久住女中本舗

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2012年 08月 25日

フリーサウンドノベル関係の雑記 箸休めvol.54

道玄斎です、こんにちは。
もう夏も終わりですね。段々と空気感が秋っぽくなっていく今日この頃ですが、皆様におかれましては如何お過ごしでしょうか? 私は、今年は何度も旅行をしたり結構夏を満喫していました。

ノベルゲームという事で言えば、夏なので(ノベルゲームで季節感がある作品のかなり多くが、夏を舞台にしています!)面白そうな作品を期待していたりしたのですが、そっちは中々良いものが見つからず……。



■あの登録サイトの新しい規約

大体、この界隈、ノベルゲームを作っている人が完成作品を登録する所は、ベクターとふりーむ! と相場が決まっています。取り敢えず、この二つに登録しておけばオッケーという感じでしょうか。

勿論、自サイトでも作品をダウンロード出来るようにしていたり、もう少し手間暇を掛けて他の登録サイトに作品を登録する人もいるでしょう。女性向けゲームだったりすれば、サーチエンジン登録も忘れてはいけません。

と、まぁ、一口にゲームを作るって云っても、色んなフェーズがあって、作品がユーザーの手元に届くまで、をゲーム制作とするならば、「完成するまで」と「完成してから」という分け方も出来そうですね。

取り敢えず、ゲームが恙なく動き、デバッグも行い、ちょっとした誤字脱字やら、結構致命的なバグを取り除いてやれば、いよいよ公開へ向けての準備となります。
これが、又、ちょっとした苦労があるわけです。

ザッと思いつくまま書いてみますと、自サイト(があれば)での完成告知とプロモーション、各種登録サイトへの登録とそれに伴う、説明文の執筆やスクリーンショットの撮影、お世話になっている人へゲーム完成のお知らせをしたり、先行的にプレイして貰ったり。
OPムービーなんかが凝ってる作品ですと、動画投稿サイトにOPを投稿したり、と手間が増えていきます。

ゲームを完成させる事は勿論大事ですが、それをプレイして貰う事もとっても大事なので、入念にプロモーションするわけです。
フリーであれシェアであれ、作品はプレイして貰ってなんぼですから、色々な媒体を使ってゲームをプレイして貰えるようにするわけですよね(まぁ、中には結構投げやりな人もいますけどw)。

で、最初に書きましたが、完成した作品は、大凡ベクターとふりーむ! に登録すれば一仕事終わり、という感じです。云うまでもなくベクターは最大級のダウンロードサイトですし、ふりーむ! もフリーゲームに特化したダウンロードサイト兼情報サイトなわけで、この二つに登録する事でフリーのノベルゲームでしたら、登録作業の殆どが終わってしまいます。

で、話がちょっと変わりますけれども、ベクターやふりーむ! は特定の作品を取り上げる事、があるんですよね。具体的に云えば、ベクターは「レビュー」、ふりーむ! ならば「ふりーむゲームコンテストでの受賞」がそれに当たるわけです(ふりーむ! にもレビューはありましたけど、今は無くなったの、かな?)。

ベクターのそれは、完成度の高い作品を取り上げてレビューをする、という基本方針があるわけで、フリーゲーム制作者の一つの目標となりうるような、ある種の権威があるように思うのです。
まぁ、ただ……ビジュアルが綺麗じゃないと取り上げられない、というような感触はあるんですけれども……。逆に云えば、ビジュアルが綺麗であれば、そこそこの作品でも取り上げられる事があったりなかったり……w

対してふりーむ! の方は「ふりーむゲームコンテスト」に応募し、受賞する事で作品の知名度がガンと上がったりするわけです。
ふりーむ! に作品を登録した事がある人はご存じでしょうけれども、作品登録時に「ふりーむゲームコンテストに参加する」みたいなチェックボックスがあって、それにチェックを入れる事が、ゲームコンテスト参加への第一歩となるわけです。

ただ、このゲームコンテスト、相当胡散臭くて(受賞している作品に難癖付けようってんじゃありません。念の為)、ノベルゲームに対して「ゲーム性が乏しい」という審査員のコメントが付いていたりするんですよねw
審査員は一体何を審査しているんだ! と思わず叫びたくなる事も屡々ですw


