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2011年 07月 31日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『しぜんとこころ』

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道玄斎です、こんばんは。
今日は、うんと短くて、或る意味、究極の癒し系、とも呼べるような、そんな作品を探してきました。
というわけで、「Astroloupe」さんの『しぜんとこころ』です。うんと短いので、番外編でいきますよ。


ベクターか何かで探してきたのですが、説明文からして「癒し系」だとヒシヒシと主張していました。
夏、だからといってのんびり出来るとは限らないわけで、夏だからこそ、厭な事が山積みになっていたり、暑さで疲弊したり……なんて事も屡々起こります。

そういう時に、プレイすると楽しいのは、このブログで「番外編」と銘打ってある、短編作品です。
本当に、お茶を一杯呑む程度の時間で読了出来たり、と、まずプレイ時間が優しいです。
いくら癒し系、だからって、読了まで5時間掛かったりしたら、ちょっと萎えちゃいますよねw

そんな番外編にしてある作品群ですけれども、本作はその中でもかなり異質な作品だった、と先ずお伝えするべきでしょう。
というのは、一般的なノベルゲームで当たり前のように行われる「クリックして文章を読み進める」という作業がないのです。

タイトル画面からstartを選択すると、写真を模したイラストが何枚か出てきます。
あとはそれをクリックすると、自然音と共にちょっといい感じのメッセージ(詩?)が表示される、という仕組み。全部で七枚かな? 多分、ざざっと見れば二、三分もあれば全部の内容が確認出来ちゃうんですが、癒し系の作品ですから、各パートで流れる自然音……にも耳を傾けたい所。

ともすれば、こうした「相田みつを」ばりのメッセージは、白々しさを感じたり、逆に胡散臭く感じたりする事があるんですが、意外とノベルゲームというフォーマットで示されると、そういう穿った見方をしないで済みますねぇ……。
それは、単純にメッセージだけが出てくるのではなく、美しい背景素材と自然音との融合があるから、な気はします。

んもう、こういうの生理的にダメ! って人も居ないわけじゃないと思いますけれども(実は私も結構そういうタイプでした)、本作は、押しつけがましくなくて、好感度が高かったです。
ゲーム、というよりは、思い出の写真を一枚一枚思い出と共にめくっていくような……そういう手触りの作品ですね。

プレイ時間としては、先にも述べましたように、読むだけなら二、三分。じっくり楽しめば5分くらい、でしょうか? 全体的に「夏らしさ」が出ていたのも季節感があって良かったですね。
一つだけ、気になった点を挙げると、性急に、次から次へとクリックしていくと、なんかエラーが出てしまうような……って部分です。一つ一つゆっくりと見ていけば大丈夫、だと思いますけれどもね。


ちょっと疲れた時、プレイ(?)してみて下さい。
すこーしだけ、気持ちが楽になるかもしれません。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-07-31 19:19 | サウンドノベル | Comments(0)
2011年 07月 26日

4周年記念

道玄斎です、こんばんは。
今日は何だか寝付けないので、こんな時間に記事を綴っております。



■気がつけば4周年

よくよく考えてみたら、早いもので、もうこのブログも4周年を突破していましたねぇ。
七月中に、取り敢えず「4周年を迎えました」とご報告出来て良かったですw

なんか入院とか退院とかでバタバタしていて、すっかり失念していました。
んー、まぁ、当事者である所の私が「4周年だぜ!」って云っても、何だかそれはそれで白々しいんですけれども、このブログを読んで下さっている皆様、そして素敵な作品を生み出し、公開して下さっている作者様に最大の感謝を。

改めて振り返ってみると、長かったような、それでいてあっという間だったような不思議な感覚があります。
って、例年同じ事を書いてないか心配ですけれども。


この一年の中での最大のトピックは、やっぱりNovelers' Materialの開設、かな。
ブログの方は割と停滞気味だったわけですけれども、ノベルゲームの世界に寄与できるような、そうした企画が実現してちょっと嬉しいですね。

まぁ、一応責任者が私って事になってますが、インフラを調え実際の作業をやって下さっているAura911さんだったり、私の我が儘全開のデザインを担当してくれているきりかさんだったり、すぐにアップロード出来る素材を持ち、制作者の視点からもアドバイスを下さったNaGISAさんだったり、使い勝手の良い楽曲をアップロードしてくれ、尚かつ地味かもしれないけれども、本当にこまめにNMの管理をして下さっているとくむさんだったり、が居てこその企画だったと思います。
更に……作者登録して、素材をアップロードして下さっている方々、そしてそれを利用して下さっている制作者の方々あってこそのNMなのです。

                ごめんなさい! 私は何もしていません!!!w


うん……何もしてないわ……ホントw
なんか気味の悪い和風ホラーの曲とかは作ったけどさーw

けれども、NMが開設された事で、曲は結構作った気はしますね。
まーた、私の作るのは使い勝手が悪いか、やたらめったら限定的な用途でしか使えないような、そういう曲が多いんだけれどもね。

そもそも、ノベルゲームとここまで付き合ってこなければ、恐らく私は一生、一曲も作らなかったんじゃ……という可能性も大いにあったわけで、新しい趣味(?)を増やしてくれた、ノベルゲームには本当に感謝しています。

いや、だって、三歳でピアノを強制させられて、嫌々ながらも三年間はやって、基礎のソルフェージュは修めたけれども、音楽なんてからっきしだった訳で。
数年前に「ノベルゲームの曲つくりてぇ!」という闇雲な衝動に駆られて(なんで、そんな気を起こしたのかは、今以て不明)ヨドバシカメラに走らなければ、絶対に曲なんて作ってなかったもんね。

シーケンサーっていうか、DAWの使い方だって分からなかったし、コードとか全然分からなかったし、本当に手探りで始めて……。
なんか感慨深いなぁ……。

DAWも「俺の感性に合ったものを!」と探し、求め続けた結果、FL STUDIOという素晴らしいDAWに出会う事が出来ました。他の人にとっては、どうか分からないけれども、少なくとも私にとってFLは「最速で、作りたいものを作れるDAW」なのです。
お琴っぽい音源を買い足したり、トラウマになっているオルゴールのサンプリング音源まで購入したりして、使い勝手もドンドン向上させています。

気がつけば、モニタースピーカーはあるわ、それなりに使えるヘッドフォンはあるわ、オーディオインターフェイスはあるわ、MIDIキーボードはあるわと環境も整っちゃったわけで、アマチュア音楽制作者としては、十分なんじゃないかしら。

ノベルゲームも昔からプレイしていると、音楽のフォーマットの変化に気づいたりもします。
昔はMIDIが多くて、その後はmp3が主流になって、最近ではoggがチラホラ注目されて来ている、とかね。幸い、FLはoggで書き出す事が出来るので、最近はmp3版とogg版の二種類アップロードするようにもなりました。


勿論、音楽だけじゃなくって、ちょっとした写真一枚からアップロード出来るのがNMの魅力の一つですから、たまに私も「この風景は使える!」って瞬間があると、こっそり写真をとって、アップロードしています。

ちらりほらりと、そんなNMの素材を使って下さっている作品を目にする事があったりすると、何とも云えない感動はありますよね。



「他のノベルゲームレビュワーがやらない事をしよう!」というのが、一つのコンセプトですから、随分、まっとうな(?)ノベルゲームレビュワーとは違う道を歩んできてますねw 客観的に見てみると(完全なる客観は自分では無理だけれども)、相当変な人だと思いますよw
勿論、他との差異は出しつつも、「飽くまで草の根活動」という路線は変えない積もりですけれども。

