2009年 02月 07日
道玄斎です、こんばんは。 最近、あんまり更新をしていない「箸休め」をたまには書こうと思ってつらつらと。 ■波 以前、コメント欄でもご意見があったのですが、フリーのノベルゲームは何となく波があるようです。ここで云う波とは、所謂「登録サイト」への登録の波というか、作品のリリースの波というか、まぁ、そういう感じ。 何か、毎日毎日新作が出ている時があったかと思うと、パタリと新作が出てこない時期が続く、なんて事がどうやらあるようです。 フリーでノベルゲームを公開して下さっているサークルさんや作者さんは、シェアの同人ゲームも作られている事も多く、何かイベントがあったりすると、やっぱりそれに向けてシェアの方の制作に専念なさる、なんて事もあるわけでして、そういう時期はやっぱりフリーの新作は少なくなってくるような。 そういう時期は、何となく感触として、やっぱり「体験版」が良く情報サイトに載っていたりします。シェアのものまで手を出してしまうと、本当に収拾が付かなくなってしまうので、私としては、基本路線は「フリーオンリー」で。たまに何かの拍子でご縁があったり、タイミングが良かったりすればそうでないものも極々希に紹介する、という、そのくらいのゆるーいスタンスで、これからもやっていく積もりです。 ■中々興味深い体験版 で、今日も今日とて、つらつらと情報サイトを見ていたら、中々興味深い体験版を見つけました。 その名も『夢の浮橋~新釈源氏物語~』。そう、『源氏物語』のノベルゲーム化です。 これはいいですねぇ……。実際の所体験版もプレイしていないのでアレなんですけれども、こういう作品もアリだと思います。 どうやら、時系列に沿って居らず(というか、原作自体が時系列に沿ってなかったりするんだけども)、やりたい巻から制作していく、というスタンスのようです。 けれども、寧ろ『源氏物語』に限って云えば、それはやっぱりアリ、なんですよね。 というのは、『源氏物語』を読もうとする現代人に立ちはだかる大きな壁は「須磨」巻。大体、「桐壺」巻から読み始めて、何とか「須磨」巻までたどり着けるものの、ここらへんで飽きてしまう、という難所なのですw これを俗に「須磨返り」と申しますw まぁ、それは兎も角、やっぱり頭っから読んでいくことで、ストーリーとしては追っていきやすい部分は多分にあるわけですが、全部で54帖という超絶な長さですから、どうしても秋風(秋=飽き)が吹いてしまう。 そこで、取っつきやすい部分から、適宜ストーリーを提供していく、というのは「飽きさせない」為の工夫としては中々良いのではないかと思うわけです。多分、大体数の人は少なからず『源氏物語』に興味があって、この作品をダウンロードするなり、購入するなりすると思いますので、或る程度の予備知識がある事、想像に難くない。 そうすれば、ある巻がぽつんと出てきても大体の背後関係は分かっているわけですから、スムーズに読めるのではないかと。 別に私は『源氏』を絶対視しているわけじゃないのですが、良くいいますよね? 『聖書』を読めば世の中にある全ての物語のパターンが出てくる、と。 『源氏』にもそれに近いことが言えるわけで、『源氏』を読むと、その後に出てくる物語の或る程度のパターンが(或る程度)分かるんじゃないかと私は思います。 ですので、ノベルゲーム、サウンドノベルを嗜むものとして、『源氏』は一回くらいは目を通しておくといいんじゃないかなぁ、なんて思ったり思わなかったりw ただ、ノベルゲーム/サウンドノベル化した時にどういう処理をするのか? という辺りは少し気になります。具体的に云うと、「和歌」をどう処理するのか? 或いは、「人物の呼称」をどう処理するのか? という問題です。 和歌は現代語訳したものを載せるのか、或いはそこだけ古語にするのか、或いは思い切って省いてしまうのかとかね。和歌自体が、なんて云うのかな? 大抵の場合、表面上の言葉に掛けて裏の意味を持っていたりするわけで、中々現代語にしにくい、という状況もあるわけです。 人物の呼称の問題は、例えば、頭中将なんてメジャーな人物が居ますけれども、彼だって物語の中で「生きて」「成長」しているわけです。