久住女中本舗

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2008年 12月 31日

みそかみそよはわがもとに ~気がついたら大晦日だった~

道玄斎です、こんばんは。

風邪が治ったと思ったら、もう大晦日でした。
意外と長く伏せっていたもんです。まるまる四日くらいでしょうか? 殆ど食べ物を口にしていません。ポカリが主食(?)という生活でした。

不思議な事に、このくらいだったら、食べ物を食べないくらいの方が何だか体調がいいんですよねぇ……。あっ、もしかしてお酒を抜いているからかもしれない……。けれども、そんなに大量に呑んでいるわけでもないしなぁ……。

で、年賀状の方は無事に出しました。
前回の記事を書いてから、数時間ガシガシ書いて、次の日の朝に無事に投函する事に成功。去年の年賀状やらを引っ張り出してきて作業したり、住所録を持ってきてあれこれやったわけで、机周りが案の定また馬鹿みたいに汚くなってしまいましたが。



■一年のまとめ。アクセス解析から見る傾向。

ってなわけで、あんまりネタがないので、アクセス解析をネタにしてみようかしら、と思います。
と言っても、どっから誰がアクセスしたとかは面白い話ではないので、「検索ワード」で、少なくとも、このブログでどんな作品が人気だったのか、というのをちらりと。

年間を通して人気だったのは、あの私が「現代の経国美談」と呼んだ、あの作品。
丁度、一年前くらいにリリースされた作品でしたが、一年間、コンスタントに検索ワードの上位(一位~三位くらい)に位置していました。正直、コアな人気はありそうでも、あんまり一般受けはしないかなぁ? と感じていただけに(というのも、割とデリケートな問題を扱った作品だったからです)ちょっと吃驚しています。

続いては、ここ数ヶ月の間、トップをウロウロしていた、例のヤンデレの作品。
どうもヤンデレ系の作品は人気が高いようで、「幼妻に包丁で刺されちゃうゲーム」もかなり上位にいつもランクインしていました。

次に挙げるのはノベルゲームと関係がなさそうでありながら、実は密接に関係があるというw
いや、あの、私の大好きな声優さんのお名前ですw 商業作品などで活躍されていらっしゃる方ですね。彼女の情報を目当てにこのブログにたどり着いた人は、さぞがっかりした事でしょうw

ま、大体、こんな所でしょうかね。
あんまり数を上げすぎても疲れちゃうし。

何となく、なんですけれども、やっぱり尺が或る程度長い作品って、人気があるように思えます。私自身は最近、短編がとっても好きなのですけれども。
私も毎日毎日アクセス解析を見ているわけじゃないのですが、たまに見ると、面白いですよね。「何でこんなキーワードでここにたどり着くんだ……?」というようなものがあったりしてw



■そんな訳で来年の展望

正直、今、まだ体調が万全ではないので、「来年、どうすっかな」と考えてみても、何となくダウナーな感じにw 
ただ、まぁ、アレですね、もうちょっとのんびり更新、のんびり管理が出来るように上手く色々出来たらいいなぁ、とは考えています。何だかんだで、結構沢山フリーのノベルゲームを紹介した(そして遊んだ)ような気もするし、それが良い事なのかどうか分からないけれども、2009年は少し護りに入るというか、保守していくような、そういう方向にシフトしようかしら、と。


この歳になると、将来の事を考えると憂鬱になってきますw 「死んだら、俺は無縁仏か……」とかさw 死んで全てが処分されてしまっても流石に困るので、家宝の類は美術館、博物館か何かに寄贈しちゃおうかな、なんてかなり本気で考えています。
少なくとも、そうすれば、私が死んでも名前は残る……かもw

正直、修道院か何かに一生涯籠もるような、そういう生活に憧れがなくもないわけで、そんな方向も模索しつつ来年も何とか生きていければうれしく。修道院にネットが繋がっていればベストなんだけども、って全然俗っぽいですなw



■一つの歴史の終わり。そして新たな歴史の始まり。

と、大層な小見出しをつけておいてなんですけれども、実はラノベの話です。
『マリア様がみてる』で、ついに祐巳ちゃんと祥子様編が終了してしまいました。ここまでくるのに全部で30巻以上の時間が費やされているわけで、何だか相当しんみりとしてしまいました。
ラストは予想していたよりも湿っぽくならず、スッキリと終わって、却ってグーな感じがしましたが、お読みになられた方は如何だったでしょうか? 

ただ、ここまで長くなっちゃうと、或る意味『サザエさん』的というか、定番のお約束みたいなものが随所随所に出てきてしまっているわけで。
ただ、元々このシリーズは確か乃梨子視点のお話の短編がそもそもの発端だったわけで、或る意味で、正しい位置に戻ったのかな、という気もしないでもない。
相も変わらず、このシリーズは続くみたいですし、まだ祐巳ちゃんもちょこちょこと出てくるでせう。祐巳ちゃんも晴れて紅薔薇さまになってしまいましたね。ただねぇ、こう、私としては志摩子さんをですね、もっとこうフィーチャーして欲しいわけですよ。あたしゃ昔から白薔薇属性なので、聖様―志摩子―乃梨子の三羽がらすが一番好き。
何しろ、携帯電話のメールブロックっていうんですか? あの後ろから覗かれないようにするヤツ。あれも、私は別に覗かれて困るようなメールをやりとりしたりしているわけでは全然ないのに、「白薔薇メールブロック」を使いたいが為にわざわざ使っているというw

や、ただね、そんなに悪いデザインじゃないのよ? うっすらと白い透明なフィルムだけれども、真ん中にリリアンの紋章がついていて、その下に「La vierge Marie vous regarde」と書いてあるだけのシンプルなモノ。フランス語が分かる方は既にお分かりでしょう。そう「マリア様がみてる」と書いてあるわけですw 「La vierge Marie」がマリア様、「vous」は目的語で「あなた達」とか二人称複数を表していて、「regarde」は動詞で「見る」です。
英語と違って、フランス語は目的語が動詞の先に来たりします。I love youを表す、「Je T'aime」もjeが「I」に相当し、T'は本来Tuなんですけれども、省略形になっています。これは「You」。で、aimeは「love」。こういう順番になるわけですな。

