2014年 06月 13日

フリーサウンドノベル関係の雑記 箸休めvol.64

道玄斎です、こんばんは。
ちょっとご無沙汰しております……。ここの所、色々忙しくて……。あっ、けど、ゲームに関係した作業は、チマチマやってますよ! そんな作業の中で感じた事なんかを書いて、今日はお茶を濁します。



■校正って大変だよねぇ

ゲームを実際に作る時って、個々人で作業の順番とかに違いはありそうですけど、「書いた文章をチェックして、誤字脱字を洗い出したり、或る表現を、より良い表現に置き換えたり、シナリオ上の矛盾を解消する」なんて作業はどこかで必ず入るハズです。

一般的に、「デバッグ」と云われる作業に、こうした文章校正が含まれている事が多いんですが、これが中々大変なんです。
そりゃ、15分ポッキリで読了出来る、くらいの作品規模なら、そこまででもないのですが、プレイ時間が一時間、二時間……と増えていくと、こうした校正の手間は劇的に増えてしまいます。

勿論、執筆者自身が、校正をするというフェーズもあるわけです。ちょっとカッコつけると著者校正って事になりましょうか。
でも、悲しい哉、そもそも著者は「変な文章を書こうと思って執筆しているわけではない」ので、自分の誤りに気付かないって事が多々あります。自分で読み返してみて、「あっ、こりゃ分かりにくいわ……」とか感じるならば、そこは最優先に修正すべきでしょう。

で、自分で自分の誤りに気付きにくい以上、第三者の力が必要になります。
そう、デバッガーの存在です。或る程度の大所帯でゲームを作っているのならば、他のメンバーが総出で、文章を読んでチェックして……ってやればいいんでしょうけど、「何もかも、手作りでやってます」なんて人は、こりゃ、協力してくれる人を探すしかないわけです。

自分の経験や、他の人のデバッグを手伝った経験から云わせて頂くと……やっぱり、「第三者に文章を見て貰う」っていうのは、とっても大事な事だと思います。
別に、「デバッグ」なんて大上段に構えなくても、知り合いに「ちょっと読んで、おかしいとこがあったら教えて」とか頼むだけでも、大分違うんじゃないかな。

しっかりと渡したシナリオを読み込んで、どんな小さな疑問点も漏らさず報告してくれる人……凄く貴重です……。耳に痛い事でもちゃんと云ってくれる人がいるならば、その人を大事にしてあげてください。「ディスられたぜ!」なんて怒らないで、指摘してくれた箇所を、ちゃんと検討すると良いと思うのです。

「俺ぁ、他人の意見なんざいらねぇ!」ってな姿勢も、意外にカッコ良かったりするんですけど、それで「完成度の高いテキスト」を作れちゃう人は、本当にまれなんじゃないかしら。
ここで云う、「完成度が高い」っていうのは、文章的に優れているとかではなく、「誤字脱字や、慣用句の誤り、様々なレベルでのシナリオ上の疑問や矛盾がキチンと解消されているテキスト」だと思って下さい。

文章の巧さとかは、その次のレベルの話ですからね。
そう云えば、作品名は挙げませんけど、「これは、推敲とか全くしていないのでは……?」という作品をプレイした事があります。
誤字脱字は当たり前、日本語としてかなり違和感の残る文章。主語と述語が一致しない……等々、挙げればキリはないんですが、一言で云うと、「表現能力が乏しい」というか。

しかも、その作品は「雰囲気で読ませるタイプ」の作品だったんですよね。
しっかりとしたエピソードが積み重なって、ラストに向かっていく、というのではなく、「全体の雰囲気で感動してくれ」みたいな。

私は、そういう作品ならば、尚更、「それを支える文章」が大事になるんじゃないかな、なんて思うわけです。
文章という土台がしっかりしていて、初めて、その世界観や全体の雰囲気が活きてくるんじゃないかと。ノベルゲームでは、「表現の手段としてのテキスト」が大きな役目を担っていますからね。
でも、それを作った方は、割と自信過剰というか、文章の推敲とかしないタイプでしてw 当然、誰かに文章を読んで貰って、修正箇所を探したり、なんて事はしないわけです。

そういうのは、ちょっと勿体ないよなぁ……なんて思うんですよねぇ……。
イエスマンじゃなくて、ちゃんと問題点を指摘してくれる人に、事前に文章を見て貰っていたならば、その作品も、もうちょっと化けたんじゃないかなぁ。



■で、何すりゃいいのよ?

またグダグダになってきましたけど、著者自らが校正を行う場合と、第三者がそれを手伝ってくれる場合、大きく分けて二つの校正の機会があるわけですが、「何でこれをやらないのかな?」と疑問に思う事があるんです。

何をやるのか、というと、ズバリ「音読」です。
書いた文章、書かれた文章を、実際に口に出して読んでみる。これだけで、不自然な日本語の大部分が追放出来るハズです。

もし、声を出せないような状況なら、「心の中で読んでみる」とか。
漫然と文章を眺めているだけでは気付かない、文章のリズムだとか、違和感なんかが、それによってあぶり出されてくるわけです。

第三者に校正をお願いする前に、著者が音読によって、文章を修正出来ていたならば、その後の校正もスムーズになりますし、誤字脱字みたいな細かな指摘ではなく、もっとシナリオに対して突っ込んだ指摘も出来るようになるかもしれません。


もう一個、文章校正の技を書くならば、「一度プリントアウトして、それを読んでみる」というものもあります。パソコンの画面上で文章を読むのと違い、プリントアウトしたものを読むと、結構色んな発見があるものです。
但し、シナリオ容量が大きいと、かなりのプリント枚数になっちゃうので、そこが難点と云えば難点ですね……。

プリントアウトすると、「紙に直接修正点を書き込める」というメリットもあります。
校正記号なんて知らなくってもいいんです。赤ペンを使って、分かりやすく直せばOK。これが、パソコンの画面上だと、「修正すべき文字列を一度消去し、新たな文章に差し替える」という作業になってしまいますし、「修正前の文章を見たい」という時に不便ですよね。消しちゃってるんですから。かといって、一々バックアップを取っておくのも面倒ですし。

なので、「シナリオ量によっては、プリントが大変」という問題を抱えてはいるものの、実際にプリントアウトして校正する、というのは、結構いい方法なんです。

実際、本とか雑誌とかに文章を載っけた事がある人なら分かると思いますけど、ゲラは、「紙媒体で送られてきます」よね? その後の第二稿、第三稿なども然り。
今の技術とかだったら、それこそ、PDFなり何なりで送ってしまえば、切手代は掛からないし、印刷代も掛からない。けど、今でもアナログな方法で多くの出版物は校正されている、という事を考えると、やっぱり、そこに何かメリットや、デジタルデータに勝るアドバンテージがあるんじゃないでしょうか。

今、ちょっと調べてみたら、PDFを利用した電子校正なんてのも、やっぱりあるみたいです。
けど、やっぱり、世の中の大多数の原稿は、アナログな紙媒体で校正されている、と思いますよ。



以上、校正にまつわる話をちょろちょろしてみました。
「音読する」なんてのは、すぐに使える技だと思うので、どうぞお役立て下さいまし。


それでは、今日はこの辺で。
あっ、あと、NMの方でも少し動きがあります。リニューアルのような大きな変更ではないのですが、使い勝手を向上させる為の、企画が動いている事、お伝え致します。



それでは、また。
[PR]

# by s-kuzumi | 2014-06-13 21:11 | サウンドノベル
2014年 05月 24日

フリーサウンドノベルレビュー 『硝子の月-Retrouvailles-』

b0110969_16342866.jpg

今日の副題 「周回プレイの愉しみ」

ジャンル:学園ノベルゲーム(?)
プレイ時間:一周5時間くらい。
その他:選択肢なし、一本道。
システム:NScripter

制作年:2012/12/17
容量(圧縮時):86.5MB




道玄斎です、こんにちは。
今日は、珍しくも丸々一週間くらい掛けて読んでいた作品のご紹介。一応「学園ノベルゲーム」って事にしてありますけれども、実は結構奥が深い作品で、そこら辺を軸にしながら何かお話出来たらな、と。
というわけで、今回は「森野いづみ」さんの『硝子の月-Retrouvailles-』です。ダウンロードはこちらからどうぞ。
良かった点

・周回プレイで魅力が出てくる、不思議な作品。

・かなり緻密に組み上げられた物語世界。


気になった点

・見やすさ/分かりやすさを、もう少し追求しても良かった。

・色々考察が出来、懐が深い反面、分かりにくい部分も。

ストーリーは、ふりーむから引用しておきましょう。
「この世界は、僕達用には出来ていないんだよ」
 それは昔、彼の大切な友達の言葉。
 それから数年の月日が流れて、高校生になった少年は、どこか歪な、だけど変わらない日々を過ごしていた。

 彼の周りに集まるのは、世界から弾かれた少女達。

 一人は、花の様な容姿の転校生。
 一人は、規律正しい幼馴染の委員長。
 一人は――美しい白銀の髪を持つ、白い少女。

 そして――


 ――この世界に、君の生きる場所はあるかい?
   世界の終わりはまだ遠く――

こんな感じ。


さて、ノベルゲームのレビューと云っても、当然、「書きやすい」タイプの作品もあれば、「書きにくい」タイプの作品もあるんですよね。ストーリーが理解しやすいものは書きやすいですし、ストーリーそのものが難解だとやっぱり書きにくい。
そうした分かりやすさの問題とは別に、「これはネタバレせずに書くのは困難だなぁ」なんて思う場合も、やっぱりちょっと書きにくいですよね。

それは兎も角、今回取り上げる作品も、ちょっと書きにくいな、と思ったのは事実なんです。
一つは、一周しただけでストーリーを理解出来る人は多分いないでしょうし、同時に二周目以降のプレイで明らかになるネタをバラしちゃうのは、ちょっと忍びない。

と、いつもだったら泣く泣くスルーしてしまう所だったんですが……実は本作、私のノベルゲーム友達に猛プッシュされたんです。


友人「確か、同じ作者さんの『Good Days』はプレイしてたよな? 『硝子の月』はやったのかい?」

私「いやー、それがねぇ。何となく手を出せてないんだよねぇ」

友人「いや、これ、もう最高だから、絶対にやってくれよ!」

私「そこまで云うなら、ちょっとやってみるよ」


というやり取りがあったんですね。
しかも、その友人、ただのノベルゲームファンってわけでもなくて、某作品にスタッフとして参加していたり、かなりディープなノベルゲーマーなんだよ。自作の作品を作った経験こそないものの(作りかけて頓挫した経験アリ)、片足くらいは「制作者」の領域に突っ込んでいるような、そういうタイプ。

そんな友人が、ここまで猛プッシュするって事は、いい作品なんだろう、と思って、チマチマとプレイを開始したんだけど……。


友人「おい、やってるか?」

私「うん、今日から読み始めたよ」

友人「今、どの辺りだ?」

私「えっと、今、○○と○○がこういう話をしていて……」

友人「いいとこまできたな。ところで、その前のシーンのアレ、どう解釈した?」

私「え……あれはさ、○○が△△だって事でいいんじゃないの?」

友人「なるほどね。そういう解釈か。読了した暁には、お互いの解釈を語り合おうか」

私「お、おう……」


ってな、やり取りが連日ありましてw
で、今のやり取りで分かって貰えると思うんだけど、「尺は長目」そして、「解釈を求められるような難解さがある」って事なんです。

私も丸々一週間、この作品に付きっきりでした。
もう、本当に一周しただけじゃ分からないんですよ。取り敢えず、表面的に起こった事象を追いかけていく事は出来る。けど、その背後にあるコンテクストがどうにも理解出来ない。というか、もっと積極的にミスリーディングさせていくような、そういう手触り。

二周目以降の楽しみをツブしちゃうのはアレなので、ボカしながら書いていくと、本作の主人公(という云い方が一番いいか)は、離人の凄いヤツを患っているらしい。それが故に、所謂「生きづらさ」みたいなものを抱えて生きている、という設定です。

ところで、離人って分かりますか? 作品中では「俯瞰で物事を見てしまう」みたいな説明があったと思うんですが、もうちょい補足しておきましょう。
例えば、あなたがいつものように、ノベルゲームをプレイしていたとしますよね。右手をマウスに添えて、クリックしながら物語を読み進める。いつもの光景です。

