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2012年 04月 29日

フリーサウンドノベルレビュー 『ONIGAWARA』

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今日の副題 「我が名はブルーフレイムッ!」

ジャンル:中二病ノベル(?)
プレイ時間:小一時間。
その他:選択肢無し、一本道。
システム:NScripter

制作年:2009/10/10
容量(圧縮時):34.3MB



道玄斎です、こんにちは。
連休、皆様は如何お過ごしでしょうか? 私は、例によって例の如く体調が悪いので、随分グダグダと過ごしています。で、まぁ、そんな時には思いっきり笑えるノベルゲームが最適だろう、という事で色々探してみて、発見したのが本作。
というわけで、今回は「EIN-CHERE」さんの『ONIGAWARA』です。
良かった点

・中二病描写が楽しい作品。思わず吹き出してしまう部分も。

・後半、シリアスな方向も見せてくれる。


気になった点

・賛否両論あるラスト

ストーリーは、ふりーむの方から引用しておきましょう。
鬼ヶ原第二中学校に通っている中学二年生、青木炎(ブルーフレイム)。
彼は世の中の全てを下らないと感じ、ブログを設立して学校生活の日々を記録していく。

……そしてある日、ブログを通してMARIAという人物に出会い、新たな志を得る。

新たな世界を作り上げるために、青木は立ち上がった。

中二病の作品と云えば、先ず思い浮かぶのが『電波電波カプリッチョ!』でしょう。
現在進行形で制作されている作品としては『い~びる☆あい』とかもありますね。

中二病、というのはオイシイ設定なのにも関わらず、実は意外とそれを題材にした作品は少ない印象があります。本作は、2009年というかなり早い段階で中二病に目を付けていた作品、という事になりましょうか。

ストーリーを見て貰えれば、直球の中二病作品である事、理解して頂けると思いますw
世の中全てに対して斜に構え、挙げ句、かなり痛いブログを綴る主人公ことブルーフレイム。もう、この時点で笑ってしまう人は笑ってしまいますね。

内容としては、主人公が気に入らない相手の事をブログでけちょんけちょんに書く。
すると、その相手が何故か怪我をしたりする事に。
それに味をしめ、更にMARIAなるブログの愛読者に背中押されて、どんどんブログが過激になっていくのだが……という感じ。所謂、ブログ版デスノートみたいな、そんな趣ですね。


前半の、こうした中二病描写はひたすら楽しく、「中二病の典型例」とも云えるものになっています。
勿論、それだけでは終わらず、中盤~後半に掛けて、かなりシリアスで真面目な展開も見せてくれます。
ブルーフレイムの所業(?)は過激になりすぎて、実際に重態に陥る生徒まで出てきてしまいます。そこで主人公は、一気に中二病から覚めるんですw
そして怪我をさせてしまった(?)生徒への償いを込めて、真面目に生活していく事、彼らが戻ってきたら謝る事を決意して、日々過ごしていくことに。

こうした、ただの中二病だけで終わらないストーリーの運びはいいですね。
『電波電波カプリッチョ!』がそうであったように、中二病に+αがないと、ストーリーとしての奥行きがどうしても出てきませんから。

ただ、一つ、作者さんのページにも書いてあるのですが、ラストは賛否両論分かれそうです。
こうしたギャグ作品に対して、「気になった点」を挙げるのは実は困難なんですよね。ギャグという枠があって、その中でちゃんと笑えれば、それはそれで所期の目的を恐らく果たしているハズですから。

あのラストで、気になる人はいるのかなぁ……という感じではあるのですが、「えええ?」と思う人も中にはいるのかもしれませんね。そういう人は、作者さんのサイトのQ&Aを見る事をお勧めしておきます。
けど、逆に、この展開であれ以外のオチは、私はちょっと思い浮かばないですねぇ。
『電波電波カプリッチョ!』とは、方向性が違いますが、こういう作品も面白いものです。



