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2009年 08月 31日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『perception』

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道玄斎です、こんばんは。
今日は久々の番外編。最近、割と長目の作品をプレイしていましたし、ストーリーがバシッと存在するものよりも、もうちょっと浮遊感のようなものを感じられる作品を探していたら、見つけました。ノベルゲーム/サウンドノベルっていうのとは、またちょっと違うみたいですけれども……。
というわけで、今回は「ウミユリクラゲ」さんの『perception』です。


ノベルゲーム/サウンドノベルは、絵なり音なりが存在して、更にメイン(?)の「ノベル」部分があって成り立っている、という事はわざわざ繰り返すまでもないのですが、ゲームのスタイルも基本的にはどれも同じです。
クリックする事で文章を送って、それを読んでいく。途中でウエイトが掛かったり、或いはクリック待ちの命令が挟み込まれていますけれども、基本的にはクリックしながら遊んでいく訳です。

プレイする人の読書スピード(≒クリック速度)によって、プレイ時間というのは勿論変化します。
このブログでも、毎回、参考として自分がプレイした時のプレイ時間を大まかな数字ですが書いています。ですが、今回扱う作品は13分で固定です。
というのは、本作は自動で文章が流れていく作品だからです。言い換えれば、プレイヤーから「クリックを奪った」作品です。
クリックを奪う、というのは特殊に思えますが、実は割とオーソドックスな手段でもあります。フリーのものであれ、商業のものであれ、「感動シーン」といった所では、クリックが奪われ、自動的に文字が流れていくという演出、結構目にしていませんか?
それは、文字表示領域に文字が流れていく、とは限らなくて、メインウインドウ(?)に掛かるようにして、文字が浮かんでは消え、みたいな。

本作の場合は、前編に渉って、自動で文章が綴られていくような、そんな作品ですね。
ちなみに、音楽がいいですね。一曲だけ延々とループしているのですが、作品の雰囲気にあった可愛らしくも素敵な音楽だったのではないかと。一応ヴォーカル(?)付き。

作品の背景を飾るのは、一般的な写真素材や、イラストではなく所謂ヴォイニッチ手稿。
なにやら暗号のようなものが書いてあると云われつつも、誰も解読出来ないという怪しげな本ですねw 一応、古文書という扱いですが、実は推定制作年代はそんなに古くありません。せいぜい500年くらい前のものだと云われていますよね。
で、500年くらい前のもので、「読めない」ってのは、ちょっとあり得ない事でもあります。私の所持している古文書(の切れっ端)は、800年くらい前のものですが、変体仮名を知っていれば普通に読めますから。
ですので、「暗号っぽく書いたイタズラの本」みたいな、一種の偽書的な雰囲気の漂う本です。

そんな、ちょっと幻想的でどこか怪しげな雰囲気を持った作品なわけです。
ちなみに、文章は問答無用に流れていきますが、何かの意味を掴む事が出来ないというw やぁ、こりゃ私の感性の問題なのかもしれませんけれども、難解ですよ、ねぇ……。
強いて云えば、女の子の内面世界の冒険みたいな? そんな感触はあるんですけれども。

何て云うか、本当にノベルゲームという感じではなくて、「イメージ映像」というか、そういう作品の感触があります。作者様は題して「ノベルアートシアター」と名付けていました。
前衛的っちゃ前衛的なんですけれども、どことなく古式ゆかしい感じもないわけじゃない。不思議な手触り。普通の散文というよりは、散文詩という方が適切かもしれません。

結局、作品を通して、文章などから何か「意味」を抽出出来たのか? と云われると、「良く分かりませんでした……」としか云えないw けれどもやっぱり、作品の意味みたいのを解く鍵は、タイトルにあるんじゃないかな? と思いますよ。
タイトルは『perception』、英語のperceiveの名詞形ですね。ラテン語の原義を辿ると、何かボールみたいなものを放られて、それを全身を使って抱え込むようにキャッチするというか、そういうイメージでしょうか。
そっから、知覚する、とか、受け止めるとか、理解するとか、そういう意味が派生して現在的に使われるようになっているハズです。OEDとか引けば良いんでしょうけれども、生憎所持していないので、適当な事を書いてるおそれが十分にあるわけですが。。

じゃあ、タイトルから導かれた本作の意味って何よ? って云われるとちょっと困ってしまうw
何て云うか、明確に意味がある、というよりも知覚とか感覚だとか、そういう部分に「何か」を訴える、そこが作品のキモなんじゃないかな? という気はするんですけれども。

ノベルゲームというよりは現代アート的な、そういう感じのものでした。
そういうものがお好きな方はプレイしてみては如何でしょうか?


というわけで、今日はこのへんで。
それでは、また。
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by s-kuzumi | 2009-08-31 22:05 | サウンドノベル | Comments(0)
2009年 08月 31日

なんてことない日々之雑記vol.227

道玄斎です、こんばんは。
今日(というか昨日になってますな)は、選挙に行ったり、買い物したりと、結構忙しかったような。



■あのマンガ

書店で新刊コーナーなんてのを見ていたら、『あずまんが大王』が新装版になって出ていました。マンガです。結構好きでした。多分、書庫を漁れば、従来版が4冊全て揃った状態でどこかに置いてあるハズです。
ちなみに好きなキャラは「ちよちゃん」と「ともちゃん」。意外な事に、「よみ」と「大阪」にはそんなに関心がありませんw

四コマだけれども、四コマで完結していなくて、次の四コマまでネタを持ち越すような、そういうマンガの走りみたいなものですね。
取り敢えず旧版で全部持っているんだけれども、新装版……買っちゃおうかなぁ、なんて考える今日この頃です。



■『Normalize Human Communication』~私家版裏話~

前回、Flashでプレイするタイプのノベルゲーム「むきりょくかん」さんの『Normalize Human Communication』のレビューを書いたのですが、どうも本家の方からリンクして下さったようで、普段の1.5倍くらいアクセスがあってちょっと吃驚です。
いや、なんかスミマセン、というか有り難う御座いました。

で、普通に良い作品だった、というのもありますけれども、舞台を良く知っている、という所も個人的に高ポイントでした。公式サイトの裏話だったかな? そこに舞台の地図が載ってるんですが、その地図上にある小学校、そこが私の出身小学校ですからw 
というわけで、『Normalize Human Communication』の舞台に関する「私の」裏話的なものを……。

どーでもいー話ですけれども、戦隊モノってありますよね? ダイレンジャーとかジュウレンジャーとか。昔むかし、カクレンジャーってのがありまして、何でカクレンジャーなのかっていうと「忍者戦隊」だったから「忍者→隠密→隠れる」みたいな連想があったんでしょうw

で、記憶がおぼろげなんですが、カクレンジャーの紅一点だった、女の子が居て、当時中学生か何かだったんですよね。その子は、シシュトリアンとかにも出てましたが。それはともかく、その女の子が、『Normalize Human Communication』の中に出てきた篠原町にあった篠原中学校(地元民はシノチューと呼ぶ)に居る、なんて話があって、結構住民の間では有名でした。

ヒロイン(?)鈴乃の制服を見て、「もしかしたら、この制服も近くの学校のソレに準拠しているのでは?」と考えて、ネットを駆使して(記憶じゃ頼りないからね)色々調べてみたのですが、結局「オリジナル」という辺りに落ち着きそうです。
あの辺りの県立高校だったら、港北高校と、新横浜の裏にある岸根高校ですよね。今はどうか分かりませんが、私が中学生だった頃、岸根高校は丁度偏差値がぴったり50で、良くも悪くも「ど真ん中で普通の高校」という感じでした。ちなみに私は高校受験の時に公立高校も受験しましたけれども、この岸根高校普通に落ちましたw んで、あわや中学生という身でありながら浪人しかけた、という話に続くわけですけれども、それは割愛しましょう。

他には……そうねぇ、作品に出てくるスタジアム。
あれって、多分新横浜っていうよりも小机でしょうね。実はあそこにゃ、行ったことがありません。
でもでも、労災病院から道一本で行けますし、広義の新横浜って所でしょうか。
鶴見川って川の名前も出てきますが、そんな雅な名前とは打って変わって、汚い川ですw それでもきっと昔は綺麗な川だったんだと思いますが。
昔、鶴見川の河川敷でよく遊びました。何をやっていたのかってーと、ロケット花火をぶっ放して遊ぶというw 恐ろしい事に、何人かで陣営を分けて、打ち合うという危険な事をしていました。

深夜のデートで出てくるルートにまつわる個人的な思い出も。
改めて深夜のデートコースをサイトの方から見てみると、あれって、結構距離がありますねぇ。何しろ港北警察の方まで行ってますよね? あそこに日興ホームセンターってのがあって……とそれはあんまり面白くない話なので止めましょう。
まぁ、要するにあそこらへんに昔住んでいて、作中の散歩コースは、実は私の散歩コースとかなり重なっているんですよね。夜の新横浜の駅前は、本当に人気がなくて、幻想的な感じですね。ちなみに駅前の文教堂という本屋は、私が昔滅茶苦茶良く行っていた本屋さんです。作品にゃぁ出てきませんけど。

大体、私家版の思い出はこんな所かな?
新横浜は、近代的でまぁ、綺麗って云っても差し支えないのですけれども、篠原町みたいに普通の住宅街があったり、要するに横浜アリーナ側じゃない所は、結構開発されていない少し懐かしい雰囲気がある住宅地だったりします。東海道新幹線をご利用の際は、ちらっと見てみると良く分かりますよ。
で、作中では出てきませんでしたが、労災病院から横浜線の線路に向かって歩いていくと……ラブホテル街があるんですな……。
昔、その辺りを歩いていたら「スペーシーってホテル知りません?」と男女二人連れに良く声を掛けられたものです。それも一回二回じゃなくて。なんか物凄い有名なホテルなんだそうな。


やっぱり、作品の舞台が自分のよく知っている土地だと、ちょっと嬉しいですね。
感情移入度が増すというか。
ともあれ、本当に良い作品だと思うので、まだプレイしていない、という方は是非是非。



■怖い話

何だかんだで、八月の後半は怖い話、結構プレイしましたね。
シリーズ物とか多かったですけれど。。

けれども、まだまだ個人的には満足出来ていなくて、ちょっとネットを徘徊して、怖い話を集めてこようと思います。洒落こわはかなり見ましたけれども、あれは当たりハズレが結構ある気がするなぁ。
丁度丑三つ時なので、これからお酒でも呑みつつ、怖い話を探してきます。


……たまには、私も怖い話、してみましょうか……?


