タグ:サウンドノベル ( 744 ) タグの人気記事


2014年 12月 19日

フリーサウンドノベルレビュー 『ウェザーウィッチ 気象魔女の夏』

b0110969_20184558.jpg

今日の副題 「魔女は飛ぶものです!」

ジャンル:ファンタジックADV
プレイ時間:初回は20分程度。トータルで1時間くらい。
その他:選択肢アリ(但し、実質一本道みたいなもの)
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2011/5/14(Ver.1.00、本レビューはVer.2.02にて)
容量(圧縮時):59.0MB




道玄斎です、こんばんは。
忙しさがピークに達している今日この頃ですが、ノベルゲームに飢えて飢えて仕方ないので、ついに遊んじゃいました。たまたま、物凄くテンポの良い作品に出会えて、しかも、ちょっと優しい気持ちになれるような、そういう作品だったので、ご紹介致します。
というわけで、今日は「藍恋工廠」さんの『ウェザーウィッチ 気象魔女の夏』です。ダウンロードはこちらからどうぞ。
良かった点

・気持ちよくプレイ出来る抜群のテンポ感。

・しかし、意外にも重層的な物語の構造。


気になった点

・Extraのストーリーは、上手く本編に織り込んでも良かったのかも。

・テンポの良さと裏返しに、やや情緒的な面が足りない部分も。

ストーリーは、ふりーむから引用しておきましょう。
気象を司る魔女が、気象制御中、事故で落下し、地上人に姿をさらしてしまう。
そのことが原因で左遷されるのだが、その先でまた、同じような事故が起こり……

クリア後に有効になる選択肢により、物語は二つに分岐します。
プレイ時間は全部で1時間半程度です。

こんな感じ。



さて、以前ご紹介した事がある『娘子隊皓旗』の作者さんの作品です。
ちょっとファンタジックで、心温まるような、そういう作品でした。

あとがきを読むと分かるのですが、「気象+魔女」という組み合わせの面白さを発見し、それを物語として作っていった、という事のようです。

確かに、巷に溢れる「魔女」というのは、かなりステレオタイプでして、攻撃的な超自然的な力を行使でき、退廃的だったり、妙にミステリアスな造型だったり……という事が多いのですが、本作に出てくる「気象魔女」、フィレルは明るい「女の子」というような感じですし、一般にイメージされる「魔女もの」とは一味違う作品になっている、と云えるでしょう。

この「気象魔女」が、本作のオリジナリティの柱だと思うのですが、実は「天候魔女」と呼ばれる存在は「実在」していました。
……と、この事を突き詰めていく為に、少しだけ久しぶりに脱線させて頂きますw


そもそも、魔女ってなんでしょう?
史実との接点、という所では、やはり「魔女狩り」で摘発された人々、というのが第一にイメージされてきますが、ご存じの通り、「魔女狩り」で摘発され、結果処刑されてしまった人々の中には、男もいますし、実際には冤罪だらけだったわけです(当たり前ですね)。

ただ、その初期の段階では、「こいつは、どうも魔女じゃないか?」と思われるような、疑わしい女性が摘発され、それが「魔女狩り」という大きなムーブメントになっていったわけです。
つまり、「魔“女”」ですから、最初は「女性」が魔女と目され、その後、概念が拡大していったのです。

問題は、どんな女性が魔女とされたのか、という所なんですが、これには二つの系統があります。
一つは、「薬草などの知識が豊富で、占いなども行う女性」の系統です。独自に伝承された医学的・薬学的な知識を持ち、占いなどの神秘的な分野に通じていた人々ですね。

例えば、『魔女の宅急便』の映画を見ると、キキのお母さん(彼女も亦魔女なのです)が、薬を調合しているシーンが描かれています。これは、まさに第一のタイプの魔女の姿です。

もう一方のタイプの魔女は、、「共同体の中での嫌われ者や、社会的な弱者」の系統です。
前者と比較して、「神秘=魔的」な力こそ、あまり感じさせないものの、或るコンテクストに於いて、「有害」と見なされていた人々、と云えましょう。

この二者を比較すると、私達が一般に思い浮かべる魔女は、やはり前者の魔女の系統、という事になりましょうか。


さて、肝心の天候魔女、なんですが、どうも、やはりそれも前者の系統なんじゃないかな、と思います。
本作に於ける気象魔女というのは、「自然現象」として私達が受け止めている、降雨や嵐、或いは快晴、虹などを管理する存在です。そこに「善悪」の概念は存在せず、基本としては、予定表に従い、粛々と気象を管理していく、というのがその姿のようです。
しかしながら、自分達の気象管理によって困る人々がいる、という部分で、主人公フィレル等が悩むシーンもあり、気象魔女のあり方そのものに一歩踏み込む描写もある、とお伝えしておきましょう。

それはさておき、「実在」の天候魔女とは、ズバリ、「悪天候を呼び寄せ、作物の実りを悪くしたりする存在」です。つまり、「天候魔女」という事で告発され、処刑された人もいた、という事です。
この天候魔女は、やはり天候を操る、という神秘的な力を持っている為、私は一番目のパターンの魔女のヴァリアントだと思いますよ。

長々と説明してきましたが、実は天候・気象を操るとされる「魔女」がいた、というのは事実なんですね。
ただ、まぁ、説明した通り、本作の「気象魔女」というのは、そこに「善悪」の基準や指針があって、天候を操っているわけではなく、「仕事」として天候の管理をしている、という造型で、それ故、自らの引き起こした天候によって苦しむ人々を見て、心を痛める事もあるわけです。


物語は、前述の通り、淀みなく、流れるように進んでいきます。
本当にテンポ良く、気持ちよくプレイ出来る、というのは物凄い高ポイントなんですが、一方で、「ここはもうちょいじっくりと描写しても良かったかな」と思える所もあるのです。

その一つが、今お話した、「気象を操る事によって、人々を苦しめる事がある」という問題です。
気象魔女の存在そのものに関わる重大な問題だと思うのですが、その悩みは、フィレル達の感情を揺さぶり、行動の発端にはなるんです。
けど、その問題に対して、フィレル達は何か自分なりの結論を出す、という事はないんですよね。云うなれば、その問題は、サラリと流れて行ってしまうわけです。

気象魔女というオリジナリティと、そのオリジナリティ故に生じる悩みなので、もうちょっと掘り下げて描写されても良かったかな、と。
また、悲しさなら悲しさ、嬉しさなら嬉しさを、もっとジックリと表現する部分、つまり情緒的な表現が少し物足りなかったかな。


一方で、作品は相当重層的に出来ています。
そこの厚みに関しては大いに評価したい所。
ネタバレになりそうなので、少し自粛しながら話すと、気象魔女達が積み上げてきた「物語」が、物語前史としてあって、その上に、本作の一番の主人公という立ち位置のフィレルの物語が載っかっている、という作りです。

勿論、その物語前史は、ちょくちょくと顔を出し、或いは仄めかされたりして、フィレルの物語を楽しみながら、自然と、その深さを感じられるようになっています。
で、取り敢えず本編を読了すると、Extraの一つとして、物語前史そのものを読む事が出来るようになっていました。

まさにExtraに入るに相応しいお話なんですが、私は、何となくのレベルで、「これ、本編に上手いこと溶け込ませちゃった方がグッときたかも」と思ってしまったんですよね。

本編があって、そこでの物語に決着が着く。
その本編を補完するようなExtraがある。
Extraを見ると、本編の内容が良く分かる。

って事なんですが、それだったら、最初っから本編に、Extraの内容を織り込んでしまえば、本編のラストでもっとガツンとインパクトがあったんじゃないかな、と。


私はこうやってお気楽に書き飛ばしてますけど、実際にやろうと思ったら結構大変だというのも分かりますw
だって、時間軸が違うわけですから、場面を上手く変えてやる必要があり、また主人公も違うわけで、視点の管理も必要になってきます。

上手く出来れば、効果的かもしれませんが、実際に上手く出来るかどうか、は分からない。
まぁ、何となく私が感じたこと、って事でご容赦下さいませ。


イラストはついていませんが、そこが却ってプレイヤーのイマジネーションを掻き立てますねぇ。
最近は、スマホ向けのノベルゲームなんてのも良く目にするのですが、「イラストがない」とか「イラストが綺麗じゃない」とか、そこのビジュアル部分が評価軸になっている、そうしたレビューを良く見かけます。
そうした意見だって当然あるとは思いますが、そこがそのレビューの主軸になっちゃうってのはなぁ……と、常々思っています。

優しい気持ちになれるような、そして同時にスピード感のある作品を探している方は、是非プレイしてみて下さい。


今日は脱線多めでしたけど、こんなところで。
それでは、また。



/* 以下、宣伝

私達が運営している、ノベルゲーム制作支援サイト(素材ポータルサイト)、Novelers' Materialなんてものがあるので、良かったら、利用してやって下さいませ~ 素材作者さんも大募集です!

