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2009年 03月 30日

フリーサウンドノベルレビュー 『終末によせて』

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今日の副題 「優しい世界の終わり方」

※大吟醸
ジャンル:終末ノベル
プレイ時間:30分~1時間くらい。
その他:選択肢なし、一本道。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:?(結構前だと思う)
容量(圧縮時):8.92MB




道玄斎です、こんばんは。
今日は、何とか新しい椅子が届いて机で作業する事が出来ました。
椅子に座れないと、パソコン使うどころじゃないですから……。
今日は、少し懐かしい作品のご紹介。私も気に入っている作品です。プレイしたのは大分前だったように記憶しているのですが、正確な制作年が分かりませんでした。
というわけで今回は「まつ」さんの『終末によせて』です。
良かった点

・終末の世界を優しく描き出す作品。

・ラストの余韻も素晴らしいものが。


気になった点

・もうちょい稔の自宅の画像など、もう一工夫あっても良かったかも。

ストーリーは、作者様サイト(?)から引用しておきましょう。
選択肢無しのサウンドノベル。

地味に淡々と世界の終末を描いた、やさしい物語。

という感じ。というか、これだけじゃちょっと身も蓋もない感じなので、例によって補足しつつ、筆を進めていきましょう。


実に久々にプレイしました。
多分……三年くらい前? いや、もっと前かもしれません。とにかく結構前にリリースされた作品です。
今回、改めてエンディングのスタッフロールなんかを見てみると2chのスレッド発祥なんでしょうか? でも、お一人で全て執筆なさっているのかな? ともあれ、クオリティの高い作品だったと思います。

タイトルから分かるように、本作は「終末」の世界を描いた短編ノベル。
終末って云っても、「伝説の悪の大王が!」とかそいうのではなくて、2ヶ月前に終末宣言が出され、「あと七日で世界が終わってしまう」そんな世界の物語。

勿論、SF作品宜しく、一人の天才科学者が命を掛けたプロジェクトで以て、人類を救う、といった趣でもなく、ただ終わりの日を待つ、そういう雰囲気の作品なのです。
それゆえ、全体的なトーンは暗めです。だけれども、ジワリジワリと染みこむようにして、入ってくるテキストはそこに暗さだけでなく、「優しさ」といったものも同時に描き出し、感じさせてくれます。

先ほど、「ただ、終わりの日を待つ」なんて書き方をしてしまいましたが、実は違うんですよね。
何人かの視点で以て、物語が進んでいきます。稔やさち、さちの兄や由紀といった人物がそれぞれに出会い、交差していく中で、穏やかに終末を迎えていく、というのが本当の説明。
あっけらかんとした明るいハッピーエンドよりも、ちょいと暗い感じのものが私は好きなので、以前にプレイしていたものの、今回もズズっと作品の中に入り込んでしまいました。

少しプレイしては、場面を咀嚼してみたり、何となく珈琲を飲んでみたり、とじっくりじっくり読みました。
本作の最大の特徴にして、その良さは、終末だけれども、いや終末だからこその人の優しさというか、人間への愛というか、そういうものを描いている所にあるのではないかと思います。
演出面も実は結構凝っていたのではないかと。例えば、作品のぴったりのピアノ曲が流れたりして、良い雰囲気を出したりするのですが、実は「無音」部分が多いんですよね。
無音部分があるからこそ、ピアノ曲であったり、或いはラスト付近の盛り上がりで流れる曲が胸を打つ。

正直、私自身は、本作に対して不満な所って実はあんまり無いんですよ。
だけれども、いつも「気になった点」を挙げておいて本作だけ挙げないわけにはいかないので、敢えて画像の所を挙げてみました。本作の主人公(の一人)である稔のアパートの画像ですね。
今となっては、と但し書きを付けるべきなのかもしれませんが、お馴染みの画像だったりします。例の背広が窓の所に引っかけてあるあの画像です。もうちょっと違う画像でも良かったかな、と思うのはリリースから大分経ってしまっているから、なんでしょうけれども、まぁ一応、という事で。

で、実は、本作には謎があります。
それは「何で終末になったのか?」というその原因や理由が一切明かされません。
良く分からないけれども、「終わりの日」は算出されていて、ゲーム開始時から見て、「七日後」になっています。SFなんかでありがちなのは、テクノロジーが未曾有の発展を遂げて、人間そのものが無気力になってしまったとか、どっかの国が軍事用に作った細菌兵器などによって、ジワリジワリと人類が死亡していっているとかです。

ですが、本作の場合、設定のキモである終末に関しての情報は、「2ヶ月前に終末宣言が出た」事、そして「あと七日で世界が終わる」という二点のみしか明らかになりません。もしかしたら、その点気になる人も居るかもしれません。
しかし、私は「だからこそ本作は良いんじゃないか?」と思ってしまうんですよ。それは先に述べた通り、本作の主眼は「終末」そのものにあるのではなくて、終末を迎えるに当たっての「人間の優しさ」とか或いは「儚さ」とかその辺りにあると思っているからです。ですので、そうした終末に対する説明が無い、というのは「無駄をそぎ落とした結果」なんじゃないかな、と。
ですから、本作は構造というか、そういう面で無駄が無く、或る意味で淡々としていながらも、実は中身が沢山詰まっている、そういう作品だと思っています。うんと軽薄な云い方になってしまうんですが、本作は紛れもない「感動もの」の作品です。

ゲームの中とはいえ、終末というもの、そして、自分の人生の終わりなんかを考えると、自分がすべきこと、或いは自分の生き方なんてものが、ほんの少しかもしれませんが、見えてくるかもしれません。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2009-03-30 21:36 | サウンドノベル | Comments(8)
2009年 03月 28日

なんてことない日々之雑記vol.192

道玄斎です、こんにちは。
何か、妙に疲れちゃって、昨日はゲームをやる気力が湧きませんでした。
つい先ほどまで昼寝っしちゃったり、どうも疲れが溜まっているようです。季節の変わり目は体調を崩す事が多いので、是非、皆様もお気を付け下さい。



■ウインドウサイズについて考える。

横になりつつノベルゲームのウインドウについて考えていました。
大体、現行のノベルゲームは商業・同人・フリーのものも含めて640x480、800x600とかが多いと思われます。稀にデフォルトでフルスクリーンのものとかもあったりするけれども、私自身はフルスクリーンは何となく好きでなく、他の方の話を伺っても、今ひとつ……という状況のようです。

中には、こうしたウインドウサイズの“標準”に拘らずに、もう少しデザイン的な要素を入れて、横に少し細長くしているような、そういう表現を採っている方もいらっしゃいます。私は、ちょっと細長いタイプ、アリだと思うのですけれども、思ったよりは普及していないような……。

細長いウインドウのメリットって、いくつかあると思うのですが、思いつくまま書いてみると、


・イラストを(背景を含め)魅せる事が出来る。

・テキストの折り返しを少なくする事が可能(設定によるけど)。

・上記により、映画的な効果が狙える。


なんて事はひとまず言えそうです。
けれども、裏返して考えてみると、そのデメリットも、


・イラストや背景の作成(発注)、或いは素材の選定が大変になる。ウェブ上にある多くの資産が使えない。

・テキストの見せ方に工夫やセンスが要る。

・下手をすると、上記事項が失敗して何か目も当てられないようなものになってしまうかもw


とかね。
他にもあんまり特徴的過ぎるサイズを選ぶと、画面の大きさとかによっては、意図した表示にならないとか、そういう事もありそう。文字の大きさとかさ。

とはいえ、新しいノベルゲームの表現としてウインドウサイズの問題はもっと取り上げられても良い気はします。いくつか、私もここで取り上げたりして、こういうウインドウサイズに拘りを魅せるサークルさんを知ってはいますが、意外な程そういうスタイルが追随される事はないようです。
でも、私が見る限り、魅力的な表現に十分なり得ていると思うんだわ。多少、作業上の困難があったとしても、こうした表現を採択する価値は十分にあると思うのです。こりゃ、どういう事なんだろう? なんて事を考えていたら、眠く無くなっちゃって、気がついたらこうやってキーボードを叩いているってわけだ。

