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2012年 03月 29日

フリーサウンドノベルレビュー 『Being -君がいた日-』

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今日の副題 「いかまほしきはいのちなりけり」

※吟醸
ジャンル:ある1つのコンセプトを元にしたシナリオ集
プレイ時間:全部読んで、凡そ1時間ほど。
その他:どのシナリオも選択肢なし、一本道。
システム:NScripter

制作年:2012/2/8
容量(圧縮時):55.0MB



道玄斎です、こんにちは。
今日は、こんな時間に更新します。それも久しぶりのノベルゲームレビュー。
というわけで、今回は「Clover」さんの『Being -君がいた日-』です。
良かった点

・プレイしやすい短編集。テーマに沿った感動系のシナリオが三本入っています。

・演出とテキストとが絶妙にマッチしている。

・地味ながらも良作が、定番だけれども感動出来る、そんな作品が入っている。


気になった点

・かなり『Kanon』っぽいシナリオがあったw

・もうちょい、シメ感のあるエンドが欲しいものも。

大体、こんな所でしょうか?
ストーリーはちょっと長いですが、ふりーむの紹介文から引用しておきましょう。
■バースデイ -to you-
――誕生日、おめでとう。
今日は娘の誕生日。主人公、千歳(ちとせ)は最愛の夫と共に、それを祝う。
素敵なプレゼントに、少し奮発したレストランでのおいしい料理――。
幸せだった。あたたかな家庭がそこにはあった。
それは、何でもない日常の1コマのお話……。

■この世界で笑いたくて
少年はビルの屋上にいた。
屋上から見下ろす夜景を、別の世界から眺めているような気がした。
少年はこの場所に、自らの生涯を終わらせに、自殺しに来た。
――やめた方がいいわよ。
ふいに聞こえた少年を止める声。この瞬間から、絶対に出会うことのない、少年と少女の物語が始まった。

■桜とさくら
――桜の下には、なにがいるの?
専門学校に通うため、明日香(あすか)は”この街”へ引っ越してきた。
街を見渡せる小高い丘、そのてっぺんに聳える桜の木。
そこで私は『さくら』と出会った。大切な、大切な、友達と……。

久々に或る程度尺を持った作品をプレイした気がします。
短編集、というのも、取っつきやすい感じで良かったですよね。実はノベルゲームで短編集というものは、少し厄介なものを秘めていて、それはズバリ「纏まりがないものが出来てしまう」という危険性です。
が、本作の場合は、あるテーマを軸としたシナリオ集、ということだったので、こうした危険性が未然に回避されています。
やっぱり、一本軸があると、纏まりが出て、個々のシナリオでありながらも、一つの作品として成立している。そういう感触がありますね。


さて、中身に入っていきましょう。
まず「バースデイ -to you-」ですが、短いながらも味のあるシナリオで、これをプレイしながら「これは絶対に良い作品だ」と思いました。
娘、千歳の14年分の成長を、手紙を通しながら、次々と語っていくのですが、このテンポが絶妙でしたね。ともすれば駆け足になってしまう。或いはダレてしまう。
そんな後半のシーンが、過不足無く語られ、ジワッと来る作品になっていました。

強烈な派手さ、或いはキャッチーさは無く、云ってしまえば地味な作品である事は確かです。しかし、地味=ダメという事は絶対になくて、地味だけれども良い作品は、世の中に沢山あります。
もしかしたら、このシナリオが、一番本作の中でふわりとした優しさを持つ作品だったのかな? なんて思いました。


次の「この世界で笑いたくて」ですが、自殺志願者の少年と幽霊らしき少女の交流を描きながらストーリーが展開されていきます。
何か悩みを抱えた人間と、人間以外の幽霊とか(って云っていいのかな?)の何かが交流していく、というテーマはノベルゲームでは、割と定番のものです。実際に、次の「桜とさくら」も、そうした趣のある作品でしたし。

さて、この作品は、絶妙な伏線の張り方がしてあります。
どこか、は敢えて云いませんが、九州檀氏さんの『君と再会した日』をプレイしていたりすると、割とすぐに分かってしまいますw 『君と再会した日』は二重に捻ってあるわけですが、同系統の伏線の張り方、と云っても良いのではないかと思います。
多分、『君と再会した日』をプレイしていない人は、この伏線の張り方に、してやられた感を感じるのでは? 