http://novelersmaterial.slyip.com/index.php

リニューアルも完了し、より使いやすい素材ポータルサイトになっております。

以上、宣伝 */
[PR]

by s-kuzumi | 2014-12-19 20:19 | サウンドノベル | Comments(2)
2014年 10月 18日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『男四人が打ち切り回避について本気出して考えてみた。』

b0110969_18561489.jpg

道玄斎です、こんばんは。
風邪が治って数週間、結構私生活の方で色々あり、更新が出来ませんでした。
気にはしていたんですが、如何せん、このブログの本筋というか、本流はサウンドノベル/ノベルゲームのレビューなので、私がゲームをプレイしない事にはどうしようもないんですw
で、今日はDLだけしておいた作品をプレイしてみたら、サックリ風味だったので取り上げることに。
というわけで、今回は「くらげのかえり道」さんの『男四人が打ち切り回避について本気出して考えてみた。』です。ダウンロードはこちらからどうぞ。



漫画雑誌で連載を抱えている人(そんな人、そうそういないけど)には、大問題……というか死活問題の「打ち切り」を題材にした、ちょっとメタなノベルゲームです。

簡単に纏めると「打ち切りあるあるネタ」を、作中マンガのキャラクター達が披露していく……みたいな感じ。ポイントは「打ち切り」だけじゃなくて、「どうやってテコ入れするか」みたいな所に踏み込んだ会話がある、というところでしょう。

あまりにも起伏のないストーリー展開に対して、そのキャラクター自らが突っ込みを入れていくとか、「こうしたらいいんじゃないか?」的なアイデアを出していくところは、メタな面白さが詰まっていていいですねぇ。
ちょっと変わり種の作品っちゃ作品なんですが、こういう新しいスタイルの作品って、なんかいいですよね。

作中で言及されていた、「BL的な要素を積極的に入れていく」というのは、例のCLAMPの得意技ですね……w 昴君と星史郎さん(『TOKYO BABYLON』)や、桜と知世ちゃん(『カードキャプターさくら』)みたいに、百合的な要素を入れたりして、「同人を作りやすく」してくれているわけです。
CLAMPの場合、too muchな気はしますけどもねw


こういう小粒で、しかも一発のアイデアで勝負しているような作品に対して、何か指摘していく、というのは結構野暮なんですけれども、敢えて云うならば、「もうちょっと沢山のネタが見たかった」ということになりましょうか。
本当に、4~5分で終わってしまうので、もうちょい、沢山の「あるあるネタ」を見てみたかったな、と。

けど、そう思えるのも、「打ち切り」という事態に対して、きっと多くの人が一家言持ってるからなんですよね。
「あの作品の打ち切りは酷かった」とか、「あの作品、俺は好きだったのに……」とか、誰しも思う所があるはずです。そういう意味で、テーマというかネタの選択は凄く良い所を突いてきたなぁ、と思いますよ。

そうそう、本作に出てくるキャラクター達が、何の部活をやっているのか(そう、スポーツものの漫画の設定なのです)、というのも、ちょっと笑えるポイントになっておりますw
敢えて云ってしまえば、女性ファンが多い、スポーツ系少年漫画が好きな人には、凄く響く作品なんじゃないでしょうか。



今日はこの辺で。
それでは、また。



/* 以下、宣伝

私達が運営している、ノベルゲーム制作支援サイト(素材ポータルサイト)、Novelers' Materialなんてものがあるので、良かったら、利用してやって下さいませ~ 素材作者さんも大募集です!

http://novelersmaterial.slyip.com/index.php

リニューアルも完了し、より使いやすい素材ポータルサイトになっております。

以上、宣伝 */
[PR]

by s-kuzumi | 2014-10-18 18:57 | サウンドノベル | Comments(0)
2014年 09月 17日

フリーサウンドノベルレビュー 『雨恋のキセツ』

b0110969_2143348.jpg

今日の副題 「雰囲気抜群、しっとりノベル」

ジャンル:雨の降り続く街を舞台にしたラブストーリー(?)
プレイ時間:コンプリートで、一時間ちょい。
その他:選択肢アリ、エンド分岐アリ。またオマケシナリオ(?)も。
システム:吉里吉里/KAG

制作年:2014/7/7(ふりーむ公開日)
容量(圧縮時):108MB




道玄斎です、こんばんは。
またしても、積んであった作品があったので、プレイしてみたら凡そ一時間という所。
しかも、後で載せるストーリーを見て貰えれば分かるように、なんか物凄くゆかしいものを持っている……こりゃ取り上げるしかなかろうってんで、取り上げる事に致しました。
というわけで、今回は「追及探偵事務所」さんの『雨恋のキセツ』です。ダウンロードはこちらからどうぞ。
良かった点

・舞台や、その設定に物凄くゆかしいものがある。

・イラストは美麗。ヒロイン二人はどちらもとても魅力的。


気になった点

・実は、メインシナリオでは、主人公の問題は解決せず、シナリオが恋愛に流れてしまったような部分が。

・エンドロールのムービーがあると思しいが、再生されない。

ストーリーは、ふりーむから引用しておきましょう。
神が宿る街。神宿。
神宿には雨にまつわる神がいる。所謂、土地神というものだ。
その神は、雨を降らすことも、止ませることも自由自在。
しかし、5月の半ばから降り出した雨は一か月もの間、止むことなく降り続け、もはや神は宿るこ とのない街と詠われた。
この街には、それでも人が大勢押し寄せ、いつものように仕事をし、
買い物をし、遊び、離れていく。 

ここは終着点ではなく、交差点みたいな街。

※雨が長く続く街を舞台にしたADVです。

こういうお話です。


さて、本作は所謂「VIP系」です。
オリジナルのBGM、美麗なイラストなど、VIP系が強い分野はしっかり抑えてあり、更に、魅力的な舞台設定があり、非常に興味をそそります。

雨が降り続ける街、しかも「交差点みたいな街」なんですよ。
これだけで、しっとりとした、何かドラマが生まれそうな……そんな気がしませんか?
明朗ハイスクールコメディにはない、深みがそこには感じられるはずです。


肝心の物語の方なんですが、主人公は記憶喪失です。
そして、なし崩し的に探偵事務所の居候(探偵助手の下っ端)となり、自身の記憶と、この街に降り続く雨の原因(=雨を降らす神様の動向)を探る、というのが、物語の端的な纏めになりましょうか。

主人公の回りには、探偵事務所の所長である真実(まみ。いい歳だけど、見た目ロリ)、雨降りの神様を祀っている神社の巫女さん亜紀、そして図書館で出会う少女れま、と、魅力的な女の子キャラクターが一杯です。

先にも書きましたが、女の子のビジュアルはとっても素敵。
雨ならではのシチュエーションもあったりしますw スクリーンショットはそこからとってきましたw

ところで、ストーリーの概略はプレイ前に目を通しているんですが、てっきり巫女服姿の亜紀が、「雨を降らす神様」だと思っていました。
ちょっと偏見かもしれませんが、こういう美少女系の神様って多くありません?w

ちょっと脱線しますけれども、大体、土地神、或いは地方の神様、みたいな存在は、「大地を司る神様」とか「戦争の神様」とかメジャーな神様と比較すると、かなりパワー自体は落ちるんですよ。
ある限定的な地域で、更に特殊分野に於いてのみ、力を振るえるっていう造型ですよね。けど、例えば、その出自が「元々、その土地で暮らしていた住民で、悲劇的な死を遂げた」なんてものだった場合、やっぱり、神様としての性質もローカルなものになるんです。

だからこそ、物語に登場させやすいんです。
それが、パワフルな神様だと、力が強力なものですから、大抵の無理は効いちゃうし、主人公、或いはヒロインがどうこう出来る余地が少なくなっちゃうんですよねぇ。
でも、ローカルな性質の神様だと、人間と同じように悩みを持っていたりして、その悩み事を主人公達が解決してやったり、或いは、主人公達の抱える問題と、神様の方の問題が重なってきたり……とかね、物語に無理なく、自然に超自然的なものを組み込む事が出来るんです。

だから、大抵の「神様」が出てくるような作品は、そうしたパワー抑えめの、ローカルな性質を持っているハズですよ。


さて、ド派手に脱線しましたけど、巫女さんの亜紀は、全然神様とは関係がなかったんですw
誤解を恐れず云うと、「ヒロインの一人」という位置づけですよね。まぁ、そういう意味では、れまもそうなんですが。

で、本作で一番気になった所が、まさにそこなんです。
舞台や設定はバッチリ、ヒロインも可愛い、しかし、そうした街や神様を巡る謎、そしてそれに密接に絡んでくるであろう主人公の失われた記憶……がスポッと抜けてしまって、各ヒロインとの恋愛に、いつの間にか焦点がシフトしちゃっていた、という点です。

折角、魅力的な舞台があるにも関わらず、主人公は、探偵事務所から神社に行くか図書館に行くか、くらいしか動かないわけで、もう少し、街の色んな場所に移動してみたり、そうした街や自身の謎を解く過程で、ヒロインとの恋愛も副次的に描かれる、みたいな感じの方が、個人的には納得度は高かったかな、と思います。


そうそう、亜紀とれま、それぞれのルートを見ると、タイトル画面から、第三のルートとも云うべきシナリオを読む事が出来ます。そこで、やっと、主人公や街を巡る謎が解ける、という仕組みです。
やっぱり、そのルートを、各ヒロインのルートに上手く接合させてやった方が良かったかなぁ、とw
けど、真実が好きな方にはたまらないルートにはなっているハズですw 個人的には、やっぱり、れまが一番好きですがw


今日はちょっと辛口なんですが、雰囲気はいい作品なんですよ。
だからこそ、自分の願望を押しつけたくなっちゃうのかもしれませんね。
作品の雰囲気を十全に味わう為に、是非雨の日を狙ってプレイしてみて下さい。



それでは、また。



/* 以下、宣伝

私達が運営している、ノベルゲーム制作支援サイト(素材ポータルサイト)、Novelers' Materialなんてものがあるので、良かったら、利用してやって下さいませ~

http://novelersmaterial.slyip.com/index.php

リニューアルも完了し、より使いやすい素材ポータルサイトになっております。
素材をダウンロードするもよし、作者登録(簡単に出来ます!)をして、素材作者になるのもよし、のサイトです。是非、ご利用下さい!!