で、まぁ見た感じ割と上品なデザインですから、誰もラノベ発祥のアイテムだとは気がつかないw 今も売ってるのかしら? 中々素敵な一品ですので興味のある方はどうぞ。



というわけで、今年もボチボチお終いです。
それでは、良いお年をお迎え下さいまし。
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by s-kuzumi | 2008-12-31 03:14 | 日々之雑記 | Comments(2)
2008年 12月 29日

なんてことない日々之雑記vol.162 ~今頃年賀状~

道玄斎です、こんばんは。

本当なら、二日くらい前に書いて、投函しておきたかった年賀状、急遽風邪にて寝込んでしまった為、今頃必死に書いていますw
幸い、100枚とか書く必要はないので、ちょっと無理して頑張れば何とか何とか。それに大抵、皆さん都内にお住まいですから、明日朝一番で出してもきっと元旦には届くでせう。

けれども、色々と問題が……。
というのは、年賀葉書だけは実はとっくに購入済みなんですよね。
で、出来れば、イラストとかがごちゃごちゃしていて、直筆で書く欄が少ない方が私としては嬉しいので、適当に販売している人に「イラストとかが大きくて余白の少ないヤツを10セット」とか、そういう買い方をしています。

去年まではそれでバッチリだったんです。
けれども、今回はちょっとマズい事に。
いや、その……余白なんですけれども、レイアウトの都合上、文字を入れる部分を「横書き」にしなければいけない感じなんですよ……。で、私は横書きが大の苦手。文字を書くときは縦書きじゃないと、どうにも格好が付かないという。元々の悪筆に加えて、縦書きオンリーな人間なので、「これは困ったぞ……」と。

けれども、無理矢理、イラストに被さるようにして縦書きで試しに書いてみました。
まぁ、別にイラストに文字が掛かったってさしたる問題はなかろう、という訳です。
けれども、来年はどうやら丑年らしくて、イラストも丑=牛です。牛ってのは白に黒の斑紋が入ってるわけで、文字がその斑紋に掛かってしまうと読めなくなってしまうのでした……。

更に牛が一頭書いてあるだけなら、そいつを抜かして文字を続けていけば良いのですが、悲しい哉、この葉書、牛以外にも、白黒のネコとダルメシアンもどきの犬みたいなヤツも印刷されているというあり得ない図柄w しかも牛の上に犬(らしきもの)、その上にネコ(らしきもの)、更にその上にもう何だか訳の分からない物体が載っているw
つまり、縦長に、黒の斑紋が並んでしまっているんですねぇ……。本格的に墨とか磨って、筆で書けば或る程度は格好が付きそうですけれども、残念ながら私は万年筆派です。色は真っ黒ではないのが救いですけれども、ブルーブラックですから、黒の上に重ねて書くとやっぱり、ちょっとねぇ……。

しかも、こうやって書いてる時に限って、インクが切れるわけですよ。
で、カートリッジ式ならガチッと新しいカートリッジを入れてやればすぐに使えますが、ワタクシの使っている万年筆は、吸い上げ式なので、インク瓶にペン先を浸して、ペンの後ろ側を捻ってインクを注入してやって、更に余分なインクを落として、一旦ペン先を綺麗に拭いてと手間が掛かります。
普段使っている分には、そういう手間暇って、結構楽しいのですけれども、こういう時間に追われている状況だと何だかイライラするw

万年筆自体は、分不相応な良いものを使っています。
モンブランのマイスターシュテュック146というヤツです。インクの詰め替えであれこれ面倒はあるのですが、やっぱり抜群に書き心地が良いですねぇ。セーラーとか色々なメーカーのものも使っていたのですけれども、どうにも書き心地が悪くって、結局、ここ数年こればっかり使っています。

そうそう、実は、侮れないのが、文房具屋さんとかで300円とかで売っているミニ万年筆ってのがありまして、下手するとリラックマとかのイラストシールが貼ってあったりするんですけれども、あれも何故か書き心地が良いというw いい感じに線が滑らかに書けるっていうんでしょうか? 自分の筆圧とか、持ち癖とか、そういうのに合ってるみたい。
そもそも、万年筆の筆先って、使っていくうちに自分用にカスタマイズされていくものなんですけれども、ミニ万年筆は最初っから使い心地が良好という不思議な品。難点は、ミニ万年筆ですからどうしても短くて、少し握りにくかったりする点ですかね。
けれども、中々のモノなので、文房具屋さんで見かけた際は是非おためし下さい。

さて……残りの年賀状、書いてきますか……。
それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-12-29 00:51 | 日々之雑記 | Comments(0)
2008年 12月 27日

なんてことない日々之雑記vol.161

道玄斎です、こんばんは。
昨日からずぅっと伏せっていましたw



■病気収め?

というわけで、昨日、目が覚めたらとっても怠い。
ぼぉっとするというか、熱っぽいというか……。体温計で熱を測ってみたら37.5℃くらい。
こりゃ、駄目だわ……と思って、そのまま一日中寝ている事に。されど、熱は上がる一方で、38℃くらいまで上がってしまいました。

怠い体を引きづって、コンビニに行き、ビタミンウォーターとかポカリとかを買い込んで、それをちびちび飲んで体力回復を図ります。
で、今朝、37.3℃くらいまでになって、かなり楽になってきたので、医者に。

朝・夕に呑む抗生物質とか、何故か漢方とかが処方されました。
で、帰宅して漢方と解熱剤を飲んで眠ったら、かなり体調がグッドに。というわけで、まるまる一日ぶりくらいにパソコンに電源を入れるという。

