タグ:箸休め ( 62 ) タグの人気記事


2015年 04月 02日

フリーサウンドノベル関係の雑記 箸休めvol.70

道玄斎です、こんにちは。
今日は珍しく昼間からの更新で御座います。



■今このシーンで……

今日は、「箸休め」なんですけど、従来通りのノベルゲームに関係する小ネタというか、そういう話をしていこうかな、と思っています。

で、早速なんですが、今、ノベルゲームで元気の良いっていったらいいのか、まぁ、ちょっと面白いシーンがあって、その一つが「女性向けゲーム」だってところから。

私……に限らず、男性のノベルゲーマーって、割と女性向けゲームに偏見を持ってますよね。
「ありえねぇような完璧超人、しかも優男達がヒロイン(女性プレイヤー)をチヤホヤすんだろ!」とか、「まーた、吸血鬼みたいな男が、純真な女の子に感化されて、その娘と共に生きる道を見つけるんだろ」とかね。

いや、云いたいことは分かります。
それに、それもあながち間違いじゃないw まさに私も昔洋ゲー紹介でやった『Torrey & the Vampire』をマイルドにしたような作風の女性向けゲームを何本もプレイしていますから。

けど、そうはいっても、何て云えばいいのか……「私達男性」が普通に楽しめない、というか食指が動く作品が中々リリースされてこない時期ってありますよね。
そういう時期をして、私なんかはついつい「停滞期」なんて呼んじゃったりするんですけど、女性向けの作品っていうのは、そういう時期でも絶対にコンスタントに制作され、供給され続けてるんですよね。

落ち着いて考えれば、これは凄い事ですよ。
同じような作品がいつの時代でも出てくるんですから、或る意味で、何て云うか能のような伝統芸能の趣すら感じてしまいます。



■でも、それだけじゃないよね

しかし、一応女性向きっぽい作品であっても、何かの拍子にプレイしたりする事ってあります。
そういうのがきっかけで、女性向け作品の一端が分かるんですけど、意外や意外、中々面白いんです。

お話の展開、みたいな所では、やっぱり従来の形を踏襲しているんですけど、結構細かいところで、色々な試みをしてるなぁ、というのが正直な所です。

例えば、BGM。
基本、男性が作る「一般向け」のノベルゲームって、「BGMは場面や背景に合ったものを選びましょう」というのが不文律になっていますけど、女性向けゲーム制作者(もう、縮めて女性制作者と呼びましょう)の場合、そうしたちっぽけな常識を打ち破るようなBGMの使い方をする人が最近増えています。

一見すると「合わないだろ!」って組み合わせを積極的に試していく。
で、結果的にそれが絶妙なコントラストになっている。作品の持つ世界観から浮く事なく、うまく場面になじんで非常に効果的に使われている……。

或いは、選択肢。
詳しく書くと作品を特定しちゃうから書きませんけど、非常に面白い選択肢の使い方をする作者さんも、ちらほら目に付くんです。
単純に「Aを選ぶと好感度+1で、Bを選ぶと-1ね」的なものじゃなくて、作品内容と選択肢(それは、もう、選択肢って云っていいのか分かりませんけど)が密接に絡み合っているもの、そこにゲーム性を強く感じさせるもの……。


とにかく、こういう部分で、非常に新しいというか、先鋭的な試みをしている人達が女性制作者さんなんですよね。
ほら、ノベルゲームでもサウンドノベルでもいいんだけど、基本「文章を読む」って事だから、あまり、手の加えようが無いような気がするんだよ。せいぜい、文句が出ない程度にシステムを整えるとか、その程度でさ。

けど、そういう枠組みの中で、何か面白いこと、思いついたことをやってみよう、とする姿勢があるっていうのはいいですよね(当然、失敗だってありますけど。そうそう、蒸し返して悪いんだけど、ワイド画面はまだそれを活かしたものが出てないような気がするんだよなぁ……。ワイド画面そのものを批判してるんじゃないってとこはご理解頂きたいのです)。



■女性向けも大変なのです

けど、女性向けにも問題がないわけじゃないんですよ。
先ほども少し触れましたが、大きな目で見れば、ストーリーの展開やら運びは、割と単調だし(逆に、そこが好まれる部分でもある)、ちょっぴり排他的な雰囲気もあるし。

先に挙げたような、先鋭的なことをやってる女性制作者さん達ってのは、やっぱり実力や冒険心があるから、シェアの方に移っていっちゃう、っていうのも、フリーゲーム好きとしては寂しいところだったりもします。
当然、シェアっていうのは、ちょっと「男性向け」の路線になる事が多くて、そういう事を考えても、「女性向け」ならではの市場でやっていく、っていうのは、厳しいんでしょうね。



■ここらで定義

今まで、無節操に「女性向け」って言葉を使っていましたけど、大凡の定義は「(主に女性が制作者で)女性キャラクターが主人公となり、男性キャラクターと結ばれる(もしくは親密になる)事を目的とするゲーム」くらいのゆるーい定義です。

あっ、忘れる所だった。
実は、最近凄い面白そうな女性向け(?)ゲームを見つけたんです。

その名も『ラッパーと恋をする』というもの。
ご存じない方も多いと思います。なにしろ、この作品、スマホアプリの形式でのノベルゲームだからです。

普通だったら、歯の浮くようなセリフを連呼するであろう男共が全員ラッパーw
なんか、すんごい尖ってますよねw 作者名を拝見すると、制作者は男性かなって気はするんですが……。

本当ならば、この『ラッパーと恋をする』を大々的に取り上げてみたかったんですけど、私のスマホではプレイ出来ませんでした!
いや、インストールは出来たんです。で、タイトルも表示されたんです。そしてタイトルに表示された「はじめる」もタップ出来たんです。けど、そのあと、話が進むでもなく、タップ出来るようなものもなく……泣く泣くプレイを断念しています……。

プレイ出来なかったわけですから、推測でしかないんですけど、この作品はBGMでもなければ選択肢でもなく、攻略対象となる男性のキャラクターに強烈な個性を加えたものなのでしょう。
ともあれ、こういう方向での強烈な制作もある、というわけです。


で、話を戻して……。
先ほど、「(主に女性が制作者で)女性キャラクターが主人公となり、男性キャラクターと結ばれる(もしくは親密になる)事を目的とするゲーム」というのを女性向けゲームとして、定義したわけですけども、そうした恋愛や、それに準ずるような、まぁ、つまり男性を愛でる行為に主眼がない女性作の作品というのも、当然あるんですよね。

そうした「女性作」の全部が全部当てはまるってわけじゃないですけど、大凡の傾向っていうのもあって、そこらへんについても、少し言及してみましょう。



■女性作ゲームの何となくの傾向

まず、「ファンタジック」な作風が多い、というのは云えるんじゃないかな、と思います。
これは、ここで云う「女性作」のものだけじゃなくて、先ほどから話題にしている「女性向け」でも云える事なんですけれどもね。

これも、ちょっと分類可能で、一つは「おとぎばなし」、つまりメルヘンな世界、という意味でのファンタジック。
そのものズバリ、既存のメルヘンを換骨奪胎してしまう、なんて事も良く行われます。

もう一つは、所謂中世風ファンタジーの世界観。
耳の長い種族がいて、機能性に乏しい鎧を着けた人達がいる、お馴染みの世界です。けど、私はそういうの凄い好きなんですよ!

さらにもう一つは、産業革命前後の近世的な西洋世界。
単純に産業革命前後の文明だったらファンタジックじゃなさそうなんですが、大抵の場合は、「階級社会がまだ残り、魔法などの超自然的な力も微かに生き延びている世界」だったり、そういうファンタジックな味付けがしてあるのが特徴。
これも、中々魅力的ですよね。ちょっと脱線しますけど、なんていうのかなぁ、あのガス灯とかのデザインとかって、なんか凄い素敵じゃありません?w


ま、大体、こんな分類が出来るんですね。
ここ数年の傾向として、「とにかく多産なタイプ」っていう、第三の区分もあるわけですが、それはまたの機会にお話致しましょう。



■こんな違いもあるんです

色々書いてきましたけれども、最初に定義した「(主に女性が制作者で)女性キャラクターが主人公となり、男性キャラクターと結ばれる(もしくは親密になる)事を目的とするゲーム」に、また話は戻ります。

結局、男主人公が、ヒロインとピュアな恋愛をするタイプ(これを、女性向け作者さんは「一般」と呼ぶ事が多いようです)の、性別を逆にしたものが、女性向けゲームの一つの正体という事になります。

けど、本当に違いはそれだけなのでしょうか?
いやいや、実は、凄く大きな違いが、ゲームそのもの、ではなく、プレイヤーの方にあるのです。

というのも、私達が、男主人公がヒロインとピュアな恋愛をするゲームをしても、本気で自分を投影しませんよね? いや、寧ろ、ゲームの作り上、現実の自分ではとても出来ないような凄い事を達成出来る人物、として主人公が設定されていませんか? 「こうありたかった」という願望を体現しているような……。
そもそも、学校という枠の中で、あの飄々としたポジションを保っていられる、というのも云ってしまえば「ゲーム的」なのです。

しかし、女性向けゲームの場合、「主人公の女の子に対して、プレイヤーが自己を投影している」ケースが多いのです。
以前、知り合いが「読者とプレイヤーってのは違うよなぁ」と悩んでいましたけど、もしかすると「自己を投影出来るか否か」がノベルゲームでは、その分かれ目なのかもしれません(その要素の為に「選択肢」の使い方とか、また色々な問題が絡んでくるのでしょう)。「読者」っていうのは、ちょっと物語から引いた立場ですしね。

閑話休題。
ともあれ、女性向けゲームの女主人公は「無個性」であるというのが、一つの様式として成り立っており、サーチエンジンでも「個性なし」という項目があるくらいなのですw

何本か典型的な女性向けのゲームをプレイしてみれば、良く分かるのですが、主人公は「美人でもないけど、ブスでもない」という描かれ方が物凄く多いのです。一枚絵や立ち絵では非常に可愛いのですけれどもw
「こんな、何の取り柄もないわたしに……」的な、一昔前の少女漫画的……と云ってもいいのかもしれません。

更に、ゲームを起動して「はじめる」を押すと真っ先に出てくるのが「主人公の名前入力」です。
これも、以前書きましたが、「名前入力させず、デフォルトの名前の作品を作ったら、苦情がきた」という話も結構聞きます。
つまり、名前を入力したいわけですよね? 自分の名前か……或いは本名よりも自分を投影出来る名前かを。


そうなんです、つまり、プレイヤーの自己投影度、が、女性向けとその他のそれでは大きく異なっているのです。
こういう、ゲームを遊ぶ側の意識の違い、というのもあるんですよね。



■まとめ

まぁ、「女性向けゲームが面白いぞ!」という所から始まって、多少、大なたを振るった感はありますが、その分類や特徴を書いてみました。

いや、けど、ほんと、今一番元気がいいのって、女性向けゲームの最前線で頑張っている人達なんじゃないかな? って本気で思ってます。

女性向けのゲームの世界には、ある種の閉鎖性があったり、不文律のようなものが存在していたり、実は、あんまりオープンな場ではなかったりするんですけど、そういうのを、これから、第一線の女性制作者さん達が、切り拓いてくれたら、もっと面白いもの、女性向けと限定しなくても十分に楽しめるもの、が生み出せるんじゃないかな? そして、その時にはもはや「一般」とか「女性向け」とか、そうしたこぢんまりとしたジャンル分けも無くなっているんじゃないかな? なんて思いつつ、筆を擱かせて頂きます。



それでは、また。
[PR]

by s-kuzumi | 2015-04-02 12:35 | サウンドノベル | Comments(2)
2015年 03月 05日

フリーサウンドノベル関係の雑記 箸休めvol.69

道玄斎です、こんにちは。
年度末ということで、色々と処理しなければいけない事も多いんだけど、それも大分片付いてきたよ。
もう少しで、じっくりゲームに向き合えそうなそんな気がするね。

ゲーム界隈では、やっぱり新作は毎日のようにリリースされていて、中にはタイトルだけ見て「お!」と思うようなものがあったりするから、一応ダウンロードだけはしているんだ。
そうそう、ゲーム界隈というと大袈裟かもしれないけど、フリーのノベルゲーム仲間の嬉しい話なんかも、ちらっと風の噂で聞いたりしているから(おめでとうを伝えたいんだけど、なんか急にメールするのもなぁ、なんて思って尻込みしちゃってるんだ。心当たりのある方は是非連絡下さいw)、春に向けていい事も増えてきたね。


さてさて、前回の箸休めでお話した「ファンタジー系の作品を作ろうとしているヤツ」が、ちょこちょことシナリオを書いているようなんだけど、またしても疑問や問題点が出てきたらしいんだよ。
俺も、そうしたニーズ(?)に応えるべく、ファンタジーの古典たる『指輪物語』を読み直したりもしたんだ。ただ、今回の疑問は、『指輪物語』からじゃ回答出来ないようなものでねぇ……。



■その名はギルド

「やっと、第三話の執筆にとりかかれますよ!」

「それはおめでとう。全何話か分からないんだけど、三話となると今までと少し話のパターンを変えた方がいいかもな」

「そう! そこなんですよ! 今までのシナリオは洞窟に入って、化け物を倒してお宝を頂く、という鉄板ネタだったんですけど、ここらへんで、舞台を街に移そうと思うんです」

「つまりシティーアドベンチャーってヤツだよな。シティーアドベンチャーは化け物退治と違って、人間の思惑とかそういうのが絡んでくる事が多いから、より『ドラマ性のある』シナリオになるのが一般的だよ」

「わたしもファンタジーのラノベとか、ファンタジーのガイドブックとかを見て勉強したんですよ! 戦闘というより情報収集だったり、上手い立ち回りが大事なんですよね」

「一般的にはそうだよ。だからこそ、単純な殴り合いじゃ出せない深みがあるんだよ」

「ですから、戦士じゃなくむしろシーフ(盗賊)をフィーチャーしていこうかと思ってるんです」

「シティーアドベンチャーは或る意味、シーフの独壇場みたいなとこはあるよな。それにシーフって裏の世界に通じてるっていうか、ダーティなイメージもあるじゃない? だからそういう属性を絡めた渋めのシナリオが出来るな」

「渋めのシナリオいいですねぇ……。第三話は『渋さ』がコンセプトですし!」


ファンタジーと言っても、毎度毎度ダンジョンに潜る必要はないんだ。
ダンジョンだけじゃなく、街での冒険(シティアドベンチャー)や、ジャングル・森林・砂漠など野外での冒険(ウィルダネスアドベンチャー)を組み合わせていった方が、バリエーションがあって面白いよ。
シティーアドベンチャーなら、「渋さ」も出せるし、ウィルダネスアドベンチャーなら「自然の驚異」だったりの演出が出来る。

それに、冒険での報酬も、ダンジョンなら「怪物が隠し持っていたお宝」というケースが多いけど、例えばシティーアドベンチャーを上手く解決すれば、街の住人や有力者との「コネ」が手に入ったり、ウィルダネスアドベンチャーなら「自然の中で生き抜く知恵」とでも言えばいいかな? そういうものも手に入る。
目にはさやかに見えねども、こういう報酬もとっても大事なものなんだ。こうした報酬が、次のシナリオに繋がっていく事も多いしね。
それに、キャラクター達の意外な一面を描写する絶好の機会でもあるんだ。

ファンタジーと言えばダンジョン、というのも、まぁ間違いじゃないんだけど、冒険の舞台となる場所を上手く切り替えると、作品そのものにも深みが増すよ。


「ん? そこまで方向性が決まってるなら、何も迷う事ないじゃない。何が問題なのよ?」

「ああ、そうだった! 渋めのシナリオでシーフを活かすって方向性はあるんです。けど、そこでどうしても分からない事が出てきたんです」

「というと?」

「ええ、それは『ギルド』なんです」



■ギルドって何だ?