以上、宣伝 */
[PR]

by s-kuzumi | 2014-09-17 21:04 | サウンドノベル | Comments(1)
2014年 09月 15日

フリーサウンドノベルレビュー 『Unknown』

b0110969_196627.jpg

今日の副題 「服を着たまま5キロ川で泳いでも、優しくしてくれる彼女が欲しい」

※吟醸
ジャンル:実は爽やか、ハイスクールグラフィティ。
プレイ時間:合計で3時間程度。
その他:二篇のストーリーを収録。選択肢なし、一本道。
システム:WOLF RPGエディター

制作年:2014/7/4
容量(圧縮時):22.9MB




道玄斎です、こんばんは。
三連休もお終いですね……。私は、最後の休日、という事で、気になっていた作品をプレイしてみました。タイトルが意味深で、かなり気になっていたんですよね。で、プレイしてみたら、かなり面白かったので、こうして取り上げる事に。
というわけで、今回は「今門 楽々」さんの『Unknown』です。ダウンロードはこちらからどうぞ。
良かった点

・少しづつ読みやすく、テンポ良くなっていく文章。

・等身大の高校生を活き活きと描いている(特に「超レ欲ス」)。

・各篇共に、冒頭部の伏線などがちゃんと回収される丁寧な作り。


気になった点

・「無意確認生命体」の方は、ラストがちょっと消化不良だったかも。

ストーリーは……うーん、ふりーむの方にも、サイトの方にも詳しい記述がないので、今回は変則的に、Youtubeの紹介動画を張っておきましょう。こちらからどうぞ。



久々に、少し長目の尺のものをプレイしました。
感動した! とか、泣ける! とかではないけれども、地味に良いお話が詰まった、とても素敵な作品だったと思います。

本作の体裁について、先に述べておくと、二本立てになっており、それぞれ「無意確認生命体」、「超レ欲ス」というタイトルが付いています。

これら二つのストーリーには、連続性があって、「無意確認生命体」での結末を承けて、「超レ欲ス」のストーリーが進展していきます。ですので、特に理由がなければ、「無意確認生命体」の方から読んでいった方がいいでしょうね。

どちらかと云えば、「無意確認~」の方が、少しシリアスな印象です。
ちょっと冷めた……というか、達観した16歳の女の子が主役の話なのですが、彼女には、どうも秘密があるらしい……。
そんな彼女が巻き込まれる事件と、その後の生活や、彼女の変化を丁寧に追っていくストーリー、と、ひとまず纏める事は出来そうです。

確かにショッキングな事件は起きたりするのですが、よくあるタイプの、「ラスト付近で物凄い事件が起こって、それをヒロイン、主人公の二人三脚で乗り越える」みたいな、感じとは違うんですよね。
事件そのものは、冒頭部で示されていますし、プレイしていても、比較的早くその事件に到達しちゃいます。

寧ろ、事件後の方に焦点があって、凄いバカだけど、何だか妙にホッとする志田君の登場により、主人公しぶき(雌舞希)が、少しづつ変化していく様子や、彼女の持つ秘密に焦点が移行していきます。


一方で、「超レ欲ス」の方は、主人公が男の子。
過去に、「無意確認~」の主人公しぶきを泣かした事があって……。けど、実は彼女に惚れている……という、複雑な立場の少年が主人公となりますw

こちらは、明るい、男子高校生の明朗ストーリーと云った感じで、「あー、このくらいの年頃の男って、こんな感じだよねぇ!」と、思わず、「うんうん」と頷いてしまうような、楽しい作風です。

結構、この男の子の心情っていうか、そういうのがリアルというか、活き活きと描けているというか、まぁ、兎に角、そこが凄く個人的にグッとくるポイントでした。

ド派手な事件が起こるわけじゃない。けど、本当に些細な事で悩んでしまったり、或いは個人的なレベルでは、それが「大事件」に思えてきたり……。皆さんも身に覚えの一つや二つ、あるんじゃないでしょうか? 特に、男性は、女の子絡みで、そういう気持ちになる事、多かったですよね?


と、まぁ、大凡、二つのストーリーはこんな感じなんですが、秀逸なのは「伏線」を綺麗に活かし、綺麗に回収してくれる、という所。

どのストーリーも、ちょっと意味深な感じの冒頭部を持っているんですけど、ストーリーが進むにつれ、文章もこなれてきて、ドンドンテンポが良くなっていきます。そして、最後には、その意味深な冒頭部の謎もスッキリ解ける、というわけです。

そして、「ああ、ここであれを持ってくるのか!」と云うような、テクニックも巧み。
読後感も爽やかですし、派手な事件やクライマックスが無い、という意味で、地味…な方に入るとは思うのですが(女の子のビジュアルは凄い可愛いです)、本当に素敵なお話になっていました。


気になった……という程でもないのですが、「無意確認~」のラストが、ちょっぴり消化不良っぽく感じたなぁ、というのはありました。
勿論、ああいう形で、物語を終える事で、読者(プレイヤー)へ想像の余地を残して、独特な余韻を漂わせる、みたいな手法であろう事、想像に難くないのですが、「え? 結局、これはどうなったの?」と、ちょっぴり困惑してしまったのも、又偽らざる所だったりしますw
その結末のあやふやさは、「超レ~」の方を読む事で、解消されましたけどもね。



本作も亦、WOLF RPGエディター製の作品です。
けど、必要な事は全て設定出来ますし、全く不自由さを感じさせません。しっかりと「ノベル向け」にカスタマイズされている印象でした。

地味かもしれないけども、何だか心に染みてくるような作品で、しかも読後感が凄く爽やかなものですから、今回は吟醸で。

私の録ったスクリーンショット、或いはふりーむ記載のスクリーンショットは少し暗めの内容を想像させてしまうのですが、全体を通して、本作の印象を云うなら、繰り返しになりますが「爽やか」です。
是非、プレイしてみて下さいね。



それでは、また。



/* 以下、宣伝

私達が運営している、ノベルゲーム制作支援サイト(素材ポータルサイト)、Novelers' Materialなんてものがあるので、良かったら、利用してやって下さいませ~

http://novelersmaterial.slyip.com/index.php

リニューアルも完了し、より使いやすい素材ポータルサイトになっております。
素材をダウンロードするもよし、作者登録(簡単に出来ます!)をして、素材作者になるのもよし、のサイトです。是非、ご利用下さい!!

以上、宣伝 */
[PR]

by s-kuzumi | 2014-09-15 19:07 | サウンドノベル | Comments(3)
2014年 09月 11日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『夢の中』

b0110969_2042663.jpg

道玄斎です、こんばんは。
今日は、気になっていた作品をプレイ。プレイ時間は凡そ15分程度でしたので、番外編で。
というわけで、今回は「きじ」さんの『夢の中』です。ダウンロードはこちらからどうぞ。



最近、ふりーむなんかを覗いてみると、WOLF RPGエディター製のノベルゲームが結構多く出てますね。私も、ここで何度かそうした作品を取り上げたりもしましたよね。そして、本作も、亦、WOLF RPGエディターで作られた作品です。

至ってシンプルなノベルゲームです。
セーブ/ロードの機能は無し。右クリックでバックログの閲覧は可能。但し、BGMや効果音無しの「文字と背景だけ」。云ってみればかなり地味な作品です。

確かに、BGMがないと物足りなさを感じます。
そもそも、こうしたゲームは、「サウンドノベル」という云い方もあるわけで、ただの文章に加えて、そこにサウンドを載せる事で、表現の幅を広げているわけですからね。


けど、本作、なんか妙に惹かれるものがあるのも、事実なんです。
本作は、SFと呼ばれるジャンル……に近いと思います。アンドロイドは出てくるし、人間とアンドロイドの区別をどう付けるのか? みたいな、フィリップ・K・ディック的な世界……とも云えるのですが、多分、本作の焦点はそこじゃないんですよね。

