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2013年 11月 27日

フリーサウンドノベルレビュー 『純白の街、灰雪の僕ら。』

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今日の副題 「創作といふものは、斯くもむつかしひものなのです」

ジャンル:頽廃電波倒錯ビジュアルノベル
プレイ時間:~2時間程度
その他:選択肢なし、一本道。対象は15歳以上
システム:Yu-ris

制作年:2013/8/24
容量(圧縮時):216MB



道玄斎です、こんばんは。
最近、めっきり寒くなりましたね。今年は、秋の時期が無く、いきなり冬がやってきたような、そんな気がします。まぁ、この時期になりますと、あまり外でアクティブに遊んだりは出来ないので、自然とノベルゲームで遊ぶ率が高くなるのでした。
というわけで、今回は、「プラスマイナスゼロ」さんの『純白の街、灰雪の僕ら。』です。ダウンロードは、こちらからどうぞ。
良かった点

・ノスタルジックな雰囲気と、SF色が混ざり合う、独特な世界観。

・創作とは何か? みたいな事を考えてしまう、懐の深さも。


気になった点

・ラストは綺麗に決まりつつも、どこか閉塞感を感じてしまう(後述)

ストーリーは、少し長目ですが、ふりーむから引用しておきましょう。
【あらすじ】
白が降る。雪が降る。だから、死体も降り注ぐ。
徹底的に漂白されていながら、死んでいるような街。
ここは、そういうところだった。

音のない白い箱に入りたかった。
人間がみんな、自分を糞袋だと認めていればどんなに良いだろうと夢想していた。

そして、今この白い街で、ひとびとは己の弱さや愚かさを素直に受け止め死んでいく。
僕の望んだ世界が、ここには在った。

この街の名前はさまざまだ。監獄都市。白ノ匣。凍花街。
そして、もっとふさわしい呼び名は――「ひと捨て場」。

そこに降ってきた少女は、奇しくも死体ではなかった。
真白の絨毯に広がる鮮紅色の長い髪はひどく美しく、そして鮮烈で――。

だから「僕」は、「彼女」を拾った。

【ゲーム概要】
基本的に読み進めるだけの、選択肢のないビジュアルノベルゲームです。
本作は性的・暴力的表現を含む十五歳以上を対象とした作品です。ご注意ください。

『Imperfect Blue』の作者さんの新作です。
『Imperfect Blue』は、比較的ストレートで、楽しい作品であったわけですが(重い部分も勿論あるんですけども)、本作は、舞台からしてちょっとヒネリが効かせてあります。

正直、あらすじを読んだ時の印象は、「『朝焼けの謳』みたいな、殺伐としたスラム的な舞台なのかな」と思っていたのですが、意外や意外、そうした雰囲気とはちょっと違いましたね。

SFっぽい作品なんだな、と分かってはいたのですが、主人公(?)テオの住居は、廃校舎である事が示され、近所には、あぜ道がある事、よろづ屋的なお店がある事が判明して、「あれ? あんまりSFっぽくないぞ……」とw
例えば、テオの服装なんかも、彼が小説家であるという事実があるにせよ、書生さんとか文士さんとか、そういうイメージで、SFに直結しないような雰囲気があります。

本作は、登場人物の語りによって進行する物語なのですが、彼らの語りも、どこか古めかしい……もっと云ってしまえば、文語的……或いは昭和初期の文学をイメージさせるような、そういう文章なんですよね。途中途中で出てくるアイキャッチにも、何か「文学っぽい」文言が書かれてますしね。
ストーリーが進むにつれ、テオ、そして、ヒロインたるコハルの事情とかも明らかになってくるんですが、そこで語られる彼らの過去も、そうした、大正の終わり~昭和初期に掛けての雰囲気を持ったもので、何とも云えないノスタルジックな気持ちにさせられます。

でも、その一方で、SF的な枠組みも当然あって、テオはロボットに食事を作らせたりしていますし、舞台となっている凍花街の市街地なんかは、現代的なんですよね。
これは、良い/悪いという問題を越えて、何だか不思議な気持ちになるような舞台設定で、この作品の大きな特徴の一つでしょう。


ストーリーの方は、飄々としてつかみ所の無い男、テオが、行き倒れ状態のコハルを拾った所から始まります。コハルは、元々テオを尋ねてきたので、正確には行き倒れではないのですが、「女の子を拾う系」のノベルゲームの系譜に入れてしまっても差し支えないでしょう。

そして、「女の子を拾う系」の常として、当然、二人は同居する事に。
基本的に、この二人の同居エピソードを通して、それぞれの抱えている問題を少しづつ意識させ、後半でそれを明らかにして……という、流れそれ自体は、オーソドックスなものです。

割と、一エピソードが短めなので、読みやすいと思います。細かい部分なのかもしれませんが、こういう部分、やっぱりゲームを作り慣れている感じがしますねぇ。これは、個人的な感触なんですが、作者が男性の場合、一つのエピソードは割と長目、作者が女性の場合、一つのエピソードは短め、という気がします。勿論、作品に合った形であれば、どちらでも困らないんですがw

