久住女中本舗

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2011年 01月 20日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『かわわらべ』

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道玄斎です、こんばんは。
ちょっと間が開いてしまいましたが、今日も今日とて作品のご紹介。30分くらいはあるかな? と思いきや、10分で読了出来る短編作品でしたので、番外編にて扱わせて頂きます。
というわけで、今回は「底原明」さんの『かわわらべ』です。作者様HPが分からない為、ふりーむへのリンクを張っておきます。


何となくタイトルがゆかしくてダウンロードしてみました。
可愛らしい女の子の立ち絵がスクリーンショットに写っていたのも、プレイへの後押しになった、かな。

さて、主人公はどうやら帰省で田舎に帰ってきている模様。
そして、思い出の山奥の沢に足を運ぼうとすると、何やら彼の後を付いてくる存在がいて……。

と、そんな感じのストーリーです。
本編と「おまけ」があるのですが、両方合わせて凡そ10分もあれば読めちゃえるんじゃないかな? っと。気軽にプレイ出来るのはちょっと嬉しいですよね。

で、タイトルが『かわわらべ』ですから、何となく作品の内容に関しては予想していた事があるのですが、短いシナリオではあるものの、ちゃんと良い意味で期待を裏切ってくれて、「ああ、なるほど!」と思えるようなエンドになっていました。

久々に脱線をしてみようと思うのですが、河童って存在があって、色んな名前が各地に伝わっています。それこそ「かわわらべ」だったり、「河太郎」とかね。
「かわわっぱ」なんて呼び名が縮まって「河童」になった、なんてのは、何となく納得出来そうですよね。そういえば、東京にもかっぱ橋なんて場所があって、調理関係の問屋街がありますね。あれも、河童達があそこらへんの治水工事をしたから「かっぱ橋」と呼ぶ、なんて説を聴いたことがありますねぇ……。


っと、軌道修正。
本作で良いなと思えたポイントの一つに、綺麗な背景素材の使用があります。
また、こう、素材のね、さりげない要素が、ちゃんとシナリオにも活きていて、そういう所の工夫があったのではないかと。

更に、右クリックを押した時の、挙動にも拘りが。
単純にセーブ/ロード画面が出てくるのではなくて、画面右下に、セーブ/ロード、早送り、ウインドウを消すなど、右クリックから行いたい挙動が綺麗に纏められており、これは使いやすいなぁ、と感心しました。
本作は、短編且つ一本道ですから、そこまで活躍する機会は少ないのですが、もう少し長目の作品ならば、かなり使い勝手が良いんじゃないかな、と思いましたね。


大体、こんな所でしょうか?
綺麗なグラフィックと、意外でありながら納得感のあるラストが印象的な作品です。
10分そこそこで読了可能なので、何か作業の合間にでもプレイして、少し優しい気持ちになってみるのも良いかもしれません。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-01-20 21:14 | Comments(0)
2011年 01月 20日

なんてことない日々之雑記vol.323

道玄斎です、こんばんは。
ちょっと「これはプレイしないと」という作品を先ほど見つけたのですが、もう遅いので、今日も日々之雑記で。。



■遂に完成、テーマ曲

今朝方、「随分曲らしくなりました」とご報告申し上げたのですが、取り敢えず、暫定完成版が出来ました!
あっ、NMの企画「神風 史テーマ曲発表会」用の楽曲です。

既に、本当に骨組みだけの粗いヴァージョンのものを、既に何人かの方には聴いて頂いているのですが、暫定完成版も聴いて貰った所、雰囲気が変わった、と仰って頂き、嬉しかったですね。

そもそも私が曲なんて作ろうと思ったのも、ノベルゲーム/サウンドノベルがあってこそ、なんですよね。
「ゲームで使えそうな曲作ってみたい!」という闇雲な初期衝動でヨドバシカメラにて、ソフトを買ってきたのがそもそもの始まり。いや、TM Nwtworkみたいな曲を作りたい、という気持ちは心の奥底にずっとあったんですけれどもねw

で、気がつけば、MIDIキーボードはあるわ、モニタースピーカーはある、オーディオインターフェイスはあるわ、(それなりに使える)ヘッドフォンはあるわ、結構ハマってしまいましたねw
DAWも、二回程乗り換えましたw 結局、今はやっぱりFL STUDIOが一番使いやすくて、私の制作スタイルには合っているので、多分、恐らくきっと、今後もFL STUDIOを使っていくものと思われます。


〆切より遥か前に、取り敢えず表に出せるもの、は完成しちゃって、ちょっと手持ちぶさたではあるわけで、少しだけ、昨日に引き続き、完成した『墓場の陰からごきげんよう』について語ってみましょう。

今回、作業するに当たって、「事務局の人間のDAWがみんな違う」という所にちょっとだけ注目しました。
で、私は私、FLらしい曲の作り方をして、FLっぽい音に仕上げよう、と思ったわけです。

FLと云えば、「ドラムのループが簡単に出来る」わけですから、音色から曲を作る私には珍しく、ドラムから打ち込んでいったような記憶があります。
ちょっといい感じのキックとハットを探してきて、単純なループを作ってみる。そしてそれをダラッと並べて、このドラムの音の上に、どういう音を載せていくのか? という部分を考えていきました。

使用しようと思っていたシンセサイザーはSAKURAというもの。
FLを作っているImage Line社製のシンセです。これは、個別に私が購入したものですね。主旋律はこのSAKURAにお世話になりっぱなしでした。
お琴をイメージして起用した音、ではあるんですが、実はお琴の音じゃないんですよねw そんな音でも、和風の音階に載せてやれば、やっぱりお琴に聞こえてくるから不思議です。

あと、意識した点は「音に厚みを持たせる」という部分でしょうか? 
いつもトラック数が少なく、割と音が薄い傾向の強い私には珍しく、結構色んな音を重ねて、それなりの厚みが出ている……といいなぁw
勿論、最初っから最後まで「分厚いです!」って感じでもなくて、割とそこは、薄さと厚さのバランスはとってみました。


で、これも前回の日々之雑記でも書きましたが、「和洋問わず、色々な音を使ってみよう」というのが、最大のテーマだったかもしれません。
私は和風が好きですし、今まで「超」が付くくらいのベタベタな和風曲を作ったりもしていました。ただ、本当に「使えるモノを」「聞きやすさを」という事を考えると、コテコテの和風よりも、もちっとあっさりとした「そこはかとない和風」とかの方が使いやすいんですよね。