寧ろ、ラストのちょい物憂い感じだったり、少し暗めの世界観だったり……そういうところが、個人的には「お!」と思えましたね。比較的短文で歯切れの良い文体も、作品の雰囲気にあっていたと思います。ちょっと翻訳SFの趣を感じる、みたいなね。


ディック的な世界……みたいな事を書きましたけど、別に、本作には違法アンドロイドを狩る、なんて描写が出てくるわけじゃありません。
そうではなくて、アンドロイドという存在が極々自然に、人間の生活に入り込んでいて、そのアンドロイドを含めた家族……というかコミュニティというか、そういうもののあり方だったり、アンドロイドが発達した世界での人間の心のゆらぎ、みたいなものを描く作品です。

なので、実はエンタメ系のノベルゲームというよりは、ちょっと小説……文学寄りなテイストですよね。
それが、BGMこそ無いものの、モノトーンの背景と妙にマッチしていて、独特の雰囲気を出していました。


作品に合った渋めのBGMがついていれば、きっと、もっと作品全体の纏まりや、訴求力がアップするんじゃないかと、愚案致します。
少し変わったSF、ちょっと物憂いラスト、是非楽しんでみて下さい。



それでは、また。


/* 以下、宣伝

私達が運営している、ノベルゲーム制作支援サイト(素材ポータルサイト)、Novelers' Materialなんてものがあるので、良かったら、利用してやって下さいませ~

http://novelersmaterial.slyip.com/index.php

リニューアルも完了し、より使いやすい素材ポータルサイトになっております。
素材をダウンロードするもよし、作者登録(簡単に出来ます!)をして、素材作者になるのもよし、のサイトです。是非、ご利用下さい!!

以上、宣伝 */
[PR]

by s-kuzumi | 2014-09-11 20:04 | サウンドノベル | Comments(0)
2014年 09月 04日

フリーサウンドノベルレビュー 『処女失格 ~初めては貴方に捧げたかった~』

b0110969_11383458.jpg

今日の副題 「型と面白さ」

ジャンル:乙女処女失格ノベル(readmeより)
プレイ時間:2時間程度
その他:選択肢なし、一本道。18禁。本レビューは「ネット公開版」にて。事前にパッチを当てておくこと。
システム:NScripter

制作年:2014/6/15
容量(圧縮時):196MB




道玄斎です、おはようございます。
早いもので、もう九月です。気が付けば、照りつけるような暑さはなりを潜め、少し涼しい秋風が吹くようになりましたね。
私は、と云えば、少し忙しさが増しつつあるのですが、何とかまた最近、ノベルゲームをプレイする時間を取ることが出来るようになりました。
というわけで、今回は「agony/禁飼育」さんの『処女失格 ~初めては貴方に捧げたかった~』です。ダウンロードはこちらからどうぞ。
良かった点

・独特の作風は今以て健在! しかも、マンネリ感がない。

・ちょっとほろ苦さを残すラスト。


気になった点

・誤字修正パッチを当てても、誤字が多め。

・陵辱的な要素アリ。苦手な人は要注意。

ストーリーは、今回は私が簡単にまとめておきましょう。
ぬいぐるみ少女(?)「ちぎみ」と、同居人である「ごかく」さんは、ちょっぴりメルヘンでラブラブな日々を過ごしていた。
そんなある日、ごかくさんは、会社で必要な資料を家に忘れたまま出勤してしまう。ごかくさんの役に立つべく、ちぎみは、ぬいぐるみの体というハンデを乗り越え、彼に忘れ物を届けようとするのだが……。

と、このくらいにしておきましょう。


いきなり脱線しますけれども、気が付けば、私、サウンドノベル/ノベルゲーム用のBGMを制作するのが、趣味の一つになっています。「音楽作ってます!」って大上段に構えて云える程ではないのですけど、まぁ、チマチマとね。

たまに、ゲームをプレイしていて、自分の作った曲を発見すると、凄いテンションが上がったりしますw テンションが上がったあとで、妙に気恥ずかしくなって、その曲が流れている所は、凄い速度で読み飛ばしちゃったりするわけですが……w

で、本作『処女失格』の作者さんがリリースしている、所謂シェアゲーム(『淫靡で残酷な豚』)にも、私の作ったBGMを使って頂いているみたいで、感謝感謝です。


さてさて、タイトル、そしてスクリーンショットをご覧頂けば、本作が、『さくっとパンダ』、『キナナキノ森』など、話題になった作品の作者さんだという事、すぐに分かるかと思います。

吸血鬼を思わせる、野性的な容貌の中年男。
変わった名前を持つ、肉感的なヒロイン。
そしてヒロインを待ち受ける過酷な運命……。

この作者さんの作品は、大体このパターンというか、この型で出来ています。
本作も亦、この変奏でした。けど、それでもやっぱり、本作は(というか、この作者さんの作品は)面白いのです。


本作は、大きく、前半と後半に分ける事が出来ます。
前半は、ストーリー部分で書いた通り、少しギャグっぽいテイストが入り込んだ穏やかな日常パート。
後半は、その日常の裏にある、「真相」を探っていくパート、と位置づける事が出来ましょうか。

この作者さんの作品を、何作品も読んでますから、前半を読んだ時に、「絶対、このまま微ファンタジックなほのぼの路線で終わるハズがない!」と、斜に構えて読んでいましたw
或る意味で、「絶対凄いのが来るぞ……」という、信頼感がそこには存在している、と云ってもいいのかもしれません。


そこで私は、はたと考え込んでしまったのです。
前述の通り、ある種のパターンによって物語が作られている。勿論、細部は作品によって違いますが、同じ型を使っている、と、言い切って良いような気がします。

毎回同じような話で飽きてしまう作者さんがいる一方で、本作の作者さんのように、同じ型を使い続けていても、魅力を放つ作品があるのか、どうしてなのか、と。
真面目に考えていけば、本当に色々な要素があるのでしょうけど、パッと思いついたものは、「型の部分での個性がずば抜けている」という事。

本作も、比較的女性向け……だとは思うのですが、そもそも「中年男」がヒロインの相手役になる、っていう設定が、物凄く個性的ですよね。しかも、その中年男もただカッコいいだけじゃなく、その内側に、ドロドロとした悪意を秘めている、という。

素直な女性向けゲームでは、或る程度、攻略対象の男性キャラのパターンが決まっていて、そういう安心感みたいのはあるんですが(勿論、素直な作品も私は好きです)、間違っても極悪中年男と結ばれるパターンはないんですよねw

ヒロインの造型にしてもそうです。素直なそれだと、あまり個性が無く、「可愛くない」とか称されつつも、普通に立ち絵、一枚絵を見ると美少女だったりして……。で、色んな男性キャラから、色んなやり方で愛されていく……みたいなね。所謂一つの「愛されガール」というか。
本作のヒロイン(?)ちぎみも、確かに可愛いんだけど、実は口は悪いし、変顔多いし、食い意地は張ってるしと、やはり、広く流布しているヒロイン像とは違いますよね。

この主人公(ヒロイン)と相手役の型は変わらないけれども、その型そのものに既にして個性が宿っている、という訳です。


今一つの要素は、「そこに、ちゃんとしたストーリーがある」という事。
パターンや型に或る程度沿っているとはいえ、ちゃんとストーリーが流れていきますし、結末というか〆のパートがちゃんとあるんですよね。ストーリーの緩急も凄いシッカリしてますし。

そうしたオチみたいな部分はなくて、何となく雰囲気で流れちゃう作品っていうのも、世の中にあって。
その雰囲気が、心地良いものだったら、全然それも作品としていいと思いますし、そうした作品の中に、私も好きな作品が結構あります。

ただ、大凡の傾向として、その雰囲気系の作品を作る人は、延々と同じような雰囲気系を作り続けるみたいな部分はありますよね。ちょっと言葉は悪いけど、同じようなネタで同じような雰囲気がウリの作品を量産されちゃうと、最初の数本は楽しめるけど、段々、新鮮さや面白さを感じなくなっていく事があって……。


というわけで、型の部分で物凄い個性を持っているという事。そして、緩急の効いたストーリーをちゃんと持っているという事。
この二つが、本作を「いつもの作品」ではなく、ちゃんと「新作」として成り立たせているんじゃないかなぁ、なんて愚案致します。

寧ろ、この要件があるからこそ、「個性」が際だつような、そういう部分もあるんですよね。前述の通り、「この人の作品なら、絶対このままじゃ終わらない!」というような、信頼感があったりね。
あっ、そうそう。作品の〆についても、少し話しておきましょう。

本作は、例によって悲惨なパートを挟んで、それにどう向き合っていくのか、というのが最終的な着地点になるわけです。そこが、ちょっとほろ苦くて、凄く良かったですよ。
この作者さんの持ち味の一つとして、「人間の心理描写」が上手い、というのが挙げられるんじゃないかな。