「ギルドねぇ……。シーフとなると『盗賊ギルド』のことだよな」

「ええ、まさにそれです。っていうか、そもそもギルドってのもなんかイメージしづらいんですよね」


ギルドっていうのは、ご存じの通り、「職能集団」というか「職能集団の互助組織」というか、そういうヤツだよ。社会科の教科書にも書いてあるよね。
けど、確かにイメージしづらいよねぇ。ファンタジーならではの「ギルド」なんてものもあるし、意外と一筋縄じゃいかない問題かもね。


「ファンタジーならではのギルド? それはどんなヤツです?」

「ああ、だから『盗賊ギルド』なんかもその一つだよ。あとは『冒険者ギルド』なんてのが設定されてる世界もあるよ」

「じゃあ、一般的なギルドは?」

「それこそ無限にあるよ。『靴ギルド』とか『家具ギルド』とか『鍛冶ギルド』とか。そういえば『石工ギルド』が秘密結社として有名な『フリーメーソン』の母体になったなんて話、聞いたことあるだろ?」

「ああ、そうですね。って、問題は盗賊ギルドですよ!」

「そうだった……。で、盗賊ギルドの何が分からないのよ?」

「なんていうか……何をやってる組織なのか、なんでそこにシーフがいくと情報が手に入るのか、犯罪組織なのに何で存在出来てるのか、とかいっぱいありますよ」


確かに、そこはファンタジーの大きな謎の一つだよね。
「ファンタジー世界にはとにもかくにも『盗賊ギルド』があるんだ!」という、お約束として処理してしまってもいいんだけど、少し突っ込んで考えていくことにしよう。


「よし、じゃあ、まずは、普通のギルドから考えていこうよ」

「お願いします」

「俺の持ってるファンタジーの解説本には、ギルドは『職能集団』だけじゃなくて『専門学校』的な側面もあるんだ、って書いてあるね」

「というと?」

「だって、例えばどのギルドでもそうなんだけど、親方がいて、弟子を育ててるわけでしょ? で、弟子が一人前になったら『卒業制作』をさせるんだよ。で、親方達がそれを審査して基準に達していたら、晴れて合格、君も独り立ちだ! って事になる」

「あっ、なるほど。確かに専門学校的ですね」


普段は親方の下っ端として、雑用をしたり、或る作業工程だけを延々とやらされてる弟子なんだけど、独り立ちの機会が与えられてて、それにパスして自分の店を持てるようになったりするんだ。
そして、そいつも年季が入ってくると親方として弟子をとっていく、というわけだよ。


「職人の世界ですねぇ」

「ああ、まさにそういう認識でいいんじゃないの? 職人の徒弟制度がギルドの一つの教育機関としての側面だよね」

「じゃあ、職能集団ってのは?」

「簡単に言うと、『値段の取り決め』をしたり、『よそ者の排除』を行ったりするんだ」

「んー、値段の取り決めは分かりますよ。組合が決めた値段でそれぞれのモノを販売するって事でしょ? けど、よそ者の排除っていうのは良く分からないなぁ」

「つまりさ、みんなで決めた値段があるわけだよね? けど、ある日違う町から、激安でしかもデザインも悪くない商品を作るヤツがやってきて、店を開いたら……?」

「あっ、それはマズイ」

「うん。だから、そういうよそ者に対して『俺たちのシマで仕事すんじゃねぇ!』ってな具合に、そいつを追っ払って、ギルドのメンバーの利益を守るんだ」

「なるほど。けど、なんか閉鎖的ですねぇ」

「それが中世的ファンタジーの基本的な商売の形態なんだよ」


値段の一定化、よそ者の排除によって、「自由競争」を妨げている、というのがギルドの一面でもあるんだ。
近代になるにつれ、ギルドは解体されていき、自由競争が始まり、それが現代まで続いているんだよ。



■盗賊ギルドに関する一考察

「一般的なギルドについて分かりました。じゃあ、盗賊ギルドは?」

「基本的な概念は同じだと思うな。つまり、幹部は他のギルドで言う所の『親方』なんだよ。それで、まだ未熟な『弟子』を育成するんだ。で、独り立ちした盗賊に関しては、仕事で得た金銭から一定額を徴収してギルド全体にそれを還元する。ギルドの貢献した盗賊は幹部となり、新たな弟子を育成する……そんなイメージじゃないかな」

「ああ、分かりやすいですね。あっ、じゃあ冒険者としてのシーフってのは、まだ弟子の段階なんですかね?」

「いや、『一応独り立ちした』盗賊なんじゃないかな。基礎的な技術は教えてもらって、あとは実践で腕を磨いていく、という段階じゃないかね。でなきゃ仕事も出来ないだろうし」

「社会人一年目みたいなイメージですかね」

「冒険したての頃はね。けど、数々の冒険を通して腕前もあがっていくと、ギルドの中堅どころになったり、あるいは幹部になったりもするんだろうね。そういうシチュエーションでもシナリオが出来るな」

「それも渋いシナリオだなぁ!」


蛇足かもしれないけど、シーフは盗賊ギルドに所属しているというのが一般的でしょ。俺は、シーフは冒険から帰ってきたらそこでの報酬を納めるのと同時に、自分が経験したトラップとか、鍵穴とか、或いは自分が行った街の情報なんかもギルドに提供してるんじゃないかな、って想像してるんだ。

そうした個々のシーフの貢献があって、ギルドの基部を支えているってイメージかな。そんな事を書いてあるファンタジーのラノベや、ガイドブックはないんだけど、ファンタジーだもの、そういう想像力を使ってもいいんじゃないかな。


「ギルドに貢献するわけですね」

「場合によっては新人教育を任される事もあるだろうし、自分自身も最新の技術をそこで学んだりもするんじゃないかねぇ」

「互助組織だっていうのがしっくりきますね。けど、まだ最大の疑問が……」

「ん?」

「盗みって非合法行為ですよね。普通のギルドは合法活動だから存在出来るのは分かりますよ。けど、盗賊ギルドみたいな非合法組織は、なんで取り締まられないんだろう……」

「ああ、それに関しては、俺は暴力団をイメージしてるんだ」

「え!? 暴力団?」

「だって、暴力団って○○組とか○○会とかって形で、みんな知ってるでしょ? 住所や電話番号まで分かる。で、よからぬ活動をしている事は間違いないわけなんだけど、警察は暴力団を解体しないじゃないか」

「確かに……」

「そりゃ、よっぽどハッキリとした悪事の証拠があったり、事件が起きたりしたら逮捕者が出たりするけど、基本的に暗にその存在を警察も認めてるんだよ」

「ふーむ……つまり、みんなその存在を知っていて、お上だって当然知っている。けど、共存しているというわけですね。確かに盗賊ギルド的だ……」

「勿論、細部は違うんだろうけど、その存在の全体的イメージとしては、かなり近いんじゃないかな」

「やっぱり、盗賊ギルドはダーティーな雰囲気がありますねぇ。こりゃ渋いシナリオになるぞ……!」

「ところで、君のシーフのキャラクターってどんなヤツなの?」

「よくぞ聞いてくれました! ハーフエルフの女の子で年齢は200歳。だけど見た目は15歳くらいにしか見えないんです。で、ちょっぴり露出度の高い革鎧を着てて、スカートは膝上20センチくらいですよ! 小首をかしげるのがクセで、無邪気な可愛さがあるんです!」

「…………それ、渋くなるかなぁ……」

「…………」

「…………」



というわけで、今回のお話はこれでおしまいだよ。
ファンタジーに突っ込んでいくのも面白いんだけど、そろそろノベルゲームの方もやらなくちゃ!
けど、たまにメールをもらうから、これからも不定期でこの手のシリーズもやっていくつもりだよ。


それじゃ、またね。
[PR]

by s-kuzumi | 2015-03-05 16:08 | 日々之雑記 | Comments(0)
2014年 11月 06日

フリーサウンドノベル関係の雑記 箸休めvol.68

道玄斎です、こんばんは。
結局、風邪が全然治らなくて、昨日も病院に行ってきたんだよ。私は肺炎とか罹りやすいから、レントゲンとか撮って貰ったりしてね。結果、ただ風邪が長引いているだけ、って事だったんだけど、早く元気にならないかなぁ。

で、今日も例によって箸休め。
先日、ファンタジーノベルゲームを作ろうとしている人から相談を受けたんだ。
話を聞いてみると、「世界を救うんだ!」みたいな大きなファンタジーじゃなくて、云ってしまえばチマチマした事件を解決していく、人情派トラブルシューターものだったんだよ。

相談の要点は、つまり「主人公達のベースキャンプとなる、所謂冒険者の宿について、何かネタが欲しい」という事だったんで、渋谷の、とあるパプで話をする事にしたんだ。うってつけの場所でしょう?



■パブってなあに?

「ということで、冒険者の宿の何が知りたいのよ?」

「そうですね……まず、ああいった冒険者の宿屋っていうのは実在したんですか?」

「おいおい、魔法をぶっ放したり、剣をぶら下げて怪物を倒す連中が実在しないんだから、冒険者の宿なんてのはフィクションだよ」

「あぁ、そういえばそうですよねぇ」

「けど、そのモデルは勿論あるんだ」

「え? どこです?」

「ここだよ。パブ。ファンタジー作品に出てくる宿屋、あるいは冒険者の宿は、明らかにパブを一つのモデルにしているんだよ」

「だから、今日はここで飲み食いすることにしたんですね」

「ファンタジーって、雰囲気っていうか『ファンタジー感』が大事だ思うんだよね。これが『和民』だったら、ちょっとファンタジーの話をする雰囲気じゃないだろ?」

「まぁ、確かに……あれっ? けどおかしいですよ」

「ん? なに?」

「冒険者の宿を調べてたら、『イン』とか『エールハウス』とか『タヴァン』というのが、冒険者の宿屋に近い、なんて書いてありましたよ。パブなんて一言もなかったですよ」

「うん、そいつらを纏めて『パブリックハウス』、略して『パブ』っていうんだ」

「えー! なんだか良くわからないなぁ」

「つまり、『パブ』って大きな括りがあるんだよ。その中には歴史的に『イン』や『エールハウス』、そして『タヴァン』というものがあった。で、現代では、その3つが融合したり変化したりして、所謂洋風居酒屋みたいのになって、それを『パブ』って呼んでいるんだ」


ここが、パブのややこしい所だね。
つまり、現在俺たちが利用出来るパブが出来るまでに、実はそれなりの紆余曲折があって、段々と現在のスタイルに固定されてきた、ってことなんだ。
ただ、その機能っていうのかな、そういうものは、昔も今もそう変わらないんだよ。


「ふむふむ。じゃあ、『イン』や『エールハウス』、『タヴァン』っていうのは、全部同じって考えてもいいんですか?」

「そう解説してある本なんかも多いよね。『基本的に大差はない』みたいなね。けど、実は微妙に違うんだよ」

「と、いいますと?」

「そのお店の業務形態が、どこに軸足を置いているか、で一応分けられるんだ。『イン』っていうのは、今でも『東急イン』なんてホテルがあるから分かるだろうけど、あれは『宿泊を提供すること』に業務の主軸があるんだ。勿論素泊まりだけじゃ味気ないから、食事だって提供するし、お酒だって出てくるんだよ」

「じゃあ、『エールハウス』と『タヴァン』は?」

「『エールハウス』の方は、これは『お酒を提供すること』に軸足があるから、現代風に云うと居酒屋だね。『タヴァン』は、『美味しい料理を提供すること』が目的だから、実はレストランに近いんだ」

「ははぁ……実は違いがあるんですね」

「まぁ、一応はね。けど、『イン』でも飲食は出来るし、客を泊める部屋を備えた『エールハウス』だってある。現代だと四谷にある『オテル・ドゥ・ミクニ』って有名なフランス料理のお店があるだろ? 実際そこは宿泊出来るのか分からないんだけど、嘘でも『Hotel』って文字が入ってるんだ。こういうのが『タヴァン』のイメージに割と近いんじゃないかな? 勿論、もっと『タヴァン』は大衆的なお店なんだろうけどもね」

「だから、それぞれの境界が曖昧なんですね」

「そういうこと」


「イン」と「エールハウス」、そして「タヴァン」には、一応こんな区分けがあるんだ。
けど、「大差はない」で片付けてしまってもいいと思うな。大事なことは、冒険者と云われる輩は、「宿泊・飲食が出来る場所にいる」ってところなんだよ。
イメージとしては、やっぱり「タヴァン」寄りではなく、「イン」や「エールハウス」のように、誰でも気軽にフラッと入ってくれるような、そういう感じはするんだけどもね。



