楚々としていたわけではない。念のため)だったんですねぇ。二十代半ばくらいでしょうか? けばけばしさは無いし、一言で言ってしまえば清純な空気漂うお嬢さんだったわけで、私としても勢いを削がれた形になってしまいました。

で、そのお嬢さんが私に向かっていいます。


お嬢さん「何か悩みとかありませんか? 悩みを解決するため聖書を学びませんか?」


と。
そりゃぁ、人間生きてりゃ悩みの一つや二つくらいあるよね。その悩みを解決する方策の一つが聖書であってもいいと思う。けれども、私は個人的にその宗教はなじめないものを感じているので丁重にお断り申し上げようとしたら、一瞬綺麗なお嬢さんが出てきて、とまどった私の隙を突くかのように、お嬢さんがお話を始めてしまったのです。
しかも、困った事にお嬢さんが身振り手振りを交えて、自分たちの宗教の素晴らしさ、そして聖書を研究する事の喜びを語りだしたら、妙に良い香りがしてきて、


(ああ、このままじゃ、入信しちまう……!)


と、本気でヤバイものを感じたので、私は咄嗟に、


私「あ、あの……。私、神主なんです!」


と一世一代の大嘘をこきました。いや、考えて出てきた言葉じゃなくて、何とかしなきゃ、という焦りがついつい「我が輩は神主である」という言葉となって口から出てきてしまったわけで。。
きっと、「神主になりたかった」とかここで書いていたのが脳みその端っこに残っていたのでしょう。
せめて、和服でも着ていればもうちょっとカッコはついたんでしょうけれども、生憎、その時は普通の洋服姿。
今度はお嬢さんがあっけにとられる番です。


私「まぁ、そういうわけで、そちらの宗教に入信は出来ないんです、スミマセン」


と。けれどもお嬢さんはめげません。
今度は上目遣いで、


お嬢さん「神主だって、悩み事もありますでしょう?」


しかも二三回、目をパチパチ瞬いてました。
勿論、マスカラなんて使っていません。綺麗な天然のまつげが良く見えます。
うわぁあ……。反則だ。反則すぎる。一瞬、言葉に詰まってしまったのが私の運の尽き。その隙を逃さずおばちゃん(もう、とっくに私のヴィジョンでは“居ないことになっていた”)が、小冊子(いつものヤツとは違う、初心者布教用のちょっとした本みたいな感じ)を取り出し、お嬢さんに渡します。そしてお嬢さんが私にその本を差し出してきました。


(うーむ。まぁ、冊子くらいは貰っても罰はあたるめぇ。この冊子を貰ったらお引き取り願おう……)


そんな事を考え、ついつい冊子を受け取ってしまいました。
そうしたら、さっきまで居るんだか居ないんだか分からない微妙な存在感しかもっていなかったおばちゃんが烈火の如くしゃべり出しました。曰く、


・聖書は世界最高の本

・科学的にも全く正しい本で誤りは一つもない

・聖書に従って生きるのはとっても素晴らしい事で

・そうする事により、全ての悩みは解消され

・幸せになれる


と、まぁそういう事を、まくし立てたわけです。
正直、お嬢さんに優しく噛み含めるように語られたら、ちょっと危なかった。おばちゃんの興ざめするようなマシンガントークで、大分私も頭が回ってきました。

聖書は世界最高の本ってのは、「ベストセラー」的な意味で言ったら多分、最高のものの一つだと思うけれども、価値基準ってのも人それぞれだからねぇ。私なんかは読んでいて面白い、と思えるけれども、中には「くだらねぇ」と思う人だって居るはずで。

まぁ、それはいーんだけどもさ、「聖書が科学的にも正しい、事実のみを述べた本」ってのはちょっとどうかなぁ? って思うわけですよ。んでもって、その聖書(まぁ、彼らの聖書と私の持ってる聖書は違う種類のものですが)に従って生きていて、最高に幸せです! とか宣ってるわけです。まぁ幸せなら別に私がとやかくいうことは何もないんだけども、聖書に書いてある事は「全て事実で、全て正しい」って言っちゃうのは無理があるんじゃないの?

実際、聖書を読むようになってから私もキリスト教関係の本、何冊か読んでみました。
特に初学者向けの問答集みたいな本があって、それは随分と読んだのですが、


「聖書は何分、書かれた年代も滅茶苦茶旧いし、全てが事実で正確かっていうとそれはちょっと……。だけれども大事な事は聖書に書いてあることそのものではなく、その文脈、文章が伝えたいものを読み取る事」


だって、書いてあるわけです。
一応、言っておくとバチカンの公立の大学組織で聖書学みたいなものを学ばれて、学位をお取りになってる方がそう言ってるんですよ。だからこれがキリスト教徒全体のコンセンサスってわけじゃないとは思うけれども、「こういう風に考えるんだ」という考え方の指標としては、相当程度の正しさというか、まぁそういうものを持っていると思っています。

そうそう、その本の著者はよく「福音の精神」という言葉を使います。
どこまで一般的か、この部分に関しては分からないんだけども、


「福音ってのは良いお知らせ。だから聖書を或る意味で武器にして『~しないと地獄行き』とかいうのは間違ってるんじゃないの? 福音の精神っていうのを軽視していはいかんのよ。まぁ、人によって仏教を信じたりとか色々あると思うけれども、結果として全うな生き方をしてそれが主の御心に叶うならば、その人だってキリスト教徒じゃなくても救われると思う。それが福音の精神ってもんさね」


と、大体こういう主張でした。
何か、物凄いなじみやすいというか、親しみやすいのは確かです。「俺たちの宗教に入らなきゃ、お前地獄行き!」って宣告されるのに比べたら、遥かに「グッドニュース」=福音的ですよねw
この部分は私には判断は付かないけれども、少なくとも「聖書」の記述が科学的にも全て正しい!って解釈については、上記に挙げたような態度の方が、よっぽど科学的だし、信用できると思うのですが如何でしょう??