色々足りない頭を酷使して、考えてみた結果、一つの推測が可能になった。つまり、

「慣れてないものは普及しない」

という事なんじゃないだろうか、と。
私達が目にするノベルゲームの殆どが先に挙げた“標準的”なウインドウサイズを選択している。そこに来て、ちょいと変わったデザインセンスを持ったウインドウが出てきても、「をっ、ちょっと変わってるじゃん!」と思うかもしれないけれども、「このウインドウサイズ、パクってみよう!」という行動には結びつかない。

基本的に私達が普段見る「画面」って、大抵、ノベルゲームのウインドウサイズの比率に近いんじゃないかしら? 代表的なものはテレビかな。新宿東口アルタの電光テレビとかもね。携帯電話の画面だって、縦長だけれども90度傾けてみれば、お馴染みの比率になるんじゃない? 
勿論、パソコンの画面だってそうだよね。私はパソコンの画面が19インチワイドモニターでちょいと横長な感じなんだけれども、大体、普段目にするタイプのモニターの縦横の比率って、普通のモニターかワイドモニターのパソコンのそれを、縮小したような、そんな二種類に大まかに分けられるんじゃないかしら。

で、多分、“標準的”なゲームのウインドウサイズって、その比率に或る程度合わせて作ってあるような気もしてきます。だから640×480と800×600の二種類があるんじゃないかな、というのが私の推測。間違ってるかもしんないけど。
ともあれ、私の推測に拠れば、既存の「映像・画像を見る為のウインドウサイズ」に私達の目や感覚は教育されちゃってるんじゃないかと、そういう事です。実際にノベルゲームって、女の子が出てきて、みたいな所があって、それってテレビで見るアニメとかに近い表現なんですよね。

けれども、だからといって新しいグーな表現を切り捨てちゃうのも勿体ない気がします。
もっとちょっと変わった縦横比率を持った作品が増えれば、その真価が認められるんじゃないかな、と思うわけです。これって、ちょっとhtmlの表現とも似てるような気がします。

昔は、ウェブページでデザインをするって云ったら、先ずテーブルを作成する事だったんですね。
勿論、良識のあるユーザーはそんな事はしなかったけれども、大手の企業でさへもこうしたテーブルレイアウトを使用していた事があります。
大体、どういう事をやってたのかってーと、テーブルで細かくマス目を切って、その中に画像を埋め込んだり、テキスト表示領域を作ったりと、そういう事をしていました。で、中には「透明の画像」を作って、spacer.gifなんて名前を付けて、そのマス目にハメ込んでレイアウトの一部にしたりね。
んが、今は、みんなスタイルシートを使って、htmlとレイアウトを分離させて上手くレイアウトをしているわけです。で、私の記憶が確かなら、初めてcssがw3cに認められたのが1996年とかだったハズ。実に今から13年も前の事になります。

だけれども、実際にここまでcssを使ったレイアウトが盛んになってきたのって、割と最近の事なわけで、みんな慣れているテーブルレイアウトを使ってたし、それに慣れていたんじゃないかと思います。かく言う私もテーブルレイアウト凄く好きでしたし、「こりゃ、凄い発明だぜ……」なんて思ってましたからw
こりゃ、余談というか蛇足だけれども、何年も前に管理していたサイトがあって、色んな事情があって管理が出来なくなって人の譲渡したわけですが、先日、ふと気になって見てみたら、どっかのベンチャー企業が買い取ってたみたいです。安値でも自分自身で売っておけば良かったなぁ、なんて。そこはレイアウトとか全然考える必要の無いページだったんですけれども、平行して作っていたサイトなんかでは、「ザ・テーブルレイアウト」みたいな感じでした。

ま、そろそろ長くなったから纏めに入ると、良いものであっても一般に浸透していくってのは、結構時間が掛かったりするもんなんだよね、という。特にゲームなんてアーティスティックな部分もかなりあるものですから
、絶対解ってのもないわけで。
だから、従来的なウインドウサイズ以外のウインドウに、美的な魅力や表現の可能性を感じたら、ガンガンやってみたらいいんじゃないかしら、と。そういう人たちが居ないと、その表現が一般に広がっていくって事もないわけで。

これは又、ウインドウサイズの問題とも外れちゃうんだけれども、文字表示の問題とかもね、まだまだ工夫の余地ってあるように思います。
流石に、ツール類を使えねぇんじゃしょうもねーだろう、と思って、最近、こっそりNScripterでデモゲームみたいのを作ったりしているんですが、そういう可能性をまだまだ感じたりする今日この頃です。


それでは、また。
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by s-kuzumi | 2009-03-28 17:31 | 日々之雑記 | Comments(13)
2009年 03月 26日

フリーサウンドノベルレビュー 『明日の君へ』

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今日の副題 「危なげなくプレイ可能な短編ノベル」

ジャンル:短編微恋愛風味ノベル(?)
プレイ時間:20分程度。
その他:選択肢なし、一本道。
システム:NScripter

制作年:2009/3/13
容量(圧縮時):12.5MB



道玄斎です、こんばんは。
ここ最近、割と面白そうなゲームが多くて色々ダウンロードしているので、暫く遊ぶゲームには事欠かないかな、と。ご紹介頂いているものも随分ありますしね。
というわけで、今回はその中でもさっくりとプレイ出来そうだったもののご紹介。「Lunaria Project」さんの『明日の君へ』です。
実際の所、20分くらい。ゆっくり読んでも30分くらいの作品なので、気軽にプレイ出来ると思います。
良かった点

・手堅く纏まった短編作品。


気になった点

・もう少しキャラの掘り下げが欲しい。

ストーリーは、サイトの方から引用しておきましょう。
自分が生きているのかすらも曖昧な、空虚な人生。
学校でもロクに勉強せず、空気のようにふらふらと漂うだけ。
同じクラスの人はおろか、事実上唯一の家族である妹とすら顔を合わせない日々。
生きている価値はあるかと自分に問うても、答えは返ってこない。

そんなとき、自分とは正反対の心を持った少女と出会う。
彼女の輝く瞳に映るのは、自分の瞳には映らない美しい世界。

そんな彼女にはあって、自分にはないもの。
それはいったい、なんなのだろうか。
そしてそれは、いつしか自分も手にすることができるのだろうか。

こんな感じのストーリーです。


ストーリーを見て頂ければ分かるように、或る意味で超が付くほど王道的なものになっています。
少し補足しておくと、この「無気力型」の主人公が、夜の街で一人佇む(っていうか座り込んでいるんですが)ちょっと天然系の女の子と出会うわけです。で、主人公は、柄にも無く無防備に座り込む彼女に対して声を掛ける。

女の子の方は少しポヤンとしていながらも、イラストの雰囲気も手伝って可愛らしい感じになっています。
で、案の定、何か問題を抱えている様子。主人公自体もやっぱり、ちょっとやさぐれているわけでして、所謂問題児的な……。って高校生は煙草を吸ってはいけないと思いますw こりゃ、身を以て体験しているから言えるんだけれども、煙草って兎に角一本吸ったら終わりだぜ……。お財布的にも宜しくないし、勿論健康の面でも。って、脱線してしまいましたが、本作をうんと大きな括りで纏めると、この二人のボーイミーツガール的なそういう作品なんじゃないかと。ただ、恋愛的な部分が前面に出るわけでもなくて、寧ろ重点は、主人公の成長とかそっちの方かもしれませんね。

