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2011年 11月 27日

なんてことない日々之雑記vol.356

道玄斎です、こんばんは。
今日は何だか何かを書かずにはいられないので、又いつものように好き勝手書いていきます。



■今日も綿毛を飛ばします

ノベルゲームを再読する際、私の場合、それは「季節」と密接な関わりがあります。
連休になるとプレイしたくなる作品、夏休みにプレイしたくなる作品、或いは春の息吹が感じられるようになるとプレイしたくなる作品……或る季節を象徴するような、そんな作品が自分の中にあって、今日も、年末感がある作品をプレイし直してしまいました。

その作品とは『雨ではなく、雪でなく』です。
15分程度の短い作品なのですが、中身はギュッと詰まったとても印象的な作品です。「語られないものを描く」というのかな? 作品中で明確に書かれる/描かれる事象だけでなく、その外までも読者に想像させてしまうタイプです。

15分のストーリーにも関わらず、そこには何年分もの登場人物の心情の蓄積があって、凄くズッシリとした手応えを残します。

これは、本当に好きで、名作だと公言して憚らないのですけれども、同時に凄く痛いんですよね。
胸の奥がチリチリするような痛みがあって、そこが作品の良さの一つでもあるのですが、今日、改めて読んでみたら、切なくて切なくて、胸が苦しくなってしまいました。

どうも私は、切なさを持った作品が好きなようで(ちょっとほの暗いエンドを持つ作品が好きなのと関係あるかな?)、そうした作品を何度もプレイしては、切なさに胸が締め付けられるわけです。
時に、何か自分の感情とシンクロしてしまうと、泣きそうになることもあるから、侮れません。

けれども、切ない系だけが好きかっていうとそうでもなくて……



■幽霊・妖怪・怪奇現象

一昨日辺り前から、何だか無性にホラー作品がプレイしたくて仕方ありません。

それも、サイコホラーとか、不条理系のホラーではなく、直球の「幽霊」「妖怪」「怪奇現象」を扱った作品をプレイしたいんですよね。
普段は、そういう直球ホラーよりも、一ひねり加えてあるサイコホラー、不条理ホラーなんかを好んでいるんですが、何か無性に直球に飢えちゃって。

で、あれこれあれこれ、探してみるのですけれども、ツクール製の「逃げる系」(分かる?)ばかり出てきて、ノベルゲームで直球のホラーは最近あまり出回っていないようです。
一応ね、ツクール製の「逃げる系」もプレイしてみたんですが、致命的な程センスがないのか、いつも人為らざるモノに追いつかれてしまい、惨殺されてしまいます。ですので、ストーリーが進まないまま、一方的に殺されてしまうので、全然面白くないんですよw

ちょっと教えて頂いたノベルゲーム作品もプレイしたのですが、まだ飢餓感がありますねw
「これは直球で面白いぜ!」ってな作品をご存じの方がいたら、是非教えて下さいまし。



■又しても不調

不調って、別にパソコンが不調なわけではありません。
例によって例の如く、体調が不調です。

うん、左後頭部の辺りがズンズン痛むんだよねぇ……。所謂頭痛、なんですが、結構しんどいな。
あと、尾籠な話で恐縮ですが……その……血便が出るんだよw

なんか血だら真っ赤になってるんですw
又、ぶっ倒れるのは厭だなぁ……と思う一方で、「寧ろ早めに何とかした方が良いのでは?」という過去から得た教訓も頭にチラつきます。

幸い、というべきか水曜日にちょっと医者に寄る用事があるので、相談してきましょうかね……。
今度は、急に入院が決まる、というようじゃ状態じゃなくて、もう少しまっとうな、医者の掛かり方をしたいですねぇw

と言うわけで、頭痛が酷くなってきたので、今日はこのへんで。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-11-27 23:56 | 日々之雑記 | Comments(0)
2011年 11月 24日

フリーサウンドノベルレビュー 『時の故郷』

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今日の副題 「感動は時を超えて、そのままに」

※吟醸
ジャンル:郷愁とファンタジックなアドベンチャー(?)
プレイ時間:最短ならフリー部分は小一時間、シェア部分は30分ほどでトゥルーエンドに。
その他:選択肢アリ。一日の内に、どこで何をするか、を選択する選択肢と、通常の選択肢の二種類。
システム:不明(自作?)

制作年:初版は2001(?)、今回のレビューでは完全版3.10(2011/11/18)を使用。
容量(圧縮時):92.8MB




道玄斎です、こんばんは。
久々に二日続けての更新ですね。そしてやっぱり久々な「昔懐かしあのゲーム」を選んできましたよ。
というわけで、「Pleiades Company」さんの『時の故郷』ですね。
良かった点

・かなり以前から存在する作品にも関わらず、その良さを今でも保ち続けている。

・攻略情報などを「おまけ」として提示してくれ、エンド一覧、既読一覧等も完備。

・旧き良き時代のゲームの難易度。やり込み好きには堪らないハズ。


気になった点

・コンプリートを目指すとなるとかなりシビアなものが。

・“時の道具”に関しては、もう少し説明が欲しかった。

ストーリーはサイトの方から引用しておきましょう。
幼い頃、毎年の夏休みに遊びにきていた田舎の家。
大学受験に失敗した主人公は、久々に思い出の地を訪れます。

しかしそこで彼は、美しく成長した幼馴染みの少女と再会します。
主人公の初恋の人で、同い年の少女「真田ゆり子」。
夏のまぶしい日差しの下で、昔と変わらぬ笑顔を浮かべながら-

思いもよらない幸運に喜ぶ彼ですが、次第に隠された真相が明らかになっていきます。

遠い過去の記録が物語る、壮大な真実とは?
再会したゆり子との恋は成就するのか?

すべては、あなたの行動しだいなのです

と、こんな感じです。


ノベルゲームの年表を作ったり、或いはランドマーク的な作品を挙げていくとすれば、本作もきっとそこには入るでしょう。年季の入ったノベルゲーマーならお馴染み、の作品ですね。

今回、たまたまベクターの「新着」を見ていたら、本作の名前がありました。
昔々、私が浴びるようにノベルゲームをプレイしていた……そんな時代から存在している作品が、アップデートされていたのです。
これは、元々の制作年代は2001年かなぁ? コピーライトの所に西暦を書くのは慣習になってますけれども、そこには2001の文字が見えます。なので、ざっと、10年くらい昔の作品、という事になりますね。や、まてよ……PC98への言及があるから、下手したらもっと前の作品かも。

ともあれ、凄い昔から存在していて、プレイされ、そして愛されてきた作品です。
もう、かなり攻略情報、或いはレビュー等が出回っていると思いますが、やはり私にとっても大切な作品なので、ここは一つ自分なりにレビューを書いておこう、と思います。


少し前……2000年前半くらいまでのノベルゲームは、「選択肢の多いホラー」が多かった気がします。
これは『かまいたちの夜』で確立されたサウンドノベル、を継承している形ですよね。
ホラーでなくとも、選択肢が多く、そして結構複雑な作品が多かったと記憶していますが、本作はその筆頭です。

こうした選択肢に対して、「めんどくせー」と感じるか、或いは「やってやんよ!」と前向きにチャレンジ出来るかどうか、そこが本作で試されています(後書き参照)。
ただ、これって結構難しい問題で、ただ単に無軌道に難しい、だとどうしようもありませんよね。しかし、本作は「おまけ」を見ることで、どこの選択肢がまずかったのか、を教えてくれる、という親切設計。
こうした装置は『1999ChristmasEve』、『柵の淵』などでも実装されていましたね。


何だかガワの説明ばかりしているので、そろそろ作品の中身に入っていきましょう。
主人公聡志が、初恋の人であり彼の郷愁そのものであるゆり子に田舎にて再会し、その田舎での四日間の生活を描く作品……と取り敢えずは云えそうな気がします。

これも、何度も書いている事ですが、四日、と明確なリミットが設定されていると、この手の作品には本当に有り難いです。
一日につき、早朝・朝・昼・夕方・夜をどうやって過ごすのか? という選択があり、且つ、聡志の行動の中にも選択肢が出てきます。つまり、選択肢が凄い多いんですよね。
今、自分が辿っている道は正しいのかどうか、分からないままにプレイしてい事になるわけですけれども、多分、一発でトゥルーエンドを見る事は出来ないでしょうねw
けれども、二日目までは良い感じだった! とかが分かると、四日から逆算して、半分くらいまではこの選択肢でOKだ、と分かります。

こういう時間制限がプレイする上で安心感をもたらしてくれる事が、たまにあるんですよね。
ま、性質上、どうしても選択肢、エンド数が多い作品になっちゃいますけれどね。

ともあれ、一回でダメでも二度目、三度目、と試行錯誤させる為の、ヒントという名の「おまけ」コーナー」があり、「ではもう一回!」とチャレンジしたくなる気力を与えてくれる。これは選択肢、エンド数多めの作品に是非あって欲しい機能です。