それが、何かの拍子で、フッと画面から目を逸らして、マウスに添えた自分の手に一瞥くれたとしましょう。
普通の人なら、何も思わないんです。「おっと、いけねぇ。続き読まなきゃ」ってな具合に、またゲームに没入出来る。
一方、離人の場合は、何気なく見た自分の手が、「自分の手と即座に認識出来ない」んです。「あっ、マウスに手が置いてある!」みたいに、自分の手のハズなのに、その一体感が薄れてしまうんですよ。自分の身体が自分のものでない感覚。それが離人の第一歩。

それが、もっと酷い事になると、「自分が自分でない」みたいな感覚になっていくらしいですね。
本作の主人公が罹っているのは、そういう症状です。そうした悩みを抱えた主人公を軸に、物語が進んでいくんですが、第一章(Moon Dream)は分かりやすいんです。
勿論、謎もたっぷりあるし、凄い気を持たせるような、意味深の発言はてんこ盛りなんですが、何とか追っていける。


問題は、第二章(Sentimental syndrome)以降なんですよね。
多分、一周目では、何がなんだかサッパリ分からないんじゃないでしょうか? 私は最初、「実はSFだったのか!」と軽く衝撃を受けたんです。SFでお馴染みのアレじゃないかと思ったわけですね。で、確かに、そう解釈すれば、一本道にも関わらず、「ヒロイン級」の女の子が何人も出てくる説明はつくんです。

こっちではこの人だけど、あっちではあの人。
みたいに、多様な人間模様が描けるわけですから。それに作者さんはスティーブン・キングとか好きそうだしね。けど、作中でその説がバッサリ否定されて、謎を深めたまま、一周目が終わってしまいました。


で、一周すると作者さんの後書き(兼ネタばらし)が読めます。
そして、二周目にいくと、かなり気持ちよく今までの謎が解ける。更に「ネタバレモード」が選択出来たりするので、そういうのを利用すると、物語の謎の大部分が解けるようになります。

この、一周目は謎を大量に散りばめて、二周目でそれを回収させる、というのは、(プレイする方にも)手間暇が掛かる仕掛けですけど、意外と面白いものですね。一種の爽快感すらあるわけで、「こりゃ確かに中々凝った、面白い作品だぞ」と。
よーく、注意して見ていると、同じような台詞(って云ってもいいのかな)でも、それが平仮名なのか、カタカナなのか、で実は違いがあるとかね。

結果、私は三周したわけなんですけど(部分的にはもっと回ってるんですが)、繰り返し読めば読むだけ、理解が深まっていく、という構造は、ホント面白いと思いましたね。
取り敢えず一回プレイしちゃえば、全部分かってスッキリするよ、って作品がある一方で、こうした複数回プレイを求めてくるような作品ってのも、意外と味があっていいもんだなぁ、と。

ともあれ、かなり緻密に計算されて作ってある物語世界なんですよ。
この作者さんは、物語を作る力がありますよね。『Good Days』は、比較的シンプルな作品でしたけど、本作の複雑な構造は、中々作れるもんじゃないと思いますよ。


さて、一方で気になった点ですが、もう少し、見やすさや分かりやすさを考慮に入れても良かったかな、という所がまず挙げられます。

全画面表示タイプの作品(本作も基本それです)の場合、地の文と会話文の間に適度なブランク行があった方が見やすいんじゃないかな、なんて思ったりするんです。

私が好きなのは、さっきの私と友人との会話のように、地の文と会話文の間には「二行」ブランク行を設ける。会話文が連続する場合は「一行」ブランク行を空け、また地の文に戻る際に「二行」空ける。
そういうスタイルです。地の文と会話文を明確に分けてやって、読みやすさを確保する、って事なんですけど、意外とやってる人が少ないみたいですね。

こうした見やすさに関連して話すと、かなーり誤字が多いので、そういうトコが少し勿体ないかもです。
「僥倖」が「行幸」になってたりして、それじゃ、帝のお出かけだよ! って所があったりw 
こだわりや、作りたいモノの方向性との兼ね合いだと思いますけど、「出来れば易しい言葉を使う」「無理に漢字にしない」なんてのは、ちょっと意識すると、大分読みやすくなるんじゃないかな。

何しろ、ストーリーそのものに掴みにくい所があるわけですから、体裁的な部分でも読みにくくなっちゃうと、ちょっとプレイヤーの負担が増えちゃうんですよね。


もう一点は、「それでも分からない問題がある」って所。
昨晩も、友人と語り合ったんですよw お互いの疑問を持ち寄ってね。

ここで初めてキャラクターの名前を出しますけど、本作の裏の主人公っていうのかな、そういうのは多分、アイリスって事でいいんじゃないかしら? 銀髪の美しい少女です。
私の読解だと、主人公と鏡像関係にあるような、そういうキャラだと思うんです。ネタバレモードで、二周目を見れば、多分、そういう感想は出てくると思いますが。

よって、アイリスっていうのは、本作において物凄いキーパーソンなんですよね。
クールビューティーと称される丙さん、聖女と呼ばれる敷野さんよりも、物語の核心にグッと食い込んでいるっていうか。

で、本作は、そのアイリスの発話によって幕を下ろします。
その時のアイリスの発言、それがまた意味深長で、且つ、理解しづらいんです。作品の〆としてはバシッと決まった感はあるんですが、真面目に考えると、良く分からなくなっちゃうんですよ。

一応、私が考えたのは……「二周目以降をプレイする事によって、プレイヤーは二つに分かれていた(と思われた)世界を一つのものとして統合出来る。けど、最後の最後で、二つの世界の境界線上にいるようなアイリスの発話を以て、その統合の認識が本当に正しいのかどうか、プレイヤーに揺さぶりを掛ける」みたいな、感じなのかな、と。
だから、実質的な意味はあまりないんじゃないかとw 昨晩もこの問題は決着が付きませんでしたw

たまにSFで、そういうのありますよね。
或る認識と、別の認識の二つがあって、結局は一方が正しい、って事になるんですけど、最後の最後で、やっぱりもう一方の認識の存在感が増してきて、世界や、認識そのもののあやふやさを感じさせる、みたいなね。
それと同種の表現方法、なのかなぁ、という感じ。

アイリスに関しては、本当に分からない事が多いんですよ。
そもそも、中学編で、アイリスが主人公と出会った時、本来ならばアイリスには二つの認識の選択肢があったと思うんです。けど、アイリスは疑いなく、その内の片方を選択してしまい、それが、物語の始発部に繋がっていく……みたいな。


そういう語られないというか、明らかにならない部分は、気になる所でもあり、且つプレイヤーに思考で遊ばせてくれるというか、そういうプラスの面もあるんですよね。


そういえば、本作の一応のヒロインは、学校の先生、みのぎちゃんです(裏ヒロインはやっぱりアイリスでしょう!)。今回のスクリーンショットの人ですね。最初は、「物語に於ける役割が希薄なので、この人がヒロインなのは何だか納得がいかん!」と思ったんです。勿論、キャラそのものは物凄く好みだったんですがw

けど、逆に、物語による負の束縛みたいのが無いからこそ、彼女はヒロインになり得るのかも……と、複数回プレイしていく内に考えが変わりましたw ホント、今回一番云いたいのは、「複数回プレイすると作品の見方が変わるよな」ってトコなんですw
当たり前っちゃ当たり前なんだけど、最低二周しないと、物語が掴めないような、そういう作品だったわけで、改めて「複数回プレイの良さ」みたいのを教わった気がします。


時には、一周ではスッキリしない作品に、腰を据えて取り組んでみるのもいいんじゃないでしょうか?
今回は、迷った末の無印ですが、私の友人のように、「吟醸」や「大吟醸」だと感じる人も絶対にいるはずです。好みが別れそうなところではありますが、気になったら、是非プレイしてみて下さい。



それでは、また。



/* 以下、宣伝

私達が運営している、ノベルゲーム制作支援サイト(素材ポータルサイト)、Novelers' Materialなんてものがあるので、良かったら、利用してやって下さいませ~

http://novelersmaterial.slyip.com/index.php

リニューアルも完了し、より使いやすい素材ポータルサイトになっております。

以上、宣伝 */
[PR]

# by s-kuzumi | 2014-05-24 16:35 | サウンドノベル
2014年 05月 18日

フリーサウンドノベル関係の雑記 箸休めvol.63

道玄斎です、こんにちは。
今日は、以前軽く予告しておいたお話をしようかな、なんて思っています。
本当は、猛プッシュされている作品があるので、それをプレイするのがいいのかも、なのですが、ちょっと長そうだから、こうやっていつものようにワンクッション入れるのでした……。



■悪友達に愛の手を!

前回、『メモリア-day of memory-』という作品をプレイした時に、お馴染みの悪友ポジションの竜司というキャラが気になってしまいました。
正確に云うならば、その竜司を起点として、「悪友とはなんぞや?」という、大きな問題が気になり始めたというか。

『メモリア-day of memory-』の時に書いたように、「悪友にもちゃんと見せ場があるといいよね」という結論自体は変わらないのですが、同じ事を繰り返して書くのも気が引けるので、ちょっとだけ角度を変えて考えてみましょう。

昨晩、いつものように眠れない夜。
「悪友って何だろう?」と考えていたわけですが、「悪友→ノベルゲームではお馴染みのキャラ→ノベルゲームでの定番の存在?→ノベルゲームって何?→そもそも物語とは?」みたいに、思考が及んできました。



■物語と欠損

私にしては珍しく、深入りしているというかw
で、まぁ、色々グダグダ考えたんですが、ここは一つ、思い切って大上段に振りかぶって云ってしまいましょう。「物語とは“欠損”を埋める創作物」だと。

所謂、「無気力高校生、聖母のようなヒロインと出会う」型の作品なんかでも、主人公は「やる気」だったり、「生活のハリ」だったりが欠損しているわけですよね。
或いは、「謎めいた女生徒が転校してくる」型でも、その女生徒は、何か秘密を抱えていて、それが為に苦悩する。そこに欠損がありますし、下手をすれば、それが主人公の失われた記憶(これも記憶の欠損だ)とリンクしていたりして。

もっと分かりやすい例だと、主人公は既にして、肉体的な欠損があり、それを乗り越えて、何とかやっていく道を探す、みたいなタイプの作品がありますよね。有名な所だと『Brass Restoration』とか。

欠損っていうと、ちょっと大袈裟な気もしますけど、「腕を切断しちゃった」なんて分かりやすいものから、「そのキャラクターが内側に秘めているコンプレックス」みたいに、分かりにくく、且つ、そのキャラの「認知」の問題で起こる欠損なんかもあるから、実は、かなり幅広い概念で、何だかんだで、色んな作品に当てはまっちゃうんですよねw


■キャラクターの魅力

で、ノベルゲームなんかをプレイしていて、「お、何かこのシーン、いいじゃねぇか……」と思う時って、告白成功後のラブラブシーンなんかはさておいて、「キャラクターが非常に人間らしい悩みで葛藤する」所だったり、或いは「そうした葛藤を乗り越えていく、キャラクターが成長していく様」だったりしません?