この作者様の作品は実は、一度過去にご紹介した事があります。『水溜まりの向こう側』です。
この『水溜まりの向こう側』は、NaGISA netのNaGISAさんもレビューにてお書きになっていましたが、王道とはいえ、それを一つの「作品」に纏めるというのは、実は難しいんですよね。
本作の場合も同じで、王道ではあるけれども、それでもストーリーに破綻無くちゃんと一本形になっている、というのは単純に凄い事だと思います。
中々ね、こう自分で何か作ろうかな? と思っても作れるものじゃないし、特に私は、なんですが、色々考えた挙げ句八方ふさがりになっちゃうタイプなので、ホントに作品をリリース(しかもフリーで)なさっている、というのは凄いなぁ、と。

やっぱり、本作の良い所はその王道感というか「手堅さ」でしょうか。
危なげなく読んでいけますし、尺の方も気負わず読める短めのもの。王道をキッチリと創り上げている。ここが地味なのかもしれませんが、意外に侮れないポイントではないでしょうか。
ラストも、実は一ひねりあって、ちょっと余韻が残る感じ。ちゃんとタイトルとリンクしているのも好印象です。
なんだかんだ云って、私こういう雰囲気の作品、結構好きなんですよw


対して、気になった点は、もうちょっと人物の掘り下げがあったらな、と。
例えば、主人公のバックグラウンドとかも、一応読み進めていく事で明らかになっていくのですが、彼の持つバックグラウンドこそが、彼の「やさぐれた」生活に影響を与えているんだろう、と思うわけです。
何故、無気力型の少年なのか? とかね、もうちょっとストーリーに絡めるような形で描写してあっても良かったかな。
それはヒロイン、主人公に共通するバックグラウンドでもあるわけで、その設定が少し宙に浮いていたかもしれません。主人公がヒロインに対して特別な感情を抱くようになるきっかけだったり、二人の距離を縮める為に使用されても良かったのかもしれません。そこらへんの伏線的な部分をきっちりストーリーの中で回収する事(消化する)で、作品に厚みが出てくるのではないかと愚案致します。


とはいへ、さっくりと気負わず遊べる手堅い作品だと思います。
気軽に息抜きとしてプレイしてみても良いですね。


それでは、また。
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by s-kuzumi | 2009-03-26 20:49 | サウンドノベル | Comments(0)
2009年 03月 25日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『突き落とし幽霊』

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道玄斎です、こんばんは。
ちょっと前からですけれども、この時期になると道路工事が多いですねぇ。私の家の側でもどうも道路工事をやっているようで、綺麗に舗装された所と何故か舗装されない所がまだらのようになって、美的に非常に宜しくない。というか、舗装しなくて良い場所を舗装して、舗装して欲しいデコボコの道が舗装されないってどういう事なんだ、と。
それは兎も角、今日は番外編。短めのホラーをご紹介。というわけで、今回は「たぶんおそらくきっと」さんの『突き落とし幽霊』です。


何か、このくらいの五分程度で終わる超短編ホラー作品をプレイするのは、随分久々な気がします。
ウインドウサイズもかなり小さめで、小粒の作品ですね。一点だけ苦言を述べると、ウインドウサイズが小さいわけで、ちょいと文字が見にくい部分もあったりしました。ただ、標準的なサイズで、五分未満ってなっちゃうとバランスが悪いといえば悪いわけで、このサイズになっているのかな? と。

で、実は選択肢が一箇所だけあり、それによりエンドが二つに分岐します。
こういう形式のホラー作品ですから、どちらを選んでも後味が悪いw というか、本作の特徴はその「バッドエンドの裏にある怖さ」、みたいな、そういう所にあるわけです。

学校に突き落とし幽霊なる、階段から人を突き落とす幽霊が出る、といううわさ話が、本作の前提となります。一体この突き落とし幽霊とは何者なのか? そういうのを短いストーリーの中で探り、真相を見てちょっとゾッとする。そういう感じです。

ちょいとネタバレになっちゃいますが、完全に妖怪とか「あっちの世界」の住人に真相を託さない所が、非常に私好み。いつだって本当に怖いのはやっぱり人間なんですよね。
普段は真面目で虫も殺さないようなヤツが、ふとした状況で豹変したりする。そういう所に人間の怖さ、そして面白さがあるわけです。逆に、普段はアレなヤツだけれども、或る瞬間に凄く良い事をしたりする、なんて事もあります。

当たり前の話なのかもしれませんが、ノベルゲーム/サウンドノベルなんかの究極的に表現したいモノっていうのはこういう「人間そのもの」なのかも。それは恋愛だろうが、本作のようなホラーだろうが、結局は突き詰めていけば「人間ドラマ」みたいな部分は必ずあって、そのドラマを如何に、印象的に描き出すのか、そこに「シナリオ」が生じてくるのではないか、と。

短い作品なんすが、そんな事をちょっと考えさせてくれる作品でした。
本当に手軽にプレイ出来るので、ホラー好きは勿論、ちょっとした暇つぶしや息抜きにでもプレイしてみて下さい。


それでは、また。
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by s-kuzumi | 2009-03-25 22:01 | サウンドノベル | Comments(2)
2009年 03月 24日

フリーサウンドノベルレビュー 『1980円の君~I am a software.~』

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今日の副題 「実は純愛ストーリー」

ジャンル:ウィルス対策ソフト擬人化サウンドノベル(サイトより)
プレイ時間:1時間ちょい。
その他:選択肢なし、一本道。本レビューはNon-Voice版にてプレイ。
システム:Live Maker

制作年:2009/?/?
容量(圧縮時):42.5MB


道玄斎です、こんばんは。
今日はちょっとアルコールが入っています。長野県のお酒「翠露」というヤツです。
やっぱり、私は長野の酒が好きみたいですねぇ……。そっちのDNAが確かに存在している事がそんな所からも分かります。
さて、今回はウイルス対策ソフト擬人化サウンドノベルのご紹介。「擬人化」なんて言葉が付くと、ついつい萌え系か? と構えてしまうのですが、実際プレイしてみるとかなりの純愛路線で大いに楽しませて貰いました。こういう穏やかだけれども、強い愛情、みたいなものを描く作品は、実は貴重。他にもちょっと懐かしのウイルスの名前とか、パーソナルコンピュータの歴史、或いはプログラミングのお話とかね。
というわけで、今回は「Physics/Games」さんの『1980円の君』です。
良かった点

・穏やかで、力強い純愛ストーリー。最近、この手のものが少なくなってきているように思える。

・ちょっとした、パソコンの歴史や、プログラミングなんかも学べる。


気になった点

・もう少し、恵菜に対して恋愛感情を持つようになったきっかけなどの描写が欲しい。

ストーリーですが、サイトの方へリンクを張っておきましょう。
こちらからどうぞ。



というわけで、ウイルス対策ソフトの擬人化作品でした。
最初に書きました通り、擬人化って云っても、萌え路線の擬人化ではなくて、純愛路線の擬人化だったのが、本作の最大の特徴かもしれません。擬人化って云ってますが、実はAIなので、擬人化というとちょっと違うかもな、なんて。
敢えて、似たような雰囲気のものを挙げるとすれば『ちょびっツ』が近いかも。って、ちぃ程、本作のヒロインはぽやぽやしているわけじゃなくて、ナチュラルな感じです。

で、1980円で買ったウイルス対策ソフトを立ち上げたら、女の子が出てきて……という或る意味王道的な展開をするわけですが、どうやら、現実世界を生きる主人公が寝ている時のみ、電脳世界とリンク出来、ウイルス対策ソフトこと、恵菜に会える模様。ただし、恵菜の方は「こちら」に実はいつでもアクセスが出来るという。