そういえば、ここ一年くらいかな? 洋物のノベルゲームのレビューなんかも、時たまやるようになりましたね。最近は、時間的な都合だったりであまりプレイ出来ていないんですが、また、折りを見て洋物ノベルゲームもプレイしていきたいですね。


で、退院してきてから、結構ハイペースで更新を続けてきたんですが、そろそろリミットです。
体力がリミット、なのではなくて、時間的な余裕の意味でのリミットです。
ちょっとこれから忙しくなって、また途切れ途切れになりそうな予感がヒシヒシしています。

けれども、私がノベルゲームをプレイしなくなる、なんて事は恐らく、よほどの事が無い限り(ノベルゲームをプレイする習性を直したら、結婚してあげる、なんて云われたら、ちょっと迷う)プレイし続けるでしょうし、自分が楽しめた作品を、レビューという形で紹介し続ける、と思います。

というわけで、五周年目を目指して、マイペースでやっていきたいと思います。
どうぞ、これからも宜しくお願い申し上げます。



道玄斎 敬白
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by s-kuzumi | 2011-07-26 02:39 | 日々之雑記 | Comments(4)
2011年 07月 25日

フリーサウンドノベルレビュー 『黄昏を見つめて』

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今日の副題 「やっと完結! 中華風ノベル」

※吟醸
ジャンル:中華風ファンタジーノベル(?)
プレイ時間:コンプリートしても一時間半ほど。
その他:各章に選択肢有り。バッドエンド/グッドエンドに別れている。
システム:Live Maker

制作年:2008/1/2~2011/4/1完結
容量(圧縮時):11.1MB



道玄斎です、こんばんは。
今日取り上げる作品を見て、「おや?」と首を傾げた方がいらっしゃるかもしれませんね。それもそのハズ、過去にプレイした作品(当時は現行の第一章で完結していた)の完全版をプレイしたから、なのです。
過去のレビューを消そうかどうしようか、迷っているのですが、取り敢えず、残しつつ、完全版のレビューをやっていきましょう。
というわけで、今回は「mystic night」さんの『黄昏を見つめて』……の完全版です。
良かった点

・過去ヴァージョンでノリシロになっていた設定が、一気に解放されグッと世界が広がった。

・抜群のテンポ感。作者さんのページに書いてある目安よりも、遙かに早く読了出来るハズ。


気になった点

・旋律と神楽の関係が割と……淡泊……だったか?

ストーリーは、作者さんのサイトから第一章に当たる部分を引用しておきましょう。
青年、神楽は少女、旋律と妖魔の千尋と共に旅を続けていた。
旅の途中で立ち寄った村である妖魔の噂を耳にする。神楽達はその噂を確かめるために…。

彼らは"ないもの"を追いかけ、取り戻すために探し求め続ける――。

こんな感じ。


最初にこの作品をレビューしたのが2009年の3月でした。
その後も、短編連作という形を取りながら、コツコツと制作が進められ、2011年の四月に完結をした、という事になっています。

以前書いたレビューで挙げた気になっていた点は、綺麗サッパリ無くなってしまっていました。
又、差し出がましくも「食事シーンで肉まんでも食ってる事にしたら一発で中華風だと分かるハズ」とか何とか書いた記憶があるんですが、第一章の食事シーンで肉まんが出てきて――勿論、私のレビューのせいではないと思いますが――個人的に「おお!」って思いましたね。

あと、イントロで、「古代中国の」みたいに、実在の地名を出して説明すると云々とか書いた記憶もあるんですが、やっぱりすっぱり消えていて、以前感じた違和感みたいなものは殆どなくなっていました。


何より……個人的に「彼らの旅はどうなるんだ?」という最大の未消化の部分が、完全版で消化されたので、物凄く嬉しかったりします。
一応、無印(=純米)、吟醸、大吟醸という三区分を付けてはいるのですが、その価値観を脅かしかねない、「何となく気になる」「何となく好き」な作品、は数多くあって、本作はその筆頭とも云えるものでした。

本当はね、完全版が出た事も知ってたんですが、中々プレイするタイミングがなくて、今日まで延びてしまっていました。

一体、何で旋律は呪いを受けたのか? どういった妖魔が呪いを掛けたのか? 何故、神楽はあそこまで旋律に尽くしているのか? この二人の関係は?

みたいな、色んな謎……の断片が第一章で提示されていました。
それが少しづつほどけていくのかな……と私自体も恐る恐るプレイしてみたら、第二章で、神楽と旋律が追い求めていた伝説の妖魔があっさりと姿を現し、普通にフレンドリーな関係になってしまい吃驚しましたw

けれども、そこで話が終わらない……のがいい所ですね。
言わば、ラスボスは姿を現しているけれども、何故か主人公達と行動を元にする事になって、旅が続いていく……というような。
あそこで、「九尾のピカチュウ」と以前私が評した、善良な妖魔千尋の誘拐事件が起こって……と話が進んでいく辺りも巧みでした。

そうした状況に付随して、「都」がある事、王朝がちゃんと確立されている事等が示されます。
更に、妖魔狩りをしている人間達の組合(?)があったり、世界観が少しづつ固まって、そして広がっていく感じがダイレクトに味わえます。

こういうファンタジーもの、割とノベルゲームでは少ない気がしますし、更に中華風っていうと、更に少ないような……。
なので、相当稀少なイメージがありますねぇ。

ともあれ、世界が固まり、且つ広がりながらも、テンポが凄く良いのが印象的でした。
作者さんのサイトの作品紹介のページには、各章ごとのプレイの目安時間が示されているのですが、多分、歴戦のノベルゲーマーでしたら、もっと早く読む事が可能です。
目安では、三時間ちょい掛かる感じなんですが、凡そその倍の速度、つまり一時間半で読了可能、だと思います。

一つ、プレイ上の注意点があります。
多分、これは各章ごとに、グッド/バッドエンドを見ないと、次章に行けないんじゃないかな、と思います。
大体、各章の後半部に選択肢が出てくるので、そこでセーブしてあげると楽々ですね。

このグッドエンドとバッドエンドに関して、一つ思う所があって、第一章、第二章に関してはまぁ、アリかな、って思うんですが、第三章はエンド分岐させなくても良かった気がします。
というのも、あるエンドでは、第四章の冒頭と繋がらなくなっちゃうような……。


そういえば、ちょっと脱線しますが、宿屋の作りにリアリティがありましたね。
本作に出てきた、一階が酒場で、二階が宿泊施設、というのは、非常に昔からある「宿屋」のあり方なんですよね。西洋東洋問わず。昔読んだ本に拠ると(本の名前が出てこない……)、中国では、今でもホテルの事を「○○飯店」と呼ぶ、って書いてあった気が……。
つまり、メシ(と酒)を喰う場所と、宿泊施設はいつもくっついて存在している、って事ですね。


ついに出てきたラストも、盛り上がりがあり、良いものになっていた……のは確かなんですが……やっぱり、旋律と神楽の関係が、もっとね、こう親密な感じかと思っていたんですよ。

ところが、蓋を開けてみると、意外と淡泊っていうか……。うん、確かに神楽の過去に旋律は絡んでいるし、旋律にとっても神楽は大事な存在ではあるんだけれども、決定的に「こいつがいなければダメだ!」って、激しさを伴ったものじゃなかったような……。そこは少し寂しかったですねぇ……。