一方、気になった点は、何というか『Kanon』に似てたんです。
凡そ、恋愛ノベルゲームで『Kanon』の影響を直接間接(二次的な摂取も含む)を問わず、受けていない作品は少ないでしょう。勿論、意識してやった、というのではないと思います。
が、ラストでどうしても『Kanon』と重なってきてしまいますねぇw ですが、実は、そこがフリーのノベルゲームの面白さの一つ、でもあります。

ある作品とある作品がオーバーラップしたり、更にその中に当然あるであろう差異が面白かったり、似た場面や設定を持ってくる(意識/無意識を問わず)ことで、別の作品が重なり、瞬間的に作品が二重に再生され、厚みを増したり……。
なので、一概に、似てるから悪い、とは云えない面があるんです。

寧ろ、私が気になったのは、このシナリオのラストです。
ストーリーを積み上げていって、『Kanon』っぽさが出て、「さて、どんな結末になるんだ?」と思っていたら、意外や意外、ストンと落ちてしまったという。
枯淡、ではないですけれども、ストンと落ちると良い作品も確かにあります。が、このシナリオだったら、もう少しラストのオチの所で、もう少しシメ感というか、そうしたものが欲しかったですね。


さて、最後の本作唯一の長編シナリオ(と云っても35分くらい)の「桜とさくら」です。
桜の木と幽霊。定番の取り合わせです。が、気合いの入った良いシナリオだったと思いますよ。

主人公明日香は割とボケボケで、「幽霊が出る」と但し書きがしてある土地に勝手に入るわけですが、そこに現れた着物姿の女性を幽霊だと認知出来ない、というw
幽霊ことさくらと、明日香のやり取りは、温かみのあるものでこのシナリオの一つの特徴になっていますね。プレイして35分くらいでしたから、シナリオの容量は凡そ50~60キロといったところでしょう(100kbで一時間と云われています)。

そのテキスト量に反して、中身はギュッと詰まっている。そんな感触がありました。
テーマの一つであろう、「櫻=さくら」の持つ、淡い少しファンタジックな雰囲気もシナリオと良く合っていました。

このシナリオで一番光っていた所は、やっぱりラストですね。
プレイしていくと「こういうところに落ちるのかな?」と微かな予想は立てられます。けれども、そこで奇を衒わずに素直にドッと印象的な場面を出してくる。これは予想していても、やっぱりグッとくるものです。
ヒネリすぎて訳が分からなくなってしまうより、期待を裏切らない形でのラストも良いものですよ。

敢えて……気になった点を挙げるならば、高校卒業しているのに、あんな幼稚な形での虐めが行われるのかなぁ? という辺りで、シナリオの中身とはあまり直接的に関わってこない部分ですね。


大体、全体を俯瞰してみると、こんな感じになりますでしょうか。
ところで、本作は『ジサツ志願者同盟』と『自殺請負人』の作者さんとの合同サークル名義での作品になっています。
共に、「自殺」という、『ナルキッソス』以降、急激に増えて、そして、それが故に扱いにくくなってしまったテーマに、果敢に向かっていった作品です。
双方のレビューでも書いたと思うのですが、「死ぬこと」だけに焦点を絞らず、その先にある「生きること」を見据えた作品になっていたはずです。

それを更に推し進めて、本作のような作品が生まれたのだと、勝手に思っています。
作品紹介にある、「ある1つのコンセプト」とは何か? それは、個々人が考えて出した答えが、最良なのでしょうけれども、私は、「“残り続ける”命」とか、その辺りがコンセプトだったのではないか、なんて思っています。

サブタイトルの「君がいた日」という言葉がある事から、単純に「生そのもの」ではなく、生き続け、生まれる人がいる一方で、「いなくなってしまった人」がいるハズです。
その辺りを、上手く説明出来る程、ボキャブラリーが豊富ではないですから、苦し紛れに「“残り続ける”命」とか云ってみました。


『自殺請負人』『ジサツ志願者同盟』と比べてみると、パッと見、真逆なコンセプトのようでいて、その奥に底流しているものは、かなり近いものを持っているような気がします。

短編と云って、侮る勿れ。
久々に読み応えのある、ノベルゲームでした。少し切なく、そして温かいドラマを是非、楽しんでみてください。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2012-03-29 15:43 | サウンドノベル | Comments(0)
2012年 03月 25日