悪意のような、ドロドロとした心理を描くのもお手の物だし、後悔や諦念……そうした部分の心理描写も凄くいいです。少し暗めの人間の心理、心情という事になるかな。幸せな感情よりも、そういう負の感情の方が、プレイヤーとしてグッときたりする事が多いんですよねぇ。
もっと云えば、負の感情をしっかり描けるから、その後の正の感情にも入り込める。そういう部分って絶対ありますよね。


気になった点は、やはり、誤字修正のパッチを当てても、それなりに誤字が多い、という所でしょうか。
「なんにせよ」とありたい所が「なんによせ」になっていたり……そういう部分がチラホラと。

あと、一応注意書きの延長みたいなものですが、結構キツい陵辱シーンもあります。
18歳未満はプレイをしない。そうしたシーンが苦手な人も、プレイを控える、というのが吉。


結局、今回は、作品の中身について、全然触れませんでしたねw
敢えて云いますが、「いつものパターン」です。けど、やっぱり読み応えがありますし、面白いのです。
個人的に好きだったシーンは、「バスの中」のシーンと、ラストのほろ苦く、少し切ない部分ですね。

人を選ぶ部分は勿論ありますが、agony/禁飼育さんのファンなら、是非プレイしてみて下さい。期待を裏切らない作品になっていると思いますよ。



それでは、また。


/* 以下、宣伝

私達が運営している、ノベルゲーム制作支援サイト(素材ポータルサイト)、Novelers' Materialなんてものがあるので、良かったら、利用してやって下さいませ~

http://novelersmaterial.slyip.com/index.php

リニューアルも完了し、より使いやすい素材ポータルサイトになっております。
素材をダウンロードするもよし、作者登録(簡単に出来ます!)をして、素材作者になるのもよし、のサイトです。是非、ご利用下さい!!

以上、宣伝 */
[PR]

by s-kuzumi | 2014-09-04 11:37 | サウンドノベル | Comments(3)
2014年 08月 24日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『今日僕は自殺をします』

b0110969_170331.jpg

道玄斎です、こんばんは。
今日は、久々のノベルゲームレビュー。全ルートをオマケまで含めて見ても、20分といった所なので、今回は番外編です。
というわけで、今回は「闇黒天使」さんの、『今日僕は自殺をします』です。



ちょっと前に、ファンタジーの要素を取り入れたノベルゲームにまつわるヘンテコ話をしたのですが、今日取り上げる作品の作者さんは、ファンタジーノベル作品、『クレイズン・ハート』というものもリリースしていたりします。ちょっと女性向けのテイストを感じますが、興味があれば是非是非。


「自殺」を一つのテーマに据えた作品を、ちょくちょく目にするようになりました。
それもこれも、発端は『ナルキッソス』だったように思います。『ナルキッソス』を目指して作られた作品がある一方で、また別の切り口から自殺の問題……もっと云えば、「生と死」の問題に取り組んでいる作品も増えてきました。

中には「これはちょっとなぁ……」と思ってしまうものがあるのですが、非常に大きなテーマを扱うものですから、真剣に作ってあったりして、概ね、力作が多いような気がしています。

そうした「自殺」を扱う作品群の中で、本作は「割とシンプル」に作られているのではないでしょうか?
フルボイスで(声優さんは皆、好演でした!)、気合いの入った作りなのは、間違いないにせよ、シナリオそのものは、じっくり読んで(聞いて)も、10分そこそこ。

一つには、少しづつ、自殺に至るまでの道筋を描き、そして「死ぬか生きるか」の選択を描くのではなく、主人公が「今日、自殺をする」と決心する所から物語がスタートする、という部分と関係があるのでしょう。
「最後の一日」を焦点化していく、という手法ですね。


本作には、面白い試みがいくつもありました。
一つは、「セーブ/ロード」が出来ない、という事。更に、スクリーンショットを見て頂ければ分かる通り、「自殺する」という禍々しいボタンが、基本、画面に表示されていますw

基本的に、プレイヤーが主人公の自殺決行のタイミングを制御出来る、という事なのですが、「いつ自殺するか」が、エンドを分けるのです。選択肢を使わないエンド分岐というわけで、これは中々面白い仕掛けだったと思いますよ。まぁ、或るタイミングでは自殺ボタンを押しても、「今は様子を見よう……」みたいな感じで、自殺出来なかったりするのですがw

主人公が「自殺へと至る理由」の方は、比較的オーソドックスなものなのですが(所謂、イジメです)、そうした作品の仕掛けの部分が、この作品を特別なものにしていたように思えます。
プレイしながら、場の流れを読んで、自殺ボタンをクリックする。そうする事で、トゥルーエンドへの道筋も拓けてきます。

更に、トゥルーエンドの方では、「死ぬ」という意味が逆転したりして、そこは素直に「おお、上手いなぁ!」と思いました。一発でトゥルーエンドに行くのは難しいかもしれませんが、尺自体が短いので、何度か試してみれば、すぐに到達出来るはずです。

所謂、エンターテイメント、とはちょっと違う雰囲気の作品ですが、これも亦、やはり楽しめる作品だと思っています。作品の作り(構造)的な部分で、あれこれ考える事も可能でしょうし、ストーリーを味わう、というのも勿論アリです。バッドエンドを楽しむ、という遊び方だって当然可能(バッドエンドが楽しい作品もありますからね)。


そういえば、後書きにて、「敢えてイラストを付けなかった」という事が記されているのですが、私はそれは大正解だと思います。
昨今、フリーのそれであっても、「綺麗(や、可愛い)イラストが付いているのが当たり前」というような風潮すらあるわけですが、敢えて、イラストを排除して雰囲気を作っていく、という方法は、私はとっても好きです。

確かに、美麗なイラストがついていれば、それだけでダウンロード数が跳ね上がります。
けど、好きに作ってるものなんですから、ダウンロード数だけを絶対に価値基準にする事はないんですよね。そりゃ、多いに越したことはないんですがw

本作の場合、イラストこそないものの、やはり、タイトルワークが目を引くので、そこでダウンロード数は補填出来てるんじゃないかな、なんて勝手に思っていますw 完全に余計なお世話ですが……w


さて、作品については大体これくらい、なのですが、今日はちょっと久々なので、蛇足を書いていくつもりです。

本作の主人公は、所謂イジメにあっていて、それが為に、自殺を決心するわけですが、「学校という場では、なかなかイジメの問題は解決しないだろうなぁ」というのが、私の正直な所感だったりします。

そもそも、当たり前の事なんですが、学校というのは結構矛盾に満ちた空間です。
「イジメはいけないんだよ」と教えている教師が、職員室の中でイジメをやっている、なんて事は日常茶飯事なのですから。子ども達の中で発生するイジメに教師も加わっていた、なんてニュースも見たことありますでしょう?

学校を出て、社会に出たとしても、イジメは至る所にあります。
しかも、その手段はもっと巧妙になりますし、その被害は学生時代の比ではありません(休職に追い込まれてしまったら、収入がなくなっちゃいますからね)。

なので、学校は「イジメをなくそう」じゃなくて、「どうしたってイジメは出てくる」っていうスタンスの方がいいんじゃないかなぁ、なんて思うのです。
どういう場面でイジメが発生するのか、どうやって解決していくのか、そっちの方に重心を置いて、「イジメに対処する手段」というか、そういうものを学ばせる方が、意義があるように思えるのです。

勿論、対処出来ないような酷いケース、と云った例外はあるでしょうけど、基本的に「力のある奴がそうでない奴をイジメる」という構造自体は、あまり変化はしません。
「イジメはいけないよ」と、イジメそのものを全否定するより、「イジメはいつでもどこでも起こり得る」という立場で、それに対抗する術、逃げる方法を教えて免疫を付けてやる……というのが実践的かなぁ、なんて愚案致します……。


ガラにもなくあれこれ書いてしまいましたが、脱線はいつもの事なので、どうぞご容赦下さいませ。
ともあれ、今日はこの辺で。


それでは、また。



/* 以下、宣伝

私達が運営している、ノベルゲーム制作支援サイト(素材ポータルサイト)、Novelers' Materialなんてものがあるので、良かったら、利用してやって下さいませ~ 素材作者さんも大募集です!

http://novelersmaterial.slyip.com/index.php

リニューアルも完了し、より使いやすい素材ポータルサイトになっております。

以上、宣伝 */
[PR]

by s-kuzumi | 2014-08-24 17:00 | サウンドノベル | Comments(5)
2014年 05月 24日

フリーサウンドノベルレビュー 『硝子の月-Retrouvailles-』

b0110969_16342866.jpg

今日の副題 「周回プレイの愉しみ」

ジャンル:学園ノベルゲーム(?)
プレイ時間:一周5時間くらい。
その他:選択肢なし、一本道。
システム:NScripter

制作年:2012/12/17
容量(圧縮時):86.5MB




道玄斎です、こんにちは。
今日は、珍しくも丸々一週間くらい掛けて読んでいた作品のご紹介。一応「学園ノベルゲーム」って事にしてありますけれども、実は結構奥が深い作品で、そこら辺を軸にしながら何かお話出来たらな、と。
というわけで、今回は「森野いづみ」さんの『硝子の月-Retrouvailles-』です。ダウンロードはこちらからどうぞ。
良かった点