【増えていく鳥居】

今から……3年くらい前だったかな? 怖くないけれども、何だか不思議なものを見ました。
毎朝、毎晩電車に乗るんだけれど、乗っている最中に川を越えるんですよね。当然電車は鉄橋を走る。

ある日、川を電車が渡るとき、何の気無しに、川を眺めていたら、何か妙なものが見えるんですわ。
「おや?」と思って目をこらすと、どうやらそれは鳥居みたいです。所謂朱塗りの鳥居。
不思議なのは、普通の神社の鳥居と違い、明らかに小さい、という事。電車の中から見たので、はっきりとした大きさは分からないけれども、人間の胸くらいまでの高さしかないような、そんな感じ。そして、何故か、何もない川縁の空き地のような場所にひっそりと鳥居が立っているという事。

「なんか変だぜ」

なんて思ってはいたのですが、別段気にする事じゃないと思って、鳥居の事はすっかり忘れてしまっていたんですな。んで、またある日、電車に乗って例の川を通るときに、変な鳥居があったのを思い出して、その鳥居があった辺りに目をやってみると、何と鳥居が増えていました。3つ4つとか、そのくらい。
しかも、計画的に立てた、という感じじゃなくて、ランダムに立てているような、そういう立て方だったと思います。

それから、結構気になって、毎日毎日川を渡るときに鳥居をチェックしていたのですが、鳥居、ドンドン増えてるんですよ、数が。
少しづつなのかな? けれども確実に増えていて、気がついたら最初に立っていた鳥居の周辺一帯が鳥居で埋め尽くされていたんです。少なくとも、「何かをお祀りする」とか、そういう目的の鳥居じゃない感じです。その立て方っていうか、それが凄く狂気に満ちた感じだったんです。
流石に背筋が寒くなって、「もう、アレを気にするのはよそう……」と決めて、暫く鳥居を見ないようにしていました。

いつしか、鳥居の事なんてすっかり忘れてしまっていて、暫く経ってから……そうね……半年とかそんなもんかな? ある日ふと鳥居の事を思い出して、またチラッと見てみたんです、鳥居が立っていた場所を。
そしたら、そこには何もなくて、草が茂っているだけでした。

別に、怪物がとか幽霊がとか、そういう事じゃないけれども、結構気味が悪かったです。
何となく気にしちゃいけない気がして、今はもう絶対に、鳥居があった場所に目をやったりしませんけれども。


……。
全然怖くないね。
けど、こりゃホントの話。怖いというより気味が悪いタイプですね。

何か、すっげぇ怖い話が載ってるサイトとかご存じの方、是非こっそり教えて下さいませ。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2009-08-31 02:06 | 日々之雑記 | Comments(0)
2009年 08月 28日

フリーサウンドノベルレビュー 『Normalize Human Communication』

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今日の副題 「2009年のナンバーワンかも」

※大吟醸
ジャンル:病の少女とアマチュアカメラマンの感動作品(?)
プレイ時間:2時間
その他:選択肢なし(一箇所だけあるっちゃあるけど、実質的に意味はない)、一本道。前後編に別れている。
システム:Flash

制作年:2009/8(?)/?
容量(圧縮時):Flash作品の為、容量は記載せず。




道玄斎です、こんばんは。
ここのところ、ホラーばかりプレイしていたのですが、実は窃かに気になっていた作品がありました。ただ、それは一般的なノベルゲームではなく、Flashで制作された作品。
それ故、フリーのノベルゲーム業界(?)では、まだそんなに話題になっていないのだと思いますが、これは是非プレイして欲しい作品です。
というわけで、今回は「むきりょくかん」さんの『Normalize Human Communication』、略して『のまひゅ』です。
良かった点

・号泣必死の感動作品。恐らく2009年の最高傑作ではないかと。良かった点はこれで十分です。


気になった点

・やはりFlashだと操作がしづらく、又、途中でプレイを中断もしづらい。

・やや、語りすぎな部分が無きにしも非ずだったのかも。個人的な意見ですけれども。

ストーリーは、サイトの方から引用しておきましょう。
2009年7月~8月に公開のVisual Flash Novelです。
死ぬかもしれない女の子の遺影を撮るだけの、地味な物語。

略称は、『のまひゅ』。舞台は、新横浜。

読了には2時間程度かかります。

こんなストーリーです。

久々に何の迷いもなく大吟醸を選択する事が出来ました。
滅茶苦茶泣きました。ただ……もしかすると、作者様の意図としては本作をプレイして、「泣いて欲しくない」んじゃないか、とも考えてしまいます。けれども、やっぱり泣いてしまいます。

死んでしまうかもしれない女の子、鈴乃と、アマチュアカメラマンをやっている大学生慎平、そして彼の思い人の初佳(もとか)。主要人物はこれくらい。あと、鈴乃の父で、慎平のバイト先の店長も。

ストーリーにあるように、鈴乃の「遺影」を撮り続けるアマチュアカメラマンのお話になっています。
ちなみに舞台は新横浜。昔、私も住んでいましたし、青春時代を過ごした土地でもあります。プレイしていて「をを、ここは!」と思ってしまうような事も何度もありましたよ。
篠原町とか、地元民しか分からない地名が出てきたりもします。ちなみに、作中で登場する篠原町は、私も昔散歩コースにしていた場所でした。
あの場所そのものかどうか分かりませんが、私もあの辺り、よく散歩していました。舞台の一つである新横浜の労災病院も、お馴染みの病院です。中学だかの時、友達がそこに入院してましたしね。

で、実はちょぴっとアレに似てるんですけれども(後書き的な部分をサイトの方で見ても、やっぱり影響がありそうだ)、どうにも日本人は(というか私は?)こういう作品に弱いですね……。作者様の意図は兎も角、全力で泣いてしまいました。
そういえば、作者様は『ごがつのそら。』或いは『ほしのの。』をお作りになっている「むきりょくかん」さんです。どうやらFlashがお得意なようで、最初にFlash、その後NScripterに移植されたのが『ごがつのそら。』だったように記憶しています。『ほしのの。』の方もここでレビューしているのですが、そちらはまだ移植されず、Flashのまま公開されています。

ノベルゲームというのは、そのツールの違いは兎も角、ある種、商業のそれに何かしらの影響を受けているものだと私は思っています。イラストが表示され、音楽や効果音が鳴り、画面下部、若しくは画面を覆うようにテキストが表示される。そんなフォーマットそれ自体は兎も角としても、ノベルゲーム作品は、商業の影響は存在しています。
一番分かりやすいのはハイスクール恋愛アドベンチャー系のゲームでしょう。主人公がおり、ヒロインが一人、乃至複数居て、降りかかる試練を乗り越え恋愛も成就する、というタイプの作品です。
勿論、商業のそれを「真似している」とか、そういう事を云いたいのではありません。けれども何か、商業の作品が前提にあって「アレを越えるものを創りたい」、そう思う事も一種の影響ですよね。
或いは「商業では出来ない事を、同人(フリー)のものでやってみたい」、それも又、広義の影響と見ることが可能でしょう。

本作は、恐らく、商業のそれでは実現出来ない、同人(フリー)だからこそ可能な作品だったのではないでしょうか?
何て云うか、商業のノベルゲームは、或る意味で18禁なシーンが存在していなければ、どうしようもない部分ってのがありますよね。私なんかは、8800円なり払ってもそれが良質のものであれば、えっちぃシーンは要らない、と思っているのですが、恐らくそれは割と少数派な気がします。
そもそも前提として、商業のものは「儲け」を出さないとマズイわけですよね。その為に最低限必要な要素ってのがやっぱりあるのだと思いますし、そうしたものが「可愛い女の子のイラスト」や「えっちぃシーン」だったりするのでしょう。ストーリー自体は或る程度の自由があるにせよ、ね。

でも、同人なりフリーのものであれば、そうした「商業の最低限の要素」すら、踏襲する必要はないわけで、かなり自由度の高い作品作りが可能なハズ。少なくとも原理的には。。
だからこそ、私はフリーの作品が大好きですし、その中でキラリと光る作品を見つけた時は、みんなにその作品を触れ回りたいくらいで、だからこそこんなもんを書いているんですがw

長々と書きましたけれども、フリーのものであっても、NScripterや吉里吉里/KAG、或いは最近随分と使いやすくなったLive Makerとか、はたまた新興勢力のYU-RISとか「ダウンロードして実行する」タイプの作品が圧倒的に多いんですよね。
そんな中、Flashの作品というのは、ちょっと取っつきにくいですし、ベクターなりに「登録」が出来なさそう(ブラウザ上で起動する実行ファイルにすれば出来そう?)なので、知名度が今ひとつになってしまったりするわけですけれど、是非、本作はプレイして欲しいですね。

勿論、Flash故の使いにくさ、は存在しています。
一応、一般的なノベルゲーム的な画面ではあるのですけれども、セーブ/ロードが出来ない(チャプター単位で頭出しは出来る)とか、普通のシステムに慣れていると結構プレイしにくい。
チャプター単位で頭出しは出来ますけれども、そうすると、一旦プレイを中断したい時には、あるチャプターを取り敢えず最後まで読んで、新しいチャプターに移行したタイミングがベスト、という事に。毎日ちまちまっと読み進めていきたいタイプのゲーマーにはこうしたシステムは不向きです。
個人的には、本作、是非移植して公開して欲しいですねぇ……。きっと、話題の一本になる事請け合いです。
某作品に映画化の打診があった、なんて聞きますけれども、本作もそういう水準の作品なんじゃないかな、と思っています。