なんだけども、おばちゃんは「聖書の記述は全て正しい!」という信念があって、尚かつ「その正しい聖書に沿って生きる事は最高です」という考え。
だから、私は例によって例の如くいつもの論法で攻める事にしました。


私「あー、ちょっと水を差すみたいだけども、質問していいかしら? 今年、土用の丑の日にウナギ食べました?」


おばちゃん「?????? えーっと、はい、食べましたけれども……?」


私「旧約を見ると、海のものでも川のものでも鱗のないものは喰っちゃいけないって書いてません? ウナギってその律法に抵触するんじゃ?」


おばちゃん「…………」


一般的には、イエス様が全人類みんなの身代わりに身罷られた事で、私たちは律法に縛られる事が無くなった、という(どうしてそうなるのか、イマイチ分からないんだけども)事なんですけれども(いいよね?)、この人達は「聖書の記述は科学的思想的、ありとあらゆる意味で全て正しく、全て従うべき」という立場なわけで、そこらへんどうなのかなぁ? と思って聞いてみたわけです。

ややあって、


おばちゃん「それは、イエスが身代わりになって……だから律法には従わなくても……」


とごにょごにょ言ってます。
ああ、やっぱり、その解釈を採ってたんだ……。


私「あー、まぁそうっすよね? けれども聖書は全部正しくて全て聖書に従えって言ってたじゃないですか?」


と突っ込んでみたら何か黙っちゃって、お嬢さんの方を見たら、鞄の中からコンパクトサイズの聖書を取りだして「出エジプト記」あたりを読んでいる模様。
私、さっき貰った冊子をぱらぱらとめくって、


私「ほら、例えばこの冊子の『従うべき事』って欄に律法に定められた項目が入ってるじゃないですか。それじゃあ、やっぱりウナギを食べたのはまずかったのでは?」


はっきりいって、私、物凄い厭ヤツです。
それに多分、キリスト教に詳しい方からみると、かなり的外れな事を言っています。少なくとも何千年にも及ぶキリスト教(含ユダヤ教)の歴史の中で、この手の質問に関する答えが用意されていないハズがない。

けれども、あちらさんはあちらさんで「聖書の記述は全て正しい」「全ての行動原理を聖書に求めよ」って言ってるし、冊子に書いてある「従うべき事」みたいな欄には旧約から引用したもの(律法)と新約から引用したものが入り交じっているわけで、そういうのを見ると、この人たちはどうも「律法も守ります」って立場にしか私には思えなかったという。
よくよく考えてみれば「輸血しない」ってのも、律法にその根拠を求めていたのは、貰った冊子を見れば明らかです。あっ、新約からの部分もあったけれども。

何か冊子自体も、妙に衒学的というか、何というか、ありとあらゆる文章が、ありとあらゆる聖書文献のつぎはぎで出来ていて、文脈無視で兎に角繋げて「いいこと言ってます」風に仕立ててあるので、何となく怪しいものを私なんかは感じてしまいます。
あっ、いや、別に信仰は自由ですから信仰そのものは否定しないし、出来ないのですけど、私個人はどうもこういう部分を見て、信じられないな、と思うわけです。

まぁ、何でここまで私が厭なヤツになっていたかというと、何かのタイミングでまた、良い香りのするお姉さんに言い寄られたら、ちょっと本気で入信しそうだったから、なんですよw 自己防衛の為に酷いことを言ってしまいました。ごめんなさい。




あー、何か今日はもっと書きたい事があったんだけども、疲れたからここいらで切らせてもらいます。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-09-29 22:24 | 日々之雑記 | Comments(3)
2008年 09月 28日

フリーサウンドノベルレビュー 『小さな庭』

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今日の副題 「デコボココンビがいい味だしてます」

ジャンル:不登校少年と少女による微推理ノベル(?)
プレイ時間:~2時間くらい
その他:選択肢なし、一本道。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2008/8/15
容量(圧縮時):19.5MB




道玄斎です、こんばんは。
今日は寒かったですね。思わず暖房を掛けてしまったくらいで、危うく風邪を引きそうになりました。
そんな今日この頃ですが、休日なので一本、作品をプレイしました。これはコメント欄にてご紹介頂いた作品ですね。というわけで「トノサマバッタ」さんの『小さな庭』です。作者様サイトが見あたらなかったため、公開先のふりーむ!のリンクをはっておきます。
良かった点

・優しい手触りを持っており、読後感は中々。

・個性的なキャラが多く登場(但し、気になった部分でもある。後述)


気になった点

・何となく、話の焦点が定まらない部分が。

・キャラを生かし切れていなかった部分も。

この作品、どうやら、著作権が「ふりーむ!」さんの方にあるらしいです。
もしかするとふりーむ!の中の人に作品なのでしょうか? それとも管理をふりーむ!さんの方に委託しているとか? ちょっと謎ですね。

さて、紹介文から引用しておきましょう。
些細なことで学校から逃げ出した主人公は、
その帰り道で少し変わった少女に出会う。

その少女との出会いが退屈だった主人公の
日常を大きく変えた……

…ような変えないような。

こんな感じのストーリーになっています。


中々、こう紹介しづらいタイプの作品ですね。
というのは、本作のジャンルっていうのかな? そういう部分が明確でないというか。
敢えて言うならば、少しほのぼのとした、不登校少年と少女による微推理ノベル、みたいな。って全然説明になってないやw

推理っぽい所があるといっても、選択肢が出てくるわけでもなく、クリックで読み進めればOKです。しかもあんまり、推理の余地というかそういうのもありませんしね。
とはいへ、作品の中で示される主人公(中学生)と遊々(小学生)のやりとりは、時に微笑ましく良い雰囲気を持っており、このコンビがとってもオイシイですね。

ざっと、ストーリーの進行を纏めてみましょう。

最初に、どうやら主人公が不登校である事が示されます。先生が主人公の家に居たりするという、謎な状況なわけですが。そうこうするうちに「いらい」が入って、公園にいくとやはり不登校っぽい遊々という女の子がいて、主人公とは顔なじみの様子。
「ほう、不登校を軸にしつつ、この二人の絆みたいなものを描く作品かぁ」
なんて思っていたら、二人は「探偵」(ごっこ)をやっていて、図らずも依頼が来ていたと。依頼主と思しいのは主人公のクラスメイト(主人公は不登校になっているので、元クラスメイト、か?)だったという。実際は彼女の妹の依頼なんですが。
で、依頼を受けて調査を進めるうちに、女の子の失踪事件があった事が明らかにされて……。

と、まぁこんな感じでストーリーが進行していきます。
ここにきて、このお話が「不登校」を扱ったものなのか、「キャラ同士の絆」みたいなものを扱った作品なのか、はたまた「推理」や「探偵もの」としての作品なのか、或いは「中学生と小学生の微恋愛風味」なのか混乱してきちゃいました。多分、色んな要素がミックスされているんですけれども、何となく焦点の定まらなさで落ち着かない印象がある事は確か。