私は個人的に、どうも超人的な主人公には、あまり感情移入出来ないんですよ。
人間らしい弱さもちゃんと持っていて、それに真正面から向き合って、折り合いを付けていく、みたいな、定番ではありますが、そういう魅力があると、プレイヤーも感情移入しやすくなるんじゃないかしら。
あとは、普段はちゃらんぽらんだけど、ここぞ、という時には熱い行動力を発揮したり、とかもね。



■そして悪友に戻る

主人公やヒロインっていうのは、さっきの説に従えば、欠損を軸にしながら、それを乗り越えて成長していくものです。だからこそ、そこにドラマが生まれるわけです。

一方、悪友っていうのは、主人公やヒロインの周りをうろちょろして、イジられたりイジメられたり、と、あまりドラマがないんですよね。所謂賑やかしだったり、ギャグ要員としての「面白さ」はあるものの、「ドラマのある面白さ」を感じさせない、というか。

もっと云うと、主人公と悪友の間には、優位/劣位の関係があって、飽くまで主人公の方が上、みたいなのを感じさせる作品も多いですよねぇ。
中には、本当に悪友が可哀想になっちゃうような、そういう作品もあったりしますからw

けど、もし、そうした主人公と悪友の間に優劣をあまり感じさせず、悪友は悪友としての人間的なドラマがあったなら……その悪友はもはや単なる悪友ではあり得ず、立派な助演者としての地位を確立出来るんじゃないかな、というのが、私の主張です。

私が今まで取り上げてきた作品で云えば、『電波電波カプリッチョ!』の明夫なんかは、悪友というか、もはや「舎弟」なんですけど、そういう典型的な「イジられキャラ」のイメージを強く見せつけておきながら、或るルートでは、主人公に対し反旗を翻すような所があったりして、ドラマが生まれています。
しかも、典型的な悪友的キャラとの落差、という部分でインパクトを残しますし、かなり面白い、独自性のある設定だったと思いますよ。

他には、割と最近プレイした『箱庭のうた』なんかは、更に一歩進んでいた印象があります。
プレイしてみると分かるんですが、色々キャラは出てくるんですが、飽くまで「主人公の友人」であって、「悪友」みたいな感じのキャラがいないんですよ。それに近いキャラとして、夏之ってのがいますけど、彼も亦、ただのウザキャラやバカキャラじゃなくて、妹の為に一肌脱ぐみたいな所で、一般的な「悪友」と違う事が示されます。

『箱庭のうた』は、主人公とヒロインを軸とする物語と平行して、「仲間の物語」が描かれており、それぞれのキャラクターはその「仲間」の一員である、という描かれ方なんですよね。
となると、もはや、そこには「悪友」的ポジションのキャラは存在せず、それぞれのキャラクターが、物語内でそれぞれの人生を歩んでいる、という感じで、物語そのものに深みや厚みを感じる事が出来ます。

『電波電波カプリッチョ!』の様に、悪友(舎弟?)のテンプレを使いながらも、それを裏切る、みたいな変化球も面白いですし、『箱庭のうた』のように、「(それぞれにちゃんとキャラが立っている為)もはや悪友と呼べるようなキャラがいない」みたいな設定にしても、魅力的。

「ま、学園恋愛ものだし、悪友出しとくか……」みたいな、惰性での悪友の登用ではなく、何か、目的意識を持った悪友の起用だったり、悪友を魅力ある一人の人間として描けるのならば、その時、悪友は単なる悪友を越えて、物語の名脇役になれるのではないでしょうか。



■色々あるんだけどもね、実際

と、まぁ、主張は同じなんだけど、ちょっと回り道をしながら、色々話してみました。
例によってちょっととっ散らかった感じはありますけど、「悪友達に愛の手を!」というのが、今回のお話のテーマです。

あまりに不遇な悪友達を、もっと積極的に活かしてやってもいいじゃないか、という事ですね。
何も、強烈な存在感を放たなくても、「その世界に確かに生きている」感触が伝わってくるだけでも、随分違うんじゃないかな、なんて思いますよ。

ちょっと恥ずかしながら、大鉈を振るって、「物語とは」みたいな話もしましたけど、当然、例外はありますよね。「○○という作品では、欠損なんてどこにも出てこねーよ!」みたいな反応は当然あると思いますw
一々例外を挙げて、「○○という作品ではその限りではないが」みたいな文章を入れる、ってのも一つの案ですけど、それはめんどくさいし、そこらへんは読解力っつーか、そういうので察して下さいw

けど、「欠損」っていうキーワードで、解釈出来ちゃうものも結構多い、というのも、亦事実なんじゃないかな、と思いますよ。
少し広く解釈していけば、ミステリー作品なんかでも、「事件の真相」という欠損が、読者を惹きつけていくわけですし、その真相を突き止め、還元すれば、その欠損を埋めた所で物語は幕を下ろします。


まぁ、鵜呑みにしないで、話半分で聞いて下さいなw
私のどうしようもない思索が、誰かの考えの種の一つにでもなれば幸いです。


というわけで、今日はこのへんで。

これから、お勧めされた作品プレイしてきます。



それでは、また。
[PR]

# by s-kuzumi | 2014-05-18 17:12 | サウンドノベル
2014年 05月 08日

フリーサウンドノベルレビュー 『メモリア-day of memory-』

b0110969_20293073.jpg

今日の副題 「超王道に癒されろ!」

ジャンル:学園恋愛ノベル
プレイ時間:5時間程度。
その他:選択肢アリ。されど、メインのストーリーには変化無し。15禁。
システム:NScripter

制作年:2014/3/3(ふりーむ公開時)
容量(圧縮時):250MB




道玄斎です、こんばんは。
今日は、連休中にちまちまプレイしていた作品のご紹介。非常に王道的な作品ではあるものの、しっかりと作られた作品でしたよ。
というわけで、今回は「エロゲ道は一日にして成らず」さんの『メモリア-day of memory-』です。ダウンロードはこちらからどうぞ。
良かった点

・こっちが恥ずかしくなってしまうような甘酸っぱいシーンが大目。

・テンポの良さはかなりのもの。五時間のプレイが比較的楽。

・愛らしいヒロインに癒される。


気になった点

・ヒロインである所の愛が、喋られない、という設定に、もう一工夫欲しかった。

・悪友竜司の扱いがひどいw

ストーリーは、ふりーむの方から引用しておきましょう。
―日常系恋愛アドベンチャーゲーム―
桜が咲き乱れる四月。亀岡高校二年生になった赤坂天馬はバカな悪友、戸塚竜司。天敵の華山明日香。そしてしゃべれない友人、神山愛と同じクラスになる。
そんなある日、天馬はひょんなことから愛と一緒に学級代表をやることになる。 スケッチブックでしか会話できない愛と悪戦苦闘しながらなんとかクラスをまとめる毎日。 そんな矢先、学級代表としての一番初めの大きな仕事、春の文化祭が迫って来ていた。
問題ばかりの日常。動き出す青春。はたして天馬たちは文化祭を成功させることが出来るのか。
――思い出に残る日常が今、始まる。

こんな感じです。


いきなり脱線しますけど、一昔前は、ノベルゲームのコンテストっていうと、ふりーむのゲームコンテストか、或いはVectorのレビュー(厳密にはコンテストではないけど)で取り上げられる、くらいしかありませんでした。
中には、主催者がいて、レギュレーション有りの小規模なコンテストが行われる、なんて事もありましたけどもね。

でも、私もちょこちょこ言及していますけど、最近、「ゲームの実況」というあり方が一般的になってきてまして、そうした状況もあって、ニコニコ動画の方でゲームのコンテストが行われているようです。「ニコニコ自作ゲームフェス」ってヤツですけども、ご存じの方も多いのでは?
私も、今、ちょっとその規約なんかを見てみたんですが、かなりユルいです。紹介動画を作るスキルさえあれば(まぁ、他の人に頼んでもいいわけですが)、結構気軽に応募出来るみたいです。

一方、昔からある、ふりーむのゲームコンテストは、「ふりーむ以外の場所にゲームを置く事」が禁じられてしまいました。自分のサイトであってもダメ、という結構厳しい条件です。。
しかし……「ニコニコ自作ゲームフェス」の協力企業に、ふりーむが入っているという謎……w

と、のっけから大幅脱線しましたが、本作『メモリア-day of memory-』もニコニコ自作ゲームフェスに登録されている作品です。

ストーリーは、先ほど引用した通り。
更に「学園恋愛モノ」「文化祭を一つのテーマとする」「悪友がいる」「暴力癖がある女の子アリ」なんて、特徴を挙げていけば、自ずと「ああ、このタイプね」と分かってしまうような、超王道作品だとひとまず云えましょう。

一応、選択肢があり、選択肢直後の文章は多少変化するのですが、実はヒロイン固定の一本道です。
ヒロインは、喋る事が出来ない大人しめの少女、愛です。スケッチブックに素早く文字を書き込む事で、他の人との会話を成り立たせているという設定ですw

本作の魅力を支えているのは、この愛のキャラクターなのかもしれません。
大人しめだけれども、実は芯にシッカリしたものを持っている。何と云っても可愛い。そして主人公に無限の愛情を注いでくれます。大人しめ、或いは無口系ヒロインの系譜を引いているわけですが、非常に魅力的で、安心感を持ってプレイ出来ます。やっぱり、ゲームの中でくらい、思いっきり愛されたいもんね……。

で、お馴染みの悪友ポジションの竜司、そして愛の親友で暴力癖のある女の子明日香が、主人公天馬、そして愛を取り巻く主要人物です。

ちょっとこの悪友については、考えたい事もあるので、また日を改めて何か書きましょう。。
本作と関係のある所で、少しだけ言及するとすれば、「ちょっと、この手のキャラは不遇すぎるんじゃないかなぁ?」という、素朴な疑問があったりするのですw

主人公と一緒になってバカをやる。これも悪友の典型的なパターンですけど、もう一つの軸があって、それは「とにかく、主人公(やヒロイン達)からイジられる」という、そういう役目です。
イジりと、イジメの境界線って凄い難しいと思うのですけど、「これは、もうイジメの域に入ってるよなぁ」なんて感じる事も屡々です。本作をプレイしていても、ちょっと思いましたw
脇役が単なるバカキャラ、そしてイジられキャラを越えた存在感を発揮する時……その作品は、一味違うものになるのではないか、と思うのです。


ま、それはさておき、ストーリーは非常にスムーズに進んでいきます。
冒頭部で示される、愛と天馬が、学級代表になって、クラスをまとめていく、みたいな下りは、物語の始発部としていい感じです。
天馬は、所謂「女心に鈍感」なタイプなのですが、主人公らしい熱さを持ったヤツで、グイグイと愛、そして物語を引っ張っていきます。

愛と天馬は、学級代表になり、文化祭を成功させるべく動く中で、例によって例の如く、恋仲になっていくわけですが、その、意識し合う二人のやり取りが、きゅんきゅんしちゃうんですよねw 甘酸っぱさ全開で、読んでいるこっちが恥ずかしいというw 何て言うか、少女漫画を読んでいて、一人で「うわー!」とか叫んじゃう感覚に似ていますw

オーソドックスだけれども、こういう時代が変わっても楽しめるポイント、っていうのは多分存在していて、そういうのが、王道の持つ力の一端なのかもしれませんね。

ちなみに、このきゅんきゅん具合は、天馬と愛のやり取りだけではありません。
本作に於ける名脇役、明日香の立ち位置や言動が、またきゅんきゅんしちゃうんですよ。私は、どっちかっていうと、愛よりも、明日香の方が好きだったなぁ……。詳しくは是非、プレイして確かめてみて下さい。


さて、気になった点の最大のものは、愛の「喋る事が出来ない」という設定です。
その設定が、実はキャラの味付け以上の意味があまり無い、という所なのです。別に愛を、「非常に無口な女の子」にしても、実はストーリー的な破綻は起きないんですよね。
確かに、スケッチブックを介してのやり取り、みたいなものが、後半の見せ場になっている部分はあります。が、これもちょっと他の小道具を使うなり、工夫してやれば破綻は起こらない。

愛が喋られない、という一つの大きな特徴が、グッと活きてきて、この物語独自の良さや面白さをもっと見せてくれたら、と思うわけです。


そういえば、本作は15禁でした。
イラスト的なアレでしたら、せいぜい下着姿くらい。描写的なアレでしたら、せいぜいディープキスくらいなので、実はそこまでエロくありません。ちょっと際どい単語が出てきたりはしますけどもねw


非常に良く目にするタイプの、王道学園恋愛ノベルです。
15禁になっていたり、ヒロインが喋られない、なんて特徴はありますが、奇を衒ったものではなく、王道を昇華させていったような、そういう作風だったと思います。
凝った物語が作れる、というのが同人ゲームの一つの面白さではあると思うのですが、一方で、安心感のある作品もやっぱり、みんなが好むものの一つの方向性なのでした。