兎に角、ゆり子の造型がいいですね。
ちょっと大らかな感じで、包み込むような優しさがあって。イラストもとても雰囲気の良いものでしたしね。
聡志は会えなかった時間を取り戻すように、ゆり子との一緒の時間を過ごしていく事になります。途中途中で、本来の目的である掃除、を行ったり、家の探索を行う事で、様々なアイテム、資料などを入手することに。

そして、四日目。
一緒に行くと約束した花火の日に事件が起こります。
それが何か、ここに書くと興ざめになってしまうので、書きません。まぁ、超有名作品ですから、みんな分かってるとは思いますが、念のためw
けれども、ここ凄くいいシーンなんですよ。その前の選択肢の選び方次第によっては、あまり良いシーンじゃなくなる事もあるけれども、一定条件を満たしていれば、本当にグッとくる名シーンが見られるはずです。

ここまでが前半パートと考えるといいかな。
その後、事件の真相を考える推理パート、そして、実際に推理を元に、行動していくパートが後半部に当たります。
前半部は割と穏やかなやり取りが多く、田舎の郷愁を感じさせるものになっていましたが(かなり切ない場面もあるけれども)、後半部では、キュッと引き締まった緊迫感があって、ストーリーにメリハリがありましたね。

後半部の推理を成立させ、それを実行に移すためには、前半部でシッカリと伏線を回収しておかないといけません。ですので、あれこれ試行錯誤してみる必要があるんですよね。

前半部で出来るだけゆり子と接触しながらも、あちこちに行ったり、掃除をしたりしてみる。
そして、そこで手に入る情報、それにシッカリと目を通して、ちょっと立ち止まって考えてみる。
それが出来れば、トゥルーエンドまでもう少し、です。
最後の選択肢で、バッドエンド、トゥルーエンド、グッドエンド(?)に別れるのですが、感動のトゥルーエンドは必見です。
意外とグッドエンドに相当すると思われるエンドも味わいがあっていいんですけれどもね。

トゥルーエンドまでくれば、前半部、かなり早い段階で張られていた伏線もすっきりと回収され、改めて、凝った作りになっている事、お分かり頂けるのではないかと。

実は、本作、音楽がいいんですよね。
欲しい所で欲しい音楽が流れてくる。しかもクオリティの高いものが。
場面状況、美しいグラフィック、そしてそれを引き立てる音楽が合わさって、とてつもなく印象に残るシーンもあります。


で、一方の気になった点なのですが、“時の道具”に関しては、やや説明不足だったかな? という気がしました。
「そういうもの」として受け止めるには、あまりにも意味深でファンタジックなアイテムなんですよね。どうも後書きを読むと、作者さんの「時シリーズ」をプレイする事で、そこらへんの世界観が繋がりそうなのですが……。

ただ、今回のヴァージョンでは、シェアウェアとしてリリースしていたものを、フリーで公開する、というものだったようで、シェア版の本編と対になるようなシナリオを読むことも出来ます。
そこで、少し“時の道具”について補完説明が為されていますね。

このシェア版シナリオは、人によっては蛇足、と思う人もいるかもしれません。
けれども、後書きを読んでみると、「なるほど、確かに必要だったな……」と感じてしまうから不思議w
こちらも選択肢が多めですけれども、本編ほど難しくありません。尺自体もそこまで長くないですしね。ただ、ここまで読んでしまうと、「時シリーズ」をコンプリートしないとしょうがないなぁ……。という気持ちにさせられるのも亦事実。

あとは、既読文章がパーセンテージで示されるのですが、これを100%にするには、多分相当大変だと思います。
やり込み派には良いんですけれども、全部を回収するのは流石にキツイです。私も今回のプレイで凡そ90%くらいしか見ていません。それでも、トゥルーエンドは見ているからいいかなっとw



大体こんな所、かな。
優しくも美しいイラストと、ゆったりとした郷愁、そして切り拓く事で掴む事が出来る未来など盛り沢山の内容です。時間が経っても、良い作品は良い、と云いたくなるような作品です。
もし、まだプレイしていない、という方がいらしたら、是非プレイしてみて下さい。
あっ、最後の最後になりましたが、本作「ときのこきょう」ではないですよ。「ときのふるさと」です。


それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-11-24 19:59 | サウンドノベル | Comments(0)
2011年 11月 23日

フリーサウンドノベルレビュー 『にぃにぃ☆にぃとだうん』

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今日の副題 「ニートですけど何か?」

ジャンル:ニートの恋愛アドベンチャー(?)
プレイ時間:凡そ1ルート45分ほど。但し、羽衣のルートは1時間半くらいある。
その他:選択肢アリ。選択肢で三つのルートに分岐。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2011/11/13
容量(圧縮時):437MB




道玄斎です、こんばんは。
今日はつい先日リリースされたばかりの作品のご紹介。VIP系の作品ですので、一定以上のクオリティが期待出来ますね。
というわけで、今回は「すたじお にぃにぃ」さんの『にぃにぃ☆にぃとだうん』です。
良かった点

・ニートが集まって作ったゲームで、主人公もニート! 変わり種の作品!

・一ヶ月でこれだけのものが作れるって……ハイスペックなニートだなぁ……。


気になった点

・主人公がニートである、という設定を十全に活かし切れていない。

・ボイス音量が下がったり、上がったり不安定。

ストーリーは……公式のものがちょっとアレなので、久しぶりに私が軽く纏めておきましょうw
主人公、新居徹は所謂ニート。起床は夕暮れ、ネトゲにはまっているダメ人間。

しかし、彼の周りには、あれこれと世話を焼いてくれる愛花、親戚の中をたらい回しにされているロリ系少女のいろは、そして無愛想なお隣さんの羽衣(うい)がいる。

彼女達を巻き込んで、徹はどんな生活を歩んでいく事になるのか?

と、まぁ、こんな感じでしょうか。

ただ、一点、気になった点があります。主人公はニートである、と明かされながらも、実はマンションの管理人をしている(させられている?)という記述があるんですよね。
ぐうたらしていたとしても、管理人という「職業」があれば、それはニートではないのでは……? という疑問がちょっぴり頭を過ぎりますが、そこはスルーした方がいいの、かな?

ともあれ、ニートの徹と、その周りにいる女の子の恋愛ノベルゲーム、と捉えれば、比較的穏当な纏めになるかと思います。

ルートは全部で3種類。
先に挙げた、愛花、いろは、羽衣の三人のルートですね。各ルートに入るのも楽々です。序盤、かなり早い段階で選択肢が提示され、綺麗に三つのルートに別れて行きますので、迷う必要もありません。

さて、何しろ400MB超えの作品ですから、長目のシナリオなのかな? と思っていたらさにあらず。
愛花のシナリオ、そしていろはのシナリオは共通ルートを含めて45分程度で読了出来てしまいます。では何故、容量が大きいのか? というと、OPムービーと「主人公以外フルボイス」という作りのせいでしょうね。

ヒロインは勿論の事、主人公の友人、親戚のおばさん、おばあちゃんなどなど、所謂脇役、ほんの数行分の文章しか喋らない人物達にも全員声が当てられています。

ここで、気になった点なのですが、ヒロインのボイスの音量が急に小さくなったり、或いは急に大きくなったり、という事が起きています。多分……これは録音状態と関係していると思しいのですが、気になる人は気になるかもしれませんね。
ま、ただ、「完璧な録音状態で!!」みたいなガチガチした雰囲気よりも、「ちょっと音質悪くても、楽しく作れればそれはそれで」という緩い雰囲気の方が、フリーのノベルゲームに、そして作品を包み込むコンテクストにも合っているんじゃないかな、と思いますよ。


肝心の中身、なんですが、意外な程に普通の「ギャルゲー」という感じでした。
愛花のシナリオでは、「(ニートの)俺と一緒にいたら、愛花の人生をダメにしてしまう」と徹が感じたり、それで愛花を突き放したりする場面もあるのですが、それでもやはりサラリとシナリオが流れて、恋仲になって終了……という感じがしました。

いろはに関してもそれは同じで、「(親戚の)ロリに手を出していいのか?」という部分での葛藤があり、シナリオが展開するのですが、やっぱりちょっと物足りなかったかな。
例えば、いろはでしたら、「親戚中をたらい回しにされている」という境遇があるわけで、そういう設定をもっとシナリオの中で提示していく事も出来たんじゃないかな、と思いますね。

一方、ルートの長さで最長の羽衣ルートは、やっぱり「ギャルゲー感」は拭い切れないものの、徹、そして羽衣の過去にまつわるストーリーが挿入されていたり、或いは、羽衣も亦、不登校のひきこもりである、という隠れた事実によって、他のルートよりも重層的になっており、且つ、「ニート」という作品を貫くテーマに一歩近づいているような、そんな印象がありました。
何より、徹が少し成長する、そんな場面が微かながらも描かれていた、というのが、一番の好印象のポイントでしょうね。