又、ヒロイン(?)の遊々を始め、個性的なキャラが結構沢山登場するのですが、少し活かし切れなかったかなぁ、と思うところも。
例えば、冒頭部に出てくる先生。立ち絵も用意されているし、その後も要所要所で出てくるキャラかと思いきや、冒頭部にちらっと、そしてラストでちらっと出てくるだけだったんですね。或いは、クラスメイトの式野さんを巡るお話も、何となく全体の中で浮いているというか。キャラ自体は美味しいのですから、もう少し、作品の中に一本、テーマというか、背骨を作ってその中に上手にキャラクター達をかみ合わせていけば、かなり良い作品になったように思えるので、その点、少し残念です。
それ以外の部分では中々読ませてくれる部分、ちょっといい感じだな、と思えるような雰囲気があるわけで、このテーマに収束していく描写や因果関係をもうちょい上手く処理出来ればな、と。

色々、例によって好き勝手な事をいったわけですが、主人公と遊々のコンビ、このコンビが織り成す雰囲気はとっても良いものがありますし、やや言葉足らず感はあるものの、ラストの雰囲気なんかも結構好みだったりします。イラストも高レベルだと思いますしね。

多分、本作が処女作と思しいのですが、それでこれだけのエッセンスを詰め込んだわけで、今後が楽しみな作者様ですね。これからも注目していこうと思います。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-09-28 23:48 | サウンドノベル | Comments(0)
2008年 09月 27日

フリーサウンドノベルレビュー 『菓子狐憑き』

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今日の副題 「ドラマチックで、色んな部分で楽しめます」

※吟醸
ジャンル:狐と人間の少女との出会い(?)
プレイ時間:2時間ほど
その他:選択肢なし、一本道。フルボイス。
システム:NScripter

制作年:2008/10 (と、readme.txtに書いてある。フリーソフト版 ver1.0)
容量(圧縮時):92.8MB



道玄斎です、こんばんは。
さて、ボチボチ忙しくなってきて、色々とやらねばならぬ事の増えた今日この頃ですが、取り敢えず宣告通り、「花を吐く抄女」さんの新作の一つ『菓子狐憑き』のレビューを書いておきます。恐らく、今後劇的にゲームレビューの更新頻度が下がると思しいのですが、まぁ、一つお含みおき下されば幸いです。
良かった点

・『一子~』同様に、テキストの読みやすさ理解のし易さが劇的に向上した。

・ストーリー性が表に出て、ラストは物悲しさをのこした上質のもの。


気になった点

・微妙に単語の読み方で気になった部分が……。

ストーリーは、サイトのURLを張っておきましょう。こちらからどうぞ。


さて、前回に続いて連続で「花を吐く抄女」さんの作品を取り上げています。同時に二本、フリー版でリリースして下さったからですね。思えば『挽歌~』をプレイして「これはもっと評価されていい」と思ってから早幾とせ(ってそんなに経ってない)。確実にレベルが上がってきていると感じました。これも前回の『一子~』の時にも書いたのですが、割と最近のリリースでは、割と抽象的というか、微妙に捉え所の無い部分に踏み込んだものになっていたので、『一子~』そして今回の『菓子狐憑き』の明確にストーリーを持った作品が表に出た作品が、この作者様の場合とても新鮮で、且つ素晴らしいものになっていたと思います。

ついつい忘れてしまうのですが、とても多産なゲームメーカーでいらして、今回の作品なんかを見れば、本当に着実にレベルが向上している事が分かるかと。定期的なリリースもファンとしては嬉しい所。

「※当サークルのノベル作品には絵は登場しません」なんて書いてあるわけですが、そんな事は実はないんですよね。一般的な「立ち絵」「一枚絵」が存しないだけで、ちゃんと発話しているキャラの絵がその都度表示されるのです。それに嬉しいフルボイス。
声優さんのチョイスも演技もとってもグーなんですよ。今、「どなたがお声を当てているのかな?」なんて思って調べてみたら、何とプロとしても活躍している方のお名前を発見してしまいました。「リーダさん」と云うと分かる方もいらっしゃるかも……。天川みるくさんですね。
「そんなにまた捨てられるのが恐ろしいのですか!?」というビンタと共に投げかけられる台詞は、ぐっさりと刺さった記憶がありますw あっ、いや本作ではなく『遥かに仰ぎ、麗しの』です。あんなにトラウマをガシガシっと刺激されたゲームは珍しいw 評価は割と分かれるのですが、私は傑作の一つだと思ってたりして。

っと、また脱線ですね。
ともあれ、他の声優さんもプロとして活躍されている方ばかりで、ボイスのクオリティや演技は流石の一言。しかし、気になった点もこの台詞の「読み」にあったりするのも又事実。
というのは「異形」という言葉が出てきて、時に「いぎょう」と発声されたり、又ある時は「いなり」と発声される。
本作は狐さんと人間の少女の交流というか、まぁそういう作品ですから、狐→稲荷→いなり→異形と、異形をいなりと呼ぶのはある種、自然なものを感じます。けれどもそれを「いぎょう」とお馴染みの呼び方で発声している時もあって、「ありゃ? どっちだ?」と暫し考えてしまいました。
まぁ、ストーリー的に問題があるとか、そういう部分ではないので、気にならないっちゃ気にならないんですけれどもね。

では、中身の方に入っていきましょう。
12歳、駄菓子大好きの中学一年生の女の子が主人公ですね。彼女はある日、狐の清白(すずしろ)と出会った事がきっかけで、その姉の鈴菜、そして母の薺(なずな)と交流することに。『菓子狐憑き』というタイトルの通りです。

そんな訳で一つ、駄菓子が重要アイテムになっているわけです。
駄菓子の描写が実に細かくて、妙に懐かしい気分になってしまう事請け合い。魚を使っているクセに「トンカツ」を自称する駄菓子とかねw 
今は駄菓子屋なんてとんと見かけないのですが、昔は駄菓子屋というのが子供達のコミュニティの重要な場になっていたように思います。それでもやっぱり小学生くらいまで、かな?
上級生のお兄さん、お姉さんに色んな遊び方を教えて貰ったりしたもんです。

今でも覚えているのは「ラムネのビー玉の取り出し方」でしょうかね。あれは、からにしたラムネの瓶の地面に置いて、瓶の両側面を両足(靴の内側)で挟み込みます。そして、そのまま瓶ごとジャンプ。すると着地と同時に被害を最小限にして瓶を割ることが出来、目出度くビー玉が取り出せるというわけです。あれ……? 割れた瓶の始末ってどうしてたんだろう……w
そんな事を教えて貰ったり、お姉さんに遊んで貰ったり、或いはお菓子に付いている「アタリ」籤を言葉巧みに巻き上げられたり、とw まぁ、結構子供にとって重要な場でしたね、駄菓子屋は。