気が早いですけれども、もし、「映像化」が打診されても、私としては、現行の若しくは「NScripterなりのツール」でプレイ可能な形態を保って欲しいなぁ、と思いますね。
本作は、ノベルゲームだからこそ、いいんですよね。

何か映画化されちゃうと、「売り出し中」の若くてカッコいい、或いは可愛いけれども演技力が未熟な俳優・女優にキャスティングが割り振られちゃって、作品の持つ雰囲気をぶちこわしてしまうんじゃないかと。
それに、Flashという形態であれ、本質はノベルゲームですから、ノベルゲームならではの楽しみ方、というようなものも映像化される事で失われてしまう気がします。
じっくりじっくり読んでいきたい。或いは「次クリックするととっても重要な台詞が出てくる」なんて時に、一息入れたり、それまでを頭の中で反芻したり出来ない。そういう事が可能なのは、フォーマットがノベルゲームだからこそ、なんですよね。

ほら、写実的に書いた絵画、ありますよね?
私、美術とかには全然詳しくないのですけれども、フェルメールでも何でもいいけれども、ある場面を写し取って一枚の絵にしているようなものがあります。
で、その究極は目に見たままを写し取れる写真です。けれども、写真で事実そのままに撮ったものと、それを画家のフィルターを通して、描いたものでは、異なったものになっているハズです。勿論、「正確さ」の点では写真に軍配があがるのかもしれませんが、写真では写し取れないリアリティとか、画家のメッセージみたいなものは、写真では出てきません。無論、或る意味で冷徹に写し取ってくれる写真であるからこそ活きるモノってのもありますけれどもね。本作に出てくる「最後の写真」なんてのは、そうしたものなのかもしれませんね。
まぁ、つまり、作品のシナリオだけ写し取って実写にしても、きっとそれは元々のフォーマットの「作品」を越える事が出来ないって事なんです。

ノベルゲームの、それも同人で創っているものだからこそ、表現出来るもの。そうしたものを改めて意識させるような、そんな作品でした。何となく、私の好きな超個人的「殿堂入り」の作品にはそういう感じのものが多めな気はしています。

或る意味で、結論みたいなものが見えにくかったりするわけですけれども、「何が言いたいのか分からん」というのは、実はちょっと違う気もしますねぇ。勿論、思わずそう云ってしまいたくなるような作品も世の中にはあるっちゃあるんですがw

それはそうと、もし、「何を言いたいのか分からない」というのが、作品のマイナスポイントであるとするならば(繰り返しますが、それがマイナスポイントになっちゃう作品もあったりします……)、『源氏物語』なんてどうすればいいんでしょうかね……?w 
光源氏が死亡して、一応彼の息子って事になっている薫(実は別の男の子)と、光源氏の孫の匂宮が女を取り合って、どっち付かずの女は身投げして尼になって、結局薫は「あの女、別の誰かに囲われちゃったのかなぁ……」なんてぼんやりしてお終いですからw

してみると、明確な結論が出ないものを受け入れる土壌、みたいなものは、日本文学の一つの特徴なのかもしれませんねぇ。「ストレイシープ」とぼそぼそつぶやいて終わっちゃう文学作品もありますしw
何か、そこに漂う余情みたいなもの、それが感じられれば十分なんじゃないかな? なんて最近は思っています。勿論、そこに作者なりのメッセージみたいなものが上手くとけ込んでいれば、それがベストなんだと思いますが。


んで、気になった点の二番目。
ちょっと、個人的な意見で恐縮ですが、「語りすぎ」なんじゃないかな? と。
それは地の文やら、台詞回しやら、或いはアイキャッチ的な部分で出てくる文章やら含めて、です。
こういう雰囲気の作品ですから、もうちょっと「静」の部分が意識されても良かった気がしています。もちっとそぎ落として洗練出来たんじゃないかな、という事ですね。

これを気になった点として挙げるのはどうかな? という気もするので、「気になった点」には入れてなかった気になった点も書いておきましょうか。
立ち絵は、ご覧の通り、作品の雰囲気に合ったもので、とっても良い感じでした。先に述べた事と若干矛盾しそうですけれども、一枚絵が要所要所にあったら、「ノベルゲーム作品」としてもっと良かったんじゃないかな? と思わなくもない。ただ……結構、一枚絵を付けるってのは難しいですよね。
基本、背景写真があるわけで、その背景を含めて一個の作品として成立してしまっているわけですから。上手く一枚絵を融合させる事は難しいのかな? とも。

本作の場合、単純な娯楽作品、って云っちゃうのも違う気がします。
或る意味で、凄くベタな部分もあるし、無慈悲な面もあったり。
だけれども、プレイをした時、或いはエンディングを見た時に感じる「何か」。それはとっても尊いものに思えてなりません。


というわけで、今日はこんな所でしょうか。
何だか、いつもと随分違う感じになっちゃいましたが、たまにはこんなのもいいでしょう。

青田買いじゃないですけれども、2009年の最高傑作だと思います。まだ何ヶ月か残してますけれども……。あまり言葉を尽くして説明したり出来るような作品じゃありません。何か、ジャンルで「感動作品」的に書いてしまいましたけど、感動モノなんて書くと、却って作品の良さが消えてしまう気もします……。
是非プレイして、何かを感じてみて下さい。
それでは、また。
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by s-kuzumi | 2009-08-28 20:28 | サウンドノベル | Comments(0)
2009年 08月 27日

フリーサウンドノベルレビュー 『学校七不思議2』

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今日の副題 「ちょっと和風な物悲しさと」

ジャンル:ホラー(?)
プレイ時間:30分程度
その他:選択肢アリ、エンドも複数。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2000/12/17(Ver.1.00、本レビュー2004/3/22のVer.2.03にてプレイ)
容量(圧縮時):3.39MB



道玄斎です、こんばんは。
今日も今日とてホラーをやります。前回のレビューにて扱った『学校七不思議』その続編ですね。番外編も既にプレイし、レビューも書いていますから、これで3/5、このシリーズをプレイした事になります。
というわけで、今回は(も?)「銀の盾」さんの、『学校七不思議2』です。

良かった点、気になった点は、今回は変則的ですがカットします。
無印の『学校七不思議』のレビューでも見て貰えれば、雰囲気は分かるハズ。ですので、ストーリーだけ、ベクターの方から引用しておきましょう。
どこの学校にもある、七つの怪談話。
その「七不思議」にまつわる、ホラーADVです。
今回のテーマは、「桜」。

かつての母校に教育実習生として戻ってきたあなたは、知らず知らずの内に「夜の学校の世界」を見ることに。

「コミックメーカー」から「吉里吉里」に移植。
CGやイベント、エンディングリストを追加しました。

こんな感じです。
続編、という事で尺も短めになり、且つエンド数も少なくなっており、プレイしやすいな、というのが第一印象でした。何だかんだで前作『学校七不思議』はエンド数が多くて、且つ、全てのエンドを見ないと次の章にいけなかったり、或いは美味しい場面が見られなかったりしたのですが、今回は割とサクサクと。

ホラー系の作品は、エンドリストが実装されており、或る意味で「色々なエンドを楽しむ」という所に比重が置かれた作品が多い事も確か。バッドなエンドであっても、そのエンドがトゥルーエンドへの道しるべになっていたり、とかも定番のパターンです。
本作もやはりエンドリストは付いていますが、こちらは「トゥルーエンド」を見る事を目的にするタイプに近いかな? そうは云っても、全てのエンドを見ないと「過去の一幕」を見ることが出来そうにないのですが。。

選択肢選びも易しめでした。
「絶対にこれを選ぶとバッドエンドになる」というものを除外していけば、結構簡単にトゥルーエンドに向かうことが。それとは逆に選択肢選びをしていけば全てのエンドの回収もすんなりいけます。

で、今回は前作にも登場してきた、(幽霊になって)学校に住み着いてしまっている美加と絵梨のコンビも再度登場。
というか、本作の主人公は彼女たちの同級生だった亮子です。彼女が、教育実習生として、再び母校に戻ってきてみると、相も変わらず「学校の七不思議」を確かめようとする生徒が居て……というストーリーの流れ。

怖さ自体も、前作よりも(前作もそんなに怖くなかった)パワーダウンして、やはりもっとストーリーみたいなものを重視した作りです。これは前作をやっていないと全然楽しめないタイプの作品ですよねぇ。

本作のテーマは「桜」だそうで、やはりそれに見合った、ちょっと和風な印象がありました。
別に桜に限らず、どこか和風な趣があって、やっぱり私好みである事は否定出来ません。こういうストーリーって海外のものでは聞いたことがないわけで、日本人に訴えかけるような「何か」があるんですよね。

印象的なのは、幽霊コンビの美加と絵梨の存在です。
学校という場所は、誰もが通い(少なくとも義務教育は)、そして「必ず」去っていく所です。だけれども、美加と絵梨は幽霊になってしまって、ずっとそこに留まっている。
そのもの悲しさみたいなものが、このシリーズの焦点なのかもしれません。


単体ではプレイしても、どうしようもない所があります。『学校七不思議』をプレイしてピンと来た人はプレイしてみて下さい。「次回予告」で見ることが出来る3話になると、イラストなんかもかなりup to dateな感じになってきて、どんどん洗練されてくる感じ。
取り敢えず、4話まで、プレイするつもりですよ?