フリーサウンドノベル関係の雑記 箸休めvol.51

道玄斎です、こんにちは。
なんか、毎度云ってますけれども、最近、新作のノベルゲームで目を引くようなものがなくて。
日常生活の忙しさと相俟って、中々ゲームの紹介が出来ずにいたりします。

さて、今回は、久しぶりの箸休め。
大凡、箸休めを書くとコメントが大量に付くのですが、果たして今回はどうなることやら。



■洋ゲーの世界

日本国内でめぼしい作品がないとすれば、手を出すのは、そう洋ゲーです。
ノベルゲームのレビューサイトは数多くあれど(あるんだっけ?)、洋ゲーに手を出しているところは少ないハズ。「人のやらない事をする」というのが、このブログの一つのコンセプトですから当然、洋ゲーにも手を出すわけです。

過去にも何作か洋ゲーを取り上げたのですが、全くと云っていい程反応がありませんw
まぁ、仕方ないのかもしれませんねぇ……。率直に云って、海外のそれはまだまだ熟していない、という印象があります。
そうした洋ゲーの世界の中で、『かたわ少女』という作品が話題の俎上に上るのは、或る意味で必至だったのかもしれませんね。少なくとも、ビジュアルは素晴らしいですし、尺も相当長目(だと思われる)で、中身を見れば、恐らくオーソドックスな学園恋愛アドベンチャーなのですから。

まぁ、ただ、私はあまり『かたわ少女』に関しては、積極的にプレイしたい、とは思っていません。体験版は勢いでプレイして、このブログでも紹介したのですが、落ち着いて考えてみると、「果たして、こういうゲームってどうなんだろうね……」と思ったりするわけです。
一方で、佐藤リリーさんに関しては結構気になっていたりするという千々に乱れる心もありつつ。


それは兎も角、ここ暫く、Ren'Ai Archiveという場所から、パッと見面白そうな作品を探してきてはDL。そしてプレイ、を繰り返しているのですが、どうにもこうにも良い作品に巡り会えません。

改めて云うまでもないのかもしれませんが、基本、向こうのゲームはRen'Py製です。
普段私達がプレイする、NScripterや吉里吉里/KAG製のゲームと同じようにプレイ出来る……んですが、少しだけクセがあるのも亦事実。
そもそも、マルチプラットフォームを謳っていますから、Windows用、Macintosh用、UNIX用のバイナリが用意されていて、自分のマシンに合ったものをDLする、という、ダウンロードの段階からして差異があったりします。

國産ゲームの多くは、Windowsで動かすことを前提としていますから、「俺はWindowsユーザーだから、これをDLすればいいんだな……」なんて事はありませんよね。
しかも、自分のマシンに合ったものをDLしても、必ずしも動くわけではない、というw
そうですね……。大体私の体感では、三作品に一作品くらい、動きませんw


ここまでは、プラットフォーム的なガワの話。
次は中身に入っていきましょうか。

先ず、プレイして気づくのは、イラストが独特なものが多い、という事。妙にバタ臭いというか、私達が普段目にするゲームのそれとは大分ベクトルが違うイラストが付いてたりします。
あと、酷いのになると、日本のゲームのキャラの立ち絵を(どうやったのか知りませんが)そのまま使用しているものもあったりします。

あとは音楽なんかもそうですね。
タイトル画面に流れるボーカル曲。黙って聞いてりゃ、あんた、日本語で歌われてる曲じゃないですか! 寡聞にして私は全然知らない曲だったのですが、日本の、恐らくゲームの曲をそのまま自作品のタイトルに使っちゃうわけです。
そのゲームは、タイトルから進んで本篇に入っても、「楽曲の無断使用」がハバを効かせますw
「……ん? このリズム……聞き覚えがある……」なんて思っていたら、マッシブ・アタックの曲でした。

意外や意外、立ち絵素材は、私達にも馴染みのあるものが使われていたり、もします。
『私の黒猫』なんかでお馴染みの、あの立ち絵が使われているのを発見しました。が、彼女の名前はイザベラだったんだ!


