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2014年 03月 29日

なんてことない日々之雑記vol.383

道玄斎です、こんばんは。
良い季節になってきました。暖かくて、気持ちよくて、自然と外に足が向いてしまうような、春の到来ってヤツです。日も長くなり、運動をしたりするのにも最適だとは思うのですが……。



■血尿

実は、今年度(あと二日で終わりですけど)は、私、ちょっと健康に気をつけていたんです。
いや、分かります。いつもいつも「具合悪い」とか「風邪引いた」とか「肺炎になった」とか書いてるじゃないか、って云いたいんですよね? でも、それでも例年よりも滅茶苦茶健康に気をつけて生活していたのですよ。

具体的に何をしていたのか、っていうと、この一年くらい、ランニングにハマってました。
正確に云えば、今以て継続中です。

そうですねぇ、なるべく毎日時間を見つけては走ろうと思ってはいるのですが、実際は、週に4日くらいってトコですね。4~6kmの距離を、トロトロと時間を掛けてじっくりと走る。そういうランニングスタイルです。
で、大雪が降ったりと、割と最近まで寒かったわけですけど、ようやく春らしい、暖かな気候になってランニングもはかどっていたのです。「ああ、暖かくなって気持ちいいなぁ」なんて、ね。

んが、昨日のお昼過ぎ、何気なくトイレに行ったら、CCレモンじゃなくワインが出てきましたw
流石に吃驚しましたw で、すぐに病院に行ってみたものの、「午後の診療の予約はもう受け付けてない。17:00からなら、救急の枠で診察自体は可能だけれども、当直の先生が専門かどうか保証は出来ない」という有り難いお言葉を頂戴し、帰宅したわけです。
帰宅してからも、ワイン改め血尿は出てまして、ちょっと不安が募りましたw

そして、今日、最寄りの病院に行ってきたわけですが、尿検査にCTスキャンを終えて……「特に異常無し。但し、細胞検査はして、癌かどうかは確かめる」と云われました。

ここまで検査して、医者が診て、異常がない、っていうんですから、恐らく異常はないんでしょう。細胞検査っていうのも、まぁ、やっておけば一応安心、みたいな、そんな感じなんでしょうね。血尿も今は出てないしね。

昨晩……気になるので、ちょっと「血尿 原因」とか、そういう感じのキーワードで検索を掛けてみたのですが、どうやら、血尿は大きくわけて2パターンあるみたいですね。
一つは、「排尿時に痛みを伴う血尿」、今一つは「痛みを感じる事無く出てくる血尿」です。私が検索をしてみた所、ヤバいのは後者の方らしく、私は正に後者のパターンだったという。

診察が終わって、一安心している今も、昨日の血尿の原因が全く思い当たらないんですよ。
別にケンカして、思いっきり内臓をぶん殴られたとかもないし、性病と友達になっちゃうような場所は大嫌いだし、煙草は飲みますけど(一番弱いヤツね)、お酒は殆ど呑みませんし。

医者は、「うんと小さな石が出来てたのかなぁ?」と、云ってましたが、確かに、血尿の後に澱のようなものが出てたわけで、結石未満の、砂みたいなヤツが傷を作ったのかなぁ? なんて無理やり納得させてますw
ま、いちおー、今日、明日くらいはランニングは控えようかな。

年度が替われば、健康診断がある人も多いと思いますけど、ちょっとでも異常があったら、即病院行った方がいいですよ。安心はお金には換えられませんからねぇ……。



■変わるものと変わらないもの

今年は2014年なわけで、何と、私がこのブログを始めてから七年目になります。
当初に比べれば、滅茶苦茶更新頻度は落ちましたし(歳を取れば取るだけ、色んな意味で自由が利かなくなるのです)、取り扱うフリーのサウンドノベル/ノベルゲームの潮流っていうのかな、そういうのも、少し変わってきた部分もありますよね。