・周回プレイで魅力が出てくる、不思議な作品。

・かなり緻密に組み上げられた物語世界。


気になった点

・見やすさ/分かりやすさを、もう少し追求しても良かった。

・色々考察が出来、懐が深い反面、分かりにくい部分も。

ストーリーは、ふりーむから引用しておきましょう。
「この世界は、僕達用には出来ていないんだよ」
 それは昔、彼の大切な友達の言葉。
 それから数年の月日が流れて、高校生になった少年は、どこか歪な、だけど変わらない日々を過ごしていた。

 彼の周りに集まるのは、世界から弾かれた少女達。

 一人は、花の様な容姿の転校生。
 一人は、規律正しい幼馴染の委員長。
 一人は――美しい白銀の髪を持つ、白い少女。

 そして――


 ――この世界に、君の生きる場所はあるかい?
   世界の終わりはまだ遠く――

こんな感じ。


さて、ノベルゲームのレビューと云っても、当然、「書きやすい」タイプの作品もあれば、「書きにくい」タイプの作品もあるんですよね。ストーリーが理解しやすいものは書きやすいですし、ストーリーそのものが難解だとやっぱり書きにくい。
そうした分かりやすさの問題とは別に、「これはネタバレせずに書くのは困難だなぁ」なんて思う場合も、やっぱりちょっと書きにくいですよね。

それは兎も角、今回取り上げる作品も、ちょっと書きにくいな、と思ったのは事実なんです。
一つは、一周しただけでストーリーを理解出来る人は多分いないでしょうし、同時に二周目以降のプレイで明らかになるネタをバラしちゃうのは、ちょっと忍びない。

と、いつもだったら泣く泣くスルーしてしまう所だったんですが……実は本作、私のノベルゲーム友達に猛プッシュされたんです。


友人「確か、同じ作者さんの『Good Days』はプレイしてたよな? 『硝子の月』はやったのかい?」

私「いやー、それがねぇ。何となく手を出せてないんだよねぇ」

友人「いや、これ、もう最高だから、絶対にやってくれよ!」

私「そこまで云うなら、ちょっとやってみるよ」


というやり取りがあったんですね。
しかも、その友人、ただのノベルゲームファンってわけでもなくて、某作品にスタッフとして参加していたり、かなりディープなノベルゲーマーなんだよ。自作の作品を作った経験こそないものの(作りかけて頓挫した経験アリ)、片足くらいは「制作者」の領域に突っ込んでいるような、そういうタイプ。

そんな友人が、ここまで猛プッシュするって事は、いい作品なんだろう、と思って、チマチマとプレイを開始したんだけど……。


友人「おい、やってるか?」

私「うん、今日から読み始めたよ」

友人「今、どの辺りだ?」

私「えっと、今、○○と○○がこういう話をしていて……」

友人「いいとこまできたな。ところで、その前のシーンのアレ、どう解釈した?」

私「え……あれはさ、○○が△△だって事でいいんじゃないの?」

友人「なるほどね。そういう解釈か。読了した暁には、お互いの解釈を語り合おうか」

私「お、おう……」


ってな、やり取りが連日ありましてw
で、今のやり取りで分かって貰えると思うんだけど、「尺は長目」そして、「解釈を求められるような難解さがある」って事なんです。

私も丸々一週間、この作品に付きっきりでした。
もう、本当に一周しただけじゃ分からないんですよ。取り敢えず、表面的に起こった事象を追いかけていく事は出来る。けど、その背後にあるコンテクストがどうにも理解出来ない。というか、もっと積極的にミスリーディングさせていくような、そういう手触り。

二周目以降の楽しみをツブしちゃうのはアレなので、ボカしながら書いていくと、本作の主人公(という云い方が一番いいか)は、離人の凄いヤツを患っているらしい。それが故に、所謂「生きづらさ」みたいなものを抱えて生きている、という設定です。

ところで、離人って分かりますか? 作品中では「俯瞰で物事を見てしまう」みたいな説明があったと思うんですが、もうちょい補足しておきましょう。
例えば、あなたがいつものように、ノベルゲームをプレイしていたとしますよね。右手をマウスに添えて、クリックしながら物語を読み進める。いつもの光景です。

それが、何かの拍子で、フッと画面から目を逸らして、マウスに添えた自分の手に一瞥くれたとしましょう。
普通の人なら、何も思わないんです。「おっと、いけねぇ。続き読まなきゃ」ってな具合に、またゲームに没入出来る。
一方、離人の場合は、何気なく見た自分の手が、「自分の手と即座に認識出来ない」んです。「あっ、マウスに手が置いてある!」みたいに、自分の手のハズなのに、その一体感が薄れてしまうんですよ。自分の身体が自分のものでない感覚。それが離人の第一歩。

それが、もっと酷い事になると、「自分が自分でない」みたいな感覚になっていくらしいですね。
本作の主人公が罹っているのは、そういう症状です。そうした悩みを抱えた主人公を軸に、物語が進んでいくんですが、第一章(Moon Dream)は分かりやすいんです。
勿論、謎もたっぷりあるし、凄い気を持たせるような、意味深の発言はてんこ盛りなんですが、何とか追っていける。


問題は、第二章(Sentimental syndrome)以降なんですよね。
多分、一周目では、何がなんだかサッパリ分からないんじゃないでしょうか? 私は最初、「実はSFだったのか!」と軽く衝撃を受けたんです。SFでお馴染みのアレじゃないかと思ったわけですね。で、確かに、そう解釈すれば、一本道にも関わらず、「ヒロイン級」の女の子が何人も出てくる説明はつくんです。

こっちではこの人だけど、あっちではあの人。
みたいに、多様な人間模様が描けるわけですから。それに作者さんはスティーブン・キングとか好きそうだしね。けど、作中でその説がバッサリ否定されて、謎を深めたまま、一周目が終わってしまいました。


で、一周すると作者さんの後書き(兼ネタばらし)が読めます。
そして、二周目にいくと、かなり気持ちよく今までの謎が解ける。更に「ネタバレモード」が選択出来たりするので、そういうのを利用すると、物語の謎の大部分が解けるようになります。

この、一周目は謎を大量に散りばめて、二周目でそれを回収させる、というのは、(プレイする方にも)手間暇が掛かる仕掛けですけど、意外と面白いものですね。一種の爽快感すらあるわけで、「こりゃ確かに中々凝った、面白い作品だぞ」と。
よーく、注意して見ていると、同じような台詞(って云ってもいいのかな)でも、それが平仮名なのか、カタカナなのか、で実は違いがあるとかね。

結果、私は三周したわけなんですけど(部分的にはもっと回ってるんですが)、繰り返し読めば読むだけ、理解が深まっていく、という構造は、ホント面白いと思いましたね。
取り敢えず一回プレイしちゃえば、全部分かってスッキリするよ、って作品がある一方で、こうした複数回プレイを求めてくるような作品ってのも、意外と味があっていいもんだなぁ、と。

ともあれ、かなり緻密に計算されて作ってある物語世界なんですよ。
この作者さんは、物語を作る力がありますよね。『Good Days』は、比較的シンプルな作品でしたけど、本作の複雑な構造は、中々作れるもんじゃないと思いますよ。


さて、一方で気になった点ですが、もう少し、見やすさや分かりやすさを考慮に入れても良かったかな、という所がまず挙げられます。

全画面表示タイプの作品(本作も基本それです)の場合、地の文と会話文の間に適度なブランク行があった方が見やすいんじゃないかな、なんて思ったりするんです。

私が好きなのは、さっきの私と友人との会話のように、地の文と会話文の間には「二行」ブランク行を設ける。会話文が連続する場合は「一行」ブランク行を空け、また地の文に戻る際に「二行」空ける。
そういうスタイルです。地の文と会話文を明確に分けてやって、読みやすさを確保する、って事なんですけど、意外とやってる人が少ないみたいですね。

こうした見やすさに関連して話すと、かなーり誤字が多いので、そういうトコが少し勿体ないかもです。
「僥倖」が「行幸」になってたりして、それじゃ、帝のお出かけだよ! って所があったりw 
こだわりや、作りたいモノの方向性との兼ね合いだと思いますけど、「出来れば易しい言葉を使う」「無理に漢字にしない」なんてのは、ちょっと意識すると、大分読みやすくなるんじゃないかな。

何しろ、ストーリーそのものに掴みにくい所があるわけですから、体裁的な部分でも読みにくくなっちゃうと、ちょっとプレイヤーの負担が増えちゃうんですよね。


もう一点は、「それでも分からない問題がある」って所。
昨晩も、友人と語り合ったんですよw お互いの疑問を持ち寄ってね。

ここで初めてキャラクターの名前を出しますけど、本作の裏の主人公っていうのかな、そういうのは多分、アイリスって事でいいんじゃないかしら? 銀髪の美しい少女です。
私の読解だと、主人公と鏡像関係にあるような、そういうキャラだと思うんです。ネタバレモードで、二周目を見れば、多分、そういう感想は出てくると思いますが。