普通に読んでいくと、「あれ? そういう設定だっけ?」と、思う箇所がぽつりぽつりと出てきます。
或いは、「これ、何かあるっぽいけど、サラッと流れちゃったぞ……」みたいな箇所も。
こうした、伏線は、ちゃんと後半~ラストにて、回収されていきます。ちょっとした違和感、謎なんかを散りばめている作品は、後半でいかに鮮やかにそれを回収するか、が一つのポイントだと思うのですが、本作は、ストーリーの加速に合わせて、そうした違和感や謎の回収をしてくれるので、中々気持ちよかったです。

エピソードの連続で物語を綴っていくわけですが、コハルがテオを好きだと気付く為の描写は、もう一押しあっても良かったかな、と。
現実の恋愛がそうであるように、何か劇的な事件があって、「ああ、この人が好きなんだ!」って気付くケースは稀なのです。何気ない日々の積み重ねの中で、或る相手が、少しづつ特別なものになっていく……そういうケースの方が多いとは思うのですが、それをノベルゲームで描写するのは、中々難しい。その微妙な淡いを描く事が出来たら、とても素晴らしい事だとは思うのですが、現実的に考えると、何か特別なエピソードで以て、分かりやすい形にしてあげる。そちらの方がお手軽ですし、プレイしていても納得感はあったりするんですよね。ここら辺は、本当に創作というものの難しさを感じます。。


そういえば、本編の直接的な内容ではないのですが、意外と、考えさせられるような、エピソードが出てくるんですよね。
その一つが、「創作ってなんだ?」とでも云うべき問題です。テオは小説家として身を立てているわけですが、別に小説を書く事に情熱を捧げている訳ではないんです。しかも、書くジャンルはてんでバラバラ。それでも、テオの小説は評価され、世の中に流通している。

前述の通り、作品そのものが文学的なテイストを漂わせているから、なのかもしれませんが、何か私には、そうしたテオの生業である小説を巡る一連の描写が、物凄く気になってしまったのです。
良くできたノベルゲームがあるとして、別に作者はそれを創り上げるのに心血注いでいたわけでもなく、「出せるから出した」とか、「何となく作ってみた」とかであった場合、何かモヤモヤしたものを感じませんか?

或いは、作者が、ブログやTwitterでは、「全力で書いてます!」とか、書きつつ、心の中では「ほんとは、テキトーに書いているだけだもんねー!」と思ってたりする場合、ともすれば評価の一つに組み込まれてしまう「作者の情熱」とか「努力の姿勢」とかってのは、全くアテにならない、って事になりますよねぇ。
結局、私達は、或る作品の由来が何であれ、作品それ自体でしか、作品を評価し得ないって事なのかなぁ。

んー、何かガラにも無く難しい世界に足を踏み入れてしまったみたいですw
こういうのは、時々考えてみると面白いんですが、私は頭が悪いので、いつも適当なトコで切り上げますw 頭痛がしてきちゃうからねw
けど、何か、そういう事を考えさせるような、深さを、この作品が持っているのは事実だと思います。何度も云いますが、作品自体に文学的な香りがしますし、それを狙っている部分も当然あるのでしょう(『ドグラ・マグラ』の引用なんか好きな人にはたまらないでしょう?)。

こういう深みにはまれる一方で、物語そのものは、スムーズに流れていく、というバランスもいいですよね。時に、そういう観念的な世界というか、そっちの方に行ったまま戻ってこない作品とかもありますしw 


……と、色々書いてきてアレなんですが、ラストまで読んで、私は、何となく閉塞感を感じてしまったんです。いや、文学が、とかそういう話じゃなくて。

後半~ラストの流れは、本作のSF的な部分が強く出ているんですが、そのSF的な枠組みに関しては、ラストまで読んでも、全くスッキリしないんです。
確かに、表面上のストーリーは収束されて、エンドロールの後の一枚絵+短い台詞で〆る、という綺麗な終わり方をするのにも関わらず、実はあまり問題は本質的に解決していないんじゃ、と思ってしまうような感じなんですよね。

ネタバレですから、詳しくは語りませんけど、そのSF設定そのものに閉塞感があるんですよね。
そして、期待するのは、その閉塞状況をブチ破るようなラストだったりしたわけで。ハッピーエンドを手放しで喜べない、みたいな感じになってしまいました。



という事で、今日はなんか余計な事を随分書いてしまった気がします。
けど、時には、あっけらかんとしたボーイミーツガール的な物語じゃなくて、もっと深く抉っていけるような、そういう物語も読みたいですし、そういう物語だったからこそ、色々余計な事を書いてしまったわけですw

2時間あれば、十分読了可能だと思います。
そこまで長くないけれども、何だか色々考えるきっかけになり得るような、そんな作品でした。後書きにもありましたが、『Imperfect Blue』と読み比べてみても面白いかもしれませんね。気になった方は、是非、プレイしてみて下さい。



それでは、また。

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by s-kuzumi | 2013-11-27 20:54 | サウンドノベル | Comments(0)
2013年 11月 23日

フリーサウンドノベルレビュー 『Good days』

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今日の副題 「俺と彼女とオルガンと」

※吟醸
ジャンル:ハートウォーミングラブストーリー(?)+短編集
プレイ時間:合計で2時間半程度。
その他:選択肢なし。途中でエクストラが開放されていくが、本編と直接的に関係がない。
システム:NScripter