で、またもや派手に脱線したけれども、そんな駄菓子についても結構しっかりとした描写がなされている為、物凄く懐かしい手触りがある作品だったと思いました。

こうしたちょっとほのぼのとした狐たちと、少女二菓(ふたか)の交流を描いていく、ハートフルなストーリーかと思いきや、後半でやっぱり思わぬストーリーが進展していきます。
このストーリー自体も唐突なものではなく、ちゃんと随所に伏線が張られているので、違和感を感じる事なく「をを、こういう事だったのかぁ……」と感心出来るものに。
ストーリーの出し方も良かったですよね。第四章の次に第零章を出して、その後の第五章への期待感を大いに盛り上げてくれています。
この第零章を読むと、大体の事情が分かって、実は本作が少し悲しいお話である事に気がつきます。

「誰が悪いというわけでなく、それぞれの思惑が少しづれてしまっただけ」

というような二菓のセリフがありまして、それが本作の悲しい部分を端的に表すものとなっています。『一子~』も、そして本作も後半でいつになくドラマチックな展開になり、この作者様の新しい展開を見ることが可能となっています。
これも毎回思うのですが、メインの視点人物(今回は二菓)が、年齢にともすれば合わない、少し内省的でマセた感じで、そこが却って可愛らしさが出ていていいですよね。こういうキャラだからこそ、時にこうしたシリアスな台詞を吐いてもとっても似合う。


大体、こんな感じの作品です。
少し今回は(今回も?)脱線多めですが、ほのぼのとした雰囲気、そして物悲しい後半からの展開、色々と楽しめる作品に仕上がっているのではないでしょうか?

ファンの方は固より、是非プレイしてみて貰いたい作品です。
それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-09-27 01:18 | サウンドノベル | Comments(10)
2008年 09月 26日

『女小学』の「女中詞乃事」を翻刻してみた。

道玄斎です、こんばんは。
そろそろお休みの時間ですね。

で、先ほど軽く予告しておいた、『女小学』の翻刻なのですが、興味のある所からガシガシとやっちまおう、と思って、早速作業してみました。
私、翻刻ってニガテで、いっつも「君は駄目だなぁ!」と怒られていましたから、ちと怪しさはあるんですが……。

一応、当サークルは、その名を「久住女中本舗」と申しまして、「女中」なる語が入っている以上、「女中詞」なる項目は見逃せなかったので御座います。
女中詞っていうよりも、「女房詞」=「女房言葉」の方が一般的かな?
兎にも角にも、あのミミズみたいな字を読みつつ、テキストファイルに纏めてみました。


興味のある人はクリックだ!

翻刻ミスもあるかもしれません。
西国や京の都にお住まいの方の方が馴染みのある表現も多いかもしれません。ミスを発見したら是非、ご一報下さいませ。
まぁ、兎に角自由に使ってちょーだい。

ちょっとだけネットでも調べてみたんだけども、ここまで纏まった(=サンプル数の多い)「女中詞」「女房詞」のサイトは多分、無かったので、少しは役に立てるかな?

で、例の如く蛇足しまくりで、わざわざそれぞれの項目について「※」でコメントを入れてます。
こうやって、余計な事をしないと気が済まないタイプなんですよね……。私のコメントなんて見たくない、って人はばっさり削除をお勧めしておきますw

久しぶりに、こういう作業をやったら少し肩が凝りました。
あー、そうそう。「チェックしてやろうじゃねぇか。ミスがないかよ……」なんて奇特な方がいらしたら、

ここの


60ページ目、左側の上段から、「女中詞乃事」と項目が始まってます。
内容は同じなので、もし興味があったらチェックしてみて下さい。


それでは、お風呂入って眠ります。
おやすみなさいまし。
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by s-kuzumi | 2008-09-26 01:57 | 日々之雑記 | Comments(0)
2008年 09月 25日

なんてことない日々之雑記vol.119

道玄斎です、こんばんは。

今日は、今の今までゲームをやっていたのですが、最近歳のせいか少し疲れやすくて。昨日、夜遅くにコンビニに行ったら『「疲れ」をとる頭のいい方法』という本が売っていたので、つい購入してしまったのですが、妙に疲れている為、それを読むのが億劫という。嗚呼、本末転倒なる哉。

ゲームの方は、正にこれから面白くなる、という所でセーブして終了。明日の楽しみも残しておいてやらないとね。



■教育テレビのテーマ曲

そういえば、ついさっき珍しくテレビを付けていたら、教育テレビで「おしゃれ工房」なる本当にお洒落かどうかちと怪しいタイトルの番組がやっていました。
結構昔からやっている番組ですよね。何の気無しに見ていたら、オープニングテーマ曲が何か物凄く懐かしい感じで、暫くじっと聴いてしまっていました。

検索してみたらMIDIが聴けましたよ。

ここで聴けます。


短いですし、別段、凝った曲ではないと思うのですが、妙に懐かしさを感じさせる曲で物凄くいいですねぇ。調べて納得、矢野顕子さんの作曲だそうです。



■少し、お勉強をする。

お勉強って、本当に高校生みたいなお勉強をしています。
しかも、古典w 大学、大学院で専攻していたから得意なハズなんですけれども、少し気になった所があって昔昔に使っていた参考書の類を引っ張り出して読んでみました。

いや、何か凄い新鮮ですね。
所謂、文法の部分なんですけれども、こういうのって逆に慣れて来ちゃうとどうにでもなってしまう部分なので、気になったんをきっかけに、本当に久々に調べてみたというわけです。普通、いちいち、「~行○○活用~形」とかって読んでいる時には考えないでしょ? しかも古典と呼ばれる書物を書いている人だって文法通りの綺麗な言葉を使っているわけじゃないし、時に「破格」と呼ばれる文法に準拠しない言葉を使うこともあったりして。

良く、ガッコの先生が「『徒然草』は綺麗な古典文法を遵守している」なんて言いません? その『徒然草』を読むと、「最近の若者の言葉遣いはなってねぇ!」」って文句をつけているわけで、いにしへすらかつかくいはる。いはんや、現代をや、といったところでしょうか。

まぁ、そんな事情で「正しい日本語」とやらを振りかざす人を、私はどうも胡散臭く見えてしまうのでした。多分(主観的で悪いんだけども)、「正しい日本語」なるものを標榜する人って、恐らくその「正しい」の範囲が「自分の幼い頃に習得した日本語」という事になるんじゃないかしら? きっと、その「正しい日本語」を標榜する人の日本語だって、彼(若しくは彼女)の親の世代、或いは祖父母から見れば「なってねぇ」日本語だと思うんですけれどもねぇ。

そうそう、で、なんで急に文法を調べたりしだしたのかってーと、先日もちらりと書きましたが、最近、微妙に江戸時代の本を読んでいるんですわ。普通に出版されている本もそうなのですが、ついこのあいだ『女小学』という本を入手いたしまして、例の和綴じの版本でございます。
簡単に言ってしまえば、江戸時代の女の子の為の教育書、という事になりましょうか?