「実況プレイ」に対する注意事項が、readme.txtにかなりの頻度で付くようになったり、「第一部無償配布」(シェアゲームのプロモーション版っていうか、体験版)とかが、ふりーむの新着欄にバシバシ載るようになったり(下手すると、「体験版」である事が記載されてないケースも……w)。

時代が変われば、それを取り扱うもののスタイルも変わります。
より正確に云えば、変わらざるを得なくなってしまう、というか。

私のブログで云えば、DL先のリンクまで記載するようにしたり、とか、微妙な変化はあるんですw
そういう外側に向けた変化っていうのは、分かりやすいんですけれども、ゲームをプレイして、レビューを書く時にも、実は結構色々考えたりする事があるんです。こっちの方は見えにくいんですけどもね。

まぁ、大袈裟に云えば、そういう内的な試行錯誤みたいのは結構あって、上手くいく時もあるし、失敗する時もある。「今日は、ちょっと作品を深く掘り下げられたかも!」と、思う時もあれば、「今日は作品の魅力が伝わったかどうか、ちょっと怪しい……」なんて具合に。

けど、どんな場合でも、ハタから見れば、お気楽に書き飛ばしているように見えても、無い頭をフル回転させているのは事実なのです。
毎度毎度、「頭が良かったらなー」とか「文才に恵まれてればなー」とか、色々考えたりするんですけど、結局、自分は自分の能力の中で頑張るしかないわけで、そうやって頑張ってる内に、少しは磨きが掛かってくる事を期待しながら今に至ります。。

外的な変化や、日々の内的な試行錯誤はそれはそれとして、それなりに長い事、サウンドノベル/ノベルゲームのレビューをやってきて、今でも変えたくない基本路線は、やっぱり「草の根活動」という所だったりします。
大上段に振りかぶる、っていうのは、何か私の性に合いませんし、自分の手に届く範囲の中で、細々とでもやっていけたらな、と。

勿論、草の根じゃなくて、リーダーシップを執るような人が居ても、当然いいと思いますし、否定も致しません(けど、レビューでリーダになる、ってのも、なんか不思議な気はしますね……自分で書いておいてなんですけどw)。私には向いてないってだけで。
ま、極論すれば、素敵な作品に出会えて、楽しめればいいんですよw レビューとかって云ってますけど、飽くまで一プレイヤーが、レビューを書いてるってだけの事なので。


そんな感じで、ゆるゆると、七年目も頑張ってやっていこうと思います。
今日は、こんなトコですね。兎にも角にも、皆様、健康にはお気を付け下さいませ。



それでは、また。
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by s-kuzumi | 2014-03-29 17:40 | 日々之雑記
2014年 03月 20日

フリーサウンドノベルレビュー 『よんひくいちは』

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今日の副題 「期待の地平を裏切る名作」

ジャンル:未来予知が可能な少年が主人公のノベル(?)
プレイ時間:1時間半ほど。
その他:選択肢なし、一本道。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2014/3/2
容量(圧縮時):121MB




道玄斎です、こんばんは。
日々、「あの時、ああすればよかった」と悩んでいる私ですが、もし、私に未来予知があれば、そうした後悔はしないで済んだのか? 或いは別の悩みが生じてしまっていたのか、とにかく、そんな事を考えさせられる作品のご紹介。
というわけで、今回は「現屋」さんの『よんひくいちは』です。ダウンロードはこちらからどうぞ。
良かった点

・1時間半の中に密度の濃い物語が詰め込まれている。

・場面場面で、プレイヤーに考えを促すような、不思議な作品内容。


気になった点

・割と難しい表現を使う為、分かりにくい部分がある。

ストーリーは、ふりーむの方から引用しておきましょう。
ある日不思議な力を手に入れた男子高校生。
「自分は、未来予知ができる。」
その力で彼は、何を掴むのか。
その力で彼は、何を失うのか。

雨の日を境に何かを失った彼が、
いつもの非日常のなか、生き抜くお話。

大雑把ですけど、面白いノベルゲームって二種類に分けられると思うのです。
それは、プレイを開始して、少しづつストーリーが盛り上がっていって、最後に「ああ、面白かった」と終わるタイプ。今一つは、プレイを開始して幾ばくも経たぬ内に「お! これは面白いぞ……」と気付くタイプ。

