人気ブログランキング | 話題のタグを見る

久住女中本舗

kuzumi.exblog.jp
ブログトップ
2008年 12月 23日

フリーサウンドノベルレビュー 『ザ・遭難』

フリーサウンドノベルレビュー 『ザ・遭難』_b0110969_19593672.jpg

今日の副題 「結構ギャグが効いてます」

ジャンル:遭難ノベル(?)
プレイ時間:小一時間くらい。
その他:選択肢なし、一本道。
システム:NScripter

制作年:2008/12/16 (?)
容量(圧縮時):3.20MB



道玄斎です、こんばんは。
大分、レビューのペースも上がってきた感じはしますが、もう暫くは割と短めのものを中心にプレイして、肩慣らしをしていこうかと。
今日ご紹介致しますのは、タイトルが全てを示しているというw 所謂遭難モノです。
割と、遭難から始まる作品ってありますよね。遭難してたどり着いた村が、昔ながらの生活を続けて居たとか(『一籠の眼』でしたっけ?)、或いは廃墟を発見してそこでホラー的なシナリオが進行していくとか。
そういう、遭難を視点としてストーリーが展開していくわけではなく、今回の作品はそのものズバリ遭難を扱った作品でした。
というわけで、今回は「昭和ソフトウェア開発局」さんの『ザ・遭難』です。
良かった点

・主人公の悲惨さに伴うギャグが結構面白い。


気になった点

・ラストがちょいと締まらなかったかも

ストーリーは、ふりーむ!の紹介文を載せておきましょう。
主人公である男子高校生のけんじは、週末に部活仲間の女の子と山に向かったが遭難してしまった。そんな中で、お菓子をめぐって口ゲンカが起こり、最悪な状況となってしまう。果たして、主人公は・・・ハッピーエンドが好きな方はどうぞ。

こんな感じのストーリーになっています。


タイトルが妙に力強いですねw もう、タイトルが作品の全てを表しているというか……。
ストーリーを読んで貰えば分かるように、埋蔵金ほしさに友達と山に探索に行くも、遭難してしまい、食料も無くなって……という状況で起こる心理劇みたいな、そういう感じでしょうか?

極限状態に陥って、イライラギスギスしていく人間関係。そこらへんに本作のテーマがあるようです。
ただねぇ、こう、山で遭難して三日くらいじゃ死なないと思うんですよw 水が無くなってしまうと人間は割と早く死んでしまうのですが、食べ物に関しては半月くらい食べなくても、何とか生きていけるハズです。実際に遭難したら、先ずはやっぱり水の確保が需要なのかも。
或いは、火をたいて人に知らせるとか、色々手段はあるかと思います。こういう時、持っていると便利なのは刃物の類。ちょっとしたナイフがあるだけで、全然違いますからね。

さてさて、本作の面白い所は、主人公のちょっと笑える悲惨な状況にあったりしますw
あんまり語ってしまってはアレなんですけれども、食料をみんなで出し合う時に、彼は自分の大好物の「高級酢コンブ」は供出せずに、こっそり隠してしまいます。
ですが、その酢コンブを隠している事はすぐにバレてしまって……。この辺りの妙なドキドキ感、結構面白いです。ウソをついて人を出し抜こうとした時に生じる、妙な後ろめたさと、それを見抜かれる時の何とも言えないバツの悪さ……。意外な程リアリティがあるように感じます。

気になった点は、まぁ、それなりにあるのですけれども、シメの部分と微妙になげやりな所がある点でしょうかね。
先ずは、投げやりな部分から。いや、結構笑えるかもしれないのですけれども、登場人物の一人であるたまみの妹も、この埋蔵金探しに付いてきます。が、彼女の名前がなんと「あほみ」というw 何か妙に脱力してしまうような確信犯的な投げやり具合w
他の登場人物が、主人公のけんじを初め、のぞみとたまみですから、ネーミングにおかしな点はない。けれども「あほみ」なる謎の存在が……w

シメの部分も、本当にハッピーエンドだったのかどうか、ちょっとね。
もう五分延長して、たまみやあほみとの和解があるなり、主人公の質的な意味での成長を見せてくれても良かったかな、と。
何となく、収まりが悪いというか、シメ感がないので、そこらへんを改良していけば、もっと一個の作品として纏まったものになったのではないでしょうか?
やはり、少し中途半端に終わってしまった印象はあります。


とはいえ、シンプルな内容ですし、結構笑える部分が多いので、そういう部分に着目しつつプレイするのが吉。
あんまりストーリー的に展開はしないけれども、軽い読み物として楽しんでみて下さい。


それでは、また。

by s-kuzumi | 2008-12-23 20:14 | サウンドノベル | Comments(0)
名前
URL
削除用パスワード


<< フリーサウンドノベルレビュー ...      なんてことない日々之雑記vol... >>