まだ全然読んでいなくて、ぱらりぱらりとページをめくっただけなんですが、大体、そうねぇ、10歳を過ぎたら少しづつ読む本、という感じかしら? 大人の女性として知っておくべき教養だったりが書いてあるわけです。結婚とかお産とか、はたまた知らないと恥をかく著名な和歌とか、女中言葉の簡単な対照表みたいなのも載っていました。
今、携帯電話にてぱしゃっと一発撮ってみたので、はっつけてみましょう。
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こんな感じ。
なんてことない普通の版本です。お値段も意外と安かったんですけど……、ネットで調べてみたら東京学芸大のHPでから全文、閲覧可能だそーです……。

っと、今チェックしてみたら、内容的には殆ど一緒だけれども「全く同じ」というわけではないようです。元にしているものは同じなんでしょうけれども、この版木を削った人が違います。出版された時代も違いますね。版元は同じなんですけど。じっと一ページ一ページ見ていくと、微妙に絵が違っていたり、改行するポイントも違っていたりします。
あちらさんは宝暦13年、私の持っているものは嘉永5年。私の方が遙かに新しい。って言っても今から150年くらい前のものなんですよ?

で、この本、一般人の我々が気軽に読めるようにはなっていません。
写真を見て貰えれば分かるように、例のミミズののたうち回ったようなあの字です。あれを現行の活字に直したもの、或いはそれに現代語を付けたものがあると便利ですよね。
今調べてみたら、一応存在しているっぽいんだけども、あまり一般的に入手しやすいかっていったらそれは疑問です。

そんなわけで、暇な時に少しづつ、ウォーミングアップを兼ねて、崩し字を読んで、ネットでどどーんと公開しちゃおうと考えていたり。本文自体はそんなに長くないんだけども、「コラム」的な部分が結構めんどくさいかも。
だって、今適当にページめくってみたら「以下古今集より以下を八代集と云」とか書いてあって、ずらずらと「○新勅撰集」「○續後撰集」……とか。めんどくさいです。

ま、のんびりのんびりマイペース。
実行出来なくても気にしないw 

そんなわけで、今日はこのへんで。
それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-09-25 22:36 | 日々之雑記 | Comments(0)
2008年 09月 24日

フリーサウンドノベルレビュー 『一子、二狐とも、巫女との狸』

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今日の副題 「少しほのぼの、ラストは涙」

※吟醸
ジャンル:狐の巫女とアルバイト(?)
プレイ時間:2時間程度。
その他:選択肢なし、一本道。フルボイス。
システム:NScripter

制作年:2008/10/? (とreadme.txtではなっている。勿論フリー版にて)
容量(圧縮時):110MB



道玄斎です、こんばんは。
大分身辺が慌ただしくなってきたのですが、私が注目している作者様が新作を出したと聞いては黙ってはいられないわけで……。
というわけで、「花を吐く抄女」さんの『一子、二狐とも、巫女との狸』です。
良かった点

・ほのぼのとした旧き良き日本の情景が、伸びやかに描かれており好印象。

・ラストはかなり感動的なもので、今までの作品の中で一番「シメ感」のあるものだった。

・特徴でもあるちょっぴり難解な言い回しは、若干少なくなり、より理解しやすいストーリーに。


気になった点

・ラストのラストで、やや難解な部分があった。

ストーリーは、サイトのURLを張っておきましょう。こちらからどうぞ。
ボイスサンプルや、イラストなんかも見れますので、是非是非。


面白かったです。
ここ最近の「花を吐く抄女」さんの作品は、割と抽象的というか、少し観念的というかそういう部分が、その独特の台詞回しと共にあったのですが、今回、ストーリー性がしっかりと表に出てきて、本当に良い作品に仕上がっていたように思います。

『挽歌~』はかなり好きだったのですが、今回の『一子~』をプレイして、「『挽歌~』を越えたかな?」と感じましたね。完全に妖怪とか神様とかそういう輩の世界を描くよりも、人間と彼らの交流、そういうものを描いた方が私的には好みのようです。
丁度、奇しくも昨晩、知り合いの方と「お狐様」について話をしていて、脱線してしまうのですが、ちょっと語ってみましょう。

私がお話した知り合いの知り合い。その娘さんのお話です。
娘さんは小学生くらいだかで、ついついいたづらで、仲間達とお稲荷様の灯籠だかなんだかを自宅に持って来ちゃったんですね。これはもう狛犬の上に載っかるとか、そういうレベルのいたづらではないですよね? 
で、結果何が起こったのかというと、その女の子(小学校低学年だったハズ)、その日を境に体調を崩し、何とお乳が出るようになってしまったんだそうな。「これはお稲荷様の祟りじゃ」という事で、灯籠だかを元の場所に戻して、お稲荷様のボス的存在の神社(多分、伏見稲荷にでもいったんでしょう)に行き、神主さんだか禰宜さんだかに相談して、お札を頂いたり、対処法を教えて貰ったりして、何とか事なきを得た。

と、まぁこんな話でした。
結構、お稲荷様は怖いぞ、というのが私と身の回りの人間の共通見解でして、敬うならばしっかりと、そうでなければあまり関わらない、という事にしています。ま、蛇足ですね。


で、本作、一子という女の子が、偶然巫女のバイトのチラシを見つけ、そこで例祭までの四日間、巫女さんになる、というのが大まかなストーリーの流れです。
巫女さんについては、私も色々調べたり、或いは教えて頂いたりした事があるのですが、普通(本職の)の巫女さんは26歳くらいで定年を迎えるので、そんなに長く出来る職業ではないんですねw 本作の場合、日給5千円ですが、これは恐らく全国平均で言えば、そこそこのお給料なのではないでしょうか? 大きな神社で日当1万円くらい、地方の小さな神社で日当3千円なんて話を聞いたことがありますから、まぁ割と平均的なお給料なのかもな、と思ったりして。