でも、それを上手にコントロールする自信は無いので、「純粋な和風音楽では絶対に使わない楽器」なんかもガシガシ入れてみました。例えば、シンセベースとかエレピとかね。
そういう意味では、割と、音域的に低~高まで、満遍なく音を使う事は出来たかな? っと。

多分……なんですが、今まで私がFLで打ち込んできた曲の中で、最もトラック数が多いハズですw
やっていく内に面白くなっちゃって、FLを使い倒してやろう! という前向きな気分で作業出来たのもプラスだったかな?
少なくとも、自分の扱える範囲で、FLの長所を最大限に活かしながら曲を制作していきました。


で、親馬鹿なんですが、やっぱり完成すると、凄く愛おしくなるんですよ、自分が作った曲がw
意外と、暫定完成という事ですが、自分で聞き直してみると、「結構カッコいいじゃないか!」とか自画自賛したりねw
しかも、珍しい事に、ループ素材の類の使用もゼロですし、移調もしてますし、色々チャレンジ出来た曲で、今はかなーり満足していますw 

で、まだ未確定事項なんですが、「神風 史テーマ曲発表会」の〆切のタイミングで、もしかしたら、ラジオをやるかも? というお話を広報担当の方から伺いました。
明らかに、全員、テイストが滅茶苦茶違いますから、聞き比べて頂くだけでも、かなり楽しめるんじゃないかな? なんて思ってます。
もし、ラジオ番組も連動して行う、という事になれば、また改めてこちらでも告知したいと思っています。その際は、是非お聞き下されば……。



というわけで、今日はなんか心地良く眠れそうです。
いい感じの疲労感、久々ですw


それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-01-20 02:39 | 日々之雑記 | Comments(10)
2011年 01月 19日

なんてことない日々之雑記vol.322

道玄斎です、おはようございます。
昨日は、変な時間にうつらうつらとしてしまった為、こんな時間に起きてます。明らかに今日一日の生活に差し支えるレベルなんですが、まぁ、何とかなるでしょうw



■しめきり=二月五日

というわけで、気がつけば、NMの企画「神風 史のテーマ曲を作ろう!」というものが、本格的に始動してしまい、且つ〆切まで設けられてしまいました。
詳しくはNaGISA netのトップページをご覧頂ければ分かるのですが、事務局メンバーは、何故か曲が作れる人が多い(若干一名相当怪しい人がいる。勿論私ですが)ので、折角だから、イメージキャラクターの神風 史のテーマ曲を作ろうじゃないか――と二週間くらい前でしょうか?――広報担当が云い出しましたw

あっ、この企画は広くNMの為に一肌脱いでやろうじゃねーか! なんて方からの募集も超超大歓迎です! 我こそは! という方は是非、応募してみて下さいね。

で、NaGISA netのトップページの繰り返しになってしまうのですが、それがモノの見事に使っているDAWが違うんですよねぇ。あっ、意外と、DAWが使用者の個性を反映しているような所がなきにしもあらず、かな?w


で、私も一応事務局のメンバーですよねぇ?
っていうか、いつの間にか責任者になってますし……。で、広報担当が出してくれたイカすアイデアをスルーするって訳にもいかないので、チマチマ曲、作ってます。
仮タイトルは「墓場の陰からごきげんよう」という、ちょっとアレな感じなんですが、この場を借りて釈明させて下さいw

先ず、私、NMに何曲か自作曲を載せていますが、多くの場合ホラーチックな曲です。
それに、イメージキャラの史ちゃんも、季節によってはサンタコスとかしていますが、普段着は和服ですから、和風な女の子なんですよね。
これもラジオとかでお話したと思うのですが、史ちゃんの設定を作ったのは、私と広報担当の某Nさんです。


道玄斎「うーん、どこから決めましょうか……」

NaGISA「そうですね、まずは名前からでしょうか?」

道玄斎「ああ、それはいいですね。良いアイデアとかございます?」

NaGISA「名字は神風なんて如何でしょう?」

道玄斎「じゃあ、それは採用しましょうw」

NaGISA「ええ! 採用しちゃっていいんですか?」

道玄斎「勿論OKです!」


と、比較的あっさり、名字は決定しました。となれば、ファーストネームを決定する係は自ずと私に降りかかってきます。私の悪いくせいのひたすら読みにくい名前(ex:三礼子=さとこ)とかは避けて、もう少しナチュラルにしていく作業が続きました。
そして、これでいいいかな? と思った矢先に、「似たような名前のキャラがある!」とのデザイン担当者からの声によって、最初の名前はあえなく没に……。

けど、そんな所でめげる私じゃないですよ?
すかさず第二弾の名前を持ってきて、それが正式採用され「神風 史」という素晴らしいキャラクターが生まれたのでした。
私のブログですから、好き勝手書かせてもらいますけれども。この「史」というファーストネームは、私の初恋の人の名前を一部借用して使用していますw

それで、絵師担当の方との丁々発止のやり取りがあって、現行のデザインと相成りました。
出来上がったイラストを見ると……「俺が……こいつの親父なんだ……」っていう妙な父性愛というか、そういうものまで感じてきてしまってw 俺が死んでも、この子には幸せで生き続けて欲しい……そういう並々ならぬ想いまで爆発しちゃいましたから、一応、私が彼女の父親です!w

で、すかさずデータベースを利用して、史の身長体重の平均的なデータを割り出して、メンバー用のwikiに載せて於いたのですが、それはいつの間にかスルーされてしまった模様……。
けど、私以外の事務局メンバーと絵師さんの多大な労力によって、とっても素敵なキャラクターが出来たのでした。

そんな彼女の初仕事は、NMオープニングでサンタコスを身に纏い、利用してくださるユーザーさんを温かく迎え入れ、時に悩みに答えたり、なんて事でした。
ですが、気がつけば2011年。お正月も終わってしまっています。ここらで、未だに「こいつダレよ?」と史に指さし疑問をなぎかける方が居なくなるように、と、彼女のテーマ曲を制作するという機運が高まって参りました。

「曲作って~」と私が、事務局メンバーに依頼するとしたら、先ずは管理担当とくむさんに声を掛けるかな。ガンガン曲お書きになられていますし、その一曲一曲が「即戦力」になるような、そういう素晴らしい曲を作られます。

次は、広報担当ことNaGISAさんですかね。クラシックピアノの演奏を大きな武器に、メロディアスなモチーフを即座に生み出し、そこにコードやら音を足すやらして、あっという間に格調高い曲に仕上げてしまう。