今回は短めですが、この辺で。
中二病ネタが好きな方は、プレイしてみて下さい。きっと爆笑出来る箇所がありますよ。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2012-04-29 13:34 | サウンドノベル | Comments(0)
2012年 04月 16日

フリーサウンドノベルレビュー 『君の道、僕の道』

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今日の副題 「二人の道はまだまだ続く」

ジャンル:恋愛ノベル(?)
プレイ時間:2時間ほど
その他:選択肢なし、一本道
システム:YU-RIS

制作年:2011/9/?
容量(圧縮時):66.1MB




道玄斎です、こんばんは。
今日はなんか具合がとても悪くて、蟄居していたのですが、こういう時こそ積んでいたゲームをプレイするチャンスなので、気になっていた作品をプレイしました。
というわけで、今回は「同人ゲームサークルalpha」さんの『君の道、僕の道』です。
良かった点

・厭味、澱みがなく、素直に読み進めていけるテンポの良い作品。

・お約束の展開を見せるも、中々楽しいストーリー。


気になった点

・何と言っても、締まらないラスト。

・後半、キャラクターの感情変化が激しく、置いて行かれる部分も。

今回は、私がストーリーを纏めておきましょう。
海原海斗は、大学進学の為上京する事となった。
家族と別れを告げ、東京行きの寝台車に乗り込んだはいいが、荷物入れの中には袋にくるまった女の子、井波京香がいた。彼女は家出をして、寝台車に潜り込んだという。海斗は彼女を匿い、一緒に東京まで行くことにしたのだが……。

と、こんな所でしょうか?


さて、久々のノベルゲームレビュー。
奇を衒わない素直なタイプの作品だったと思います。

プレイをするとすぐに分かるのですが、キャラクター同士の会話の掛け合いに力が入っています。
主人公の心中と同化している地の文も、割とくだけた感じで、時にギャグっぽさを交えながら描写が行われます。
こうした掛け合いの要素が強かったり、或いは主人公の心中思惟が多い作品は、下手をすると、とてもテンポが悪くなってしまいます。プレイヤーの気持ちとしては、次の展開を早く見たいのに、何故かズルズルと引き延ばされる何てことない日常シーン……。

しかし、本作の場合、掛け合い、海斗の心中思惟で話が進んでいくタイプであるにも関わらず、テンポが損なわれません。
それは、「ストーリーのテンポが良い」からでしょうね。小気味よく場面が変えていくことで、冗長さを無くし、ストレス無くプレイ出来るように作ってある、という印象を受けました。

家出少女、京香とは、東京駅で一旦別れてしまうのですが、お約束通りにすぐに再会し、同居することに。
この辺り、お約束過ぎる! と感じる人もいるかもしれませんが、こういう素直で先が読める作品も、中々良いものです。お約束、とは「予想通りの所に落ち着く」という意味では、安心感のあるものですから。
特に、最近ではむやみやたらとヒネリを効かせた作品が多いので、本作は、そういう意味でも少しホッと出来るタイプの作品でしたね。


海斗と京香が同居してからも、お約束は続きます。
少しづつお互い惹かれ合っていき、恋人同士に。お祭り(花火付き)やプールといったイベントも完備してます。
こうした恋愛ノベルゲームでは、お馴染みのイベントなんですが、それでも何となく楽しめちゃうのは、作品の雰囲気のお陰でしょうかね。

恋愛面に関しては、かなりコッテリとした檄甘展開ですw
海斗は(例によって)かなり恋愛方面に鈍い男なんですが、めでたく恋人同士になるやいなや、読んでいて恥ずかしいくらいのラブラブっぷりが展開されることに。セリフも思わず赤面してしまうものが多かったですw
中盤くらいから、かなりラブラブになる海斗と京香なのですが、気になった点もそこにあります。