制作年:2013/3/29
容量(圧縮時):32.1MB



道玄斎です、こんばんは。
今日は、お勧めされた作品をプレイしたので、そのレビューを。結構お馴染みな設定だったのにも関わらず、不思議と引き込まれてしまいました。というわけで、今回は「夢見る少女と水の空」さんの『Good days』です。
今回から、ダウンロードサイトのURLも張っていこうと思います。ダウンロードはこちらから。
良かった点

・お馴染みの設定にも関わらず、何故か引き込まれる不思議な魅力。

・優しい雰囲気と、読みやすい章立て。

・充実のエクストラ。


気になった点

・文章にくどさを感じる部分も。

・誤字や表記が不審な点、意味が通りにくい文章が散見される。

・ラストにもう一押し欲しかった。

ストーリーは、ふりーむから引用しておきましょう。
梅雨の近づく六月初め。
 時代に取り残されたような廃教会で、少女は一人オルガンを弾く。
 凛として儚く、何処か歪な少女との邂逅。

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本編『Good days』他、短編四編収録したオムニバス形式の短編ノベルゲームです。

ちょっとあっさりですが、こんな感じです。



久々に、尺が十分にある作品をプレイしました。
と、云っても、本作はちょっと変わった作りで、「本編」を読み進める事で、エクストラの「短編」が読めるようになります。しかし、その短編は、本編と関わりのあるものではなく、独立した短編なのです。

ですので、実は本編だけの尺で云えば、一時間ちょいと云ったところ。
短編の方は全部で四本。長いのも短いのもありますが、これも、全部読んで一時間ちょいでしょうかね。合計すると、大体2時間半くらいです。勿論、短編を飛ばして本編だけ読んでしまう、というのも可能ですし、本編・短編・本編・短編……と交互に読んでいってもいい。ちなみに私は後者の読み方をしました。


さてさて、肝心の中身に入っていこうと思うのですが、本作(本編の方ね)、結構良く目にする設定と、ストーリーの流れを持っているんです。

主人公は、何の気無しに足を踏み入れた廃教会で、一人静かにオルガンを弾く、謎の少女と出会う。そして、その少女は、妙にぶっきらぼうというか、心を閉ざしているような感じがする……。勿論、少女はとても美しい。

こうしたイントロを持つ作品って、ノベルゲームに限らず、結構良く目にします。
ラノベなんかにも多いですよね。作品によっては、主人公が出会うヒロインが、人間じゃなかったりするわけですが、基本的に、ミステリアスな存在だったり、物悲しさを感じさせるような造型になっていたりするわけです。

ですから、「あ、このパターンね」と、作品の型としてはすぐに分かってしまう部分は持っています。
それは、取りも直さず、こうした作品の型が好まれてきたという事でもあります。
同時に、ハシカみたいな、「こういう設定が凄く響く年頃」みたいのも、あると思うんですよ。だから、私はプレイしていて、「いやぁ、もう、この手の設定は卒業したからねぇ」と、ちょっと冷めた目で見ていました。

けど、ジンワリと入ってくる物語は、それが予定調和的であっても、厭味がなく、心地良いものだったんです。「もう卒業した」と云いつつ、実は全然卒業出来てなかったというねw
それにしても、お馴染みの設定、お馴染みのストーリーの流れを持った作品でも、「うーん……」と、思ってしまう作品がある一方で、こうして、「やっぱりいいもんだなぁ」と思える作品がある。この差ってなんでしょうね……。

その謎はすぐに解けるハズはないのですが、一つ、本作を、読んでいてピンときたのは、「起承転結」の流れが非常に綺麗だという事。それぞれの尺の配分も良かったと思います。特に承の終わりから転にかけて、そして結への繋ぎ方がスムーズで、次を期待させる作りは、基本を押さえたものですが、それだけに安心感を持ってプレイ出来ます。


そして、一章をプレイする度に開放されていくエクストラの短編集が、全部合わせれば本編と同じくらいのボリュームで、お腹いっぱいになりました。

特に、一個目の短編、『stand by me』が凄く良かったですね。
これも、実は本編と同じく、かなりベタな設定ですw 妙に観念的な話を持ち出す、美人で孤高のオーラを持つ文芸部の先輩とか、本当に良く目にする造型ですよね。

で、そんな彼女に憧れて、文芸部に入部した主人公との関わりを描く、そんなお話なのですが、最初は結構とっつきにくい文章とか話の中身で、アレだったのですが、段々とその先輩が物凄く可愛く思えてきちゃうんですよねぇ。
そして、そんな彼女に憧れる主人公を応援したくもなり、いつの間にか、自分を主人公に重ねて、プレイしてしまう……というわけですw ともあれ、ラストも綺麗に決まってますし、これは凄く素敵な短編作品でした。


さて、一方で気になった点は、文章がややくどい、という点でしょうか。
本編や、今書きました『stand by me』なんかも、前半部は「すらっと読める」という感じではなく、どちらかと云えば小説とか、或いはもっといってしまえば、凝ったラノベのそれに近いような、手触りがあります。

そういう文章の傾向は、漢字変換にも現れていて、「まだ」を「未だ」、「せい」を「所為」と表記していたりします。その一方で、「確率」とありたい所が「確立」になっていたりと、誤字が割と多め。
凝った文章にしたせいで、「ん?」となってしまうような表現も散見されます。