一方のAura911さんに頼む時には「オープニングでぶち込みたいんですよね。なんかイカす感じのノリ出来ませんか」とかそういう聴き方をしてしまうハズ。

で、末席の私ですが、私は私にあまりオーダーはしたくありませんw
結果は目に見えてますからw
ほら、他の方って、幼い頃からピアノの経験があったり、ギターに精通していたり、ちゃんとしたバックグラウンドが存在するんですよね。私ですか? 確かに三歳くらいからピアノやっていました。が、何もモノになりませんでしたww や、敢えて好意的な解釈を採るとするならば、あれすらなかったら、今NMなんかに曲を一曲も提供していないだろう、とw
ま、精々そんなとこです。

だから、曲作りの「基礎体力」が大幅に他の三人に比べて、私は劣っています。
となれば、得意分野で勝負するしかありませんよね?
そこで、和風のモチーフです。お琴の調弦表(お手製)を持ってきて、今日は「壱越調でいくか……」なんて所が、私の和風曲の出発点です。

そりゃ、イメージキャラが和風なんですから、和風の独壇場みたいなもんでしょ? ホントはw
で、自分の信じる道をガシガシ打ち込んでいますw


けど、一応〆切があると力が入るってことでね、私も輪郭くらいは何とか完成しましたよ。
まぁ、ご託は兎も角、FL STUDIOのプレイリストをご覧頂く事に致しましょう
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どうでしょうかね……。
結構頑張ってる感……ありませんか……??


ドラムはいの一番に打ち込んで、大凡メロディも打ち込み完了。
他のパーカッション(木魚)も配置させていますし、ベースだって入っている。
で、今、ちまちまっとコードを付けていく、というかなり具体的な作業に入っていますから、相当進捗状況としてはいい感じなんじゃないかなぁ? と……。

兎に角、この史テーマ曲で、私がやってみたかった事は、いくつかあって、

・少しノリの良い和風曲にしよう。

という事。
割とスローテンポなホラー曲ばかり書いてましたから、少しBPMを上げて、ノリの良さみたいなものも感じていただけたら嬉しいな、と。


・ダークとライトな部分を併せ持たせよう。

単純にやってしまうと、最初っから最後まで数パターンが連続する暗~いホラーな曲になってしまう事は火を見るよりも明らかです。
ですので、暗いパート、明るいパート(さび)に分けて、それが上手くまとまるように、と想ってます。
そもそも、史って子も天真爛漫な笑顔を向けてくれいるのですが、色々複雑な過去があるわけです。そういう彼女の明と暗の部分を表現したかったのです。敢えて云うなら、ホラーでもありポップでもある、という感じ。


・木魚を入れる。

これ、私が前回だか前々回だかで、ラジオをやったときに「次は木魚の音を入れて欲しい」と、大変有り難い事にリスナーさんから要望が来ました。折角のチャンスですから、木魚入れます!
よーくプレイリスト見ると分かるんですが。「Mokugyo」ってパートありますからねw


・普段使わないような音を入れる。

主旋律を奏でる事になるであろう、お琴っぽい音は兎も角として、エレピを入れてみたり、シンセベースを入れてみたり、こってこての和風にはせず、色々なジャンル/分野が混ざり合って、それが全体で聞いてみても「うむ、確かに和風だ……」と、そういう曲にしたかったんですよね。

多分、本当に琴・笛・三味線の三曲構成になっちゃうと、「純邦楽」にはなっても、神風 史のテーマ曲にはなりませんからw



そんな感じで、一応〆切に間に合うように、超頑張っています!
だからこその「墓場の陰からごきげんよう」というタイトルなんですよ、分かりましたよ、ね?w

む、まだ少しだけ惰眠をむさぼれる時間がありますね。


それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-01-19 06:13 | 日々之雑記 | Comments(0)
2011年 01月 15日

フリーサウンドノベルレビュー 『僕の好きな君の顔』

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今日の副題 「実は共感ストーリー!」

※吟醸
ジャンル:ちょっと不思議な学園恋愛ノベルゲーム(?)
プレイ時間:30分程度
その他:選択肢なし、一本道。
システム:LiveMaker

制作年:2010/12/?
容量(圧縮時):16.2MB



道玄斎です、こんばんは。
先ほど、風邪と思しいので医者に行ってきたのですが、体温計で測ったら何と38℃も熱が出ていました。
けど、別に関節が痛いとか、喉が痛いとかそういうのはなくて、ただ、咳が結構出てる……という感じだったんですよ。だから38℃もあって、ちょっとびっくり。頭の方は冴えてますから、今日も気になった作品をご紹介しましょう。
というわけで、今回は「雨夜曲切」さんの『僕の好きな君の顔』です。
良かった点

・顔の認識が数字になる、という面白い設定が、作品のテーマと相俟って上手く機能していた。

・非常に共感出来るシナリオ。


気になった点

・やや、ラストが性急だったか?

ストーリーは、ふりーむの方から引用しておきましょう。
ある日の放課後、僕は告白された。

だけど、断る。
だって、不細工な彼女なんていらないから。

その日から、僕は人の顔がわからなくなった。
右を見ても左を見ても、人の顔が数字に見える。
それなのに。

「好きです、付き合ってください」

この人は、美人なのか……?

こんな感じ。
のっけから主人公に対して殺意が湧いてしまったのですが、それはそれとして、最後までプレイすれば、本作が非常に良質のテーマを持っており、良い作品である、という事が分かると思います。

主人公の高牀隆時という名前も強烈ですね。たかとこたかとき、通称「タカタカ」ですw
立ち絵も無く、又、一枚絵、ムービーなんかも無い、硬派な作品なんですが、その「制限」を上手く利用しており、非常に好印象でした。

ある日、主人公は(自分の顔に自信があるナルシスト……)、自分の顔を含めて、「人間の顔を数字としてしか認知出来ない」という状態になります。
逆に、こうしたシナリオで立ち絵、一枚絵が付いていたら、とんでもなくカオスな事になりそうですよね。あっ、そういえば『Merry X'mas you, for your closed world, and you...』なんてのは、そういう中で凄く頑張ってましたよね。

前述の通り、主人公は結構イヤなヤツなんですが、その主人公に直撃する不幸(?)には思わず共感せずには居られません。
顔が分からない状態で、「付き合ってくれ」と下級生から云われ、「取り敢えずお友達から」と体の良い返事を返す主人公。「ブスだったらイヤだけれども、美人だったら勿体ない」というのがその理由です。

で、一応、主人公は、その子と「付き合っていないこともない」くらいの関係が続くのですが、そんなある日に、クラスで一番美人で主人公も窃かに気にしていた女の子から告白されます。
勿論、美人だって事は確認済みですから、そそくさとその子と付き合ってしまう主人公……。そして下級生の子を袖にしてしまうんですね。
私は、プレイしながら「なんて事するんだ!」と思わず叫んでしまいましたw