けれども、多分職業に対する価値観って、本当に人それぞれで「兎に角給料の良い所」を選ぶ人もいるだろうし、「自分の趣味や特技を最大限活かせる所」という観点から選ぶ人も当然居る。或いは「安定感」とか「のんびり過ごしたい」なんて理由から選んだりもしますよね。
寧ろ、「何となく流されて」何かの仕事に就くよりも、どういう観点からであれ「自分の意志」で職業を選択し、それに従事するというのは、本当に素敵な生き方だと思いますし、尊敬しちゃいますね。
ま、勿論、何となくなっちゃったものが面白くなっちゃって天職になった、なんてケースもありますけれどもね。

いや、私、実は今更なんですが「神主」になりたかったりするんですよw
そうすると、多分神職課程のある大学に入学し直して、神職課程を履修して、神職実習を経てそういう職業に就く事になるわけですが、さすがに今更は厳しいかなぁ……?
「通信教育神職養成課程」なんてのがあればいいんですがw

さて、今日は脱線多めですね。
で、神社に既にお勤めしていた黒銀と白金の二人は実は、狐です。所謂お稲荷様なんですけれども、神様ではないらしいのです。神様に事える、下位の神様というイメージでしょうかね。そんな狐の巫女さんと一緒に巫女ライフを送る一子。
かれら三人のほのぼのとしていて、微笑ましい生活の描写がなんだかとっても素敵です。
旧き良き昔を思い出してしまうような、じんわりと染み渡ってくる感じで好みの雰囲気でしたね。

で、声優さんの演技が上手なんですよ。
一子役の声優さんは、本当に感じの良い女の子を見事に演じきっていたように思いますし、黒銀も白金もとっても役柄にあった声優さんの選択だと思いました。若干、声の音量のバランスが崩れていたような所もあったり、はたまたテキストとボイスが合っていない(「ええ、申し訳ありませんが……どうも、私も黒銀も不器用なものでして……」という文章に別のボイスが割り当てられていた)ところはあったものの、好演でした。

一つには、前作よりも若干、あっさりとした台詞回しになった、という事情があるのかもしれませんね。遊女言葉というか、そういう台詞回しがこの作者様の文章の大きな特徴なのですが、結構難解なものもあったりして、声優さんが誤読していた、なんて事も以前はありました。
ところが、今回はそういう部分も見あたらず、且つ、読んでいっても割とすんなりと理解しやすい文章になっており、総じてテンポも良くなっていたように感じます。
特に本作のような、ストーリー性が多分に出ている作品だと、或る程度はテンポの良さが必要ですよね。意図してそうなさったのか分からないのですが、読みやすさが向上しており、好印象。

又、ただのほのぼの巫女ライフかと思いきや、ラスト付近で一気にシリアスな展開に。
一日一日の区切りに「回想」として、一子のものと思しき過去の回想シーンが入るのですが、その回想シーンとラストのシリアスな展開がばっちりと絡み合って、ラストに向けて突っ走っていきます。ラストは感動的なお話になっており(音楽の絡ませかたも上々)、しっかりと「泣き」を誘発してくれます。
こういうストーリーだとは夢にも思わなかったのですが、滑らかにストーリーの軸をシフトしていて違和感を感じる事もなく。

あー、もう一回脱線してもいいですか?
作中で珍味として「熊の手」の名前が出てきていたのですが、熊の手と双璧となっている珍味ご存じでしょうか? それは「駱駝の蹄」です。今日、暇にあかせて『春雨物語』という江戸時代の小説を読んでいたら、そう書いてありましたw いや、それだけです……。


で、気になる部分は、ラストのラスト。
本当に最後の部分です。すっかり目尻に涙を貯め、「ああ、いい話だったなぁ」と思っていたら、そこで更に驚愕の仕掛けが。何となくうっすらと分かるんですよ? けれども最後の最後で、例の微妙に難解な台詞回しのせいで、意味が取りにくかった部分がありました。
やっぱり最後はすっきりしたいわけで、ちょっとそこが気になりましたね。

そういえば、エンディングも凝っていましたし、例のoldmovie.dllでしたっけ? あれを使っての素敵な演出だったと思います。


お勧め作品です。
和菓子に日本茶を楽しみつつプレイすると雰囲気が出るかも? 私ですか? 北の誉大吟醸の粕を使った饅頭を食べながら遊んでましたw

同時にリリースされた『菓子狐憑き』の方も近々プレイ予定です。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-09-24 23:23 | サウンドノベル | Comments(7)
2008年 09月 22日

フリーサウンドノベル関係の雑記 箸休めvo.21

道玄斎です、こんばんは。

まぁ、そんなわけでボチボチ「サークル活動」としてあれこれやってみようかな、なんて考えていたりします。い、いちおうサークルなんですよ……?

ちょっと面白い企画があって、一枚噛ませて貰えるかな? と打診したりしています。
まぁ、例によって例の如く、私の「フリーサウンドノベル論」を展開していく積もりなんですが、今回は少し全体を概観してみたり、そんな事をやってみようかな、と。
ここでレビューとして取り上げてきた作品だけでも、300近いハズなので全部の作品を挙げるのは不可能なんですが、個人的に好きな作品、或いは印象に残った作品、はたまたエポックメイキング的な作品を取り上げてみようかな。

そうした作品を「フリーのノベルゲームとは?」という問題と絡めて論じられたら、やっぱりそれは意味のある事のように思えますし、ひとまず、私自身の活動にも一区切り付けられそうな気がします。

どう転ぶか現時点では分からないのですが、出来ることなら頑張ってみたいですね。
詳細が決まったら、又告知させて頂きますので、どうぞ一つ、宜しくお願い申し上げます。




■ラーメンと私

はい、上の記事とは全く関係の無い話ですw
ラーメン、日本人に人気の食べ物です。いや、日本人に限りませんよね? 昔Unix用のウイルスでRamenってのがあったと記憶していますし、きっとアメリカなんかでもそれなりに人気のある食べ物なんでしょう。

で、日本で一番最初にラーメンを食べた人、誰だか知っていますか?
そう、水戸のご老公こと、水戸光圀公という事になっていますね。

けれども正解は彼ではなく「私のご先祖様」だったりしますw
私の母方の先祖が、水戸のご老公にお仕えしていて、毒味役をやっていたらしいんですよ。で、多分、ラーメンもきっと毒味があったハズです。というわけで一番最初にラーメンを食べた日本人は、私の母方の先祖という事になりますw 本当かなぁ?w