例えば、「きっと運命なんて一つもない、本当に偶然の邂逅」という文があるのですが、その偶然の邂逅こそが運命と云うものなんじゃ? という気が私にはするのですw


あと、本編で気になった点と云えば、ラストがもう一押し欲しかったな、と。
最後、主人公夏希と、ヒロイン望が幸せに向かって、やっと一歩踏み出そうとする、まさにその時に、物語が終わってしまいます。
そこに、「敢えて最後まで書かない美学」や「余韻の効果」を感じ取る事は容易なのですが、やっぱり、もうちょい続きを書いて欲しかったなぁ、と思いました。

或いは、例えば、これも良くある演出かもしれませんが、適当な所で、物語自体を切り上げてしまう。
そして、エンドロールが流れている最中に、「その後」を描く一枚絵を、何枚かゆったりと表示させていく。そして最後の一枚で、二人の繋いだ手がクローズアップされたイラストを持ってくるとか、そういう演出の方向性もアリかな、と。
何にせよ、折角積み上げてきた物語なわけですから、最後でもう一押ししてやると、良かったのではないか、という事ですね。ラスト辺りでは、主人公夏希も、ちょっとだけ焦れったいトコありますしね。うんと、アレな云い方だと小学生に「愛してる!」とか云ってもいいじゃん! とw


もっと前に話をすべきでしたが、本編のヒロイン望は、凄い可愛いですw
大学生と小学生の、年の差恋愛(?)を描くわけですが、望は大人びたタイプですし(勿論、その中に脆さみたいなものもあるわけですが)、丁寧に物語を積み上げていっているので、そこに違和感を感じる事はありません。

ちなみに、本編は、背景がみなモノクロで、一見すると「暗い」イメージがあるのですが、それが、上手く「優しさ」に結びついていたような気がします。そうした優しい雰囲気も、本作の魅力の一つですね。


最後に、エクストラで語られる短編に話を戻して、今日はお終いにしましょう。
本当に、本編とは、全く違う舞台で、全く違う登場人物達の織り成す物語で、一瞬、面食らってしまうのですが、『stand by me』や、『夏と風鈴と彼女』(これもコテコテ設定w)なんかを読んでいくと、どこか、本編との繋がりを、私は感じるのです。

孤高で、孤独な女の子と、それに向き合おうとする不器用な男の子の物語、と云うと、綺麗にまとめすぎた感はありますが、「全く無縁の短編が入ってる」のではなく、か細い糸ではあるものの、本編との連続性を有した作品が、本作に於ける短編集なのではないか、と思うのです。


というわけで、今日は悩んだ末に、久々の吟醸です!
みんな何だかんだいって、好きなタイプの作品、ではあると思うので、是非、プレイしてみて下さい。
短編と本編の読み方ですが、私は、やっぱり、本編を読んで、短編を読んで……ってやっていく読み方をお勧め致します。



それでは、また。


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by s-kuzumi | 2013-11-23 21:23 | サウンドノベル | Comments(0)
2013年 11月 15日

ノベルゲーム愛好家のDTM勉強会 第二十三回

道玄斎です、こんばんは。
今日は、久々のDTM関連の話題。半分私の備忘録を兼ねているのですが、誰かのお役に立てれば幸い。



■マルチ音源を使おう

私事で恐縮ですが、私が今使っているパソコン、大分古くなってきておりまして、最新の技術を詰め込んだサイトなんかを見ようとすると、ストレスが掛かる、って云うと大袈裟ですけど、「もうちょっとキビキビ動いてくれたらなー」と思う事が屡々あります。

けれども、まぁ、書類を書いたり、メールを送ったり、或いはウェブサイトの閲覧、なんて事くらいだったら、全然こなしてくれているので、まだまだ壊れるまで使おうと思うのですが、そう、私には「ノベルゲームのBGM作り」という、誰に頼まれたわけでもない趣味(?)があったのでした……。

「イラストを描く」「音楽を制作する」なんていうのは、特殊な専門性の高いアプリケーションを走らせるわけです。加えて、こうしたソフトは、ヴァージョンを重ねる事で「重たく」なる事はあっても「軽く」なる事はありません。時代の流れに従って、その時その時の状況やマシンのスペックに合うように、機能が追加されたりするんですね。あっ、いや、パソコンに載せるソフトなんて別にどれもそんなもんかw 

兎に角、音楽制作をしていて、そろそろ、今のマシンではきつくなってきたな、と、薄々感じてきてるんです。
でも、取り敢えずまだ、普通の作業には全然使えるのは前述の通りで、音楽制作の為だけに、マシンを買い直す程、立派な音楽制作活動をしているわけでもありませんし、飽くまで趣味の範囲でやってますからねぇ。

そんな事を考えていたら、ふと、気付いたんです。
「俺、マルチ音源持ってるじゃねーか……」と。
マルチティンバー音源、通称マルチ音源は、一つの音源で複数の音色を同時に鳴らすことが出来る音源の事です。

ギターはAという音源を立ち上げて、ピアノはBという音源、ベースはC、ドラムはD……なんてやっていくと、何個も何個も音源を立ち上げる事になるわけで、結果、動作が重くなります。
しかし、マルチ音源を使えば、一つの音源を立ち上げるだけで、ギターもピアノもベースもドラムも全部賄えるわけで、ローパワーマシンで頑張るDTM野郎の強い味方なのではないかとw

いや、まぁ、勿論、「気に入った音がそのマルチ音源の中にない」とか、「この音を使うんだったら、あの音源を立ち上げる」とか、色々あるんでしょうが、「取り敢えず、一通りの音が一つの音源に詰まっている」わけですから、これを使わない手はないと思います!