けれども、そこからが主人公の不幸の始まりなんですよね。
そこまで来てしまえば、あまり良い印象が無かった主人公に、非常に同情的になる事請け合いですw

そろそろネタバレは自重していこうと思うのですが、ここで描かれる「イヤな女性」のタイプは、本当に共感出来ます。最近、私も個人的にイライラする事が多いのですが、まさにここで描かれているような、女性と直面していて……という事なので。


もう一つ、本作で「これは!」と思えたのは、主人公の友人である志摩の存在感ですね。
しっかりとストーリーにも絡んできますし、お調子者で通っているけれども、主人公よりも実は大人、という美味しいポジションです。
主人公と志摩を巻き込んでの騒動は、なんか「本当にありそう」なリアリティもありますし、その顛末の凄く納得感のあるものでしたね。しかも、こうしたエピソードがちゃんと作品のテーマに直結していて、味わい深い作品です。


気になった点を敢えて挙げるなら、先ず、「人間の顔が数字としか認識出来ない」という状況に関わらず、「上目遣い」とか「潤んだ瞳」とか認識しちゃっている所がある、という所。
こういうのは、「顔は認識出来なくとも、潤んだ瞳に思えるのだ」とか、何とか誤魔化せるんじゃないかとw

で、ここが最大の気になった点なんですが、「主人公があっさりとよろめいてしまう」という所です。
欲を言えば、もうちょっとストーリーが長く続いて、下級生の女の子(伊住さん)に、徐々に惹かれていくような、そういう描写があっても良かったかな、と。もうちょい、そこらへんにフォローがあれば、久々の大吟醸にしてましたね。
や、そうは云っても、ラストでの伊住さんの言動は、インパクトもあって、良かったんですよ。



大体、こんな所でしょうか?
出だしの、主人公の性格の悪さでプレイを中断しないで下さいw
短いながらも、良質のテーマが詰まっている、素晴らしい作品です。気になった方は是非プレイしてみて下さい。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-01-15 18:56 | サウンドノベル | Comments(4)
2011年 01月 13日

フリーサウンドノベル関係の雑記 箸休めvol.45

道玄斎です、こんばんは。
今回は久しぶりの箸休め。ノベルゲームに関連したネタをお届け……出来たらいいなぁ。



■アメリカ製商業ノベルゲームをやってみた

というわけで、アメリカ製の商業ノベルゲーム、の体験版をプレイしてみました。
サンフランシスコにある会社が作ったゲーム……みたいですよ。お値段は24.99$だそうで、そんなに高くないですよね。

タイトルは『Shira Oka: Second Chance
。一応、公式サイトを見てみると、「Shiraoka」=「白丘」みたいですねぇ。

多分、Ren'Py製かなぁ?
ムービーも付いてますし、立ち絵はこれムービーで動いてるって感じでしょうか? 意外とスルスルッと動きますw 昨今の商業ゲームで求められる基本スペックは抑えてあるって印象ですね。

ただ、イラストを複数人で書いていると思しく、女の子の絵の質感にばらつきがありますw
日本で流通している商業ゲームのソレとは、ちょっと違うタイプのイラストですよねぇ。


かるーくストーリーについても触れておきますか。
どうやら主人公(男)は、人生の敗北者……。無為に青春を過ごしどうしようもない日々を送っていたのですが……彼の目の前に天使が現れ、人生をやり直させてくれる、と告げるのであった……。

と、まぁ、こんな感じ(あってる?w)。
で、主人公は学園生活をやり直すわけですけれども、今度の人生では、女の子と知り合う機会もどっちゃりありますw で、前の人生を繰り返さないように、スポーツに勉強に、そして恋愛に精を出すのであった……。

ちなみに、ループモノっぽい要素もあったり結構頑張ってますね。
ゲームの基本設計としては、月~金曜日、土日に何をするか、を選択して、その選択の結果でパラメータが上昇(や下降)。そして、合間合間に、イベントが入って……という、『ときめきメモリアル』方式ですね。

主人公が「出来る事」は、イベントを進めていけば自ずと増えていきます。
また、学生らしく試験期間とかもあるので、それに備えて、それなりにお勉強系のパラメータを上げておくと良いかも。


結構可愛い女の子もいましたよ。
私がイチオシなのは、Yui Arakawaかな。Kikuなる和風の子も捨てがたいけれども、大人しい系のYuiがやっぱりベスト……かw

最初、全然セーブやロードが出来なくて「なんじゃこりゃー!」って思ってましたが、ゲームを進めていくと色々と出来るようになります。
バックログは、一々「Log」を教えて表示させないと、見られませんねぇ。マウスホイールが使用出来たらそれがベストなんですけれどもねぇ。


で、肝心の英語、なんですが、やっぱりそこまで難しくありません。
辞書は引かなくても、何とかなるんじゃないかと……。こういうのはね、別に勉強やってるわけじゃないんですから、何となーく話の流れが追えていればいいんですよw



たまには、外国製のゲームの紹介も、という事でw
ここんとこ、また國産のゲームとはご無沙汰しているんですが、そちらの方もボチボチ、ね。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-01-13 21:30 | Comments(2)
2011年 01月 09日

フリーサウンドノベルレビュー 『春椿』

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今日の副題 「絶妙の余韻を残す短編作品」

ジャンル:不治の病系ノベルゲーム(?)
プレイ時間:凡そ30分程度。
その他:選択肢なし、一本道。
システム:Ren'Py

制作年:2011/1/8
容量(圧縮時):50.2MB




道玄斎です、こんにちは。
今日はRen'Pyを使用した作品のご紹介。基本的にRen'Py製の作品は海外のものが多いんですが、日本人向けのリリースは、非常に少ないわけです。で、前作『フォルトゥナに口づけを -un bacio per Fortuna-』も既にしてプレイしていますし、レビューまで書いています。積極的にRen'Pyというツールを取り入れている所、先ずは評価出来ます。
というわけで、今回は「堕天の旋律」さんの『春椿』です。
良かった点

・割と良くあるパターンか? と思いきや、かなり好みの所に着地していくので良い感じ。

・リアリティのある描写や発話。


気になった点

・実は他作品(EX,『『フォルトゥナに口づけを -un bacio per Fortuna-』)などと世界観が繋がっている? 勿論単独でも支障なく遊べますが。

ストーリーは、興を削がない程度に私が纏めておきましょう。
ある日、死神の管理職をやっているテレンスは、ふとした事から日本を訪れ、病に冒された少女椿と出会う。
自分は死神で、相手は人間の少女、という隔たりがありながらも、二人は交流を続けテレンスは椿に惹かれていき……。

という感じでしょうか?