ストーリー的にも、どうにも物足りなさを覚えてしまいます。
ただ、良い点を挙げるならば、「妙なダラダラ感が少ない」と云う事が出来るのかもしれません。その代償として大体が薄味なんですけれどもね。
本来ならば、一時間くらい掛けて読ませるべき作品が、15分程度にギュッと圧縮されていたりするので、圧倒的に物足りなさを覚えたりするわけです。

心理描写なんかも、割と少なめ……なのかな?
下手をするとト書きが( )で付いていたりもしますしw
それを考えると、以前紹介したハーレクイン的洋ゲーは、かなりノベルゲームらしかった、と云えそうですw


ヒロインがセーラームーンだったり、『AIR』の神奈備命だったりするんですけれども、そういう意味でいえば、日本のゲームの直接的な剽窃、パロディ作品がかなり多いのは事実です。
しかし、だからと云って、「洋ゲーはダメだ……」と切り捨ててしまうのは、あまりにも早計というもの。

洋ゲーをプレイしていて、ふと感じるのは、洋ゲー圏ともいうべきコミュニティに存在する「伸びしろ」です。
まだ全然未熟なんですが、「なんかゲーム作りてぇ!」という強烈な衝動を感じるんですよね。割と誇らしげに「四時間で作ったぜ!」なんて添え書きがしてあったりして、ゲーム制作への衝動というか、やる気みたいなものは伝わってきます。

けれども、そこに「練り込む」為の時間がやっぱり、欲しいなと思いますね。
四時間で作品を作るのは確かに凄い。けれども、一週間くらい掛けて、シナリオをボリュームアップさせたり、文章をブラッシュアップしたり、足りない描写を補ってやったり……と手間をもう少し掛ければ、良い作品が出来上がってくるんじゃないかな? なんて思うわけです。


ここは一つ、英語に堪能なノベルゲーム制作者さんが、Ren'Pyでゲームを作って、向こうで公開して啓蒙してみる、なんていうのもアリかな、と思います。
「俺に任せとけ!」って人が出てこないかなぁ……。


あれこれグダグダ書きましたけれども、何よりも、一本プレイしてみるのが洋ゲーの雰囲気を掴むための一番の方法だと思います。
そして……「おや? これはいいぞ……」という作品があったならば、こっそり教えてくれたら嬉しいです。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2012-03-25 15:09 | サウンドノベル | Comments(0)
2012年 03月 20日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『手紙』

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道玄斎です、こんにちは。
今日は、コメント欄にてお勧めして頂いた作品のご紹介。とはいえ、私も昔のYuuki! Novelのヴァージョンでプレイしていたりします。なので、NScripter版を使っての再プレイという事になりますね。
というわけで、今回は「P.o.l.c.」さんの『手紙』です。



この作品、初版がYuuki! Novel製で、2005年にリリースされています。
今から……7年前ですね。今回プレイしたNScripter版との違いは、まさにツールの違いだけであって、シナリオやグラフィック、といった面は変更がないようです。

それはともかく、この移り変わりの激しいノベルゲームの世界で、7年も作品を作り続ける(P.o.l.c.のわたるさんから、何やらシナリオを書いているとの事、最近伺いました)という事、中々出来る事ではありません。

本作も亦、ノベルゲームの世界に於いて、一つの古典とも云える作品なわけですけれども、2005年前後にも多くの名作があり、古典と化してきました。
けれども、単発でのリリースが多かったですね。良い作品が生み出される。けれども、そのまま作者さんはノベルゲームの世界からフェードアウトしていってしまう。

継続して作品を作り続ける。
そして、その一つ一つの作品に、力を込める。
これは本当に大変な事だ思います。その始発点とも云えるのが本作『手紙』です。


大分前置きが長くなってしまいましたね。
プレイ時間は凡そ、一ルート(選択肢はあれど、実質一本道)20分ちょい、といったところ。
かなり短い作品です。けれども、そこには凝縮された内容があるので、満足感が非常に高いのです。

昨今のノベルゲームを見渡してみれば、「長いのに薄味」、或いは「長く、且つ全体的にコッテリ」といった作品が多く見受けられるのですが、私なんかは、こうした「短くてもギュッと」というタイプの方が好みです。
勿論、長い作品には、長い作品なりの良さや仕掛け、があるものなんですけれどもね。

こういう作品はネタバレをしない方が良いので、所々ボカしながら書いていこうと思います。
主人公渡辺貴宏が、一枚の謎めいた、そして深みを感じさせる手紙を携え、帰郷する所から物語は始まります。

この作品のファンタジックな部分は、正直割とありがちなもので、且つ性急な印象があるのですが、そこは短編ということで、目をつむる、というのも一つの享受の仕方かなぁ、なんて思ったりもしますね。
まぁ、あまりに主人公がファンタジックな仕掛けを簡単に受け止めてしまえる辺りが、私には気になったりします。もう少し、尺が伸びてもいいから、主人公の戸惑いなんかを描いてやっても良かったかな、という事ですね。
ともあれ、帰郷とファンタジックな出来事、過去と現在が上手く繋がる形でストーリーが展開されていきます。