さて、前口上が長くなりましたが、今回、取り上げるマルチ音源は、Sample Tankというものです。「世界一淫らな音源」の異名を持つ、中々グーな音源……なのですが、如何せん、かなり前にリリースされたものですから、2013年の今からすると、ちょい垢抜けない音があったり……。

けど、けどですよ。
寧ろ、或る音楽ジャンルでの「最新」の音が、必ずしもゲームBGMにマッチするとは限りませんよね。寧ろ、程よくこなれた音源の方が、安心感のある音に仕上がったりする事も。

というわけで、ここからは、画像も交えて、Sample Tankを「マルチ音源」として使う方法を書いていきたいと思います。ちなみに、DAWは、普段私が愛用しているFL STUDIOです。



■複数の音を同時に出してみる

まずは、普通にFL STUDIOを立ち上げて、Sample Tankも立ち上げます。
ちなみに、私の環境では、FL STUDIOを立ち上げる時に、「管理者として実行」してやらないと、Sample Tankは上手く立ち上がりません。

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こんな感じ。
まだ、何の音もセットされてません。ですので、取り敢えず、適当に「ピアノ」「ギター」「ベース」の三つの音をセットしてやりましょう。

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ピアノは「Flutter revPiano」、ギターは「Acoustic12」、ベースは「Bursty Bass」というものを選んでみました。
それぞれの音源名が表示されている所をクリックしてやって、音源付属の鍵盤をマウスでポチポチしてみると、確かに、それぞれ、ピアノ、ギター、ベースの音がなります。
が、大事なのは、これがマルチ音源、という事で、飽くまで「同時に」これらの音が出て欲しいんですよね。

そこで、設定をしていきます。
先ずは、Sample Tankのウインドウ、左上に「歯車」マークをクリックします。
すると、画面が切り替わりますから、「MIDI」と書かれた欄の、「Input port」を「1」に設定してやります。いや、別に、2でも3でもいいと思うんですが、取り敢えずここは1で。

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次に、「ピアノ」「ギター」「ベース」の三つの音をセットしているので、FL STUDIOで、「MIDI Out」を三つ立ち上げます(CHANNELS→Add one→MIDI Out)。

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さて、次は、今立ち上げた「MIDI Out」の設定です。
「MIDI Out」の「Port」の部分を「1」にして下さい。この「Port」の数値は先ほど設定した「Input port」の数字と合わせます。「CHANNEL」はデフォルトでは1です。

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どうでしょう?
設定した「MIDI Out」の鍵盤をマウスでポチポチすれば、Sample Tankで読み込ませたピアノの音がしませんか? そして、先ほどは「デフォルトで1」だと書いた、「CHANNEL」を「2」にして、また鍵盤を叩いてみて下さい。今度は、ギターの音色がしますよね? そして「CHANNEL」を「3」にすれば、ベースの音が出てきます。

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なので、三つ立ち上げた「MIDI Out」の「CHANNEL」を1~3に割り振ってやればいいわけです。勿論、それぞれ「Port」は「1」にしておくこと。
これで、一つの音源で、同時に複数の音を出すことが出来ました! おめでとうございます!



■それぞれの音をミキサーに割り当てる

何とか、Sample Tank一台で、三つの音を出すことに成功したんです、が……。
画面の下の方にミキサーが見えてますよね。でも、音はマスターに流れているだけ……。

ピアノはミキサーのInsert1に、ギターはInsert2に、ベースはInsert3にそれぞれ割り当てて、音量調整をしたり、それぞれにエフェクトを掛けたい! 
そう考えるのは極々自然な事です。いや、寧ろ、そうしない事にはマルチ音源である事の恩恵を受けられないではありませんか!

音が複数出せるだけ、じゃなくて、それぞれの音をミキサーに流し込んで調整出来るからこそ、「一台で全て賄える」わけですからね。

なので、もうちょっと頑張りましょう。
まずは、先ほど、Sample Tankを立ち上げる時に、サラッと流してしまいましたが、Sample Tankの「Channel settings」で、FXスロットに「1」を入力し、Sample Tankの音がミキサーのInsert1に流れ込むようにしましょう。

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次に、ちょっと見えにくいんですが、Sample Tankの音源をセットした部分、あれの右側に「1+2」とかって書いてあるんですよね……。で、その部分、カーソルを置いたまま、マウスホイールをグルグルしたり、クリックしたまま、カーソルを上下させる事で数値を変更出来ます。

なので、取り敢えず、ピアノは「1+2」、ギターは「3+4」、ベースは「5+6」にセットしましょう。

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これで、音を出してみると……あっ、まだ、Insert1にしか音が流れてません。
さて、最後の設定です。先ほど、「Sample Tankの画面の左上の歯車」を押して、設定画面に入っていったと思うのですが、もう一回、その画面に行きます!!
そして、「PROCESSING」のタブを開いて、「Auto map outputs」を押します!!