あんまりにも、単純で一面的な切り分け方ですけれども、経験ありませんか?
本作、『よんひくいちは』は、まさにこの後者のタイプでした。プレイして、10分くらいで「あ、凄い面白いじゃん!」と感じたのです。
でも、一方で、ラストまで読んでみると、最初に感じた面白さとは別の種類の面白さがある事にも気付く。そういう作品でした。

主人公、宥大(ゆうた)には、所謂予知能力が備わっています。
その予知とは、予知の対象となる、人物・内容・場所・期間が分かるというもの。但し、人物・内容は必ず分かるものの、残りの二つは振れ幅があり、分かる時と分からない時、或る程度の制限が付くもの(期間なら、一週間以内、など)がある。

そんな宥大が、ある日、クラスメイトの男子が「主人公になる」という予知を得てしまうのです。
そこが、この物語のスタート地点と云っても差し支えないでしょう。面白そうでしょ? 「主人公」という、小説とか、ゲームの中にしか存在しないであろう漠然とした存在に、クラスメイトがなってしまう。そんな予知を得て、この物語が動き出します。

そして、その予知をきっかけとして、宥大は、凌太(これが主人公になる、と予知されたクラスメイト)、寛、そしてどこか不思議な黒助という友人に恵まれて生活をしていくのだが……という感じ。

宥大の予知能力者故の苦悩、みたいなものを孕みながらも物語は進んでいくわけですが、本作の凄い所は、そうした予知能力だけを推進力にしているわけではない、という点です。
詳述は避けますが、ホラーの雰囲気を持つパートがあったり(今日のスクリーンショットはそこからです)、超自然的な要素(まぁ、予知もそうなんですが……)が、物語に大きく関わっていたり、見所がたっぷりで、密度を感じるのです。

故に、最初の10分かそこらで予想する、ゲームの雰囲気というか、色がコロコロ変わっていく。そんな印象もありました。だからこそ、今日は「ジャンル」がかなり苦しい書き方になってしまったのですw
ともあれ、そこを、この作品の欠点と見るか、或いは面白い所と見るか、意見は分かれそうですが、私は後者の立場です。予知能力だけじゃない、と、書きましたが、そこがやはり、一つの芯になっている部分はありますしね。


全部プレイすると、ちょっと不思議なタイトル『よんひくいちは』の意味も分かるのですが、そうした、物語の謂わば焦点、と共に私が気になったのは、宥大の母親の存在でした。
何も、この作品に限りませんけれども、ゲームに於ける母親の存在、ってのも、ちょっと考えていくと面白いテーマなのかもしれません。商業作品なんかだと『Kanon』の秋子さんとか、凄い人気ですし、魅力がありますよね。

宥大の母親に、話を戻して。
母親らしい、慈愛に満ちあふれた存在なのは間違いないのですが、その母親の持つ優しさや、「信じる」という事が、やっぱり、物語の焦点や核心に届いている気がするのです。そんなに作品中で沢山描写されるキャラクターではないのですが、だからこそ、凄く印象深く、いいキャラクターだったなぁ、と思います。


ちなみに、文章そのものは比較的読みやすい、と云ってもいいのですが、使っている漢字や言い回しに難しいものがあったりして、実は「すんなり読めない」という印象です。例えば、「落暉」なんて言葉を私は、生まれてこの方使った事がありませんw
一つは、宥大の心中思惟を、結構緻密に描いているから、という事はひとまず云えそうなのですが、高校生の男の子がこんな言葉を使って思考するかなぁ? とか、いや、けど、「小説」だったら、そういうのも全然アリなんだよな……とか、色んな事を考えてしまいます。