ちょっぴり尺は長目ですが、テンポは良いので、意外とサクサク読めると思います。
ストレートできゅんきゅんしちゃう恋愛物語に是非、癒されて下さい。



それでは、また。



/* 以下、宣伝

私達が運営している、ノベルゲーム制作支援サイト(素材ポータルサイト)、Novelers' Materialなんてものがあるので、良かったら、利用してやって下さいませ~

http://novelersmaterial.slyip.com/index.php

リニューアルも完了し、より使いやすい素材ポータルサイトになっております。

以上、宣伝 */
[PR]

# by s-kuzumi | 2014-05-08 20:31 | サウンドノベル
2014年 05月 03日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『明日へ踏み出す、僕の物語』

b0110969_17491012.jpg

道玄斎です、こんにちは。
今日は、ちょっと気になっていた短編作品をプレイしました。プレイ時間が凡そ20分程度でしたので、いつものように番外編で。
というわけで、今回は「Project TKM」さんの『明日へ踏み出す、僕の物語』です。ダウンロードはこちらのページから指示に従って下さい。

過去に、このサークルさんの『forever more ~俺と彼女の、奇跡の5日間~』を取り上げた事もありました。また、レビューこそしていないものの、『夏色流星群』という作品もプレイしています。
このサークルさんの特徴は、「新王道宣言」なるものがなされている事からも分かる通り、王道の良さや面白さを追求していく、そういう作風のようです。

が、本作『明日へ踏み出す、僕の物語』は、実験的な要素もあるようで、王道とは違う、暗めのストーリーとなっています。いや、もっと云ってしまえば、「ストーリー」というよりは、その一部のような手触りです。

主人公は所謂引き籠もり。
大学三年時に、或る事件があって以来、人間不信に陥り、部屋から出る事が出来なくなってしまいます。そんな彼が、何とか引き籠もりからの脱出するきっかけを見つけた……という所で、物語は終了です。
もう少し長い物語でしたら、本作の内容は「序章」や「第一章」に相当するような、そういう感じでしょうね。

何とか引き籠もり脱出のきっかけを見つけた主人公が、これから奮闘して、少しづつ大袈裟な云い方で云えば、社会復帰を目指していく。ただ、その道は順風満帆ではなく、色々な困難を伴ったものである……。
みたいな、全体のストーリーがひとまず想定されるのですが、本作はそうした大きな物語の一部、という印象があります。

故に、この作品が、何か未完成のダメな作品か、って云ったら、それも違うなぁ、と思うのです。
確かに実験的だと思いますし、起承転結(や、序破急)みたいなストーリーの流れも薄め。
けど、主人公が悩む事となる、過去の出来事に関する描写が限りなくリアル。「こ、これはもしや実体験なのでは……」と思わず考え込んでしまうような説得力が存在しています。

主人公の身に降りかかった出来事とは、ご多分に漏れず「女性絡み」の問題です。
この主人公の過去の回想が兎に角リアルで、「いや、こういう事ってマジで良くあるよな……」とw
そして、男の方は、女性から手ひどく袖にされると、結構傷つくものなんです。半年とか一年くらい、それを引きずるなんて当たり前。数年引きずってしまう、なんて事だって良くあるんです。

大体……女性の方から別れを切り出される時って、女性の方には次の相手が既にしているんですよねw だから安心感を持って、今付き合っている相手を捨てる事が出来る。一方、男の方は、別れ話が青天の霹靂なわけで、取り乱して、醜態をさらす事に。男ってバカな生き物です……。

でも……。そんなに何年も引きずってしまうくらい相手の事が好きだった。その気持ちくらいは自分で褒めてやってもいいんじゃないでしょうか? 世の中には女と男がいるわけで、そういう手ひどい振られ方、なんてのも実は割とありふれたものです。

女性みたいに直ぐに気持ちが切り替えられる、っていうのは、ちょっと羨ましい気はしますけれども、そう出来ない以上は、何とかそれでやっていくしかないわけで。
そこまで相手の事を好きでいられた自分、を肯定してやる、っていうのは意外と大事なのかもしれませんよ。勿論、ストーカーとかになっちゃダメですけどw

こういう問題って、女性の側にも当然問題があって、既に新しい相手がいて、早く目の前にいる男と縁を切りたいのは分かるんだけど、なんつーのかな、とりつく島がなさ過ぎるというか。
新しい相手を作る前に、ちゃんと別れるというプロセスを経て、それから次に別のヤツと付き合えばいいじゃないか、と。そして、或る程度納得感というか、「別れる」という合意を形成して欲しいですねぇ。

本作のように、別れ際になって、今までの不満をぶちまけられたり、こちらの話を100%聞いて貰えない、なんて状況になったら、本当に男は多大なダメージを負ってしまうのです!
そういう時に、方便というか、「優しい嘘」というのも大事なんだと思いますよ。何も今までの恨み辛みを云わなくたって、円満に別れる方向っていうのも残ってると思うのです。優しい嘘が、男女を救うのではないかと、私は思ってますw


と、まぁ、ど派手に脱線しましたけれども、主人公の過去の重さ、そしてそのリアリティが、プレイヤーに何かを突きつけてくるような、そういう激しい何かを感じさせてくれる、という点で本作を取り上げる事にしました。
「こんな酷い体験した事ねーよ!」って人もいるでしょうし、「俺は別に女に袖にされたからって引きずらん!」って人もいるでしょう。

けど、ある種の人には、物凄く響く作品だったのも、亦確かな事だと思うのです。たまには、一般的な意味での「面白い作品」ではなく、こういう、人を選ぶかもしれない作品も紹介したいですよね(ちょくちょくやってるつもりなんですけどもね)。

こうした実験的な作品を経て、次にリリースされる作品がどんな「王道」になっているか、今から楽しみにしています。女性……にはあまり響かないと思うのですが、恋愛で苦い経験のある男性は、ちょっと痛いかもしれませんが、プレイしてみると面白いと思いますよ。



それでは、また。



/* 以下、宣伝

私達が運営している、ノベルゲーム制作支援サイト(素材ポータルサイト)、Novelers' Materialなんてものがあるので、良かったら、利用してやって下さいませ~

http://novelersmaterial.slyip.com/index.php

リニューアルも完了し、より使いやすい素材ポータルサイトになっております。

以上、宣伝 */
[PR]

# by s-kuzumi | 2014-05-03 17:49 | サウンドノベル
2014年 04月 26日

フリーサウンドノベルレビュー 『未来都市2』

b0110969_2034068.jpg

今日の副題 「今度は王道、宇宙のSF」

※吟醸
ジャンル:SFアドベンチャー
プレイ時間:~3時間程度
その他:選択肢が一箇所アリ。内容自体はそこまで変わらない。
システム:NScripter

制作年:2012/10/24(Ver.1.00)
容量(圧縮時):119MB




道玄斎です、こんばんは。
大分、体調も良くなりまして、今日からまたボチボチ、積んでいたゲームを消化していこう、と思ってます。
取り敢えず、手始めに、私の好きなSFモノから行こうかな、という事で本作をチョイス。
というわけで、今回は「WORLD COMICS」(Twi☆Light)さんの『未来都市2』です。ダウンロードはこちらからどうぞ。
良かった点

・一章が程よい長さで区切られている為、サクサクとテンポ良く読んでいく事が出来る。

・90年代のアニメの様なイラスト。私は凄い好みです。

・或る意味で直球のSF作品、宇宙モノが好きなら是非どうぞ。


気になった点

・ラストが妙にあっさり。選択肢に拠る分岐と併せて、もうちょい余韻を残してくれたら良かった。

・もう少し掘り下げて欲しいキャラも居たり……。

ストーリーは、ふりーむの方から引用しておきましょう。
未来世界を描いたSFノベル第2弾。
今作では舞台を宇宙へ移し、最後に残された
人類の選択が描かれる。

時は宇宙開拓時代―。
新たに開拓された惑星で安住していた人類だが
ある日、惑星崩壊という不吉な噂が流れる。
そんなフロンティアへ現れた青年イツキは
とある少女を助けた事で壮大な運命へと
巻き込まれてゆく…。

前作とは世界観のつながりはあるものの、
独立したストーリーなので初めて読まれる
方も問題ありません。

という事で、以前、私も取り上げた事のある『未来都市』の第二弾です。
ストーリー説明に書いてある通り、本作『未来都市2』は、「2」という表記ではあるのですが、実質的に続編という形ではなく、独立したストーリーになっています。なので、本作から読み始めても、全く問題ありません。

さて、『未来都市』が、海底のSFという、比較的地味な(けど、物凄くSFらしい)舞台だったのに対して、本作では、舞台が宇宙に移ります。
舞台背景としては、今から数千年先の未来。人類は地球を捨て宇宙に飛び出してきました。そして、ある星に定住する事になるのですが、その星も崩壊の危機が迫っており……。

と、これまた物凄くSFらしい設定で、特に宇宙モノが好きな人にとってはたまらないんじゃないでしょうか?
何度も書いてますが、私もSFって凄く好きなんですよ。かなり懐の広いジャンルでしょう? 本作のような宇宙を舞台とするようなSFがあるかと思えば(ハードなものも、『スターウォーズ』のようなスペースオペラもある)、ミステリーと意外なほど親和性が高かったり、近年リバイバルしているクトゥルフ神話のような、ホラーとも仲良く出来る。

本作は、かなり「分かりやすいSF」である事は確かです。
その星の人間を全て収容出来るような、巨大な母艦があったり、ちょっと『マクロス』っぽいかもしれませんね。本作にも、世界のアイドル的な女の子いますし、ね。

本作をプレイして、すぐに気付くのは、そのテンポの良さです。
最終話を入れて、全部で9章あるんですけど、8章までは、一つの章の長さが15~20分程度なんです。最終話は流石にちょっと長いんですけど、一つ一つのチャプターが凄い計算されて作られてるな、という感じがしますね。

ストーリーも無駄がなく、引き締まっていたと思います。
主人公イツキのキャラも厭味がなく、云ってしまえばありがちな造型ではあるんですが、好漢。
それなりに登場人物が多いんですが、どのキャラクターも魅力的ですよね。イツキと同居する事になる、ヒロコとマコトを始め、チーフのアキ、超お嬢様兼アイドルのユミもいい味出してます。

スクリーンショットを見て頂ければ分かるように、90年代のアニメのような雰囲気のイラストが、キャラクターの魅力を増してます。
ちなみに……作中で、ブラウン管のテレビだとか、結構レトロなモノも出てきますが、それはヒロコとマコトの趣味という事になってます。宇宙開拓時代のSFには合わないような気もするんですが、そこら辺は恐らく、素材調達の関係でしょうね……。そうした点を以て、「SFらしからぬ!」と云うのは簡単なんですが、そのくらいは目をつぶらないと……とも思います。皆様はどう思います??