本作で、私が最も気になった点は、まさに「作り手も、そして主人公もニートである」という設定が、今ひとつ活きて来なかった、という所なんですよね。

例えば、愛花のルートにせよ、いろはのルートにせよ、主人公の属性を「不真面目学生」とかにしても、全然普通に成り立ってしまいます。
羽衣ルートは……ちょっと好みのタイプだから贔屓が入っているかもしれませんが、前者に比べると、ネトゲやひきこもり、或いは過去、そして主人公の成長だったりが絡み合ってストーリーを為しているので、満足感は高いかな? とはいえ、羽衣も「実家に居場所が無い」という境遇らしいので、そういう部分ももっと、シナリオに反映させても良かったのでは? 或いはそうする事で、テーマである「ニート」への接近も可能だったかもしれませんね。

それでも、「ニート」という設定が活かし切れていない、というのはやはり気になります。
例えば、ニートとしての世の中に対しての憤りだったり、或いはニートである事の苦悩や焦燥感。そして、勇気を出して一歩踏み出していく様子。そんなものがもっと作中に折り込まれ、各ヒロインとの絡みの中で浮き彫りにされていけば良かったかな、と思いました。


ちょい、いつもより辛口ですが、それでも一ヶ月でこれだけの作品を創り上げる、というのは凄い事だと思います。主人公以外フルボイスってのも凄い。
良くも悪くも、素直なギャルゲーという感じで、それはそれで一つの長所だと思いますしね。
こっそり、おまけゲームが付いているのも面白いですね。


大体、こんなところかな。
今回はちょっと辛口でしたけれども、VIP系の作品なので、随所に拘りが感じられるハズです。
テーマも変わっていますし、結構何だかんだで楽しめちゃうんじゃないかな? と思いますよ。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-11-23 22:40 | サウンドノベル | Comments(0)
2011年 11月 21日

なんてことない日々之雑記vol.355

道玄斎です、こんばんは。

水面下で動いていた(というか燻っていた)プロジェクトが遂に始動したり、或いは日常生活の忙しさの中で死にそうになっていたり、ここんとこ、良い意味でも悪い意味でもバタバタしていて、ちょっと腰を据えてノベルゲームをプレイ出来るような感じじゃないですねぇ……。

まぁ、ちょっと疲れてるんだよね。
ほら、何か、上の文章も「いつもの感じ」と違ってません? 少なくとも書いた本人は違和感を感じているわけですがw

で、こういう時は日々之雑記でお茶を濁すのが通例。
でも……なんかちょっぴり憂鬱な気分を解消したい……とか思っていたら、エキサイトブログに新機能が追加されて(正直、旧ヴァージョンの方が100倍良かった!)、「似たブログ」とかにワンクリックで飛べるようになってるじゃないですか。

ここに似たブログってーと、やっぱノベルゲーム/サウンドノベル関係のブログなのかなぁ? と思ってページを開いてみたら、全然違う、写真系のブログでした。
ちなみに、こちらのブログです。

チラチラみていたんですが、写真、滅茶苦茶上手いですね!
すんごい綺麗だし、アングルとかも凄い。写真にも「上手い」「下手」がやっぱりあるんだなぁ、としみじみ思いました。ちなみに、私が写真を撮ると、凝った構図とかにしようとして失敗する……そんな感じですw

自分の知らない所の、昔の情緒溢れる街並みを見るのも一興なのですが、ペラペラ見ていたら、自分のよく知っている土地の写真が出てきました。
が、最初パッと見たとき、場所が分からなかったんですよ。あまりに写真が上手すぎて!

これは凄い事ですよ。
良くその土地を知っているハズの私でさえ、思わずハッとしてしまうような、そんな写真をお撮りになっている。しかも東京限定で、これだけレトロな街並み、小路を切り取るセンスには脱帽しました。

ちなみに、どこのどこ、とは明言しませんけれども、私が個人的に「めぐちゃん小路」と呼んでいる場所の写真に驚かされましたw
多分……百回、二百回は、そこの道を通っているハズなんですが、パッとみて全然分かりませんでした。よーく目を凝らして……やっと「あっ! めぐちゃん小路じゃん!」とw

うーん、なんか、全体的にノベルゲームにすっげぇ使えそうな写真なんだよなぁ……。
こんな素敵な背景写真がついていれば、立ち絵が無くっても全然気にならないかも……。こういうレトロな背景素材……今必要なんですよw

東京でありながら、ケバケバしくなく、ちょっと昔の雰囲気をひっそりと残している、そんな場所の背景素材ですね。都電荒川線沿いの、のどやかで昔情緒ある雰囲気とかも大好きなので、三ノ輪の辺りとかも見てみたいなぁ……。

是非……Novelers' Materialにご登録を……とか云ってみるw
まぁ、云うだけならタダだしw


なんか素敵な写真を見て、少しやる気が出てきた、かな?
いつか……私もこんな写真が撮れたら……いいな。


それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-11-21 01:34 | 日々之雑記 | Comments(2)
2011年 11月 18日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『おとぎ話屋』

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道玄斎です、こんばんは。
なんだか、またこのエキサイトブログの使い勝手が変わって、何だか日増しに使いにくくなっているような……。
それは兎も角、最近又更新ペースが落ちていますが、ちょっと面白い、というかどこか心温まる作品を見つけたのでご紹介。
というわけで、今回は「晴れ時々グラタン」さんの『おとぎ話屋』です。



多分、コンプリートまで20分~くらいなので、今回は番外編ですね。
ゲームを起動すると、最初に二つの物語を選択し、見る事になります。
それぞれのお話だけでは、「?」となってしまうかもしれません。あれだけで終わってしまっていたら、私も吃驚しますw 

その二つの……云うなればプレストーリーを見た後、本編に入っていく、という流れですね。
「殺し屋」さんと「コニー」の二人が、ガラクタで作ったサーカス団で巡業をしながら世界を旅していく、というもの。

脱線しますけれども、私、この作者さんの描く女性の絵が凄い好きなんですよね。
特に目、目元! 『なかない負け犬』のちょっと冷めた風なリズのイラストは最高に美味しく頂きました。
本作のコニーは、リズよりも大分おっとり(?)した性格のようで、クリッとした目になっている所も多かったのですけれども、それでもやっぱり、あの目がいいんですよねぇ……。
本作、ザックリとした線で、しかも塗りが無い状態でイラストが出てくるんですが、その素朴な感じも又、「おとぎ話」風でいい感じでしたよ。グッドなエンドを見ると、フルカラーの一枚絵が出てきますけれどもね。


本作の面白い設定は、コニーが「打ち捨てられた石」という病気に罹っている、という点です。
この病気に罹ると、「落ちているものを拾わないと生きていけない」という所謂奇病です。

この病気は、コニーの昔の生育環境……に由来するわけですが、この病の設定が、物語冒頭に活きていて、且つ中盤、後半までシッカリと存在し続けた点、良い感じですね。
何か単発で「ほい、病気です」って出されちゃっても困るわけで、本作は、ちゃんとその病気を巡っての因果関係を描いてあり、良い作りになっていたはずです。

舞台は、明言されませんが、昔のヨーロッパのどこか、くらいのイメージでしょうか?
何しろ「おとぎ話」ですからね。そこに「打ち捨てられた石」、或いはガラクタで作られたサーカス団員なんて、少しファンタジックな設定が入り込んで独特な世界を作っています。

で、「そういうお話」と読めると同時に、最後の方までプレイすれば、一種の寓話というか、そういう趣もあるんじゃないかなぁ……なんて思いました。
現代を生きる我が身に擬えてみても、何となく分かる感覚や感触、それを「おとぎ話」に仮託して表現しているような、そういう感じですね。

そういえば、これ面白いのが、バッドエンド直行の選択肢を選ぶと、バッドエンドを見た上で「誰か」から、物語の「書き直し」を命ぜられ(?)ます。
これ、どう考えたらいいんでしょうね。本作品は『おとぎ話屋』ですから、当然、「おとぎ話」が提供されるかと思いきや、バッドエンドに行くと、「書き直し」になる。
論理的に考えると……プレイヤーが「おとぎ話屋」なんじゃないかと。素材はそこにあって、選択肢を紡ぐ事で、「おとぎ話」を「おとぎ話」たらしめる、みたいなね。


バッドエンドは何種類かあるけれども、グッドなエンドは二種類、かな? 
バッドエンドを見たりすれば、選択肢が増えていたりする箇所があるので、色々試してみて下さい。

こんな寒い日に、少し心が温かくなるような、短編童話風(?)ストーリーでした。
物理的にも……精神的にも寒い人は是非どうぞw



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-11-18 20:57 | サウンドノベル | Comments(0)
2011年 11月 11日

フリーサウンドノベルレビュー 『電波電波カプリッチョ!』

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今日の副題 「世界で一番中二病!」

※大吟醸
ジャンル:中二病全開、学園ノベル(?)
プレイ時間:1ルート凡そ3時間程度。
その他:選択肢アリ。バッドエンド(複数)とハッピーエンドが二つ。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2011/8/13
容量(圧縮時):98.8MB




道玄斎です、こんばんは。
或る作品をプレイすると、ちょっと似たような傾向を持つ作品を何故かプレイしてしまう、という事が私には多々あるわけですけれども、今回もそんな感じ。そして久々の大吟醸です。
というわけで、「なすびあん」さんの『電波電波カプリッチョ!』です。
良かった点

・電波な中二病を、主人公の基本設定として上手く使用していた。

・又、その設定と学園ストーリーがお互いに干渉せず、綺麗に纏まる。

・電波で中二病な主人公の発言・心中思惟がひたすら面白く、そして熱い。


気になった点

・中二病、電波設定が苦手な人は、置いて行かれる部分があるかも。

・ひなたルートは、やや薄味だったか?