作品や、その内容を、じっくりと反芻して、ノベルゲームから「考える事」を引き出したいプレイヤーっていますよね。私の知り合いにもいますw 「多分、作者はそんな事考えてないよ」ってな事でも、真剣に考えちゃう。
下手な考え休むに似たり、ってことわざもありますけれども、そういう人は、頭がいい人が多いんですよねぇ。
そういう人にとって、この作品の持つ、「読みにくさ」っていうのは、寧ろ逆にプラスに働くのかもしれません。

まぁ、私は馬鹿で、考えるのがニガテなので、難解な漢字や表現によって、ストーリーをストレートに読み解きにくいという所で、「気になった点」として挙げましたが、こういう作品が出てくるから、ノベルゲーム漁りが止められないんですよw



大体、こんなところでしょうか?
最初の10分で感じる「面白い!」という感触と、プレイしていく内にその「面白さ」の内実が変化していく、密度の濃いストーリーが光る作品でした。一応、無印にしてはいるのですが、ちょっとまだ、吟醸にしようかどうか、迷っていますw もう一度くらいプレイしてみて、最終判断をしますw
短すぎず、長すぎない尺で、良い作品を探している人には、断然お勧め致しますよ!



それでは、また。



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by s-kuzumi | 2014-03-20 20:02 | サウンドノベル
2014年 03月 12日

フリーサウンドノベルレビュー 『femme fatale』

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今日の副題 「運命の女は悪女でもある」

ジャンル:浪漫ミステリー(?)
プレイ時間:4時間半程度。
その他:選択肢アリ、間違った選択肢はバッドエンド直行。18禁。
システム:?(独自システムと思しい)

制作年:元々2001年にリリースされたものを、2006年にリニューアル。
容量(圧縮時):181 MB




道玄斎です、こんばんは。
今日は、ちょっと朝からのんびりしています。ここ数ヶ月、色々と忙しくてため込んでいた作品を少しづつ消化中。今日は、商業ブランドから期間限定という事でリニューアルし、配布された作品のご紹介。
というわけで、今回は「inspire」さんの、『femme fatale』です。ダウンロードはサイトに入って、一番したのミラーサイト一覧にて、mirror.fuzzy2.comからどうぞ(直リンク出来ませんでした)。
良かった点

・大正時代を舞台としている為、ちょっとレトロな雰囲気が味わえる。

・淡々と進むストーリーが、意外にもプレイヤーを離さない。

・今でも十分通用するイラストと、ちょっと嬉しい女性フルボイス。


気になった点

・ミステリーではあるものの、最後までプレイしてもスッキリ感はあまりない。

・システムにバグがあり、ハマると先に進めない(後述)。

・タイトルと関係のある女性が、もっと表に出てきても良かったのかも。

今回、ストーリーは私が纏めておきましょう。
時は大正時代。東京で探偵業を営む八神は、一時、郷里に戻ってきた。
そこで、父の代から知り合いである警部に、ある事件の調査を秘密裏に依頼される。その事件とは、八神の妹鈴花が通う、ミッション系学校で起きた女生徒の不審な死に関するものであった。
八神は、妹鈴花、そして元許嫁の聖美と生活を共にしながら、事件の真相を探っていくのだが……。

といったところ。

正直な所、私はあまりハードボイルド系のミステリーを読んだりした事がないので、アレなんですが、どうやら本作は、そうした系統の作品のようですね。

舞台は、大正時代。
それぞれのキャラクターの発話、或いは地の文なんかも、「現代モノ」のそれと比べると、なんだか古めかしい言葉遣いで雰囲気が出ていました。ただ、正直、読めない漢字が一箇所、二箇所くらいありましてw ルビを振ってくれてたらなぁ……なんて。

如何せん、古い作品ですから、そこらへんに文句をつけてもしょうがない部分はあるのですが、2006年にリメイクされているのならば、もうちょっと遊びやすいシステムだったらな、という部分は色々ありました。
文字表示も、クリック待ちカーソルが出るとか、表示速度とか、そういうのは一切なくて、クリックすると、一気にずらっと文章が表示される形式。実はそれなりにバッドエンドがあるのに、セーブスロットの数が少なく、またセーブ(及びロード)出来るタイミングが限られている、等々。