まぁ、つらつらと書いてきましたけれども、ふりーむ! のゲームコンテストって結構な知名度があって、そこで受賞を目指している人も多いんですよね。
で、そのゲームコンテストの規約が最近、改訂されたようなんです。

以前は確か、「ゲームコンテストに参加する作品は、ふりーむ! にだけ作品を登録している事。但し、自サイトでの公開はそれを認める」という形だと記憶しているのですが、今回から「自サイトであっても、作品を公開しているとNG」になっています。
ちょっと、引用してみましょう。先ずは、第七回目のふりーむゲームコンテストの注意事項ですが、
【1】ゲームファイル配布制限
コンテスト結果発表が行われるまでは、 応募ゲームファイル自体を「ふりーむ」「制作者サイト」以外へ掲載できません。 ゲームをWEB上で紹介されることはOKです。 オフライン媒体「雑誌CDなど」への収録や、「同人イベントでの配布」はOKです。

と、なっています。
これを読めば、「制作者サイト」=自サイトでの作品の公開(掲載)はOKだと分かりますよね。
ところが、第八回のそれでは、微妙に文言が変化していて、
【1】ゲームファイル配布制限
コンテスト結果発表が行われるまでは、 応募「ゲームファイル自体」を「ふりーむ!」以外へ掲載できません。 ゲームをWEB上で紹介されることや、ゲーム宣伝サイトへのリンク投稿はOKです。 オフライン媒体「雑誌CDなど」への収録や、「同人イベントでの配布」はOKです。 コンテスト結果発表後には、ご自身のサイトなどご自由に配布可能です。

となっています。
「ふりーむ!」以外は掲載出来ない、と書いてあって、尚かつ、応募ルールに、
2012年9月~結果発表まで、Web上でふりーむ!以外にファイルを公開していないこと(アップローダや自サイトでの公開もNG)

と書いてあるわけです。
つまり、コンテストの期間は、ふりーむ! 以外のサイト(含自サイト)での作品の公開が禁止されてしまっているんですよねぇ。

うーん、これってどうなんだろうなぁ……。
勿論、ふりーむ! は営利団体で、恐らく広告収入で運営しているサイトです。話題になるようなゲームがふりーむ! に登録されれば、ふりーむ! へのアクセス数が上がりますし、結果、広告収入も上がる……というのは、まぁ頭で理解出来る事なんですけれども、何となく釈然としないものも残ります。

ゲーム制作者としては、やっぱり、色々な媒体で作品を公開して、自分の作品をプレイして貰いたいと(一般的に)思うものですし、それに貰えるものならば、賞だって貰いたいと思いますよね?w
少なくとも、自分のサイトでの掲載……くらいは認めてもいいんじゃないかなぁ……なんて私は思うのですが、如何でしょうか?

排他的にふりーむ! を利用しなければ、コンテストへの応募資格がない、というのは、何だかんだでフリーゲームの世界を縮小させちゃうような、そんな気がしますねぇ。
特にノベルゲームなんて、最近、ちょっと元気の無いジャンルですし、複数の媒体から作品にアクセス出来た方が、私個人としても助かりますw 一つのサイトにしか掲載されてない、という事だと折角の作品を見逃しちゃうかもしれないもんね。

ふりーむ! というサイトが、フリーゲームの発信基地として一定以上の役割を担っているからこそ、何か今回のコンテスト応募の規約改定は厭な感じがします。


ガンガン作品を作っていて、尚かつふりーむ! も利用している人の意見とか伺ってみたいですね。
意外と、みんな、「それはそれでいい」と思っているかもしれないしw
まぁ、ちょっと、話のタネに、ふりーむ! の話題を出してみました。



というわけで、今日はこのへんで。
それでは、また。
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by s-kuzumi | 2012-08-25 17:17 | サウンドノベル
2012年 08月 12日

フリーサウンドノベルレビュー 『ファインダー越しの空』

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今日の副題 「写真が繋ぐ、二人の想い」

※吟醸
ジャンル:写真部少女の恋愛ノベル(?)
プレイ時間:凡そ一時間ほど。
その他:選択肢有り。バッドエンドも。
システム:Live Maker

制作年:2009/6/7
容量(圧縮時):24.0MB




道玄斎です、こんばんは。
昨日に引き続いて、今日もノベルゲームのレビューを。
というわけで、今回は「ぷらねたりうむ」さんの『ファインダー越しの空』です。ずっとプレイしようと思っていた作品ですね。
良かった点

・少しづつ進展していく恋愛描写に胸がキュンキュン。

・良いさじ加減のファンタジック要素。


気になった点

・バッドエンドの存在があまり意味を成していない。

・もう少し、二人を繋ぐ“写真”の存在があっても良かったのでは?