というのは、京香は家出をしてきたわけで、「何故家出をしたのか?」という重要な部分を、海斗が聞きだそうとする場面があります。
そこで、自分の非常にデリケートな部分に踏み込まれた京香が「あんたはあたしの何なのよ?」とか云うんですよね。
あれだけ、ラブラブしていて恋人同士、という単語が頻出するにも関わらず、「あんたはあたしの何なのよ?」は流石にないんじゃないかなぁ……と。かと思うと、あっさりとまたラブラブ状態に戻ったり……。
そんな調子で、終盤は、京香の感情の変化の振れ幅がかなり大きくて、ちょっと置いてけぼりを食らってしまいました。


まぁ、それは置いておくにしても、ラストが締まらなかったのが、本作の最大の気になった点でしょう。
結局、何となくなし崩し的に、家出するきっかけとなった家庭での軋轢に、真正面から向かう事にした京香なのですが、まさにその瞬間に物語が終わってしまいます。

もう少し、京香と彼女の家族の抱える問題を提示したり、又、それに立ち向かい、云うなれば幸せを勝ち取るまで、を描いて欲しかったな、という感じです。
先にも書きましたが、テンポが良くストーリーはスムーズに進んでいきます。けれども、グッと重みを増すパートもやっぱり必要だと思います。そこが、本作の場合ラスト付近なんですが、あまりにもサラリと流れてしまって、余韻もなく終わってしまったのが残念でした。



スムーズな展開と、恥ずかしいくらいのラブラブな描写があるわけですから、もう少しラストを丁寧に描いていたなら、より良い作品になったのではないかと思います。

全体で見れば、少し物足りなさはありますが、王道の展開と、赤面するくらいの甘酸っぱさを味わいたい方は、是非プレイしてみて下さい。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2012-04-16 19:29 | サウンドノベル | Comments(5)
2012年 04月 08日

フリーサウンドノベルレビュー 『本気で恋愛ゲー作らないか』

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今日の副題 「ゲーム、作ってます?」

※吟醸
ジャンル:ゲーム制作恋愛ノベルゲーム
プレイ時間:4時間ほど
その他:選択肢なし、一本道
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2010/10/16
容量(圧縮時):426MB



道玄斎です、こんにちは。
今日は、プレイしようと思って長らく放置してきた作品のご紹介。一風変わったテーマのVIP系の作品ですね。
というわけで、今回は「ゲーム企画本気で恋愛ゲー作らないか」の『本気で恋愛ゲー作らないか』です。
良かった点

・同人ゲームを作る、という一風変わった設定が光る作品。

・要所要所を引き締める事件が、プレイをダレさせない。

・ゲーム制作し、発表する、というワクワク感が味わえる。


気になった点

・元ネタが分からないと楽しめない恐れがあるテキスト(作品中でそれに関して言及アリ)。

・もう少し、個々のゲーム制作の作業に焦点が当たっても良かった。

ストーリーはサイトへのリンクを張っておきましょう。こちらからどうぞ。



ノベルゲームを作る、というテーマを正にノベルゲームで表現する。
そうした作品はあまり存在しません。ノベルゲームそのものをネタにする、という作品はチラホラ散見されるのですが、やはり、「学園恋愛ノベル」のようにメジャーな存在ではないでしょう。
ゲーム制作に焦点を当てた作品としては『ゲーム作ってます』という作品がありました。本作はそうしたテーマを受け継ぐ、強化版のような作品ですね。

主人公石井拓海は、個人でゲーム制作サークルを立ち上げ運営しているわけですが、作品の絵を依頼していた絵師が逃げてしまって……というのがイントロです。
これ、ゲームを制作した事のない方にはピンと来ないかもしれないのですが、結構良くある事だそうですよ。絵も文章も自分で出来てしまう、そんな人は本当に一握りで、大抵の場合、「シナリオは書ける」「絵は描ける」といった具合で、だからこそ共同制作、というスタイルを採るわけです。

でも、絵師が逃げてしまう。或いはお願いしていた声優さんが音信不通になってしまう。そんな事は割と普通にあるらしいのです。
酷いのになると、シナリオライターが逃げちゃったりして……w