そうした面がある事は確かなのですが、一方で、イラストが今でも十分通じる綺麗なものであったり、女性キャラはフルボイスなど、嬉しい部分も。


ところで、本作のタイトル、「ファムファタール」ですけれども、タイトルだけ聞いて、皆さんはどのようなイメージを持たれました?
私は、と云うと「運命の女(ひと)」という、邦訳がありますから「なんだか、ロマンチックな、そういう話なのかな?」と思っていました。ところが、プレイしていくと、探偵業(?)がメインであるわけで、あんまり、そういうロマンチックな方向には話が進んでいかないんですよね。

不審に思って、ちょっと調べてみたら、どうやら「ファムファタール」には、もう一つ意味があって、そちらは「男を破滅に導く魔性の女」という意味だったんです。
で、本作のタイトルの意味する所も、そっちの方だったというわけです。


一応、本作をノベルゲームと位置づけてレビューしているわけですが、ちょっと独特なシステムもあるので、その辺りの解説も入れていきましょう。

本作は、クリッカブルマップによって物語を進行させていく形式、といって差し支えないと思います。
一日の始めに、マップが表示され、行くことの出来る場所が示されます(場合によっては複数の中から選択する事に)。そして、その場所に出向いて、事件を調査するわけです。
そして、一日の終わりには、自宅書斎にて、「思索」というコマンドを選択し、昼間の活動で得た情報を整理していきます。選択肢は、この「思索」の中に出てきます。更に、必要があれば「呼鈴」なるコマンドで、鈴花乃至聖美と会話をして、「就寝」コマンドで次の日に……。

と、まぁ、こういう流れになるわけです。
セーブ/ロードのタイミングも、クリッカブルマップ選択時か、自宅書斎に居るときに限定されています。
ある種の単調さは感じるものの、特に迷う事なくプレイ出来るのは好印象です。「思索」や「呼鈴」で、全ての情報を見ないと「就寝」出来ないので、情報の取りこぼしは起こらないんですよね。

今、ある種の単調さ、と書きましたが、ストーリーの進み方も、少しづつ盛り上がって……というよりは、淡々と描写されていき、事件の真相付近まで近付いても、そんな雰囲気は変わりません。ラストに至っても「淡々」という感じですからw ミステリーに「謎の解明」というスッキリ感を求める人には、ちょっと物足りないかもしれません。
じゃあ、盛り上がりがなくて、更にスッキリしたエンドじゃないなら面白くないのかよ? と云われれば、「いや、それは違う」と云いたいのです。

盛り上がりや、その盛り上がりを際だたせる為の日常パートが、ノベルゲームには大事、と、私は良く書いているのですが、本作の場合、それは当てはまらないのかもしれません。
一つは、あまり「ノベルゲームの文章」というよりは、「小説」の方に近い文章を採っているせいだと思います。今では使わないような、ちょっぴりレトロな言葉遣いが多用される、というのは先にも書きましたよね。逆に云えば、ノベルゲームに小説っぽさを求める人には、結構満足出来る作品ではないかと。

で、淡々としてはいるのですが、ちゃんとストーリーは進んでいきますし、別の人物から別の依頼をされ、それが追っているヤマに繋がっていったり、と、プレイしていて飽きる、という事がありません。すっごい派手な事件とかは起こらないのに、プレイヤーを離さない。見習うべき部分が多い作品だと思いましたよ。

バッドエンドはありますが、基本一本道、と考えてもいいと思います。
何故ならば、誤った選択肢を採ると、即バッドエンドに向かってしまうからです。ちなみにエッチシーンはこのバッドエンドに集中しています。
正規のルートでも、イベントとして、エッチなシーンが入る事は勿論ありますが、総量から見れば、大した事はありません。