ストーリーは……長いのですが、ふりーむの方からドドンと引用しちゃいましょう。
▼主人公視点あらすじ
生まれつきの能力者であり、覚醒を待つ状態で始まった高校二年生の二学期。
今年の夏休みも覚醒しなかったことに失望しつつ平凡な学校生活を再開しようとした矢先、二学期初日から一人の女の子が欠席する……。
不審に思い、部下であるクラスメイト山田明夫と調査を開始した。
だがそれが発端となり様々な陰謀が白日の下に照らし出される――!
次々に発覚する事実!

闇の組織デーモンビースト、光の組織シルバークロイツ、調停機関コンツ……なんとかレアーリ、同じく覚醒の徴候を見せる一人の少女、対照的に一般人でありながら強くあろうとする少女!
悪の手は容赦無く登場人物達の肩を揺さぶり、首を絞め、爪を立てる!
信じていた仲間にも裏切られ、人間の醜態がむき出しになり、傷付き、倒れながら、それでも愛の果てに見せる行動は――!?

:客観的視点あらすじ:
とある平凡な高校で、二学期再開と同時にとっても深刻な出来事が起こりました。
一人の少女の、プチ登校拒否。
夏休みの間に大きな失敗をしてしまった内気な少女は、とうとう気に病んで学校をずる休みしてしまったのです。
ですがそれを気にしたのは、彼女と全く話した事も無い一人の少年。
少し電波の入った彼は何を勘違いしたのでしょう、クラスで唯一の友達すら疑いながら彼女に接近を始めます。
さらにさらにそんな電波な彼とは幼馴染みのクラスいいんちょも、半分は巻き込まれる形でその輪に飛び込みます。
だけど、登校拒否の少女の物語が明るい訳がありません。
辛くて、憂鬱で、悪意を持った人達が居て――暗いお話で。
だけど、電波な彼は斜め上を行く深刻さを持って、ハッピーエンドへ走り続けるのでした。

○感動したら寄付歓迎!(追って「なすびあん」のサイトにて情報更新します)

こんな感じ。

主人公視点でのストーリー紹介も、一般視点からのそれも微妙にズレていますねw
というか、ここは、主人公視点でのストーリー世界でピンとこないと、本作品を楽しめない恐れがあります。或る意味で人を選ぶ作品である事も確かなのです。
中二病、電波設定……そういうものに、激しく違和感を感じたり、ついていけなさを感じていると、最高の盛り上がりを見せる後半~ラストの流れを見る前に、プレイを止めてしまう可能性があり……そこが気になった点の一つ、かな。

けど、敢えて云いますけれども、本作品から電波、中二病を抜いてしまったら、全く味気ない作品になってしまいます。
電波設定を抜いても、楽しめる事は楽しめるハズです。けれども、それは私基準の「吟醸」ではあっても、「大吟醸」まで押し上げるものではありませんでした。飽くまで、電波・中二病が融合した学園ストーリーだから、本作は大吟醸たりえているのです。ちょっと上から目線ですけれどもw

少し脱線しますが、『無理やり主人公』という作品を最近プレイしてレビューまで書いてしまいました。
あちらは、電波で中二な設定を熟知している主人公が、それを逆手にとって主役に成り代わろうとする物語でしたね。
本作も又、同様に電波な設定を持っているものの、主人公一郎は生粋の電波野郎なので、終始電波な発言、心中での思惟を繰り返しますw 電波を扱う二つの作品ですが、こうして対比してみると面白いですね。勿論、優劣、じゃなくてね。


実は、本作、その設定を抜かせば、先にチラリと書いた通り、結構オーソドックスな学園恋愛ストーリーなんですよね。そこに気づくまで、私は一時間半~二時間くらい掛かりましたw
正直、最初は、「ストーリーがどこに向かっているのか?」が全く分かりませんでした。
クラスメイトの女子の新学期早々の欠席に、不穏な匂いを(勝手に)嗅ぎつけ、調査をし出す主人公一郎……。
そこには、一郎の、まぁ舎弟って感じのポジションの明夫、そしてヒロインの一人で、一郎の幼なじみでもあるひなた、といったキャラクターが動いて、主人公を助け、或いは電波に対して激しいツッコミを入れたりしていきます。そして、その欠席をした萌も絡んだ形で、ストーリーは進行します。

その合間合間に、一郎の時に宇宙規模まで及ぶ脳内ストーリーが展開されるのですが、まぁ、概略としては意外なほどチープですw
善なる組織シルバークロイツと、悪の組織デーモンビーストが存在して覇権を争っている。そして謎の第三者機関も存在している、と。
一郎は、自らを以てシルバークロイツの戦士であるファカルティー(もう、なんのこっちゃ良く分からないw)を任じているのだけれども、まだ覚醒していないw
更に一郎の通う学校にもデーモンビーストや、その下級構成員ダークネスイントリューガーがいるらしい……。
逆に云えば、こういう設定で、「これは笑えるぞ……」と思える人ならば、手放しで大笑い出来る事、請け合いますw

まぁ、そうやって、仲良し四人組(というには語弊があるか……主人公はアレだし、明夫もアレだしw)が、何故か遊園地に行って、結果的にダブルデート的な事をしたりするのですが、そういうガワだけ見ると、結構普通でしょ? 
けど、一郎は萌の事を同じファカルティーだと思っていたり、献身的なまでに一郎の手足となる明夫を、諜報機関の人間だと思いこんでいたり、表面だけみれば割と普通なのに、一郎の存在によって普通なハズの学園恋愛モノが明らかに変質してしまっていますw


けど、一郎が電波脳による勘違いをし、シリアスに行動に移す事が、結果的にヒロインの助けになり、彼女たちを救うきっかけになる、というのが本作の面白い所です。
そして、電波に裏付けられてはいるのだけれども、一郎がまた、熱いセリフをガンガン連発するんだ。前後の文脈を無視してみれば、本当にカッコいいんですよw

なので、中二で電波な設定と、学園青春ラブストーリーが意外な程しっかり絡み合い融合していて、どちらかが浮いている、という事がないのも、本作のポイントかもしれません。
ただの学園ラブストーリーでは物足りない。そこで何か、他の味付けをしてやる事で差異を出す。けれども、その味付けが薄味だとあまり変化はしないし、濃すぎると味が分離してしまう恐れもあるわけです。
そこに、強烈な味付けをしながらも、見事に一本の作品、として成り立っており、非常に高く評価したい所です。


ルートとしては、2種類、と考えればOK。
ヒロインの、ひなたと萌のルートですね。個人的にはひなた……の方がキャラとしては好きなんですが、ストーリーとしては萌のルートの方が好きかな?

萌ルートの方は、そのイジメの背景にある吹奏楽部での確執や、萌自身のピアノに対する自信喪失とその復活といったエピソードが折り込まれるので、シナリオが重層的になっています。

一方、ひなたのルートでは、萌ルートに存在したピアノや吹奏楽部での確執、といったストーリーを支えるシナリオが割と希薄で、やや薄味かな? という気はしますね。
ただ……ひなたルートでは、意外なキャラの意外な行動があったりと、それはそれで楽しめる内容になっている、というのも事実ですけどね。


出だしの電波全開! に引かないで、是非一時間程度でいいのでプレイしてみて下さい。そういう属性が根っからダメ、って人以外、絶対に楽しめますよ。
今回「世界で一番中二病」と、副題で書きましたが、より正確に云えば「世界で一番(カッコいい)中二病」ですw これで大吟醸じゃなかったらどうにも座りが悪いので、久々に大吟醸で!