大体、この時期、私はいっつも病気になりますw
いや、年中病気になってるという説もあるのですけれども……。

確か、昨年もこの時期に休日診療とかに行ったんじゃなかったっけ? あれはもう年明けだったかな?? 昔馴染みからいつも言われるのは「おまえはいつも冬になると、何かしら良くない事が起きるよね」と。
確かにその通りです。肺炎になって緊急入院したり、結婚しようと思っていた相手に振られたりw 主に病気系が多いんですけれども、占いとか風水だとかが好きな奴に言わせると「誕生日前後の月は抵抗力が弱まる」という事らしい。私の誕生日は12月ですから、十一月、十二月、一月の正に冬真っ盛りの時期は鬼門に当たります。

そうは言っても、今年は何となく病気にならない感じがしていただけに物凄くがっくりです。
十月、十一月がかなり元気に過ごせたので(忙しかったけれども)、「もう無事に年越しが出来る」と早合点していました。

大分、体調は良くなったものの、まだ本調子ではないので、今日くらいは大人しく眠っていようと思います。


それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-12-27 17:00 | 日々之雑記 | Comments(0)
2008年 12月 26日

なんてことない日々之雑記vol.160

道玄斎です、こんばんは。
今年も見事に色気のないクリスマスを送りました。
やったことと言えば、酒かっくらって、ノベルゲームについてぐだぐだと管を巻くという、まぁ、いつもの事を……。

んでもって、だめ押しで、つい今さっき自宅でも酒を飲むという暴挙に出ましたw
今日、外で呑んだのは「浦霞」。自宅で呑んだのは「出羽桜桜花吟醸」。そういえば、夕方くらいに歯医者に行ったのですけれども、虫歯じゃありませんでした。所謂知覚過敏というヤツです。「シュミテクトを使ってみて下さい」と言われて終了。けれども、しっかり看て貰って良かったです。安心感って結構重要。



■この時期の風物詩

クリスマスが近づいてくると、東京では、ある光景を良く目にします。
それは「終末の日は近いです」とかそういう看板を持った人々と、その団体の街宣車(?)。

今日は私は新宿に居たのですけれども、渋谷とかでも同じ人たちが同じ看板を持って活動しているハズです。
コレを見ないと「年末」って感じがしなくなってしまうくらい、お馴染みの光景になってしまっています。

聖書の文句を喋ったりしている所を見ると、キリスト教系の団体と思しいのですが、何故かこの時期に集中的に現れる団体なのでした。
まぁ、たまに新宿とかだと交差点の向こう側に居たりするんだけども。

これは単なる雑感というか感想なんだけれども、何となくこのクリスマス付近に現れるこのキリスト教系の団体は、「暗い」感じがw 別にクリスマスじゃなくても活動している救世軍なんかは割と明るい感じがするじゃない? ラッパみたいの演奏したりさ。
けれども、例の看板を持った人たちって、何かこう、寂しさっていうか終末感を漂わせているような……。いや、終末の時は近い、とか言ってるから、或る意味、その雰囲気は正しいのかもしれないw

けれども、一般人の目から見ると、暗く活動しているよりも、明るい活動をしている方が安心感があるっていうか。ほら、宗教って多かれ少なかれある種の不安から生まれるわけで、その宗教に入っている本人達が一番不安そうだと、やっぱり、ちょっとね。

そういえば、キリスト教で思い出しましたが、最近本を買いました。『黒い聖母と悪魔の謎』という本。講談社の学術文庫から出ていますから、しっかりとした本です。
キリスト教の解説書とかではなくて、キリスト教美術のイコノグラフィーとか、そっち系の本ですね。勿論、キリスト教についても語られていて、ちょっとした読み物としても面白いと思いますよ。

ちょっと変わったキリスト教美術の表現は、どのようにして生まれてきたのか、みたいな。そういう感じ。旧約、新約のタイポロジーについても載っていたりして、キリスト教に関心のある人は勿論、西洋美術に興味のある人にもお勧めの一冊。



そんな感じで今日も何事もなく終わっていきます。
今日は疲れたので、そろそろ休みます。それでは、おやすみなさい。
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by s-kuzumi | 2008-12-26 00:53 | 日々之雑記 | Comments(6)
2008年 12月 24日

フリーサウンドノベルレビュー 『今宵サンタは街角で。』

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今日の副題 「一人で過ごすクリスマスにも」

※吟醸
ジャンル:クリスマス短編ノベル集(?)
プレイ時間:一時間くらい
その他:選択肢なし、一本道。
システム:NScripter

制作年:2008/12/10
容量(圧縮時):28.9MB




道玄斎です、こんばんは。
今日はクリスマスイブ。これを今日読んで下さっている皆さんは、お一人で過ごされているのでしょうか? 私と一緒ですねw
さてさて、今日はとってもタイムリーな作品を。短編集なので取っつきやすいですし、お作りになっている方も定評のあるあのお方。
というわけで、今回は「Fly me to the sky!」さんの『今宵サンタは街角で。』です。
良かった点

・丁寧な描写。良い雰囲気がじっくりと味わえる。

・オムニバス的な要素もあって、凝っている。


気になった点

・私にも、こんなちょっと良いクリスマス、送れたらいいなぁ……w 羨ましいぜ……w

ストーリーはサイトの方を参照して見て下さい。こちらからどうぞ。


というわけで、クリスマス企画のノベルゲームです。
いや、また今年もこの日がやってきましたねぇ……。私ですか? 先にもいいましたけれども、普通に一人で過ごしていますよ? 先ほど日本酒を入手したので、今日はお酒を呑んでグデングデンになる予定。しかも、明日は歯医者に行ったりするわけで(その後、やけ酒呑みだ)、全く色気の無いクリスマスイブ、クリスマスを過ごす事になっています。

さて、そんなちょっと殺伐とした気分だったのですが、本作をプレイしてみると、殺伐さが抑えられ何だかほんわかするような、そんな優しい魅力に満ちた作品でした。
ちなみにイラストは付いていません。背景・テキスト・音楽のみの或る意味でとってもシンプルな作品。だけれども、テキストライティングは流石の一言です。