気になった点の中で最大のものは、「バグがある」という部分でしょう。
尤も、本作はWindows XP用なので、Windowsのバージョンの違いでバグが起きてる可能性も否定出来ないのですが……。
そのバグというのは、「思索」から人物や場所を選択して情報を整理していると、突然、別のシーン(前日のシーンとか)に切り替わってしまう、というものです。

これも先に書きましたが、全ての「思索」を終えなければ「就寝」出来ず、従って、ゲームを続行する事が出来ません。
対応策としては、「何度も、繰り返し、同じ『思索』をし続けるしかない」という、ちょっと後ろ向きなものしか発見出来ませんでした。

何かのタイミングで、シーンの切り替わりが起こったり起こらなかったりするので、ひたすら、ループして、正しく判定され「就寝」出来るまで、頑張るしかない、という事になります……。これが、本作の最大のマイナスポイントでしょうか……。


話を戻して。
調査を進めていくと、学園の理事長が数年前変わった事や、その理事長がかなり胡散臭い人物である事、更に学園の外国人女教師にもよからぬ噂がある事などが分かってきます。

そうした情報が、調査の中で少しづつ判明していくのは、それが一本道であっても、結構楽しいものです。情報を提供してくれる酒場の主人だったり、古書店店主とのやり取りは、本作に於ける主人公の立場を明らかにしてくれますし(八神の父の代で家が没落、されど地元では顔が利く)、学園に通う女の子達との接触も、スリルを感じるものや、微笑ましいものまで色々あります。

登場する女の子はみんな可愛いですね。
ミッション系の学校での事件だけあって、登場する女の子は、レイチェル、カレンと、外国の子も多いのです。個人的には、一番可愛いのは、やっぱり妹の鈴花って事になっちゃうんですけどもねw 

さて、問題は、タイトルの「ファムファタール」だと推測される、外国人教師フレイアです。
本作に底流しているのは、云ってしまえば、男尊女卑的な思想で、「女性として生きるという事」みたいなものが一つのテーマとなっているようです。
主人公の元許嫁の聖美や妹鈴花、カレン、中国人女性ツェイリン、そしてフレイアを巡る問題には、その「女性として生きる」問題がつきまといます。

そうした、事件の中に潜んでいるテーマ性みたいなものが、作品に深みを与えている事、間違いないのですが、フレイアに関しては、ちょっと不足を感じる部分があります。事件の真相と関わりがあるので、詳述は避けますが、もう少し、フレイアが表に出てきて、作品を貫くものを、より強く意識させてくれたらなぁ、と、思うのでした。


本作は、どうやら、『エーデルヴァイス』という商業ゲームの前史に当たる作品のようです。
フリー化されたのは、その『エーデルヴァイス』のプロモーション用って事になりましょうか。しかし、単独で十分楽しめるものですし、以前からお勧めされていた事もあって、今回取り上げてみました。

システム的に使いにくい部分や、バグがあったりはするのですが、大正時代のレトロな雰囲気を味わったり、どちらかと云えば小説に近い、ハードボイルド路線を楽しんでみたり、と、見所は結構あります。
最新のWindowsでは動かないかもしれませんが、プレイ出来るようなら、是非ご一読あれ。



それでは、また。



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by s-kuzumi | 2014-03-12 17:45 | サウンドノベル
2014年 03月 09日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『Summer Girl ―夏の少女とボク―』

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道玄斎です、こんばんは。
やっとこさ、少し色々とゆとりが出来たので、プレイしようとため込んでいた作品を遊んでいます。今日は、その中でも、かなり短めの作品ですね。
というわけで、今回は「mint wings」さんの『Summer Girl ―夏の少女とボク―』です。ダウンロードはこちらからどうぞ。



今回は、凡そ20分程度で読了してしまったので番外編です。
主人公大輔が、幼い頃に体験した、ちょっと不思議な出会いを描く、ノスタルジック短編作品。ふりーむの一言作品紹介欄に「心ほぐす 一般向けビジュアルノベル」と、書いてあるのも頷けます。