そんな事情があってか、私は割とラーメン好きですねぇ。
今日のお昼はラーメンでした。こってりしたのもたまにはいいけれども、割と薄口であっさりしたものがいいですねぇ。最近は猫も杓子もこってり系なので、あっさりファンとしては少し寂しい。実は、ちょっと前まで、新宿西口に「万来」っていうラーメン屋さんがありまして、そこのラーメン好きだったんですが、先日行ってみたらお店、無くなってたんですよねぇ……。

割とあっさり仕立てのラーメンなんですが、チャーシューが兎に角大きい。
いや、大きいというレベルじゃない、もう塊。ちょっとしたステーキ三枚分くらいはありました。毎日食べるとさすがに気持ち悪くなっちゃいそうなんですが、たまーに無性に食べたくなる時があるんです。異常にお腹が減っている時とか。

で、先日も新宿でちょっと買い物をしていたら、妙にお腹がすいて「万来いくか……」と足を運んでみたものの、お店が無くなっていた、と。んー、閉店? それとも場所を移した? 昔から好きだったラーメン屋さんなのでちょっぴり寂しいですね。


というわけで、今日はこのへんで。
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by s-kuzumi | 2008-09-22 20:40 | 日々之雑記 | Comments(6)
2008年 09月 21日

なんてことない日々之雑記vol.118

道玄斎です、こんばんは。

今日は夕方近くまで眠っていました。ちょっといくらなんでも寝過ぎですよね。
そういう訳で、今日は正常な時間に眠れそうにないので、あとでお酒でも頂くことにします。
そういえば、今日はお彼岸ですね。暑さ寒さも彼岸までと申しますが、もうとっくに寒いわけで……。ちなみに今日はおはぎを頂きました。

今日も今日とて、部屋の整理をしたりしていたのですが、錆びだらけの指輪を発掘してしまいました……。宝飾品用の研磨剤が無かったので、歯磨き粉で磨いて綺麗にしてみたら、当時の色々な事を思い出してしまいました。安物ですけれども、思い出の品としては結構価値のあるものなんじゃないかな、と。



■私の好み

そんなわけで、きっと誰も興味はないけれども、自分自身の思い出を辿りつつあれこれ書いてみようかな、なんて思って筆を執っています。発掘した指輪とは関係の無い話なんだけどもね。

良く、ノベルゲーム/サウンドノベルをプレイしていて「これは好みだ……」と感じる女の子(ヒロイン)が出てきます。レビューの方でもそうした蛇足を書いてしまっているので、見たことがある方もいらっしゃるかと思います。

大体、


・優等生

・ちょっとツンツン

・清純(含黒髪)


この三つを満たしているのが、私の好みです。ゲームの中でも、そして現実世界でもw
注意が必要なのは「ツンツン」とはいへ、ツンデレ的なツンツンではなく、寧ろ無愛想系みたいな、そういう感じですかね。なんだかこうして列挙してみると、物凄くゲーム的な記号で満ちあふれていますけれども。

優等生ってのは、必須項目かもしれません。
私自身が馬鹿だから、相手も馬鹿じゃ困るわけです。「どうあがいてもヤツには勝てない……」とある種の絶望感すら感じさせてくれる頭の良さを持った人、物凄く好きです。

昔、居たんですよ、そういう人が。
その人との出会い(?)は私が高校生の時にさかのぼります。兎に角高校浪人しかけるくらい頭の悪かった私ですが、高校に入って「今度は真面目にやろう」と一念発起して、ちょっと頑張ってみたんですね。クラスで当然のようにビリだった私ですが、クラスで真ん中くらいの成績になって、何とか一番とかになれた頃、某大手予備校の全国模擬試験があったわけです。
その頃になると、私も「結構、俺いけてるんじゃねぇ?」と慢心していたわけで、意気揚々と模試を受けたのでした。結果惨敗。全国の壁ってのは本当に厚いんですよねぇ……。

またそっから、気持ちを入れ替えて、私は頑張ります。
兎に角、小学校、中学校で全く勉強しないで、上の空で一日中過ごしていたわけで基礎学力が〇に近かったんです。ですので、寝食を削って勉強に励みました。これも又不思議なもので、やった分だけ成績が上がると本当に励みになるんですよね。
学校で一番くらいじゃ全国に太刀打ち出来ない事を悟った私は、「打倒全国」とまるで『スラムダンク』の湘北高校みたいな目標を掲げ、あれこれ試行錯誤する日々が続きます。

で、やっとこさ、全国模試の成績上位者が乗るパンフみたいな所に名前が載っかるようになったんです。自己ベストが全国200番くらいでしょうか。あれを見た瞬間、超絶に嬉しかったのを今でも鮮明に覚えています。開成高校とか、超有名な学校の生徒と同等に戦えていたわけで、『スラムダンク』の赤城キャプテンよろしく「俺は負けてねぇ……」と一人悦に入っていました。

そんな折りに、某大手予備校の超絶難しい全国模試が開かれる事に。
ここで上位の成績を収める事が出来れば、難関校でもばっちり合格出来る、と言われている模試です。マイペースに、しかし一生懸命勉強して模試の日に備えた私なのですが、完全に惨敗しました。難しすぎて全然太刀打ちが出来なかったんです。勿論、ランク圏外。
滅茶苦茶落ち込みました。「世の中にゃぁ、すげぇやつがいるもんだ……」と思いつつ、成績上位者のランクが載っているパンフをめくっていたら、“彼女”の名前を見つけたのでした。そう、彼女は全国で1番という成績でした。ふと気になって、過去の模試のランクも改めて見てみると、彼女はいつも上位にランクインしており、まさに私が大学受験をした時の全国の「エース」だったわけです。

それが、私と彼女の出会いでした。
「兎に角、こいつを倒さない事には俺は生きていけない……」と感じ取った私は、早速ランク表の彼女の名前の横に髑髏のぶっちがえマークを付けて、仮想敵国宜しく、一人で勝手に彼女に挑む日々が始まったのでした。

そして、私が彼女と「本当に」出会うのは、それから四年後。
彼女と私は、同じ大学の同じ学部で同じ学科に進学していたのでした。専攻は違ったんだけどもね。そして、初めて彼女の名前をしった日から四年後の夏、私と彼女は初めて話しをしたのでした……。

続く(かもしれないw)