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ほら、これで、Insert1にはピアノが、Insert2にはギター、Insert3にはベースの音が流れてます!

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■まとめ

上記の手順を踏めば、マルチ音源を最大限使う事が出来るハズです。
以下に、簡単にまとめておきましょう。


1、Sample Tankで使いたい音を複数個セットする。

2、セットした音色と同じ数だけ、MIDI Outを立ち上げる。

3、Sample Tankの左上の歯車から「Input Port」を任意の番号にセット。

4、それぞれのMIDI Outの「Port」を、上記の「Input Port」の番号に合わせる。

5、MIDI OutのCHANNELを変えれば、セットした音がそれぞれ鳴る。


ここまでが、「取り敢えず、複数の音を同時に鳴らす編」です。
以下が、「パラでミキサーに音を送る編」になります。


6、Sample Tankの音源自体を「Channel settings」で、どのInsertに流すか指定。

7、Sample Tankの音源の右に表示される「1+2」といった表示を、それぞれに割り振る。

8、Sample Tankの左上、歯車→PROCESSING→Auto map outputsをクリック。

9、ミキサーに、6で指定したInsert番号から順に、それぞれの音が流し込まれている。


以上です!


意外と、検索してもすぐに情報が出なかったので、それなりに需要があるんじゃないかな……なんて思います! 又、「マルチ音源じゃないけど、俺はFLのすげぇテク知ってるぜ?」なんて方がいらしたら、是非、こっそり教えて下さいねw



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2013-11-15 22:04 | サウンドノベル | Comments(2)
2013年 11月 04日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『ニートと呼ばないで』

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道玄斎です、こんにちは。
今日は、久々のノベルゲームレビュー……の番外編です。昔から好まれてきた話の型を持った作品、って事になりましょうか。
というわけで、今回は「Y-F」さんの『ニートと呼ばないで』です。『津軽雪月花』の作者さんの新作ですね。



周辺的な情報を予め述べておくと、本作は、前作と同じくwolfRPGエディター製の作品です。これも『津軽雪月花』の時にも書きましたが、操作に全く不満はありません。
尺は私がプレイして20分といった所。じっくりじっくり読んでいっても30分掛かるか掛からないか、という、非常にプレイしやすい尺になっています。

さて、作品の中身に入っていきますが、物語冒頭で、主人公鈴木優の家族紹介、みたいなものが行われます。主人公宅にやってきた動物(ペット)のヒメを紹介するパートですね。ペットも亦、家族ですからね。このヒメというメスの動物(何の動物か、最後の最後まで分からなかったのですが、多分、猫かな)と、主人公が兄妹のように育っていった、なんて事が記されるわけです。

そして、時は流れて、主人公は23歳に。
四年制の大学を卒業したものの、就職出来ず、職安に通う毎日……。タイトルである所の「ニート」が活きてきます。
いや、そのニート描写っていうか、それは結構シリアスで、ずしりと重みがあるものでした。求人票だけは出ているけれども、実際に「本当に求人している会社」は少ない、とかね。バイトをしながら資格を取ったりしても、就職できず、職安に通う日々とか、ちょっと読んでいて、悲しくなってきます。

が、そんな主人公の前に、一人の謎の女の子が現れて、彼を励ましてくれる……というのが、うんと粗雑なストーリーの流れですけど、その女の子(ヒイロ)の正体は何なんだ? って事で、悩む人……いないと思うんですよw 云うまでもなく、その女の子は、ペットのヒメが人間に姿を変えたものです。

こうした、動物が飼い主とか、面倒をみてくれた人なんかに対して、恩を返していく話のパターンを、そのまま「動物報恩譚」って呼びます。「鶴の恩返し」とかが、一番分かりやすいですね。
本作も、この「動物報恩譚」という、話のパターンが基調となって展開されていく、というか、ほぼそのままの形ですね。

けど、やっぱり、「動物報恩譚」なんて言葉がある以上、この手の物語は大量に存在していて、昔から今に至るまで、様々な所で見る事が出来ます(フリーのノベルゲームでもありますよね)。つまり、非常に、好まれているパターンなんですよね。
本当に、少し読み進めれば、「あっ、これね」って、話の構造は分かっちゃうにも関わらず、最後まで読んでしまうし、本作の場合、私はやっぱり感動してしまうんです。

それって、こうした話のパターンが持っている力、みたいなものもあると思うんですよ。
前述の通り、本作も、動物報恩譚の典型的なパターンですけれども、読んだ時に、「本作に於ける動物報恩」だけで感動している、っていうよりも、長年熟成されてきた「動物報恩譚のイメージ」みたいなものが、プレイヤーの心の中に底流していて、それを触発させてくれる、というか、そんな印象があるのですが如何でしょうか?