兎に角テンポの良い、そしてどこかゆかしい雰囲気を持った作品です。
「是非完結を!」と望んでいたので、何はともあれ完結して、それをプレイ出来て嬉しかったです。
細かい事を云えば、右クリックした際に表示される「既読文章を飛ばす」が「即読文章を飛ばす」になってたり、細かな突っ込みどころはあるんですが、色々勘案して、今回は吟醸です。


イラストは超美麗、とかそういうんじゃないですけれども、独特な雰囲気がハマると抜けられなくなりますよw



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-07-25 21:48 | サウンドノベル | Comments(0)
2011年 07月 23日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『クラシックプレイ』

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道玄斎です、こんにちは。
何か関東はここ数日結構涼しくて過ごしやすかったのですが、今日にきて又、暑くなってきましたね。こんな時はサックリプレイ出来る作品をやるのが吉。
というわけで、「えむす」さんの『クラシックプレイ』です。



尺が私がプレイして20分くらいでしたので、番外編にてご紹介致します。
前回、『なかない負け犬』という作品を取り上げたのですが、最近、ちょっとメイド成分が足りてない、という事に気づいて、あれこれ探してきたのが本作ですw

メイド、とは名言されていませんが、お屋敷に勤める使用人、という事でこれはもうメイドと云っても過言ではないでしょう!

キャラクターは割とクセの強いネーミングなんですが、プレイしている内に気にならなくなってきます。
主人公(ヒロイン?)のデフォルトの名前が名々子(自分の名前に変更してみるのも一興かも?)で、お仕えしている家は天下家、と云いますw

ストーリーにも軽く触れておきましょう。
このお屋敷には、離れの池の近くで男の幽霊が出る、という噂があり、話題になっていた。一見気丈だが、その実恐がりな名々子は、夜の見回り当番をする事になり、件の池で溺れている男と出会うのだが……。

という感じ。
その男は、このお屋敷の跡取り息子の統一朗で、彼はある事件がきっかけになって、精神を病み、隔離されていた。という事が分かります。
そして、名々子は隔離されている池の側の小屋に足繁く通い、統一朗と交流を深めていくのだけれども、彼は精神を病んでいるので……。


っと、この辺りにしておきましょう。
一本気なヒロインが読んでいて心地良いのですが、反面、少し激情家だよな、と思う所も無きにしもあらずw キャラクターで云えば、意外と脇役のゴン蔵さんがいい味出してましたね。統一朗と離れで一緒に暮らしている庭師のおじさん(おじいさん?)です。

使用人としての姿や、優しかった統一朗をかばおうとする保護者的な姿、そして、名々子の気持ちにいち早く気づいたりするところ、結構美味しい立ち位置だったと思います。名前がちょっとダサい感じなのも却ってマッチしていたんじゃないかしら。
名前が「宗一」とかだったら、寧ろ庭師と名々子のフラグが立っちゃいますからw


んー、まぁ、男はねぇ……一般的に女性よりも引きずるんですよ、色々。
だから、ああなっちゃうのも宜なる哉……。
中盤~後半、それに耐えきれずに、ちょっと感情的になってしまう名々子に対して思う所はあるけれども、あの感情の爆発、みたいのが無ければあのラストには結びつかないわけで、全体としての纏まりは良かったので、気になりつつも、その勢いがあってこそ、という部分かもしれません。

意外と、ノベルゲーム/サウンドノベルって、ラスト付近の爆発力って影響が大きい気がしますよ。
少々の粗を吹き飛ばしてしまうくらいの勢いや、破壊力があると、やっぱり読後も良い印象、というか興奮が冷めない状態になるので、私個人の感覚としては、やっぱりラストで一つ見せ場が欲しいな、という所はありますねー。


メイド属性……というのに惹かれてプレイしたわけですが、作者さんのサイトを拝見するに、本作も女性向け、という事になるみたい。
そういえば、ラストは、その後を読者に委ねるような、そういう終わり方で作品の雰囲気に合っていたと思います。

一応、女性向けという事になっていますが、男でも問題なく楽しめるので、興味を持った方(特にメイド好きの方)はプレイしてみては如何でしょうか?



というわけで、今回はこの辺りで。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-07-23 15:44 | サウンドノベル | Comments(0)
2011年 07月 20日

フリーサウンドノベルレビュー 『なかない負け犬』

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今日の副題 「乙女、王族、メイドさん!」

ジャンル:乙女向き寄り短編ノベル作品
プレイ時間:コンプリートまで40分程度。
その他:選択肢有り。再度プレイすると選択肢が増えたりするので注意。
システム:NScripter

制作年:2011/6/23
容量(圧縮時):16.3MB



道玄斎です、こんばんは。
今回は、ちょっと目先を変えて、若干女性向け――所謂乙女向き――の作品をプレイしてみました。
ただ、飽くまで「微」乙女向きであって、男性であっても普通に楽しむ事が出来る作品だったと思いますよ。
というわけで、今回は「晴れ時々グラタン」さんの『なかない負け犬』です。
良かった点

・サックリプレイ出来、且つ一枚絵が豊富でゴージャスな作り。

・メイド要素など、個人的に好みなものが多い……。


気になった点

・本ルート、にもしかしたら気づかない人がいるかもしれない。

ストーリーはベクターの紹介文から引用してきましょう。
――父は王。母は乞食。
その間にできた子は、王族か。それとも負け犬だろうか。

例え、後者だったとしても――私はなかない。

乙女の王城復讐ADV(短編)。

※一部、暴力表現やインモラルな表現を含みます。苦手な方はご注意下さい。

こんな感じです。

※で注意書きが付くほど、暴力的でインモラルか、と云えばそんなでもありません。
こうした注意書きが無く、本作よりも遙かに暴力的な作品、一杯ありますしw

というわけで、昨年の夏でしょうか、『夏の雫』という作品を取り上げさせて頂きましたが、同じ作者さんの作品です。

一読して気づくのは、ビジュアルが綺麗、という点。
「ビジュアルにダマされちゃいかん!」といつも云っているんですけれども、勿論、中身やテーマの部分でも面白いものを持っていたので、取り上げる事に致しました。

主人公、という位置づけでいいのかな? リズのビジュアルが良かったですねぇ。
ちょっと冷めたクール系で、「これだよ、これ!」と思わず叫びたくなるくらい、直球のストライクでしたw

ストーリーを補足する形で、作品の内容に踏み込んでいきましょう。
王と乞食の女との間に生まれた主人公は、ある事件をきっかけに城から姿を消し、素性を隠しその日暮らしの生活を送っていたが、ある日、王城から「メイドとして雇いたい」との打診をされ、図らずも自身が育った城に戻る事になるのだった……。

って感じでしょうかね。
ここまで書けば、ストーリー紹介もわざわざ引用しなくても、そのまんま載せればいいじゃないか……という気はしますが、そこはあまり考えるのはやめましょうw

折に触れて、主人公リズの過去の記憶と現在が折り混ざって、状況が説明されるわけですが、その辺りに、インモラルな描写がある、って感じでしょうか。
性虐待とか近親相姦とか、ちょっぴりドロドロっとした部分が垣間見えます。

そして、愛すべき妹ヒルデガードの「今の姿」を目の当たりにし、そして、自身の父である所の王に憎しみを募らせていくリズだったが……。
と、ストーリーのテンポは上々です。結構な数のエンド(七つ)がありますが、既読スキップもちゃんと効きますから、コンプリートも比較的容易だと思います。