それでは、また。
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by s-kuzumi | 2009-08-27 19:06 | サウンドノベル | Comments(0)
2009年 08月 26日

フリーサウンドノベルレビュー 『学校七不思議』

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今日の副題 「実は感動系かも?」

ジャンル:ホラー+感動系
プレイ時間:1時間くらい。
その他:選択肢アリ。エンドも多数。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2000/7/27(Ver.1.00、本レビュー2004/3/15のVer.2.03にてプレイ)
容量(圧縮時):6.29MB




道玄斎です、こんばんは。
夏ももう終わりですねぇ……。されど、ホラー作品強化週間はまだまだ続きます。
先日、『学校七不思議~小学校の花子さん~』という作品をプレイしましたが、それは本作「学校七不思議」の外伝的な作品でした。外伝だけやって、本編をプレイしない手はなかろうってんで、今回は本編たる「学校七不思議」シリーズ、その記念すべき第一弾『学校七不思議』をプレイ。作者は「銀の盾」さんですよ。
良かった点

・ホラーというよりも、感動的な部分に力が置かれており、結構ジワッときます。演出も古典的ですが、上手だと思います。構成も中々。


気になった点

・ちょっと……エンド数が多めかも? 又、途中からバックログで文章が読み返せない所があったり。

ストーリーは、例によってベクターの紹介文から引用しておきましょう。
学校にまつわる怪談「七不思議」を題材にしたホラーアドベンチャーです。

ある暑い夜、消えた二人の女生徒。
そして数年後、同じ高校に入学した妹…。

選ぶ選択肢によって、エンディングも変化していきます。

「コミックメーカー」から「吉里吉里」にリメイク。
エンディングリストを追加しました。

こんな感じ。


ホラーを期待していたら、意外にもホラー色は薄くて、結構意表を突くような形で感動的なストーリーになっていたのが印象的でした。普通に面白いんじゃないかな? 

ちなみに本作、私用語で云う所のサンドウィッチ型です。
過去の話に挟まれて、「現在」の話がある、というタイプ。『学校七不思議』という一つの纏まりではあるけれども、実は三つの章に別れているわけです。「北水由美の章」、「七不思議の章」があり、全てのエンドを見ると、「北水由美の章」に繋がる、過去の話の続きを読むことが可能です。

そういえばイラストが中々可愛らしかったですね。
個人的な好みで云えば、心霊研究部部長の美加のビジュアルが一番好きです。「こいつが主役」ってな明確な主役はいないものの、割と北水姉妹(絵梨・由美)がフィーチャーされています。けれども、わたしゃ美加が一番飄々としていながらも可愛らしくて好きです。
2009年現在から見ると、多少古い絵柄な気がしないでもないのですが、Ver.1.00発表当時の2000年だったら全然水準以上だったんじゃないかしら? というか、結構好みの絵柄です。少し前の少女マンガみたいな。

ここらで恒例の脱線を入れておきましょうか。
少女マンガで思い出したのですけれども、今日、ちょっとブックオフを見つけたので人目をこっそり気にしつつ、少女マンガの棚に行ってみたんですよ。そしたら文庫版で例の「200万の乙女のバイブル」があったんですな。この「200万の乙女のバイブル」ってキャッチフレーズをご存じの方、いらっしゃるでしょうか……? 一定以上の年齢の方ならピンと来るハズ。そう、そのキャッチフレーズが付いたマンガは『星の瞳のシルエット』と云います。
もう、私自身どんなストーリーだったのか細かい部分は忘れているんですけれども。。で、大人買いしちゃおうかどうか迷ったんですが、何となく「今読んじゃうと興ざめ」しちゃうんじゃないかと、思って結局買わず。んで、横に置いてあった、谷川史子の文庫本『ごきげんな日々』と『外はいい天気だよ』を購入。こちらも少女マンガ。
で、こっちの二冊は谷川師の『りぼん』後期(『りぼんオリジナル』とか『クッキー』を含む)の作品が収められているって感じのもの。一応、単行本も全部持ってますし、再録ですから必要ないっちゃないんですが、ここまで谷川道を極めちゃうと、ついつい、ね。


さて話を戻しましょう。
作中時間で「今」から何年も前、絵梨と美加の心霊研究部のコンビは、学校に存在する七不思議を探索しようとして、神隠しにあってしまいます。
そして姉と同じ高校に入学した、絵梨の妹の由美は、放課後、友達と一緒に「こっくりさん」をやることに……。
これが、「北水由美の章」の概略ですね。そこでご多分に漏れず、怪異に逢い、そこから逃れる中で、神隠しにあった姉の存在と出会って……という感じ。

この章で全てのエンドを見ると、次の章である所の「七不思議の章」に進むことが出来ます。
そこでは、こっくりさん事件から暫く経った由美が、友達と共に夜の学校に忍び込み、姉たちの消息を探る、という趣になっています。
で、やっぱりこちらも全てのエンドを見ると、本作の本当の始発部(つまりサンドウィッチの反対側のパンの部分)を見ることが出来ます。

選択肢自体は、そこまで難解ではないですねぇ。
一応、システムもしっかりとしたものですし、こまめにセーブをとり、あれこれ試せば全部のエンドを見ることが出来ると思います。ただ、「北水由美の章」と「七不思議の章」それぞれで、全てのエンドを見ないといけないので、そこが少し面倒かも? エンドリストも実装されてはいるのですが(昔プレイした時には無かった気が……)、数が多いとやっぱりちょっと大変ですよね。

選択肢の多さ(≒バッドエンドの多さ)で、怖がらせるタイプの作品じゃなくて、寧ろストーリーとしては一本筋が通っていて、結構感動的な所に落とし込むタイプですから、ここまでエンド数がなくても良かったんじゃないかな? なんて思いますね。ストーリー本体をもうちっと容易に追っていけるようなタイプの方が良かったのでは? という事です。
敢えて云えば、なんですけれども、作品の傾向、というかタイプとエンド数の処理に若干齟齬がなくもない、みたいな。


上手く云えずもどかしいのですけれども、作中世界に於いて「時間」的なものを積み重ねて重層的にしていくと、やはりストーリー自体も厚みが出てきますねぇ。
そもそも「世代が代わる」みたいな演出は、日本人の好みなんだそうで(別に日本人に限らないと思うけど)、そういう意味でも普通に面白く遊べましたよ。

個人的に凄く良い意味で、気になったのは、オールクリアー後に見ることが出来る、「次回予告」です。
どうやら、今度は卒業生が教育実習生として、この学校に戻ってきて……というお話になっているようです。ってそちらも一度プレイしているのですが。。 
本作は本作で完結したものでありつつも、次回予告で「これもやらなきゃ!」と思わせるような演出があって、やっぱり上手いんだと思いますねぇ。
分析的な目でみちゃうとアレだけれども、古典的ですが、結構「感動させる演出」みたいなものもしっかりしていますし、ね。


近々、是非第二弾、第三弾、そして第四弾をプレイしたいです。
さて、風呂にでも入りながら、今日買ってきた少女マンガを読むことにしましょうか。


それでは、また。


※追記

そういや、一番最初に出てくる「新聞記事」でのタイプライターの音が、何だかうるさかったので、「こんなのはどうよ?」的にちょっくらタイプライターの効果音、作ってみました。制作時間3分。超お手軽制作ですな。
興味があれば、ご試聴下さいませ。こちらからどーぞ。
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by s-kuzumi | 2009-08-26 22:35 | サウンドノベル | Comments(0)
2009年 08月 25日

フリーサウンドノベルレビュー 『I Love America』

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今日の副題 「ハリウッド的ハードボイルドがお好きな方に」

ジャンル:ハードボイルドアクションアドベンチャーノベル(?)
プレイ時間:~4時間くらい
その他:選択肢アリ。バッドエンドも。ただしリトライ出来る。
システム:Yuuki! Novel

制作年:2004/7/17
容量(圧縮時):9.44MB



道玄斎です、こんばんは。
よくよく考えてみれば、ここ最近、割とお手軽に出来るゲームというか、1時間程度で読了出来る作品ばかり遊んでいた気がしたので、今回は少し長目のものを遊んでみました。それにホラーばかり連続して続いていたので、少し指向を変えて、ハードボイルな感じのものを。
というわけで、今回は「DREAM FACTORY」さんの『I Love America』です。こういう作品も意外とお目にかかれないので、貴重だと思いますよ。
良かった点

・割と珍しい“ハリウッドタイプ”のハードボイルド作品。それらしいシーンなんかも盛り沢山です。

・結構ゲーム性があったりして、楽しめます(一方で結構辛い部分でもあるのですけれども)。


気になった点

・Yuuki! Novelに起因する問題がいくつかあったりして……。

・文章表現で気になる部分が(後述)。

ストーリーは、ベクターの方から引用しておきましょう。
21世紀初頭、ニューヨーク。デジタル化社会の中、「人為的情報流出」と呼ばれる事件が頻繁に発生していた。この事件は、顧客情報の流出から国の極秘データや核ミサイルのID番号など大小様々。いくらデータに鍵をかけたとしても、内部関係者が裏切ればどうしようもない。最近急に増え続け、社会問題になっているこの事件を国の危機と察したCIAは、情報が流れ出てしまう前に国の裏切り者を暗殺するという方法をとることにした。「治安協力士」と呼ばれる暗殺組織に身を置く主人公が織り成すハードボイルドサウンドノベル。

こんな感じ。


三時間オーバーの作品は久々ですねぇ。
サイトの方にあるプレイ時間の目安を見ると5~7時間程度らしいのですが、歴戦のノベルゲーマーの方でしたらもっと早くプレイする事も可能。私がざっとプレイして4時間でした。途中で詰まって何度もやり直したりして、ですから、上手くいけば3時間ちょいくらいで読了も可能かな? と思います。

で、作品ですけれども……渋い! 渋めのノベルゲームですね。
何しろ主人公が結構いい歳。53歳ですからね。
彼は元グリーンベレーで、「ある罪」を犯した為、国家の情報流出者を暗殺する治安協力士として暗殺者となる事を余儀なくされます。そこで20年あまり汚い仕事をやり続けてきたけれども、治安協力士を束ねる組織であるCIAから、突如「治安協力士廃止」が告げられ、命を狙われる事に。
生き残りの元治安協力士達と協力し、アメリカを蝕む悪に立ち向かっていくアクション作品です。

適度に章立てがあって、治安協力士としてのミッションの場面だったりもしっかり描かれて、構成としてはとても良かったですよ。随所に出てくる写真素材もいかにも「アメリカ」な感じがして、雰囲気を後押ししてくれます。アメリカって言っても、基本はニューヨークなんですけれども。
ハリウッド的な要素のあるノベルゲームと云えば、『クロスフェードに堕ちた夢』なんかがありますが、こちらの方がより、リアルで渋めのアクションになっています。