ストーリーは、サイトから引用しておきましょう。
蛍は写真部に所属する高校一年生。
高校生活初めての学園祭に出品する作品を
撮ろうと躍起になっているが、中々思うような写真は撮れずにいた。
そんなある日、蛍は旧校舎でとある少年と出会い…。

こんな感じ。



さて、本作は恐らく「乙女ゲー」と称される作品でしょう。
ゲームを立ち上げて、先ずやる事といえば、主人公(女性)の名前変更です。これは乙女ゲーに非常に多いシステムですね。恐らく、プレイヤー(女性)を主人公に投影する為の仕掛けだと思われますが、私は女性ではないので、デフォルトの潮谷蛍、という名前を使用しました。

少しだけ、ストーリーを補完しておきましょう。
とある一枚の写真を見た事で、写真部に入部した蛍は、学園祭に出す為の写真のネタを探す毎日。お堅い顧問の先生に怒られながら、自分の理想の写真を求めて悩んでいます。そんな折りに、旧校舎で一人の少年と出会い……という感じ。

本作、何が良かったのか、と云えば、恋愛の推移をちゃんと描いてくれている所です。しかも、それがキュンキュンするような、甘い切なさを伴っているので、恋愛の素敵さや、恋っていいものだよね、と再認識させてくれます。

最近、ちょっと某女性向けゲームに少し関わっていて、その作品のレビューとかをつらつら見ているのですが、女性向けのゲームって、どうも「キャラクター」に比重が傾きがちなようです。
ストーリーの流れや、全体的な完成度、というよりは、個々のキャラクターの魅力や、キャラクター同士の掛け合い、やり取りに一つのポイントが存在しているような、そんな気がしています。
レビューを見ても、やはりそうしたキャラクターに重点を置いたレビューが多かったです。

そうした乙女ゲーの中にあって、本作はかなり丁寧に作られた作品だったのではないか、と思います。
少しづつ、蛍が先生を好きになっていく描写は、リアリティがあり(実際のリアルと、ノベルゲーム的なリアリティは別物ですが)、プレイヤーを作品に引きつけてくれます。
やはり、「何故、好きになったのか?」という理由をちゃんと見せてくれる作品はいいですね。
時間を掛けて、少しづつ二人の距離が縮まっていく様子が描写されると、恋愛描写の納得感が増しますし、甘いやり取りそのものを楽しむ事も出来るわけです。

もう一つ、これは、と思わされたのは、ファンタジーの要素が上手く作品に活かされている、という点。
これ以上ファンタジックになってはクドくなってしまう、というギリギリのバランスで作品が成り立っており、とても好印象でした。後半で、そのファンタジックな要素と、蛍の抱く恋心が上手く交差するわけで、この作品の見所の一つとなっていました。
又、スクリーンショットを見て頂ければ分かるのですが、イラストもレベルが高いですよね。文字表示にも拘りがあって、そういう所もいい感じでした。


気になった点は、やはり女性向けゲームの定めというか、あまり意味があるとも思えないバッドエンドが存在している、という点です。
このくらいの尺で、しかもちゃんと練り込まれている完成度の高い作品なのですから、最初っから一本道でも良かったのではないか? と思ってしまいます。

もう一つは、“写真”の存在が、もう少しフィーチャーされても良かったかな、という点。
確かに蛍は、学園祭に出展する為の写真を撮ろうとあれこれ苦悩するのですが、肝心の恋愛面、或いは後半に入って、謎が明らかになった場面で、もう一押し、“写真”が活きてきても良かったかな、と。
何となく、明らかになる謎と、それまで提示されていた事実に齟齬があるような場面もありました(アノ時、アノ場所でアノ人がアノ写真を撮ってないとおかしい……?)。