■パブの様々な役割

「まさに冒険者の宿ですねぇ。二階が部屋になってて、一階が酒場になってるってのが一般的な冒険者の宿ですからね」

「そうそう。それで普段はお酒を呑んでくだを巻いてるんだけど、依頼がくれば冒険に行き、そしてまたそこに戻ってくるのさ」

「あっ、そうだ! 思い出した。その依頼ですよ、聞きたかったのは!」

「依頼?」

「その依頼って、ファンタジー系の小説だと、冒険者の宿の壁とかに張り出されるんですよね」

「うん、そういうのが多いよね。あるいはお店の人が、依頼内容を見て、店にいる冒険者のパーティに声を掛けるとかね」

「ああ、そのパターンも定番ですよね。でも、ファンタジー世界が現実の世界じゃないから、そういう依頼のシステムも、フィクションなんですよね? 実は、依頼人からどういうルートで、主人公達に依頼が来るのか、ちょっと悩んでるんですよ」


ああ、そうだった。
元々は、自作ファンタジーノベルゲーム制作の為の集まりだったんだ、これは。
ついつい、脱線してパブそのものについて話し込んじゃったよ……。けど、こういう、時に脱線しながら、色んな話を楽しむ、っていうのが、パブの醍醐味だよね。


「うーん、この依頼システムも完全にフィクションってわけじゃないと俺は思ってるんだ」

「やっぱり何かモデルがあるんですか?」

「どうもね、パブっていうのは、時代が経つにつれ、社会的な機能を持つようになってくるんだよね。娯楽遊興の場であるのは勿論、給料を渡す場所になったり、商談をする場所になったり、とかね。裁判の場所にもなったらしんだよ。で、パブはその内『職業斡旋所』の役割も果たすようになってくるんだ」

「へぇ~けど、それはそれ専門の業者とかがいそうですけどもね」

「勿論、都会に行けば口入れ屋の一つや二つあったと思うよ。けど、パブなら、もっとその地域に密着した仕事の斡旋をしたりってことも出来ただろうし、急に人を集める臨時の募集みたいのもスムーズにいけそうじゃない?」

「基本、人がいつも集まってくる場所ですもんね」

「でさ、そういう、地域に密着した仕事、臨時の仕事っていうと……まさに、冒険者の仕事そのものじゃないか! 『最近、北の山に悪い魔法使いが住み着いて……』とか、『坑道が落盤で崩れてしまって、急遽埋まった人を掘り出す人手が欲しい』とかさ」

「ああ、確かに! 冒険の第一話は、近所に住み着いたゴブリンを急な依頼で退治するもんですしね!」

「だから、パブには職業斡旋としての役割が史実としてあった。そこに冒険者斡旋という要素を足したのが、ファンタジーの冒険者の宿、って気が俺はしてるんだ。冒険者だって職業には変わりないもの」


勿論、『冒険者の宿 ~その歴史的背景と役割~』なんて本や論文があるわけじゃないから、俺の推測なんだけどもね。けど、案外いい線いってるんじゃないかな?


「ということは、従来型の依頼でも全然おかしくはないんですね」

「勿論。逆に何で悩んでいたのか聞きたいくらいだよ」

「いや、実は最近プレイしたゲームなんですけど……あっ、RPGなんですけどもね。そこの宿というか酒場は、オヤジが硬派でして、酒は出すけど、食事は出さない、騒ぐことも許さない、冒険の依頼なんてもってのほかってヤツだったんですよ」

「なんか、頑固オヤジのラーメン屋みたいだなぁ!」

「でも、その店の雰囲気も中々良かったんですよ。確かに頑固オヤジなんですけど、そういう空間があってもいいな、って思っちゃったんですよねぇ。そしたら、一般的なファンタジーの依頼も、一工夫した方がいいのかな? とか考えちゃって」


うん、これは難しい問題かもしれないね。
つまり、ファンタジーにせよ冒険者の宿にせよ、見てきた通り、大体、物事には原型、つまりモデルがあるんだ。そうしたモデルから逸脱したお店の存在をどうするのか? ということなんだよね。

結論から云ってしまえば、魅力的で、その作品の中で違和感がなければ、自由にしたらいいんじゃないかな?
そもそもファンタジーだって、中世「風」のごった煮的な世界なんだしね。ただ、お店の名前に、『華屋与平衛』とか付けるのは勘弁してね。最低限の雰囲気ってのは、やっぱり保持しておかないとね。


「あたりまえですよ! 流石にそんな名前にはしませんって!」

「まぁまぁ……。で、どうするの? 従来型の冒険者の宿から依頼を受けるパターンにするの? それともなんか別の魅力的なお店を考えてみる?」

「……道玄斎さんはどっちがいいと思います?」



■お店の名前

うーん、こういう大事なジャッジメントを人に投げないで欲しいなぁ。
大事な部分を人に投げると、結局どう転ぼうとも、なんか不満が残ったりするもんだよ。


「けど、そうは云っても悩んでるんですよ~」

「俺だったら……一から雰囲気のある酒場を生み出すのは難しそうだから、従来型、かな」

「もちろん、それだけが理由じゃないんでしょ?」

「うん。あくまでそいつらの拠点は、従来型の冒険者の宿でもいいと思うんだよ。けどさ、シナリオを少しひねれば、依頼を受ける場は広がるよな」

「というと?」

「だからさ、毎度律儀に、冒険者の宿が斡旋してくれる仕事だけをうける、っていうのもなんかおかしいだろ? むしろ、街に出て買い物か何かしてたら、トラブルに巻き込まれて、そこから済し崩し的に依頼が発生して……みたいなパターンがあってもいいってことだよ」

「ああ、なるほど。確かにそうですね」

「で、その依頼人から詳しい事情を聞くために、馴染みの宿に連れて行く、とかね。そういう利用法だって全然アリだろ? だから、ハコとしての従来型の冒険者の宿を使いながら、依頼にはバリエーションを持たせていくんだよ」

「逆にそうでないと、単調になっちゃうなぁ」

「そうだよ。しかし君も大分酔ってるなぁ。それ何杯目だ?」

「この黒ビールおいしいんですよ! んー、4杯……5杯目だったかな……」

「よくそんなに呑めるなぁ! まぁ、吐いたり寝たりしなきゃいいよ。で、その冒険者の宿だけどさ、ちょっと名前くらい凝ってみたら?」

「それもよくありますよね。『踊る●●亭』とか」

「そうそう。実際、ロンドンのパブにもかなり変わった名前のパブがあるんだよ」

「動物をかけあわせた名前だったり、それこそモンスターの名前がついてる呑み屋があるって聞いたことありますよ」

「俺が大好きなSF小説の『白鹿亭奇譚』っていうのがあるんだけど、これもロンドンの架空のパブの名前だよ。あまり奇抜な名前にせず、『白鹿亭』くらいのネーミングを狙ってみるのがいいんじゃないかな?」

「了解です~」


こいつ、もう大分酔ってるよ……。
多分、酔いが覚めたら、今日の話なんて全部吹っ飛んでるパターンだと思うぜ……。


■宴の終わり

「話は戻るんだけどさ、君の呑んでる黒ビール、一杯1000円超えるだろ」

「けど、一杯入ってきますよ~」

「1パイントだから、500mlの缶よりちょい多いくらいか……って、それを5杯も6杯も呑んでるのかよ……」

「そういう道玄斎さんは、さっきから全然お酒呑んでないじゃないですか」

「俺は酒弱いの! あと、あまり云いたくなかったが、懐が痛むから、ほどほどにしてるんだよ!」

「ここは、その都度お勘定ですから、割り勘にならないんですよね」

「そこがパブのいいところだよ。自分が自分の責任において、呑みたいだけ呑む。実にいいじゃないか」

「道玄斎さんはケチくさいなぁ! あっ、お勘定がその都度で別々だからこのお店選んだんでしょ!?」


もー、冒険者の宿の話をするっていうから、パブにしたんじゃないか。
けど、もう酔って気持ちよくなっている人の前では、何を云っても無駄なんだ。まぁ、勘定が都度で、別々だからっていうのも決め手の一つだったんだけどもね……。


「そうだよ、俺はケチなんだよ。けど、無い袖は振れないからな、借金してまで呑むよりマシだい!」

「あー、もー、すぐに開き直るんだから」

「けどさ、一応この店もさ、3/4パイントか、1パイントかで量を選べるんだけど、ロンドンのパブのようにハーフパイントは選べないんだよなぁ……」

「あっ、ハーフの方が料金が安いから、そういう事いうんでしょ? ほんとしみったれてるなぁ!」

「何とでも云ってくれ……。けど、俺が呑むんだったら、正直、ハーフパイントくらいが丁度いいんだよ。それ以上呑むと、俺は寝ちゃうし、下手をすると吐いちゃうんだ」

「うげっ、それは勘弁してくださいよ……」

「今日は、ほら、3/4パイント注文して、その半分くらいしか呑んでないだろ? このくらいならまだ大丈夫だよ」

「にしても、道玄斎さん、意外とパブに詳しかったですねぇ。パイントなんて、馴染みのない単位なのに、知ってる風だし」

「まぁね。俺は結構イギリス好きだし、イギリスの文化にも興味があるんだよ。特にパブなんて、いわば人生の交差点みたいな場所だろ? そういうの俺は大好きなんだよ。ここはハーフパイントが頼めないのが欠点だけどもな……」

「じゃあ、実際ロンドンに行かれたら、いきつけのパブではいつもハーフパイントなんですか?」

「あぁ……それね……」

「ん? なんか急に歯切れが悪いですね……」

「いや……実は、俺……イギリス行ったこと、ないんだ……」

「…………!」



というわけで、今日のお話はここでおしまい。
そんなに直接的にノベルゲームに関わるって話じゃないけど、たまには、お酒の話もいいもんでしょ。



それでは、また。
[PR]

by s-kuzumi | 2014-11-06 20:19 | サウンドノベル | Comments(3)
2014年 09月 21日

フリーサウンドノベル関係の雑記 箸休めvol.67

道玄斎です、こんにちは。
今日は凄く天気がよくて、掃除機を掛けたり、部屋の整理をしたりと有意義な時間を過ごしているんだよ。普段は掃除の時間が取れないから、こういう時にやらないとね。

それはそれとして、ちょっと前に、ノベルゲームにまつわるヘンテコ話を書いたんだけど、ちょくちょく、「別のエピソードが知りたい」とか、そういうメールを貰うんだ。
取り敢えず、ファンタジーもので関係のありそうな話を書いたわけなんだけど、今日の話も、ファンタジー……っぽいって云えるかな?



■ネタがなければ借りてくる!

ゲームを作る時、一番大変なのは、とにかくシナリオ制作だよね。
大変ではあるけれども、やりがいはあるし、調子よく執筆出来ている時は、凄い気持ちのいいものなんだよ。

キャラクター作りは、以前書いた通りで、割と楽しんで出来ちゃう事が多いんだ。
舞台設定なんかも、キャラ作りの延長、みたいなケースも多いよね。

でも、どういう事件が起こって、どういう変化が生じて、そうしたエピソードの連続を通して、最終的にどういう結末を迎えるか? っていう、物語の芯の部分を作るのは結構大変なんだよ。

けど、これも慣れだったり、資質の問題だったりするのかな?
「書きたいことはいっぱいある!」って人にとっては、シナリオ作りは、なんだかんだ云って楽しい作業だろうね。

そうは云っても、「シナリオは思い浮かばないんだけど、ノベルゲームを作りたいんだ!」って人が一定以上居るのも、また事実なんだよ。
そういう人は、「二次創作」のノベルゲームを作ったりする事もあるね。「二次創作」による効果を当て込んでいる部分も当然あるだろうけど、既に誰かが作った「キャラクター」(や、その性格)、「舞台」などを、そのまま使えるから(本家のエピソードを踏襲したりも出来る)、シナリオ執筆のハードルを下げる事が可能になるんだ。

これは、シナリオを「借りてくる」一つのパターンだけど、この「借りる」という行為は、真面目に考えてみると、意外と複雑なんだよ。



■例によって相談だ

今を去ること数年前、私はやっぱり、とあるゲーム制作志願者からアドバイスを求められたんだ。

これも以前書いた事なんだけど、「こういうのを作ろうと思ってるんだけど、足りない部分とかはあるかい?」とか、「このオチだと弱すぎる? もっと設定を練り込んだ方がいい?」みたいな、具体的な指摘やアドバイスは、実は求められていない事がほとんどなんだよ。

大体が、「俺の考えた話、ちょっと聴いてくれよ!」という形だったり、「こういうの作ります!」という決意表明に近い形だったりするんだ。

真面目にアドバイスをする事だって、勿論皆無ではないよ。わざわざ私なんかに助言を求めてきてくれるんだもの。出来る限りの事はしてあげたいもんね。
けど、そういう人達は、やっぱり自分が思いついたアイデアに自信があるから、こちらが何を云っても聞かないことがほとんどだよ。

竜頭蛇尾って言葉があるけど、まさにそんな感じで、最初は勢いがいいんだ。だけど、段々、自慢のシナリオに矛盾点が出てきたりして収拾が付かなくなると、シナリオを投げてしまうんだ。
或いは、シナリオに行き詰まったら、外堀から埋める! と、イラストレーターを探してきたり、音屋を誘致してきたり、色々やるんだよ。
けど、人を集めるだけ集めても、結局シナリオがないと作業出来ないものね。そして企画は自然消滅……。

これはやっぱり、「今までにない全く新しいノベルゲームを作る!」なんて意気込んでる場合に起きやすいよね。「今までにない」ものを求めて、あれこれ試行錯誤してみたものの、旨味が無かったり、結局、その人が忌避したい「今までにあったもの」が、実は理に適っている事に気付いてしまったり……とかね。

で、その時、私にアドバイスを求めてきたのは、そういう「オリジナル志向」が強い人ではなかったんだ。
寧ろ、積極的にネタを「借りてこよう」と思ってる人だったってわけ。


「それで、一体どういう作品を作ろうとしてるの?」

「オリジナル作品はいづれ作ってみたいんですけど、まずはゲーム制作に慣れようと思ってます!」

「あっ、それは寧ろいいことなんじゃない? ゲーム制作に慣れていく中で、本当に描きたいものを熟成させる事だって出来るだろうし。まずは作りやすいもので、ゲーム制作を経験してみる、って大事だと思うな」

「そうですよね! なので、処女作はシンプルな作品にするつもりです」

「色んなやり方があろうだろし、向き/不向きもあるからねぇ。それにしても、結局やってみないと、向いてるかどうかすら分からないわけだから、シンプルな作品で全然いいと思うよ……って、君は俺に何を聞きたいんだっけ?」