あぁ、また大幅に脱線しちゃっった。
ツンツンってのもかなり大事。私はなんて言うか、あんまりノリが良すぎる娘さんよりも、少し朴訥な感じの方が好きなんですよ。ツンツンっていうと誤解があるけれども、少し無愛想みたいな。

黒髪も必須です。
やっぱりね、日本人は黒髪が一番合っていると思います。
纏めると、うんと真面目でちょっとお堅い感じの娘さん、というのが私の好みになりますね。
顔とかはね、あんまり気にしないんです。自分だって見せられるような顔してませんし、大事なのは中身です。究極の顔の好みを挙げるとしたら「のっぺらぼう」なんじゃないかと、本気で思いますもんw



■明日は暑いぞ

どうやら、ここに来て明日は結構暑いみたいです。
暑さ寒さも彼岸まで、と冒頭で書きましたが、やっぱり異常気象なんでしょうか? 明日も外を出回ったりする予定があるので、今から厭な気持ちで一杯です。

外に出ている時の楽しみは「缶ジュース」だったりします。
冷たい珈琲(ちょっぴり甘め)を、一服する際に呑む。甘さが疲労を取ってくれますし、少し爽やかな気持ちになれる。

これが秋(もう、秋なんだけどもね)、冬になると事情は変わってきます。私が大好きな缶ジュースは「おしるこ」です。メーカーによって味が違ったり(中には妙に鉄くさいものもある)するので注意が必要なのですが、缶のおしるこを求めて、休日に遠出して、街を徘徊する、なんて趣味もあったりなかったり……。



ま、兎に角部屋を綺麗に整理して、さっさとお酒を呑んで寝てしまいましょう。
それでは、今日はこのへんで。
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by s-kuzumi | 2008-09-21 20:38 | 日々之雑記 | Comments(0)
2008年 09月 21日

フリーサウンドノベルレビュー 『水溜まりの向こう側』

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今日の副題 「気軽にプレイ出来る感動系」

ジャンル:感動系恋愛アドベンチャー(?)
プレイ時間:1ルート30分~40分程度
その他:選択肢有り、3つのルートに分岐
システム:NScripter

制作年:2008/9/20(公開日)
容量(圧縮時):52.2MB




道玄斎です、こんばんは。
今日も面白そうな作品を見つけたので、さっそくご紹介。所謂「感動系」の作品ですね。勿論、恋愛の要素もあり、気軽に遊べる作品になっていたのではないでしょうか?
というわけで、今回は「Lunaria Project」さんの『水溜まりの向こう側』です。ちなみにサイトの方でリンクのページを見てみると、お馴染みのサークルさんが名前を連ねております。本作、少しあのサークルさんの作品に似た部分もあったような……。
良かった点

・1ルートが短いので、気軽に遊べる。ルートに入るのも簡単。

・結構ぐっとくるルートも。


気になった点

・少し全体的に肉付けが足りない部分が。

ストーリーは、サイトのURLを張っておきましょう。こちらからどうぞ。ちなみにキャラクターの立ち絵も見れますので。


全部で1時間半くらいは掛かってしまいますが、個別のルート自体は30~40分程度ですので、さくさくと読み進めていくことが可能です。グダグダとした描写も無く、テンポ良く読むことが出来ると思いますよ。

ストーリーの中身に入っていくと、問題を抱えた主人公(男、高校生)が、ヒロイン達と交流していく事で、過去を振り切り且つ、恋愛を成就させる、という、まぁ、言ってしまえば非常に王道的な作品です。どうしても「お馴染み」感はあるものの、一人、とっても良いヒロインがいました。彼女の名前はしらほ。主人公の後輩に当たる、ちょっと影のある女の子。

やっぱり、三つのルート全て読破したわけですが、私は個人的にしらほのルートが一番好きですね。ビジュアル的にも一番好み。
彼女のルートで何が良かったかっていうと、伏線がキチンと張られており、物語の根幹にまで踏み込み、恋愛とも上手に繋がるような、そんなシナリオだったんです。先にも述べましたが、主人公はちょっと問題を抱えており(ヒロインの一人である優希もそうなのですが)、その問題を巡る物語が本作の「バックグラウンドテーマ」とでもいうべきものになっているんですよね。

例えば、春奈のルートだとそのあたりへの踏み込みが足りない感じがしますし、優希のルートはそのテーマに深く関わるルートなんですが、恋愛の要素が少し薄かったかな? と。

恋愛と、作品を根幹で支えているテーマの両立が出来ていたのは、このしらほのルートなわけで、やっぱり一番しっかりとしたルートだと感じました。ラストは中々感動的で、ちょっとグッと来ましたね。
そうそう、ヒロイン三人を攻略する事で、作品の全貌が分かってきますので、是非全員攻略してみて下さい。作者さまのブログでは「春奈→優希→しらほ」という攻略順をお勧めしていましたが、確かにこの並べ方が一番いいかな? と私も思います。
この並べ方でプレイすると、徐々にストーリーの深い部分に到達する事が出来るんですよね。


というわけで、気になった点を。
ストーリーの骨格はちゃんと見えているものの、「肉付け」が足りないかな? と思える部分がありました。
例えば、春奈のルートだったら「劇」の練習にもっと筆を割いても良かったと思います。というのは、ラストの恋愛成就の所がやや唐突に感じてしまうんですよね。春奈の文化祭での劇に、主人公が積極的に関わっていき、春奈の抱える問題、又主人公自身の抱える問題を消化し、お互いが意識しあう、みたいなそういう恋愛成就への布石が必要だったのではないかと。
割とドライな主人公ですのでw 彼の側からの「ヒロインへの想いへの気づき」が必要ですよね。「こいつは俺が支えてやらなきゃ駄目だ!」みたいなw

そういう意味で、しらほルートが、私のお気に入りのルートとなっています。ちょっぴり話としては重めの展開なのですが、素直に読んで感動出来ると思います。

敢えて他に気になった点を付け加えるのならば、最後に作品全体を統合するような「シメ」のシナリオがちょっとついていても良かったかも。

大体、こんなところでしょうか?
今日は少し短めですが、作品自体が短いのでそれもやむなし。あっ、いや、別に毎回「長くしてやろう」と思って長くしているわけじゃないんですよ……。元々長文で、とは決めてはいたのですが、気がついたらあの長さが、定番の長さになっていたという。
今日は脱線もしませんでしたし、こんな所でしょう。

シンプルで、プレイのしやすい作品です。
全部読んでも1時間半くらい。気軽に読める感動系をお探しの方は是非プレイしてみて下さい。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-09-21 01:28 | サウンドノベル | Comments(9)