「堕天の旋律」のきりかさん、と云えば、NMのイラストを描いて下さっている方ですね。
もう、足を向けて寝られない程にお世話になっています。特に、NMのマスコットキャラクター「神風史」は、私の脳内イメージだけが物凄く先行している中で、何度もリテイクを出してしまったりしたのですが、本当に根気よく付き合って下さり、現行のとっても可愛らしいキャラクターが仕上がりました。

さて、前作の『フォルトゥナに口づけを -un bacio per Fortuna-』に引き続き、本作『春椿』もRen'Py製。
私なんかは考え無しに「れんぴー」って読んでいたのですが、きりかさんとお話していると「れんぱい」と呼んでいるじゃないですか。
話を伺ってみると「Ren'Pyの“Py”はPythonの“Py”だから」という、非常に論理的且つ明快な答えが返ってきました。うーん……やはりこれは「れんぱい」って読んだ方が正しいのかな?
あとこれは余談ですが、英語読みじゃなくてフランス語読み風にすれば「らんぴ」とかになって、「れんぴー」に近くなるようなw


っと、のっけから脱線していますが、本作タイトルから分かるようにちょっぴり「和風」なテイストが入っている、しっとり系の感動作です。
やっぱりRen'Pyという事で、ガワ的な部分なんですが、右クリックを押した時のメニューの表示がいい感じなんですよね。私達が普段良く目にするNScripterや吉里吉里/KAGといったものと、殆ど変わらないくらいまでカスタマイズされています。

デフォルト状態でのRen'Pyは以前、このブログでもご紹介しましたが、結構「要らない」ものもごちゃごちゃ入っていて、「声アリ、BGMアリ、効果音アリ、イラストアリ、ムービーもどんとこい!」ってなくらいフル装備でないと、中々意義が見いだせない設定も多く搭載されています。
それがかなりスッキリカスタマイズされていて、細かい所ですが、個人的には「お!」と思いましたね。


さて、いよいよ作品の中身に入っていきましょう。
病に伏せっている少女の元に、死神と思しき人物がやってきて……なんて聞くと、割とありがちなパターンを想像してしませんか? 別に病に伏せっていなくとも、主人公の元に死神がやってくる……というタイプの作品は枚挙に暇がありません。
『Dear∽Life』や『ゆめいろの空へ』、或いは割と最近プレイした作品だと『明けない夜が来る前に』とかも、近いパターンかな。

こうした作品が多いという事は、人間という生き物が「死」に対して非常に関心がある、という事を示しているようです。
そりゃ、「死んだらどうなるんだ?」ってのはやっぱり人間の根源的な不安ですし(各宗教色々解釈があるんでしょうけれども)、「もう、起き上がってくんなよ……」って事で「屈葬」なんて事もしてましたよね。そこには、死に対する絶対的な恐れがあったり、未知に対する恐怖って側面もありますよね。
「死んだらどうなるのか?」ってのは、実際死んでみなけりゃ分からないんですからw

で、本作もまた、「このパターンか……」なんて思いきや、意外や意外、絶妙な余韻を残す作品、になっていましたねぇ。あっ、ちなみに私の大好物の「ちょっと暗い」感じですw

本作に於いて、私が一番評価したい所は「テレンスの描写」です。
彼が死神という職業に就いていて、だからこそ「死ぬ事」に関して、そしてそれと裏返しの「生きる事」に関して非常に敏感であり、無神経な言動は許せない、という性格が、先ず「これはいいぞ」と思わせてくれましたね。

そして、ここが一番大事なんですが、テレンスの心中思惟に、「凄く共感出来る」んです。
設定としては百年以上生きている死神、なんですが、椿を前にして見せる戸惑いや、言動は私達と変わらない等身大の人間そのものです。
個人的にいくつか印象に残ったセリフがあるので、挙げてみましょう。

“また明日、と別れ際に言わなかったのは、これが初めてかもしれない”

これ……何だか共感出来ませんか?
何か、二人の間にいつの間にか出来上がったルールのようなものがあって、そして、そうした日常にとけ込んでいる決まり事……というか暗黙の了解が、崩れる瞬間というものがやっぱりあって。
で、悲しい哉、男の方が不覚にもそれに気づいてしまうんですよw そして悶々としてしまったり……。

そして、恋愛要素がある作品で、私が良く云うのは「何故、他でもないこの相手を好きになったのか?」という理由が欲しい、という事です。
明確に「○○だから好き」というので無くとも、自分が相手への恋心へ気づく、その描写ですよね。そこに何か説得力があると、リアリティがグッと増してきます。本作の場合は、

“それなりに長く生きてきて、この感情が何なのか手に取るように分かる。そして、その前にはいつでも自分が滑稽で仕方なくなってしまうことも”

という言葉で以て、それを表現していました。
うーん、これも何だか共感度が高いなぁ……。自分自身の経験として、こういう感慨を頂いてしまう事、屡々あります。いや、ありました、という云うべきかな……。

今挙げた二つのセリフを見た時に、「ああ、これは良い作品だな……」と感じましたね。
ドロドロっとした俗っぽさもない。そして男の方が死神、という特殊なバックグラウンドを抱えているけれども、そこには何か過剰に美化したり、飾り立てたりする所もない。
その恋愛描写に於けるバランス感が、絶妙でした。


最後に語るべき所は、ラストシーンでしょうか?
30分ちょいの短編ですから、ネタバレは避けようと思います。

私の私的な用語で「ヒロイン殺し」というものがあります。
中々説明するのが難しいのですが、「ストーリーの都合によって安直にヒロインを殺してしまう」っていうと一番伝わりやすいかな。ちょっと非難がましいもの云いですけれども、私は結構好きなんですよ、困った事にw

それはさておき、一方で、「安直なハッピーエンド」っていうのもありますよね?
想いの力で不治の病が治っちゃったぞ! ってなタイプです。
これもやっぱり非難がましいようですが、やっぱり嫌いじゃないんですよw

で、考えてみるに、「どういう結末を迎えるにせよ、そこに何かしらの納得感が欲しい」という事なんです。
そういう結末に至るまでの説得力があるかどうか……という事なんですが、中々難しい所ですよね。
ですが、本作は、そこが凄くスムーズで、結末を静かに受け入れる事が出来たように思えます。