さて、話は戻りまして、途中で厭なヤツ(所謂、勝ち組ってヤツかねぇ……)が出てきたりするんですが、一発キャラみたいな感じで、ストーリーとしては、かなり駆け足気味にラストまで到達してしまいます。
そこが、ちょっと、勿体なかった部分かな、と思いました。

これも先に述べましたが、就職を巡って、かなりシビアな状況に主人公は置かれているんですよね。で、人一倍苦しんでいるし、それがコンプレックスにもなってしまっている。
しかし、ヒイロの叱咤激励によって、就職するに当たっての自分の求める条件を緩和させて……みたいな。

そこに、ちょっと、私は違和感っていうか、何となく落ち着きの悪さみたいなものを感じてしまったのは事実です。そもそも本作、「ニートと呼ばないで」というタイトルで、タイトルの雰囲気だけで云えば、「シリアス寄り」というよりは、「明るさ」とか「軽さ」を感じさせるものだと思うんですよね。
で、「ニート」という問題が一つの焦点である事、疑いの余地はないのですが、そのニート問題、みたいな部分がかなりあっさりとクリア出来ちゃう所に物足りなさ、を覚えてしまったというか。

例えば、ヒイロが人間でいられる期間を一日ではなく、もう少し長目にして、時にコミカルに、時にシリアスにニートの問題を掘り下げていったり、更に、主人公とヒイロ、そして主人公とヒメの関係を、そうした問題に直面させていく中で深めていったり、という事があれば、満足感がもっとあったかな。
換言すれば、もっとふくらみのある物語に十分出来たのになー、という感じでしょうか。

いや、けど、ヒイロがずっと人間だとしたら、その間のヒメの不在はどうするんだ? とか、そういう問題はありますねぇ(一応、タテマエとして主人公はヒイロの存在がヒメと同一である事に気付いていないわけですから)。うーん、そうですねぇ、ヒイロは、昼間、どこからとも無く現れて、主人公に合流する。そして主人公が帰宅する間際になると、どこへともなく消えていく、そして主人公が帰宅すると、何食わぬ顔で、家にヒメがいる、とか? 


いや、まぁ妄想に入ってしまいましたね……。
ともあれ、もっと尺の長いバージョンでこの話を読みたかったなぁ、というのが素直な感想なんです。前作も、全体としての尺はそれなりにありましたが、テンポは良すぎるくらいだったので、一つ一つのエピソードっていうのかな、そういうのを、もう少しじっくり楽しみたいな、なんて思ったり。


ちょっと、辛口気味になってしまいましたが、優しく、プレイする人を選ばない作風は、この作者さんの大きな魅力だと思います。本作は分かりやすさ、みたいなものもプラスに働いていたと思いますしね。


というわけで、今日はこの辺りで。
それでは、また。

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by s-kuzumi | 2013-11-04 15:30 | サウンドノベル | Comments(2)
2013年 11月 02日

なんてことない日々之雑記vol.378

道玄斎です、こんにちは。
更新回数を増やそう! と、決意したにも関わらず、あまり更新出来ていないというw 



■風邪をひきました

一年の間で、三回くらい「風邪ひいいた」って報告してるような気がしますけど、またしても風邪をひきました。けど、どうやら私だけじゃなくて、身の回りの人も、みんな風邪をひいているようなのです。

私や、私の周りの人は、「ノド」がやられているようで、扁桃炎とかね、凄い多いですね……。
幸い、私は扁桃炎ではないのですが、ノドは痛むし、鼻水は出るし、息苦しいし、と、風邪の辛さを存分に味わっています。唯一、熱がそんなに出てない、というのが救いですね。

んで、ノベルゲームの方ですが、いくつか面白そうなものをピックアップしてあります。
ちょっぴり気になる女性向けのゲームなんかも出てきたので、また、そういうのも紹介出来ればいいなぁ、と。
何となくの感覚で、「最近のノベルゲーム界隈は元気がない」とか、逆に「活発だ」とか、私は云っちゃうんですが、最近、またちょっと、新作ノベルゲームがぽこぽこ出てきて、面白い感じになってきたかな? なんて思ってます。

いや、「何となくの感覚」って云いましたけど、それなりに、自分の中での根拠はあったりします。
大体、ゲームを探す時って、作品登録(や、アップロード/ダウンロードが出来る)ウェブサイトがあって、そこで新着情報をチェックしたりしますよね。私の場合、ふりーむ!とベクターの二つなんですが、私が「最近、どうも活発でない」とか云う時の状態っていうのは、


・新着の作品が少ない。

・新着の作品ではあるものの、「第2章前編~体験版~(全五章予定)」とか、書いてあって、それ単体で完結していないものが多い時。

・上記と被るが、同人ゲーム(頒布を前提としたもの)のプロモーション版が多い時。

・一部の多作な作者さんが、新着欄を独占している時。


なんかです。
四つも挙げちゃいましたが、結局は、「単独で楽しめる新着作品が少ない時」です。
「いやいや、そんなのお前の思い込みに過ぎない。良く見てれば、ちゃんとコンスタントにゲームは制作され、投稿されている」という向きもありましょうが、本当に、コンスタントに制作されて、発表されているゲームって、女性向きのゲームが多くありません? 作品説明を読んでみると、「糖度は甘めです」とか書いてあるので、すぐに分かりますw

個人的には、立ち絵とかついてないけど、なんかグッと惹きつけられるようなタイトルや、ストーリーを持った作品とか、そういうのが、ちょこちょこリリースされていると嬉しいんですが(そういう時にも、「活発だぜ!」と思ったりするわけですw)、昨今では中々厳しいのかもしれませんね。