電波だけれども、熱い一郎の行動、セリフにも注目しながらプレイしてみて下さい。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-11-11 18:25 | サウンドノベル | Comments(2)
2011年 11月 11日

なんてことない日々之雑記vol.354

道玄斎です、こんばんは。
明日……というか、もう日付が変わっていますが、ちょい思う事、考えるべき事があるので、今日は日々之雑記にて。それにしても、面白いノベルゲームをプレイしていると、夜更かしが続いて困った事になりますねw



■11/11/11

というわけで、明日(今日)は2011年の11月11日です。
「1」が揃って面白い、とかそういうんじゃないだな、これが。

そう、何を隠そうこの私にとって、11/11はかなりの高確率で厭な事が起こる、「忌むべき日」なのです!
いつからそれが始まったのか……今でもちゃんと覚えています。それは11年前ッ! って、また「1」が重なっちまったな……。なんか不吉だぜ……。

うん、まぁ、兎に角そういう訳で、まだ20世紀だったあの頃。
私の身の上にとんでもない厄災が降って掛かって来たわけです。「お前のとんでもない、は、大した事無い!」なんて外野の声が聞こえてきそうですけれども、いつもは、結構赤裸々に日々のどうしようもない事、過去にあったやっぱりどうしようもない事を語るこの場でも、ちょっと内容がヘヴィー過ぎて云えません。

あまりの辛さに泣いてわめいて、コンクリートの壁を殴って。まぁ、色々しましたな。
殴った時についた傷は、悲しい哉、まだ残っています。


で、その11年前の11/11を皮切りに、例年11/11に何か悪い事が起こる……というのがいつの間にか通例となってしまいました。
なので、今年は物忌みを実行します!

物忌みとは、昔の習俗で、所謂陰陽師的な人が、「あー、この日は良くない事がおこるッスよ」って占ってくれたりするわけです。んで、「んじゃ、まぁ、家で大人しくしてますわ」って引き籠もるわけですね。それが物忌み。
引き籠もりって云っても、相当なレベルで、「手紙も受け取らない」とかですから、かなりのものでしょ?

でも、現代……普通に生きている私達にとって、そうした「最上級の物忌み」が出来るハズもないですから、21世紀スタイルの物忌みを実行しようかとw

寄り道をしない。買い物を控える。家の中ではひたすら部屋に閉じ籠もる……等々、色々出来る事があるはずです。
そして、願わくは、11/11の呪いの回避を、そしてよしんば何かが起こったとしても、それを可能な限り軽減させたいのです。
まぁ、ノベルゲームをプレイする、くらいは免除しましょうw


11年間続いてきたこの悪い連鎖を、何とか今年で止めたいですねぇ……。
オチも何もないですけれども、今日はこんなところで。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-11-11 02:12 | 日々之雑記 | Comments(0)
2011年 11月 08日

フリーサウンドノベルレビュー 『無理やり主人公』

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今日の副題 「脇役だって主人公!」

※吟醸
ジャンル:脇役が主役の座を奪い取るアドベンチャーゲーム(?)
プレイ時間:コンプリートまで小一時間程度。
その他:選択肢アリ。バッドエンド、トゥルーエンドに分岐。二周目ではグッドエンドも。
システム:Yuuki! Novel

制作年:2011/10/19
容量(圧縮時):12.9MB




道玄斎です、こんばんは。
バカみたいに大笑い出来る作品を見つけたのでご紹介。ノベルゲームやラノベ、或いはアニメなんかに親しんでいればいる程笑えます。
というわけで、今回は「がっかり亭」さんの『無理やり主人公』です。
良かった点

・オタク文化の“お決まり”を逆手に取った主人公の行動が、一々面白い。

・脇役が、主人公になりかわる、という一風変わったテーマが非常の面白い。


気になった点

・二周目以降はYuuki! Novel製なのでプレイしにくい……。

・割と後半が性急な展開だったか。

ストーリーは、ふりーむから引用しておきましょう。
ごく普通のオタク、脇山雑太は、ある時漫画かアニメとしか思えない
非日常に遭遇する。

彼は、その漫画やアニメの知識を活かし、
「お約束」を駆使して物語に無理やり介入するのだった。
――自らが、主人公となるために!


2、30分ほどでさくさく出来るノベルゲームです。
お気軽にプレイしていただけると嬉しいです。<(_ _)>
ホームページにて、ヒロイン視点での小説版も公開しております。
ゲームからプレイするか、小説から読むかで趣きが多少変わる作りになっています。

こんな感じ。



いや、これ、面白いよ!
こんなレビューを見ているヒマがあったら、さっさとダウンロードして起動してみて欲しいです。
先ず、最初に出てくるタイトル画面。んもう、無茶苦茶(勿論良い意味で)バカゲーな雰囲気を出しています。これだけで、期待しちゃいますよね。あとはアタリかハズレか……なんですが、自信を持って断言出来ます。これはアタリです。

又いつものように、ストーリーを補完しつつ、話を進めていきましょう。

私は割と、プレイした作品の主人公乃至ヒロインの名前を忘れてしまう事が多いのですが、今回ばかりはシッカリ覚えました。何しろ、名前が脇山雑太なんていう、脇役且つ雑多なモブキャラ、みたいなネーミングだからですw

それは兎も角、フリーターの主人公は、バイトの面接に行く途中で、オーロラのような閉鎖された空間に閉じこめられてしまいます。
所謂、超自然的な現象……というか、良く伝奇モノの作品なんかで目にするアレです。マンガやラノベでもそうした閉鎖空間が生み出されるものありますよね? パッと思いつく限りですと、CLAMPの『X』とか、ラノベだったら『灼眼のシャナ』とか。

所謂、一種の結界を作るわけですが、普通のノベルゲームの主人公だったら、ここで……


主人公「えっ!? こ、これは……一体どうなってるんだ!」


なんて、叫ぶ場面です。
けど、本作の主人公は一味違います。何しろ彼はオタクです。私が先に挙げたような知識をどっちゃり保有しているのです。ですので、そんな謎の結界が突如現れても、寧ろ、

「来たな! 閉鎖空間だ!」

といった感じで、あたかも待ち受けていたかの如く、極々自然にその現象を受け止めてしまうのですw
こういう、主人公が通常であれば戸惑うであろう状況を、限りなくナチュラルに受け止めてしまう、という造型はかなり私の好みだったりしますw
Dear∽Life』の主人公なんかも、その系統ですよね。

で、その結界の中には、お決まりの化け物がいます。
しかし主人公は「こいつは下級の化け物で、すぐに超常的な力を秘めたヒロインが討伐しにやってくるハズだ」と判断し、こともあろうに「主人公」を探しだそうとします。

何故ならば、結界が発動し、化け物が登場し、恐らくそれを討伐しに来るであろうヒロインが居る以上、その結界の中には、その物語の主人公たる男性が居る、のがお決まりのパターンだからです。
その設定を逆手に取り、ヒロインよりも先にその「主人公」を探し出し、舞台から消えて貰う。それが本作の主人公の目論みです。

そして本来の「主人公」の代わりに、本来、脇役であるハズの本作の主人公が、「主人公」に成り代わってしまうのです! ってちょっと分かりにくいねw 「 」付きのは記号としての主人公で、ただの主人公、というのは「本作の主人公」です。

で、セオリー通りならば、そのヒロインは、近くの高校に転校してきて、本来の「主人公」と出会うハズなので、主人公(もう以下、雑太と呼びましょうw)は、用務員としてその学校に潜り込んでしまいます。
そして、「主人公」とヒロインの出会いを阻止していくなかで、雑太はヒロインと接触し、彼女を取り巻く戦いに身を投じていくことに……。

しかし、ヒロイン六角(又ややこしい特殊な名前も、この手のセオリーだ)と、謎の組織との戦いも、みな「お約束」で成り立っているので、雑太は、敵が出現するタイミング、弱点などを既にして理解しているのですw
為に、ヒロインを助ける、まさに「主人公」的なポジションをゲットしていく……という感じです。


文字にしちゃうと面白さが、半減しちゃうけれども、その雑太の心中の思惟が滅茶苦茶面白いんだw
良く分からない専門用語(クチク級など)等もガンガン出てくるんですが、そこらへんはサラッとスルーしてOK。そこは「お約束」のルールでしかないのですからw
飽くまで、ヒロインが属している側の組織があり、それに対抗する悪の勢力があって、力のランクに応じて階級付けが為されている、程度の把握で全然OKです。

ある状況が目の前で展開された時、「これは○○だ!」と瞬時に(オタク知識から)判断し、行動に移す主人公。
もう、彼は明らかに脇役ではなく「主人公」になっています。
「主人公」に無理やり割り込む一般人。それが雑太なのです!