皆さんがフリーのノベルゲームに求めるもの、って何でしょう?
ゲーム性? ストーリーの良さ? イラストの良さ? それとも、どれだけ商業作品に近付いているか?
様々なご意見、あるかと思います。ちょっと、最近、色々な人との関わりの中で、そうした「フリーのノベルゲームに求めるもの」を意識してしまう場面がありました。

まぁ、別に「フリーの」と限定しなくてもいいっちゃいいんですが、兎にも角にも、色んな人が、色んなものをゲームに求めているわけですよね。ストーリーは二の次で、エロ要素が強けりゃいい、なんて人もいるわけですしw

たまに目にしたりするのが、「俺は○○という立場で、ノベルゲームを捉えている。よって、そこからはみ出たものは認めない!」「ノベルゲームは△△じゃなければいけない!」なんてタイプの人。一本、自分の意見を持っていて、そういう所は素晴らしいと思う一方で、私は、どうにも、そうした意見には賛同出来なかったりします。

私は本当にいい加減なので、「その時その時、自分が楽しんでプレイ出来て、何か心に残るものがあれば、それでいい」みたいな考え方です。
同じ作品をプレイするにしても、プレイする時間帯とか、その時の自分の精神状態とか、或いは、自分の身辺の事情とか、そういったファクターで個々の作品は、結構色が変わって見えたりします。

うんと単純な話だと、失恋した直後に、失恋の悲しみを描くような作品をプレイしたとしたら、それが割とありきたりな演出だったり、よく耳にするお馴染みのBGMを使っていた作品だとしても、結構グッとくるんじゃないでしょうか?

そうやって考えていくと、或る意味で、ありきたりな、オーソドックスな作品っていうのも、それが「オーソドックスだから」という理由で排除される謂われはないんじゃないかな、と。
オーソドックスな作品に対して、個人的な楽しさなんかをもっと積極的に見いだしてもいいんじゃないか? なんて思っています。それでも「ちょっとこれはなぁ……」と思う作品があれば、言及しなきゃいいだけですしw


と、いつにも増して前置きが長くなりましたが、本作も亦、割とオーソドックスな手触りを持つ作品です。
祖母の住む田舎にやってきた、主人公大輔が、駄菓子屋さんで働く一人の不思議な少女と出会い、少しづつ惹かれていく……というもので、「(主人公にとって非日常的な)田舎での出会い」「不思議な少女」など、部分部分を切り出してみれば、きっと、目にしたことのある設定だと思います。

又、舞台が夏である為、少女の衣装も白のワンピース。
少女らしさと、夏っぽさ、そして微かなまぶしさを感じさせてくれます。

そういえば、大輔と、不思議な少女のぞみは、年齢差がちょっとあるようです。
大輔の方が幼くて、のぞみは大輔にとってお姉さん、という位置づけです。この年齢差が、実は作品のノスタルジック感を増して、素敵なものにしていたと思いますよ。
これが、同い年の少女で、例によって例の如く、彼女にハッキリと恋心をおぼえてしまう……なんて事になっちゃうと、この尺だと、流石にちょっとね。そういうストーリーがあっても当然いい訳ですけど、そこに説得力を持たせる為には、もう少しエピソードを積み上げた方がいいのは、云うまでもありません。

大輔の、のぞみに対する、恋未満の、ほのかな憧れ、みたいな雰囲気がラストまで効いています。
作品を彩るBGMの選曲も、とても良かったと思います。確かにノスタルジックな雰囲気が出てますし、夏のまぶしさの中にある翳りのようなものも感じさせてくれます。

20分くらいの短めの作品ですし、今は、春なのでちょっと季節はずれているのですが、私は、本作を何だかとっても気に入ってしまいました。作品全体を包み込む、優しい手触りも魅力的です。
最近、忙しさなどで、固くなっていた私の心も、少しほぐれた気がします。

良い作品だと思うので、是非遊んでみて下さい。
ダウンロードだけしておいて、夏にプレイしてみる、なんてのも乙かもしれませんよ。



それでは、また。



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by s-kuzumi | 2014-03-09 18:03 | サウンドノベル