で、実は起動するとデフォルトで「スクリーン」表示になっているんですよね。
個人的な好みなんですが、やはりウインドウ表示にして、好みに応じてスクリーンにする、という方が一般的かもしれません。中にはスクリーンでプレイする、という人もいるので一概には云えないのですけれども。
それは兎も角、実はYuuki! Novel製です……。これだけの長さがあるのにこれだけ容量が抑えられているというのはツールの影響もありそうですけれども、些かプレイしづらいのも事実。先ずバックログが効かないとか、セーブ/ロードがやりづらいとか、そういう面での不便さは感じますねぇ。
一本道だったり、尺が短い作品ならばそれでもOKなんですけれども、これだけの長さがあって、バッドエンド実装(実際はリトライというのが可能なのですが)の作品だと、Yuuki! Novelは結構キビしいですね。


面白かったのは、主人公デイブが、元治安協力士の生き残り、クリスと合流してからです。
デイブは前述の通り53歳。渋めのオッサン(というか初老の域に入ってる?)なんですが、クリスはまだ二十代。最初デイブに「坊や」なんて呼ばれていた彼ですが、若さのエネルギーというか、本当にハリウッド映画に出てきそうな「若くて無茶をするけれども、事件の中で成長していくキャラ」になっていました。
この二人のコンビは見ていて楽しいですね。カーチェイスやら、ちょっと小気味の良い粋な会話とか、プレイしていて気持ちが良いです。
この手の映画では、本作のクリス的なキャラは後半で死亡してしまう事が常ですけれども、ちゃんと最後まで彼は生き残るのでご安心あれ。

小気味よい会話、と書きましたけれども、実は会話部分や叙述で些か気になった点が多かったのも事実。
それは、「画面の前でプレイしている私達」に作中キャラが語りかけてくるような場面があるんですよね。それを含めて「一個の作品」となっているようなタイプであればいいのですけれども、そうじゃないわけで、賛否両論あるかと思いますが、私は結構気になりました。
その他にも、これは同じ作者様の『黄昏の白い靴』をプレイした時にも書いたのですが、「日本人でしか理解出来ないような表現」が多いんです。
タイトルが示す通り、舞台はアメリカ。登場人物もアメリカ人。だけれども、彼らの会話の中には妙に日本的な要素が入り込んでいるのです。

例えば「地獄で仏だ。いや、キリスト教徒だからイエスと言うべきだろうか」なんてセリフがあるのですけども、これは日本人だからこそ(少なくとも東洋人)出てくるセリフですよね? 英語で「地獄に仏」的な慣用句があったとして、それは翻訳すれば「地獄に仏」となるけれども、恐らく普通に向こうの宗教体系に即した言葉になっているハズです。そういう「日本人だから分かる」要素が意外に多いんです。

こうした「世界観」みたいなものを支えるべき、キャラクターの言動が「こっち寄り」ってのは、何だか気になりますねぇ。文章的な部分で云えば、誤字が割と多めだったり、「グルカナイフ」とあるべきところが「グルガナイフ」になっていたり、或いは「MP9」がアサルトライフルと表記されていたり(多分、サブマシンガンの間違い、ですよね?)する部分はあれど、私には「世界観」的な部分の文章の構成の方が気になりました。


結構本作、ゲーム的な要素も入ってます。カーチェイスの場面だったり、あるいは山場である爆弾処理の場面とか。間違えるとバッドエンド。
ぱっと表示される数値を記憶するとか、かなりゲーム的な要素があるわけです。カーチェイスのそれでしたら、全然問題ないんですけれども、結構手間取ったのは「爆弾処理」の場面。
何度も何度もやり直すはめに……。オマケに「爆弾処理の最中はセーブをするとセーブデータが消えるようにプログラムされているから、セーブするなよ!」的なメッセージがw この爆弾処理ではちょっとした推理だったり、或いは記憶力を試すテストのようなものが行われたりします。そのくらいなら全然大丈夫なんですが、「モニターの解像度」を変化させないと見破れないものがあったり、はたまた最後の選択肢は全然答えが分からず、しらみつぶし戦法を採ることに。。。結構面白いんだけれどもね~。
この選択肢も賛否が分かれる所かも。

そういや、「気になった点」では書きませんでしたが、一つだけ、本作で「これは良くない!」と思われるものがあります。基本的に私のレビューは甘口なんですけれども、何て云うか健康に害を与えるようなトラップ(?)があって、そこだけはどうしてもいただけない。
先ほどからつらつら書いている爆弾処理の頭のあたりです。「ボリュームを上げろ」みたいな指示がキャラクターを通じて、プレイヤーに指示されるんですけれども、それはやっちゃ駄目。特にヘッドフォンとか付けてプレイしている人は、耳にダメージを与えてしまうおそれがあるので、さっくりスルーして下さい。注意しましたよ? ホントにそこだけは気をつけて下さい。


そんなこんなで、様々な困難を乗り越え、CIAの支部に乗り込むデイブとクリス。
クライマックスですね。緊張感ある銃撃戦が展開されたり、と本当にハリウッド映画さながらの演出ですが、ベタでありつつも、ノベルゲームというフォーマットでプレイするとまたちょっと新鮮で面白い。
ラストも、ほんの少し苦みが残るようなもので、何かこうジワッと来ますね。色々気になった点もあったのですが、ラストを見てしまうと全体として「をを、結構良かったなぁ」と感じてしまう不思議。
最後、ちょっと本編で活躍著しい(?)ジョゼの待遇に気になったりしましたがw


少し珍しい、ハードボイルドアドベンチャーでした。
サイトの方には、イメージイラストが付いているのですが、本作は写真素材のみ。
イメージイラスト、かなり良い味出してるので、是非イラストなんかも見つつのんびりプレイして欲しいと思います。ハリウッドタイプのアクション映画が好きな人は是非プレイしてみて下さい。

それでは、また。
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by s-kuzumi | 2009-08-25 21:26 | サウンドノベル | Comments(0)
2009年 08月 23日

なんてことない日々之雑記vol.226

道玄斎です、こんばんは。
何故か寝付けず、こんな時間に更新です。
いや、何故かなんて云いましたけれども、理由ははっきりしています。それは……。


■ヤツが出た

今をさかのぼる事約一時間くらい前。
「さて、そろそろ寝るかな?」なんて考えながら、寝しなに読む本(というか、今日は雑誌)を選定していたら、視界に妙なモノが映ったんです。人間の目って複眼とかじゃないクセに意外な程高性能に出来ているようで、「何か動くモノ」を見つけるのは凄い得意みたい。

で、知らぬが仏という格言の通り、見ちゃいけないものを見てしまったというわけ。
や、別にお化けとか幽霊とか妖怪とかそういうモノをみたわけじゃないんですけれどもね……。

今、これを打ち込んでいるパソコン、その後ろの壁面に何と「ムカデ」が居たんですよ……。
ちょっとした毒を持っていたりする、咬まれると痛いあのムカデです。漢字で書けば百足。字の通り、「流石に無駄じゃねぇ?」と云いたくなるくらいの大量の足を持っています。確か、漢方とかでは乾燥させたムカデを食したりって事があったような気がしますが、一般的に好まれない虫である事は確か。

そもそも、365日ほぼ密閉状態の私の部屋にどこからムカデの野郎が入り込んだんだ? って大いなる疑問があるんですけれども、実は、今をさかのぼること四時間くらい前、部屋の掃除をしていたんです。
ちょっとパソコンをバラしてお掃除したり、積み上がった本を整理して戻すべきものは書庫に戻したり。で、埃とか出ますから、濡れ雑巾とかでちゃんと拭いてやって仕上げに「部屋の換気をしよう」と思って、窓を開けたんですよね。

あっ、でも蚊とか厭ですから、網戸のまま開けているんです。
けれども、その時、ちょっぴりどこかにスキマが生じてしまった可能性が大。で、するりとムカデのヤツが入り込んでしまったんじゃないかと推測されます。

取り敢えず、虫の類は嫌いですから(子供の頃は大好きだったのに!)、触りたくありません。
暫し考えて、「要らない紙でムカデをすくい取って、窓の外に捨てよう」という戦略を採ることに。要らない紙は、私の部屋に大量にありますから。

で、壁をうにょうにょと、のんびり這っているムカデめがけて紙を差し出した所、彼(彼女かもしれませんが……)は、身の危険が迫っている事を感じ取って、さっきまでのまったりペースの動きを一転させ、死ぬ程素早く逃げ回りました。
大人しく壁際で逃げ回ってくれていたら一番良かったのですが、「ポトリ」なんて音が聞こえてきそうな位、見事に下に(つまり机の上だ)落ちたのです。しかも、本とか書類とかが立てかけてあるスペースですよ。「うひゃぁ!」なんて情けない声を上げつつ、こっそり封筒やらをどかします。すると、「するする」という感じで素早く逃げようとするムカデを発見しました。けれども、封筒と封筒のスキマという限られた条件下では、「要らない紙の上に載せて、虫を窓の外に遠心力を利用し放り投げる作戦」が遂行出来ません。

何とか、広いスペースに誘き出そうとして、うりゃうりゃやっていたら、するりとどこかに行ってしまいましたとさ……。まぁ、その、なんですか、つまり今、この部屋の中には私とムカデの二人組が存在している、というわけで、気味が悪い事この上ない……。「寝ている間に口の中に入ってこないかな……?」とか心配していたら、もう眠る事なんて出来ません。しゃーないから、お酒を持ってきて、そいつで誤魔化して寝てしまおうという作戦にシフトしています。ですので、酔いが回ってくるまでお付き合い下さいな。
ちなみに今日は米焼酎。松の蔵というもの。アルコール度は40度。とろりとした舌触りで味も良好。



■曲置き場

何だかんだで、DTM講座(?)的なものを不定期でやっていたり、或いは適当に打ち込んだものとか、色々曲らしきものも溜まってきました。

で、例の「サーバーからmp3が削除されてしまう件」ですが、サポートからメールが届いて、「mp3は発見次第削除する。削除されたくなきゃ有料版を使いな!」ってな事を云われました。何と「無料版ではアップしてもすぐに消すリスト」みたいのがあって、「zip」とかも駄目みたい。いくら容量が大きくたって、そういう部分で制限が掛かるというのは、どうも、ね。