また、結末部分がちょっと暗いんですが、何とも云えない絶妙な余韻があるんですよねぇ……。
このブログを長いことご覧頂いている方はご存じかと思いますが、私は割と「ダーク」なエンドだったり、ラストに棚引く余韻たっぷりの作品を好む傾向があって、本作もその系統なので、プレイ後、しばし放心状態でした。


さて、最後になってしまいましたが、気になった点(という程でもないのですが)を。
テレンスは死神である、と何度も描いていますが、まぁ、云ってしまえば「アッチの住人」です。で、唐突に「中立界」なる言葉が出てきて「アッチの世界」が単一ではなく複数の層を成している事に気がつきます。
これは、前作でも出てきた設定ですよね。本作は本作で独立しているけれども、世界観としては繋がっている、という事なのでしょうか。

本当に気になったというレベルではないのですが、これは寧ろ、前作と併せて読んで楽しむといいかな? という部分ですね。

そういえば、ヒロイン椿はちょっと嬉しいフルボイスです。
プレイ時間は凡そ30分程。個人的には男性にお勧めしたい感じはあるのですがw

是非、登場人物の心情なんかに注目しながら、少しダークで余韻の残るラストをご覧下さい。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-01-09 16:26 | Comments(0)
2011年 01月 08日

フリーサウンドノベルレビュー 『マンション前の時計』

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今日の副題 「ちょっと一息、不思議な話」

ジャンル:ちょっぴり不思議な短編集
プレイ時間:小一時間ほど。
その他:基本選択肢なし、一本道(三話目のみ選択肢はあれど、どれを選んでもエンドに影響無し)。
システム:NScripter

制作年:2010/9/19
容量(圧縮時):61.7MB



道玄斎です、こんばんは。
今日は、以前ご紹介した事のある『ユリカ』という作品の作者さんの作品を、プレイしてみました。
短編集、という事で取っつきやすく、又、ちょっと不思議なストーリーは、クスリと笑えるもの、はたまた、どこかしこりを残すものなどバラエティに富んでいて、面白かったですね。
というわけで、今回は「fragment」さんの『マンション前の時計』です。
良かった点

・少し不思議な感触を残す話が多く、どこかホッとする手触りが。

・一話一話の尺の長さがほぼ一定。どれか一つの比重が偏る事の無い作り。


気になった点

・三話目の選択肢は無くても良かったかも……。

ストーリーは、ふりーむ! の方から引用しておきましょう。
マンション管理人である広田はとある問題に頭をかかえていた。それはマンションの前にある時計のことだった。
何度修理してもいつの間にかに遅れる時計に業を煮やした
広田は、なんとかして原因を突き止めようとするが・・・・・・。

表題作"マンション前の時計"を含む短編五話で構成されるオムニバス形式ショートストーリーです。

という感じです。


少し懐かしく、ホッと出来るような、そんな感触を持った短編集です。
今、ご紹介したストーリーは、表題作で、最終話に位置する「マンション前の時計」という作品について、ですね。

普通のカッコでくくった「マンション前の時計」ではなく、それを包含する全体としての『マンション前の時計』という事ならば、きっと「ちょっぴり不思議な短編集」という纏め方が適当でしょうか。

最近、あまり見かけなくなってきた「影絵」が使用される話があったり、ジワッと感動出来る良質の短編があったり、はたまた、日常の中にある「どこか不思議な出来事」をフィーチャーした作品があったり、とバラエティに富んでいる印象です。

何しろ『ユリカ』という作品が、サイコホラーの趣がありましたから、本作もどこかホラー的な、そういう「不思議さ」なのかな? と漠然とイメージしていました。
実際、プレイしてみると、確かに第一話、第二話辺りまでは、少しホラー的なテイストを取り込んだ作品になっていたのですが、第三話目でしてやられましたね。

その三話目は、就職など、将来に対して不安を抱く大学生が、本屋のアルバイトで知り合った女の子に恋をして……というタイプの作品なのですが、短いながらも素敵な話として纏まっており、好印象でした。
タイトルも「想いは夜空に散って」とどこか詩的な感じで、とっても良いですよね。
これは、気になった点、になるのですが、この三話目のみ、選択肢がついています。しかし、どちらを選んでもエンドに変化はありませんでした。
他の作品が、全て「選択肢なし一本道」でしたから、この三話もそれに準ずる形にした方が、全体としての纏まりが良いかな? と少しだけ思いましたが、実はそこまで気にする所ではないのかもしれませんね。


そして、四話目、五話目では、「どこか不思議」なストーリーが展開されていきます。
そういえば、藤子・F・不二雄さんの「SF」というのは「サイエンスフィクション」ではなく、「少し不思議」という意味である、とどこかで聞いた事があります。
本作も、後半になると、藤子・F・不二雄的ではないにせよ、「少し不思議」と冠するに相応しいストーリーに。

結構、内容的にも出だしで「お!」と興味を惹くようなものが多いんですよ。
「食べた人が、涙を流してしまう幻のラーメンを出す屋台」がある、とか、「何故か時間が五分づれる時計」があるとか。

ラーメンのお話は、第四話の「幻のラーメン」ですけれども、強烈にスッキリとするオチが付いているわけでもないんです。だけれども、そこが一つの味になっていた、というか。
時計は、表題作なんですが、最後まで読むと「ええ!!」と軽く驚き、そして思わず笑ってしまうような、そういうオチがついていますw


本作に関して、「これは中々凄いぞ……」と思ったポイントが一つあって、それは「どの話もほぼ一定の長さ」なんですよね。
大体、私のプレイ速度では、全て7分ほどで読む事が出来ました。たまに短編集であっても、濃淡が非常にハッキリとしているタイプの作品もありますよね。例えば、一話目が10分くらいで、二話目が30分あって……とかね。
オムニバス的な短編集(ストーリー的に繋がりのある短編集)なら、そういう濃淡もあって当然、と思うのですが、本作の様に、前後に繋がりのないストーリーが何本も集まって一つの作品を成している場合、或る程度尺が揃っていると、まさに「短編集!」という感じがしませんか?
勿論、尺が揃っているから良いとか、揃っていないから悪い、とかそういう意味じゃなくて、ですよ。

ともあれ、一話一話がほぼ一定の長さ、というのは、プレイもし易いような気がしますし、本作のような短編集には向いていますね。逆に、これは一話一話の長さをほぼ一定になるように調整しているのかな? だとすれば、中々凄い技術だと思います。


そこまで派手さや、豪華さはないものの、少し不思議でどこかホッと出来る短編集です。
ちょっと一息つきたい、とか、気分転換なんかにぴったりだと思いますよ。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-01-08 21:36 | Comments(0)
2011年 01月 07日