随所随所に出てくる一枚絵が豪華でいいですよね。
短編……って云って良いような作品ですが、一枚絵の数は長編作品と並べても遜色ない程多く、作品の一つのウリになってたんじゃないかな、っと。
一番好きな一枚絵は……黄色い薔薇の最後の一枚絵(コンプリートすれば意味が分かるハズ!)ですね。リズの何とも云えない表情が最高ですね……。


さて、「微」乙女向き、と云っておきながら、まだ乙女的な要素について触れていないのですが、実は、そっち(本編?)に入る為には、再度プレイし直す、という作業が必要になります。

最初の段階で見ることが出来るエンドは限られていて、あまりストーリーの核心に迫らないものだったり、バッドエンド風味だったりするわけですが、その段階で、最初からプレイし直すと、ある箇所で選択肢が増えます。そこでやっと「乙女向き」の要素も出てきます。

選択肢捌きも比較的容易なのも、好印象でした。
あまりに難しいと、プレイする気力も萎えちゃいますからね……。
多分……これも順番で、彼と彼のエンドを見た後じゃないと、彼のエンドに行くことが出来ないんじゃないかな? と思います。ちょっとややこしく、またボカして書いてますけれども。

最初の二つくらいのエンドを見た時点で、プレイを止めないように。
是非、また最初からやり直して、作品の全貌を見てみて下さいませ。
やはり、コンプリートする事で、引っかかっていた部分が解明されたり、といった事があるので、そういう意味でも各ルート共に良く練られていたのではないかと。

反面、もう少し、何かしらのインパクトがあっても良かったかな……と思わないでもないので、今回は無印で。


私も、時々、こうした女性向け(本作は“微”ですけれども)の作品をプレイする事があります。
で、女性向けという事は、恐らく作者さんが女性なのでしょう。傾向……ってほどじゃないんですが、女性向けの作品には男性作者の作品には無い「凄み」がたまにあったりして面白いですよね。

本作だと、ラスト間際のリズの台詞だったり心中思惟だったりが、やっぱり「凄み」を感じさせるものになっていました。タイトルからして、結構強烈ですしね。
たまに、女性向けの作品をやってみる、というのもいいものですねぇ。


というわけで、今日はこの辺りで。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-07-20 18:43 | Comments(0)
2011年 07月 17日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『少女の刃先のゆくえ』

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道玄斎です、こんにちは。
今日もやたら暑いですね……。噂によれば、冷房を切るよりもテレビを切った方が節電になるとかならないとか……。まぁ、私達はちょっと恐いノベルゲームで涼を取るという最終手段がありますので。。
というわけで、今回は「第三ノベル工房」さんの『少女の刃先のゆくえ』です。



先日、『仮面のセカイ』という作品をプレイしましたが、同じ作者さんの作品ですね。
私がプレイして25分くらいでしたので、番外編かな、という事でそのように。

ノベルゲームにはベクトル、というものがあります。
まぁ、もうちょっと簡略に云えば「方向性」というか。うんと単純にするならば「恋愛系」か「ホラー系」か、はたまた「ミステリー」か、と云ったような方向性ですね。
で、そうした方向性が、そのジャンル特有の「文法」と云ったようなものを生みだし、「お約束」みたいなものが出来上がっていく……と私なんかはそういう理解をしています。

例えば、「恋愛」というジャンルだったら、「ちょっとワケアリの女の子」と「やさぐれている男の子」が出会い、時に傷つき合いながらも、お互い成長していく中で、それぞれの問題を解決し、恋人同士になる……みたいなね。

或る意味、凄くおなじみな感じだと思いますが、その「お馴染み感」が出来上がるまでに、多くの作品が生み出され、好まれたものが他を淘汰して、生き延びた……と解釈すれば、意外と悪いもんじゃないと思います。
まぁ、サウンドノベル/ノベルゲームを文学と一緒にする事の是非はさておいて、大体、文学なんかも大きな視点で見ると、似たような感じですよね。

今から凡そ1000年くらい前に、『源氏物語』なる物語(かその一部)が登場して、一気に物語ブームが起こります。並んで賞される作品……と云えば『狭衣物語』というのがあるんですが、個人的にラストに不満がありますw
平安時代以降も、こうした物語のブームは密かに続いて、割とコンパクト志向になっていくんですよね。長編志向の作品の「美味しい一場面」を抜き出して「一篇の作品」として作り替えてしまう技術が確立されるんですが、半ば公然と「パクリ」までやってしまうんです。

けど、まんまパクるんじゃなくて、微弱な差異、或いは決定的な差異があったりして、そんな所に注目してみると、結構面白いもんです。
同時代の作品をパクりつつ、過去の著名な作品の、しかも有名な場面とを合成させる、なんて事までやるんですから、手が込んでいると云わざるを得ません。

けど、こうした物語ブームも室町時代くらいになると段々下火になって、御伽草子と呼ばれるような、非常にコンパクトな「読み物」みたいになっていくんですな。
ノベルゲームに於いても、段々、近年(フリーのそれでは)コンパクト志向が増えてきているので……今後は、御伽草子みたいになっちゃうのかしら? なんて思っています。

や、勿論それが悪いってわけじゃなくてね。
良くも悪くも、ブームのスピードは速い業界ですから、そうした「御伽草子化」が起きた後に、どうなるのか、個人的には凄く楽しみだったりします。
んー、やっぱり原点回帰、じゃないけれども、長編の色んな意味で大きな物語、に戻っていくのかな? という予感はあるんですけれどもね。


少しド派手に脱線しましたが、ノベルゲームにはベクトルがあって、けれども、「これはどういうジャンルに入れたらいいんだ……?」と少々迷ってしまうような、ベクトルの一大転換、が行われる事も屡々あります。
今まで嫌われていたものが、ある瞬間を境にして、好まれるものへと変貌していってしまう……という事です。顕著な例は「ツンデレ」や「ヤンデレ」でしょう。

普通に考えれば、ツンツンしている女の子なんて厭に決まってますが、そこにプラスして過剰なまでに「デレ」を持ち込んだ事で、新境地を開いたわけです。
更には、「病んでる」なんてマイナスにしか取りようのない要素すら、プラスの価値観へ変貌させる、という離れ業には驚きを禁じ得ません。


本作も、ジャンル分けが非常に難しい……独特なベクトルを持った作品だったのではないかと思います。
いや、それは『仮面のセカイ』をプレイしていた時から薄々気づいていたのですけれどもw

一見すると縦書きのライトノベルみたいな文章、なんですが、そこに描き出される世界観は、ちょっと独特なものがありますw

主人公は、友人でキモメン(太ってる)の和田と夏祭りに行く事になっていたのですが、そのキモメンの和田は何とラブレターを貰っていたんですよねぇ……。
で、差出人は加奈、という子。お祭りの日にお会いしましょう、みたいな感じで和田はうきうきとして、主人公を巻き込んでお祭り会場に行くのだけれども……。

という感じでストーリーが進んでいきます。
で、気づけば、主人公がその加奈に馬乗りにされて、ナイフを突きつけられてるじゃありませんかw しかも、和田と和田姉が一緒に居る写真を見せてきて「浮気をしている……」とか何とかいい放ちます。

彼女の論理に随えば、彼女が和田を好きになった時点で相思相愛が決定しており、他の女と関わることは“浮気”となるんだそうな……。
ここにきて、「うわっ、ヤンデレか!」と吃驚しましたw なんか予想していない角度から予想外のダメージを負った、みたいなw

そして、加奈の中では「もう心中するしかない」と決定しており、主人公は(一応)友人の和田の為、一働きする事になるのだが……。


こうやって書いていても、結構各イベントが突発的に起こっているような気がするんですが、プレイしていると、そこまで唐突感が無いのが凄い。
合間合間に出てくる、クリッカブル用語解説も、なんか作品に不思議な味わいを付与していますしw

そういえば、割と横長の画面なんですが、目一杯テキストが表示されるわけでもないので、通常のサイズでもいいんじゃないかなぁ……なんてチラッと思いましたが、どうでしょうね?