ちなみにwavファイルの方は削除されていません。
「すぐ消すリスト」にwavファイルが含まれていないからだと推測されます。けれども「アップしてもいいよリスト」にwavは入っていないという不思議。
wavだと容量が凄い事になっちゃうので出来れば圧縮して提供したい所です。先ず思いついたのは「wavで消されないならば、同じくリストに載っていないoggにしちゃえばいいんじゃないか?」という事。だけれども、wavもいつ消されるか分からないし、或る意味で「穴を探している」という感じですから、あんまり建設的な方法じゃない気もします。

そんな訳で、ちょっと思案していたら、親切な方がsky driveなるMicrosoftのサービスを教えてくれました。容量なんと25G。十分すぎる程あります。ちゃんと「公開用」のフォルダがあるので、そういうのを利用しちゃおうかな、と。

もちっとちゃんとした形でファイルが置ければいいんですが、間に合わせとしては十分過ぎる程なので、まぁ色々試したりしつつ考えてみます。



■FL STUDIOを布教させよう

私の使っているDAWはFL STUDIOというものです。
DTM絡みで、初音ミク以来キャラクターをフィーチャーしたものが人気だというのに、FL STUDIOはイマイチ盛り上がりませんねぇw ちゃんとFL Chanという可愛いキャラがいるのに。Sytrus ChanとかEQ2 Chanとかファミリーも揃っているのに……。

元々かなり硬派なソフトだったらしいのですが、店頭販売されている分としてはヴァージョン8から、FL Chanがフィーチャーされるようになりました。ベルギー製のソフトですが、日本人のイラストレーターの方がイラストを描いてるんですよ? 

でも、でも、私も地道にこのブログでFL STUDIOを草の根的に紹介しているわけで、そっち絡みのお問い合わせを下さる方も出てきました。そういえば、昔「同人ゲームサークルを立ち上げたんだけれども、音楽担当者に任命されてしまって……。音楽とか一切やったことないんですけれどもどうしたら?」というようなお問い合わせもありました。が、それはメールを送る相手を間違えていますw
そもそも、それはポジションを振り分ける人(サークルのリーダー?)に問題が……w 果たして、その後、ちゃんとゲームサークルは立ち上がり、作品は完成したのでしょうか……? ちょっと気になってます。

ともあれ、サウンドノベル/ノベルゲームを一つの大きな軸として活動をしているわけで、FL STUDIOの布教も「ノベルゲーム制作に利用出来る音楽ソフト」という位置づけですね。独断と偏見が入ってますけれども、恐らく、一番「安くて」「手軽」にゲーム音楽の作成が出来るソフトなんじゃないかと思います。
VSTに対応していますから、別のゲーム音楽を作らなくても、フリーの効果音的な音が詰まったVSTiを落としてきて、効果音を作っても全然OK。

で、何度か書いたのですが、私はFL STUDIOを使う際、かなりFLユーザーとして邪道な事をやっています。FL STUDIOは1~4小節くらいの短い「パターン」を作成し、そのパターンを組み合わせて曲を創り上げるソフトです。フレーズやリズムのリフレインが多いダンスミュージックに適している、と云われる所以です。

本来的なFLの使い方は、

・パターンを沢山作る

・そのパターンをプレイリスト上に並べて曲を構成する

というものになるハズ。随分簡略化していますが。

だけれども、何となく、私にとってそのやり方はやりにくいというか。
一番最初にSONARを弄っていた事に起因するのですが、何かトラックを編集する際に、他のトラックのノートが見えていないとちょっと困るんですよね。
例えば、メロディを作ろう、と思った時に「コードを入力したトラック」がメロディのピアノロールにも(編集は出来ないけれども)表示されていると便利ですよね? 打ち込みの指針になるというか、ね。

で、画像を載せちゃうと、こんな風にして使っています。
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分かりますかね?
本来なら、ステップシーケンサーとして、ドラムやベースを打ち込んだり、或いは音源を追加して数小節のパターンを作る所、そこに全部打ち込んでしまっているんです。

FLの大きな特徴が、「パターンモード」と「ソングモード」という二つのモードを備えている事にあって、先に述べた「パターン」を作って、それをプレイリスト上に貼り付け「ソング」にする、という作業があるわけです。
ですが、私の場合、邪道な事に「パターン」モードで全てのトラックを頭から終わりまで打ち込んでしまうんですな。
そうする事で、「Ghost Channels」という設定をオンにしてやれば、ちゃんと他のパートの打ち込みもピアノロール画面に表示されて良好という訳です。それが、他のパターンも混ぜて作ろうとすると、他のパートがどう打ち込まれているか表示されないみたい。

んで、既にパターンモードだけで、曲は完成しているので、そのまま書き出してもいいくらいなんですけれども、オートメーションを掛けたりする都合上、最後の最後に「パターン」として全てのトラックが頭から終わりまで打ち込まれたものを、プレイリストに置き(と行っても、それはPattern1だけ普通にベタッと置くだけ)、処理をして完成という流れです。

FLの良さを活かしてない、なんて云われそうですけれども、打ち込みのしやすさとか恩恵はちゃんと与っています(打ち込みのやりやすさに定評があるのもFLの長所です)。ちゃんと音源毎にミキサーに流してますし、FLの「使いやすさ」はかなり発揮されているんじゃないかなぁ? と思っていますよ?

要するに、FL独自の「パターン」と「ソング」を使い分けて曲を構成する、というやり方でなく、「普通のDAWのようにFLを使う方法」という感じですね。
そうやって使えば、FLでも全然普通のDAWと同じように使えます。その分、何か犠牲にしているのかもしれませんが、少なくとも現時点で不備は感じませんねぇ。

「パターン」というパーツから「ソング」(=曲)を作る、という事で、ノベルゲームの音楽制作のツールとしてFLを敬遠していた人も居るのではないでしょうか? 
けれども、これで普通のDAWと同じように曲が作れる、って事が分かりましたよ……ね……? 自分が使っているからってのも勿論あるんですけれども、使いやすいソフトだと思いますよ。以下、更なる布教の為、長所とかを挙げてみましょうか。


○FL STUDIOの長所

・軽い
  比較的低スペックのマシンでもサクサク動きます。安定して動作します。

・起動が速い
  すっごい早いです。SONARとかだとVSTの読み込みでハードディスクががりがりいったりして、中々時
  間が掛かります。

・安い
  最上位版を選択しても、フル性能のDAWとしては最も安いものの一つだと思います。というか、最上
  位版じゃないとキツい部分があるのも確かですけれども。
  で、本家Image Line社の方でLife Time Updateの権利を購入すれば、一生涯最新版のFLを使
  い続ける事が出来ます。
  ちなみに私は、BOX版(ヨドバシとかで売ってる奴)を最安値だった29000円くらいで購入し、Life Ti
me Updateを本家の方で29ドルで購入した訳で、一生涯使える音楽ソフトが三万ちょいで入手出来
  たという事になります。

・音源(やエフェクト)いっぱい付いてくる
  最上位版を選択すれば、付属するソフトシンセは本当に膨大な量になります。単体で音楽制作が可
  能なわけです。当面の間、あれこれ音源を追加購入する必要無しに、FLだけで楽しめます。足りない
  ものがあれば、そんときゃ、フリーのVSTiを導入すればOKだったり。

・楽しい!
  これが一番重要かも。兎に角「最初の音を出す」のが簡単。
  ステップシーケンサーで、ドラムループを作ったりするだけで、凄い楽しめます。やろうと思えば高度な
  事も出来るし、本当に遊び道具みたいにして楽しむことも可能。「便利なソフト」は数あれど、使って楽
  しい音楽ソフトは珍しいのでは? 「パターン」を作って並べるだけで曲になりますしね(←これ正統な
  使い方)。


あんまり褒めてばっかりだと、それはそれで偏るので、短所も。。


○FL STUDIOの短所

・ユーザー数がイマイチ少ない
  寡聞にして、あんまり使っている人を知りません……。一応、初心者からプロまで使えるソフト、なハズ
  なんですけれどもね。

・全部英語
  英語アレルギーの方は注意が必要かも。日本語化とかはないので、全部英語です。一度サポートの
  方にメールを送った事があるんですが、それも英語で書きました。。
  ですので、日本語のファイル名を付けると文字化けします。



私が使っていて、感じる短所はこんな所でしょうか?
けれども、何か愛着の湧くソフトなんですよねぇ……。

ユーザーというか、ファンの方は某動画サイトに動画を投稿したり、草の根的な布教活動をなさっているわけで、私はノベルゲームの方向から草の根的な支援を……w
そういえば、FLは自身がVSTiとして動作するので、他のDAWを使っている人でも補助的にFLを使うことも可能ですよ。お値段もお手頃ですし、一本入れておくと役に立つかも。。



……実は、FLの画像を撮っている最中に、ムカデがまたパソコンの後ろの壁に現れました。
今度は、こちらも電光石火の勢いで、紙に載せて窓の外に放り出す事が出来たので一安心。そうこうする内にお酒も回ってきました。さて、明日は午後に予定があるので、そろそろ眠りましょうかね。それではお休みなさいませ。



■追記

ムカデ……もう一匹いました。
気がついたら袖の中に入っていて、肘の辺りを咬まれてしまいました。痛い……。
そいつは取り逃がしてしまったので、不安でしょうがない……。ちゃんと眠れる……かな?
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by s-kuzumi | 2009-08-23 03:33 | 日々之雑記 | Comments(0)
2009年 08月 22日

フリーサウンドノベルレビュー 『首がない子の話』

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今日の副題 「これが“時限爆弾”です」

ジャンル:ホラー(?)
プレイ時間:コンプリートで1時間くらい。
その他:選択肢多数。バッドエンド多数。
システム:NScripter

制作年:2004/1/13
容量(圧縮時):4.77MB



道玄斎です、こんばんは。
何だか、ここ何日かホラー強化週間みたいになってますが、今日も今日とてホラー作品です。
これは、多分、未プレイだった作品です。名前は良く界隈の情報サイトとかで見ていたのですけれども、どうやらプレイしていなかった模様。ダウンロードは1年以上前にしてあったみたいなんですが。
というわけで、今回は「じゅえる★ぼっくす」さんの『首がない子の話』です。
良かった点