「あっ、忘れてました。実は、その処女作なんですけど、ネタを借りてこようと思ってるんですよ。そういうのってアリなのかなーって」

「え? 二次創作?」

「違います! その……みんなが知ってる有名どころの……」

「ってーと、アレかい? 日本のどことも知れぬ高校に、内向性が強い自堕落な学生がいて、彼を取り巻く色とりどりのヒロインが、何故か無条件的にその学生に惚れていく中で事件が起きる、という……」

「そうじゃなくて……ええい、はっきり云いましょう! 『童話』を下敷きにするんです」


こんなブログを読んでいるくらいだから、知ってるだろうけど、童話を下敷きにした作品は、それなりにあるんだよね。そして、私は、童話とか説話とか、そういうのが好きだから、割とチェックしてるんだ。

そうそう、この場合、「童話」っていうのは、もう端的に『グリム童話』を指す、って云ってもいいんじゃないかな。例外はアンデルセンの「人魚姫」くらいかな。
とにかく、グリム童話も、アンデルセンの童話も、著作権的にも問題がない童話だし、誰もが聞いたことがある話も満載なんだ。


「なるほどね。まぁ、実際、既に『グリム童話』を下敷きにしたノベルゲームは結構出てるんだよ」

「ええ、知ってます。実はそれを見て触発されたというか……」

「まぁ、いづれにせよ、話の筋を使いながらオリジナリティを出す、って事なら、全然OKだと思うな。刊行されてる本の文章をパクったりしなければ、ね。」

「あぁ、良かった! そこが心配だったんですよね~」

「問題は、そのオリジナリティの部分だよ」

「……というと?」

「いや、だってさ、既にみんなが知ってる童話をベースにするわけでしょ? って事は、童話通りの話の流れで、童話通りの結末だったら、それは『翻案』なんじゃない?」

「そこなんですよ! あくまで童話を下敷きにしながら、自分の作品を作るのはどうしたらいいか、って事も聞きたいんです」

「パッと思いつくやり方としては、今云った『翻案」。そしてキャラクターなんかは童話のそれを使いながら、大胆に改編をして、全く別の話に作り替えちゃうようなやり方、もう一個は、元の童話との差異……というかズレを上手く見せるような、そういうやり方があるかなぁ」

「翻案はちょっと……。作り替えも、それをやるんだったら、童話を下敷きにする意味があんまりないですよね……。となると、差異とかズレを見せる方向がいいのかな」

「まぁ、そうだろうね」

「分かりました。ちょっと資料を集めて、ネタを練り込んでみます!」


こんな調子で、彼女は童話を調べたり、関連書籍を集め出したんだよ
云っておくけど、自分が書きたいと思ってるものに関係する書籍を集めたりするのは、いい事だと思うよ。調べた事は、必ず作品に反映されるし、そういうのがリアリティにも繋がってくる。

けど、作品作りに活かす調査、ならば全然いいんだけど、結構脱線しちゃう事も多いんだよね……。



■蛙の王様

「やぁ、久しぶり。調査の方は順調?」

「ええ、書きたいネタも固まってきましたよ!」

「それは良かった。 で、どういうネタにするの?」

「まず、元の作品が有名じゃないと、どこが原作との違いなのか分からないですよね?」

「うん、そりゃそうだよ。あまり知られてない作品だったら、どこを変えたのか全然伝わらないと思うし」

「ですよね。なので、『シンデレラ』と『いばら姫』を使うことにしました! これなら女性はみんな知ってますから!」

「メジャーなお話だね。ただ、『シンデレラ』と『いばら姫』はメジャーすぎて、逆に差異を出すのが難しいかもなぁ……。もう既に色んな人がやってる、なんて事がありそうだよ」

「けど、大丈夫なんです! 私が加える差異は思想なんですから!」

「え? 思想? なんだいそりゃ?」

「『シンデレラ』も『いばら姫』も、女性抑圧の象徴なんですよ。今なお残る、家父長制度、男に抑圧される女性……その象徴が、『シンデレラ』であり『いばら姫』なんです。童話は、正直ですよ~。男性中心社会から不都合だとして、切り捨てられた真実の歴史を残しているんです!」

「ま、まぁ、そういう面も確かにあるんだろうけど……」

「むしろ、童話にこそ真実が宿る! 原作を掘り下げて、そういうところで差異を出していこうかな、って」

「つまり、童話を使って、女性啓蒙キャンペーンみたいなことをしようと?」

「その観点でやっていくつもりですよ。これなら差異も出せるし、新しい試みだから、話題になるかも……!」

「うーん、何を作るのも自由なんだけどもね、俺はやめておいた方がいいと思うなぁ」

「なんでですか? あっ、道玄斎さんは男だから、男性による女性蔑視が明らかになると、いい気持ちがしないんでしょう!?」

「心情的に、そういう部分があるのは否定しないけどもね。けど、もっと実際的な理由だよ」

「実際的?」

「うん、俺の持っているグリム童話は、角川文庫のヤツなんだけどもね。第一巻の一番最初のお話に、『蛙の王さま』ってのがあるんだ」

「『蛙の王さま』ですか……聞いたことないですね……」

「かいつまんで説明するとね、蛙に姿を変えられた王子様がいて、困っているお姫様を助けてあげるんだ。その代わりに、蛙の王子様は条件を提示するんだよ。条件っていっても、『仲良しでいてね』って事なんだけどもね」

「ふむふむ……」

「なんだけど、助けてもらったお姫様は、自分の悩みが解消するやいなや、蛙の王子様が疎ましく思えてきたんだ。当然、約束を全く守らなかったんだよ」

「それは……」

「で、約束を守ってくれよ、と訴える蛙を壁に叩きつけて、殺害を試みるんだ。うるさいからね」

「……最後はどうなるんですか?」

「ん? 殺害された瞬間、蛙に掛かっていた呪いが解けて、蛙は元の見目麗しい王子様に戻るんだ。そしたら、何故か『姫の仲良し』になって、結婚したらしいよ。その後も、ちょろっと話は続くんだけど、大体こういう話だね」

「……」

「つまり、男女の関係性を意識させるような物語っていうのも、グリム童話には多く入っていて、その中には、女性を抑圧していた名残、みたいのは確かにあるんだよ。けど、一方で、こういう女性の狡猾さが描かれるお話も結構あるのさ。あんまり、そういうのを気にしすぎるのもアレだけど、そういうとこで突っ込まれるかもしれないから、俺はお勧めしないのさ」

「童話も奥が深いですねえ……じゃあ、どうって差異を出したらいいんだろう……?」



■ネタの借用あれこれ

今となっては古典的、なのかもしれないけど、原作がぼんやりとしか記述していない部分を掘り下げてみる、っていうのは、有効な手かもしれないね。

つまり、何か超自然的な事象が起こって、一気に話が解決に向かう、って事が、童話や説話にはよくあるよね。特に文章中にはそれに関する説明はないんだけど、そういう所の理屈っていうか、説明を考えて、物語に深みを出す、って方法だよ。

或いは、さっき話した「蛙の王さま」では、お姫様と蛙の王子様が結婚した後、突如、ハインリッヒという家来が出てくるんだ。しかも忠臣である、なんて説明をひっさげてね。
そういう、唐突に登場する人物や、唐突に起こる事件の背景を考えたり、って事なんだけど、それなら、原作も活かせるし、自分の想像力で補完した、原作とはズレた世界も見せる事が出来るってわけだよ。


「うーん、そりゃ云うのは簡単ですよ。けど、それを実践するのが難しいから困ってるんじゃないですか!」

「まあね。けど、アドバイスなんて云っても、せいぜいこんなもんだよ」

「けど、なんかヒントくださいよ! 参考になるゲームとか」

「ま、ゲームじゃないんだけどもね、本でならあるよ」

「え? ほんとですか? なんてタイトルの本です?」

「『今昔物語』だよ」

「また、古文を持ち出して!」

「いやいや、誤解しないで欲しいんだけど、俺の云ってるのは、現代の文で書かれた『今昔物語』なんだよ」

「現代語訳ってことですか?」

「いや、単純な現代語訳とは違うんだな。福永武彦っていう作家が書いてる『今昔物語』なんだけどもね、まさに、原文では省かれている部分を上手く説明……というか捉え直しをして、元々の怪奇的ホラーから、人間的なホラーへの転換を図ったりもしているんだよ」

「へぇ~、それは参考になりそうですねぇ!」

「うん、すっごい文章が上手い人で、そういう部分でも参考になると思うな。池澤夏樹って作家のお父さんなんだけどもね」

「あっ、池澤夏樹なら知ってますよ! 教科書に載ってました」

「そうなんだ? 俺は、断然、父親の福永武彦の方が好きなんだけどもなぁ」

「それにしても、道玄斎さん、よくそんな作家のこと知ってますねぇ……。意外とやりますねぇ」

「いや、俺としては、逆に貴女が福永武彦を知らなかったことに驚いているんだけどもね」

「へ? なんでです?」

「うん……大きな声じゃ云えないんだけど、福永武彦の『草の花』って小説は、元祖ボーイズラブってことで、腐女子の間では有名なんだよ……」

「……!」



■顛末

というわけで、長くなっちゃったけど、今日のお話はこれでおしまいだよ。
ん? 結局、今日の話に出てきた彼女は、ゲームを作ったのか? って?

もちろん、完成品を作って、今ではシェアゲームをメインに活動しているんだよ。
ただし……BLゲーム制作サークルとして、だけどもね!



それでは、また。
[PR]

by s-kuzumi | 2014-09-21 16:10 | サウンドノベル | Comments(2)
2014年 07月 03日

フリーサウンドノベル関係の雑記 箸休めvol.66

道玄斎です、こんばんは。
なんか、前回、お気楽に書き飛ばした記事が、結構好評みたいでねぇ。
全く予想していなかったんだけど、「ファンタジーの記事をもっと書いてくれ」ってなメールまで貰っちゃったから、続きを書くよ。

いつもと、口調(文体?)も変えてるんだけど、これは、ただの気まぐれなんだよ。
長い事、同じような文体で文章を書いてると、書いてる本人が飽きてきちゃうんだw 私は飽きっぽいしね。だから、自分で飽きないようにする為の、ちょっとした遊びだと思ってよね。



■ファンタジーといったら……

のっけから、質問なんだけど、ファンタジーの魅力って何だろう?
きっと、色んな答えがあるはずだよ。「怪物との戦いが楽しめる」とか「痛快な冒険が出来る」とか、欲深い奴になると「現実じゃお目に掛かれない金銀財宝を入手したい!」なんて事を言いだすんだよね。

今、3つほど例を挙げたけど、共通しているのは、「現実では実現できない」ことを、ファンタジーに託している、って事なんだ。
確かに、怪物なんて実際にはいないし、山登りくらいは出来るかもしれないけど、痛快な冒険、なんて望むべくもないよね。財宝は……宝くじで一発当てれば何とかなるかな……。

と、まぁ、ファンタジーの魅力の大きな柱に、「非現実性」っていうのがあるわけなんだけど、いかにもファンタジーらしい「非現実性」を持ったものがあるんだよね。

そう、それは魔法なんだ。
単純に魔法って響きだけでも、なんかワクワクしないかい? それに魔法の力を封じ込めたマジックアイテムなんてものまであるんだぜ。



■魔法にも種類アリ

色んな魔法やマジックアイテムがあるって事になりゃ、こりゃ、色々設定が出来そうだぞ、なんて思うでしょ。
そうは云っても、魔法にもある程度の種類はあるんだ。所謂、魔術師の人が使う魔法と、エルフ(耳の長い奴等だよ。美人が多い!)の使う魔法はちょいと違うんだよね。
その他にも、聖職についている人達の使う魔法なんてのあるから、一口に魔法、って云っても、意外と幅広いし、それをごちゃごちゃに設定しちゃうと、分かりにくくなってしまったりもするんだ。

分かりやすい方から説明していこうか。
まず、聖職者の使う魔法なんだけど、これは「神様」の力を借りて行う、一種の奇跡のようなものなんだよ。当然、善の神様の力を借りるわけだから、癒しの力だったり、毒を消したり、といった魔法になる。つまり「破壊」には向かないんだよね。『ドラクエ』の僧侶を思い出して欲しいな。
あれも、回復系や補助系の魔法を基本覚えていくスタイルでしょ? だから、聖職者の魔法は『ドラクエ』の僧侶だ、って云うと分かりやすいよ。

次に、エルフの人達の魔法は、実は、ゲームやその世界観よって結構違いがあるけど、比較的多いのが「自然の力を利用するタイプ」の魔法なんだよ。
風が吹く草原なんかでは、かまいたちのようなものを発生させたり、森では木々を使って迷宮を作ったり……なんて事が出来るんだ。攻撃的なものもあるし、比較的補助的なものもある。

最後の魔術師の魔法なんだけど……これが厄介なんだよねぇ。
僧侶の魔法とは被らないんだけど、結構そのレンジが広いんだよ。火の玉を出したり、雷を振らせたり、っていった攻撃的な事も出来るし、例えば、『ドラクエ』で出てくる「アバカム」の呪文のように、鍵を強制的に開けたり、なんて事も出来るんだ。



■攻撃魔法は軍拡競争?

