久住女中本舗

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2013年 06月 23日

フリーサウンドノベルレビュー 『津軽雪月花』

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今日の副題 「ツボを押さえたご当地系ノベルゲーム」

ジャンル:感動系ノベルゲーム
プレイ時間:1時間半ほど。
その他:選択肢は一箇所有り。
システム:WOLF RPGエディター

制作年:2013/6/17
容量(圧縮時):114MB




道玄斎です、こんばんは。
今日は、RPG用のシステムで作られた作品のご紹介。RPG用のシステムとは云え、使用感はノベルゲーム用のエンジンのそれと殆ど変わりません。右クリックでセーブ/ロードが出来ない、くらいですかね。けど、ちゃんと「セーブ/ロード」と云った基本システムは画面中にちゃんと表示されていますから、クリックしてやるだけです。あと、マウスホイールでのバックログ閲覧も勿論可能。
……と、いうわけで、前書きが随分長くなってしまいましたが、今回は「Y-F's Office」さんの『津軽雪月花』です。
良かった点

・サクサクとテンポ良く進むシナリオ。

・感動モノのツボを押さえた作品。


気になった点

・舞台が津軽である必然性は、実は乏しい。

・故に、強烈なオリジナリティのようなものは感じづらい。

ストーリーは、作者さんのサイトから引用しておきましょう。
*** 概要 ***
『ストーリー』をテーマに作成したものです。
文章を読みながら進めていく形になります。

~ ストーリー ~
主人公:天津 絆(あまつ はん)は、 父の転勤による都合で、母の実家がある青森県弘前市へと引っ越しを余儀なくされる。
家族は父、母、そして妹である雪菜の4人。

彼は慣れない土地での生活を強いられ、不安な日々を過ごしていた。
そんなある日、彼は運命的な出会いを果たすことになる。

津軽で過ごす普通な男の子による、甘くて切ない青春物語。
************

こんな感じ。



タイトルが妙に、演歌調ではあるものの、内容は至って普通の、ノベルゲームですw
そして、そのタイトルが如実に示している通り、本作品は、所謂「ご当地系」のノベルゲームの一種と云う事が出来ましょう。

ご当地系のノベルゲーム、っていうのも、たまに存在していて、『ハーバーランドでつかまえて』とか、或いは、もっとそれらしいのになると、『ほたこい』とか、或る地域がフィーチャーされ、作品に於いて大きな役割を果たす……そんな作品の事です。勿論、正式な名称ではなく、便宜的に勝手に呼んでいるだけです。

本作の場合、津軽、つまり青森県西部を舞台としています。
こうしたご当地系では、その地方ならではの観光スポットや、珍しい食べ物、行事、或いは方言なんかが、作中に盛り込まれていきます。本作も亦、その例に漏れず、花見のスポットや、ねぷた祭り(ねぶたとの違い、初めて知りました)、方言が作品に盛り込まれていきます。


さて、ストーリーの方ですが、主人公は埼玉で育った、という設定で、物語冒頭で、弘前市に引っ越してくる事になります。やはり、この手のゲームの定番としては、慣れない環境への適応に苦労したり、或いは、方言の存在によって、意思疎通が上手くいかなかったり、という事が屡々起こるわけですが(同時に、それを支えてくれるような友人、或いはヒロインの存在も出てくるわけですが)、本作に関しては、そうした部分は、殆ど描かれません。

かなり、テンポ良く、月単位で時間が経過していきます。
このテンポの良さは、プレイしていて気持ちが良いです。大体全体で一時間半のストーリーですが、ダレる事はありません。ただ、そのテンポの良さと引き替えにして、若干描写が薄く感じる、という部分でもあります。特に後半で、明らかになる(ちゃんと伏線は張ってあります)事態に対して、或る程度、描写の積み重ねがあった方が、より感情移入出来たのかな、と考える次第です。