・気軽にさっくり楽しめる。エンド数は多いものの、割とテンポ良く回収可能。


気になった点

・トゥルーエンドへの道のりは結構険しく、且つ、よほど注意していないと解答が分からないかも。

ストーリーは、今日もベクターの紹介文から引用しておきましょう。
主人公は小学校五年生の女の子、トモちゃん。
トモちゃんと同級生のユキちゃんは、怖がりのくせに怪談が大好き。
いつもどこかから怪談とか聞いてきて、怖いって泣いてる。
そんなユキちゃんがある日聞いてきたお話。
「首がない子の話って、きいたことある…?」

こんな感じ。


最近、ホラーばっかりやってますが、夏の終わりに対する私の微かな抵抗だと思って下さいw
元々ホラーは結構好きなジャンルですし、けれども、今年の夏はあんまりノベルゲームが出来なかったのに加えて、ホラーを殆ど扱わなかったので、最後の悪あがきというヤツ。
本作はそんなに怖いって訳じゃなくて、どちらかと云えば都市伝説系みたいな感じかな。

前々回でしょうかね、所謂「怪談」に対する私の区分けを書いたのは。
要は、口裂け女的に無差別に襲ってくるタイプを「通り魔型」、そして本作のように「この話を聞いた人のもとに○日後、○○が訪れる……」的な「時限爆弾型」の二つがある、という。

大凡、この手の時限爆弾型の「化け物がやってくる日数」というのは固定していて、殆どの場合3日後です。本作もやっぱり3日後でした。
これって、やっぱり或る程度の計算があって3日という事になってるのかな? 四日とか五日とか一週間後とかだと、その怪談を聞いた事すら忘れてしまうし、かといって「次の日」だとしたら、話が伝播していかない事になっちゃいますよね? 「私」にその話をしてくれる「誰か」というのが当然存在している訳ですから、「この話を聞いた人は次の日に○○に襲われて死ぬ」なんて事を云われても、「じゃあ、私にその話しをしてくれているお前さんは、何で今普通に生きてるんだよ?」ってな事になっちゃいます。
適度なリアリティだったり、「伝播していく時間」だったり、或いは「人間の記憶の限界」の時間が三日というリミットなのかもしれません。

それはそうと、その時限爆弾型の怪談を聞かされたのは、主人公のトモちゃん。
その話をトモちゃんにしたのは、お友達のユキちゃん。で、案の定ユキちゃんは、死んでしまって……。というのが作品の始発部分。

三日後に迫り来る「首がない子」からどうやって逃れるのか? その手段の模索が作品の中心になります。
ですので、「三日間」という期限が付いているんですよね。そういう意味で「終わりが分かる」のでプレイしやすい印象はありますね。
延々といつ抜けるのか分からない、ホラーとミステリーが混ざった世界に放り出されてしまうと、流石にちょっと疲れてしまう部分があったりするので、さっくりプレイ出来るホラーに「期限」が設けられていると、凄くプレイしやすく感じます。

作品の展開としては三日間という期限こそあれ、意外と小さいも又素直な印象です。別にそれは悪い意味、じゃなくてね。
主人公があこれれ三日後に迫る危機に対して、動き回り対策を練っていく、というものではあるのですけれども、そんなにアクティブでないというかw まぁ、小学生ですしね。
寧ろ、選択肢の多さ、が本作の特徴でしょう。本当に正解のルートだけを辿っていけば20分も掛からないハズなんですが、選択肢が大量にあり、エンド数も全部で何と20個も。

ただ、作品の展開が小さいせいか、意外な程サクサクとエンドを回収していく事が可能なんですよね。
20個の内の10個くらいは本当にあっさり見ることが出来ます。その後、色々と選択肢を試していけば17個までは比較的容易にさっくり見る事が出来、そういう部分でテンポは良いかも。

でも、比較的容易に見ることが出来る17個のエンドは所謂バッドエンドです。
残りの三つの内1つがトゥルーエンド(=グッドエンド)、もう二つは番外編エンドという事になっています。トゥルーエンドまでは何とか見れたとしても、残り二つを地力で見るのは相当困難というか、不可能に近いかも。特にエンドナンバー20のヤツとかw
私は、トゥルーエンドを含めて18個までは地力で見ましたが、残り二つは、攻略サイトを見つけてちょっとズルしてしまいました。まぁ、ちょっとお遊び的要素の強いエンドだったのですけれども。

本作に於いて一番気になったのは、「トゥルーエンド」に行くための方法なんですよね。
本編だけをさらっとプレイしているだけじゃ、「あれしかない!」という選択を選ぶ事は実は相当難しいのでは? バッドエンドのタイトルだったりその内容だったりに微かなヒントはあるので、「あれかな……?」という感じでやってみたら正解だったという。
作品を読み解いた上での「正解」の選択ではなくて、半分偶然性に頼らないと到達出来ない、というような所もあって(私だけですかね?)。「ある単語」に騙されない事が大事。

要するに、本作のキモである「首がない子の話」という怪談の中身が実は分かりにくいんですよ(特に「首がない子」の目的とか)。そこらへんは、コンプリート後にタイトル画面に出てくる「はじまりのはなし」を読むことで納得する事が出来るんですけれども、実は、この「はじまりのはなし」の方が本編より怖かったりしてw ああいう日常と非日常のあわいというか、その二つが溶けて交わってしまう瞬間とか、そういうのは物凄くゾッとしますよね。


ちょっとトゥルーエンドへの到達部分で疑問は残るんですけれども、割とさっくりやり込みつつも遊べる作品だったんじゃないかな、と思います。
暫く、ホラー作品が多めになるような気はしていますが、どうぞ宜しく。


それでは、また。
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by s-kuzumi | 2009-08-22 22:28 | サウンドノベル | Comments(0)
2009年 08月 21日

フリーサウンドノベルレビュー 『学校七不思議~小学校の花子さん~』

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今日の副題 「ちょっぴり可愛い花子さん」

ジャンル:ホラー風味アドベンチャー(?)
プレイ時間:40分程度。
その他:選択肢アリ。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2004/5/29
容量(圧縮時):3.79MB




道玄斎です、こんばんは。
今日は、昨日に引き続きホラーものを。タイトル的にもリンクする作品を持ってきました。
これも、やっぱり昔プレイした事のある作品。今から五年くらい前の作品ですけれども、古くさい感じはそんなにしませんし、内容も中々良かったと思いますよ。
というわけで、今回は「銀の盾」さんの『学校七不思議~小学校の花子さん~』です。
良かった点

・花子さんのイラストが普通に可愛いw

・「怖さ」よりも、ストーリーに重点を置いた作り。


気になった点

・序盤の突破が実は難しい……?

ストーリーは、ベクターの紹介文から引用しておきましょう。
「学校七不思議」シリーズの外伝。
舞台は小学校。
放課後、友達とかくれんぼしていたら、鬼が本物の「鬼」になっちゃった!
そしてあなたは思い出す。
「きっと、花子さんが助けてくれるよ」と…。

お馴染みマルチエンディング。
生きるも死ぬも、あなたの選択次第。
恐怖度・難易度は低め…だと思います。

こんな感じ。


そう、「学校七不思議」シリーズという作品があって、本作はその外伝という位置づけ。
勿論、単体でも楽しめますが、本編の最後で「シリーズの外伝」である事を示す部分がチラリと出てきたりします。確か「学校七不思議」シリーズも、「3」くらいまではプレイ済みのハズです。また近い内に1からプレイし直して4もその勢いで遊びたいですねぇ。

というわけで、昨日に引き続き「学校怪談系」で「花子さん」的な作品のご紹介です。
昨日の『恐怖の花子さん』は、妖怪というか化け物の持つ強烈な暴力性が、作品の一つの魅力だったわけですが、本作は「直球のホラー」というよりは、少ししんみりしてしまう部分もあり、所謂「ひねりのある」タイプ。どっちが良い、とかそういう事はない訳で、好みの方、あるいはその時の気分によって色々チョイスしてみたり、或いはプレイし比べてみるのも楽しいです。

本作の花子さんの方が、割と一般でイメージするソレに近い感じですよね。
呼び出せば出てくる、つまり呼び出さないと出てこないという妖怪的な側面こそあれ、特に害があるわけじゃなく、寧ろ結構親切w
立ち絵のイラストは、この花子さんだけでしたが、中々可愛いというのは見逃せないポイント。上半身しか見えないのですけれど、「お馴染み」のスタイルだったのでは? おかっぱ頭に、ちびまるこちゃんが着てるような服で。
彼女(?)の性格は、ちょっとオリジナルな感じでそこが又立ち絵との親和性も高くて良かったですねぇ。何て云うか、少しだけ生意気な部分もあるおきゃんな女の子みたいな。

ストーリー紹介を見ていただければ分かるのですけれども、放課後の学校で鬼ごっこをやっていたら、友達が本物の鬼になっちゃって、襲いかかってくるのです。で、学校の中を生き残りをかけ逃げ回る、というのがストーリーの大筋。ここだけ見るとオーソドックスな感じですけれどもね。

で、選択肢を上手く処理して、「正解」のルートに進んでいくと花子さんに出会えます。
主人公(女の子・名前変更可能)は、花子さんも妖怪の仲間なのにもかかわらず、彼女に助力を請う訳で、結構良いヤツの花子さんは、それに応えてくれ、二人で「妖怪から逃れる術を探す」事に。

いや、妖怪、というか友達に憑依した鬼から逃れる方法は分かっているんですが、その為のアイテムが何か、それはどこにあるのか、は分からない状況なんです。鬼から逃れつつ学校内を探索し、そのアイテムを探し出すわけですけれども、「何故鬼が生まれたのか」というような所が焦点になってきて、ちょっと「良い話」になってきますねぇ。
事件解決後、花子さんとの別れのシーンは、ちょっとグッと来ますよ?