聖職者の魔法、そしてエルフの魔法は、そこまで問題にならないんだ。
問題は、魔術師の魔法なんだよ。

これが、RPGだったら別に問題にはならないんだよね。
レベルが上がれば強力な魔法を覚えて、ドンドンそれを使って戦っていけばいい。敵だって、やっぱり同じような魔法を使って攻撃してくるからね。

けど……ノベルゲームで、魔術師の魔法、例えば火の玉をぶつける、なんて攻撃魔法にばかり焦点を当てたら、場合によっては、これは結構大変な事になるよ。

良く考えてみてよ。大体、RPGでもノベルゲームでも、ファンタジーな世界では、「敵と戦う」っていうシチュエーションが重視されるんだ。そして、敵は段々強くなっていくもんだ。
火の玉(ファイアーボールと呼ぼう)を、雑魚に使って倒す。それは問題ないよね。けど、中堅所の敵が出てきた時に、何とかの一つ覚えでファイアーボールを打ってみたものの、そいつには効かない、なんて事が大いにあり得るんだよ。

故に、どんどん強力な魔法にって事で、魔法の軍拡競争みたいになっちゃう、って事が往々にしてあるんだ。昔流行った、『スレイヤーズ!』って小説もそんな感じだったね。最初の頃は必殺技だった凄い魔法も、回を追う毎に、効かなくなっていき、更に強力な魔法を使わないと敵が倒せない……みたいな。

なので、私は、寧ろ、「直接戦闘には関与しないけど、面白い魔法」を使ってみる、って方が、ノベルゲームでは活かせそうな気がするんだな。
ノベルゲームは、その名の通りで、「文章」に比重が置かれている事、間違いないよね。仲間とのやり取りに使えたり、情報収集をしたり、もっと云えば、不必要な戦いを避ける為とか、そういう魔法の方が、「文章」で表現しやすいと思うし、シナリオにもただのバトルじゃ出せない深みが出てくるんじゃないか、って考えるんだよ。

こんな話をすると、早速、それを取り入れる奴が出てくるのが問題なんだ。


「なるほど。確かに攻撃魔法以外にも色々面白い魔法ってあるんですねぇ」

「うん、だから、上手いことそういう魔法を使えば、特にノベルゲームでは面白い展開が作れると思うよ」

「それは分かるんですけど……」

「ん? 何か疑問でも?」

「やっぱり、派手な攻撃魔法も絶対必要ですよ!」

「いや、勘違いしないで欲しいんだけど、攻撃魔法を全否定してるわけじゃないんだよ。攻撃魔法ばかりに焦点を当てると、結局、ただのバトルものになっちゃう事があるよ、って事なんだ」

「そういうことでしたか。じゃあ、戦闘を有利にするための魔法とかは?」

「攻撃力を上げる、みたいな補助魔法もあるよね。そういう魔法は、本当に使い方次第で面白くなるよ。或いは一見、戦闘では役に立たなそうな魔法を、上手く、戦闘で使うとかね」

「あっ、それ、面白そうですねー! こりゃ、魔法のガイドブックを読んで研究しなくちゃ!」


ってな調子で、彼は、アマゾンでその手のガイドブックを何冊か買って、魔法を探し始めたんだよ。
前回のキャラクター命! の女性とは違って、彼は一応、スクリプトを打てるし、完成品こそないものの、自作のサンプルシナリオなんかを持ってたり、結構やる気はあるんだ。

そんな話をしてから、三日くらい経った頃だったかな、結構早かったのは覚えてるよ。
彼から、「面白い魔法を取り入れた、ファンタジーのサンプルシナリオが出来たから見て欲しい」って云われたんだ。

別に、そのくらいはおやすいご用だから、アップローダーから、彼が作ったファイルをDLしてみたんだよ。



■それはどーよ? のサンプルシナリオ

zipを解凍して、exeファイルを叩くって、いつもの手順で、ゲームをスタートさせたんだ。
ゲームは、ワイド画面を採用していて、「お、意外に凝ってるな」なんて思ったもんだよ。

今回は、サンプルシナリオだから、いわゆる「タイトル画面」はなくて、いきなり、キャラクターの掛け合いから、物語はスタートしたんだ。
ちなみに、画面下部にメッセージウインドウがあり、セリフはそこに表示され、立ち絵(これは素材)も表示される、一般的なノベルゲームの体裁だよ。
ストーリーの方は、こんな感じだったな。


「いよいよ、俺たちの復讐の旅もこれで終わりだな」

「そうね……。あとは、神殿にいる、あの憎き男バルバトスを倒すだけだわ」

「泣いても笑っても、これが最後だね! それにしても長い旅だったなぁ」

「出来る限り、敵に見つからないように静かに神殿へ向かおう」

「そうは言っても、神殿の周りは草原だわ。これじゃ、どうしたって見つかってしまうわ」

「あっ、いい方法があるよ!」

「何だ?」

「あの魔法を使うんだよ!」

「あっ……あの魔法ね?」


おっと、ついに、魔法のガイドブックから厳選した、魔法がお目見えか……?
ってか、このシチュエーションを考えると、まさかあの魔法を……。


「よし、分かった! アレだな!」

「じゃあ、まずおいらから。出でよ、スプライト~!」


と、ちょっとショタっぽいキャラが魔法を掛けると、三人の立ち絵の内、一番右にいた、そのショタの立ち絵は、一瞬の揺らぎを見せて、かき消えてしまったんだよ。

そう、スプライトの魔法は「透明になる」というものだったんだ。まぁ、これは例の「自然(や、そこに宿る妖精)の力を利用するタイプ」なんだけどもね。


「次は俺だな、スプライト!」


そして、屈強な戦士の立ち絵もやはりかき消え……。


「最後はわたしね。光の聖霊よ、我に力を! スプライト!」


最後に残った、女性魔術師の立ち絵も消え……。
えっ!? もう、背景画像の草原しか見えないんだけど……。


「これで、気付かれずに神殿まで入り込めるな」

「しっ! 声は聞こえるんだから!」

「そうそう。もうしゃべっちゃダメだよ!」


なんて調子で、神殿まで行くんだけど……。
肝心の神殿に着いても、彼らは透明。つまり、立ち絵がないんだ。遺跡の素材を流用したと思われる背景素材だけが表示されてるってわけだよ。

そして、彼らはこっそりと、宿敵バルバトスの背後に回り、一斉に攻撃を仕掛けたんだ!
哀れなバルバトスは、屈強な戦士に袈裟懸けにされた所に、女魔術師のファイアーボールが飛び、ショタのナイフが炸裂する、という有様で、戦闘は一瞬で終わってしまったんだ。



■反省会

「おいおい、こりゃまずいよ!」

「え? 何がですか?」

「立ち絵、全部消えちゃってるじゃんよ!」

「そりゃ、透明になる呪文ですからね!」

「けどねぇ、折角のクライマックスに、立ち絵ゼロじゃ、迫力ないぜ」

「けど、戦闘向けじゃない魔法を上手く使ったと思うんですけど……」

「そりゃ分かるけどさぁ、けど、俺の云いたいのはそういう事じゃないんだよ」

「えー、そんな事いわれてもなぁ」

「色々、突っ込みたいとこがあるから、一つづつな」

「はぁ……」

「まず、何で全員魔法が使えるんだ? 例えば、戦士いただろ? あいつが魔法を使えるのは違和感あるぞ」

「違和感があるのは戦士だけですよね? 他の二人は魔法使える職業ですよ」

「あの女魔術師は、『普通の』魔法使いだろ?」

「そうですよ。ショタの方は精霊使いですけど」

「そこだよ。ああいう、自然やそこに宿る精霊の力を使う魔法は、エルフや精霊使いだけが使えるんだよ。魔法の本に書いてなかった?」

「どれどれ……あっ、ほんとだ!」

「だろ? だから、戦士、魔術師、精霊使いの三人が全員、姿を消す魔法を使うってのはおかしいんだよ」

「魔法も奥が深いなぁ……」

「魔法にはそれなりに分類があるから、そこはまず押さえておいた方がいいよ。あと、色んなバランスを取る為に、一人くらいは魔法が使えない奴がいた方がいいよ。今回の場合だと、戦士な」

「確かに、今回のサンプルシナリオ、主人公達が楽に勝ちすぎてますもんね」

「例のショタだけが、姿を消せる、とかだったら、面白かったかもな。あいつだけが先行して様子を探ってくるとか、或いはそれが見つかってしまって、また一波乱起きるとか、そういう事が出来るからな」

「なるほど、分かりました。けど、ところで、道玄斎さんはどういう魔法がノベルゲームに向いてるって思うんです?」



■こんなのはDo-Dai?

「姿が消せる」っていうのも、勿論、使い方次第で、面白くなるんだよ。
けど、最終決戦みたいな場面で、主人公達の姿が消えて無くなって……みたいのは、流石にまずい、ってのは分かるよね。

それに「姿が消せる」ってのは、ちょい、便利すぎるんだよ。
これをやられちゃうと、殆どの問題が解決しちゃうんだ。こっそり、屋敷に忍び込んで、お目当てのものを拝借してくる、みたいなミッションも凄く楽になっちゃうしね。

大体……こういう便利すぎる魔法には、何かしらの制約がついてると思うんだよな。
例えば、「3分しか保たず一日一回しか使用出来ない」とか。そうでないと、バランスブレイカーになっちゃうよ。


私が、推奨する面白い魔法は、やっぱり何といっても「幻覚」系だよね。
幻覚を見せて、上手く敵をだましたり、場合によっては戦いそのものを回避したりするんだよ。

例によって『ドラクエ』の例えだと、「モシャス」の呪文なんてのは、まさに幻覚系だよね。
『ドラクエ4』を思い出して欲しいんだけど、実際に「モシャス」の呪文を使いこなして、ゲームをプレイしていた人いるかな? いないよね?

「モシャス」みたいな魔法は、戦闘の比重が大きいRPGでは、必要性が小さい魔法なんだよ。
けど、第五章の頭で、シンシアが主人公に化けて、身代わりになって殺されるシーン。あれはモシャスなんだよね。
どうだい? 戦闘とかじゃなくて、「ストーリー」の部分では使える魔法になってるだろう?

一方で、そうやって、幻覚や、何かに化けてたりする奴を見破る、マジックアイテムも『ドラクエ』にはあるんだ。「ラーの鏡」って奴だけどもね。


化けたり、幻覚を見せたり、とか、そういうのは、割と古典的っちゃ古典的なのかもしれないけど、上手く使えば、凄い面白い魔法だと思うな。

単純に敵を殴って、倒して先に進む……ってんじゃなくて、もう少し頭を使って、余計なもめ事を避けたり、交渉をスムーズにもっていったり、とか工夫のしがいのある魔法が、やっぱりノベルゲームには合ってると思うよ。



というわけで、今日のお話はこれでお終いだよ。
まだまだ、こういうヘンテコな話はストックがあるから、ファンタジーに限らず、色々お話出来たらいいな。



それでは、また。
[PR]

by s-kuzumi | 2014-07-03 01:34 | サウンドノベル | Comments(0)
2014年 07月 01日

フリーサウンドノベル関係の雑記 箸休めvol.65

道玄斎です、こんにちは。
いやぁ、色々最近忙しくってねぇ。忙しいって事もあるし、お気楽な毎日を過ごしているようだけど、私は私で、結構デカイ決断を迫られたり、って事もあるんだよ。
なので、落ち着いてゲームをプレイする、って事は、今は出来ないのでした。「これは、プレイしないとな」ってな作品は2本くらい見つけてあるんだけどもね。

で、例によって例の如く、「日々之雑記」や「箸休め」でお茶を濁そうって訳なんだけど、今日は「箸休め」の方だよ。



■ファンタジーを巡る問題

RPG作品なんかでは、ファンタジーは、かなりメジャーなジャンルなんだけど、ノベルゲームになると、意外とファンタジー作品は少ないんだ。

そもそもファンタジーとは何か? みたいな話になっちゃうとアレなんだけど、大体のイメージで、「異世界や、現代とは違う場所が舞台」となり、「現実には存在しない化け物が存在」しており、「魔法などの超自然的な力が日常的に受け入れられている」世界、という感じかな。

ファンタジーの区分けも色々あって、例えば、ノベルゲームでもお馴染みの伝奇モノ。あれなんかは、「エブリディマジック」なんてファンタジーの系統に入れられそうなんだよね。
このエブリディマジックっていうのは、舞台は現代、というか現実世界なんだけど、その中に不思議な存在(要素)が入り込んで事件が起こっていく……というタイプ。読んで字の如し、って奴で、「日常生活に入り込んでくるファンタジックな要素」を持った作品なんだ。

伝奇なんてのは、まさにそういう要素があるでしょ? 何事もなく生活していた主人公がいて、彼の周りで不思議な事件なんかが起こる。で、超自然的な力を駆使して戦う奴等が出てきて、いつしか主人公も自らの力に目覚めて……みたいなパターンだよね。

けど、今回話していこうと思うのは、最初に挙げたタイプの「いかにもファンタジーっぽいファンタジー」の世界について、だよ。



■ノベルゲームはエブリデイ?

で、「ノベルゲームでは、直球のファンタジーは少ない」って事だけど、それもそうかな? という気もするんだ。だって、わざわざファンタジックな世界を創造するのは、ちょいと手間が掛かるし(世界の設定や、その説明が大変だもんね)、日常の中にファンタジックな要素を放り込めば、大凡、所期の目的(シナリオの目的)を果たせちゃうんだよね。

つまり、エブリディマジックで十分、って考え方なんだ。
「不思議な行き倒れ少女を拾う」タイプの作品だってエブリディマジックだし、「不思議な魅力を持った転校生の女の子がやってくる」っていうのも、エブリディマジックのパターンが多いよ。

こうして見てみると、ノベルゲームには、ファンタジックな要素を持った作品こそ多いんだけど、「直球のファンタジー」は意外な程少ないってのが分かるよね。

一方、RPG作品なんかは、『ウィザードリィ』や『ウルティマ』、或いは『ドラクエ』や『FF』のように、その元祖的存在が、既に「直球のファンタジー」世界を舞台としているから、今でも、「取り敢えず、ファンタジー世界で」という感じになっている、んじゃないかなぁ……。



■キャラから? 物語から?