最初は、ウイルス対策ソフト擬人化サウンドノベルなんて書いてあったから、美少女が悪いウイルスと戦っていくような、そういうちょっとアクションっぽい感触のものかと思っていたら、全然違いました。
本当に大まかに本作を二つのフェーズで分けてみると、「パソコンやプログラミングに関する豆知識」的な部分と何度も述べている「純愛」的な部分で構成されています。

で、前者の方も結構楽しいんですよ。
懐かしいウイルス名がゾロゾロとw 花火を打ち上げるだけのHappy99とか、hybrisとか。名前は忘れましたけれども、デスクトップを左右反転させるようなウイルスもありましたよね。実際、コンピュータウイルスって定義があって、自己複製をするとか、何項目かあったような気がします。

OSに関しても色々出てきて、懐かしのOS/2とか、伝説のLisaとか(Macintoshの前身ですな)が出てきます。Lisaはなんと画像付き。Macintoshファンは必見でしょう。私は昔、その手の本でちらっと見たっきりだったので、カラーの写真で見るのは初めてでした。
そういえば、音楽はNaGISA netさんのものも使われているようです(Macintoshで思い出しました)。ただ、MIDIで公開なさっている曲の中でどれが使われてたのか、分かりませんでした。もしかするとMIDIに音色を当てていて、それ故に分かりにくくなっていたのかも。

更に我らがFirefoxの日本版公式キャラのフォクすけも登場するというw
この名前、どうにかならなかったのか? とか色々考えるんですけれども、実はこのフォクすけは、名前を公募しておりまして、最終的に選ばれたのがフォクすけだった、というわけです。二年くらい前の話ですかね。かく言う私も公募で名前を送ったりしていたのですが、私のものは箸にも棒にもかからなかったようですw

こんな感じで、ウイルスの名前やコンピュータの簡単な歴史、或いはコンピュータの説明や蘊蓄なんかが詰まっていて、私にはとても楽しめました。作品の後半からはプログラミングが随分出てくるように。
Javaなんですが、人工知能をJAVAで書くって、一般的な事なんでしょうか……? 私は詳しくないので分からないのですが、普通人工知能って云ったらLispじゃないかしら? なーんて考えてみていたら、Javaの汎用性に注目して、の事だったみたいです。Javaで書けばWindowsだろうがMacだろうが、UNIXだろうが(今やMacもBSDの派生ですけれども)動くプログラムが出来上がるわけですな。

初心者がいきなりJavaを学ぶというのは、難しい気もしますが。。
昔、数学の時間にBasicなるものをやらされた記憶があるのですが、んもう、全然ダメダメでした。敢えて云ってしまうとやっぱりプログラミングってある種センスの有無が上達を分ける気がしないでもない。
私は全然出来ません。せいぜいCで書かれたソースをコンパイルしてインストールくらいしか、プログラミング的なものとは関わりを持っていないのです。とかいいつつ、最近はLinuxでも強力なパッケージ管理システムがあるから、もう手動でインストールする機会も殆どなくなりました。ああ、脱線ですね……。


大体、こういうコンピュータに関わる知識的な側面が土台にあって、後半からはプログラムである恵菜と主人公の純愛が描かれる事になります。
恵菜はJavaで書かれており、恵菜それ自体は実はウイルス対策ソフトでもなんでもなく、ただのAIです(ただのAIってのも何か変だなw)。ここらへんは作品のネタバレになってしまうので、ぼかして書きますけれども、そういう事情があって、主人公はJava修得の為に色々勉強して、恵菜を救おうとするんですよね。

この恋愛描写は、静かでありながらも、雰囲気があってかなり好みでした。
きゃぴきゃぴしているわけじゃなく、穏やかで或る意味で力強い愛を感じさせてくれるものとなっています。
最近の恋愛モノは、こういう「穏やかな愛情」があまり描かれない気がしますね。やっぱりちょっと派手な感じのものの方がウケるんでしょうか。
だからこそ、余計に本作の恋愛描写が美しく見えてしまうのかも。
あっ、そういえば、本作のイラスト『オムライスにケチャップを』でお目に掛かったイラストと同じものですね。イラスト担当の方が一緒なのかな? 作品の雰囲気に合った絵柄だったと思います。


さて、一方で気になった点ですが、折角上質の恋愛ストーリーが中盤から展開されるのに、その恋愛の発端部分が実はイマイチ不明瞭だった気がします。プログラムである所の恵菜がマスターたる主人公に愛情を持つというのは自然なものとして受け止められるんですけれども、主人公が恵菜を愛するようになった理由付け、そこが少し弱かったかな、と。
折角、ウイルス対策ソフト、という美味しい設定があるわけですから、そこらへんをもう少し活かしても良かったかもしれません。
例えば、私なら、ですよ? ウイルスで「Love Letter」、俗にラブレターウイルスって呼ばれるものがあります。で、ウイルスとしての「ラブレター」を見て恵菜からのものと勘違いして、どっきり。そんでもって微妙に彼女の事を意識するようになるとか、そこで一騒動あって、恵菜との仲が深まっていくとか、そういう感じにしても良いかも、なんて。今日は妄想爆発ですな。
私の妄想は兎も角、もうちょい、恋愛の「必然性」というか「理由付け」が欲しかったです。そうする事で、それ以降の純愛描写もより響いて来るんじゃないかしら、と愚案する次第。


プレイ時間は大体一時間くらい。
昔からコンピュータに親しんでいる人、穏やかで雰囲気のある恋愛モノを読みたい人は是非プレイしてみて下さい。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2009-03-24 23:45 | サウンドノベル | Comments(0)
2009年 03月 23日

なんてことない日々之雑記vol.191

道玄斎です、こんばんは。
ちょっと愛用していた椅子が壊れて、食卓用の椅子を流用しているのですが、何か座り心地に違和感が。
近々、椅子を購入する予定。椅子って日常に於いて、地味だけれども、滅茶苦茶活躍する機会が多い家具なわけで、やっぱり値段とか以上に、使い勝手、座りやすさを重視したい所。



■エディタを入れ替え。

入れ替えって書きましたけれども、別にソフトを変えたわけではありません。
単純に一回、アンインストールして再度インストールし直して、バイナリだけ最新のものに差し替えたわけです。別にアンインストールしなくても良かったんですが、一度さっぱりしてから入れ直したかったという、単純な気持ちの問題ですね。

愛用しているテキストエディタは、ご存じサクラエディタ。フリーにして高性能のエディタです。
メモを取ったり、文章を書いたり、或いは後々ワープロソフトに流し込む為の下書きを書いたり……。凡そ私の「文章を書く」という行為に切っても切り離せない道具です。
ちなみに、ブログは別にテキストにおこしてからコピペする、なんて事はしてなくて、いきなり投稿画面でそのまま書いちゃいます。何てことない話ですけれども、それが、ブログを書く時のこだわりになっています。

ノベルゲームを作られている方、作っている方もきっとシナリオを書く際には何かしらのテキストエディタを使用しているでせう。やはり人気が高いのは秀丸エディタでしょうかね。私の知り合いのプロの物書きさん達も秀丸愛好家が多いです。
物書きって一口に言っても、それこそゲームのシナリオライターから、雑誌の編集、或いは翻訳関係のお仕事とか色々あるわけですが、どの方達にも人気が高いのが秀丸。Windows用で、4000円くらいするんだっけ? なんか凄い良いらしいよ。

私は、サクラエディタで十分なので、こいつ択一。
何か、グダグダ説明していてもらちがあかないので、簡単に見本のファイルを載せちゃいましょう。
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こんな感じの表示画面になっています。
基本、黒地に白で表示させるよにして、「全角スペース」「半角スペース」「半角数字」なんかを見やすいように変更している、という感じ。やっぱり、全角と半角が意図せずに混在しちゃうのは厭なので、そこらへんを見た目で分かるように。