さて、本作最大の気になった点は、ずばり、「舞台が津軽である必然性が乏しい」という点です。
最後まで読めば分かるのですが、別に、この作品は舞台が津軽(青森県弘前市)でなくとも、主人公一家が元々住んでいた埼玉県であっても、全然成立してしまうのです。
それが故に、タイトルワークにも使われている「津軽」によるオリジナリティ、みたいなものも、同時に乏しくなっています。

ただ、それを抜かして考えても、テンポ良く進むストーリーは、プレイを前のめりにさせてくれますし、感動モノのツボがキッチリと押さえられている点も、評価したいところです。
ストーリーが、中盤くらいまで、どういう方向に進むのか分かりづらいという事はあるのですが、それもテンポの良さがフォローしてくれています。テンポが悪くて、且つストーリーの進むべき方向性が見えてこないと、何かプレイしていて、凄くイライラしてしまったり、って事はありますよね。そういう事は一切ないので、ご安心召されよ。

大体、30分づつのブロックに区切って、最初の30分を前半、次の30分を中盤、最後の30分を後半という感じの分け方で考えていますが、ストーリー的に大幅な進展があるのは、最後の30分、という感じでしょうか。
ここで、やや唐突感を感じる人も恐らくいると思います。確かに、起こっている事態の原因に関しては、私もプレイしていて「え?」となりましたw

ただ、まぁ、そこは、作品のキモの部分というか、唯一のファンタジックな部分ですし、「そういうもの」と受け止めるのが一番ですかね。そこを否定しちゃったら、身も蓋もないですからねw


最後に、もう一点。
メインで登場するキャラクターの数は少なめですが、妹の雪奈のキャラがとっても可愛くて良かったです。プレイしていて、「この妹いいなぁ……」とずっと思っていましたw
で、彼女は、兄貴である主人公に、悪戯っぽい言動を繰り返すんですが、その時に「ニシシ」って笑うんですよ。それが、また何か凄く可愛らしくってね。この雪奈の可愛さやキャラクターも亦、作品を支えている重要な要素です。なので、彼女の「ニシシ」に是非、注目しながらプレイしてみて下さい。



久々のご当地系ノベルゲームでした。
そのご当地感は、ストーリーの中ではあまり活きてこない、という部分も抱えていますが、純粋にストーリーだけを見ると、感動系作品のツボを押さえた作りで、ジワッと良い読後感も味わえたりします。
ちなみにエンディングは二種類。一箇所分岐点があります。どちらのエンドも素敵で良いですよ。是非、二種類見てみて下さいね。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2013-06-23 22:32 | サウンドノベル | Comments(4)
2013年 06月 20日

フリーサウンドノベルレビュー 『ぎゃるちぇん』

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今日の副題 「バレないように、デートしろ!」

ジャンル:三又恋愛アドベンチャー(?)
プレイ時間:エンディングまで1時間半程度。コンプリートして二時間くらい。
その他:選択肢有り、バッドエンド多数。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2013/6/17
容量(圧縮時):108MB




道玄斎です、こんばんは。
今日は、昨晩、或る人からお勧め頂いた作品のご紹介。何故勧められたのか……あまり追求しない事にしましょう。
というわけで、今回は「Kawaz」さんの『ぎゃるちぇん』です。
良かった点

・一般的な恋愛モノの真逆を行くシナリオ。こういうのも楽しいです。

・サクサクとテンポが良く、気楽に遊べる。


気になった点

・システムに若干難アリ。

・物足りなさが残るラスト。

ストーリーはふりーむ!の方から引用しておきましょう。
浮気症の主人公・浮気流 誠一(うきながし せいいち)が、3人の女性と同時にデートするというものです。

はたして彼女たちにお互いの存在(交際しているということ)を悟られず、無事に一日をやり過ごすことができるのか!?