終わり方も、中々面白いものでしたよ。
尺が短いですから、超感動する! とかではないのですが、少しだけヒヤリとするようなエンドで、こういうの好きな人、多いと思います。あと、ラストでちょっと笑える演出が入りますw ああいう音声素材、いいかもしれませんねw

にしても、女って恐いねぇ……。
だから、女は信用ならねぇんだ……。多分、私は作者さんが意図していなかったであろう所で、勝手に怖がっているわけですがw


短編のホラーというかヤンデレというか、何とも評しがたい不思議な魅力を持った作品です。
テレビの電力が大きいならパソコンでホラーをすればいいじゃない、というわけで、是非、気になった方は遊んでみて下さい。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-07-17 16:27 | サウンドノベル | Comments(0)
2011年 07月 16日

なんてことない日々之雑記vol.342

道玄斎です、こんにちは。
無事、再入院は避けられたのですが、別件でケガをしましてw 右手の甲を八針も縫う事になりました。結構血がドパドパ出て吃驚したわけですが、何とか無事に生きていますw



■アナログノートの活用

こうやって、ブログで日々の記録を綴ったりしているわけですが、もう一方でアナログなノートも併用していたりします。それは日記と予定帳とメモ帳とネタ帳を兼ねているような、「何でもあり」なノートなんですが、割と気に入っています。

ページ数も多くてしっかりとした硬いカバーで覆われており、書き心地も上々……と書けば良いことづくめな気がしますが、実はさにあらず。
同じような不満をぶちまけている人はいないものか? と思って検索してみても、アマゾンのレビューくらいでしか見つからないので、自ら以て、その不満を書いてやろう、というのが今日の趣旨。

使用しているノートは「MOLESKINE」(モレスキン)と呼ばれているもの、なんですが、商品によって「当たり」「ハズレ」が滅茶苦茶大きいです。
デザインはイタリア、生産は中国……という事らしいので、まぁ、仕方ないっちゃ仕方ない部分もあるんでしょうけれども、それにしても悪い品質のものに当たった時の絶望感ったら半端じゃありません。

ちなみに、愛用品は「ポケットスクエアードノートブッククラシック」というヤツ。
5mmの方眼紙仕立てになっており、私のような悪筆でもそれなりに見栄えがするように記入出来ます。いや、方眼紙って好きなんですよねぇ……。
無地のもの、普通のノートのように罫線の入っているもの、ラインナップは色々あるのですが、結局いつも方眼紙仕立てのものにしてしまいます。

この「MOLESKINE」、最大の特徴は、ノートをバインドする為の「ゴムバンド」が付いている、という所です。
ノートの中にメモを挟んだり、或いは貼り付けたりしても、ノートを閉じる時にゴムバンドを掛けてやれば、何も無くさず、ちゃんとノートとしての体を保つ……というのが触れ込みなのですが、私のMOLESKINEに対する不満は、このボムバンドの品質、に拠るものなのです。

確かに、カチッと堅く作られて、黒いオイルドクロスで覆われたノートの佇まいは素敵ですし、何かを書き留めたくもなる。加えて、万年筆で書いても裏移りせず、しっかりと文字が書けます。

っと、こんな説明は、愛用者のサイトに行けば、異口同音で書いてありますし、実際、そこは認めざるを得ない。けど、ゴムバンドの脆さについては、敢えて見て見ぬフリをしているのか、言及している所が限りなく少ないのです。

ノベルゲームとの関わりで云えば、私はプレイしてレビューした作品をこのブログだけじゃなく、MOLESKINEに記録しているんですね。当時はまだ勝手が分からず、普通の罫線のノートにしてしまったのですが(二冊目は絶対に方眼紙仕立てにする)、このノート、結構流行ってるらしくて、近所の書店なんかにも置いてあり「伝説的ノート」なんて誇らしげに書いてあります。

どうも、このノートの前身に当たるノートを、ゴッホ、ピカソ、ヘミングウェイなんかが使っていたらしいのです。そして、彼らの末席に「チャトウィン」なる人名が……。
これも愛好者のサイトに行くと「チャトウィンが……」なんて書いてあるんですが、私は學が無いせいか「チャトウィン」なる人物をこのノートを購入して初めて知りましたw 紀行文作家らしいのですが、なんとなーく、他の人たちに比べてネームバリューが劣る気がしませんか?w
それに、絶対に知らなかったクセに「チャトウィンが……」とか云ってる人も少なからず居ると思うんだw


いや、まぁ、チャトウィンに個人的な恨みはないから、それはさておいて。
問題はこのノートの一大特徴の一つである「ゴムバンド」だってのは、先にお話した通り。けれども、何故そこが問題になるのか、といいうと、「ホールド能力がゼロ」のゴムバンドが平気の平左で売られているんです。

ノート及び、その中身をホールドする、という目的があるのにも関わらず、このゴムバンドの品質は一定せず、ハズレを引いてしまうと、無用の長物以下の存在になってしまいます。

ノベルゲーム記録用のノートは、割と頻繁に中身を記入したりしますし、メモを挟み込むような事もしていないので、ゴムバンドを「掛けない」状態で放置していたのです。
で、先日「なんかこのゴムバンド、一回くらい掛けてみようかな?」と不意に思い立って、やってみると、んもう、ベロベロ。ノートそのものもホールドしないし、バンドとノートの間にスキマがスッカスカ空いてて、とてもじゃないけれども、ゴムバンドを掛けておく、というまともな使用に耐えられないのは明らかなんです。

勿論、念のために云っておきますが、ゴムのバンドですから、ちゃんと毎回掛けていれば、ゴムが伸びてくる、という可能性はあります。
が、このノートはゴムバンドを「掛けない」状態で使用していたものです。そして、「当たり」のノートは毎日ゴムバンドを掛けて外してをやっても、殆どその劣化は感じられません。

愛好者の為のサイト、或いは書籍まで売られているのですが、何故か、このMOLESKINEの負の部分、誰も触れないんですよねぇ……。

事前に「当たり」か「ハズレ」かを調べる方法も、心許ないながらも存在しています。
それは、「ビニールの上からゴムを触って感触でチェックする」という方法。
けど、結構難しいのよ。というのも、このノート、薄いビニールでピチッと包まれている為、ゴムバンドの感触を自分の指先で確かめる事が困難なんです。

何度となく書店で、その方法を試して「当たり」を引こうとしたのですが、失敗が多いです。
ただ、何冊も手にとって、その中で最も「ゴムの感触がしっかりとして太い」ものを選ぶと、当たりを引く目が出てきます。

なんで、たかがノート一冊にそこまでムキになるのか? というと、これ結構高いんですよ。
一冊1800円くらい。普通の手帳サイズでページ数は多いし、ポケットが付いていたりするけれども、かなり高めの値段設定でしょ?
それだけ払って、ハズレを引いたんじゃ、目も当てられないのであれこれ試行錯誤しているのです。

当たりはゴムバンドそのものが「ふっくら」しているんですよねぇ。
まさに「ゴムバンド」という感じなんですが、ハズレは「ペラペラ」なんです。


少なくとも、私はハズレを過去に何度か引いているんですが、こうしたハズレ品に関しての言及は「見て見ぬフリ」をされているのが現状なようです。
愛好家だったら、こういう品質のばらつきや低下について、一言あっても良さそうなのにね。

今の所、アマゾンで輸入品を買う、というのが私の定番スタイルになっています。
何故かこれだと値段は半分くらいに、しかも「当たり」が送られてくる可能性が非常に高い。わざわざ書店や東急ハンズの文具コーナーに行って1800円を出してハズレを引くよりも、全然いいでしょ?