勿論、写真が全く活きてこない、というわけじゃなくて、ちゃんとストーリーに散りばめられていますし、重要な所では活きてきています。
だからこそ、ラスト付近の良い場面で、もう一押し、“写真”を使ったエピソードがあると、全体のグレードがアップするような、そんな気がしました。最後、恋愛描写で終わってしまうのではなく、やはり蛍が写真を撮るシーンをしっかり描写するとか(一枚絵としても美味しい場面だと思います)、写真面での決着も綺麗に付けて欲しかったな、と。


大体、こんな所でしょうか?
一応、女性向けゲーム、という括りだと思われますが、男性がプレイしても全く問題ない、良い作品でしたので、今回は久々の吟醸を。
時に、こうした女性向け/男性向けといったカテゴリに惑わされてしまう事もあるわけですが、カテゴリに囚われず、良い作品をこれからも紹介していければ、と思っています。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2012-08-12 20:12 | サウンドノベル
2012年 08月 11日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『引きこもりと女子中学生』

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道玄斎です、こんにちは。
すっごく、間が空いてしまいましたが、ちゃんと生きています。勿論、このブログを放り出すわけもなく。
ただ、「これは!」という作品と中々出会えなかった事、個人的に色々忙しかったりしたので、一月くらい、更新がストップしてました。

今日は番外編のレビューです。比較的短時間でサックリとプレイ出来る作品のご紹介です。
というわけで、今回は「はとごろTIMES」さんの『引きこもりと女子中学生』です。



さて、最初に周辺情報ですが、本作は大凡20分程度の短編作品です。
小粒な作品、なのですが、中身はしっかりとしたものを持っている、そんな作品だったと思います。

主人公は、所謂引きこもりのニート。
しかも、重度のコミュニケーション障害(俗に云うコミュ障)の持ち主です。そんな彼がひょんな事からアパートの隣に住んでいる、女子中学生と出会い、済し崩し的に交流を持つようになる……というのが、作品の大まかな流れになりましょうか。

大体、ノベルゲームでは、主人公もそしてヒロインも高校生、というタイプが圧倒的に多いわけですけれども、ちょっとワケアリな感じの中学生、という本作のヒロイン造型は中々良かったですね。まぁ、恋愛的な要素はあまり無いので、ヒロイン、というのも少し変な気もしますが。ちなみに、彼女のグラフィックは可愛らしくて、好感が持てるものでした。

原因があれば結果があり、結果があれば原因がある、という事で、本作の主人公も、引きこもりになった原因・理由がちゃんと存在しています。
その原因に立ち向かっていく、というのは、やはりノベルゲームの王道的な展開の一つなのですが、そこにヒロインが一段上のレベルで関わってくるのが、本作の一番光っている所でしょう。
単純に、縁もゆかりもない女子中学生との関わりの中で、主人公が引きこもりを脱出する……というのではなく、ヒロインの存在基盤がシッカリしていて、自身の問題を孕みながらも、主人公の抱えている問題に、実は物凄く関わりのある存在だった、という、そういうタイプです。

これはプレイしていて、ちょっと「やられた!」と感じましたね。答えが明かされてしまえば、何てことないような気もするのですが、意外と無心にプレイしていると気がつかないわけで。
そういう意味で、一個の作品としてかなり起伏を持ちつつも、綺麗に纏まっている印象があります。


一方、気になった点なのですが、やはり、主人公とヒロインとの交流が割とあっさり描写されるので、もう少し、時間を掛けて、二人の距離が縮む様子(主人公が、徐々にコミュニケーション障害を克服していく様子)を見てみたかったな、と。
問題を抱えているのは、主人公だけではないので、ヒロインの抱える問題なんかも、もう少し日常パートの中で描く事が出来たのかもしれません。
短編と銘打ってあるので、中々難しいのかもしれませんが、中盤でサラリと流れてしまう数ヶ月を、何か一つのエピソードでもいいので、描写してやれば、満足度が更に向上するのではないかと愚案致します。


大体、こんな所でしょうか?
久しぶりに、綺麗にまとまった良質の短編作品に出会えました。
尺は短いですが、しっかりとした物語で、お勧め出来ます。手軽にプレイ出来るので是非、遊んでみて下さい。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2012-08-11 16:30 | サウンドノベル