よって、アイリスっていうのは、本作において物凄いキーパーソンなんですよね。
クールビューティーと称される丙さん、聖女と呼ばれる敷野さんよりも、物語の核心にグッと食い込んでいるっていうか。

で、本作は、そのアイリスの発話によって幕を下ろします。
その時のアイリスの発言、それがまた意味深長で、且つ、理解しづらいんです。作品の〆としてはバシッと決まった感はあるんですが、真面目に考えると、良く分からなくなっちゃうんですよ。

一応、私が考えたのは……「二周目以降をプレイする事によって、プレイヤーは二つに分かれていた(と思われた)世界を一つのものとして統合出来る。けど、最後の最後で、二つの世界の境界線上にいるようなアイリスの発話を以て、その統合の認識が本当に正しいのかどうか、プレイヤーに揺さぶりを掛ける」みたいな、感じなのかな、と。
だから、実質的な意味はあまりないんじゃないかとw 昨晩もこの問題は決着が付きませんでしたw

たまにSFで、そういうのありますよね。
或る認識と、別の認識の二つがあって、結局は一方が正しい、って事になるんですけど、最後の最後で、やっぱりもう一方の認識の存在感が増してきて、世界や、認識そのもののあやふやさを感じさせる、みたいなね。
それと同種の表現方法、なのかなぁ、という感じ。

アイリスに関しては、本当に分からない事が多いんですよ。
そもそも、中学編で、アイリスが主人公と出会った時、本来ならばアイリスには二つの認識の選択肢があったと思うんです。けど、アイリスは疑いなく、その内の片方を選択してしまい、それが、物語の始発部に繋がっていく……みたいな。


そういう語られないというか、明らかにならない部分は、気になる所でもあり、且つプレイヤーに思考で遊ばせてくれるというか、そういうプラスの面もあるんですよね。


そういえば、本作の一応のヒロインは、学校の先生、みのぎちゃんです(裏ヒロインはやっぱりアイリスでしょう!)。今回のスクリーンショットの人ですね。最初は、「物語に於ける役割が希薄なので、この人がヒロインなのは何だか納得がいかん!」と思ったんです。勿論、キャラそのものは物凄く好みだったんですがw

けど、逆に、物語による負の束縛みたいのが無いからこそ、彼女はヒロインになり得るのかも……と、複数回プレイしていく内に考えが変わりましたw ホント、今回一番云いたいのは、「複数回プレイすると作品の見方が変わるよな」ってトコなんですw
当たり前っちゃ当たり前なんだけど、最低二周しないと、物語が掴めないような、そういう作品だったわけで、改めて「複数回プレイの良さ」みたいのを教わった気がします。


時には、一周ではスッキリしない作品に、腰を据えて取り組んでみるのもいいんじゃないでしょうか?
今回は、迷った末の無印ですが、私の友人のように、「吟醸」や「大吟醸」だと感じる人も絶対にいるはずです。好みが別れそうなところではありますが、気になったら、是非プレイしてみて下さい。



それでは、また。



/* 以下、宣伝

私達が運営している、ノベルゲーム制作支援サイト(素材ポータルサイト)、Novelers' Materialなんてものがあるので、良かったら、利用してやって下さいませ~

http://novelersmaterial.slyip.com/index.php

リニューアルも完了し、より使いやすい素材ポータルサイトになっております。

以上、宣伝 */
[PR]

by s-kuzumi | 2014-05-24 16:35 | サウンドノベル | Comments(17)
2014年 05月 08日

フリーサウンドノベルレビュー 『メモリア-day of memory-』

b0110969_20293073.jpg

今日の副題 「超王道に癒されろ!」

ジャンル:学園恋愛ノベル
プレイ時間:5時間程度。
その他:選択肢アリ。されど、メインのストーリーには変化無し。15禁。
システム:NScripter

制作年:2014/3/3(ふりーむ公開時)
容量(圧縮時):250MB




道玄斎です、こんばんは。
今日は、連休中にちまちまプレイしていた作品のご紹介。非常に王道的な作品ではあるものの、しっかりと作られた作品でしたよ。
というわけで、今回は「エロゲ道は一日にして成らず」さんの『メモリア-day of memory-』です。ダウンロードはこちらからどうぞ。
良かった点

・こっちが恥ずかしくなってしまうような甘酸っぱいシーンが大目。

・テンポの良さはかなりのもの。五時間のプレイが比較的楽。

・愛らしいヒロインに癒される。


気になった点

・ヒロインである所の愛が、喋られない、という設定に、もう一工夫欲しかった。

・悪友竜司の扱いがひどいw

ストーリーは、ふりーむの方から引用しておきましょう。
―日常系恋愛アドベンチャーゲーム―
桜が咲き乱れる四月。亀岡高校二年生になった赤坂天馬はバカな悪友、戸塚竜司。天敵の華山明日香。そしてしゃべれない友人、神山愛と同じクラスになる。
そんなある日、天馬はひょんなことから愛と一緒に学級代表をやることになる。 スケッチブックでしか会話できない愛と悪戦苦闘しながらなんとかクラスをまとめる毎日。 そんな矢先、学級代表としての一番初めの大きな仕事、春の文化祭が迫って来ていた。
問題ばかりの日常。動き出す青春。はたして天馬たちは文化祭を成功させることが出来るのか。
――思い出に残る日常が今、始まる。

こんな感じです。


いきなり脱線しますけど、一昔前は、ノベルゲームのコンテストっていうと、ふりーむのゲームコンテストか、或いはVectorのレビュー(厳密にはコンテストではないけど)で取り上げられる、くらいしかありませんでした。
中には、主催者がいて、レギュレーション有りの小規模なコンテストが行われる、なんて事もありましたけどもね。

でも、私もちょこちょこ言及していますけど、最近、「ゲームの実況」というあり方が一般的になってきてまして、そうした状況もあって、ニコニコ動画の方でゲームのコンテストが行われているようです。「ニコニコ自作ゲームフェス」ってヤツですけども、ご存じの方も多いのでは?
私も、今、ちょっとその規約なんかを見てみたんですが、かなりユルいです。紹介動画を作るスキルさえあれば(まぁ、他の人に頼んでもいいわけですが)、結構気軽に応募出来るみたいです。

一方、昔からある、ふりーむのゲームコンテストは、「ふりーむ以外の場所にゲームを置く事」が禁じられてしまいました。自分のサイトであってもダメ、という結構厳しい条件です。。
しかし……「ニコニコ自作ゲームフェス」の協力企業に、ふりーむが入っているという謎……w

と、のっけから大幅脱線しましたが、本作『メモリア-day of memory-』もニコニコ自作ゲームフェスに登録されている作品です。

ストーリーは、先ほど引用した通り。
更に「学園恋愛モノ」「文化祭を一つのテーマとする」「悪友がいる」「暴力癖がある女の子アリ」なんて、特徴を挙げていけば、自ずと「ああ、このタイプね」と分かってしまうような、超王道作品だとひとまず云えましょう。

一応、選択肢があり、選択肢直後の文章は多少変化するのですが、実はヒロイン固定の一本道です。
ヒロインは、喋る事が出来ない大人しめの少女、愛です。スケッチブックに素早く文字を書き込む事で、他の人との会話を成り立たせているという設定ですw

本作の魅力を支えているのは、この愛のキャラクターなのかもしれません。
大人しめだけれども、実は芯にシッカリしたものを持っている。何と云っても可愛い。そして主人公に無限の愛情を注いでくれます。大人しめ、或いは無口系ヒロインの系譜を引いているわけですが、非常に魅力的で、安心感を持ってプレイ出来ます。やっぱり、ゲームの中でくらい、思いっきり愛されたいもんね……。

で、お馴染みの悪友ポジションの竜司、そして愛の親友で暴力癖のある女の子明日香が、主人公天馬、そして愛を取り巻く主要人物です。

ちょっとこの悪友については、考えたい事もあるので、また日を改めて何か書きましょう。。
本作と関係のある所で、少しだけ言及するとすれば、「ちょっと、この手のキャラは不遇すぎるんじゃないかなぁ?」という、素朴な疑問があったりするのですw

主人公と一緒になってバカをやる。これも悪友の典型的なパターンですけど、もう一つの軸があって、それは「とにかく、主人公(やヒロイン達)からイジられる」という、そういう役目です。
イジりと、イジメの境界線って凄い難しいと思うのですけど、「これは、もうイジメの域に入ってるよなぁ」なんて感じる事も屡々です。本作をプレイしていても、ちょっと思いましたw
脇役が単なるバカキャラ、そしてイジられキャラを越えた存在感を発揮する時……その作品は、一味違うものになるのではないか、と思うのです。