ここで、少し話が飛ぶんだけど、どうやらゲームを作る時って、大きく分けて二つのパターンがあるみたいなんだ。
一つは、「ストーリー先行型」。「こういう物語を作りたい!」って事で、あれこれ考えていって、キャラクターや設定を煮詰めて一本の作品に仕上げるってやり方だね。

で、もう一方は、「キャラクター先行型」なんだ。
「このキャラクターが活躍出来る話を作りたい!」って事で、シナリオを練っていくタイプだよ。
勿論、この二つの考えが入り交じって、作品が作られていく、なんて事も実際には多い訳だけど、話を単純化しよう。

こりゃ、私の何となくのイメージなんだけど、女性がゲームを作る時って、割と「キャラクター先行型」が多いような気がするな。特に、イラストを描ける人なんかには、そのパターンが多いみたいだね。

女性のウェブサイトを見てみると、「お絵かき」と称して、自作のイラストが多数展示されている事が多いよね。そうやって、自分の「とっておき」のキャラクターが何人か集まってくると、「じゃあ、このキャラクター達を使って、物語を作ろう!」って考えるのは自然な事だよ。

で、まぁ、その中の一定数の人が、キャラクターを産み出す時に、「ファンタジーらしいファンタジー」の設定を使うんだ。メインキャラとなる女の子がいて(剣士系か魔法使い系かにザックリ二分出来る)、騎士団とかに所属しているカッコいい男性キャラがいて、普段はぼんやりしているけど、実は凄い魔法使いとか、耳が長いエルフのキャラがいて……と、そんな風に、キャラを作っていくわけ。

そうやって、キャラクターを増やし、設定を固めていくんだけど……そこで、問題が起こったんだ。



■キャラ先行の落とし穴

ある日、私は、人のツテで、そうした「(ファンタジー)キャラクター先行型」で物語(ノベルゲーム)を作ろうとしてる人にアドバイスをする事になったんだよ。

けど、私のアドバイスなんて別に大した事はないし、殆ど役に立たないんだ。
とはいへ、「アドバイスが欲しい」っていう人の殆どが、実は、具体的なアドバイスを求めている訳でもなくて、「話を聞いてくれ!」という、そういう事が往々にしてあって、その時も、そんな感じだったね。

まぁ、話を聞くくらいは出来るよね。
それに、「話をする」っていうのは、意外と物語作りには役に立つんだよ。
だって、全く知識の無い人に、その作品がどういうテーマを持っていて、どういうキャラクターが出てきて、どういう事件が起こって……みたいな事を話すんだから、自分の頭の整理になるんだ。

当然、会話は一方通行じゃなくて、こっちも混ぜっ返したりするから、それで、設定の不備に気付いたりって事も良くあるよ。

ともあれ、私は話を聞く事にしたんだけど……。


「わたし、自分の作ったオリジナルキャラクター(オリキャラ)を使ったファンタジーを作りたいんです!」

「ほうほう」

「それで、RPGとかは難しそうだから、乙女ゲームみたいにノベルにして、まとめたいなぁって」

「意外と、ファンタジーのノベルゲームは数が少ないから、上手く作れば面白いものが出来るかもね」

「キャラには自信ありますよ! 何しろ5年もキャラクター作り続けてきたんですから!」

「えっ! 五年!? そりゃ、また随分練り込んだねぇ……」

「やっぱ、キャラを色んな人に愛してもらいたいじゃないですか? だから作品のウリはキャラクターですね」

「まぁ、それも一つの考え方だけど、やっぱり、肝心のシナリオがしっかりしてないとね。シナリオの方は出来てるの?」

「バッチリです! 少しづつ設定を積み重ねたので、設定やシナリオには厚みがありますよお~」

「じゃあ、ちょっと設定とかシナリオとか、見せてもらえる?」


と、そこで、その彼女から、設定やシナリオを纏めたページのURLが送られてきたんだ。
正直、そのURLを見て、ちょっと厭な予感がしたんだよ。
だって、「story001.htm」「chara0001.htm」なんて書いてあるんだぜ。

何で、ストーリーに三桁の数字が必要なんだ? キャラクターに至っては四桁じゃないか!
兎にも角にも、先ずは「story001.htm」の方に飛んでみたんだよ。

開けてびっくり玉手箱、じゃないけど、滅茶苦茶驚いたね。
だって、いきなり「全8章」とか書いてあったんだ! で、「第1章 追憶の指輪編」、「第2章 闇の伯爵編」、「第3章 暗黒教団の陰謀編」……なんて調子で、各章立てがしてあったんだよ。

けど、肝心のストーリーは何故か妙に薄かったんだ。
第1章のストーリーは、確かこんな感じだったなぁ……。

「生まれ故郷を追われたリカ(主人公ね)は、放浪の旅に出る。そして旅の途中、荒野にて、魔物達から襲撃を受けてしまう。しかし、そこに現れたのはセリグリア王国の騎士団。魔物達を蹴散らした後、騎士団の団長はリカに問い掛ける。『俺たちと共に戦わないか』と。リカの旅は今まさに始まったのだ……」

みたいなね。
それは……ストーリーというよりは、その発端部分っていうか、序章というか、そういう感じだよねぇ。
まぁ、それはいいとしても、何で、都合良く騎士団がやってきたのか、とか、何で、いきなり主人公に入団を勧めたのか、とか、色んな疑問があるんだよね。
そもそも、何で、生まれ故郷を追われてしまったのか、ってトコも、サブタイトルの「指輪」についても不明だし。


「えっと……色々聞きたい事があるんだけど……。いきなり騎士団に誘われるって唐突過ぎない?」

「それはですね、ネタバレになるんですけど、リカと団長には実は血縁関係があるんです。団長はリカを見て、すぐに自分の姪だって分かったんです。だから彼女を誘ったんですよ」


えっ!? ネタバレ!? 
そういうのは、本来、ちゃんとストーリーに書いておくべきなんだけどもなぁ……。


「……そこらへんはキャラクターのページを見れば書いてあるのかな?」

「はい! バッチリです!」


というわけで、今度は「chara0001.htm」を見てみたんだ。
確かに、キャラページの方には色々書いてあったんだよ。キャラクターのイラストは言うに及ばず、身長、体重、血液型、守護星、属性(?)、好きな食べ物、嫌いな食べ物、気になる異性……etc etc

けど、「団長と血縁関係にある」なんて書いてないぞ……。
と思ったら、説明文の中に、妙な空白がある事に気が付いたんだ。
そう、そのネタバレの箇所は、「反転で表示」になってたんだよ。画面を反転させてみると、確かに、団長と血縁関係であること、実はリカは女神の生まれ変わりで、世界の命運を担う者である、なんて情報が載ってたんだ。

そんな事は、けど大した問題じゃなかったんだよ。
「関連キャラクター」なんて項目があって、そこには人名のリストが載っていたんだけど、それが数人なんてレベルじゃないんだよね。20人くらいはいたかな……。当然、その人名はリンクになっていて、そこをクリックすれば、そいつのキャラクターページに飛ぶって寸法。で、当然、そのキャラクターのページにも「関連キャラクター」が数十人単位で書いてあり……。


「あのさ……又しても聞きたい事があるんだけど、キャラクターって全部で何人くらいいるの?」

「全部で1500人ですね。主要キャラは100人くらいです!」


1500人だって!?
それじゃ、ゲームにならないだろ! ここに来て、やっと「chara0001.htm」の謎が解けたって訳だよ。マジでキャラクター数が四桁だったんだ……。
ん……? となると、シナリオの方は……。


「え、じゃあさ、シナリオは全8章って事だと思うんだけど……その8章の中に1500人が詰め込まれてるの?」

「えっと、各章には色んなエピソードがあって、細かく分けていくと、全部で300個くらいのエピソードがあるんですよー。だから全員入れられます!」

「もしかして、300個のエピソード、全部一人で考えたの?」

「実際、考えてあるのは5つくらいかな……」

「あっ、じゃあ、残りの295個のエピソードは、未定……?」

「そうですねー。けど、色んなキャラを見てもらいたいですから、頑張ってエピソード作りますよー!」



■その後の顛末

もう分かるよね?
私がアドバイスする余地なんてどこにも無かったんだよ……。
勿論、「メインキャラは5~6人がいいとこで、敵キャラも同じくらい。合計で10~12人くらいのキャラクター数の方が作りやすい」なんて、常識的なアドバイスも出来る事は出来たんだけど、止めておいたんだ。
結局、当たり障りのない、「ゲームを作るためには、こういうツールがあって、BGMなんかは借りたりして~」みたいな、本当にゲーム制作の概略、みたいな話をしてお開きになったのさ。

キャラクターに凝るのはいいけど、懲りすぎると、こういう事になっちゃうんだなぁ!

結局、彼女は「ゲームを作るより、キャラを増やす方が楽しいや」って事になって、今でもきっと、順調に1500人に向かってキャラを増やしてるはずだよ。
まぁ、楽しみの形は人それぞれだし、ゲームにするってのが絶対解ではないしね。



■そして再びファンタジー

話は戻るんだけど、エブリディマジック系のお話だと、どんなに頑張ってもある種の制限があるんだ。
飽くまで、「日常の」というか「常識の」範囲内での設定っていうのがあるからね。その中に、いかに面白いファンタジックな要素を入れるか、がキモだから、あまりにも常識ハズレのキャラや設定にしちゃうと、もはや「エブリディ」じゃなくなっちゃうんだよ。

一方、直球のファンタジー世界だと、一から自分で世界を創造していかないといけないわけだから、ある意味で好き勝手が出来るってわけ。
神様の分類をやたら細かく決める事も出来るし、武器や防具、魔法のアイテムだって好きにデザインしていい。これは、制作者の設定欲を満たしてくれるって言い換えてもいいのかな。

けど、本当の事を云っちゃうと、「ある程度の制約があったほうが作品としてまとめやすい」っていうのも事実だと思うな。何もかも自由に出来ますよ! って云われて、本当にそれを綺麗にバランス良く(ここが大事)デザイン出来ちゃう人はいいんだけど、誰しもがそういうパワフルな能力の持ち主じゃないからね。

だから、ファンタジーだったら、『指輪物語』みたいな、影響力を今なお持ってるような作品を下敷きにしておく、なんてのは、意外と有効な方法だと思うな。
ある程度のお約束に則って、自作品の世界を創り上げていく、って方法だよ。

そうやって創られるファンタジックな世界観で、RPGにするならともかく、ノベルゲームでは、ちょっと考えた方がいいって事もあるんだけど……それは、次の機会に致しましょう。


というわけで、今日はこの辺で。



それでは、また。
[PR]

by s-kuzumi | 2014-07-01 16:14 | サウンドノベル | Comments(2)
2014年 06月 13日

フリーサウンドノベル関係の雑記 箸休めvol.64

道玄斎です、こんばんは。
ちょっとご無沙汰しております……。ここの所、色々忙しくて……。あっ、けど、ゲームに関係した作業は、チマチマやってますよ! そんな作業の中で感じた事なんかを書いて、今日はお茶を濁します。



■校正って大変だよねぇ

ゲームを実際に作る時って、個々人で作業の順番とかに違いはありそうですけど、「書いた文章をチェックして、誤字脱字を洗い出したり、或る表現を、より良い表現に置き換えたり、シナリオ上の矛盾を解消する」なんて作業はどこかで必ず入るハズです。

一般的に、「デバッグ」と云われる作業に、こうした文章校正が含まれている事が多いんですが、これが中々大変なんです。
そりゃ、15分ポッキリで読了出来る、くらいの作品規模なら、そこまででもないのですが、プレイ時間が一時間、二時間……と増えていくと、こうした校正の手間は劇的に増えてしまいます。

勿論、執筆者自身が、校正をするというフェーズもあるわけです。ちょっとカッコつけると著者校正って事になりましょうか。
でも、悲しい哉、そもそも著者は「変な文章を書こうと思って執筆しているわけではない」ので、自分の誤りに気付かないって事が多々あります。自分で読み返してみて、「あっ、こりゃ分かりにくいわ……」とか感じるならば、そこは最優先に修正すべきでしょう。

で、自分で自分の誤りに気付きにくい以上、第三者の力が必要になります。
そう、デバッガーの存在です。或る程度の大所帯でゲームを作っているのならば、他のメンバーが総出で、文章を読んでチェックして……ってやればいいんでしょうけど、「何もかも、手作りでやってます」なんて人は、こりゃ、協力してくれる人を探すしかないわけです。

自分の経験や、他の人のデバッグを手伝った経験から云わせて頂くと……やっぱり、「第三者に文章を見て貰う」っていうのは、とっても大事な事だと思います。
別に、「デバッグ」なんて大上段に構えなくても、知り合いに「ちょっと読んで、おかしいとこがあったら教えて」とか頼むだけでも、大分違うんじゃないかな。

しっかりと渡したシナリオを読み込んで、どんな小さな疑問点も漏らさず報告してくれる人……凄く貴重です……。耳に痛い事でもちゃんと云ってくれる人がいるならば、その人を大事にしてあげてください。「ディスられたぜ!」なんて怒らないで、指摘してくれた箇所を、ちゃんと検討すると良いと思うのです。

「俺ぁ、他人の意見なんざいらねぇ!」ってな姿勢も、意外にカッコ良かったりするんですけど、それで「完成度の高いテキスト」を作れちゃう人は、本当にまれなんじゃないかしら。
ここで云う、「完成度が高い」っていうのは、文章的に優れているとかではなく、「誤字脱字や、慣用句の誤り、様々なレベルでのシナリオ上の疑問や矛盾がキチンと解消されているテキスト」だと思って下さい。

文章の巧さとかは、その次のレベルの話ですからね。
そう云えば、作品名は挙げませんけど、「これは、推敲とか全くしていないのでは……?」という作品をプレイした事があります。
誤字脱字は当たり前、日本語としてかなり違和感の残る文章。主語と述語が一致しない……等々、挙げればキリはないんですが、一言で云うと、「表現能力が乏しい」というか。

しかも、その作品は「雰囲気で読ませるタイプ」の作品だったんですよね。
しっかりとしたエピソードが積み重なって、ラストに向かっていく、というのではなく、「全体の雰囲気で感動してくれ」みたいな。

私は、そういう作品ならば、尚更、「それを支える文章」が大事になるんじゃないかな、なんて思うわけです。
文章という土台がしっかりしていて、初めて、その世界観や全体の雰囲気が活きてくるんじゃないかと。ノベルゲームでは、「表現の手段としてのテキスト」が大きな役目を担っていますからね。
でも、それを作った方は、割と自信過剰というか、文章の推敲とかしないタイプでしてw 当然、誰かに文章を読んで貰って、修正箇所を探したり、なんて事はしないわけです。

そういうのは、ちょっと勿体ないよなぁ……なんて思うんですよねぇ……。
イエスマンじゃなくて、ちゃんと問題点を指摘してくれる人に、事前に文章を見て貰っていたならば、その作品も、もうちょっと化けたんじゃないかなぁ。



■で、何すりゃいいのよ?