一応選択肢はあるのですが、どれを選んでも最終的には、一つの物語に収斂してしまうので、選択肢に対してナーバスになる必要はないでしょう。しかも、「これが本筋!」というのは、すぐに分かるはずなので。


本作の何より光っていた部分は、タイトルにある「手紙」の存在と、その使い方です。
冒頭部で示される、謎めいた手紙、本作は「この手紙の意味を探る物語」と云えるのかもしれません。
冒頭で示された手紙の存在は、中盤少し影を潜めてしまいます。が、後半になってまた、その手紙がグッと作中で活きてきて、「冒頭部での手紙はこういう事だったのか……」と納得させるものになっている。20分と少しの尺の中で、巧みにストーリーが構成されているからこそ、の演出でしょう。

ところで、今回スクリーンショットを撮る場所に、相当悩まされました。
悩んだ挙げ句、『手紙』だから手紙を撮ろう! と冒頭部の手紙を撮ってきました。他の部分を撮る、というのも一案なのですが、何しろ立ち絵も一枚絵もない作品なので、それだったらいっそ、タイトルに沿って……というわけです。


テーマ、そしてメッセージという意味では、実はこれも亦ありがちです。
家族、というものを再確認していく、と簡単に纏めてしまえますから。
が、先にも述べました様に、「手紙」という芯が一本入った事により、ストーリーに深みと奥行きが加わっています。


仕掛け、或いはテーマ、メッセージという意味でインパクトはさほどありません。
ですが、丁寧に作られている事がハッキリと分かる文章で、それだけで、作品はグンと質が良くなるのです。

凝った文体や言い回し、或いは選択肢分岐。
それらが上手く作品にハマれば、その効果は大きいと思います。
でも、地味ではあるけれども、分かりやすく丁寧に文章を綴る。たったそれだけで、地味な作品も光り輝いてくるのです。まぁ、本作の場合、ギャグっぽい選択肢もあるっちゃあるんですがw



云ってしまえば、地味な作品です。
ですが、その地味な雰囲気と作品全体を包み込む、しんみりとした情趣がマッチして、感動出来る良い作品になっていたと思います。

かなり有名な作品で、P.o.l.c.さんの「感動作品」の原点とも云えるものです。
まだプレイしていない、という方がいらしたら(ここを見ている人はプレイしてます、よね?)是非プレイしてみて下さい。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2012-03-20 12:56 | サウンドノベル | Comments(0)
2012年 03月 16日

なんてことない日々之雑記vol.365

道玄斎です、こんばんは。
ここ数日、どうにもこうにも、頭が重たくて、日中苦労します。
何故頭が重たいのか、というと……。



■これが不眠症

簡単に云えば、「良く眠れていないから」ということになりますが、不眠というヤツも奥が深くて。
どうやら、一口に不眠、と云っても、その様態は様々なようです。
例えば、疲れて疲れて「よし、やっと眠れる」と布団に入っても何故か眠れない。或いは、運良く眠りに就くことが出来たはいいけれども、夜中に目が覚めてしまう。それも二回、三回と。

この様に、不眠にもいくつかの型があるらしいです。
ちなみに、私はそのものズバリの「眠れない」と、「眠りが浅い」です。確かに体は疲れてるんです。夕方頃になると欠伸が出るのは、健康な感じがします。

が、布団に入っても何故か眠れないのです。
寝返りを幾度となくうって、それでも眠れずパッと時計を見てみれば、午前四時。
「なんてこった……」と半分うなだれていると、ようやく眠気がやってきて……。

という感じですね。
こういう状態が長く続いたので、医者にかかった所、所謂睡眠薬が処方されました。
で、眠れるようになったのか、というと、実はさにあらず。
そりゃ、最初の頃は「こりゃ、死ぬほど便利な薬だ……」と思ってしまうくらい効いたんです。けれども、この手の薬は何故か段々効かなくなるという定めがあったりします。
ですので、薬を変えて、また変えて……とやって、今に至ります。