ま、それはさておき、ストーリーは非常にスムーズに進んでいきます。
冒頭部で示される、愛と天馬が、学級代表になって、クラスをまとめていく、みたいな下りは、物語の始発部としていい感じです。
天馬は、所謂「女心に鈍感」なタイプなのですが、主人公らしい熱さを持ったヤツで、グイグイと愛、そして物語を引っ張っていきます。

愛と天馬は、学級代表になり、文化祭を成功させるべく動く中で、例によって例の如く、恋仲になっていくわけですが、その、意識し合う二人のやり取りが、きゅんきゅんしちゃうんですよねw 甘酸っぱさ全開で、読んでいるこっちが恥ずかしいというw 何て言うか、少女漫画を読んでいて、一人で「うわー!」とか叫んじゃう感覚に似ていますw

オーソドックスだけれども、こういう時代が変わっても楽しめるポイント、っていうのは多分存在していて、そういうのが、王道の持つ力の一端なのかもしれませんね。

ちなみに、このきゅんきゅん具合は、天馬と愛のやり取りだけではありません。
本作に於ける名脇役、明日香の立ち位置や言動が、またきゅんきゅんしちゃうんですよ。私は、どっちかっていうと、愛よりも、明日香の方が好きだったなぁ……。詳しくは是非、プレイして確かめてみて下さい。


さて、気になった点の最大のものは、愛の「喋る事が出来ない」という設定です。
その設定が、実はキャラの味付け以上の意味があまり無い、という所なのです。別に愛を、「非常に無口な女の子」にしても、実はストーリー的な破綻は起きないんですよね。
確かに、スケッチブックを介してのやり取り、みたいなものが、後半の見せ場になっている部分はあります。が、これもちょっと他の小道具を使うなり、工夫してやれば破綻は起こらない。

愛が喋られない、という一つの大きな特徴が、グッと活きてきて、この物語独自の良さや面白さをもっと見せてくれたら、と思うわけです。


そういえば、本作は15禁でした。
イラスト的なアレでしたら、せいぜい下着姿くらい。描写的なアレでしたら、せいぜいディープキスくらいなので、実はそこまでエロくありません。ちょっと際どい単語が出てきたりはしますけどもねw


非常に良く目にするタイプの、王道学園恋愛ノベルです。
15禁になっていたり、ヒロインが喋られない、なんて特徴はありますが、奇を衒ったものではなく、王道を昇華させていったような、そういう作風だったと思います。
凝った物語が作れる、というのが同人ゲームの一つの面白さではあると思うのですが、一方で、安心感のある作品もやっぱり、みんなが好むものの一つの方向性なのでした。

ちょっぴり尺は長目ですが、テンポは良いので、意外とサクサク読めると思います。
ストレートできゅんきゅんしちゃう恋愛物語に是非、癒されて下さい。



それでは、また。



/* 以下、宣伝

私達が運営している、ノベルゲーム制作支援サイト(素材ポータルサイト)、Novelers' Materialなんてものがあるので、良かったら、利用してやって下さいませ~

http://novelersmaterial.slyip.com/index.php

リニューアルも完了し、より使いやすい素材ポータルサイトになっております。

以上、宣伝 */
[PR]

by s-kuzumi | 2014-05-08 20:31 | サウンドノベル | Comments(2)
2014年 05月 03日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『明日へ踏み出す、僕の物語』

b0110969_17491012.jpg

道玄斎です、こんにちは。
今日は、ちょっと気になっていた短編作品をプレイしました。プレイ時間が凡そ20分程度でしたので、いつものように番外編で。
というわけで、今回は「Project TKM」さんの『明日へ踏み出す、僕の物語』です。ダウンロードはこちらのページから指示に従って下さい。

過去に、このサークルさんの『forever more ~俺と彼女の、奇跡の5日間~』を取り上げた事もありました。また、レビューこそしていないものの、『夏色流星群』という作品もプレイしています。
このサークルさんの特徴は、「新王道宣言」なるものがなされている事からも分かる通り、王道の良さや面白さを追求していく、そういう作風のようです。

が、本作『明日へ踏み出す、僕の物語』は、実験的な要素もあるようで、王道とは違う、暗めのストーリーとなっています。いや、もっと云ってしまえば、「ストーリー」というよりは、その一部のような手触りです。

主人公は所謂引き籠もり。
大学三年時に、或る事件があって以来、人間不信に陥り、部屋から出る事が出来なくなってしまいます。そんな彼が、何とか引き籠もりからの脱出するきっかけを見つけた……という所で、物語は終了です。
もう少し長い物語でしたら、本作の内容は「序章」や「第一章」に相当するような、そういう感じでしょうね。

何とか引き籠もり脱出のきっかけを見つけた主人公が、これから奮闘して、少しづつ大袈裟な云い方で云えば、社会復帰を目指していく。ただ、その道は順風満帆ではなく、色々な困難を伴ったものである……。
みたいな、全体のストーリーがひとまず想定されるのですが、本作はそうした大きな物語の一部、という印象があります。

故に、この作品が、何か未完成のダメな作品か、って云ったら、それも違うなぁ、と思うのです。
確かに実験的だと思いますし、起承転結(や、序破急)みたいなストーリーの流れも薄め。
けど、主人公が悩む事となる、過去の出来事に関する描写が限りなくリアル。「こ、これはもしや実体験なのでは……」と思わず考え込んでしまうような説得力が存在しています。

主人公の身に降りかかった出来事とは、ご多分に漏れず「女性絡み」の問題です。
この主人公の過去の回想が兎に角リアルで、「いや、こういう事ってマジで良くあるよな……」とw
そして、男の方は、女性から手ひどく袖にされると、結構傷つくものなんです。半年とか一年くらい、それを引きずるなんて当たり前。数年引きずってしまう、なんて事だって良くあるんです。

大体……女性の方から別れを切り出される時って、女性の方には次の相手が既にしているんですよねw だから安心感を持って、今付き合っている相手を捨てる事が出来る。一方、男の方は、別れ話が青天の霹靂なわけで、取り乱して、醜態をさらす事に。男ってバカな生き物です……。

でも……。そんなに何年も引きずってしまうくらい相手の事が好きだった。その気持ちくらいは自分で褒めてやってもいいんじゃないでしょうか? 世の中には女と男がいるわけで、そういう手ひどい振られ方、なんてのも実は割とありふれたものです。

女性みたいに直ぐに気持ちが切り替えられる、っていうのは、ちょっと羨ましい気はしますけれども、そう出来ない以上は、何とかそれでやっていくしかないわけで。
そこまで相手の事を好きでいられた自分、を肯定してやる、っていうのは意外と大事なのかもしれませんよ。勿論、ストーカーとかになっちゃダメですけどw

こういう問題って、女性の側にも当然問題があって、既に新しい相手がいて、早く目の前にいる男と縁を切りたいのは分かるんだけど、なんつーのかな、とりつく島がなさ過ぎるというか。
新しい相手を作る前に、ちゃんと別れるというプロセスを経て、それから次に別のヤツと付き合えばいいじゃないか、と。そして、或る程度納得感というか、「別れる」という合意を形成して欲しいですねぇ。

本作のように、別れ際になって、今までの不満をぶちまけられたり、こちらの話を100%聞いて貰えない、なんて状況になったら、本当に男は多大なダメージを負ってしまうのです!
そういう時に、方便というか、「優しい嘘」というのも大事なんだと思いますよ。何も今までの恨み辛みを云わなくたって、円満に別れる方向っていうのも残ってると思うのです。優しい嘘が、男女を救うのではないかと、私は思ってますw


と、まぁ、ど派手に脱線しましたけれども、主人公の過去の重さ、そしてそのリアリティが、プレイヤーに何かを突きつけてくるような、そういう激しい何かを感じさせてくれる、という点で本作を取り上げる事にしました。
「こんな酷い体験した事ねーよ!」って人もいるでしょうし、「俺は別に女に袖にされたからって引きずらん!」って人もいるでしょう。

けど、ある種の人には、物凄く響く作品だったのも、亦確かな事だと思うのです。たまには、一般的な意味での「面白い作品」ではなく、こういう、人を選ぶかもしれない作品も紹介したいですよね(ちょくちょくやってるつもりなんですけどもね)。

こうした実験的な作品を経て、次にリリースされる作品がどんな「王道」になっているか、今から楽しみにしています。女性……にはあまり響かないと思うのですが、恋愛で苦い経験のある男性は、ちょっと痛いかもしれませんが、プレイしてみると面白いと思いますよ。



それでは、また。



/* 以下、宣伝

私達が運営している、ノベルゲーム制作支援サイト(素材ポータルサイト)、Novelers' Materialなんてものがあるので、良かったら、利用してやって下さいませ~

http://novelersmaterial.slyip.com/index.php

リニューアルも完了し、より使いやすい素材ポータルサイトになっております。

以上、宣伝 */
[PR]

by s-kuzumi | 2014-05-03 17:49 | サウンドノベル | Comments(0)