多分……結構ベーシックな設定なんじゃないかな? と私自身は思っています。
意外な程多くの人が、黒地に白で文章を書いていて、寧ろ白地に黒で書く方が少数かも、というのが私が身の回りの物書きさん達を見ていて思った事。
中には、黒地に黄色で文字を表示する設定をしている人もいます。これは流石に何だかチカチカする、というかトラロープみたいだw
ちなみに、私の設定では、URLを表示する時のみ、黄色で表示するようにしています。完全に好みの世界ですけれども、こういう道具を色々カスタムして使うと、愛着も湧きますし、何より楽しいですよ。



■手帳を新調

大体、年末くらいから本屋さんや文房具屋さんでは、手帳が売られ出すんですけれども、私が手帳を買い換えるのは大抵、年が明けて結構経ってから、だったりします。確か、去年も現行の手帳のスタイルについていちゃもんを付けるような、そんな記事を書いた記憶もありますね。

一々手帳に記入して、手帳を見てスケジュール管理して、ってやっていくのは傍目から見れば、結構カッコいいんですけれど、私にはどうにも性に合わなくて。私の場合は「カレンダー」と「付箋」が手帳の代わりをしてくれるというわけで、実はあまり手帳って使わないんですよね。

カレンダーって一月31日分の日程が一覧で見れたり、或いは二ヶ月分を一枚に表示してくれていたりするでしょ。だから予定は、机の前に張ってあるカレンダーに書き込みをしてしまいます。そちらの方が視覚的に一月、或いは二月のスパンで物事が見えるので、何かと便利。

手帳にも一月ごとのカレンダー的な表示のページって付いているけれども、実際に予定を書き込むのは、一週間分、1ページの所じゃない? で、一週間ごとの予定を見て、更にその週が一月のどこに位置するかを、カレンダー的な部分で見て、とやるのは、なんかかったるい……。
「だったら、カレンダーだけでいいだろう」と極端に走る傾向のある私は思って、ここ数年このスタイルで通しています。

で、スケジュール管理には、付箋も使ってます。
7×7cmのちょいと大きめの付箋。こいつを使う。カレンダーを見れば、予定は分かるわけですから、その日の予定を付箋に書いて、定期入れの内側の部分に張っておく。これでスケジュール管理をする、というとんでもなくアバウトな私なんですが、意外とね、付箋はお勧めですよ。
このくらいのサイズだと、色々書き込めますし、買い物メモを兼ねたりする事も屡々です。財布の中に買い物メモを入れておいてレシートと混ざって、どっかに捨てちゃったりなんて事も無くなりますし、サイズもちょいと大きめですから、余白とか色々利用出来たり。

で、緊急性の高い予定は、もう直接付箋に書いて、パソコンに張っておく。
ちゃんとその予定を消化したら、あとは捨てるだけ。私のパソコンの横板の部分って、ちょっと「付箋スペース」というか「付箋パネル」になっていて、「購入予定の本の一覧」とか、「良く掛ける電話番号」とかそんなもんで埋まっています……。


そんなわけで、あんまり手帳を使わない私ですが、今回ちょっとグーな手帳を発見しました。
それは、「『超』整理手帳」というもの。一月ごとに一週間づつ表示されているスタイルとは違って、月をまたいでいようが関係なく、パッと二週間分の予定を見ることが出来ます。
で、だらっと広げると(そう、ブックタイプじゃなくて、四枚のシートが蛇腹になっており、そこに365日分の記録が出来るのです)、一気に七週間分の予定を見ることが可能。

そうすっと、いっきに一月半くらいの予定が見られるわけで、或る意味でカレンダーみたいなもんじゃない? それに月をまたいでも改ページとかがないから、シームレス。かなり理想に近い手帳です。

ただ、これにもやっぱり不満があって、それはサイズが長すぎるという事。
所謂一般的な札入れよりも縦に長いんだw どうも、この手帳は色々なモジュールを組み込む事でカスタマイズが出来るタイプのもので、A4の書類とかA4で印刷したものとかも手帳に組み込める為、このサイズになっている模様。うーむ、個人的にはもうちょい小さい方がいいんだが……。

後は、メモスペースもモジュール組み込みだという所。
手帳の何が便利かって、後ろの方に付いているフリースペースなんですよね。あれが多い方が私は好き。
デフォルトのセットには「idea memo」なる文字が冠された小さなメモ帳が手帳に組み込まれているが、些か薄いか。ただ、こいつは買い足したり、或いはA4の白紙を組み込んだりすれば解決出来るかな?
この小さなメモ帳は、ちょっとした工夫があって、それは「マス目」が印刷されている、という所。これはいいですね。マス目があると、使い勝手が向上します。アナログで何か大事な事を書いたりする刻には、私もマス目入りのノートを使います。

まぁ、つまり、「ちょっと良さそうだな」と思って衝動買いをしてしまった、とw
だけれども、ちょっとかさばるけれども、良さそうなものなので色々使ってみようかな、と思っています。今のね、机の前に張ってあるカレンダーは、相撲協会のモノなので、予定を書き込もうとすると、土にまみれたしかめっ面の朝青龍がこっちを見ていたりして、あまり気分が良くないのでw


というわけで、今日はこれからちょっと作業をしてきます。
それでは、また。
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by s-kuzumi | 2009-03-23 21:00 | 日々之雑記 | Comments(4)
2009年 03月 22日

フリーサウンドノベルレビュー 『Might -I think of you as yourself.-』

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今日の副題 「海のような女の子と」

ジャンル:冬の日の恋愛モノ(微鉄道要素あり)?
プレイ時間:一時間程度。
その他:選択場面はあるが、ゲーム自体は一本道。18禁。18歳未満の方はプレイしないように。
システム:NScripter

制作年:2009/3/10(?)
容量(圧縮時):62.0MB



道玄斎です、こんにちは。
今日も一本、ゲームをプレイしました。昨晩、久々にゲームを探してフラフラと情報サイトを巡っていたら、何となくゆかしい作品を発見。どうも鉄道オタクとか、高全(高専の事か?)とか、変わった設定があったのでプレイしてみました。
というわけで、今回は「3 on 10 -サンオントウ- 」さんの『Might -I think of ys yourself.-』です。
良かった点

・ノベルゲームの中でも最高峰のヒロインの優しさ(包容力?)。

・鉄道絡みの効果音などに拘りが。


気になった点

・18禁シーンは無くても良かったかも。

・変わった設定をもっと活かせたら良かった。

最初は、ちょっと変わった設定は持つモノのオーソドックスな学園恋愛アドベンチャーかと思いきや、後半で18禁のシーンが出てきて面食らいました。
18禁の部分を抜かして考えると、割と尺自体は短めですが、ポイントポイントは押さえてあって、中々良いものがあるのでは?
ストーリーは、サイトのページへリンクを張っておきましょう。こちらからどうぞ。まぁ、一言で纏めると「鉄道オタクの男と、やけに家庭的な女が、出会って、歩いて、話して、結ばれるお話」(作者様ブログより)という事になるわけです。ってちょっとこれじゃ身も蓋もない感じですけれどもw


というわけで、いつものように解説に入っていきましょう。
先ず、主人公優と、ヒロインの麻衣は「高全」の生徒。高全ってのは実在するのか、ちょっと分からなかったのですが、大凡「高専」と同じモノと考えて差し支えなさそうです。普通の中等教育とは違い、五年間、技術を習得する為通う学校ですね。工業系がメインという事でいいのかな? 昔知り合いがそこで先生をやっていました。
工業系という事で、男の子が多いというか、女の子は殆どいない、というのが現状のようです。まぁ、アレですよ。文学部には女の子の方が多いけれども、理工学部では女の子は十人に一人くらいの割合でしか存在しない、というそういう感じ。そんな高全の中にあって、珍しい女子生徒がヒロイン麻衣。主人公は機械系の学科で麻衣は建築の方。あまり接点こそないものの、会えば挨拶はし、ちょっとした世間話をしたりするくらいの、普通のお友達、くらいの関係。