所謂ギャルゲ的な文章とは違って、もっと一言一言がじんわりと染み渡っていくような、とても巧みな文章ですね。どちらかというと小説に近い感じでしょうか?
しかも描写が丁寧なんですよ。これはやっぱりノベルゲームが「ノベル」である以上、テキストというのは最重要要素なわけで、そこの根幹がしっかりしているからこそ、本作も素敵な作品になっていたのではないかと思います。

先日「絵が見える音」とか、まぁ、そんな話をしましたけれども、本作はイラストが無くても「絵が見えるテキスト」になっているように感じました。
丁寧でリアリティのある描写によって、頭の中にイメージが鮮明に描ける感じ。特に第二話目の女の子がマフラーを巻いて塾から出てくる所なんて、絵を幻視してしまうというか、凄くいい感じです。こういう作品だと却って絵がついていない方が、自由に「自分の理想」を描けるので向いているような気も……。


さて、最初に少し話しましたが、オムニバスっぽい要素もあります。
第一話にちらっと登場してくる人物が第二話の主人公に、そして第二話でのちょい役(本当にちょい役w)が第三話の主人公に、という形で、全四話が微妙に繋がり合っていました。
勿論、第四話が第一話と繋がってくるので、一つの円(縁?)を描いているような、そういう構造。

以下、軽く、各お話について例によってコメントを入れていきましょう。

先ずは第一話。40絡みのオッサンが主役。
オッサンと娘のなんてことないクリスマスイブを描いた作品です。けれども、娘が「サンタクロースってほんとうにいるの?」と、無邪気にして深淵な問題を父親に問い掛けるという。
敢えて結論部分は伏せますけれども、とっても良い雰囲気で、恋愛とかではないけれども、じんわりとくるような優しいストーリーが魅力。ちなみにクリア語の後書きで、この「サンタクロースは実在するのか?」という問題を、アメリカの八歳の女の子が新聞に投書して記者が答える、というお話を知りました。
wikipediaで見ることが出来るのですけれども、アメリカってのはこういう所が凄いですよねぇ。新聞記者がこういう問い掛けに対して、凄くマジメに、そして真摯に解答しています。しかも上司が指示してちゃんと返事を書かせたっていうんだから、大したもんです。
こういうのって中々日本じゃ、お目にかかれませんからねぇ……。


さて、第二話。
これは中学生の淡い恋愛を描いた、ちょっといい雰囲気の作品。
クリスマス企画のノベル、と聞いてまっさきにイメージするような感じでしょうか? けれども、お互いがお互いの気持ちを確かめ合って、恋人になる、というようなものでもなく、恋人への階梯を一歩踏み出したというくらいの、淡くそして甘酸っぱい作品。何しろ、まだ携帯電話の番号すら交換していない二人なのですから!!

主人公の男の子のちょっとヘタレた所とかもリアリティがありますし、これも先ほど述べましたけれども、女の子のさりげない仕草がとっても素敵。


第三話は、ちょっと共感指数が高い感じですね。
彼女が居ない大学生のお話。私同様にやけ酒を飲んで、くだを巻いている所に同じゼミの女の子がやってきて……。
って書くと、この二人の恋愛譚が進行しそうですけれども、そうじゃないんですよねぇ。そこが本作の良い所。少しだけ角度を変えて見てみると、クリスマスって中々いいじゃない? って思えるようなそんな作品でしょうかね。

第四話はラストをシメるのに相応しい作品でした。
私は嫉妬しまくってしまって、読んでいて「痛い! 痛い!」と叫びながらプレイしましたw
大人の恋愛を描いた作品です。勿論、主人公は彼女持ち。で、その彼女がとっても素敵なんですよねぇ……。風邪を引いた主人公の為にご飯を作りにきてくれたり、少し地味で眼鏡を掛けてるなんて病者で語られる彼女は当然、私の直球の好みだったりするわけですが。。


短編ですから、あんまりネタバレをせずに、是非是非ご自身でプレイしてその結末を確かめてみて下さい。
全体を総括すると、クリスマスイブ/クリスマスという日に焦点を当てているのですけれども、その日だけ奇跡が起きるとか、そういう刹那的な感じではなくて、クリスマスを一つのきっかけにしながら、その先が微かに見えるようなストーリーの展開で、素敵な作品集になっていたのではないかと思います。

クリスマスイブ/クリスマスを誰かと過ごす人も、一人で過ごす人も是非プレイしてみて下さい。優しい気持ちになれる事請け合いです。

で、明日暇な人が居たら、新宿南口に午後七時に集合w
やけ酒呑もうぜ!! 詳しくはkazenitsurenaki あっとまーく gmail.com まで。
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by s-kuzumi | 2008-12-24 17:37 | サウンドノベル | Comments(2)
2008年 12月 24日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『黒い都市伝説』

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道玄斎です、こんばんは。
先ほど、デスクトップを片付けていたら(というのも、物凄い数のフォルダやファイルが散乱していたのです。間違いなく100個以上のアイコンが……)、ダウンロードしておいたゲームを発見。しかも、超短編集と銘打ってありますから、さらりとプレイしてみたら、意外にも面白くて。
ただ、まぁ、短い作品ですから、今回は番外編、という事で。
というわけで、今回は「語らいの一時オンライン」さんの『黒い都市伝説』です。


私は、結構都市伝説とか、怖い話とか好きなんですよね。
昔、怪奇スポット巡りが趣味だった事もあったりして。尤も恐がりですから、日が照っている時しかそういう所にはいかないのですけれども。。

で、本作は「都市伝説」に焦点を当てた作品でした。
全部で三本、うんと短い都市伝説が収まっています。オリジナルのものもあるのですが、一方でお馴染みの都市伝説を現代風にアレンジしたものなんかも入っていて、結構楽しめます。正直、オチを知っていても凄い怖いんだけどもね。

あからさまな「妖怪」とか「お化け」とかよりも、都市伝説のように、日常空間と接点の強い怖い話(不思議な話)の方が、リアリティという面では上ですし、本当かどうか分からない、という近松門左衛門の虚実皮膜論的な面白さがありますよね。