それでも……アマゾンのレビューなんかを見ると「品質劣化」を嘆く声があるんだけれども、あんまり実際に商品に反映されてないんだよなぁ……。


あれこれ、辛口な事を書きましたが、当たりを引けば、結構いいノートだと思います。
独特な「使ってみたい」感じもありますしね。
取り敢えずは、アマゾンで英語表記のものを、購入してみて下さい。値段も国内書店の半分くらいですしw



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-07-16 14:45 | 日々之雑記 | Comments(4)
2011年 07月 14日

フリーサウンドノベルレビュー 『仮面のセカイ』

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今日の副題 「私はヱビスの方が好きだなぁ」

ジャンル:人間の内側を描くノベル作品(?)
プレイ時間:凡そ50分ほど
その他:選択肢なし、一本道。一ルート読了すると、サイドストーリーが読める。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2011/6/25
容量(圧縮時):37.7MB



道玄斎です、こんばんは。
何か健康的な生活を余儀なくされたせいか、今凄く調子がいいです。このままガス欠にならない事を祈りつつ、のんびりまったりとノベルゲームをプレイしていきましょう。
というわけで、今回は「第三ノベル工房」さんの『仮面のセカイ』です。
良かった点

・立ち絵も一枚絵も無いが、設定の面白さでグイグイ読んでいける。

・肝心の内容も時に笑いあり、シリアスありで緩急が効いている。


気になった点

・篠田君のその後が気になって仕方がない……w

ストーリー、はふりーむからストーリーの所を抜粋し、引用しておきましょう。
『みんな、被ってます』

 高校二年生の篠田純一はある日突然、周囲の人々全員が仮面を被っているおかしな世界へ迷い込む。彼らの被る仮面はそれぞれ当人の心の偽り方を象徴しているようだった。
 仮面が見える上に、自由にはぎ取れる能力を得た篠田は、自身の好奇心を満足させるためだけに、人々を混乱のなかへと陥れていく。
 そんな、仮面のセカイのなかで篠田が見つけたものは――。

こんなストーリーです。


ある日、朝起きてみると、自分以外の人間が皆、「仮面」を付けているように見えてしまった主人公こと篠田君。試しに母親の仮面を剥がしてみると、普段抑圧されていた本性が吹き出て……。

という感じでストーリーが進んでいきます。
中々面白そうでしょ? 私は、ちょっと『僕の好きな君の顔』を思い出しましたね。こちらはある日、起きてみたら人間の顔が「数字」としてしか認識出来なくなった……というタイプ。
一見すると、ちょっと似ていますが、大きな差異がそこには横たわっています。
それは、主人公、篠田は他人の仮面を剥がし、本性を顕わにする事が可能、だという点です。

人間、誰しも何かしらの仮面を被って生活しています。仮面というのは、役割と言い換えてもいいかな? という気はしますねぇ。
多かれ少なかれ、場面場面に於いて、自分の仮面を付け替えたりしながら私達は生きています。

日常生活を送る私と、ブログを綴る私とでは絶対に「見え方」は違うと思いますしね。
ただ、脱線気味になってきましたが、割と人間の本性が見えるのは「文章を書かせた時」なんじゃないかと、私は思ってます。

「文は人なり」なんて言葉がありますけれども、何かのテーマやお題を与えてやって、それについて何かを書かせた時に、その人の為人が見えてくるような……。いや、別にこういうフリースタイルの文章でもいいんですけれどもw
上手い/下手ではなくて、言葉の選び方だったり、文章の癖だったりに、やっぱり人間性(っていうとちょっと大袈裟かも)の一端は出てきます。


っと、話を作品に戻して……。

本作、前半はコメディ、後半はシリアス、という触れ込みでしたが、実際プレイしてみると、そんな印象では無かったですね。
主人公だけに認識出来、且つ剥がす(=本性をさらけ出させる)事が出来る、っていう設定は十分シリアスだと思いますし、立ち絵や一枚絵が無くても作品世界にプレイヤーを引き込んでくれます。

それとスクリーンショットを見て頂くと分かりやすいのですが、本文中ブルーで表示される単語乃至言葉は、クリッカブルで作者さんによる解説を見ることが出来ます。
割と普通の解説だったり、時にギャグっぽかったり、「ヱビスビールじゃなくてアサヒの方が好み」なんて、或る意味どうでもいい情報が掲載されていたり、ねw

なので、シリアスでありながらも、コメディタッチな部分も上手に織り交ぜて作ってある、という感じなんですよね。ストーリーの大枠で見れば、凄くシリアスなのに、主人公が考えるアイデアが妙にバカだったりw

立ち絵や一枚絵が無くても……という文言は、最近の(でもないかな?)潮流に対する、一種のアンチテーゼです。
最近じゃ、立ち絵・一枚絵完備くらいじゃ驚かず、フルボイスの作品も多いし、下手すると豪華なムービーまで付いてきたりして、やっぱりヴィジュアル面がドンドンtoo muchになってるわけで。
でも、ヴィジュアル面だけに着目して、プレイする作品を選んでしまうと、本作のような面白い作品を見逃す事になるので勿体ないですよ! と云いたいのですw


さて、メインルートが、主人公篠田の「その後の悲惨な運命」を予感させるものになっていたにも関わらず、実はそれは作中で描かれる事は無かった、というのが、一番気になった点ですね。

ちなみに、メインルートを読了すると、最初は「?????」になっていた場所からサイドストーリーを読むことが可能になります。
基本、メインルートでサラリと流れた部分の内実、を描くのですが、このサイドストーリー集もバラエティに富んでいて良かったです。

桐山さん視点のそれは、ちょっと綺麗になりすぎていて、その点後書きでも触れられていましたね。
や、決して悪いシナリオじゃないんです。寧ろ、篠田の半ば自暴自棄の「他人の本性を暴いてやる!」という行動が裏目に出て、仮面が取れたことで、素の自分で向き合えるようになった男の子と女の子のお話……という感じでしょうか。
けれども、恋心を隠して相談相手になる、という「仮面」を桐山さんはやっぱり持っているんですよね。

次は、文学・クラシック音楽マニアという仮面を持つ男の子とオタクとしてならしている男の子のバトルの顛末……なんですが、これは何か凄く共感出来ますねぇ。
凄くいがみ合って二人がいて、本当に下らない事、バカらしい事でつい顔を見合わせて笑ってしまう。それがきっかけになって話すようになって……なんて経験、誰しもあるんじゃないかしら?
これも、本性を一度出してしまったが故、の結末なわけで、『スラムダンク』の名言を引用する辺りは笑ってしまいましたw