またグダグダになってきましたけど、著者自らが校正を行う場合と、第三者がそれを手伝ってくれる場合、大きく分けて二つの校正の機会があるわけですが、「何でこれをやらないのかな?」と疑問に思う事があるんです。

何をやるのか、というと、ズバリ「音読」です。
書いた文章、書かれた文章を、実際に口に出して読んでみる。これだけで、不自然な日本語の大部分が追放出来るハズです。

もし、声を出せないような状況なら、「心の中で読んでみる」とか。
漫然と文章を眺めているだけでは気付かない、文章のリズムだとか、違和感なんかが、それによってあぶり出されてくるわけです。

第三者に校正をお願いする前に、著者が音読によって、文章を修正出来ていたならば、その後の校正もスムーズになりますし、誤字脱字みたいな細かな指摘ではなく、もっとシナリオに対して突っ込んだ指摘も出来るようになるかもしれません。


もう一個、文章校正の技を書くならば、「一度プリントアウトして、それを読んでみる」というものもあります。パソコンの画面上で文章を読むのと違い、プリントアウトしたものを読むと、結構色んな発見があるものです。
但し、シナリオ容量が大きいと、かなりのプリント枚数になっちゃうので、そこが難点と云えば難点ですね……。

プリントアウトすると、「紙に直接修正点を書き込める」というメリットもあります。
校正記号なんて知らなくってもいいんです。赤ペンを使って、分かりやすく直せばOK。これが、パソコンの画面上だと、「修正すべき文字列を一度消去し、新たな文章に差し替える」という作業になってしまいますし、「修正前の文章を見たい」という時に不便ですよね。消しちゃってるんですから。かといって、一々バックアップを取っておくのも面倒ですし。

なので、「シナリオ量によっては、プリントが大変」という問題を抱えてはいるものの、実際にプリントアウトして校正する、というのは、結構いい方法なんです。

実際、本とか雑誌とかに文章を載っけた事がある人なら分かると思いますけど、ゲラは、「紙媒体で送られてきます」よね? その後の第二稿、第三稿なども然り。
今の技術とかだったら、それこそ、PDFなり何なりで送ってしまえば、切手代は掛からないし、印刷代も掛からない。けど、今でもアナログな方法で多くの出版物は校正されている、という事を考えると、やっぱり、そこに何かメリットや、デジタルデータに勝るアドバンテージがあるんじゃないでしょうか。

今、ちょっと調べてみたら、PDFを利用した電子校正なんてのも、やっぱりあるみたいです。
けど、やっぱり、世の中の大多数の原稿は、アナログな紙媒体で校正されている、と思いますよ。



以上、校正にまつわる話をちょろちょろしてみました。
「音読する」なんてのは、すぐに使える技だと思うので、どうぞお役立て下さいまし。


それでは、今日はこの辺で。
あっ、あと、NMの方でも少し動きがあります。リニューアルのような大きな変更ではないのですが、使い勝手を向上させる為の、企画が動いている事、お伝え致します。



それでは、また。
[PR]

by s-kuzumi | 2014-06-13 21:11 | サウンドノベル | Comments(4)
2014年 05月 18日

フリーサウンドノベル関係の雑記 箸休めvol.63

道玄斎です、こんにちは。
今日は、以前軽く予告しておいたお話をしようかな、なんて思っています。
本当は、猛プッシュされている作品があるので、それをプレイするのがいいのかも、なのですが、ちょっと長そうだから、こうやっていつものようにワンクッション入れるのでした……。



■悪友達に愛の手を!

前回、『メモリア-day of memory-』という作品をプレイした時に、お馴染みの悪友ポジションの竜司というキャラが気になってしまいました。
正確に云うならば、その竜司を起点として、「悪友とはなんぞや?」という、大きな問題が気になり始めたというか。

『メモリア-day of memory-』の時に書いたように、「悪友にもちゃんと見せ場があるといいよね」という結論自体は変わらないのですが、同じ事を繰り返して書くのも気が引けるので、ちょっとだけ角度を変えて考えてみましょう。

昨晩、いつものように眠れない夜。
「悪友って何だろう?」と考えていたわけですが、「悪友→ノベルゲームではお馴染みのキャラ→ノベルゲームでの定番の存在?→ノベルゲームって何?→そもそも物語とは?」みたいに、思考が及んできました。



■物語と欠損

私にしては珍しく、深入りしているというかw
で、まぁ、色々グダグダ考えたんですが、ここは一つ、思い切って大上段に振りかぶって云ってしまいましょう。「物語とは“欠損”を埋める創作物」だと。

所謂、「無気力高校生、聖母のようなヒロインと出会う」型の作品なんかでも、主人公は「やる気」だったり、「生活のハリ」だったりが欠損しているわけですよね。
或いは、「謎めいた女生徒が転校してくる」型でも、その女生徒は、何か秘密を抱えていて、それが為に苦悩する。そこに欠損がありますし、下手をすれば、それが主人公の失われた記憶(これも記憶の欠損だ)とリンクしていたりして。

もっと分かりやすい例だと、主人公は既にして、肉体的な欠損があり、それを乗り越えて、何とかやっていく道を探す、みたいなタイプの作品がありますよね。有名な所だと『Brass Restoration』とか。

欠損っていうと、ちょっと大袈裟な気もしますけど、「腕を切断しちゃった」なんて分かりやすいものから、「そのキャラクターが内側に秘めているコンプレックス」みたいに、分かりにくく、且つ、そのキャラの「認知」の問題で起こる欠損なんかもあるから、実は、かなり幅広い概念で、何だかんだで、色んな作品に当てはまっちゃうんですよねw


■キャラクターの魅力

で、ノベルゲームなんかをプレイしていて、「お、何かこのシーン、いいじゃねぇか……」と思う時って、告白成功後のラブラブシーンなんかはさておいて、「キャラクターが非常に人間らしい悩みで葛藤する」所だったり、或いは「そうした葛藤を乗り越えていく、キャラクターが成長していく様」だったりしません?

私は個人的に、どうも超人的な主人公には、あまり感情移入出来ないんですよ。
人間らしい弱さもちゃんと持っていて、それに真正面から向き合って、折り合いを付けていく、みたいな、定番ではありますが、そういう魅力があると、プレイヤーも感情移入しやすくなるんじゃないかしら。
あとは、普段はちゃらんぽらんだけど、ここぞ、という時には熱い行動力を発揮したり、とかもね。



■そして悪友に戻る

主人公やヒロインっていうのは、さっきの説に従えば、欠損を軸にしながら、それを乗り越えて成長していくものです。だからこそ、そこにドラマが生まれるわけです。

一方、悪友っていうのは、主人公やヒロインの周りをうろちょろして、イジられたりイジメられたり、と、あまりドラマがないんですよね。所謂賑やかしだったり、ギャグ要員としての「面白さ」はあるものの、「ドラマのある面白さ」を感じさせない、というか。

もっと云うと、主人公と悪友の間には、優位/劣位の関係があって、飽くまで主人公の方が上、みたいなのを感じさせる作品も多いですよねぇ。
中には、本当に悪友が可哀想になっちゃうような、そういう作品もあったりしますからw

けど、もし、そうした主人公と悪友の間に優劣をあまり感じさせず、悪友は悪友としての人間的なドラマがあったなら……その悪友はもはや単なる悪友ではあり得ず、立派な助演者としての地位を確立出来るんじゃないかな、というのが、私の主張です。

私が今まで取り上げてきた作品で云えば、『電波電波カプリッチョ!』の明夫なんかは、悪友というか、もはや「舎弟」なんですけど、そういう典型的な「イジられキャラ」のイメージを強く見せつけておきながら、或るルートでは、主人公に対し反旗を翻すような所があったりして、ドラマが生まれています。
しかも、典型的な悪友的キャラとの落差、という部分でインパクトを残しますし、かなり面白い、独自性のある設定だったと思いますよ。

他には、割と最近プレイした『箱庭のうた』なんかは、更に一歩進んでいた印象があります。
プレイしてみると分かるんですが、色々キャラは出てくるんですが、飽くまで「主人公の友人」であって、「悪友」みたいな感じのキャラがいないんですよ。それに近いキャラとして、夏之ってのがいますけど、彼も亦、ただのウザキャラやバカキャラじゃなくて、妹の為に一肌脱ぐみたいな所で、一般的な「悪友」と違う事が示されます。

『箱庭のうた』は、主人公とヒロインを軸とする物語と平行して、「仲間の物語」が描かれており、それぞれのキャラクターはその「仲間」の一員である、という描かれ方なんですよね。
となると、もはや、そこには「悪友」的ポジションのキャラは存在せず、それぞれのキャラクターが、物語内でそれぞれの人生を歩んでいる、という感じで、物語そのものに深みや厚みを感じる事が出来ます。

『電波電波カプリッチョ!』の様に、悪友(舎弟?)のテンプレを使いながらも、それを裏切る、みたいな変化球も面白いですし、『箱庭のうた』のように、「(それぞれにちゃんとキャラが立っている為)もはや悪友と呼べるようなキャラがいない」みたいな設定にしても、魅力的。

「ま、学園恋愛ものだし、悪友出しとくか……」みたいな、惰性での悪友の登用ではなく、何か、目的意識を持った悪友の起用だったり、悪友を魅力ある一人の人間として描けるのならば、その時、悪友は単なる悪友を越えて、物語の名脇役になれるのではないでしょうか。



■色々あるんだけどもね、実際

と、まぁ、主張は同じなんだけど、ちょっと回り道をしながら、色々話してみました。
例によってちょっととっ散らかった感じはありますけど、「悪友達に愛の手を!」というのが、今回のお話のテーマです。

あまりに不遇な悪友達を、もっと積極的に活かしてやってもいいじゃないか、という事ですね。
何も、強烈な存在感を放たなくても、「その世界に確かに生きている」感触が伝わってくるだけでも、随分違うんじゃないかな、なんて思いますよ。

ちょっと恥ずかしながら、大鉈を振るって、「物語とは」みたいな話もしましたけど、当然、例外はありますよね。「○○という作品では、欠損なんてどこにも出てこねーよ!」みたいな反応は当然あると思いますw
一々例外を挙げて、「○○という作品ではその限りではないが」みたいな文章を入れる、ってのも一つの案ですけど、それはめんどくさいし、そこらへんは読解力っつーか、そういうので察して下さいw

けど、「欠損」っていうキーワードで、解釈出来ちゃうものも結構多い、というのも、亦事実なんじゃないかな、と思いますよ。
少し広く解釈していけば、ミステリー作品なんかでも、「事件の真相」という欠損が、読者を惹きつけていくわけですし、その真相を突き止め、還元すれば、その欠損を埋めた所で物語は幕を下ろします。


まぁ、鵜呑みにしないで、話半分で聞いて下さいなw
私のどうしようもない思索が、誰かの考えの種の一つにでもなれば幸いです。


というわけで、今日はこのへんで。

これから、お勧めされた作品プレイしてきます。



それでは、また。
[PR]

by s-kuzumi | 2014-05-18 17:12 | サウンドノベル | Comments(0)
2014年 01月 08日

フリーサウンドノベル関係の雑記 箸休めvol.62

道玄斎です、こんばんは。
今日は、久しぶりの箸休め。気楽に読み流してやって下さいまし。



■バトル描写を巡る問題

サウンドノベル/ノベルゲームに於いて、「戦闘シーン」が描かれる作品ってありますよね。
全部が全部とは云いませんけど、伝奇モノなんかに多いイメージ。セーラー服を着た黒髪のロングヘアーの女の子(可愛い系ではなく、綺麗系の女の子)が、日本刀を持ってチャンチャンバラバラやる、なんてのは、一本や二本、思い当たる作品があるんじゃないでしょうか? まぁ、サウンドノベル/ノベルゲームに限りませんけれどもね。漫画なんかだと、鬼咒嵐さんとか……。

そういう、刀とかを遣うバトルでなくても、肉体をぶつけ合う格闘、或いは、銃なんかを使用したバトル、色々なバトルが想定出来ます。こうしたバトルシーンを持った作品って、結構熱いものが多くって、私は結構好きだったりします。

でも、そうした「バトルシーン」を描写するのって意外と難しくないですか? 実体験を作品に活かす、というのが、説得力のある描写や作品の一つの要件だと思われるのですが、実際に刀で斬り合った人なんて、皆無ですし、それなりに普通に生きていれば、ケンカくらいはあるかもしれないけど、激しい戦闘に巻き込まれる事も無いと云って差し支えないと思います。

例外は、何か格闘技をやっている(やっていた)人の場合ですね。
日々の練習や試合で培った、経験を活かしてバトルシーンを書いていったりすると、やっぱり、そこには説得力が生じるのではないでしょうか。私も、色々サウンドノベル/ノベルゲームをプレイしている方ですけれども、バトルシーンを読んで、たまに、「あっ、これは、何かの経験者だな」と気付く事があります。それは、描写される「技」だったりが、実在していたり、「実際にその技を使った事のある人しか分からないであろう実感」、みたいなものも併せて書いてあったりする場合です。
まぁ、勿論、書籍なんかで知識を得て、それを巧みに使用した、という可能性も否定出来ませんけどもね。


前置きが長くなりましたが、「説得力のあるバトルシーンを描く」というのは、バトルを内包した作品に於いて、それなりの重要度があるんじゃないかと考えるわけです。

私の知り合いのゲーム作者さんも、バトルシーンを描くに当たって、結構悩んだようです。
で、私に、「バトルの描写をしたいんだけど、上手い方法ないかな?」と、聞いてきたわけです。私は、その時、割といい加減に、「んー、本屋さんで格闘技とか、お目当ての武術の本とかを探してみて、技とかを取り入れてみたら?」と、答えてしまったのです。

で、その後、色々考えてみたのですが、「バトルシーンの描き方」って云っても、大きく二つに大別されるんじゃないかな? と思い至ったのでした。
一つは、「技や技術の描写」です。つまり、どういう構え方があるのか、とか、或る技を使うと、どう体が動くか、とか、或る打撃を食らった際、人がどう倒れるか、とか、そういった部分の描写の仕方。
もう一つは、「それを、どのような文体で描写するか」という、「描写テクニック」とでも云うべき、描き方の問題です。

もしかしたら、私が聞かれたのは、後者の方だったのかもしれません。
私が、バトルシーンに定評のある作品を何作も作っているならともかく、そうでないわけですから、その可能性は低いんですが、もしかしたら、「今までプレイした作品の中で、ハッとするような描写があったら教えてくれ」という意味だったのかな、なんて考えると、ちょっと悪い事をしたなぁ、と思ったり。



■「意識の流れ」を取り入れてみる

で、もし、後者だった場合を考えて、「どういうアドバイスが出来るのか?」を考えてみた結果、行き着いたのが「意識の流れ」です。

これはジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』という作品で取り入れられた技法で、非常に有名なものなのですが、海外作品だけでなく、例えば、川端康成も取り入れた事のある技法です(『ユリシーズ』に影響されたんですね)。
川端康成には、例の『伊豆の踊子』だけではなく、『水晶幻想』なんて作品があるんですよね。で、その『水晶幻想』が、意識の流れを取り入れた作品となっています(川端の他の作品にも、意識の流れを取り入れたものがあるんですが、便宜上省略します)。