でも、今以て寝付きの悪さは天下一品です。
夕方頃から欠伸が出てきて、薬を飲んだら薄ぼんやりと眠気も起きる。だけれども、中々眠りに就けないのでした。

更に厄介なのは、夢、の存在です。
夢には、凡そ二つの意味があって、「将来、素敵なお嫁さんになるの!」みたいな、将来への願望と、眠っている時に見える(?)映像です。
ここでは勿論、後者の方です。

で、私は毎晩毎晩、バカみたいに夢を見ます。
それも大体長編。夢というと、何となく断片的な映像や場面が出てくる……という人が多いかと思いますが(私も嘗てはそうでした)、私の場合、或る程度明確なストーリーを伴った夢、を見るんです。
そして都合の悪い事に、そうした夢の大半は、所謂悪夢だったりします。
これは結構辛いですよ。夢を見る(私の場合フルカラーだ)という事は、取りも直さず脳みそが休んでいない、ということですから、私の脳みそは殆ど一日中稼働しています。元々デキが悪いのに稼働しても意味がない気がしますが、動いている以上仕方がないのです。

そう云えば、「連載モノ」の夢を見たりもしますよ。
夢を見ていると、「あっ、これはこの前の続きだ!」と認識出来る瞬間があるんです。かと云って、夢の中のストーリーに自分の意志が介入していく事は不可能なので、延々と流れ続ける映像/ストーリーを見る事になるわけです。



まぁ、大体毎晩毎晩、こんなんで悩んでるのが不眠症の人、という訳です。
そこには「日中ちゃんと体を動かせばよく眠れる」とか「もっとゆったりとした気持ちになれば眠れる」とか、「カフェインを採らないようにすれば眠れる」という様な論理は成り立ちません。

日中、激しく運動していても眠れないものは眠れませんし、ゆったりとした気持ちになれないからこそ、悩んでいる、とも云えるわけですし、カフェインを採らないなんて古典的な対策は、とっくに実践しています。

だからこそ、薬、という謂わば最終手段に出ているわけで、それでも中々眠りづらいときているものですから、結構苦しいのです。
それに、薬は、次の日まで「残る」んです。つまり日中にぼーっとしてしまったり、頭が重たくてどうにもダルかったり。なので、薬の調整とか、眠る時間の調整とか色々総合的にやらないとマズイみたいです。



と、まぁ、つらつらと例によって書きましたが、大体不眠症について分かって頂けたのではないでしょうか?w
そんな訳で、ここんところ、ノベルゲームのプレイが完全に停滞しています。
なんかこうね、サックリプレイ出来て、内容がギュッと詰まってる。そんな作品があったらなぁ、と思います。誰か紹介してくれないかしら。


今日こそ、ちゃんと眠れたら……という一縷の望みを託して筆を擱くことにします。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2012-03-16 18:56 | 日々之雑記 | Comments(8)
2012年 03月 07日

なんてことない日々之雑記vol.364

道玄斎です、こんばんは。
ちょっとプレイしたいノベルゲームもあるのですが、ちょっと時間がとれずに放置中……。少し更新が滞ってしまいますね……。



■肋骨骨折

というわけで、気がついたら肋骨が折れてましたw
いや、一週間ほど前からずっと、胸(の骨=肋骨)が痛くて、騙し騙し生活していたのですが、一向に治る気配がないので、流石に焦って「こりゃ、医者に掛かるか……」と重たい腰を上げる事に。

レントゲンを撮って、診察を受けたら、

「あー、折れてますねー」

と云われましたw
道理で痛かったわけです。幸い、深刻なダメージがあるとか、入院しなきゃいけないとか、そういうのではなくて、4週間安静にしていれば治る、という事だったので大人しくしています。

そのスジに詳しい人によれば、肋骨の骨折は治りやすいそうな。
足とか折ったら、結構大変そうですけれども、私の折った肋骨は、位置がズレるような場所ではなくて、日常生活にそこまで支障はきたしません。

ただし。
くしゃみをすると、痛くて泣きそうになりますw 
何だかんだで、骨折れてるわけですから、振動や衝撃はちと辛い。
いちおー、拡大解釈すれば、全治4週間って事ですから、そこそこな感じでしょ? なので、骨折にかこつけて、面倒な作業とかはスルーさせてもらおう、とかズルい事を考えていたりして……。



まぁ、兎に角無事で生きてます。
本当に、あとはノベルゲームがプレイ出来るくらい、時間的/精神的な余裕があれば良いのですが……。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2012-03-07 20:50 | 日々之雑記 | Comments(0)
2012年 03月 01日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『Candy Box』