さて、物語は、駅のホームにて眠っていた優を、麻衣が通りかかって起こす所から始まります。
そして、あれよあれよという間に、何故か電車に乗って麻衣を家に送る事になって、ご飯までごちそうになって(食後の珈琲付き)……と。この電車に乗る所のシーンは、なんかリリカルで凄く印象的でした。

前半部では、割と鉄道というか、そういう「鉄道オタク」っぽい要素が入ってきて、これはこれで面白いですよね。本物の鉄道オタクの人が見たら、ぼやけた加工をしてある背景画像であっても、それが何の電車かきっと一発で分かるんでしょうw 鉄道がらみの効果音などはリアルで良いものを使っていると思います。

ですから、最初は鉄道と恋愛が絡んでくるような、「鉄道オタク賛歌」的なお話だと思っていたんですよw
しかし、徐々に読み進めていく内に、所謂「恋愛」とか或いは「感動」とかね、そっちの方にウェイトが置かれた話である事が明らかに。
その問題については、後述するとして、本作の最大のポイントは、ヒロイン麻衣のノベルゲーム史上に於いて、最高峰とも言える優しさ、包容力でしょう。「現実にはいねぇよ!」なんて思ってしまいますが、一方で「こういう人がいたならば、人生変わっていたかもな……」と思う人も多いのでは? 
何かこう、自分一人しかいない家に、男の子を招待してご飯を食べさせちゃうなんて、警戒心がないんだか、世間知らずなのか分からない麻衣ですが、そんな些末な部分は実はどうでもよくって、無限大の優しさが、彼女の好感度を劇的に向上させています。

こんな優しい女の子、私は今まで出会った事がない(ゲームだから当たり前なんですが)。
こんな赦してくれる女の子、私は今まで見たことが無い(ゲームだから……以下略)。
ノベルゲームは数多くあれど、ここまで究極的に「優しい女の子」を描いた作品は珍しいのでは? 昨今ではちょっとツンツンしたタイプの娘の人気が高いわけですけれども、もっとおっとりしていて、それ故のリアリティがあって非常に好感度が高いヒロインでした。
ヘンテコな口調や怪しげな特徴(異常な食欲など)ではなく、飽くまで内面の優しさを描写する事で、キャラを特徴付けていく、というのは私は大好きですし、それが王道的なものだと思っています。や、うぐぅとかも嫌いじゃないけれどさ!

何故、彼女がこんなに「優しく見えるのか?」というのは、クリア後に、おまけのページなどからその理由が分かります。同時に作品のコンセプトとか、そういう部分も語られていたりするので、やや蛇足かも、と思いつつも興味のある人は読んでみると良いと思います。
ただ、麻衣の麻衣のバックグラウンドは上手く、本編に絡めた方が良かったんじゃないか、と思わないでもないですよね。ここらへんはネタバレになりますから、このくらいで。

で、本作のコンセプトというか描きたい事が、実はタイトルと絡み合っている事も示されるわけですが、もし、そうだったら「I think of myself as you」の方が正しいんじゃないかなぁ? 私、英語苦手だからアレなんですけれども。thinkという動詞について、ちょっと辞書を引いてみた方がいいかもしれません。
ちょっと蛇足ですが、意外とこういう基本的な動詞こそが、難しいんですよね。think ofなのか、think aboutなのか、はたまたthink toなのか、とかね。


気になった点ですが、先ず18禁は無くてもよかったのでは? と思わないでもない。
やっぱりあった方が、「ウケ」みたいのは良くなるしプレイしてくれる人は増えると思うのですが、ちょっとこう良い感じの純愛路線? みたいなものが展開されるので、そこでえっちぃシーンが挿入されると、私は少し違和感が。というか、私は商業のものも含め、ノベルゲームにえっちぃシーンは必須ではない、と考えているので、そういう偏向はあるんですけれども。

もう一点は、折角「鉄道オタク」的な側面、そして「高全」という普通のハイスクールとは違う設定が為されているわけですから、そこらへんを作品にもっと結びつけても良かったのではないかと。
具体的に云えば、恐らく優が機械系の学科にいる事と、鉄道オタクであるという事は、きっとどこかで結びついていると思われますし(勿論、鉄道オタクには本作の根幹に関わる部分でもあるのですが)、そうした学校の描写なんかがゼロに等しいので、もうちょっとそこらへんの「主人公、ヒロインの日常」を描くと、作品にもっと厚みが出るんじゃないでしょうか。


大体、こんな所かな?
一風変わった設定と、(個人的に)ヒロインが滅茶苦茶魅力的な作品でした。
冬の名残がまだあるうちにプレイしてみて下さい。
どうやら本作が処女作らしいのですが、今後が期待出来る作者様です。次回作も楽しみにしています。


それでは、また。
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by s-kuzumi | 2009-03-22 14:33 | サウンドノベル | Comments(0)
2009年 03月 21日

フリーサウンドノベルレビュー 『春よこい』

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今日の副題 「同人らしい、作品」

※吟醸
ジャンル:前世を辿るノベル(?)
プレイ時間:30~40分くらい
その他:選択肢なし、一本道。立ち絵は影絵となっている。
システム:NScripter

制作年:2009/3/5(公開)
容量(圧縮時):9.39MB




道玄斎です、こんばんは。
今日はお彼岸なので、お墓参りに行ったりしてきました。東京では、ボチボチ櫻が咲き始めています。今日は湯島というか上野というか、そういう所に行ったわけですが、上野の山の入り口は櫻がかなり咲いていましたよ。暖かい日が続けば、来週か再来週には満開になるかもしれませんね。
今日は、そんな日本人の心に訴えかける、櫻、或いは春をイメージさせる作品のご紹介。
というわけで「どこだい」さんの『春よこい』です。
良かった点

・低容量で尺も短めだが、しっかり作り込まれており、同人作品らしい良さが出ていた。

・ちょっとミステリー的な要素も。


気になった点

・敢えて言えば、飯屋のシーンが長すぎる、かも? (後述)

ストーリーは、今回は私が軽くまとめておきましょう。
高校生の主人公は、春になると原因不明の体調不良、そして記憶の混乱が起きる。
記憶は、昔の女の子のもので、主人公はそれは「前世」の記憶ではないかと推測する。そして女の子の記憶が現れる時期に、夢の中でその女の子が住んでいる地名が明らかになり、調べてみると、現在も名前を変えているが、その土地が実在している事を知る。
自分の前世を取り戻すため、主人公は夢に見た土地へと日帰りの旅行に出かける……。

と、こんな感じですね。

最初、「前世を探るお話」というものを見たときに、何となくスピリチュアルな感じなのかな? と思っていたら全然違いました。もっと、良い意味で、人間臭さが出ていますし、スピリチュアルというよりはヒューマニズムというか、そっちの系統ですよね。

さて、日本人ってのは不思議なもので、櫻なる植物にちょっと異常なまでに何かしらの感情を持っているようです。大凡、万葉時代で「花」と云えば「梅」の事を、それ以降の平安時代からは「花」と云えば「櫻」を指すようになります。「花は桜木、人は武士」なんて言葉もありますしね。

何の予備知識も文脈もなくて、「花が舞っている」なんて文が出てくる時、私達は高確率で「櫻の花」をイメージするのではないでしょうか? これも千年以上に渉る民族的な感覚というかね、そういうものなのでしょう。
ただ単に、櫻が「美しい」ものなのか、って云ったらそれは又違って、そこにはどこかしら「寂しさ」或いは「儚さ」を感じる気がします。
本作はタイトルが示すように「春」を、そして櫻の持つどこか寂しく、儚いイメージを持っているように感じました。そういえば、毎年毎年、櫻をタイトルに冠した歌がヒットしているのも、日本人的ですよね。