イツキが成長していく姿(勿論、ライバルもいる)や、人類存亡の危機など、見所も多くて、普通に面白い作品ですよね。今回は、何の迷いも無く、「吟醸」です。

一方で、ちょいと不満に思う所もありました。
一つは、ラストがかなりあっさり風味だという事。少しづつストーリーが盛り上がって、ちゃんと山場があって、じゃあ、どう纏まるんだ? って時に、割とあっさりと終わってしまった感が。

これは、単にラストの締め方だけの問題ではなく、八章目で出てくる選択肢の問題とも関わりがありそうです。最後の山場を前にして、選択肢が出てきます。つまり、「ヒロイン」の中から一人を選ぶ、という事なのですが、実は、ここで誰を選んでも、その後のストーリーに変化はありません。
勿論、選んだヒロインとの固有の会話がちょっと入る……んですが、変化といえばそのくらい。その選択によってラストが変わるとか、そういうのではないんですよね。

折角、魅力的なヒロインが居て、「ルート分岐」と思しき選択肢が提示されるのに、それがラストに影響を全く持たないわけで、ちょっとそこが残念でしたね。
もう少しでいいので、ヒロイン固有のルート感が出て、そうした形でラストが示されれば、もっと納得感があったんじゃないかな、と思います。

更に、主人公のライバルの黒田カズキも、初登場時は、単なる厭なキャラ、という感じだったのですが、ストーリーが進むにつれ、その魅力が明らかになってきます。
で、彼とヒロコの間にある問題は、その全貌が分からないまま、何となく流れてしまいました。後半でカズキは物凄く魅力を増すいいキャラなわけですが、もうちょい掘り下げてあげると良かったかな、という気が。


大体、こんな所なんですが、実は、本作で描かれている人類の生き残りは、「日本人」という事になっています。どうも、我々が住む現代から見て、未来に(作中では遙か昔に)、例によって世界大戦のようなものが勃発したらしいんですよね(第三次世界大戦も、SFでは定番のネタですよね)。
で、日本人は「戦わない」という選択を採る事で、生き延び、宇宙に住処を求めていった……という事らしいのですが、この辺り、未来を舞台としていながらも、現代に生きる我々へのメッセージのようなものを感じる所でもあります。

専守防衛というのが、果たしていいのかどうか……。
本作で描かれるように、それが一つの美徳であり、それによって明るい未来が開けるのかどうか……それは正直良く分かりません。専守防衛の立場を取っている国が戦わないといけない時って、既に戦いが本土に及んでるって事ですからねぇ……。侵略させない、という意味で、或る程度の軍事力の強化、充実は必要になるんじゃないかなぁ……なんて思ったりするんですが。

ともかく、架空の未来を描きながらも、実は、現代に生きる我々へのメッセージ性みたいなものを、その裏側に秘めている。こうした作りもSFらしいですよね。
本作の発している、一つのメッセージについての賛否はありましょうが、本作が、凄くテンポ良く楽しめる良質のSF作品だというのも、亦事実です。

三時間程度と、少し長目の尺ですが、SFがお好きなら是非プレイしてみて下さい。
それでは、また。



/* 以下、宣伝

私達が運営している、ノベルゲーム制作支援サイト(素材ポータルサイト)、Novelers' Materialなんてものがあるので、良かったら、利用してやって下さいませ~

http://novelersmaterial.slyip.com/index.php

リニューアルも完了し、より使いやすい素材ポータルサイトになっております。

以上、宣伝 */
[PR]

# by s-kuzumi | 2014-04-26 20:33 | サウンドノベル
2014年 04月 15日

なんてことない日々之雑記vol.384

道玄斎です、こんばんは。
最近、すっかり暖かくなって……というか、もはや「暑い」という感じすらあるのですが、皆様は如何お過ごしでしょうか? 私は、というと……。



■ゲームのBGM作ったよ

最近、ゲーム用のBGMを一曲作る機会がありました。
偶発的というか、なりゆきでというか、そういう形です。

いざ、作る、となった時に、資料(ゲームの雰囲気が端的に分かるスクリーンショット)を頂いたのですが、「これなら楽しんで作れそうだな!」と思い、ざざっと一気に作ってしまいました。

メロディアスだったり、ドラマチックな展開があるような曲だとそうはいかないんですが、スピード感と、楽しさみたいなのが出せれば良さそうだったので、制作は意外と楽々でした(そんな何分もあるようなBGMじゃないしね)。BPMは、何と170。かなり早いです。

「作りたいもの」と、「頼まれてるもの」の方向性が上手い具合に合致すると、本当に制作が楽しいですね。
ドドドンとドラムを打ち込んで、ちょちょっとコードを入れて、メロディ的なものを追加してやれば、輪郭は何とか整います。

あとは、音を抜き差ししたり、サンプリング素材を散りばめて、味付けをしたり、そんな感じで完成。
ちょっと悪ノリもしてみたんですが、何故か「その音外して!」って云われる事なく採用して頂きました。「あれ? いいのかなぁ」なんて不安になったのですが、完成した作品をプレイして納得。
他のBGMも結構、攻め型というか、アグレッシブな音が多くて、私が仕込んだ悪ノリも、全然浮く事なく、普通に馴染んでいたという。

オーダーと、自分の作ったものに齟齬が無かったというか、何か凄い奇跡的に上手くいきましたね。
たまにゲーム用BGMを作ってみるのも楽しいもんです。それが誰かのゲームのお役に立てるなら云う事無しですよね。

「ゲームのBGM」って云うと、何か凄い名曲みたいのをイメージしちゃう人もいるんですけど、カッコいいドラムのループが出来たら、それが十分BGMの役目を果たしてくれる、みたいなケースもありますし、「自分に出来るところから」とか「出来そうなところから」BGMを作ってみるのはお勧めです。

たまには、じっくりと作ってみるって作業も必要なんでしょうけど、別にプロのBGM制作屋になろうってんじゃないんですから、楽しんで出来たらいいですよね。

今回のBGM制作も、私にとって、非常に良い経験になりました。
一曲作るごとに経験値がたまり、確実にレベルアップする、なんて云われますけど、今回の経験を活かして、次に作るものが、今の自分のものより良いものになってたらいいな、と願う次第です。



■例によって例の如く

体調不良です。
今回は、インフルエンザの時のような症状が五日間に渉り続いている、というもの。

吐き気はするし、頭痛はするし、発汗はひどいし、関節痛まである。
ここ数日でガリガリに痩せてしまいましたw

ちょっとね、コンピュータをいじるっていうのが、今億劫です。
私の予想だと、あと二日くらいはしんどい状態が続きそうなので、ゲームプレイもそれから、ですね。


私は、こうやって、病弱報告をしたりはするんですが、死んだことはないので、意外と根は丈夫なのかもしれませんw

ま、あと数日は、大人しくしています。



それでは、また。
[PR]

# by s-kuzumi | 2014-04-15 21:20 | 日々之雑記
2014年 04月 06日

Novelers' Materialリニューアル公開!!

道玄斎です、こんにちは。


お待たせしました。
やっと、私達が運営している、ノベルゲーム素材ポータルサイト、Novelers' Materialのリニューアルが完了致しました!

Novelers' Material(http://novelersmaterial.slyip.com/

見て頂ければ分かる通り、随分、旧版のものとは変わっています。
大幅に変わったデザインに目がいきがちですが、機能的な部分でもバッチリ進化してますよ。

ちょっと、どの辺りが進化したのか、書き出してみましょう。

・大幅なデザイン変更。グリッド表示も出来るように(画面最上部のアイコンから)。

・従来の「展開表示/省略表示」はなくなり、常に素材をプレビューしながら利用出来るように。

・素材規約に「初期値」が設定出来るようになりました。より投稿しやすい形に。

・簡易メッセージ機能搭載。素材作者とのやり取りがよりスムーズに。

・mp3、ogg、wavなどの音素材は、設定無しで、視聴出来るように。


と、この辺りが大きな改良点でしょうか。
素材を投稿する人にとっても、そして素材を利用する人にとっても、随分、使いやすくなったと思います。

サイトデザインがかなり変わったので、最初は戸惑う部分もあるかと思いますが、慣れてしまうと、旧版のものより断然使いやすい事がお分かり頂けるはずです。

論より証拠、まずは使ってみて下さい!
そして、ゲームを作っている人、ゲームをプレイする人、或いは、音楽を作ったり、写真を撮るのが好きな人などに、広めて下さると嬉しいです。



それでは、また。
[PR]

# by s-kuzumi | 2014-04-06 11:44 | サウンドノベル
2014年 04月 05日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『ネームテイカー』

b0110969_17572172.jpg

道玄斎です、こんばんは。
今日は、さりげなく積んであった作品をプレイしてみたら、尺が10~15分くらいの短いもので、且つ、ちょっと笑えるものでしたので、番外編にてご紹介。
というわけで、今回は「がっかり亭」さんの『ネームテイカー』です。ダウンロードはこちらからどうぞ。


「がっかり亭」さんと云うと、例の『無理やり主人公』の作者さんです。
今回も、軽妙で楽しい物語になっていたと思いますよ。

さて、中身の方ですが、舞台はファンタジックな世界。
主人公の女の子の名前は、何と、「ゼムギルガン」。およそ女の子の名前とは程遠いものですw
彼女は、もっと女の子らしい可愛い名前に改名しようと、彼女の住む国の首都までやってきたのだが……。

というが、簡単なストーリーの纏めになりましょうか。
つまり、主人公ゼムギルガンが改名を果たす、というのが、この作品の一つの目的です。
ストーリーのテンポは良すぎるくらい良いですし、本当にサクサクとプレイ出来て、合間合間にちょっと笑えるネタ(勿論、名前絡み)が入ってきます。

私がプレイして気になったのは、ストーリーというよりも、この作品の持つ、一つのテーマというか、そういう部分だったりします。
それは、所謂「キラキラネーム」(別名:DQNネーム)がハバを効かせている昨今の、現代社会を反映させているのかな? という辺りです。

とんでもない当て字系のもの、女の子なのに男の名前が付いている、もはや意味が分からないもの……沢山のキラキラネームがあります。
本作は、ファンタジー世界が舞台ですが、「男の名前が付けられた女の子」が主人公です。彼女の葛藤や苦悩、そしてそれが故に生み出される爆発力(とギャグ)を軽妙に描きながらも、ちょっと、そうした名前を巡る問題に踏み込もうとしているのかな、という印象でした。

今、検索して出てきたんですが、「恋恋愛(れんれこ)」やら、「振門体(ふるもんてぃ)」なんて名前もあるそうです。ホントかなぁ。
ともあれ、私が、キラキラネームに関して、物凄く気になっているのは、「その子が、歳をとった時にどうなるのか?」という事ですw

例えば、今の例ですと、「恋恋愛ばあさん」とか「振門体じいさん」とかに、最終的にはなっちゃうわけですよねw それはちょっと、いくらなんでもおかしいだろう、と思うわけですよw
赤ちゃんだったら、ちょっと変な名前を付けても、何となく馴染んじゃうような部分ってあるのかもしれないですけど、子供も成長して、老いて、やがては死んでいきますからね……。


というわけで、かなり短めのギャグノベル(一箇所選択肢アリ)なのですが、内側には、ちょっと、キラキラネームに対しての主張というか、問題提起というか、そういうものも持った作品だったのではないかと思います(そこが選択肢になっているのが、またいい感じ)。

ちょっと笑える部分もあり、名前について考えさせられる部分もあります。
短い作品ですから、サクッとプレイしてみて下さい。



それでは、また。



/* 以下、宣伝

私達が運営している、ノベルゲーム制作支援サイト(素材ポータルサイト)、Novelers' Materialなんてものがあるので、良かったら、利用してやって下さいませ~

http://novelersmaterial.slyip.com/index.php

只今、リニューアル作業をしておりまして、今後、より使いやすいものになる予定です。

以上、宣伝 */
[PR]

# by s-kuzumi | 2014-04-05 17:57 | サウンドノベル
2014年 04月 03日

フリーサウンドノベルレビュー 『喉の渇くその前に』

b0110969_17255125.jpg

今日の副題 「主軸に寄り添う、もう一本」

ジャンル:死後の世界での問答ノベル(?)
プレイ時間:1時間程度
その他:選択肢なし、一本道。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2013/10/12
容量(圧縮時):59.5MB




道玄斎です、こんばんは。
ついに新年度、突入ですね。進学や就職、色々あるかと思いますが、ゲームを楽しむくらいの余裕は欲しいものです。今日は、前回レビューした作品『よんひくいちは』の作者さんの処女作です。あれをプレイしちゃったら、前作がどんなのだったのか、気になりますからね。
というわけで、今回は「現屋」さんの『喉の渇くその前に」です。ダウンロードはこちらからどうぞ。
良かった点

・「思い込み」という、ちょっと変わったテーマの作品。

・予想以上に、密度が濃いストーリーと、何とも云えない不思議な読後感。


気になった点

・もうちょっと易しく表現出来る部分は、易しくした方が、全体が理解しやすいかも。

ストーリーは、ふりーむの方から引用しておきましょう。
――ここは死後の世界へ誘う空間。
真っ白な世界には、イスとティーカップと、番人。
どこまでも孤独な、一縷の幸福を祈る番人。

こんな感じ。

って、これだけじゃ、ちょっと物足りないので、私が補足しておきましょう。
主人公は、日々の生活に疲れ、自殺を決行……したものの、気がつけば、真っ白な世界で倒れていた。その世界には、扉のようなものがあり、倒れている主人公に声を掛ける人物もいる。
声を掛けてきたのは、イノという名前の性別不明の子供。イノは、どうやらこの空間の番人で、イノとの問答によって、「天国」か「地獄」に行くかが決まるらしいのだが……。