ちょっと話がわき道に逸れますが、スクリーンショットを撮ってくる場合、いつも話しているように「最初の一枚絵」を利用します。その「最初の一枚絵」が妙にギャグっぽかったり、デフォルメされていたりすると(或いはパンツ全開とか)「次の一枚絵」を取ってきたりするわけです。
他に、一枚絵が無い作品ですと、立ち絵的に賑やかな場面でネタバレにならないような場面をチョイスして持ってきたり。或いはタイトル画面を使ったり、ね。

本作もちゃんと、一枚絵付いているんです。
けれども、今回は敢えて、一枚絵じゃなくて立ち絵の方にしてみました。
何故なら、一枚絵だと「カッコよすぎる」からです! ちょっとズッコケた面白さの感触や、主人公のセリフが表示されている方が、よりダイレクトに本作の味が分かるのではないかと思って。

で、随所随所でバカみたいに笑ってしまう楽しい作品なんですけれども、ヒロインとの関わりの中で、「お決まりのヒロイン」ではなく、「今目の前に居る女の子」の姿を見るようになる、なんてちょっとイイ場面もあったりしますよ。


一応、所々に出てくる選択肢を上手く回避すれば、難なくトゥルーエンドに到達出来ます。
選択肢でセーブ、は常識ですよね? その上で敢えてバッドエンドも見てみる、のも又一興ですw

で、二周目からは、トゥルーエンドだけではなくグッドエンドも見ることが可能に。
またね、二周目以降も面白いのよ。とあるシーンで、本当に飲んでいたミネラルウォーター吹きましたからねw


一方で気になった点もあります。
まぁ、Yuuki! Novelなので、操作性がイマイチ……という部分ですね。二周目以降もプレイしやすいように配慮してくれていたのですが、それでもやっぱりちょっと使い勝手が悪いですよね。
あっ、ただ、逆に本作の場合Yuuki! Novelが似合ってる気もしますw 逆に吉里吉里/KAGとかNScripterとかでガッチガチに綺麗に、そしてシステマチックに作られたインターフェイスだと合わないような……。

もう一点挙げるとすれば、後半の展開がやや急だった、という点でしょう。
プレイヤーとしては、もっともっと雑太がオタク知識をフル活用して、ヒロインを助け、「主人公」に割って入るのを見たいはずです。そこは滅茶苦茶に笑える所なのですから。

しかし、意外な程急に、最終章に突入してしまって、一気にラストまでストーリーは突っ走ってしまいます。
もう一個二個……雑太とヒロイン、そして悪の組織との戦い(オタク知識を駆使しての)が描かれていたら……もっともっと楽しめたんじゃないかな? と個人的に思いました。


大体こんなところかな?
兎に角、爆笑請け合いのノベルゲームです。
こうしたノベルゲームのお約束、を逆手に取った作品には『Merry X'mas you, for your closed world, and you...』というものもありますが、本作はそれとは又違うベクトルで、何だかフォロワー的な作品が今後、出てきそうな予感すらあります。

プレイ時間も短めなので、是非プレイして大いに笑って下さい。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-11-08 01:02 | サウンドノベル | Comments(0)
2011年 11月 05日

フリーサウンドノベルレビュー 『浅葱妖怪相談所。』

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今日の副題 「和風・探索・陰陽師!」

ジャンル:和風探索系ノベル(?)
プレイ時間:40分~
その他:本編は探索型。オマケシナリオでは選択肢による分岐アリ。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2011/5/7
容量(圧縮時):77.9MB



道玄斎です、こんばんは。
前回、そして前々回の箸休めにお付き合い下さった方々、本当に有り難うございました。様々なご意見伺う事が出来て、私にとっても非常に有意義な記事になったんじゃないかな? と思っています。
で、今日は久々に、ノベルゲームのレビュー。私の大好きな和風モノですね。
というわけで、今回は「あまてる。」さんの『浅葱妖怪相談所。』です。
良かった点

・綺麗なグラフィックが、和風でありながらポップな感じを上手に演出していた。

・易しすぎず、難しすぎない適度なバランスの探索パート。


気になった点

・どうやら、本作は「序章」的な位置づけと思しい。オマケシナリオが存在するとは云え、もう一個くらい何か本編にエピソードがあると良かったかもしれない。

ストーリーは、作者さんのサイトから引用しておきましょう。
「最近毎夜毎夜、怪しい物音がするんです。」


新米陰陽師、葵の元へ来る相談者は何故か妖怪達ばかり!

依頼者ふうの家では、ここの所怪しい物音が頻発するという…

原因はネズミ?G?

いつも通りのなーんでもない依頼かと思われたが…――


妖怪が穏健化し陰陽師の存在が、昔よりちょっと薄くなった時代の

ほんのりほのぼのなお話です。

という感じ。行間は若干詰めて表示させて頂いております。


さて、何だか久々のノベルゲームレビューですね。
実は、忙しくなる前に、プレイしていた結構長目の作品があったのですが、実は選択肢が難しすぎて、挫折してしまいました。
やはり、レビューをする以上は、その作品をコンプリートした上でやらないと、ね。或いは、せめてメインのトゥルーエンドは見て、周辺のエンドも可能な限り見ておく、とか。

で、今回は私も大好きな和風モノ。
起動すると、非常にクオリティの高いイラストが表示され、やはりレベルの高い和風系音楽が流れてきます。ツカミは上々ですよね。長い事ノベルゲームをプレイしていると、妙に素っ気ないタイトル画面だけれども、中身は秀逸、なんて作品を見つける事も屡々あるのですが、タイトル画面がイカしていると、思わずプレイが楽しみになったりします。

大凡のストーリーを補足しておきましょう。
葵は、人間から、ではなく、妖怪から事件解決を依頼される事が多い、まだまだ一人前とは云いがたい駆け出し陰陽師です。
そんな彼女の元に又しても、ふう、と名乗る妖怪から、家で起きている怪しい物音がする、という現象の解明を依頼されるのだが……という感じです。

葵、そして彼女の保護者兼式神である所のキーさまと一緒に、ふうの家を捜索していく事になります。
ですので、実はこの「捜索パート」が本編のメイン部分なんですよね。

画面上にカーソルを合わせる事で、クリック出来る場所が分かります。そして当然、そこはクリッカブルになっており、部屋に入ったり、引き出しを開けたり、置物を調べたり……と色々な事が出来るように。
そうやって、ふうの家を探索しながら、怪音の原因を探っていく、という形です。

良いな、と思った所は、この探索に於けるテンポや、難易度がいい具合だという点。
比較的分かりやすい謎や仕掛けから入って、徐々に難しくなっていきます。のっけから檄ムズだとやる気無くしちゃいますからねw
なので、序盤から中盤くらいに掛けては、割とサクサクっと気持ちよく探索を進める事が出来ます。

所々、難しい所があるのですが、実は作者さんのページの中にヒントが載っていたりするので、「どうしてもこれ以上は分からん!」って方は参照してみて下さい。
今、ヒントページを見てみたのですが、途中に出てくる「時計」で躓く方が多いみたいですね。
かく云う私も、あれはちょっと躓きました。作者さんのページにヒントは載っている、と書きましたが、私も個人的に詰まった場所なので、自分なりにヒントを書いておきたいと思います。
「んなもん、見たくねーよ!」って方は、数行スルーして下さい。

この「時計」は、クリッカブルのそれではなく、「実際に文字列を入力させる」タイプです。
そこで、複数の数字を利用しなければならないのですが、例えば……「12 8 9」とか数字と数字の間にスペースを入れちゃうとダメみたいです。
又、“アレ”は行って戻ってきているので……。


こんな所かな。
本編は、2種類エンドがあり、一つは所謂バッドエンドに相当するようなもの。もう一つはグッドエンドですね。
どこでそれが別れるのか、というと、或る手順を踏む事で入手出来るアイテムがあるんですね。それの有無によってエンドが分岐する、と考えるといいと思います。
時には、衝動的に進めようとしないで、一旦立ち止まってじっくりと考えてみる、という事も必要になってきます。


気になった点、ですが、本作は「浅葱妖怪相談所」を設立するきっかけとなった事件を描く、というもので、「浅葱妖怪相談所」という大きな枠組みがあるとすれば、その序章に当たる、と考えて差し支えないと思います。
ですので、少し、物足りない感があるんですよね。

これから「浅葱妖怪相談所」というストーリーが始まる……と思いきや、そこでストーリーが終了してしまうので、今回の本編に当たるパートの前後に、短い挿話的なもので良いから、「妖怪相談」に関する何か一つエピソードが入っていたら、もうちょっと印象が違っていたかもしれません。
その意味で、オマケシナリオが入っていたのは良かったですね。ああいう形で、ああいうシナリオが入ると、作品に奥行きが出てきますから。