そして……最後の一個は……是非、ご自身で確かめてみて下さい。
コンプリートすると……おまけの……。


これも、凄く悩んだのですが、やっぱりメインルートでのラスト、篠田君のその後が微妙に暗示されつつも語られない、という所で無印にしました。肝心のメインルートがバッドエンド風味だしなぁw いや、バッドエンド風味なのは大好物なんですが、「どうなるんだよ、篠田……」と思っていただけに少し残念だった、という事ですw
けど、ツカミも上々ですし、普通に面白い作品、だと思います。

演出を参考にした作品までエンドロールで流したり、物凄い律儀な作者さんで、そんな所も妙に好感が持てました。
この作者さんは既に本作を含め、三作品をリリースしていますので、他の作品も折を見てやってみようかな、と思います。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-07-14 19:16 | サウンドノベル | Comments(0)
2011年 07月 13日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『語り部さんとおとぎ話』

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道玄斎です、こんにちは。
なんか、ヒマだったので、間を空けずに気になった作品をプレイしてみました。『自殺請負人』が割と長尺だったので、今回はさっくりプレイ出来て、尚かつ自分の好みに合いそうなもの、選んでみたわけです。
というわけで、今回は「mint wings」さんの『語り部さんとおとぎ話』です。



尺的には30分程度……なので、通常レビューと番外編レビューの境界線上にあるわけですが、著名なおとぎ話をモチーフにしているので、番外編にしておく方が書きやすいかな? と思ってそのようにしております。
そういう作品に対して、「気になった点」とか書くのもどうかと思うしね。

で、どうも私は、こうした「昔話」とか「おとぎ話」の類が好きみたいで、過去に幾度となく、それらをモチーフにした作品を取り上げています。
本作も、そうした系統の中に入るわけですが、決定的に違う点があります。

そう、それは「語り部さん」の存在です。
「物語」は「モノ」を「語る」わけですから、そこには語り手である「誰か」が居て、尚かつ、それを聞く「誰か」が居る事になるわけです。
本作の場合、語られる「モノ」は或る意味でおなじみのおとぎ話。そして語り手は「語り部さん」、そして「聞き手」は私達プレイヤーという事になりましょうか。

こうした、語り手、語られる内容、聞く人間が作り出す関係を、ビジュアルで上手く表現していたのも、好印象でしたね。
おとぎ話が始まると、ビジュアル的に語り部さんは暗くなって、少し影を潜めます。その代わり、おとぎ話の登場人物達は切り絵風のイラストで示され、ググッと迫ってくるように。

面白いのは、合間合間に、語り部さんが突っ込みを入れてくる、というところですね。物語を媒介にせず、直接聞き手である私達に語りかけてくれる、というか。
当然、その場合、暗く表示されていた語り部さんは、パキッと綺麗に表示されるように。また、これはどうでもいい話なんだけれども、語り部さんが可愛いんだw

所々、選択肢があるのですが、どの選択肢を選んでも、語られる内容に変化はありません。
ただ、一箇所アレを選ぶと……。


ちなみに、語られるお話は、「シンデレラ」「人魚姫」「赤ずきんちゃん」の三編です。それに序章・終章がついている、という体裁です。
「人魚姫」にはちょい同性愛的……というかBLっぽい描写があるので、苦手な方は気をつけてw
私は……例の生放送で、BLテイストの作品の実況プレイまでやってますから、全然抵抗ありませんw 別に趣味としてそういうのが好き、って人が居てもいいと思うしね。あんまりハードなアレだとちょっとリアクションに困るけどw

個人的に一番面白かったのは、やっぱり「赤ずきんちゃん」でしょうね。
「これ、どこの『LO』?」って思いましたもんw 語り終えた後、ちょっとブラックが入る語り部さんも、なんか素敵でしたしw


大体……大凡の傾向、なんですが、こうした昔話、おとぎ話をリメイクするような形で作られる作品は、ダーク志向になりがちです。
もう、かなり前ですけれども(10年以上前なのは間違いない)、『ほんとうは恐いおとぎ話』みたいな本がベストセラーになった事もありましたよね。有名な『グリム童話』なんかも、私達に馴染みのあるお話は本当に一部で、九割以上、不条理エンドだったり、なんとも云えない後味の悪い話だったり、或いは恐い話だったりするわけで……。

本作も、語り部さんは肯定してくれないとは思いますけれども、やっぱり、ダーク志向かな? という気はします。勿論、ダークだから悪いとか良いとかそういう事ではありません。

『シンデレラ』なんてのは、あれ、確か本当のヤツは、自分で切り落としちゃうんじゃなかったっけ?
ともあれ、大筋のストーリーは変えない中で、色々手を加えてリメイクしている印象でした。『シンデレラ』はそれほどでもないけれども、『人魚姫』なんかはかなり凝ってますよねぇ。ストーリーの内容と語り部さんの補足とかバッチリかみ合っていますし。

『赤ずきんちゃん』も又、ストーリーの大筋……で云ったら、そこまで手を加えていないのだけれども、キャラの立ち位置とかを上手く変更していて、凄く美味しく頂けました。
昔、福永武彦の『今昔物語』のリメイクを読んだ時のような感動が……。

また、どうでもいい話ですが、福永武彦の『草の花』という小説(文学作品です!)はBL要素があるんだよねー。って以前、どこかに書いた気もしますね……。


昔話やおとぎ話が好きな人なら迷わずプレイしてみて下さい。
絶妙なリメイク具合に思わず唸ってしまう事、請け合いです。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-07-13 15:58 | サウンドノベル | Comments(0)
2011年 07月 13日

フリーサウンドノベルレビュー 『自殺請負人』

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今日の副題 「裏返しのタイトルワーク」

ジャンル:死生観サウンドノベル
プレイ時間:~3時間程度
その他:選択肢なし、一本道
システム:Live Maker

制作年:2011/7/7
容量(圧縮時):58.0MB



道玄斎です、こんにちは。
明日、朝一番に診察があって、それで再度入院するかどうか(考えたくない……)決定する為、今日はのんびり過ごしています。
にしても、帰宅した途端に寝付きが異常なまでに悪くなったのは、何か住環境が悪いんじゃないか、とか色々考えてしまいますね……。
で、久しぶりに読みでのあるノベルゲームをプレイしてみたい、と思い検索してみたら、心惹かれる作品を見つけました。
というわけで、今回は「INFERIOR」さんの『自殺請負人』です。
良かった点

・「死」を焦点化していく作品は数多くあれど、その裏返しの「生」の部分もしっかり見せてくれ、納得感があった。

・文章表示などで、読みやすい工夫が。


気になった点

・もう少し、救い……というか幸せ成分があるエンドでも良かったと思わないでもない。

・少し表記が分からないもの、漢字を開いた方が良いものが無きにしもあらず。

ストーリーはふりーむの方から引用しておきましょう。
『人の幸せって、誰が決めるのかな』

不幸を知らなければ、自分が幸せなのかも分からない……

『死ぬときに笑っていられたら、それが幸せなんじゃないかって、そう思う』

笑顔さえも忘れた人、生きる希望さえも無くした人。

ただ、そんな人達を笑顔にしてあげたい。楽しかった思い出を作りたい。

生きている間の思い出が、悲しいものばかりにならないように……。

だけど、別れを約束された俺に、それが出来るだろうか。

こんな感じ。



いや、ここ数ヶ月、かなりスローペースでノベルゲームをプレイしているのですけれども、どうにも不満に思っていた事があって。
というのは「死」という或る意味、一大イベントに焦点を当てていく作品は割と数は多いんですが、本作のジャンルのように「死生観」なんて「死」は「生」と対にして語られるものですよね。

しかしながら、「生きている」という当たり前だけれども、半分奇跡みたいな「生」を描く作品は驚くほど少ないんです。

「死」に関する作品が増えた背景に、やはり『ナルキッソス』の影響を見ないわけにはいかないでしょう。
『ナルキッソス』も「死」というものが、物凄くフィーチャーされていくわけですが、一方で、「死ななかった人」を描く側面もあります。
死んでしまった人と、残された人、みたいなね。

だけれども、その『ナルキッソス』のインパクトの強い「死」の部分……が一人歩きして、色んな制作者に影響を与えてしまったような、そんな印象を一ノベルゲーマーとして思ったりするんですが、如何でしょう?