という所でしょうか?
「死んだらどうなるのか?」というのは、宗教の根本的なテーマです。
兎にも角にも、人間は「死」に対する興味関心が強いようで、ノベルゲームの場合なんかだと、本作でも描かれる「自殺」に焦点を当てたものも、結構良く目にします。

これは、やっぱり、『ナルキッソス』という作品が与えたインパクトが大きかったのかな、と思いますね。
『ナルキッソス』以降、似たような手触りを持つ作品が多数出てきたように思います。
単なる『ナルキッソス』の亜流、みたいな作品もあれば、そこから一歩進んでオリジナリティを出している作品もあって、ノベルゲームに於ける「死」、特に「自死」は、今なお、メジャーなテーマであり得ています。

本作も亦、「自殺」が描写されますが、所謂「死後の世界」と現世の中間地点みたいな所が舞台となっており、『ナルキッソス』の流れを汲むもの、とは一線を画しています。
何にせよ、『よんひくいちは』の作者さんの作品ですから、一ひねりあるんだろうなぁ、と思いながらプレイしていったら、案の定、「生死」、或いは「自殺」の問題ではなく、「思い込み」という、非常に変わったテーマを主軸にしていた、というわけです。

イノの力によって、主人公は、自らの過去と向き合う事になるわけですが、どうも彼は生前、思い込みによって、随分と損をしてしまったようです。
この主人公というのは、もしかすると「この物語の主人公」なのではなく、プレイする私達自身なのかもしれませんよ。

私達も、絶えず、思い込みをしながら生活をしています。
「思い込みなんてしないよ」と云う人ほど、「思い込みをしないという思い込み」があったりするわけです。
思い込みとは、一面的なモノの見方、と言い換える事も出来ます。例えば、ネット上ではHNだけで、性別が分からない、なんてケースがありますよね? その人の文体とか内容とか、或いは顔文字の頻度なんかを見て、勝手に「あいつは女」とか、逆に「あいつは男」なんて思ったり。

或いは、一旦嫌いになっちゃうと、その人がその後、どんなに良い事を云ったり、善行を積んでいても、その人の厭な部分、つまり「嫌い」の面しか見えなくなっちゃうとか。


作中でも描かれますが、自分の中で完結しているような、思い込みなら、まだいいんです。
問題は、対人関係に於ける思い込み、だったりします。
誰かの行動、言動に対して、自分の中で、最初っから枠組みを作ってしまって、その裏側にある真意や、事象に気付かず、後々悔いるような事をしてしまう。身に覚え、ありませんか? 私はいっぱいありますw

ともあれ、こうした「思い込み」に関するテーマを掘り下げていったのが、本作『喉の渇くその前に』という事になりましょうか。
自殺をして、一度死んでから、自分のそれまでの人生を振り返ってみると、何と、不必要な思い込みが強かった事か。主人公を通じて、私達は、それに気付く事になるわけです。


かくして、「一面的なモノの見方は良くないよな」と改めて気付かせられるんですが、この作品の魅力は、その「思い込み」を推進力とするストーリーで50%です。
もう半分は、白い空間の番人ことイノと、主人公の不思議なやり取り、そして彼らの間に芽生える、友情……というのはちょっと違うのですが、不思議な関係です。

友情でも愛情でもピンと来ない、何とも云えない不思議な、魅力ある関係が、ストーリーの進捗と共に描かれていきます。そして、ちょっとフワフワっとした、捉え所が難しいけれども、優しい手触りのエンディングへと繋がっていきます。


この作者さんは、ちょっと、プレイヤーに考えさせるような、そういう懐の深いテーマの作品を作っていますよね。
この作者さんが作った二作品に共通しているのは、表面上の事象というか、テーマみたいなものは、比較的くみ取りやすい。けれども、もう一本、フワフワっとしたもう一つのテーマが寄り添うような形で、一つの作品として纏まっている。そんな印象があります。

前回取り上げた、『よんひくいちは』でも書きましたが、ちょっと文章表現が難しくて、その「もう一本の軸」が見えにくい部分はあるのかな、という気はします。
例えば「穎悟」なんて言葉、私は生まれてこの方、使った事がありませんw 主人公の心中と同化した地の文でも、かなり凝った文章ですので、サラッと読めるわけではないんですよね。

勿論、凝った文章が悪いとか、そういう事が云いたいんじゃありません。
こうした、「小説寄り」の文章のノベルゲームがある事、それ自体は、寧ろいい事だと思います。サウンドノベルにせよノベルゲームにせよ、「ノベル」という文字が入るわけで、文章に凝る、というのは非常に大事な事だと思うのです。
その方向が、「より読みやすい」方に向くのか、「じっくり読む」方に向くか、とザックリ二つに分けられそうですけれども、後者の「読ませるタイプ」の文章を持った作品があってもいいんじゃないか、と思いますよ。ライトなものもいいけれど、それだけだと物足りなくなっちゃいますからね。

ただ、それでも、「易しく表現/表記出来る所は易しくする」というのも、亦大事な事だと思うのです(「亦」なんて漢字を使ってる私が云うなって話ですけどw)。
作品の雰囲気や、世界を壊さない範囲で、もう少しだけ平易な言葉に置き換えてみる。それだけで、グッと読みやすくなりますし、この作者さんの場合で云うと、「もう一本の軸」がより明瞭になるような気がします。


最後に、一個、脱線を。
作品中に「信号の『進め』を、青という人もいるし緑だという人もいる」みたいな文章が出てくるんですけれども、これ、実は日本語の問題なんです。日本は古来から、「緑のものを青と呼ぶ」ケースが結構あって、野菜を「青物」とか云ったりしますよね? あれなんかは、その典型的です。色と言語って結構密接に繋がってるんですよ。良く聞くのが「虹の色」。私達は疑いなく、虹を七色って云いますけれど、世界には、三色だとか二色だとか、云う所もありますよね。あれも、或る色に相当する言葉が存在するか否か、って問題と繋がってきます。


というわけで、いつものクセで長々と書いてしまいましたが、この作者さんの独特な作品の雰囲気は、やっぱりプレイしてみないと分かりづらいと思います。
少し、読みにくい所はありますけれども、フリーのノベルゲームを探してて良かった、と思えるような、そんな作品である事、間違いないと思いますよ。一時間くらいのものですから、気になったら是非、気軽にプレイしてみて下さい。



それでは、また。



/* 以下、宣伝

私達が運営している、ノベルゲーム制作支援サイト(素材ポータルサイト)、Novelers' Materialなんてものがあるので、良かったら、利用してやって下さいませ~

http://novelersmaterial.slyip.com/index.php


只今、リニューアル作業をしておりまして、今後、より使いやすいものになる予定です。

以上、宣伝 */
[PR]

# by s-kuzumi | 2014-04-03 17:34 | サウンドノベル
2014年 03月 29日

なんてことない日々之雑記vol.383

道玄斎です、こんばんは。
良い季節になってきました。暖かくて、気持ちよくて、自然と外に足が向いてしまうような、春の到来ってヤツです。日も長くなり、運動をしたりするのにも最適だとは思うのですが……。



■血尿

実は、今年度(あと二日で終わりですけど)は、私、ちょっと健康に気をつけていたんです。
いや、分かります。いつもいつも「具合悪い」とか「風邪引いた」とか「肺炎になった」とか書いてるじゃないか、って云いたいんですよね? でも、それでも例年よりも滅茶苦茶健康に気をつけて生活していたのですよ。

具体的に何をしていたのか、っていうと、この一年くらい、ランニングにハマってました。
正確に云えば、今以て継続中です。

そうですねぇ、なるべく毎日時間を見つけては走ろうと思ってはいるのですが、実際は、週に4日くらいってトコですね。4~6kmの距離を、トロトロと時間を掛けてじっくりと走る。そういうランニングスタイルです。
で、大雪が降ったりと、割と最近まで寒かったわけですけど、ようやく春らしい、暖かな気候になってランニングもはかどっていたのです。「ああ、暖かくなって気持ちいいなぁ」なんて、ね。

んが、昨日のお昼過ぎ、何気なくトイレに行ったら、CCレモンじゃなくワインが出てきましたw
流石に吃驚しましたw で、すぐに病院に行ってみたものの、「午後の診療の予約はもう受け付けてない。17:00からなら、救急の枠で診察自体は可能だけれども、当直の先生が専門かどうか保証は出来ない」という有り難いお言葉を頂戴し、帰宅したわけです。
帰宅してからも、ワイン改め血尿は出てまして、ちょっと不安が募りましたw

そして、今日、最寄りの病院に行ってきたわけですが、尿検査にCTスキャンを終えて……「特に異常無し。但し、細胞検査はして、癌かどうかは確かめる」と云われました。

ここまで検査して、医者が診て、異常がない、っていうんですから、恐らく異常はないんでしょう。細胞検査っていうのも、まぁ、やっておけば一応安心、みたいな、そんな感じなんでしょうね。血尿も今は出てないしね。

昨晩……気になるので、ちょっと「血尿 原因」とか、そういう感じのキーワードで検索を掛けてみたのですが、どうやら、血尿は大きくわけて2パターンあるみたいですね。
一つは、「排尿時に痛みを伴う血尿」、今一つは「痛みを感じる事無く出てくる血尿」です。私が検索をしてみた所、ヤバいのは後者の方らしく、私は正に後者のパターンだったという。

診察が終わって、一安心している今も、昨日の血尿の原因が全く思い当たらないんですよ。
別にケンカして、思いっきり内臓をぶん殴られたとかもないし、性病と友達になっちゃうような場所は大嫌いだし、煙草は飲みますけど(一番弱いヤツね)、お酒は殆ど呑みませんし。

医者は、「うんと小さな石が出来てたのかなぁ?」と、云ってましたが、確かに、血尿の後に澱のようなものが出てたわけで、結石未満の、砂みたいなヤツが傷を作ったのかなぁ? なんて無理やり納得させてますw
ま、いちおー、今日、明日くらいはランニングは控えようかな。

年度が替われば、健康診断がある人も多いと思いますけど、ちょっとでも異常があったら、即病院行った方がいいですよ。安心はお金には換えられませんからねぇ……。



■変わるものと変わらないもの

今年は2014年なわけで、何と、私がこのブログを始めてから七年目になります。
当初に比べれば、滅茶苦茶更新頻度は落ちましたし(歳を取れば取るだけ、色んな意味で自由が利かなくなるのです)、取り扱うフリーのサウンドノベル/ノベルゲームの潮流っていうのかな、そういうのも、少し変わってきた部分もありますよね。

「実況プレイ」に対する注意事項が、readme.txtにかなりの頻度で付くようになったり、「第一部無償配布」(シェアゲームのプロモーション版っていうか、体験版)とかが、ふりーむの新着欄にバシバシ載るようになったり(下手すると、「体験版」である事が記載されてないケースも……w)。

時代が変われば、それを取り扱うもののスタイルも変わります。
より正確に云えば、変わらざるを得なくなってしまう、というか。

私のブログで云えば、DL先のリンクまで記載するようにしたり、とか、微妙な変化はあるんですw
そういう外側に向けた変化っていうのは、分かりやすいんですけれども、ゲームをプレイして、レビューを書く時にも、実は結構色々考えたりする事があるんです。こっちの方は見えにくいんですけどもね。

まぁ、大袈裟に云えば、そういう内的な試行錯誤みたいのは結構あって、上手くいく時もあるし、失敗する時もある。「今日は、ちょっと作品を深く掘り下げられたかも!」と、思う時もあれば、「今日は作品の魅力が伝わったかどうか、ちょっと怪しい……」なんて具合に。

けど、どんな場合でも、ハタから見れば、お気楽に書き飛ばしているように見えても、無い頭をフル回転させているのは事実なのです。
毎度毎度、「頭が良かったらなー」とか「文才に恵まれてればなー」とか、色々考えたりするんですけど、結局、自分は自分の能力の中で頑張るしかないわけで、そうやって頑張ってる内に、少しは磨きが掛かってくる事を期待しながら今に至ります。。

外的な変化や、日々の内的な試行錯誤はそれはそれとして、それなりに長い事、サウンドノベル/ノベルゲームのレビューをやってきて、今でも変えたくない基本路線は、やっぱり「草の根活動」という所だったりします。
大上段に振りかぶる、っていうのは、何か私の性に合いませんし、自分の手に届く範囲の中で、細々とでもやっていけたらな、と。