ですから、彼も出世するに従って「内大臣」って呼ばれるようになったり「致仕の大臣」なんて呼ばれるようになったり、呼び名が変化していきます。 よくよく考えてみると、『源氏』を始めとする物語の登場人物は、「名前がありません」。 大抵の場合、役職(官職)の名前で呼ばれたり、女性の場合はニックネームだったり、奥さんだったら「北の方」とか、そういう呼ばれ方をします。 ほら、例えば、『源氏』を書いた(とされている)紫式部だって、本名は分からないでしょ? 藤原さんの家だから、名字は藤原さんでしょう。だけれども下の名前が分からない。昔、「藤原香子」なんじゃないか? という説が出た事もありましたが、ちょっと怪しいですよね。 清少納言もそうで、彼女の場合は「清原さん家の少納言(の役職を持った親戚がいる)」という意味で「清少納言」と名付けられていますが、やはり本名は不明。 話を戻すと、ノベルゲーム/サウンドノベルで登場人物の呼び名がころころと変わってしまうのは、ちょっと問題な気がします。この問題をどう処理していくのか? ちょっと気になる所です。 体験版は普段はプレイしない主義なんですが、暇を見つけて、ちょこっとプレイしてみようかな、なんて思っています。 まぁ、流石に『源氏』は長すぎるんですが、もっと短い物語だったら、割と簡単にノベルゲーム化する事が可能なんじゃないかしら? 勿論、立ち絵とか付けてさ。 何よりも、シナリオの部分が既に完成しているわけですから、それをどういうスタイルで書いていくのか(原文は、誰かが物語を、語って聞かせている、という体裁を取っています)という問題はあるものの、「登場人物」「舞台」「イベント」「結末」なんて部分は既に出来ているのでした。 そういうのをちらほら作ってみれば、国語の教材になるじゃないかw その内、気が向いたらちょっと打ち込んでみようかしら? なんて。 さて、プレイ途中のゲームがあったり、又プレイしたいと思っている作品もあったりするのですが、ちょっとここ数日、雑事に紛れて、中々出来ず。 来週は、少しゲームの更新が出来たらいいなぁ、なんて思っています。 それでは、また。
by s-kuzumi
| 2009-02-07 01:59
| サウンドノベル
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Comments(2)
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はな
at 2009-02-07 19:12
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はじめまして。
いつも興味深く拝見させていただいております。 さっそくリンク先をのぞいてみましたら、葵の上の生存ルートがあったり、サンジェルマンが登場したりと、なかなか面白そうな展開が紹介されていて興味をおぼえました。 葵の上の死なんて原作では序盤の泣きシーンだけに、どういうふうにやってくれるのか期待でいっぱいです。 やはりゲームだからこそ出来る楽しみ方があっていいですね。 こういう源氏もありかなと思いました。 面白そうな作品の紹介、ありがとうございました。
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s-kuzumi at 2009-02-08 19:51
>>はなさん
こんばんは、はじめまして。 葵の上の生存ルートがあるとはびっくりですね。 これも「巻ごと」に作品が作られている事と関係がありそうですねぇ。54個で一つの作品というよりも、54個の作品が集まった「作品集」という感じかもしれませんね。 個人的な事を話すと、私は『源氏』に出てくる女性だと葵の上はかなり好き(もしかすると一番好きかも)で、あそこではかなくなってしまうからこそ良い、と思ってる部分もあったりするので、少し複雑な気持ちはするんですけれどもw なにはともあれ、今回の記事が少しでもお役に立てたのならば幸いです。 またどうぞお気軽に書き込んで下さいませ。 |
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