なんてことない日々之雑記vol.321

道玄斎です、こんばんは。
そういえば、新玉の年が変わってから、まだ今年の抱負的なものとか、そういう新年らしい事を書いていなかったので、今日はそんな事をつらつらと書いてみようかと。毎年、あまり変わらないんですけれどもね。



■2011年の目標

えっと……色々やりたい事とか、試してみたい事、あるのですが、敢えて「期待しない」というのを目標にしてみようかと思います。

大体、人間って、何か期待するからそこに煩悩が生まれるわけで、最初っから期待しなければ、そういう悩みとは無縁で居られます。「期待しない」というと、何だか非常に消極的な感じがしますが、「あるがままに受け入れる」という感じかもしれませんね。


あと、これは毎年毎年、折に触れて書いているのですが、「草の根活動として頑張る」という。
いや、このブログですけれどもね。
何か、自分がばばーんと表に出る、ってよりは、ちょっと裏側でコソコソ(?)やっている方が、性に合うというか。だから、NMで責任者になってしまった時は、「困った事になったぞ……」と思ったのは秘密ですw

人にはやっぱり、どうしたって向き/不向きっていうのがありますからねぇ。
私の場合は、このブログを本拠地にしながら、静かにのんびりとノベルゲームをプレイして、その面白さを少しでも伝えられたら、と。それが私には丁度良いんじゃないかと思ってます。
勿論、例外はありますけれどもね。ラジオ放送とか……。けど、あれはやってみた人なら分かると思いますけれども、結構中毒になりますよw

やらなきゃやらないで、全然いいんですが、一度ふと思い立って「やってみっか」って放送してみると、「次はいつやろうかなぁ」とか考えちゃう、独特の魅力が……。


もう一個、何か目標を……と問われたら、きっと「キャラを変える」という事かな。
いや、最近、すっかりアレな感じのキャラが定着しちゃったので、ちょっとここらへんでシリアスにいこうかと思ってます。

いや、元々ああいう感じのキャラ、でもないんですが、ついついノセられるとサービス精神が走り出すんですよw 「こ、ここで期待を裏切っちゃいかん!」とかね。

まぁ、キャラを変えるって云っても、いつまで持つのか……長続きしなさそうな気がするなぁ……。
うん、でも、少しシリアスな面を出していく、っていう事で。



大体こんな所でしょうか?
一時、かなりペースが落ちていたゲームプレイも、大分調子が戻ってきたし、今のところはちょっといい感じですね。
とはいえ、相も変わらず、マイペース&草の根活動を標榜して、こちょこちょやっていきたいと思います。

どうぞ、本年も宜しくお付き合い下さいませ。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-01-07 23:22 | 日々之雑記 | Comments(4)
2011年 01月 06日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『妓楼怪談』

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道玄斎です、こんばんは。
今日は又しても番外編、なのですが、久々にプレイしてみたくなった「和風」作品を持ってきました。まだ、松の内ですし、和風が似合う季節なのではないかと思います。
というわけで、今回は「Arim Lab」さんの『妓楼怪談』です。



さて、本作はブラウザ上でプレイ出来る、FLASHを利用した作品になっています。
実は「Arim Lab」さんの作品では、以前『桜闇夜奇譚~黒羽根~』をプレイさせて頂きましたが、本作も、ちょっぴり雰囲気が似ている所がありますね。

本作はタイトルからも分かる通り、「和風ホラー」作品です。
どうやら、原作は『耳囊』らしいのですが、それをリメイクし、ノベルゲームの形にした、という事みたい。『耳囊』は江戸時代に書かれた随筆集、という事なのですが、実際は、珍しい話恐い話などが多数収録されており、読み物として面白い……らしいですね。

私も、割と江戸時代の怪談の類は好きで、岩波文庫とかで買ってきて読んだりするのですが、『耳囊』は未読です。多分……なんですが、江戸時代くらいになれば、一応「古文」という範疇ではあるものの、そこまで文章を読んでいくのは難しくありません。
入門としては、やはり岩波文庫から出ている、江戸時代の怪談集を抜粋した『江戸怪談集』をお勧めしておきます。江戸時代の怪談のエッセンスがこの本で大分分かるはず。


ここらへんで、本作の中身に入っていくとしましょう。
舞台は遊郭。空蝉という源氏名の、ちょっと曰くありげな遊女を揚げた男の奇妙な一夜を描く作品、というのが、端的な纏めになりましょうか。

割と、遊郭言葉、郭言葉が出てきており、そこらへんに拘りが感じられます。
背景素材、音素材のチョイスのセンスも上々ですね。
ちなみに宣伝となりますが、一応私が責任者、という事になっている素材サイトNovelers' Materialというものあり、ノベルゲーム制作に役立つ素材をダウンロードしたり、或いは素材制作者として登録したり出来ます。
和風チックな曲も私は、何個か制作して登録しているので、興味があれば、是非ご覧下さいませ。

で、外はお祭りの日。だけれども遊郭はそうした外界とは無縁の苦界です。
そういう「明暗」の対比が、和風ホラーならではの隠微な空気感を作り出していますよね。
ちょっと考えれば、遊ぶ為の遊郭という施設ではあるけれども、そこで働く者達は、ある種の暗い事情があって、そこで生活をしているわけで、遊郭という場の持つ、明暗みたいなものも、やっぱりホラーとの相性は抜群だと思います。

FLASHで読み進めていく作品、ではあるのですが、選択肢があり、エンドが6つ用意されています。
所謂「即死系バッドエンド」は2つあるのですが、その他の4つは、どれも独自の味わいがあるエンドですね。

夜、気がつけば空蝉はおらず、家鳴りがしている……。挙げ句読経の声まで聞こえてきて……。
怪しい人物が刃物を持って襲いかかってきた! というようなタイプの恐さ、ではなくて、そうした「異常な空気感」で怖がらせる、というのが和風ホラーの美味しいところです。

1つのエンドを見るのには、大体10分くらいあれば事足りるのですが、コンプリートしようと思うと、少し大変かも。一時間……は掛からないにせよ、小一時間くらいは掛かってしまうかもしれませんね。
そこらへんは、FLASHというシステムに拠る所が大きいのですが、その中でも遊びやすいような工夫が随所に凝らされています。

例えば、エンディングリストこと「結末一覧」。これがあるだけで、大分プレイしやすいと思います。
又、これはちょっと気付きにくいのですが、画面の上部にマウスカーソルを合わせると、文章の速度の設定が出来たり、或いは効果音のON/OFFが可能になってますので、一つのエンドを見た段階で、文章速度を早いに設定する、とその後のプレイが楽になるかもしれませんね。


郭を巡る、ほの暗い情念を感じさせるホラー作品でした。
敢えて、気になる点を述べるとすれば、やはり、エンド数が6つなのはプレイする側としては大変かな……という辺り。『桜闇夜奇譚~黒羽根~』はエンド数が3つだったと記憶しているので、そういう意味では少しプレイしにくい部分があります。

ブラウザで気軽に遊べますので、和風ホラーがお好きな方は是非どうぞ。
折角、世間的にも和風が押し出される数少ない季節ですので、普段和風作品をプレイしない、という方も試してみては如何でしょうか?