この『ぎゃるちぇん』は、シナリオを読んでいき時折現れる選択肢を選んでいく、というオーソドックスなノベルゲーム形式です。

プレイヤーは浮気流 誠一となって、彼女たちと半日を過ごし、バレないようにうまく受け答えをしていきます。

彼女たちの誘導や受け答えの時に出てくる選択肢のチョイスを間違えたりすると、バッドエンドになってしまいます。そんなバッドエンドを回避しつつ、三人とうまく収まるエンディングを目指してください。



吉里吉里2/KAG3を使用しています。
WindowsXP~8の環境で動くかとは思いますが、動作環境によってはその限りでない場合もあります。

こんな感じです。


いやぁ、こんなゲームが出るとは、全く驚きました。
恋愛ノベルゲームって、一人のヒロインに焦点が当たっていったり、或いは、複数の女の子の中から、一人を選んで、恋仲になる事を目指すスタイルが殆どです。稀に、既に恋仲である事を前提とするような、そういう作品もありますけれども、やはりそれは少数派。しかも、その場合もやはり、そのヒロインと主人公の関係をより強固なものにしていくような、ヒロインと主人公の一対一の関係がフィーチャーされています。

しかし、本作の主人公は、何と「三又」を掛けていますw
まぁ、正確に云うと、彼女(けど、先日ナンパしたばかり)と、ナンパで知り合った女の子と、幼なじみのお姉さんという布陣ですから、全員が全員「彼女」なわけではありません。

けれども、主人公としては、ナンパで知り合った女の子(玲於奈)との仲も進展させたいし、幼なじみのお姉さん(イザベル)との心証も良い物に保っておきたい。更に、彼女(茉莉)とも楽しくデートしたい、と全く以て怪しからん事を考えています。
それが、ひょんな事から、同じ時間同じ場所で、上記の三人とデートする事になってなってしまいます。
上手いこと選択肢を捌き、三人の女の子と同時並行でデートを成立させる……というのが本作の目的(?)です。一人の女の子と親密になっていく事を目的とした、一般的な恋愛ノベルゲームとは、真逆の方向性と云えるでしょうw

ちなみに、主人公は音大に通っており、ピアノを弾くらしい。一方で、彼女である所の茉莉はギターをやっていて、且つ、校内で(ナンパで)知り合った玲於奈はヴァイオリン、イザベルはプロのピアニストという設定です。
女の子達のタイプも、綺麗に分かれていますし、キャラクターメイキングに関してはオーソドックスな恋愛ノベルゲームのそれをイメージして貰えばいいと思います。


いざ、ストーリーを読んでいくと、主人公がナンパ野郎でしかもナルシストと来ているもんですから、ちょっとだけイラッとしますw 
が、実際にデート当日になると、緊張感が出てきて、主人公の鼻持ちならない属性もそこまで気にならなくなるから不思議です。
緊張感とは何かと云えば、一つの建物に三人の女の子が集まる事になるわけですから、主人公は女の子の配置(二階に行けとか、一階に居ろとか)をしたり、不自然にならない程度に、それぞれの女の子達と接触していかないといけないとか、その辺りですw

こうした女の子の配置やら、他の女の子を見に行くタイミングは、選択肢で制御します。
何といいますか、この三又を掛けているドキドキ感が、モロに感じられて、私なんかはかなり緊張しながら選択肢を選んでいきましたw 
そういえば、選択肢が上手く機能していない箇所もありましたね。ちゃんと「一階に」いるように選択したにも関わらず、二階にいる事になっていて、あえなくバッドエンドになったり。
で、選択肢が多い、という事は、それだけバッドエンドがある、という事でもあります。バッドエンドの数は全部で12個。結構大目ですが、エンドリストがある事と、ストーリーに直接関わるような重要なバッドエンドの場合は、ヒントが読める親切設計ですから、グッドエンドにたどり着くのは、そこまで難しくないハズ。

あと、気付いたのは、既読スキップが機能しない箇所がある、という事。バッドエンドの№3~№6に当たる部分を何度も行ったり来たりしていたのですが、その都度、既読スキップが効かない箇所が出てきて、もうちょっと何とかならんかな、と。
バッドエンドの回収について、一言言及しておくと、バッドエンド№4は、№3以前の選択肢で見る事が出来、バッドエンド№5は、その№4よりも前の選択肢で見る事が出来ます。ここは、ちょっとややこしいかもしれませんね。