で、まぁ、意識の流れってのは、どんなもんじゃい、っていうと、一言で説明するのは難しいんですが、「登場人物の意識の流れを、連想ゲームのように叙述していく方法」って云えば、伝わるかな……。
試しに、ちょいと、『水晶幻想』を引用してみましょう。

廃墟。栄華と逸楽の町、ポンペイ。ポンペイの廃墟には、スペキュラムも埋もれていた。死の町。埋れた私の日々、埋れた日々の廃墟である私。この人と結婚してほんとうによかったと思ったことが、私に一日でもあったかしら。ほんとうに、私はこうしてお嬢さんと向い合って坐っていて、私は私の内に坐っている。二人いながらひとりぼっち。夫の腕のなかにいる、あの時の孤独。孤独なありさまの獣類の感情はどんなものかしら。乳児の孤独。子供の見るもんじゃありません。(川端康成、『水晶幻想|禽獣』、講談社文芸文庫、1992年から、114ページ目の一部を引用)


と、こんな感じ。
適切に分かりやすい所を引用出来てるかどうか、定かではないんだけど、何となくイメージは掴めるんじゃないかと。登場人物の頭の中、その時の思考を、思考の脱線をも含めて、進行していくような様子を書き留め、そのまま叙述する。厳密な定義はともあれ、大凡、こんな感じの文章です。

これが、どうして、バトルシーンに良さそうか、っていうと、上記の文章を見て貰えれば分かるように、「意識の流れ」を描こうとすると、一つ一つの文章が、短くなります。下手をすれば単語の連続になったりもするわけです。
バトルシーンの描写は、迫力とか、そういう部分も大事だと思うのですが、「スピード感」も重要要素です。手に汗握るはずのバトルを、だらりと描写されたら、きっと締まりがないものになってしまいます。
なので、戦いながら、主人公なりの「意識の流れ」を、上手く描写する事が出来れば、バトルのスピード感が出せるんじゃないかと思うのです。

ただ、「意識の流れ」をそのまま使ったんじゃ、余計なノイズも入り込むかもしれません。
私達も、普段、何気なく物を考えたりする時、ふと、何となくその思考のスキマに「かまぼこ」の事を考えたり、「数年前無くした小銭」の事を考えたりすると思いますw 

バトルの描写で、「かまぼこ」が入り込んじゃどうしようもないですよねw
なので、飽くまで「戦闘に関する意識の流れ」と、限定して使ってみるのが、基本になるのではないでしょうか。



■けど、たまに目にするよ?

……と、つらつら「意識の流れ」を、バトルシーンに使ってみる事について書いてみたんですが、もしかしたら、「似たようなの、見たことあるぜ?」という人もいるかもしれません。実際、私もサウンドノベル/ノベルゲームで見た事があります。

「斬られた!? 温かい。血。右足。濡れている。後ろ。後ろに下がらなきゃ。足、動かない。」

みたいなw
ちょっと、あんまりな文章ですけどもねw
これを、そのまま「意識の流れ」と云っていいのか、はともかくとして、ちょっとしたアイデアの一つにはなる、かも、しれません……。

あんまりこれをバシバシ使うと、それはそれで間延びしちゃいますし、だらけちゃいますから、「ここぞ」って時に、ちょこっと拝借してみる、みたいな感じで使ってみると面白いかもしれません。
私達にとって大事なのは、「意識の流れ」に対する理解ではなくて、その効果的だと思われる部分を、こそっと(いや、こそっとしなくてもいいんだけどさ)掠め取ってしまうという所なので、盲信せず、使えそうだと思ったら、お試し下さいませ。



という辺りで、今日はおしまいです。
たまには、こういう記事もね、あった方が、個人的に楽しいです。



それでは、また。
[PR]

by s-kuzumi | 2014-01-08 20:29 | サウンドノベル | Comments(0)
2013年 04月 15日

フリーサウンドノベル関係の雑記 箸休めvol.60

道玄斎です、こんばんは。
最近、ちょこちょことゲームをプレイしています。けど、どちらかと言えば、ストーリーが流れていく、とはちょっと違った、単発のネタという感じで(そういう中にも面白い作品があるのは重々承知していますが)どうも、レビューを書こう、という気にはなれないでいます。

で、折良く(?)メールを頂戴致しまして、そこに、ブログの記事に出来るような、そういう質問が書いてあったので、それに答えたりしながら、今日はお茶を濁します。



■好きな商業ゲームと好きな声優さん

Q.あたなの好きな“商業”ゲームはなんですか?


こういう質問を頂きました。
こういう質問の答えって、その時々で答えが変わりそうではあります(今後、より好きになる作品があるかもしれませんし、その時の精神状態? みたいなものも影響あるかもしれません)。
それはともかく、質問の答えですが、今の私ならば……『天使のいない12月』という作品になりましょうか。あのLeafが作っている商業ゲームです。もう、10年くらい前の作品ですけれどもね。

どこが気に入っているのか、と言うと、まぁ、色々あって一々列挙するのもアレなんですが、「むやみに長くない引き締まった尺」だったり、「作品の持つ少し暗めのトーン」だったり、「Hシーンとシナリオが不可分である所」だったりします。もっと細かい所を挙げていけばキリがないので、このくらいでw

私は、正直な所、商業ゲームには付きもののHシーンにはあまり関心がありません。
それよりは、ストーリーだったり、全体の雰囲気だったり……そういう所の方がよっぽど気になるのです。けれども、『天使のいない12月』のHシーンは肯定出来ちゃうのです(勿論、全部ではないけれども)。というのも、ちょっと検索掛けて貰えればすぐに分かると思いますが、この作品は、少年が、ふとした事からクラスメイトの女子と関係を持ってしまう、という所を始発点としている物語だからなのです。

それで、こうやって書いてしまえば非常に陳腐になるんですが、「身体は繋がるけれども、心は繋がらない」みたいな、そういうのがテーマの一つとして進行するわけで、Hシーンがシナリオと非常に密に絡み合っているんですよね。
で、良くありますよね? 商業作品で所謂「売れた」作品が、その後Hシーンを抜いてコンシューマー化される事が。
けれども、『天使のいない12月』からHシーンは抜けないんです。抜いたら物語が成り立たなくなってしまう。そういうレベルでHシーンがシナリオと絡み合っている所が、この作品の長所の一つだと思っています。機会があれば、是非プレイしてみて下さい。

ただ、今、ザッと『天使のいない12月』の評判を調べたのですが、私が予想していたよりは人気ないみたいですねw とはいえ、ヒロインの一人(メインヒロインじゃない)須磨寺雪緒のシナリオは結構評判が良いみたいです。須磨寺雪緒は、私の大好きな声優さん、井村屋ほのかさんが担当しています。少しハスキー且つ上品なお声で、とても素敵な声優さんですよ。要チェックだ!



■そしてゲーム制作のお話

んで、も一本、質問を頂きまして、それが「ゲーム制作」に関する質問でした。
それは、例のよって例の如く、「どうやってゲームを作ったらいいのか?」というものでした。

私もチラッとそれっぽい文章を書いたりした事もありますし、ネットを探せば大量にその手の情報は見つかると思います。又、そのものズバリの書籍もありますから、是非、そうした情報、書籍に触れてみる事をお勧めします……と、だけ書こうと思ったのですが、ちょっと風向きが変わってきました。

というのも、昨日、ゲーム制作に関する交流会が、東京は秋葉原であったらしいのです。
その交流会の存在は、私は既にして知っていて、「どんな内容なのかなぁ?」等と、ちょっと興味を持っていた訳です。いっそ参加してみようかな? とすら思っていたのですが、悲しい哉、年齢制限に引っかかっている為、参加出来なかったというw

その講習/交流会の概要を見てみると、楽しく同人ゲームを作るためのノウハウを学び(専門家によるアドバイスコーナーあり)、志を同じうする仲間と交流を深める、みたいのがメインテーマのようです。
そして、実際、参加した人の声(とか)がtogetterというサイトに纏められています。内容はこちらからどうぞ。

まぁ、私は、その場に居なかったので無責任な事は言えないし、この講習/交流会の掲げる「同人ゲーム」っていうのは、所謂シェアゲームって事みたいなので、フリーのノベルゲームがメインの私にはあまり関係がなさそうです。

けれども……こうした会が開催され、参加した人がいる、という事は、取りも直さず、ノベルゲーム制作のノウハウを求めている人がいる、という事を示しています。
そして、断片的な情報ではありますが、ノベルゲーム制作というのは、ハードルが高く、完成させられる人は極僅か、という話が出ていたようです。

勿論、利益を上げる為の「同人ノベルゲーム」と、利益を追求しない趣味として制作する「同人ノベルゲーム」の位相は自ずから異なります。理想を言えば、自分の趣味を追求しながら、尚かつ受けて、「売れる」ものが作れる、というのが一番でしょう。けど、それは非常に難しそうです。だからこそ、こういう講習・交流会が開かれたりするのでしょう。

昨今のシェアゲーとしての「同人ゲーム」に求められるもので、且つ、フリーのノベルゲームならばカットしてしまっても、そこまでクリティカルにならない要素を挙げていけば、「OPムービー」「主題歌」「ボイス」「立ち絵/一枚絵」なんかになりましょうか(や、立ち絵くらいは今はフリーのものでも必須かな……)? で、そこにお金が発生したりするわけですよね。そこがシェアゲーム的な意味での「同人ゲーム」制作の一つの壁である、と。

けどまぁ、フリーのノベルゲームを作る! と決め込んでおけば、そこまでコストを掛けずに制作する事も可能なわけです。コストという壁が無ければ、あとは自分の腕一つ、みたいな感じですよね。それに、協力してくれる良い仲間がいれば、先に挙げたいくつかの要素を自作品に実装する事だって出来るかもしれません。お金を払う事だけが仲間を作る手段じゃないですものね。

で、かなり話としては遠回りしちゃいましたけど、又、ノベルゲーム制作の方法っていうのは、やっぱり需要はあるんだなぁ、と痛感したわけです。


けど……一口にノベルゲームを作りたい、って言っても色んなパターンがありますよね。
「既に小説として発表しているものを、ノベルゲームの形式として作り直したい」とか、「大体のストーリーは頭の中にあるけど、まだ実際に何もしてない」とか、はたまた「何だか分からねぇけど、ノベルゲームが作りたい」とか、「ストーリーも何もないけどキャラは出来てる」とかw

で、それぞれがどういう段階に居るのか、で、必要とするアドバイスやノウハウって異なると思うんです。
どんな段階の人でも有益なアドバイス・ノウハウって中々無い。なるべく網羅的に書こうとすると、薄味になったり、詳しく書こうとする余りに、全体を俯瞰する視点が欠けたり……。

それに強調しておきたい事なんですが、「絶対的に正しいやり方」というのは、恐らく存在しない、という事です。人の数だけやり方はあるでしょうし、或る人のやり方が合わなくても、別の人のやり方ならしっくりくる、という事は十分考えられます。

書籍だって、同じ事が言えるんじゃないでしょうか?
その人にとって、役に立つ本、役に立たない本、色々あると思います。
私は『ノベルゲームのシナリオ作成技法』というそのものズバリの本を所有しています。「シナリオの書き方」みたいな本もそれなりの数集めて、読みましたw

当然、こうした本を書くくらいですから、著者は、シナリオとか、或いは「ノベルゲームのシナリオ作成」に精通しているわけです。少なくとも、全く役に立たない、という事はないのです。
けど、実際に、それが自分にとって応用可能なのか、といえば、そうとも言えないのが難しい所。

なので、一つの制作方法に拘泥せず、色んな制作方法に目を通してみましょう、というのが私の言いたい事だったりします(色んな人の色んな技法を纏めるサイトとかあると凄い有益だと思う)。たまにいるのが、「この本買えばいいのかな? それよりもっと良い本があるかも……」みたいに悩むタイプ。そりゃ、一冊18,000円くらいするならば、本を買うのにも慎重になるでしょう。けど、『ノベルゲームのシナリオ作成技法』なんかだと、2,000円でお釣りが来ます(但し、今は増補版が出ていて、もうちょい値段が高くなってるかも?)。

兎にも角にも、ゲームが作りたいなら、四の五の云わずに、2,000円くらいのものなんですから、買っちゃえばいいんですよw それに、読み物として読めるくらいにライトな語り口ですから、通勤・通学途中に読んだっていいし、寝しなに読んでもいい。


あと、一つ言いたいことは、兎に角何かしらの方法で作品を作って、世に出した後、これらの制作講座や、書籍を読み直してみて欲しい、という事です。
意外と合わない、と感じていた部分が、実は合理的な方法である事が判明したり、一本作って初めて理解出来るような、そういう部分がきっとあるハズです。


んー、何か、ノベルゲームの製作法とは、みたいな話から大分ずれて、制作講座やら書籍の利用法みたいな話になってしまいましたね。

作り方……に関しては、兎に角一本作ってみる、という事を以前から、繰り返し述べています。これも以前から言っていますけれども、「ざ、斬新なゲームを……!」と頑張るのも結構なんですが、それで斬新な作品って出来ました? 大抵の場合、そのプレッシャーに押しつぶされたりして、いつの間にかプロジェクトが立ち消えになっていたりしてw
勿論、最初っから、斬新な作品を作れちゃう人もいます。けど、そういう人は一種の天才というか、才能のある人でしょうから、除外して考えましょうw

なので、ちょっとバカっぽくて、遠回りと思えるかもしれないですけれども、オーソドックスな作品を作ってみる事をお勧めしているわけです。オーソドックスな作品だって、個々の要素をズラしたり捻ったりしていけば、一味違う作品が出来るんじゃないでしょうか? それに、斬新な作品を狙う貴方/貴女が、オーソドックスなものをオーソドックスなまま仕上げちゃうとも思えません。結果的に……それは斬新な作品になりうる可能性を秘めているのです!


まだまだ話したい事もあるのですが、流石に長くなりすぎました。
というわけで、今日はこの辺で。



それでは、また。
[PR]

by s-kuzumi | 2013-04-15 02:00 | サウンドノベル | Comments(2)