勿論、草の根じゃなくて、リーダーシップを執るような人が居ても、当然いいと思いますし、否定も致しません(けど、レビューでリーダになる、ってのも、なんか不思議な気はしますね……自分で書いておいてなんですけどw)。私には向いてないってだけで。
ま、極論すれば、素敵な作品に出会えて、楽しめればいいんですよw レビューとかって云ってますけど、飽くまで一プレイヤーが、レビューを書いてるってだけの事なので。


そんな感じで、ゆるゆると、七年目も頑張ってやっていこうと思います。
今日は、こんなトコですね。兎にも角にも、皆様、健康にはお気を付け下さいませ。



それでは、また。
[PR]

# by s-kuzumi | 2014-03-29 17:40 | 日々之雑記
2014年 03月 20日

フリーサウンドノベルレビュー 『よんひくいちは』

b0110969_19581850.jpg

今日の副題 「期待の地平を裏切る名作」

ジャンル:未来予知が可能な少年が主人公のノベル(?)
プレイ時間:1時間半ほど。
その他:選択肢なし、一本道。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2014/3/2
容量(圧縮時):121MB




道玄斎です、こんばんは。
日々、「あの時、ああすればよかった」と悩んでいる私ですが、もし、私に未来予知があれば、そうした後悔はしないで済んだのか? 或いは別の悩みが生じてしまっていたのか、とにかく、そんな事を考えさせられる作品のご紹介。
というわけで、今回は「現屋」さんの『よんひくいちは』です。ダウンロードはこちらからどうぞ。
良かった点

・1時間半の中に密度の濃い物語が詰め込まれている。

・場面場面で、プレイヤーに考えを促すような、不思議な作品内容。


気になった点

・割と難しい表現を使う為、分かりにくい部分がある。

ストーリーは、ふりーむの方から引用しておきましょう。
ある日不思議な力を手に入れた男子高校生。
「自分は、未来予知ができる。」
その力で彼は、何を掴むのか。
その力で彼は、何を失うのか。

雨の日を境に何かを失った彼が、
いつもの非日常のなか、生き抜くお話。

大雑把ですけど、面白いノベルゲームって二種類に分けられると思うのです。
それは、プレイを開始して、少しづつストーリーが盛り上がっていって、最後に「ああ、面白かった」と終わるタイプ。今一つは、プレイを開始して幾ばくも経たぬ内に「お! これは面白いぞ……」と気付くタイプ。

あんまりにも、単純で一面的な切り分け方ですけれども、経験ありませんか?
本作、『よんひくいちは』は、まさにこの後者のタイプでした。プレイして、10分くらいで「あ、凄い面白いじゃん!」と感じたのです。
でも、一方で、ラストまで読んでみると、最初に感じた面白さとは別の種類の面白さがある事にも気付く。そういう作品でした。

主人公、宥大(ゆうた)には、所謂予知能力が備わっています。
その予知とは、予知の対象となる、人物・内容・場所・期間が分かるというもの。但し、人物・内容は必ず分かるものの、残りの二つは振れ幅があり、分かる時と分からない時、或る程度の制限が付くもの(期間なら、一週間以内、など)がある。

そんな宥大が、ある日、クラスメイトの男子が「主人公になる」という予知を得てしまうのです。
そこが、この物語のスタート地点と云っても差し支えないでしょう。面白そうでしょ? 「主人公」という、小説とか、ゲームの中にしか存在しないであろう漠然とした存在に、クラスメイトがなってしまう。そんな予知を得て、この物語が動き出します。

そして、その予知をきっかけとして、宥大は、凌太(これが主人公になる、と予知されたクラスメイト)、寛、そしてどこか不思議な黒助という友人に恵まれて生活をしていくのだが……という感じ。

宥大の予知能力者故の苦悩、みたいなものを孕みながらも物語は進んでいくわけですが、本作の凄い所は、そうした予知能力だけを推進力にしているわけではない、という点です。
詳述は避けますが、ホラーの雰囲気を持つパートがあったり(今日のスクリーンショットはそこからです)、超自然的な要素(まぁ、予知もそうなんですが……)が、物語に大きく関わっていたり、見所がたっぷりで、密度を感じるのです。

故に、最初の10分かそこらで予想する、ゲームの雰囲気というか、色がコロコロ変わっていく。そんな印象もありました。だからこそ、今日は「ジャンル」がかなり苦しい書き方になってしまったのですw
ともあれ、そこを、この作品の欠点と見るか、或いは面白い所と見るか、意見は分かれそうですが、私は後者の立場です。予知能力だけじゃない、と、書きましたが、そこがやはり、一つの芯になっている部分はありますしね。


全部プレイすると、ちょっと不思議なタイトル『よんひくいちは』の意味も分かるのですが、そうした、物語の謂わば焦点、と共に私が気になったのは、宥大の母親の存在でした。
何も、この作品に限りませんけれども、ゲームに於ける母親の存在、ってのも、ちょっと考えていくと面白いテーマなのかもしれません。商業作品なんかだと『Kanon』の秋子さんとか、凄い人気ですし、魅力がありますよね。

宥大の母親に、話を戻して。
母親らしい、慈愛に満ちあふれた存在なのは間違いないのですが、その母親の持つ優しさや、「信じる」という事が、やっぱり、物語の焦点や核心に届いている気がするのです。そんなに作品中で沢山描写されるキャラクターではないのですが、だからこそ、凄く印象深く、いいキャラクターだったなぁ、と思います。


ちなみに、文章そのものは比較的読みやすい、と云ってもいいのですが、使っている漢字や言い回しに難しいものがあったりして、実は「すんなり読めない」という印象です。例えば、「落暉」なんて言葉を私は、生まれてこの方使った事がありませんw
一つは、宥大の心中思惟を、結構緻密に描いているから、という事はひとまず云えそうなのですが、高校生の男の子がこんな言葉を使って思考するかなぁ? とか、いや、けど、「小説」だったら、そういうのも全然アリなんだよな……とか、色んな事を考えてしまいます。

作品や、その内容を、じっくりと反芻して、ノベルゲームから「考える事」を引き出したいプレイヤーっていますよね。私の知り合いにもいますw 「多分、作者はそんな事考えてないよ」ってな事でも、真剣に考えちゃう。
下手な考え休むに似たり、ってことわざもありますけれども、そういう人は、頭がいい人が多いんですよねぇ。
そういう人にとって、この作品の持つ、「読みにくさ」っていうのは、寧ろ逆にプラスに働くのかもしれません。

まぁ、私は馬鹿で、考えるのがニガテなので、難解な漢字や表現によって、ストーリーをストレートに読み解きにくいという所で、「気になった点」として挙げましたが、こういう作品が出てくるから、ノベルゲーム漁りが止められないんですよw



大体、こんなところでしょうか?
最初の10分で感じる「面白い!」という感触と、プレイしていく内にその「面白さ」の内実が変化していく、密度の濃いストーリーが光る作品でした。一応、無印にしてはいるのですが、ちょっとまだ、吟醸にしようかどうか、迷っていますw もう一度くらいプレイしてみて、最終判断をしますw
短すぎず、長すぎない尺で、良い作品を探している人には、断然お勧め致しますよ!



それでは、また。



/* 以下、宣伝

私達が運営している、ノベルゲーム制作支援サイト(素材ポータルサイト)、Novelers' Materialなんてものがあるので、良かったら、利用してやって下さいませ~

http://novelersmaterial.slyip.com/index.php

只今、リニューアル作業をしておりまして、今後、より使いやすいものになる予定です。

以上、宣伝 */
[PR]

# by s-kuzumi | 2014-03-20 20:02 | サウンドノベル
2014年 03月 12日

フリーサウンドノベルレビュー 『femme fatale』

b0110969_17465790.jpg

今日の副題 「運命の女は悪女でもある」

ジャンル:浪漫ミステリー(?)
プレイ時間:4時間半程度。
その他:選択肢アリ、間違った選択肢はバッドエンド直行。18禁。
システム:?(独自システムと思しい)

制作年:元々2001年にリリースされたものを、2006年にリニューアル。
容量(圧縮時):181 MB




道玄斎です、こんばんは。
今日は、ちょっと朝からのんびりしています。ここ数ヶ月、色々と忙しくてため込んでいた作品を少しづつ消化中。今日は、商業ブランドから期間限定という事でリニューアルし、配布された作品のご紹介。
というわけで、今回は「inspire」さんの、『femme fatale』です。ダウンロードはサイトに入って、一番したのミラーサイト一覧にて、mirror.fuzzy2.comからどうぞ(直リンク出来ませんでした)。
良かった点

・大正時代を舞台としている為、ちょっとレトロな雰囲気が味わえる。

・淡々と進むストーリーが、意外にもプレイヤーを離さない。

・今でも十分通用するイラストと、ちょっと嬉しい女性フルボイス。


気になった点

・ミステリーではあるものの、最後までプレイしてもスッキリ感はあまりない。

・システムにバグがあり、ハマると先に進めない(後述)。

・タイトルと関係のある女性が、もっと表に出てきても良かったのかも。

今回、ストーリーは私が纏めておきましょう。
時は大正時代。東京で探偵業を営む八神は、一時、郷里に戻ってきた。
そこで、父の代から知り合いである警部に、ある事件の調査を秘密裏に依頼される。その事件とは、八神の妹鈴花が通う、ミッション系学校で起きた女生徒の不審な死に関するものであった。
八神は、妹鈴花、そして元許嫁の聖美と生活を共にしながら、事件の真相を探っていくのだが……。

といったところ。

正直な所、私はあまりハードボイルド系のミステリーを読んだりした事がないので、アレなんですが、どうやら本作は、そうした系統の作品のようですね。

舞台は、大正時代。
それぞれのキャラクターの発話、或いは地の文なんかも、「現代モノ」のそれと比べると、なんだか古めかしい言葉遣いで雰囲気が出ていました。ただ、正直、読めない漢字が一箇所、二箇所くらいありましてw ルビを振ってくれてたらなぁ……なんて。

如何せん、古い作品ですから、そこらへんに文句をつけてもしょうがない部分はあるのですが、2006年にリメイクされているのならば、もうちょっと遊びやすいシステムだったらな、という部分は色々ありました。
文字表示も、クリック待ちカーソルが出るとか、表示速度とか、そういうのは一切なくて、クリックすると、一気にずらっと文章が表示される形式。実はそれなりにバッドエンドがあるのに、セーブスロットの数が少なく、またセーブ(及びロード)出来るタイミングが限られている、等々。

そうした面がある事は確かなのですが、一方で、イラストが今でも十分通じる綺麗なものであったり、女性キャラはフルボイスなど、嬉しい部分も。


ところで、本作のタイトル、「ファムファタール」ですけれども、タイトルだけ聞いて、皆さんはどのようなイメージを持たれました?
私は、と云うと「運命の女(ひと)」という、邦訳がありますから「なんだか、ロマンチックな、そういう話なのかな?」と思っていました。ところが、プレイしていくと、探偵業(?)がメインであるわけで、あんまり、そういうロマンチックな方向には話が進んでいかないんですよね。

不審に思って、ちょっと調べてみたら、どうやら「ファムファタール」には、もう一つ意味があって、そちらは「男を破滅に導く魔性の女」という意味だったんです。
で、本作のタイトルの意味する所も、そっちの方だったというわけです。


一応、本作をノベルゲームと位置づけてレビューしているわけですが、ちょっと独特なシステムもあるので、その辺りの解説も入れていきましょう。

本作は、クリッカブルマップによって物語を進行させていく形式、といって差し支えないと思います。
一日の始めに、マップが表示され、行くことの出来る場所が示されます(場合によっては複数の中から選択する事に)。そして、その場所に出向いて、事件を調査するわけです。
そして、一日の終わりには、自宅書斎にて、「思索」というコマンドを選択し、昼間の活動で得た情報を整理していきます。選択肢は、この「思索」の中に出てきます。更に、必要があれば「呼鈴」なるコマンドで、鈴花乃至聖美と会話をして、「就寝」コマンドで次の日に……。