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-01-06 19:23 | サウンドノベル | Comments(0)
2011年 01月 05日

フリーサウンドノベルレビュー 『セイシュン真っ盛り!』

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今日の副題 「カラリと爽やか、ダメ系青春ストーリー」

ジャンル:ダメ系青春アドベンチャー(?)
プレイ時間:40分程度。
その他:選択肢アリ、バッドエンド3種類。
システム:NScripter

制作年:2010/12/?
容量(圧縮時):32.5MB




道玄斎です、こんばんは。
新年二本目のノベルゲームレビューという事で、ちょっとコミカルで楽しい作品を持ってきました。ちょっと気になってダウンロードだけしてあったものですね。
というわけで、今回は「九州壇氏」さんの『セイシュン真っ盛り!』です。
良かった点

・テンポの良い文章で、軽いノリで読む事が出来る。

・ツボにはまれば破壊力大、のギャグw


気になった点

・メタ発言ギャグを入れずに、下ネタ系ギャグで通した方が良かったかも。

ストーリーは、ふりーむ!の方から引用しておきましょう。
主人公「風間雄太」は、平和な日常を過ごしていた。
暴力的な委員長に殴られながら親友とカオスなトークを楽しみ、漫画の濡れ場でウハウハしながら自分で自分を慰める日々。
そんな彼が、不思議な雰囲気を持つ女の子に出会って……?

と、こういうストーリーになっています。
九州壇氏さんの作品も、今まで随分プレイしてきましたね。長編の『乙女心と夏の空』は、実は未読ですが、近い内に読みたいな、と思っています。

さて、私の九州壇氏さんの作品に対するイメージは、「良い意味で生真面目」とか、そういう感じなんですよね。登場人物がほぼ全員非常に善人ですし、ある種のテーマに向かっていく「まっすぐさ」みたいなものを感じていたわけなんですが……ここに来て、まさかの「ギャグテイスト」な作品が登場しました。

パステル調の優しい立ち絵素材が使用されていたり、テンポの良い会話や、ギャグなど、今まであまり表に出てこなかった、九州壇氏さんの新しい魅力が、垣間見える一作になっていたんじゃないかと思います。

学校を、主要舞台の一つに据えている作品は、世の中に数多いですが、「青春」というのは一つのキーワードになっています。
中学~高校生くらいの主人公が、時に人生に悩んだり、或いは恋愛をしたり、はたまた部活に打ち込んだり……「青春」と明言されなくとも、そこには「青春的な要素」がかなり多く盛り込まれています。
一つの青春テーマに特化した作品もあれば、複合的に青春を見せてくれるような作品、様々あるわけですけれども、本作がちょっと変わっているのは「ダメな青春」を描く、という所にあります。

そこには、人生に深刻に悩み込むわけでもなく、真摯で真面目な恋愛もなく、かといって部活動に打ち込むわけでもない、そんな主人公が居るわけです。
恋愛を打ち出しているような作品は、そこから「一人の少女と出会って、主人公が成長する」という話が多いんですけれども、本作の場合、そうした要素がありつつも、やっぱり少し位相が異なるかな、という印象です。

主人公は中学生男子、という事でちょっとえっちぃ事ばかり考えていて、友達である光一も筋金入りの馬鹿野郎w 
主人公と悪友光一、そして委員長といったキャラが織り成す「下ネタ」ギャグは思わず笑ってしまうものがあります。ただ、まぁ下ネタですから……ちょっと人を選ぶ部分が無いわけでも……ない……かなw

寧ろ、気になったのは、主人公と光一の「メタ発言ギャグ」ですかね。
それまでのノリの下ネタギャグ一本槍で通した方が、全体の統一感があるのではないかと。


先ほど「ダメな青春」と書きましたが、えっちぃ事しか頭にない主人公は、どうしようもない馬鹿な失敗をやらかして、毎度毎度、「僕って本当にダメなヤツ……」と嘆きます。
が、それは悲壮感のある嘆き、ではなくて、どこか自嘲的であったり、苦笑い的な、そういう嘆き、なんですよね。

そして、エピソード毎にその「僕って本当にダメなヤツ……」というセリフが出てきて、作品のテーマを一本貫くものになっていた、という事も併せてお伝えしておくべきでしょう。
一種のアイキャッチ的な、そういう効果も感じられて、「印象的なセリフをリフレインする」というのは、良い手法だな、と改めて感じさせてくれました。
全く、作品の内容は異なりますが、『Serenade』という作品があり、「からかってるでしょ?」というセリフが印象的に、散りばめられていましたね。


後半は、割とシリアス路線になっていくんですが、そこにも、思いも寄らない下ネタギャグが出てきて、暗くなりがちなシーンを明るくみせてくれています。
主人公は、謎の同級生吉野さんに共感を覚えるのですが、「え? 何で共感してるんだ……?」と私は、一瞬分からなくなりましたw それは、あまりに吉野さんが抱えている問題と、主人公の「ダメな性癖」がかけ離れていたから、なんですが、その齟齬があんな形のギャグになるとは……w


結局、主人公は表街道の「青春」ではなくて、ちょっとダメな「セイシュン」を続けていく事になるんですが、表街道じゃなくてもいい、というような、一種カラリとした爽やかな境地に至る事に。
そして、そんな主人公の傍には、吉野さんが居て、馬鹿野郎の光一も居る。きっと、いつもの「ダメ」な「セイシュン」が続きます。


前半のギャグから考えたら、意外なほど綺麗に物語は纏まっていきます。
中々、良い作品だと思います。尺も小一時間、というところですから、是非気軽に読んで、ちょっと笑って。そんな風に楽しんでもらいたい作品です。

あっ、そういえば、一応選択肢があるのですが、ストーリーの流れに沿うように選んでいけば、バッドエンドは回避出来ます。間違った選択肢を選べば、すぐにバッドエンドの旨、表示されますから、そちらの方も合わせて楽しんで(?)みて下さい。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-01-05 21:41 | Comments(0)