ついでに、気になった点にも言及しておくと、これは、私の環境だけ、かもしれませんが、システムがやや不安定でした。というのも、吉里吉里/KAGのエラーメッセージが出てきて止まっちゃった事が二回、何だか分からないけどフリーズしてしまった事が一回ありました。
私のマシンも、もう結構古いですからね……。そうしたマシンに拠る部分なのかもしれませんね。


ともあれ、上手く選択肢を捌いて、三又をやっていく、というのは、非常に面白い趣向ですし(現実じゃ、出来ないもんね!)、前述の通り緊張感もあったりして、中々楽しく遊べちゃいます。三又っていうと、ちょっと後ろ暗いイメージがあったりしますが、本作の場合、「悪い事をしている感」を実はあまり感じさせない軽妙な作りになっていた点も、評価したい所です。

そして、後半に行くにつれ、思わぬ事実が明らかになったりと、ストーリー的な起伏は一応あるのですが、若干そこは弱めかもしれません。又、ラストは、そうしたストーリーの起伏を承けて展開されるものではあるものの、ちょっと押しが弱いというか、物足りなさを感じさせるものとなってしまっています。
逆に、本作の基本は、三又のドタバタ系のストーリーですから、感動の方向に持っていったり、というやり方よりは、もっと突き抜けた楽しさ、みたいなものを見せてくれるラストでも良かったかな? と。


現実世界で、三又なんて掛けられるのは、本当に極々一部の人達だけ。
私達は、ゲームの中で安全に三又を掛けようじゃありませんかw 普通の恋愛ノベルゲームの常識を覆すような、軽快なテンポの意欲作です。人を選ばないでもないような気がしますが、興味を持った方は是非どうぞ。



という事で、今日はこの辺で。
それでは、また。
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by s-kuzumi | 2013-06-20 20:27 | サウンドノベル | Comments(0)
2013年 06月 11日

フリーサウンドノベルレビュー 『温かく、暖かい冬、なのか』

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今日の副題 「SFファン必見! ディック系SFアドベンチャー」

ジャンル:SFアドベンチャー
プレイ時間:コンプリートして凡そ2時間。
その他:選択肢有り、バッドエンドも。
システム:Live Maker

制作年:2013/5/20(?)
容量(圧縮時):44.4MB



道玄斎です、こんばんは。
今日は、以前からダウンロードしてあった作品をプレイしたので、その作品のご紹介。あまりお目に掛かれないSF作品です。
というわけで、今回は「あほちゃん」さんの『温かく、暖かい冬、なのか』です。
良かった点

・序盤でグッと引き寄せられる、上々のツカミ。テンポも良いです。

・SF好きなら、きっとニヤリと出来るような世界観。


気になった点

・中盤以降、ガラッと登場人物達の性質が変わってしまい、戸惑う部分も。

・不完全燃焼感のあるラスト。

ストーリーは、ふりーむ!の方から引用しておきましょう。
世界中を巻き込んだ核戦争が終わって数百年。人々は地下世界を中心に生活していた。


金のあるものは地下で平穏無事に生活し、金のないものは地上で苦労しながら生きている。


あることをきっかけに地上から地下世界ティーマに降りて来たルディは、違法性の高いアンドロイドを狩る生活をしていた。


ある日、ルディが自分の家の屋根でくつろいでいると一人の男が。

何気ない会話から彼らの運命の歯車が回りだす。

こんなストーリーです。
さて、冒頭で、あまりお目に掛かれないSF作品、と云いましたが、SFの片鱗を持った作品はちょくちょく目にしますよね。未来からやってきた女の子とか、或いはもっといってしまえば、ループ系のそれだって、SFっぽいわけです。
でも、本作に対して使う「SF」という言葉は、「これも、一応SFだよね」という感じではなく、「SFです!」と強く断言出来ちゃうような、そういうニュアンスだったりします。

とはいへ、別に宇宙船がとか、宇宙人がとか、そっちのタイプのSFではなくて、核戦争によって地上が汚染され、人類は地下に居住する事になった、という、今では割とお馴染みの設定ですが、そっち系のSFですね。