以前にも、チラッと書きましたが、ここ数年、ノベルゲームを巡るトピックの中で、一つ特徴的なものを挙げると、「実況動画/放送」の存在が挙げられます。
気になる作品があって、ダウンロードしてみて、取り敢えずreadme.txtを読んでみると、「実況」についての注意書きが書いてある、というのも、ここ二三年でグッと増えましたよね。readme.txtじゃなくても、作者さんのページに云ってみると、それについての言及があったり、とかね。

実況されると、作者さんとしては、無料で自作品のプロモーションが出来ちゃう……んですが、ノベルゲームで実況っていうのもなぁ、という気はしますw
例えば、分岐しない一本道の作品があったとして、その実況動画/放送があれば、実際に作品をダウンロードし、自分で読み進めないでも、作品の全容を知る事が出来ちゃうからです。プロモーションの範囲を越えちゃうんですよね。

これが、ノベルゲームじゃないジャンルのゲーム、例えばシューティングなんかだと、「俺だったら、この局面では、こう弾を避ける!」とか、実況をその作品を知るきっかけにしつつも、各人がダウンロードをして、実際にプレイする、という事が、ノベルゲームより多そうなんですよね。
RPGだって、「俺は、しばりプレイをやってみるぜ!」とか、或る程度、遊び方に工夫が出来ちゃいますからね。言い換えれば、ユーザー体験の選択肢が多いというか。
一方、ノベルゲームの場合、「基本、クリックして読み進めていくだけ」ですから、そのクリック(と、テキスト読み上げ)を、実況者が代行しちゃえば、もう、各人はやる事がないんですよねw 作品をダウンロードする、なんて事もしなくていいわけで……。これは、制作者からしたら、ちょっと悲しいかもしれませんね……。


けど、全部が全部、実況されているのか? って云えば、そうでもなくて、実況しやすい作品と、そうでない作品があります。
今まで、いくつか、ゲームの実況を見てきた経験から云うと、


・比較的尺が短い作品が選ばれる事が多い。

・ジャンルは、ホラーなんかが強い。

・見た目がキャッチー(立ち絵が可愛かったり、とか)。


こうしたものが、実況されるノベルゲームの特徴の一端、だと思います。
生放送なんかだと、ズルズル「part31」とかになるより、2~3枠とか、そのくらいで終わった方がいいわけですし、視聴者と共通体験をする為には、「びっくり」とか「怖い」とか、そういう刺激があった方がいい。んでもって、立ち絵もないんじゃ、フラッと見に来てくれた視聴者(ノベルゲーム好きとは限らない)が、「地味で、面白くなさそう……」なんて思って立ち去ってしまう、というわけです。

そんな状況が、もっと拡大していくと、地味だけど面白い作品、だったり、じっくり読ませる作品、みたいのが、減っていっちゃうんじゃないかな、なんて思ったりするんですよ。

やっぱり、制作者としては、プレイしてもらってなんぼ、なトコがあるわけですし、その為に、色々苦心したりするわけですよね。で、その苦心の結果、実況用に最適化された作品ばっかりになっちゃうと、作品としてのフレームは、なんか小さくなっちゃうような、そんな気がしますよ。

ま、実際問題、それで全てのノベルゲームが、実況用に最適化されちゃうとか、実況によってノベルゲームは駆逐される、なんて事はないとは思いますけどもねw
逆に、実況に最適化する事で新しく見えてくる、ノベルゲームの新しい方向性なんてものも、あるかもですしね。
ただ、実況それ自体が、作品世界を視聴者と共有する、って所から逸脱して、作品そのもの(誤字脱字から始まって、設定やらイラストやら)に突っ込みを入れていく、とか、そういう方向に進んじゃうと、なんか末期的な気はしますが。


で、話はちょい戻りますが、やっぱり、見た目地味な作品が出てきにくい、なんて状況はありますよね。
実は、私、携帯電話は所謂スマートフォンを使っているのですが、結構有名なフリーのノベルゲームをダウンロードしてスマートフォン上でプレイ出来る、というアプリがあるんです。お馴染みの作者さんの作品とかもありますし、一定以上の評価がされている作品が多いわけですが、そのアプリのユーザーレビューを見てみると、

「イラストがどの作品も下手」

とかね、そんな事が書かれていたりして……。
じゃあ、そもそもイラストの無い作品はどうしたらいいんだ? とw 
いや、「イラストが上手いのが良い」という価値観と、「イラストが必須」という価値観はイコールではないんですが、どうも、そういうユーザーレビューの文脈を見ていると、「可愛く綺麗なイラストがついているのが最低ライン」みたいに、見えちゃうんですよねw 


っと、まぁ、風邪のせいで(いや、いつもか……?)、話が随分とっ散らかってしまいましたが、最近は、また、面白そうな作品も出てきてますし、フリーになった商業作品なんかも発掘したりしています。
で、地味だけど面白いとか、一般受けはあまりしなさそうだけども、なんかとんがってる作品とか、そういうのを自分のフィルターでより分けて、紹介出来たら、まだ、このブログの存在価値はあるんじゃないかな、なんて思っています。

ま、取り敢えずは風邪を治す事に専念しようと思いますw



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2013-11-02 16:31 | 日々之雑記 | Comments(4)