タイトルとか内容をバラすと、一発で分かってしまうので、敢えて伏せながらお話しますと、第一話目が、著名な都市伝説(確か、アメリカ発だったかな?)を現代日本に舞台を移してアレンジしたものです。
すぐに「あぁ、あの話だな」と気がついたんですけれども、やっぱりラストは怖いですねぇ……。現代の日本では、より怖さが増すというか……。いや、怖いというよりも、ぞぞぞっとするような……。
ちなみに、全部読み終えると「解説」を読むことが出来ます。この第一話目に関連して「チフス・メアリー」の話がちらりと出ていましたけれども、あれはメイドさんなんですよね。

所謂キッチンメイド的なお仕事をしていたメアリーさん。だけれども彼女が働くと何故かチフスが発生するというw 私の記憶が確かならば、当局の方から「お前はもうキッチンメイドになってはいかん」と言い渡されたのに、懲りずにこっそりキッチンメイドとしてまた働いて、やっぱりチフスを発生させるという、或る意味凄い人です。
新聞とかにも載ってたんじゃなかったかな? メイドの歴史を繙いていくと必ず、この人にぶち当たるので、知っている人も多いかもしれませんね。 今、試しに検索を掛けてみようとして「チフス」と入力した時点で、検索の補完機能が働いて「チフス・メアリー」を出してくれました。
wikipediaにも記事があるので、興味のある方は是非、見てみて下さい。

っと、また脱線してしまいましたね。
で、第一話目以外に、第二話、第三話と三つのお話が収録されているのですが、第二話、第三話はオリジナル創作です。特に第二話なんて、実在していそうなお話しで、ちょっと面白いですね。第一話目ほど一発で「うわ、こわっ!」と感じるわけではないのですが、一瞬だけ考える時間があって、それから「うわぁ……」となるような遅効性タイプ。
スナッフムービー(スナッフフィルムとも)を絡ませたあたりに凄いセンスを感じました。

第三話目は、ちょっと怖いというよりも、かなりコミカルなお話に。
まぁ、実際プレイしてみて下さい。ノベルゲームばっかりやっている私には人ごとには思えませんね……w ただ、殆ど全年齢対象のものばかりやっていますから、私がそれで死ぬとしたらきっと「萌え死に」というヤツでしょうw それは或る意味本望。

どうやら、徐々にお話の数が増えていっているみたいです。
お馴染みの都市伝説とオリジナルのものを織り交ぜて、全部で30話くらいあったら、かなり楽しめるように思えますよ? あれ? ただ、今サイトの方を見ていたら、本作についての記述がないですねぇ……。一応、ベクターの方のリンクを張っておきましょう。こちらからどうぞ。


うんと短い作品ですから気軽にプレイしてみて下さい。都市伝説マニアも是非。
で、都市伝説に興味を持って、面白いお話を見つけたら、是非私に教えて下さいな。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-12-24 02:01 | サウンドノベル | Comments(0)
2008年 12月 23日

フリーサウンドノベルレビュー 『ザ・遭難』

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今日の副題 「結構ギャグが効いてます」

ジャンル:遭難ノベル(?)
プレイ時間:小一時間くらい。
その他:選択肢なし、一本道。
システム:NScripter

制作年:2008/12/16 (?)
容量(圧縮時):3.20MB



道玄斎です、こんばんは。
大分、レビューのペースも上がってきた感じはしますが、もう暫くは割と短めのものを中心にプレイして、肩慣らしをしていこうかと。
今日ご紹介致しますのは、タイトルが全てを示しているというw 所謂遭難モノです。
割と、遭難から始まる作品ってありますよね。遭難してたどり着いた村が、昔ながらの生活を続けて居たとか(『一籠の眼』でしたっけ?)、或いは廃墟を発見してそこでホラー的なシナリオが進行していくとか。
そういう、遭難を視点としてストーリーが展開していくわけではなく、今回の作品はそのものズバリ遭難を扱った作品でした。
というわけで、今回は「昭和ソフトウェア開発局」さんの『ザ・遭難』です。
良かった点

・主人公の悲惨さに伴うギャグが結構面白い。


気になった点

・ラストがちょいと締まらなかったかも

ストーリーは、ふりーむ!の紹介文を載せておきましょう。
主人公である男子高校生のけんじは、週末に部活仲間の女の子と山に向かったが遭難してしまった。そんな中で、お菓子をめぐって口ゲンカが起こり、最悪な状況となってしまう。果たして、主人公は・・・ハッピーエンドが好きな方はどうぞ。

こんな感じのストーリーになっています。


タイトルが妙に力強いですねw もう、タイトルが作品の全てを表しているというか……。
ストーリーを読んで貰えば分かるように、埋蔵金ほしさに友達と山に探索に行くも、遭難してしまい、食料も無くなって……という状況で起こる心理劇みたいな、そういう感じでしょうか?

極限状態に陥って、イライラギスギスしていく人間関係。そこらへんに本作のテーマがあるようです。
ただねぇ、こう、山で遭難して三日くらいじゃ死なないと思うんですよw 水が無くなってしまうと人間は割と早く死んでしまうのですが、食べ物に関しては半月くらい食べなくても、何とか生きていけるハズです。実際に遭難したら、先ずはやっぱり水の確保が需要なのかも。
或いは、火をたいて人に知らせるとか、色々手段はあるかと思います。こういう時、持っていると便利なのは刃物の類。ちょっとしたナイフがあるだけで、全然違いますからね。

さてさて、本作の面白い所は、主人公のちょっと笑える悲惨な状況にあったりしますw
あんまり語ってしまってはアレなんですけれども、食料をみんなで出し合う時に、彼は自分の大好物の「高級酢コンブ」は供出せずに、こっそり隠してしまいます。
ですが、その酢コンブを隠している事はすぐにバレてしまって……。この辺りの妙なドキドキ感、結構面白いです。ウソをついて人を出し抜こうとした時に生じる、妙な後ろめたさと、それを見抜かれる時の何とも言えないバツの悪さ……。意外な程リアリティがあるように感じます。