本作のSFらしさを支えているのは、そうした人類の居住地の設定だけではなく、アンドロイドが人間社会に溶け込み、時に犯罪に走るアンドロイドがいる、という設定や、それを狩るハンターの存在がある、という設定に拠る所も大きいです。

でも、ここまでいくと、何か気付きませんか?
そう、本作はどう考えても、フィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢をみるか?』の世界観を下敷きにしているように思われるのです。誤解を恐れずに云ってしまえば、本作は『アンドロイド~』へのオマージュなのかもしれません。

ちょっと脱線しますが、以前どこかで読んだ文章には、こういう事が書かれていました。
曰く「パクリは、元ネタがバレちゃマズイものだが、オマージュは元ネタが分かるとより一層楽しめる」と。これは中々明解で、急所を突いている説明な気がします。
本作の場合は、その設定の類似から、そしてそれを隠すような部分が全くないので、私はオマージュだと判断したわけです。


さて、ストーリーの解説に移りましょう。
主人公ルディは、前述の犯罪に走るアンドロイドを狩って生活をしているハンターです。ただし、殺人といった重い罪を犯すような、凶悪性のあるアンドロイドを狩るのではなく、もう少し大人しめのアンドロイドを狩っている、そういうタイプ。
そして、そんなルディの家に、転がり込んできたのが、同じくハンターをしているウルフです。冷たく、人を寄せ付けない雰囲気を持っているルディに対して、ウルフは、何というかオープンマインドで接してきて、いつの間にか同居を承諾させてしまった、好漢です。

この前半部のストーリーは、世界観の説明、そしてルディ、更にはウルフが生業としている仕事に関する説明、はたまた、ルディには何か過去に人には云えないような事件に遭遇し、それによって性格が現在のようになってしまった、という事を仄めかす、謂わば説明パートに相当するわけですが、これが又、凄くテンポが良くて、しかも面白いんです。

そこに説明臭さは感じませんし、SFらしい楽しさ、面白さを十分に喚起させてくれます。
更に、文章も変に難解な言い回し等はなく、素直に読んでいけるものになっています。何となく、読点(「、」)の位置が気になる箇所はあったのですが、正直私自身も、変な使い方してると思いますし、普通の人に比べて多分、読点の数は多いハズなので、飽くまで私の所感というレベルですね。
まぁ、そういう所を差し引いたとしても、本作は、非常に読みやすくて、前半部のツカミが上々だという事(このツカミが上手いと、その後も前のめりでプレイ出来るので、結構重要な要素かもしれません)、動かない事実だと思います。


個人的な分け方ですが、ルディがウルフと組んで、一緒に違法アンドロイドを狩る辺りまでが前半部。そして、ルディの秘密が明らかになり、ルディとウルフの関係が進展していくまでが中盤、それ以降が後半というイメージですね。

気になった点は、中盤、ルディの秘密が明らかになってから、出てきます。
というのも、特にルディの性格が、前半部と比べて大幅に変化してしまって、プレイしていて思わず戸惑ってしまうのです。

少しづつ、性格、性質が柔らかくなっていって、それがナチュラルな変化であるならば、違和感はないのですが、かなり一気にガラッと性格が変わってしまうので。
同時に、ストーリーの方も、序盤で想像していたのとは、ちょっと違う方向に向いていく事に気がつきます。
それも亦、ナチュラルな変化であれば、良いのですが、何となくその、中盤の出来事を境にして、物語のテイストもガラッと変わってしまう、そういう印象は否めませんでした。
より、正確に書けば、SFらしい舞台の設定や、ストーリーの運びがあって、当然それに応じる形でストーリーが展開されていくのかと思いきや、ノベルゲームでは結構良く目にするような、そういうストーリーに変化してしまった、という印象でしょうか。