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道玄斎です、こんばんは。
今日は今まで名前こそ知っていたものの、何故かプレイを先延ばしにしていた作品のご紹介。もっと早くプレイしておけば良かったよ……と後悔するのもいつものこと。
というわけで、今回は「同志を待つ」さんの『Candy Box』です。



本作はどうも、iPhoneなどの携帯機でプレイする事を想定しているようで(PC版も勿論あります)、少し特殊な画面サイズをしています。いつも大体、スクリーンショットを撮ってそれを小さく加工するのですが、本作の場合原寸大、とまでは云いませんが、結構それに近い感じですね。

それはさておき。
ノベルゲームで、ほろ苦い作品と云えば、私がまず思い浮かべるのは『雨ではなく、雪でなく』です。
従姉妹の深雪と自分。そして自分の兄貴の三角関係にも似た、ほろ苦い恋愛模様が描かれる名作なのですが、ほろ苦いノベルゲームとして、新たに自分の脳内にインプットされたのが本作『Candy Box』。

何度かご紹介している同志を待つさんの作品です。
ストーリーをうんと簡単に纏めると、高校二年生の時に出会った“彼女”と主人公徹の不思議な間柄を描いていく……というものです。
何故、彼女に“ ”を付けたのかというと、彼女の名前は最後まで分からないからです。それも本作の演出の一つなのかな? という感じがしますね。
こういう作品で、ヒロインにありきたりだったり、或いは奇を衒った名前を付けてしまうと、その名状しがたい淡い部分が薄れてしまうような気がします。そういう意味で、本作の彼女が名無しの彼女であった点、高く評価したい所です。


徹と彼女は、彼女の提案により性的な関係を持つに至ります。
けれども、二人の間に恋愛感情があると云ったら怪しいのです。けれども、明るくサバサバとした彼女のキャラクターが「性的な関係を持つ」という状況を自然に演出し、尚かつ、いやらしく見せないように機能していて好感が持てました。

彼女は彼女で、色んな彼氏が居たりする。
徹は徹で、好きな人がいたり、彼女が居たりする。
しかし、二人は何故か離れられない。最初の一回だけで性交渉はないものの、軽口を言い合える良い友人のような、恋人未満のような、時として恋人以上の存在のような……そんな二人の関係で、中々興味を惹く設定だと思いませんか?


高校が終わり離ればなれになってしまう、徹と彼女。
そこで、もう一度だけ彼女との性交渉が描かれます。性的なシーンなのですが、先にも述べた通り、いやらしさや、所謂エロゲ的なそれとは一線を画している事、お伝えしておきます。

そして、その後に彼女の消息を知る、という形で物語は幕を下ろします。
所謂サンドウィッチ型の作品なんですが、ラストシーンがいいんですよ。とってもほろ苦くて、「ありそうで無い」「無さそうである」、というような絶妙なリアリティで、胸がキュンキュンする事請け合いです。

大体、私がプレイして15分でしたから、短い作品なんですけれども、結構インパクトのある作品だったんじゃないかな、と思います。特に男の人にはw この作品で描かれるようなキュンキュン具合って男じゃないと分かりにくい気がしますよ。


気になった点、という程でもないのだけれども、少し色々述べてみましょう。
作中で彼女がシュガークラフトという趣味を持っている事が描写されます。それが中盤、主人公と彼女の接触をナチュラルにする為に効果的に使われていたのですが、もう一押し使い所があったんじゃないかな、なんて思います。

例えばですよ? 
ラストシーンのメールで、彼女の作ったシュガークラフトの画像が添付されている、とか。
主人公と彼女を繋ぐ装置として、だけではちょっと勿体ない設定でした。まぁ、ここらへんのさじ加減って難しいですよね。「こういうのはどう?」って云っても、作ってる本人からしてみたら「蛇足」だと思えるかもしれないですし。



15分の尺の中で、丸二年+αを描いてしまうという作品です。
かといって、超スピードでストーリーが進むのかと云えばそうではなく、要所要所を抑えながら季節が推移するので、違和感は殆どないはずです。
そして、その中に、胸の中に残り続けるほろ苦い感触。私好みの良い作品だったと思います。
ほろ苦いラブストーリーをお探しの方は、是非プレイしてみて下さい。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2012-03-01 19:00 | サウンドノベル | Comments(2)