気になった点は、まぁ、それなりにあるのですけれども、シメの部分と微妙になげやりな所がある点でしょうかね。
先ずは、投げやりな部分から。いや、結構笑えるかもしれないのですけれども、登場人物の一人であるたまみの妹も、この埋蔵金探しに付いてきます。が、彼女の名前がなんと「あほみ」というw 何か妙に脱力してしまうような確信犯的な投げやり具合w
他の登場人物が、主人公のけんじを初め、のぞみとたまみですから、ネーミングにおかしな点はない。けれども「あほみ」なる謎の存在が……w

シメの部分も、本当にハッピーエンドだったのかどうか、ちょっとね。
もう五分延長して、たまみやあほみとの和解があるなり、主人公の質的な意味での成長を見せてくれても良かったかな、と。
何となく、収まりが悪いというか、シメ感がないので、そこらへんを改良していけば、もっと一個の作品として纏まったものになったのではないでしょうか?
やはり、少し中途半端に終わってしまった印象はあります。


とはいえ、シンプルな内容ですし、結構笑える部分が多いので、そういう部分に着目しつつプレイするのが吉。
あんまりストーリー的に展開はしないけれども、軽い読み物として楽しんでみて下さい。


それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-12-23 20:14 | サウンドノベル | Comments(0)
2008年 12月 22日

なんてことない日々之雑記vol.159

道玄斎です、こんばんは。

少しまた、以前のように色々ゲームをご紹介出来る気配がちらほらと出てきました。
久々に(番外編を入れて、ですが)二本連続でレビューを書いてみました。
方ややり込み指向、方や気軽に楽しめる超短編と毛色は異なりますが、久々にゲームの没頭出来て楽しかったです。

まだまだストックがありますから、徐々にペースを上げていけたらなぁ、なんて考えております。



■お酒が届いた

というわけで、注文しておいた年末・年始用のお酒がやってきました。
『百年の孤独』や『野うさぎの走り』とか、ちょっとミーハーなものにプラスして、もうちょっとお値段の安い焼酎を何本か、そして日本酒も。

当分、これで酒浸りになりそうですねぇ……。
とはいえ、年明け前に呑みきってしまうと問題ですから、また近々酒屋にでも行って、適当なお酒を買ってこようと思います。最近、ご無沙汰していた日本酒『明鏡止水』も年始用に買っておこうかしら? やっぱり年始は焼酎じゃちょっと締まらないですよね。ここはやはり日本酒で……。

まぁ、今もちょっと軽く一杯呑んで、ちょっぴり酔っているのですけれども、軽めに一杯呑んでほろ酔い気分というのが一番良いですね。

そういえば、昨年の今頃は確か四国に居たような……。
道後温泉に入ってお酒を呑んで、饂飩を食べてお酒を呑んでと、何しに行ったのか全然目的を忘れているという……w
色々、あちらのお酒も呑んでみたのですけれども、個人的に気に入ったのは「櫻うづまき」なるお酒。鳴門のうづしおと掛けているのでしょうか? 確か、そこらへんの魚介料理がウリの居酒屋で飲んだのですが、とっても美味しかった気が。

やはり、向こうはお魚が美味しいですね。
鯛飯なる料理もとっても美味しかったです。お酒が進む……。
ただ、この鯛飯、どうやら2種類あるようです。鯛の刺身をご飯に載せたれを掛けてかき混ぜるタイプ(たれも醤油っぽいもの、ごまだれ系のものがある)、そして鯛を出汁とご飯と一緒に炊き込んだ、鯛の炊き込みご飯系のもの。
どちらも大変美味で御座いましたよ。ただ、東男としてはたれを掛ける方が、好みかも。

思い出したら、ちょっとお腹が空いてきました。
また、軽くお酒でも呑みつつ、おつまみでも食べてくると致しましょう。


それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-12-22 22:33 | 日々之雑記 | Comments(0)
2008年 12月 21日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『傘とひよこ』

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道玄斎です、こんばんは。
今日は少し気力が萎えていたのですけれども、ストックしてあったゲームの中でさっくりとプレイ出来そうなものが見つかったので、ちょこっとやってみました。
大体、十分もあれば全てのエンドを見ることが出来ると思うので、久々に番外編。

というわけで今回は「空想庭園」さんの『傘とひよこ』です。


本当にさっくりとプレイ出来るのに、ちょっとニヤっとしてしまうような恋愛描写が堪りませんね。何だか乙女チックで、とってもオイシイ10分間だけ切り取ったような、そんな感触です。

先ず、プレイし始めていきなり笑わされましたw
というのも、ちょっとカッコいい青年の「プリンが食いたい」という、何だか妙に間が抜けたセリフから本作がスタートするからです。
イラストもちょっとアニメのセル画っぽい感じでパキッとした感じなんですけれども、レベルは高いと思います。

で、そのプリンが食べたい男の子を操って、ゲームは進行していくのですが、いくつか選択肢がありエンドが四つに分岐します。と、言っても番外編に載せるくらいなので、全部見たとしても10分くらいでしょう。読むのが早い人だったらもっと短時間で済むはず。

一応、ヒロインが出てくるわけですけれど、ちょっと内気で頭が良くて、それでもって地味な感じという描写がされていて、私の好みのタイプでしたw 別に内気属性はあってもなくてもいいのですけれども、やっぱり女の子は派手なのよりも断然地味なタイプの方がいいですねぇ。
お化粧で言うと、お化粧しているのかどうか分からないくらいの薄化粧。そういうのが私のストライクです。

男の視点で全てのルートを見ると、エクストラとして、女の子視点から本作のトゥルーエンドを捉え直していく事が可能に。
やっぱり、別人物の視点から、今まで見た物語を捉え直していく場合、本作のように、トゥルールートのみとか、そのくらいに焦点を絞った方がプレイしやすいですねぇ。

作品の中身ですが、恋愛未満といった感じで、ちょっぴり甘酸っぱいものになっております。特に女の子視点から見ると、「あぁ、若いっていいなぁ!!」と思わずため息が出てしまうくらい。
それに加えて、作者様は女性と思しいのですが、女の子の生活にリアリティがあるというか、そういう所でも好印象。
本当にさりげない描写ですけれども、女の子同士のグループの存在とか、その辺りに軽く言及するだけで、物語とは直接関係がなくても作品にリアリティが生まれてきます。

私自身はそんなに気にならないのですけれども、王道的な学園恋愛モノって、ヒロインの女の子は何故か主人公(+その悪友)とばっかりつるんでいて、リアリティという面から見ると、ちょっとね、と思ってしまう人もいるみたいですよ。けど、そうしないと中々ストーリーって進展しないからねぇw


うんと短い作品ですけれども、恋愛未満の甘酸っぱい一場面を切り取ったような、そんな作品でした。雨が降っている日にプレイすると、ちょっと雰囲気が出るかも?