と、まぁ、こういう流れになるわけです。
セーブ/ロードのタイミングも、クリッカブルマップ選択時か、自宅書斎に居るときに限定されています。
ある種の単調さは感じるものの、特に迷う事なくプレイ出来るのは好印象です。「思索」や「呼鈴」で、全ての情報を見ないと「就寝」出来ないので、情報の取りこぼしは起こらないんですよね。

今、ある種の単調さ、と書きましたが、ストーリーの進み方も、少しづつ盛り上がって……というよりは、淡々と描写されていき、事件の真相付近まで近付いても、そんな雰囲気は変わりません。ラストに至っても「淡々」という感じですからw ミステリーに「謎の解明」というスッキリ感を求める人には、ちょっと物足りないかもしれません。
じゃあ、盛り上がりがなくて、更にスッキリしたエンドじゃないなら面白くないのかよ? と云われれば、「いや、それは違う」と云いたいのです。

盛り上がりや、その盛り上がりを際だたせる為の日常パートが、ノベルゲームには大事、と、私は良く書いているのですが、本作の場合、それは当てはまらないのかもしれません。
一つは、あまり「ノベルゲームの文章」というよりは、「小説」の方に近い文章を採っているせいだと思います。今では使わないような、ちょっぴりレトロな言葉遣いが多用される、というのは先にも書きましたよね。逆に云えば、ノベルゲームに小説っぽさを求める人には、結構満足出来る作品ではないかと。

で、淡々としてはいるのですが、ちゃんとストーリーは進んでいきますし、別の人物から別の依頼をされ、それが追っているヤマに繋がっていったり、と、プレイしていて飽きる、という事がありません。すっごい派手な事件とかは起こらないのに、プレイヤーを離さない。見習うべき部分が多い作品だと思いましたよ。

バッドエンドはありますが、基本一本道、と考えてもいいと思います。
何故ならば、誤った選択肢を採ると、即バッドエンドに向かってしまうからです。ちなみにエッチシーンはこのバッドエンドに集中しています。
正規のルートでも、イベントとして、エッチなシーンが入る事は勿論ありますが、総量から見れば、大した事はありません。


気になった点の中で最大のものは、「バグがある」という部分でしょう。
尤も、本作はWindows XP用なので、Windowsのバージョンの違いでバグが起きてる可能性も否定出来ないのですが……。
そのバグというのは、「思索」から人物や場所を選択して情報を整理していると、突然、別のシーン(前日のシーンとか)に切り替わってしまう、というものです。

これも先に書きましたが、全ての「思索」を終えなければ「就寝」出来ず、従って、ゲームを続行する事が出来ません。
対応策としては、「何度も、繰り返し、同じ『思索』をし続けるしかない」という、ちょっと後ろ向きなものしか発見出来ませんでした。

何かのタイミングで、シーンの切り替わりが起こったり起こらなかったりするので、ひたすら、ループして、正しく判定され「就寝」出来るまで、頑張るしかない、という事になります……。これが、本作の最大のマイナスポイントでしょうか……。


話を戻して。
調査を進めていくと、学園の理事長が数年前変わった事や、その理事長がかなり胡散臭い人物である事、更に学園の外国人女教師にもよからぬ噂がある事などが分かってきます。

そうした情報が、調査の中で少しづつ判明していくのは、それが一本道であっても、結構楽しいものです。情報を提供してくれる酒場の主人だったり、古書店店主とのやり取りは、本作に於ける主人公の立場を明らかにしてくれますし(八神の父の代で家が没落、されど地元では顔が利く)、学園に通う女の子達との接触も、スリルを感じるものや、微笑ましいものまで色々あります。

登場する女の子はみんな可愛いですね。
ミッション系の学校での事件だけあって、登場する女の子は、レイチェル、カレンと、外国の子も多いのです。個人的には、一番可愛いのは、やっぱり妹の鈴花って事になっちゃうんですけどもねw 

さて、問題は、タイトルの「ファムファタール」だと推測される、外国人教師フレイアです。
本作に底流しているのは、云ってしまえば、男尊女卑的な思想で、「女性として生きるという事」みたいなものが一つのテーマとなっているようです。
主人公の元許嫁の聖美や妹鈴花、カレン、中国人女性ツェイリン、そしてフレイアを巡る問題には、その「女性として生きる」問題がつきまといます。

そうした、事件の中に潜んでいるテーマ性みたいなものが、作品に深みを与えている事、間違いないのですが、フレイアに関しては、ちょっと不足を感じる部分があります。事件の真相と関わりがあるので、詳述は避けますが、もう少し、フレイアが表に出てきて、作品を貫くものを、より強く意識させてくれたらなぁ、と、思うのでした。


本作は、どうやら、『エーデルヴァイス』という商業ゲームの前史に当たる作品のようです。
フリー化されたのは、その『エーデルヴァイス』のプロモーション用って事になりましょうか。しかし、単独で十分楽しめるものですし、以前からお勧めされていた事もあって、今回取り上げてみました。

システム的に使いにくい部分や、バグがあったりはするのですが、大正時代のレトロな雰囲気を味わったり、どちらかと云えば小説に近い、ハードボイルド路線を楽しんでみたり、と、見所は結構あります。
最新のWindowsでは動かないかもしれませんが、プレイ出来るようなら、是非ご一読あれ。



それでは、また。



/* 以下、宣伝

私達が運営している、ノベルゲーム制作支援サイト(素材ポータルサイト)、Novelers' Materialなんてものがあるので、良かったら、利用してやって下さいませ~

http://novelersmaterial.slyip.com/index.php

只今、リニューアル作業をしておりまして、今後、より使いやすいものになる予定です。

以上、宣伝 */
[PR]

# by s-kuzumi | 2014-03-12 17:45 | サウンドノベル
2014年 03月 09日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『Summer Girl ―夏の少女とボク―』

b0110969_1825015.jpg

道玄斎です、こんばんは。
やっとこさ、少し色々とゆとりが出来たので、プレイしようとため込んでいた作品を遊んでいます。今日は、その中でも、かなり短めの作品ですね。
というわけで、今回は「mint wings」さんの『Summer Girl ―夏の少女とボク―』です。ダウンロードはこちらからどうぞ。



今回は、凡そ20分程度で読了してしまったので番外編です。
主人公大輔が、幼い頃に体験した、ちょっと不思議な出会いを描く、ノスタルジック短編作品。ふりーむの一言作品紹介欄に「心ほぐす 一般向けビジュアルノベル」と、書いてあるのも頷けます。

皆さんがフリーのノベルゲームに求めるもの、って何でしょう?
ゲーム性? ストーリーの良さ? イラストの良さ? それとも、どれだけ商業作品に近付いているか?
様々なご意見、あるかと思います。ちょっと、最近、色々な人との関わりの中で、そうした「フリーのノベルゲームに求めるもの」を意識してしまう場面がありました。

まぁ、別に「フリーの」と限定しなくてもいいっちゃいいんですが、兎にも角にも、色んな人が、色んなものをゲームに求めているわけですよね。ストーリーは二の次で、エロ要素が強けりゃいい、なんて人もいるわけですしw

たまに目にしたりするのが、「俺は○○という立場で、ノベルゲームを捉えている。よって、そこからはみ出たものは認めない!」「ノベルゲームは△△じゃなければいけない!」なんてタイプの人。一本、自分の意見を持っていて、そういう所は素晴らしいと思う一方で、私は、どうにも、そうした意見には賛同出来なかったりします。

私は本当にいい加減なので、「その時その時、自分が楽しんでプレイ出来て、何か心に残るものがあれば、それでいい」みたいな考え方です。
同じ作品をプレイするにしても、プレイする時間帯とか、その時の自分の精神状態とか、或いは、自分の身辺の事情とか、そういったファクターで個々の作品は、結構色が変わって見えたりします。

うんと単純な話だと、失恋した直後に、失恋の悲しみを描くような作品をプレイしたとしたら、それが割とありきたりな演出だったり、よく耳にするお馴染みのBGMを使っていた作品だとしても、結構グッとくるんじゃないでしょうか?

そうやって考えていくと、或る意味で、ありきたりな、オーソドックスな作品っていうのも、それが「オーソドックスだから」という理由で排除される謂われはないんじゃないかな、と。
オーソドックスな作品に対して、個人的な楽しさなんかをもっと積極的に見いだしてもいいんじゃないか? なんて思っています。それでも「ちょっとこれはなぁ……」と思う作品があれば、言及しなきゃいいだけですしw


と、いつにも増して前置きが長くなりましたが、本作も亦、割とオーソドックスな手触りを持つ作品です。
祖母の住む田舎にやってきた、主人公大輔が、駄菓子屋さんで働く一人の不思議な少女と出会い、少しづつ惹かれていく……というもので、「(主人公にとって非日常的な)田舎での出会い」「不思議な少女」など、部分部分を切り出してみれば、きっと、目にしたことのある設定だと思います。

又、舞台が夏である為、少女の衣装も白のワンピース。
少女らしさと、夏っぽさ、そして微かなまぶしさを感じさせてくれます。

そういえば、大輔と、不思議な少女のぞみは、年齢差がちょっとあるようです。
大輔の方が幼くて、のぞみは大輔にとってお姉さん、という位置づけです。この年齢差が、実は作品のノスタルジック感を増して、素敵なものにしていたと思いますよ。
これが、同い年の少女で、例によって例の如く、彼女にハッキリと恋心をおぼえてしまう……なんて事になっちゃうと、この尺だと、流石にちょっとね。そういうストーリーがあっても当然いい訳ですけど、そこに説得力を持たせる為には、もう少しエピソードを積み上げた方がいいのは、云うまでもありません。

大輔の、のぞみに対する、恋未満の、ほのかな憧れ、みたいな雰囲気がラストまで効いています。
作品を彩るBGMの選曲も、とても良かったと思います。確かにノスタルジックな雰囲気が出てますし、夏のまぶしさの中にある翳りのようなものも感じさせてくれます。

20分くらいの短めの作品ですし、今は、春なのでちょっと季節はずれているのですが、私は、本作を何だかとっても気に入ってしまいました。作品全体を包み込む、優しい手触りも魅力的です。
最近、忙しさなどで、固くなっていた私の心も、少しほぐれた気がします。

良い作品だと思うので、是非遊んでみて下さい。
ダウンロードだけしておいて、夏にプレイしてみる、なんてのも乙かもしれませんよ。



それでは、また。



/* 以下、宣伝

私達が運営している、ノベルゲーム制作支援サイト(素材ポータルサイト)、Novelers' Materialなんてものがあるので、良かったら、利用してやって下さいませ~

http://novelersmaterial.slyip.com/index.php

只今、リニューアル作業をしておりまして、今後、より使いやすいものになる予定です。

以上、宣伝 */
[PR]

# by s-kuzumi | 2014-03-09 18:03 | サウンドノベル
2014年 02月 23日

なんてことない日々之雑記vol.382

道玄斎です、こんにちは。
ここの所、ずっと忙しくて、やりたい事は山ほどあるのですが、全然出来ていません……。



■地味に削れていく精神

忙しさは、一段落つきそうなのですが、ちょっと厭な事案がいくつかあって、それで地味にダメージを受けていますw

フィジカルな部分では全然大丈夫なんですが(雪かきをしても、筋肉痛にならなかったし!)、メンタル的な意味でジワジワと。ここをグッと耐えると、あとは楽になるので、そしたら、ため込んだゲームもプレイしていきたいですねぇ。

最近、また、面白そうな作品がゾロゾロ出ているので、何作か既にダウンロードしてあります。
なーんか、作品が沢山出てくる時期と、あまり出てこない時期っていうのがあるみたいですね。何となくの感触で7年くらい前は、割とコンスタントに作品が出ていたような、そんな気もするのでした。



■ごめんなさい

えっと……ちょっと前に、Novelers' Materialのリニューアル時期を二月になるとか、そんな事を書いた気がします……。

ごめんなさい、嘘でした!
予定としては三月末くらい、なので、実際は四月の頭くらいになるかもしれません。

けれども、お待たせした分、納得いただけるものに仕上がっていると思うので、どうぞご期待下さい。



というわけで、今日は近況報告でした。
それでは、また。
[PR]

# by s-kuzumi | 2014-02-23 13:09 | 日々之雑記