さて、気になった部分なんですが、前半の選択肢が実はちょっと難しめかもしれません。
というのは、中盤くらいまで進んでしまえば、選択肢は出てくるものの、それに失敗しても特に問題無く、しれっとやり直しが利くところがあるんですよね。「明らかにこれは選んじゃいけないだろう」というのも分かりやすくなります。
意外と難しいのは、前半の選択肢。何しろ開始2分で早速バッドエンドに突入してしまったくらいですからw 要するに「花子さんに会うまで」が、意外と難しいのでした。一番最初と二番目に出てくる選択肢は、「じゃんけんで何を出すか」なので、推測のしようがないんですよw 何度か繰り返せば必ず抜けられるんですが、そこを突破しなければ、ストーリーが進展しない、という部分があるので、気になった点として挙げておきましょう。

で、トゥルーエンドを見ても「本当のエンディング」にはならないようです。
トゥルーエンドは勿論の事、他のエンド(バッドエンド)を全て回収すると、短いけれども、ちょっとした文章が表示されてエンドロールが。そこで初めて「エンディング」になる、という感じでしょうか。

通常、エンドリストで特にバッドエンドのそれは、上から下に縦に表示されるとしたら、上にいけばいくほど序盤に到達出来るエンドなハズです。勿論、下に行けば行く程後半部分に到達出来るエンド。
ですけれども、結構最後の方で見ることの出来るバッドエンドが、バッドエンドリストの「二番目」に表示されたりしていました。そんなに気にする所じゃないんですけれども、コンプリートの為には、そうした「並び方」に惑わされない事も大事なので記しておきます。
寧ろ、攻略の為には、バッドエンドの名前(最初っから表示されてます)に注目しておくと良いかも? 


久々(?)に脱線を入れておきましょうか。
全く関係ない話ですが、今日、お昼ご飯をどうするか考えていた際に、街中を歩きながら「カルボナーラが食べたい」と思ってフラフラしていたのですが、カルボナーラって最後に掛ける粗挽き胡椒を炭に見立てて「炭焼き小屋」とか、そういう意味なんですよね。で、ふと「カルボナーラ」の「カルボ(ナ)」が恐らく英語で云う所の「カーボン」である事に気がつきました。カーボンだったら炭素というか炭ですから。カルボナーラという食べ物を知ってから相当な時間が経っているハズですけれども、初めて気がつきましたよ?

っと、あまりにも関係のない脱線だったので、作品に関係する脱線も。
作中で「カンペン」という言葉が出てきますが、皆さん知ってます? 恐らく「缶素材のペンケース」の略で、私が子供の頃、流行していました。普通筆入れというかペンケースって布製だったりビニール製だったりしますけれども、割とペラペラとした金属で出来ているペンケースが存在していて、ロボットとかスーパーカーとかのイラストが描かれていたりしたものです。
このカンペンってやつぁ、机から筆入れを落とすと、すげぇ五月蠅いんだ……。しかも結構な頻度でカンペンって「お重型」みたいになっていて、上段と下段に別れており、仕切りもやっぱり缶素材で出来ていたので、意外とパーツ数が多いんです。授業中落とすと、顰蹙を買うこと請け合い。
確か、私の妹が小学生くらいの時に、あまりに五月蠅い為、「カンペン使用禁止令」が発令されたような……w


話を戻しましょう。
鬼に追われ、「助かる」為に呼び出された花子さんが、主人公を「助ける」為に、行動を共にしてくれ、更に友情みたいなものまで生まれてしまうわけで、ラストは先にも書きましたが、結構良い感じで終わります。不覚にもジワッと来てしまいました。ホラー成分は低めですかね。
最後と云えば、鬼が憑依したひとみちゃんの本性みたいな部分が語れる所があるんですが、ちょっと蛇足だったかも。


二日連続で、花子さん系統の怖い話をプレイしてみました。
全くタイプの違う作品ですけれども、どちらも楽しく(そして怖く)プレイする事が出来ます。
「学校の怪談」系は私も大好きなので、本作の作者様の「学校七不思議」シリーズも、折りをみてプレイしなおしてご紹介出来ればな、と思います。


それでは、また。
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by s-kuzumi | 2009-08-21 21:19 | サウンドノベル | Comments(0)
2009年 08月 21日

フリーサウンドノベルレビュー 『恐怖の花子さん』

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今日の副題 「これぞ学校系怪談の直球ホラー」

※吟醸
ジャンル:ホラー
プレイ時間:30分程度(全てのエンドを回収して一時間程度)
その他:選択肢アリ。結構多め。心臓の弱い方や妊娠中の方は注意して下さい。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2003/1/13(初版。本レビューは、Ver.2.00の2006年4月のものをプレイ)
容量(圧縮時):18.7MB



道玄斎です、こんばんは。
やっぱりホラー成分が足りない、と感じたので、今日はここ数年滅多にやらなかった、検索エンジンで「ホラー ノベルゲーム」とか打ち込んで作品を探してみました。今日の気分は何だか「ヒネリのあるホラー」よりも「直球で怖いホラー」をやりたかったんですよね。そしたら昔確かにプレイしてはいたけれども、ラストの記憶が微妙に朧気だった作品を発見。「こりゃ、やり直さないと」と思ってプレイしてみました。
というわけで、今回は「夢鳥-yumedori」さんの『恐怖の花子さん』です。
良かった点

・直球ど真ん中のホラー。心臓の弱い人とかは本当に気をつけてプレイして下さい。

・実は、脇役(?)が意外な程魅力的。


気になった点

・結構、選択肢が多く、全てのエンドを見るのに手間が掛かる。

ストーリーは、ベクターの紹介文から引用しておきましょう。
主人公、叶恵(かなえ)の通う小学校には、「トイレの花子さん」が出るというウワサが流れていた。
その花子さんはとても狂暴で、ヒトを食う、などという話もあった。

そんな中、友達のメメちゃんが、「花子さんに会いに行こう」と誘ってきました。メメちゃんはどうやら、花子さんに会いたくてたまらない様子。しかも花子さんに会う方法を教えてもらった、との話でした。
でも叶恵は誘いを断ります。花子さんなんかに会いに行きたくなかったからです。

その次の日。メメちゃんが、学校のトイレの中で、死体となって発見されたのでした……。

こんなストーリーになっています。


学校の怪談系、その直球ど真ん中のホラー作品でした。
学校の怪談の代名詞と云える「花子さん」に焦点が当てられています。面白いのは、本作に於ける花子さんの位置づけが、一般的な怪談に出てくる花子さんのソレとは大分違う、という事です。

というのは、本作の花子さん、相当「凶暴」ですw
何となく花子さん、と聞いてイメージするのは、女子トイレに居て、扉を所定の回数ノックした上で呼びかけると、ドアがギギギィっと開いて、おかっぱのちょっと可愛らしい女の子が出てくる、みたいな感じですよね?
が、本作の場合、ゲームを起動して最初にお目に掛かるタイトル画面からして、もう怖いわけで、「凶暴性」をむき出しにした花子さんが、描かれています。。

こういう、バイオレンスさみたいなものをむき出しにした「妖怪」というか、そういうモノ、久しく味わっていなかったので、何だか凄く新鮮な気持ちになり、ぐぐぐっと、何年かぶりですけれども、凄く楽しく遊べました。

大体、私は怪談を例によって、「自分基準」で区分けしています。
「この話を聞いた人は○日後に~」みたいな、タイプの怪談は「時限爆弾」と呼び、「私、綺麗?」で有名な、口裂け女のような無差別的な凶行を繰り返すタイプを、「通り魔型」と呼んでいますw
何となく、ですけれども、最近のフリーのサウンドノベル/ノベルゲームの世界では、ミステリー的な要素とのミックスが進んでいて、どちらかと云えば「時限爆弾」式が多く目に付くような気がしています。
そんなわけで、久々の「通り魔型」に出会えてワクワクしてしまいました。しかも花子さん、そういう「通り魔型」の妖怪(若しくは化け物など)の持つ「理不尽なまでの自己中心性」もバッチリ持っていて、化け物としての魅力もたっぷり。

で、恋愛モノと違って、こういうホラーは「一発で狙ったエンド(具体的に云えばトゥルーエンド)」に中々到達出来ないようになっています。本作の場合も、一発でトゥルーエンドを見ることが出来る人は極めてまれだと思いますよ。
合計すると、11個かな? エンドがあるのですが、内8つがバッドエンド。序盤の方でさっくりと回収出来るエンドも多いのですけれど、全部コンプリートしようとすると結構難しい。ただ、まぁこれ、ホラーですから、バッドエンドは「怖い」とか「悲惨」とか、そういうホラーの王道的な展開を見せるので、或る意味でバッドエンド回収が本作の「怖さ」を最大限に楽しめる部分なのかも。
死ぬ程難しい、というわけではないのが救いですが、意外としらみつぶし的に作業しないとコンプリートは難しく、敢えて挙げればそこが少しだけ気になったかな、という感じです。


さてさて、凶暴性をむき出しにした花子さん、そして彼女(?)を軸とする恐怖のストーリー。それが本作の魅力の一つなのですが、実は脇役である所の「ユキコ」さんがかなりイカしてます。
ちゃんとストーリーにも密接に絡んできますし、キャラクターそのものとしても中々魅力的。駄目な大人の見本みたいな部分と、シリアスな部分、その二つを併せ持っていて、彼女のキャラがしっかりと立っていたからこそ、本作はキッチリとエンドを迎えられる、というところがあるのです。
まぁ、ちょっと謎というか、「何かある」と感じさせる意味深な人物でもあるわけですけれども、そこの所は、作者様のサイトの小説にて読むことが出来るようです。私も明日にも読もうと思っていますよ。


大体こんな所でしょうか?
かなり「心臓に悪い」怖がらせ方も多いんですが、そこだけは注意して遊んで欲しいですね。
何だかんだでかなり楽しく(そして怖い思いをしながら)遊べてしまったので、少し甘めですけれども今日は吟醸を。
未プレイの方で、学校系の怪談が好きな方は是非是非。


それでは、また。
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by s-kuzumi | 2009-08-21 01:44 | サウンドノベル | Comments(0)