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-12-21 22:59 | サウンドノベル | Comments(0)
2008年 12月 20日

フリーサウンドノベルレビュー 『LIEBENDER』

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今日の副題 「メイドさんのギスギス具合が最高です」

※吟醸
ジャンル:吸血鬼型恋愛ADV(?)
プレイ時間:一ルート、2時間半くらい。
その他:選択肢アリ、バッドエンドを含め大量のルートが。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2007/10/10
容量(圧縮時):73.9MB



道玄斎です、こんばんは。
昨日、ちらりと予告しておいた通り、今日は久々のレビューを。これもご紹介頂いた作品ですね。メイドと女主人公とのギスギスした会話が最高、という事で、嫌が応にもプレイしてみたくなりました。実際、物凄くギスギスしていて、とっても私好みでしたよ?
というわけで、今回は「S STYLE」さん、そして「TYG ZONE」さん共作の『LIEBENDER』です。
良かった点

・物凄く手間暇が掛かったであろうと思われる作り込み。

・どれもちょっと陰を落とすようなエンドで、そういう作品が好みの人にはもってこい。


気になった点

・ちょっとドロドロっとした雰囲気があるので、長時間プレイは精神を消耗させますw

・兎に角コンプリートまで物凄い根気が要る。

大体、こんな所でしょうか?
難易度も結構高めで、攻略情報無しでプレイすると、コンプリートは相当に難しいと思われます。やり込み派にはたまらないかもしれませんね。

さて、ストーリーの方ですが、特設サイトの方を見て頂くのが一番手っ取り早いかな、というわけで、こちらをご参照下さいませ。


いやぁ、長かった……。
ご紹介頂いてから、随分と時間が経ってしまったのですけれども、今は物凄い達成感があります。メイドとのギスギスした会話、というそれだけで惹かれてプレイしてみたのですが、ちょっとダークな雰囲気、エンド中々好みでした。

そして、物凄く手間暇掛けて作られたなぁ、と率直に感じました。
というのは、オープニングのムービーからして凄い力が入ってるんですよね。作品の内容が吸血鬼の住む館に、生け贄として連れてこられたマリーが「リミット」までそこで生活をしていく、というようなものでありまして、イメージとしては中世ヨーロッパな訳です。その中にストックホルム症候群的な要素が入ったり、恋愛ストーリーが進行していったりします。うんっと手っ取り早く、枝葉末節を無視して纏めれば、吸血鬼との恋愛モノという見方も出来るでしょう。
で、それに合うように、オープニングのテーマ曲も、ちょっとゴシックな感じのするヴィジュアル系バンドの音楽みたいのが流れてきて、しかも何か凄い雰囲気が出ていて、とっても良かったですよ。

音楽と言えば、このオープニングなどの一部の音楽を除いては基本的にクラシックが流れます。吸血鬼の住む館、ですから当然のように『小フーガ』のピアノアレンジが出てきたりして……。こういう音楽のチョイスも良かったと思います。

恒例の脱線に入るのですが、なんて言うか、作品世界と音楽がちゃんと絡み合っていて「絵が見える音」になっていたな、と。んー、ちょっと言葉足らずかな、「ストーリーが見える音」っていう方が適切かも。この二つは分けた方が良さそうです。
で、最近、色々な音楽を聴いてちらほら思うのは、「ストーリーが見える音」と「絵が見える音」という二種類が存在しているのではないかと、いう事。クラシックでも民謡でも、或いはポピュラーミュージックでも、こういう分け方って出来そう。

例えば、何かやったらめったら豪華というか、豪奢な感じがするピアノ曲ってのがあるじゃない? あれは「絵が見える音」。「絵が見える音」っていうとちょっと分かりにくいかもしれないので、もうちょっと馴染みのある表現にすると、『新古今和歌集』的な音w
何か、ストーリーの中のオイシイ所を切り取ったような、そういう感触。
で、一方の「ストーリーが見える音」ってのは、もしかする『新古今』タイプと比べると、或る意味で素朴なものかもしれないけれども、もう少し大きなストーリーが見えてくるような。これは『万葉集』タイプと名付けましょうw ほら、音楽って第一楽章とかあるじゃない? 第三楽章で一つの曲になっているものってやっぱりこうストーリー性があるように思えます。当たり前の話ですけれどもね。

勿論、どっちが良いとか優劣ってのは付けられないし、個人の好みだと思うのですが、私は普通に『新古今和歌集』(文字通りの和歌集)が好きなので、音楽でも割と『新古今』タイプが好きなんですよね。
けれども、最近、ちょっと『万葉集』が気になっていて、そういう影響で『万葉』タイプの音楽もいいなぁ、なんて思ったりします。

勿論、ノベルゲームでは、その曲が使用される文脈によって『新古今』が『万葉』になったり、その逆もあったりと変化します。けれども、大事なのは作品世界と音楽の世界が重なり合うというか、その感覚ってやっぱり大事なんだなぁ、と改めて本作をプレイして感じました。
久々に、意味不明の脱線をして、個人的にちょっと心地よくなった所で、話を戻しましょう。