作品自体は、短いもので、30分~40分程度で読めてしまいます。
だけれども、作品としてしっかりと纏まっていますし、普通に面白いんですよ。ここで云う面白さは「funny」ではありません。「interesting」の方です。興味深い、或いはより日本っぽい云い方をすれば「ゆかしい」という感じ。少しづつ明らかになる主人公の前世である「ちえ」、そして彼女の母親の記憶は、読者を作品の中に引っ張り込みます。同時に「ちえ」の周りのちょっと隠微な人間関係は、前世の記憶に陰を落とし、「何があったんだろう?」と微かな不安と共に、頭の中に疑問として蓄積されていく事に。

あまり、旅行とかそういう部分に筆は割かれず、自身の持つ前世の記憶、或いは飯屋で聞く、昔話といった「過去の描写」が作品の大部分を占めるわけですが、そうした部分で、生じた「ゆかしさ」や疑問をきっちりと解消してくれるわけで、作品が淀みなく流れていく感じがして、総じてテンポも良くなっていたのではないかな、と。

ラストもとっても良かったですね。
商業のもののように、ビジュアル面が馬鹿みたいに凄いとか、ドハデなエフェクトとかは無いのですが、素朴でありながらも、作品、或いは作風に非常にマッチした演出がなされており好印象。
プレイが終わっても、余韻が残るような、そんな印象的なラストシーンでした。

で、本作は「どこだい」さんという事にしましたが、河童ボーナスさんがお作りになられた作品です。
「どこだい」さんは、この河童ボーナスさん、そして大山椒魚さんお二人のプロジェクトという事でいいのかな? お二人とも作風がどことなく似ていて、何となくうっすらと繋がりを感じていたのですが、まさか本当にプロジェクトを組んでいたとは……。
お二人とも、所謂「明朗ハイスクールラブコメディ」といったものとは、距離を置いた、少し不思議で良い意味での「同人らしい」良作をお作りになられていると思います。美麗な一枚絵とかパンチラとかのサービスシーンは無いんですけれども、そうした素朴な良さみたいなものが全面に出ていて、例えば、現行ではMIDIを使う作品が段々減ってきているという流れがあるような気がしますが、本作に顕著のように、MIDIの素朴さ(というか、MIDIは所謂楽譜ですからね)が作品全体の中で上手く解け合っている、そんな感触があるわけです。
素朴、なんて言葉を使いましたが、「凝っていない」というわけじゃないんですよ。文章の意味的な区切りで出てくるクリック待ちは「○」みたいなヤツですが、画面が変わる時は櫻の花びらになっていたり、或いはプラグインで花を散らすエフェクトを使用していたりと、拘って制作されています。かなり拘って拘って作られている事、想像に難くないのですが、割とね、現在的な絵をふんだんに使って、音楽もハイクオリティの音源のゲームなんかをプレイすると、ついつい相対的に「素朴」に見えてしまう部分もある、という事ですね。


正直、気になった点というのはあまり無いんですよね。
こういう作品に「立ち絵を付けろ」なんて言えませんし、或る意味でスキが無く作品として、完成されてしまっているわけです。
んー、敢えて言えば、飯屋のシーンでかなりの真実が明らかになって、というかなりすぎちゃっているような気がしないでもないかな? といった辺り。結局、前世の記憶にある土地(狭義の土地ですね)に主人公が滞在している期間がラストのシーンだけなわけで、例えば、ちらりと屋敷を出して、それを見て記憶が蘇るとか、そういう演出の仕方もあったのかな、とか。まぁ、敢えて言えばのレベルなんですけれども。


一見すると素朴な印象を受ける作品なんですが、商業でもない、或いは商業を意識してハイクオリティを目指した作品でもない、それらとは全くベクトルが違う、同人作品らしい作品です。
明朗ハイスクールラブコメに、少々食傷気味の方は是非プレイしてみて下さい。ノベルゲームの良さを再発見出来るかもしれませんよ。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2009-03-21 20:49 | サウンドノベル | Comments(0)
2009年 03月 19日

なんてことない日々之雑記vol.190

道玄斎です、こんばんは。
何となく寝付けずに、こんな時間に……。
というのも、例によって例の如く、ゲームをやろうと思ったのですが、それより先にやりたい事が出てきてそいつに手を付けていたらあっという間に時間が経ってしまって……というパターン。



■効果音コレクション

何度か、このブログのDTM勉強会で効果音を取り上げてきました。
っていうか半分くらいが効果音についてだw 幸いにも、色々お問い合わせを頂いたり、実際にゲームを作っていらっしゃる方が、関心を持って下さったみたいでちょっと嬉しいですね。
「意外に簡単に作れちゃうんだぜ」ってのをコンセプトにしていたわけですが、最終的には自身の作品の効果音で簡単なものだったら、自身で作って頂いて、そこで得たテクニックをフィードバックしてくれたら嬉しいなぁ、なんてw

とか何とかいいつつ、私自身が断片的にしか(そして低音質)効果音を出してこなかったわけですから、ここいらで、効果音をいくつか纏めて提示してみて、その中から、何か使えそうだったら使って貰えたら嬉しいなぁ、思いました。

まぁ、これも例によって時間が掛かると思うのだけれども、ちょっとした効果音配布場所くらいは作ろうかな、と。頑張って、高品位の効果音を作ります。で、さっきまでその第一弾の効果音を作っていたのでした。
出来たブツは、

こちらからどうぞ。

直リンです。効果音として真面目に作ったので、いつもみたいに.mp3じゃなくて.wavにしてあります。
聞いて頂ければ、どんな音か一発でお分かりでしょう。そう、「教会の鐘」の音です。
2回くらい連続で鳴るようにしておけばより「教会の鐘」っぽくなるのですが、汎用性を重視して一回だけ鳴るように。

使いようによっては、お城の鐘の音とか、そういうのにもイケそう。今回はちょっと頑張って作ってみました。
音色を選定して、音や音程を確かめて、実際にyoutubeなんかで本物の教会の音と聞き比べたりもしましたよ。ですので、ちょっとリアルさ重視。本物はもうちょっとジャラジャラした感じがあるんだけどもね。
ちなみにアシッダイズ済み。効果音としてじゃなくても音楽素材としても一応利用出来る、らしいよ。

更に、今回はしっかりとエフェクトを掛けて(ディレイを薄めに掛けたり、コーラスを加えたり、リバーブで空間を拡げたり)、オートメーションで音量の減衰にも気を遣ってみました。
多分、2回とか3回とかループさせて使うと「らしく」なるんじゃないかしら? もし、使いたいなんて人がいらしたら許可なんかは別に要りませんので、ガシガシ使ってやって下さい。勿論、エンコードして使いやすいフォーマットにしてくれて構いませんし、不要部分をカットしたりしても。
ただ、無用のトラブルを避ける為に一応、著作権は私にあるよ、と。それだけ。きっとその内、ベーシックなものが多くなると思いますが、もうちょい種類も増える事でせう。



■というわけでアンケート

や、実は上に上げたファイル、ちょっとサイズが大きいんですよね。
勿論、.wavだから、という事もあるのですが、ビットレートの問題とか色々あって、それでもサイズダウンを試み試み、結果として3秒で240KBくらいになっちゃいました(最初600KBくらいあって……)。

ちょっと大きいかな? と思いますし、或る程度の目安が知りたいな、と思い実際に、ゲームを作っていらっしゃる方向けにアンケートを。もし宜しければコメントなり、メールなり頂ければ嬉しいです。


1:効果音のサイズって気になさいますか? 気になさるとしたら、どの程度までだったら許容範囲ですか?