実は続編の方も制作中、という事なので、続編が出たら、併せてプレイするともっと楽しめるんじゃないかと思います。


大体こんな所でしょうか?
探索も楽しいですし、和風なテイストも確保しつつ、可愛く綺麗なイラストなので、そうした探索型のゲームが好きな人にお勧めです。


それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-11-05 17:25 | サウンドノベル | Comments(2)
2011年 11月 03日

フリーサウンドノベル関係の雑記 箸休めvol.49.5

道玄斎です、こんばんは。

今プレイしている作品もそろそろ終盤、といった所なので、その前に前回の箸休めにて頂いたコメントに対するレスを本記事にて代えさせて頂きたく思います。
で、一応、自分の立場表明とか、そこらへんまで踏み込もうかな? っと。



■前回のつづき

というわけで、前回の続きです。
箸休め、はまだ50回未満しか記事を書いていないのですけれども(0.5みたいな端数は除く)、割とシリアスに書いていたり、問題提起? みたいな事をしているせいか、割とコメントを沢山頂きます。

今回も、それを承けての記事ですね。
まぁ、大体、レスが多すぎて個別にレスを付けられない時は、こうやって0.5みたいな形で記事を書くことに……。確か、この前のoggとmp3の時もそうでしたね。
まぁ、「白か黒か」みたいな議論になっては不毛ですし、その淡い……つまりグレーな感じで、緩い感じでお話していきましょうよ。


まず、私の基本的な立場は、以下の通りです。


・商業化に関しては、反対ではない。寧ろ名作が世に出る事は良い事だと思っている。

・よって、今回の件に関しても「商業主義になりおって!」みたいな事は一切考えていない。

・但し、商業化に当たっては、それを支えてきた人達が納得出来るようなあり方が望ましいと考えている。

・ちなみに、私はフリーゲーム至上主義者では無い。商業もプレイするもんね。


大体こんなところかな。


で、前回記事を書いて色々とコメントを頂いたのですが、意外な程、そのリメイク、そしてイラストが変更される事に抵抗感を持っている人が居なかった……というか、それもアリだと思っている人が多かった、というのは、ちょっと驚きでした。

一方で全面的に同意してくれた方もいましたけれどもねw
何だろうね、色んな観点があって、ごちゃごちゃしちゃって分かりにくいので、議論の焦点をまとめながら、書いていきましょう。



■フリーゲームと商業作品との差異

先ず、挙げるべきはこの項目かな? という気はします。
実際に、作品の名前を挙げて、この観点からコメントを下さった方もいますし、飽くまで同人(フリー)と商業との違い、に焦点を当てつつコメントを下さった方もいます。

脱線するかもしれませんが、個人的には、大きく「ノベルゲーム」と云った場合に三区分を取るようにしています。
乃ち、「商業」「同人」「フリー」の三種です。

商業に関しては特に云うべきことはないでしょう。例の8,800円くらい出して買ってくるアレです。最近ではダウンロード販売なんてのもありますけれどもね。

分け方が難しいのが「同人」と「フリー」の作品。
ある分野に関心のある人(達)が、自身の手で作品を生み出す行為を同人とするならば、フリーも亦同人に含まれます。

けど、ここらへんが結構厄介な所で、一般的に「同人ゲーム」って云えば、それは頒布される事を前提にした「シェアゲーム」ってイメージありませんか? 少なくとも私はそういうイメージがありますねぇ……。

ですので、私は「同人」と「フリー」を分けて考えています。
勿論、条件付きのフリー、なんてのもありますよね。「気に入ってくれたらお金払ってね」タイプです。カンパウェアっていうのが一般的かな。

なんでこんな区分けしているのか、っていうと、後々関連する話に移行する予定なので……。


一旦話を戻しましょう。
商業とフリーのものでは、土俵が違う。これは全くその通りです。
フリーのものは、採算度外視で作られています(だってフリーなんだもん。けど、だからこそちゃんと完成させる人、名作を作る人を尊敬出来るのです)。ですが、商業では売れないといけませんね。もっといえば、「お金」にならないといけないわけです。

頂いたレスで名前の挙がっていた作品は、プロが制作したフリーのゲームです。
これはやはり、フリーの作品と単純比較する事は難しいでしょう。プロとして活躍している事で、謂わば「固定客」が付いているわけですし、「プロが作るフリーゲーム」という響きのインパクトはやはり無視出来ないはずです。
これは個人的な感触なので、サラッと流してくれると嬉しいのですが、あれは、元々商業作品化を或る程度視野に入れた作品……だったんじゃないかと思います。

ともあれ、商業では、目的、そしてターゲットが違う、というのは理解出来ます。
又、先に述べておきましたように、商業化する事に関しては、私は全く異論はありません。

少なくとも、フリーの作品を商業化するに当たって、或る程度のチェンジは必要でしょう。その点も同意出来ます。
素材だった音楽や背景などを一新し、統一感を一層高める。よりプレイヤーに優しいインターフェイスにする。移植(?)されるフォーマットに合わせて最適化する……など、挙げればキリがないような気がしてますけれども、やっぱり、フリーのものをそのまま商用作品には出来ませんよね。
そこには、クオリティのコントロールが必要になってきます。

ですので、フリーのものと商業のものは別物である、という点に対しては「然り」としか云えませんな。

けど……先に挙げた商業とフリーの淡い……つまり同人ソフトの場合はどうでしょう?



■イラストの刷新に関して

前章にて、「商業とフリーは別物である」という点に対しては同意しました。
けど、敢えて持ち出すんですけれども、同人の場合はどうか? って云われると、結構難しいと思いません?

今回、『TRUE REMEMBRANCE』は商業移植に際して、イラストの一新が行われました。
けど、同人の作品って商用になっても……イラストは元々イラストを描いていた人、が担当してません? 或いは原作の同人ゲームのイラストの方向性を最大限に活かす、という方法を採っているような。

試しに、今、ちょっと前に話題になった同人ゲーム『ひまわり』について調べてみました。
「同人ゲーム」としての『ひまわり』のイラストと、「商業作品」としての『ひまわり』のイラストを比較してみたんですが、正直、イラストを描き直したのか、或いは他の人が原作のイラストを限りなく真似しながら描いたのか、私には分かりませんでした。
イラストを描くことが出来る人なら……或いは分かるかもしれませんね。

これが勿論全てのケースに当てはまる、というわけではないですけれども、少なくとも同人作品の商業化に於いて、「イラストはオリジナルの人の担当か、或いはオリジナルのイラストに限りなく近いケース」がある、という事は云えそうです。

同人ゲームを持ち出す事で、微妙に論点をすり替えているように見えるかもしれませんが、やっぱり、商業とフリーの淡いにある同人、を利用しながら、話を進めていく事は有効に思えるのですよ(私は同人方面、詳しくないんですけれどね……)。

何故ならば、商業では目的とターゲットが違う、という意見がありましたが、少なくとも同人は「そこで一山当てる」という意味に於いて(そうじゃなくて、完全趣味の人もいる、という事も付言しておく必要はあるでしょう)、商業に近い「目的」を持っている、と云えそうだからです。一方で作りたいものを作る、というフリーの作品の精神と相通じる所もありましょう。

ともあれ、そうした目的を持つ同人ゲームで、オリジナルのイラスト(か、それに限りなく類似したイラスト)を付ける行為が商業化に際しても為されている以上、「オリジナルのイラストではダメ」という事は云えなくなります。

目的が商業寄りであるのだから、イラストはそのままでいい、というのは、やはり違いますよね。
向いている方向性が違っても、イラストが美しく、作品世界を表現しているのならばイラストはそのまま、か或いはそれをブラッシュアップしたり、原作に限りなく近いイラストにする、という方向性も考えられます。

ここら辺で、私は微妙に持論を後退させています。
つまり、100%里見しばさんのイラストでなくても、その里見しばさんの遺伝子を受け継ぐ……と云った「限りなく里見しばさんのイラストに近い雰囲気のイラスト」なら許容出来る、としたわけです。
けど、やっぱり、個人的な我が儘で云えば、それでも里見しばさんのイラストが一番だと思うんですけれどもね! だって、里見しばさんのイラスト、十分美しいでしょ? そしてそこには、里見しばさん自身の手による立ち絵の一新だったり、一枚絵の一新という可能性もあったと思うのです。

それに……商業作品になるのだから、売る、という目的の為にイラストの刷新があっても良い、という事は、取りも直さず、それは里見しばさんの描いているイラストにダメだしをしている、と同義ですよね。もっと云えば、里見しばさんの絵は「売れない」と云っているような……。極論だけどもね。



■イラストが変わる事で生じる効果

これももう一つの論点ですね。
イラストの刷新とも関わる問題、ですけれども、やはり一度切り離した文脈で考えた方がいいでしょう。

私は、「里見しばさんの描いたイラストこそが、『TRUE REMEMBRANCE』という作品を最大限引き立てる」というような事を書きました。

それに対して、オリジナルだからこそ、作品の魅力が最大限になるとは限らない、といったご意見や、新たなイラストと出会う事で生まれる新しい作品世界の可能性、といったご意見も頂きました。