絵師が逃げて混乱する主人公の前に、一人の女の子西原秋奈が現れます。しかも彼女は味のあるイラストを描いているのです。当然、絵師に逃げられた主人公は最後の望みをかけて、絵師として参加してくれるように頼むのですが、実は、その女の子が、例の逃げてしまった絵師であった事が判明して……。
と、ストーリーは進んでいきます。一ひねりある出だしで、プレイヤーを前のめりにさせてくれますね。

ところで、先にも書きましたが、「同人ゲームを作る」というのが本作の大きなテーマで、他の作品が持っていない大きな特徴の一つです。
そして、その同人ゲーム制作を通しての人間模様や、事件が描かれる事になります。

本作で良いな、と思った点は、ゲーム制作という軸を保ちながらも、丁度良い塩梅に事件が起こり、プレイをダレさせない、という作りです。
主人公宅に転がり込んできた妹、大手サークル主催者の友人、そして、絵師の秋奈を巻き込んでの事件、エピソードが、主軸に上手に寄り添う形で提示されるので、プレイしていて飽きる事がありません。
凡そ、4時間程度の尺があれば、ダレてしまう箇所が一箇所二箇所出てくるものですが、本作はその点、非常に巧みに作ってあると感じました。


ちなみに、ヒロイン秋奈は、所謂ツンデレ系のキャラですね。
妹も、ノベルゲームでお馴染みの造型ですし、友人キャラも、大手サークルの主催者という付与属性を除けば、やはりお馴染みのキャラクターです。
なので、キャラクターという意味では、そこまで新味があるわけではないんですよね。勿論、登場キャラはもう少し多いのですが、些か唐突感のある片岡さんや、本当にラスト近くにならないと登場しない、秋奈の友人とかは、ちょいもったいないなぁ、と思ったりもします。
もう少し、中盤くらいから、ガシガシストーリーに関わってきてもいいかな? という事ですね。

一つの山場となる、秋奈に対する嫌がらせ事件の犯人も、プレイヤーとしては「恐らく、あいつ(ら)だろう……」と察しは付くんです。
が、その「あいつ(ら)」は、その段階では登場しないキャラなんですよ。そういう意味で、もうちょい早い段階でキャラクターを出てきていれば、もっと納得感があったのかもしれません。


もう一つの良い所は、ゲームを制作する、というワクワク感をゲームを通じて体験出来る、という事でしょう。
ゲームを作った事がある人は勿論、そうでない人も、紆余曲折を経ながら、少しづつ作品が完成していく様子を楽しむことが出来ます。
だけれども、ここは気になった点と表裏一体で、折角の、ゲーム制作というテーマがあるわけですから、個々の作業が、具体的にどういうものなのか、をもう少し描写しても良かった、と思います。デバッグに関しての説明なんかはあるのですが、肝心のシナリオ書きの様子だったり、イラスト制作の様子だったりがチラリとでも描写されていれば、より一層のリアリティが出たのではないかと。
あまり、ダラダラと「この作業は○○で、○○をして○○を……」とか書くと、やっぱりダレちゃうんでしょうけれども、も少しフレーバー程度でも、実際の作業の追体験が作品を通して出来ると良かったかな。


細かな点では、結構序盤~中盤に掛けて、ギャグっぽいノリで進んでいくのですが、VIP系作品ならでは(?)の、「元ネタが分からないと、おいてけぼりにされる文章」があったりします。
ここらへんは、本当に賛否両論あるような気がしますね。実際に作中で、そうした文章に関して言及もあるわけですが。
あとは、恋愛的な意味では、非常に予定調和だったかな、という辺りでしょうか。まぁ、期待を裏切られてもアレですから、このくらいのバランスの方が実は、いいのかもしれませんねw



ちょっと変わったテーマが光る作品です。
共同でゲーム制作をしたことのある人も、これからやろうという人も、そして、ゲームを作った事の無い人も、是非一度プレイしてみて下さい。
きっと、共感出来たり、参考になったりすると思いますよ。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2012-04-08 16:32 | サウンドノベル | Comments(0)