その極端な形は、たまに使う私用語で云えば「ヒロイン殺し」ですよね。
作品を紡ぐ因果関係の結果、ヒロイン乃至主人公が死亡する、のではなく、「ヒロインが死ぬ」というのが前提にある作品、というと一番誤解を招かないかもしれないですね。

もうちょっと俗っぽい云い方をすると、「感動させる為にヒロインを殺す」って感じでしょうか。
確かに、それが新しかった時期もあるし、感動出来た事も正直あるんだけれども、そろそろお腹いっぱい、という感じなんですよねぇ。

そこで、「死」だけじゃない「生」について踏み込んでくれるような、そんな作品を求めていたのですが、本作はそういう意味で、満足感、そして納得感が強いものになっていました。


主人公洋介は、昼は高校生、夜になると「自殺請負人」として、自殺幇助……というか、死を望む人を殺す事で生活しています。
又、同居している優子は、洋介のお姉さん役(?)であり、洋介の仕事をサポートする情報屋としての側面も持っています。

この辺り、ちょっとリアリティが無いというか、「いかにも」な感じはするんですが、本作に於いて、そうした部分は気になった点、として取り上げませんでした。
というのも、私が感じる作品の焦点はそこに無かったから、です。

さて、ここいらで、自殺請負人についての説明に移行しましょう。
自殺志願者は、自殺請負人に「殺して欲しい」旨、メールを送る。すると自殺請負人こと洋介がやって来て、一週間後まで、その人のやりたいこと、やり残したこと望むものを一緒に手伝ってくれます。
そして、一週間後、依頼人の気が変わらなければ、銃で殺してくれる……。

こんな因果な商売です。
こういう設定、あの名作『シティーハンター』とちょっと似ている気がしませんか? 表沙汰に出来ない以来をする為に新宿東口の掲示板に「xyz」と連絡先を書くと、シティーハンターと呼ばれるスイーパーから連絡が入り、事件を解決してくれる……。

些か脱線しますが、こうした「依頼モノ」みたいのにも、伝統があるような気がしますよ。
今挙げた『シティーハンター』もそうだし、私が大好きだった『地獄少女』というアニメもそうだし、本作も又然り。


話を戻して……。
本作は、とある少女からの依頼を受け、その依頼を遂行するまでを描く作品……というのが端的な纏めでしょうか? 
ただ、プレイしていて思ったのは、やっぱり自殺請負人として、人を殺す主人公が高校生なのは、どうかなぁ? っと。というのは、やっぱりまだ高校生だと、人格的に完成していないわけで、クライアントの依頼に応える事が困難なケースも出てきますし、プレイすれば分かるんですが、結構感情の起伏が激しいんですよね。

『シティーハンター』が名作たりえているのは、主人公たる冴羽獠が酸いも甘いも噛み分けた大人の男、だからなんですよね。
そういう部分で、情緒が安定していない高校生が自殺請負人をやっている、というのはもしかしたら引っかかる人がいるかもしれませんね。

でも。
自殺請負人、なんてちょっと「悪者です!」と喧伝するような、タイトルが付いていると、ついつい、ピカレスクロマンみたいな作品かな? と思ってしまうわけですが、自殺請負人とは、本当は「自殺したい程苦しんでいる人を助けてあげる」商売だったのです。

こうした、自殺請負人の内実が分かった段階で、「これはいいぞ」と私は思いましたよw
勿論、ここで云う「助ける」は一発ぶち込んで楽にしてやる、って事じゃなくて、「死なないで済む」よう、依頼者に寄り添って彼/彼女を受け止めてやる、という、とても優しい仕事なのです。

作品では、自殺への是非は語られません。
けれども、死ぬ、という事と同じくらいに、生きる、という事に取り組んで制作された作品、だという事は分かりますし、私は、本作のキモがそこにあるんじゃないかと、思っています。


気になった点は、やはり、もう少しハッピー風味があっても良かったかな? という所ですかね……。
いや、決して本作はバッドエンドじゃないと思うんですけれども、ちょっとプレイしていて辛い所があったのは確か。
根本的な所を云えば、洋介の母親がちょっとむごい仕打ちをしすぎているような気が……。そして、ラストのあのトリック、あれは不可能じゃないかとw 三日で音を上げてぶっ倒れた私が請け合いますw

もう一点は、良かった点と一緒に語りましょう。
本作、割と人物の発話が長かったりします。所謂「ビジュアルノベル」式の表示なんですが、スキマ無くずらっとテキストが表示されてしまうと、やっぱり読みにくいです。
しかし、適度にブランク行を作ったりしていて、読み手(プレイヤー)に配慮した作りになっています。細かい所ですが、こういう所、評価したいですね。

小説とサウンドノベル/ノベルゲームは似ている部分はあれど、異なる部分もあるわけで。
読みやすさ=プレイのし易さ、を考えると、多分……良い結果が生まれるハズ。

で、一方の気になった点は、「どっちが正しいのか?」が分からない表記があった辺りでしょうか?
気になった、というか、個人的に気になる、というレベルですよね。
例えば「早起きは三文の徳」ということわざが出てきます。問題は「徳」なのか「得」なのか、という部分。今、ATOKで打ち込んだら「早起きは三文の得」と自動補完してくれましたが、辞書によっては「徳」にしているものもあるそうな……。
こういう時こそ、『日本国語大辞典 第二版』ですねぇ。生憎持ってないのでアレですけれどもw

字の問題という事で云えば、漢字変換を多用するこのブログで云うなって話ですけれども、「漢字を開いた方がいい場合もある」んじゃないかと。
開く、というのは、ひらながにする、という事。
「ご飯を装う」という言葉が出ていたのですが、しゃもじでお釜から茶碗にご飯を移す動作、ですよね。この「よそう」は漢字表記にすれば「装う」でいいらしいのですが、こんなのは平仮名にしちゃって「ご飯をよそう」でいいんじゃないかな、っと。
なんだかんだでゲームなので、あまり難しい漢字を使わないでもいいかな? っと私なんかは思うのでした。



大体……こんなところかな?
「死ぬ」という事ばかりがフィーチャーされる昨今のノベルゲーム業界にあって、一石を投じてくれた作品で、満足感がありました。
結構悩んだのですが、取り敢えず無印、で。
けど、「ヒロイン殺しにはもう飽きたぜ!」って人には是非、プレイして貰いたい、そんな作品になっています。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-07-13 13:39 | サウンドノベル | Comments(2)