前者に対しては、「では、他の人がイラストを手がける事で作品の魅力が最大限になるのか?」という疑問を投げかける事が出来ます。
これは、誰にも答えられない問題です。作者さん自身のイラストが、作品世界を十全に表現出来ていない可能性があるとするならば、他者によるイラストも亦作品世界を十全に表現出来るかどうか、分からないのですから。

こればっかりは、商業版になった『TRUE REMEMBRANCE』がどれだけ一般の人(私達みたいなノベルゲーマーじゃなくて、ね)に受け入れられるかどうか、という結果を見てみないと分かりませんね。
確かに、新たなイラストと出会う事で、今までに無かった『TRUE REMEMBRANCE』の世界が出てくるかもしれません。
その点で、又しても付け加えておくべきことは、今回の商業化を私は「上手くいって欲しい」と思っている、という事で、決して「ポシャって欲しい」とは思ってない、という事です。

ただ、誰が描いても、作品世界を最大限引き出す事が出来るか分からない以上、その作品も世界で最も良く知っている作者さん(今回の場合ですと里見しばさん)にある種のアドバンテージがある事は否めないでしょう。
しかも、『TRUE REMEMBRANCE』の場合は、既にしてイラストそのものも暖かみのある美しいものでしたから、余計にそう思うのですよ。

この問題は、まだまだ語る事が出来そうですが、そうすると論点がずれてしまうので、次の章にて。



■作品を支えてきた基盤

『TRUE REMEMBRANCE』は云うまでもなく、フリーのノベルゲーム作品でした。
私がプレイした時、『TRUE REMEMBRANCE』はまだコミックメーカーで動いていましたが、それでもノベルゲームを愛する界隈では、いつも話題に上る作品だったのです。

『僕と君の夏休み』というVIP系のゲームが、10万ダウンロードを達成した、という話をもうかなり前に聞きました。もしかすると今では20万、或いは30万ダウンロードを達成しているのかもしれません。

けれども、当時の『TRUE REMEMBRANCE』を知るものにとっては、『僕と君の夏休み』よりも「熱い」盛り上がりがあったと記憶しているのです(勿論、『僕と君の夏休み』がたいしたことない、とかそういう事を云いたいわけじゃありません。単純比較の為です。念のため)。

プレイした人は感動して、その思いを文章で綴る。
そしてそれを見た別の誰かがダウンロードをしプレイする。
更にその人が、やはり感想なりを綴り、それを見た人が……。

という、非常に良い形での循環があったんですよね。
こうした循環の中では、勿論、ネガティブな面もありました。
それは、『BITTESWEET FOOLS』という商業作品に似ている、という指摘があった、という点です。逆に云えば、そうした指摘が為されるほど、『TRUE REMEMBRANCE』が人々に浸透していた、という事でもありますし、それが商業の作品に迫っていたと逆説的に証明する事になっています。

実際、私も『BITTESWEET FOOLS』を購入してプレイしてみました。
そりゃ、『TRUE REMEMBRANCE』に似ている、とあればプレイしてみたくなるのが人の常。

でもね。
プレイしてみて思ったのは、「ストーリーは全くの別物、但し、絵柄や絵の雰囲気は似ている」というものでした。ヨーロッパ風の街並み……みたいな感じも少し似てたかな?
けど、少なくともそこに因果関係がある、とは思えませんでした。

でも……イラストの感じや雰囲気が似ていたのは事実。
となれば、全然里見しばさんのイラストでも商業として通じるもの、になっているんじゃ? という素朴な疑問も出てきます。少なくとも相当数の人が「似ている」と云っているのですから。
そこでは、ストーリー的にパクリだというネガティブな意見ではなく(前述の通り、私はストーリーなんかは似ているとは全く思っていません)、ポジティブな意味での「似ている」を優先させて考えたい所。


で、話を戻すと、『TRUE REMEMBRANCE』の一つの弱点はそれが「コミックメーカー」製だった事です。
そこが残念、という意見は当時から多くありましたよね。
そうした意見を承けて(か、どうかは分かりませんがw)……豪華なOPや追加シナリオ、追加一枚絵が付いた吉里吉里/KAG版の『TRUE REMEMBRANCE』が制作され、公開されました。

使いやすく、遊びやすくなったインターフェイス。
コミックメーカー時代からの作品としての良さを残しつつも、追加されたシナリオや一枚絵は大変美麗なものでした。
多くの『TRUE REMEMBRANCE』ファンは、このリメイク版もプレイしたハズです。

こんな風に、ノベルゲームを愛する人達が居て、その人達が支持したからこそ『TRUE REMEMBRANCE』という作品が、ここまで有名になり、リメイクを通して、より多くの人に愛される作品になった、と思うのです。

わたしゃ、フリーゲーム至上主義者じゃないですけれども、フリーゲームをこよなく愛する人達、という人的な土壌の上で熟成されて不動の地位を築いたのが『TRUE REMEMBRANCE』である、という感触は常に感じています。まぁ、私個人の感触かもしれませんがw

ともあれ、こういうコンテクストを少し知っている私からすれば、『TRUE REMEMBRANCE』の商業化は兎も角(というか、それ自体は賛成)、イラストが他の人によって刷新される、という事態は、それを支えてきた人達にとって、心情的にあまり面白いものではないだろうなぁ、と思われる、という事。というか、私個人があまり面白くないんですがw

何かね、こういう事書くと、「俺が支えた!」みたいな感じに聞こえちゃうかもしれないけれども、勿論、そうじゃありませんよ? 多くの人が『TRUE REMEMBRANCE』を愛している現場を見てきた、そして自分も亦その中で作品を楽しんで、愛してきた、くらいの意味です。

ここら辺になってしまうと、感情論に近くなってしまうのですけどね。
兎にも角にも、里見しばさんの文章・イラストであるから、支えられた来たのが『TRUE REMEMBRANCE』です。そこらへんのコンテクストを無視して、中身だけ取ってきて、ガワだけ変えちゃう、みたいのはどうもねぇ……。
例えば……元々『TRUE REMEMBRANCE』をプレイして作品を愛していた絵師さんが居て、更にその人がプロであって、商業化するなら俺にやらせてくれ! っていうんだったら、私は許容出来ていたかもしれません。

これは邪推なんですけれども、「名作だから、商業化しよう!」という感じではなくて「人気作品と人気の絵師を使って、一山当てよう!」的な雰囲気を感じるんですよw 今回の商業化はw や、勿論商業化には反対しているわけじゃなくてね。一応念のため、再度書いておきますw
教えて頂いたURLで紹介動画を見た時も「有名作品」である事、そして「有名な絵師」である事は強調されていたわけで、その「有名作品である」「有名な絵師である」という事を露骨に利用しているような……って段々穿った見方にw

兎に角、ある作品を支えてきた土壌や基盤。
その文脈を無視した商業化には、やはり私は違和感を覚えるのでした。何て云うかね、もうちょっとそれまで作品を支えてきた人、そしてこれからプレイする人のどちらにとっても、或る程度納得出来る形であって欲しかったなぁ、という感じでしょうか。

あと、多分、商業版の『TRUE REMEMBRANCE』をプレイした人がフリーのノベルゲームに興味を持つか、
って云ったら、かなり怪しいと思いますw
ご指摘のあった通り、フリーと商業では目的・ターゲットが違うのですから、フリーゲームをプレイするような人達をターゲットにしているわけじゃないですよね? なので、フリーゲームの方に目を向けてくれるようになるか……って云ったら相当怪しいんじゃないかな、っと。



■一番恐い事

一番恐い事は、『TRUE REMEMBRANCE』の商業化を承けて、フリー版の『TRUE REMEMBRANCE』の公開が停止してしまう事です。

こればっかりはどうなるか分かりませんね。
けど、一番恐い事ですね。

男女関係なく勧められて、且つ内容もバッチリな作品が、一つ減ってしまうわけですから、もし、そうなった場合、私は結構ダメージを受けますw

もしかしたら……そういう可能性もある、と考えて、今の内にダウンロードしておいた方が……いいのかも、しれませんね。




うーん、一気に大量に書いたら疲れちゃったよ。
なんか自分が書いた中に矛盾とかありそうな気もするし。

なんだろ、一つ申し添えておきたいのは、コメントに対する「レス」であって、「反論」じゃない、という事ですね。結果として意見が対立する事はあるでしょうし、そこでどちらかがどちらかに無理して意見を合わせる必要はないじゃないですか。

頂いたコメントを承けての私のどうしようもないレス、くらいに考えて下されば幸い。


というわけで、近々また一本作品レビュー致しますので、その折りはどうぞよろしう。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2011-11-03 20:50 | サウンドノベル | Comments(5)