そして、ラストへ向かってストーリーが進むわけですが、ちょっと捉え所のないラストというか、明確な形で「ハッピーエンド」、或いは「バッドエンド」とも云えない形(エンディングは分岐しますしね)。
その、曖昧模糊としたラストそのものは、悪いは言い切れません。その何とも云えない淡いの中に、独特の余韻を持たせたり、風情を感じさせたり、という事は、ままあります。
とはいへ、やはり、ちょっと不完全燃焼感のあるラストで、何かしら、この作品ならではの決着を見せて欲しかったな、と思いました。



大体、こんなところでしょうか。
ちょっと辛口になったかもしれないのですが、ディックのそれを踏襲しているとは云え、ノベルゲームでは結構珍しい純SFという感じで、魅力的な世界観、設定を持っており、しかも良いテンポで進む点、評価したい所です。

『アンドロイド~』を読んだ事のある人は、プレイしてみると面白いかもしれませんね。又、本作から入って『アンドロイド~』に行く、というのも有りだと思います!
何だか、私も本作に刺激されて、無性にSFを読みたくなってきてしまいました。元々、私もSF、結構好きなんですよw



という事で、今日はこのへんで。
それでは、また。
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by s-kuzumi | 2013-06-11 23:31 | サウンドノベル | Comments(0)
2013年 06月 02日

なんてことない日々之雑記vol.373

道玄斎です、こんばんは。
今週も、何だかんだで、ゲームプレイする事能わず……という体たらくです。
けれども、書き留めておきたい事なんかがあるので、今日は日々之雑記にて更新です。



■映画を観たよ

というわけで、昨日、新海誠監督のアニメーション映画『言の葉の庭』という作品を観てきました。
実は、映画館で映画を観る、という行為自体、何年か振りです。
『言の葉の庭』はタイトルも詩的で素敵ですし、アニメとは云え、かなりリアルな映像が楽しめたりもします。更に、『萬葉集』からの引用がある、との事前情報も得ていたので、興味津々だったわけです。『萬葉集』をしっかり読んだ事はないのだけれども……。

それで、昨日、重い腰を上げて映画館に向かった、という訳です。
同監督の『ほしのこえ』は観ていたのですが、個人的には、そこまで深い思い入れは無かったんですよね。そして、監督の名前も忘れてしまっていたのですが、ある時、人に勧めて頂いた『秒速5センチメートル』を観て、「こりゃ、物凄い傑作じゃないか!」と感動致しまして、新海誠監督が、私の中で特別な存在になったのでした。

パンフレットも購入しちゃいました。1000円也。
で、肝心の中身の方なのですが……是非、映画館でお確かめになって下さいw
『言の葉の庭』自体は、割と短くて、50分くらいの短い作品です。それとショートムービーみたいのがくっついて、一応一時間そこそこのパッケージにしてある、という感じ。なので、気軽に観られるんじゃないかと思います。尺が短い分、チケットのお値段も安いので是非是非。

そういえば、作品の重要な舞台として、公園の東屋が出てくるのですが、あそこは新宿御苑にある東屋なんですよね。新宿駅南口を出て、ちょっと歩くとすぐに到達出来るあの公園です。
あそこの東屋は私も、実はちょっと思い入れがありましてねぇ……。何か映画を観ながら、妙な所で感情移入してしまいましたw あとは、変なところにも気がつくもので、作中で出てきた『萬葉集』の本は、あれは新潮社の日本古典文学集成本だ、とか、なんかそんな所が気になっちゃったりしました。

けれども、作品、という事で云えば……やっぱり、私は『秒速5センチメートル』の方が好きだなぁ……というのが、率直な感想だったりします。
『秒速』は物凄くいい。
つい、ノベルゲームに置き換えて考えちゃうんですが、ちょっと、ノベルゲームじゃ表現しきれないような、そういう部分がありますよねぇ……。オイシイ場面をムービーにしたりすれば、近付く事は出来るのかもしれないけれども、それが行き着く先は、「じゃあ、映像作品として出せば?」だったりしますからね。
まぁ、フォーマットの違いっていうのは、絶対に存在しているし、それぞれが出来る事/出来ない事、得意な事/不得手な事があるわけですから、何でもかんでもクロスして考えるっていうのは、良くない事かもしれませんね。