先に、オープニングや音楽の面であれこれ語ったわけですけれども、他の部分に関しても物凄く手が込んでいます。作品のシステムを物凄く分かりやすく説明すると『柵の淵』の洋風ヴァージョンという感じかしら? 一定期間の間、主人公(マリーかハインリッヒか選択出来る)が自由に館を探索して、謎を解いていく、みたいな。 例のクリッカブルマップがありますしね。

単純に、時間軸の設定だけでも相当に綿密に作られたんだなぁ、という事が良く分かります。主人公がある場所にいくとすると、その時間、他のキャラクターは別の場所にいたり、主人公が選択した場所にいたりと、凄く緻密に作り込まれている印象。
こういうある時間に誰がどこに居るのか? というのは、視点を変えてプレイする時に生きてくる演出ですね。又、エンドによってもキャラの動きが色々変化するので、そういう部分も楽しみながら。

で、問題のメイドですが、いやぁ、凄く良かったです。
ギスギスした慇懃無礼な感じのメイドさんのロザーリエ。とっても好みでしたw
これは私がメイドさんが好きという事にも関連していると思しいのですが、結構本作ってこのロザーリエを中心に見ていくのが一番面白いんじゃないか、って。
多分、マリー視点では、ハインリッヒのエンドを、そしてハインリッヒのエンドではマリーのエンドを見ていくのが一般的な意味での「トゥルーエンド」という事になるのでしょうけれども、私はマリーの視点でロザーリエのルートを、そしてハインリッヒの視点でロザーリエを見ていくのが一番の楽しみでした。

本当にプレイし終わると、もしかしたらロザーリエのルートこそが本作の一番オイシイ所なんじゃないかな、なんて思うようになってしまうから不思議。
結構、ドラマ性があって、無表情慇懃メイドたるロザーリエには、実はちゃんと「女の顔」ってのがあるわけでして、その辺りのストーリーは最高です。
一点、ロザーリエに関して苦言を言うとすれば、それがメイド服ですw ワインレッドの衣装なんですよねぇ。ここはやはり、ヴィクトリアスタイルのメイド服が欲しかったと声を大にして言おうと思いますw
取り敢えず、彼女の名台詞を紹介しておきましょう。

「わたしはナタは、食料のニワトリをさばく際に使うだけです」

というw
何か、凄い好きなセリフです……w 


さて、前述の通り、マリー視点で、「ハインリッヒルート」「ロザーリエルート」「ディートリントルート」「エトヴァルトルート」と四種類のルートがあり、それぞれ複数のエンドが存在しています。
同様にハインリッヒルートでも「マリールート」「ロザーリエルート」「ディートリントルート」の三つのルートがあり、それぞれに対してエンドが。

大体、一つのルートに対して四つくらいエンドが用意されているわけで、全体で見ると、凄まじいまでのエンド数が有るわけです。
で、どのルートのどのエンドに言っても「ハッピーエンド」っていうのはないんですよねぇ。それなりに幸せになれるルートは存在していても、ちょっと暗い陰を落とすようなエンドで、私はこういうちょっと暗めのエンド好きなんです。「LIEBENDERマリー編」「LIEBENDERハインリッヒ編」というのが所謂、「トゥルーエンド」なんですけれども、明るい感じ、若しくはスッキリとしたものではないというw

愛するが故に殺す、みたいな割と重めのテーマも入ってきて、そういう所に妙に共感してしまうわけですけれども、私が男だからなのでしょうか? やっぱりハインリッヒ視点の方が、思考とかそういう面で共感度が高い気がしますね。



さて、気になった点です。
総じて暗め(最も暗いなぁ、と思ったのはエトヴァルトルートの「草原の二人」というエンド)ですし、エンド数も大量にあるので、相当な長時間プレイを余儀なくされます。
暗めエンドが好きな私でも、連続で色んなルートを見て回っていたら流石に少し、気分が悪くなってしまいましたw 
適度に、休憩を入れつつプレイする事を推奨しておきます。

で、最強の問題は「コンプリートまで死ぬ程根気がいる」という所。
多分、普通に何の手がかりも無いままプレイしていると、全てのルートを見る事は不可能なんじゃないかと思ってしまいます。どの時間帯にどこに行き、何を発見して、何をするのか、そういうかなりシビアな判定によってエンドが分岐するわけで、選択肢総当たりのブルートフォースを使っても、なかなか……。
先ずは、前半部分を無事に過ごすのが最初の課題でしょうか? 結構これも難しいんですよねw

けれども、ご安心召されよ。タイトル画面の「EXTRA」から「Conquest」を選択する事で、攻略サイトに飛ぶことが出来るようになっています。
そこでは、攻略の示唆だけでなく、実際の攻略例まで載っているので、最終手段としてそこに載っている手順でプレイしていけば全てのエンドを回収する事が可能に。私も途中から攻略例を参照しちゃいました。

この「コンプリートまで死ぬ程根気がいる」という点に関してですが、単純にエンド数が多いという問題だけでもなくて、「視点を変えて同じ物語を見ないといけない」という点にもあったりします。
勿論、それだからこそ話の裏側を別の視点から捉える事が出来、物語を重層的に読むことが可能になるのですが、ちょっとダルくなっちゃう部分が存在していた事も確か。結局、視点を変えただけで、ストーリーの内容そのものに変化があるわけではないので。

もう少し、どちらかの視点に比重を置くなりして、視点変更の際には、片一方の視点からは到達出来ないような、そんな二度手間感を阻止するような試みがあっても良かったのかも?
そうした部分がちょっと気になったというか、プレイするのが大変な要因の一つだったと思います。


大体、こんな所でしょうか?
総じてレベルは高いですし、ロザーリエは最高だし、何だかんだでかなり楽しめました。
イラストもね、あまり見られないタイプのものですが、結構表情なんかもよく見ると、くるくると変わって手が込んだものになっていたと思います。

コンプリートまでの道のりは険しいですけれども、プレイする価値のある作品だと思いますよ。やり込み指向のマルチエンド作品がお好きな方には特にお勧め出来ます。


それでは、また。
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by s-kuzumi | 2008-12-20 20:00 | サウンドノベル | Comments(2)