2:サイズと音質(やクオリティ)という二つの観点があったら、どちらを重視なさいますか?

3:お作りになっている(なられた)作品では、大体、効果音のサイズってどの程度でしたか?


以上、三つになります。
もし、宜しければご回答下さいませ。


それでは、また。
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by s-kuzumi | 2009-03-19 01:13 | 日々之雑記 | Comments(19)
2009年 03月 18日

フリーサウンドノベル関係の雑記 箸休めvol.27

道玄斎です、こんばんは。
今日は、これからちょいと気になる作品を見つけたのでプレイするつもり。
なんだけれども、書き留めておきたい事なんかもあるので、又しても久々に箸休めを。今日は私も全然馴染みの無い世界のお話……。



■海外のサウンドノベル事情を軽く眺めてみる

というわけで、今回は、海外のサウンドノベルの状況をちらりと覗いてみようかと。
とはいへ、「海外発」というよりは、我が国にて作られた作品が海外でどう受容されているのか? とか、その辺りの事情の一端を見てみましょう。

altogether というサイトがあります。
ここは、どうも、日本のサウンドノベルの中から、作品を取り上げレビューし、尚かつ翻訳し、配布しているサイトのようです。多分、米国かな? 英語だし。って英語圏って一杯あるんだけれども、雰囲気で米国っぽい。whois掛けてみたら、サーバーは米国にある事は判明しました。けれどもサーバーがあるからって、サイトの運営者がその国に在住しているかってーと、それはまた別物だもんね。

で、そこで取り上げられている作品を見ると、お馴染みの作品が丁寧にレビューされ、翻訳されています。
どうも、傾向を見るに「感動系」の作品の比率が高いですね。少なくとも2008年のものに関しては、私は全てプレイしてますし、結構レビューも書いたりしていますねぇ。例のクリックして熱量を蓄えて打撃を加える、ミニゲームも実は窃かに遊んでいたんですw ノベルゲーム探しをやっていると、たまに「ちょっとやってみようかな?」と思うようなゲームが見つかる事があって、屡々そういうので遊んだり、ね。

ざっとしか見ていないのですが、かなり本格的なレビュー、分析がなされています。
書物からの引用も多いですね。フランス語、ドイツ語文献からの引用なんかもあったり、或いは現代日本に関する書物を引いて作品のバックグラウンドを探る、なんて試みも。勿論、かなりの分量があって、私のレビューなんかより全然長いですよ。
で、かなり日本のノベルゲーム/サウンドノベルを研究しているな、と思いますね。恐らく著名な情報サイトやベクターのようなサイトにも足繁く通って、作品を探しているのではないかと。少なくとも、翻訳出来ちゃうんだから、きっと日本語が滅茶苦茶堪能な方達がやっているサイトでしょう。
またねぇ、レビューサイトなんかもチェック入れているみたいで、私の敬愛する某レビュワーの方についての言及があったり(海外でも一目置かれている……凄いとしか云いようがない)、英語圏でのノベルゲーム受容に関しては、かなりお腹いっぱいになれるサイトです。
各々の作品に対して、滅茶苦茶細かく述べているので、扱っている作品数自体は少なめなんですけれどもね。


ただ、どうしても気になる点があったんです。
それは翻訳の問題。特に「タイトル」に関してなんですな。『ごがつのそら。』がまんま『May Sky』になってたりとかね。私が作っているのではないので分からないのですけれども、『May Sky』は確かに「五月の空」でしょう。けれども、本家が敢えて『ごがつのそら。』と平仮名で、そして「。」付きで示されているという、そういう何かしらの含意がそこにはすっぽりと抜け落ちてしまっている気がします。
『月照~ツキノテラス~』が『Moonshine』になっている、というのも、やっぱり気に掛かる所。

かと思うと、その一方で、『願えばきっと…』なんかは『From the Bottom of the Heart』なんて、ちょっと気の利いたタイトルになっていたりして、こりゃ、どういうわけだ? と。
やっぱりね、日本語を逐語訳的に、英文に置換するよりは、私としては作品の内容を踏まえて英語版は英語版のオリジナルのタイトルを付けた方が、良いような気がしますねぇ。原題は、日本人なら無意識的に捉える事の出来る「雰囲気」とか「ニュアンス」とか(平仮名なのか、漢字なのか、或いはカタカナなのか、ってな部分でもそういうモノってありますよね?)、そういうものを持っている事は非常に多いと思うので、それを逐語訳しちゃうと、却って外国の人には分かりづらいものになってしまうのではないかと。

そうは云っても、海外に於いてもノベルゲーム/サウンドノベルが広まっていくのは、ファンとして素直に嬉しいと思います。これもね、日本の文化みたいなもんですよね。
原点に戻れば、お姫様相手に、女房が物語を読んで聞かせ、当のお姫様はその物語の「イラスト集」を見ていた(と推測される)平安時代からの、古式ゆかしい伝統なのですよ、ノベルゲームってのはw
そういう事を考えていくと、潜在的に日本には、「ストーリーそのもの」と「キャラ」を分けて考えるような、そういうものもやっぱりあるのかしらね。


で、話を戻して海外とノベルゲームについて語っていきましょう。
ちょっと前に、海外発のノベルゲームがあるらしい、という情報を聞きつけ調べてみると、出てきました。

『かたわ少女』

なる作品です。
これ、まだ体験版も出来ていない正に制作中の作品。
ただ、タイトルがねぇ……。これはちとマズイんじゃないかなぁ……? 少なくとも放送禁止用語みたいですし、日本人の感覚としては、良くないタイトルだと思います。
ここらへんも敢えてやっているんじゃないとしたら、言語的な摺り合わせというか、言葉のニュアンスに祖語があるというか、そういう所なのかしら……。

タイトルが示唆するように、設定こそ変わっていますが、内容やキャラクターは我々が良く目にする、所謂ハイスクール学園恋愛モノという感じ。普通にキャラクターの名前、日本名だし、イラストの雰囲気も海外のそれには無い、日本独特なものになっています。当然のように、完成品は英語で配布されるようですが、わたしゃ、リリースされたら読みますよ。英語苦手だけどさ。
個人的に、キャラクターを見て気になったのは、リリー・佐藤さん。って、なんかリリー・フランキーの方がよっぽど外国人みたいな名前だw どうもリリーさんは、設定を読んでみると生まれながらにして盲目だそうで、なんとなくね、気になるのよ。
ともかく、リリーさんを含め、六人、ヒロインがいる模様。スタイル自体はオーソドックスだけれども、開発は順調なようで、「人混み」のエフェクトを実装した、なんてブログの記事に載っていました(この記事のちょっと前の記事にバレンタインのイラストがあって「べっ、べつにアンタの為に作ったんじゃないんだからねっ!」的な文が書いてあり、ちょっと笑いましたw)。意外と、そうした人混みのエフェクト、見たことないですよねぇ。
外国人が作る、ノベルゲームから学ぶ所も多そうです。

もしかしたら、今後、海外と我が国のノベルゲームの交流が盛んになり、ノベルゲームが世界的に認知されるようになれば、マルチプラットフォームのノベルゲームエンジンなんかも出てくるかも。
一朝一夕にそこまではいかないでしょうけれども、徐々にそういう流れの下地(の更に下地くらいかも)は徐々に出来てきているのかな、と。


そんなわけで、今回はちょこっと海外のノベルゲーム受容だったり、或いは制作状況なんかを見てみました。
他にもあるぜ! なんて事があったら是非教えて下さいね。


それでは、また。
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by s-kuzumi | 2009-03-18 20:22 | サウンドノベル | Comments(13)