ま、兎に角、「ちょっといい感じの映画観てぇなぁ」なんて方がいらしたら、是非、『言の葉の庭』を観てみて下さい。丁度、季節的にもバッチリですしね。
そして……興味が湧いたら……是非、『秒速5センチメートル』の方にも手を伸ばしてみて下さい。『秒速』で泣けたら、是非色々語り合いましょうw



■文献管理ソフト

今日、ちょっと必要に迫られて、文献管理の為のソフトをあれこれ物色していました。
要するに、本だとか、本からコピーした文章だったりが膨大な量になって、アナログな方法では管理しきれない、という事態に陥ったからです。

昔は、「京大カード」なんてのが流行ってて、一つ一つの情報をカードに書き留めて、そのカードを使って文献の管理とかやっていた時代もあったのですが、流石に21世紀にもなって、こうした超アナログな方法はあまり合理的じゃないな、と。
それに、アレ、カードに直筆で書き込むわけですから、非常にめんどくさいんですよね。何枚もカードを作ってると手が疲れてきちゃうし、カードを作る、という行為そのものに満足感を覚えちゃったりするわけで、私にはあまり向かない方法なんだろうなぁ、という気はしています。

んで、情報をコンピュータの中で管理出来るソフトを調べていたのですが、どうも、『EndNote』というのが、一番有名なソフトのようです。が、お値段がとても高い。気軽に導入してみて、合わなかったから、やっぱり使うのやめる……という訳にはいかない値段設定。相当覚悟を持って買わないといけません。

けれども、私はフリーソフトというのが大好きなので(でなきゃ、フリーのノベルゲーム/サウンドノベルの記事なんて書かないわな)、フリーという条件で以て、検索を進めていったのですが、んもう、『Mendeley』一色なんですよね。兎に角、こいつが一番、熱いツール(サービス?)だということです。
けれども、やっぱりというか、理系に特化しているような所があって、私のように、日本語で書かれたものを管理したい、というのには、あまり向かないかも……という思いがどうしても拭いされませんでした。

どうやら、理系の論文というのは、今は殆どが.pdfファイルになっていて、それらを取り込んで、自分だけのオリジナル文献データベースを作る、というのが、『Mendeley』の趣旨のようです。
まぁ、研究を専らにしている人にとっては、そういうのが役に立つのでしょうけれども、研究とは無縁の生活を送っている私には、オーバースペックですし、前述のように、日本語で書かれた書籍などを管理したい私とは、やはり方向性が違うような気がします。

昔……『Bunso』というフリーソフトがあって、身の回りでは結構評判が高かったので、探してみた所、もう開発が終了してしまっている事が分かりました。
それで、手詰まりというか、途方に暮れてしまったわけです。

いや、ネット上から.pdfのファイルをダウンロードして、読み込んでくれる、なんて機能がなくても全然いいんです。求めているのは、もっとシンプルなツールです。

著者名、タイトル、出版社、出版年月日なんかの基本情報が書き込める欄があって、その本の要約が書き込めるようなスペースも完備されている。そして、その管理ソフト上から検索が実行出来て、検索ワードに引っかかった文献がリストアップされる、とか、そんなもんでいいんですよね。

基本情報の入力欄はあるけれども、メモ(として使える)欄は、別のタブを開かないといけないとか、どうも使い勝手が悪いものが多くて、悩ましいのです。

まぁ……そのくらいだったら、自分でフォーマットを定めて、テキストファイルにひたすら書いていく、という方法でも良いような気もするのですが、もうちょっとシステマチックに管理出来たらいいなぁ、なんて夢を捨てられずにいます。

「このソフトお勧めだぜ!」とか、「このサービスはイカすぜ!」とか、そういう情報があれば、コメント欄に書き込んで下さるなり、メールを送って下さるなりして頂けると助かります。



今日はこのへんで。
それでは、また。
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by s-kuzumi | 2013-06-02 20:47 | 日々之雑記 | Comments(0)