2009年 02月 28日
道玄斎です、こんにちは。 今日は休日なので、気になっていたゲームをプレイしたり、ちょっと面白そうなゲームを探したりしています。 その中で、ちょっとさっくりとプレイ出来そうで、且つ面白そうな作品を見つけたので早速ご紹介。 というわけで、今回は「mio」さん(でいいのかな?)の『テーブルの上には。』です。ベクターのリンクを張っておきます。 そうそう、20~30分くらいと書いてあったのですが、私がプレイしてみると10分くらいで終わってしまったので番外編でお送り致します。 久々のミステリーですね。 ホラー風味のミステリーというか。ちょっと独特な雰囲気を持っている作品でした。 何の前置きも無く、主人公達の目の前のテーブルに死体が置かれている、という状況から本作はスタートします。 そして、ストーリーが進むにつれ、主人公達は全く見ず知らずの男女5人(+死体)である事、自分たちの居る部屋が密室であり、外に出ることが出来ない事といった状況が明らかに。 面白いのは、この密室に集められた人たちは、ある共通項がある、という事。 それは、監察医であったり、葬儀屋さんであったり、或いはネクロフィリアの人、怪しげな宗教(死体崇拝をしているっぽい……)に入信している人など、「死体を見ても驚かない人」で、且つ「世の中に無気力になっている人」が集められているのでした。 ネクロフィリアなんて言葉が出てきますが、これは「死体愛好」の事ですね。 一見、奇抜で馴染みのない感じがしますが、実はノーベル文学賞を受賞している川端康成なんかも、このネクロフィリアを題材とした『眠れる美女』という作品を書いていますし、古くは『源氏物語』にも、それっぽい描写が出てきている事、先学が指摘しております。 具体的に云うと、『源氏』の後半で、宇治の大君というキャラが死亡するわけですが、その死体をじっと見つめる薫がネクロフィリア的だ、と云われているわけですね。薫は表向き光源氏の息子という事になっていますが、ご存じの通り、柏木と女三宮(光源氏の後妻だ)の密通によって生まれた子です。念のため。 と、また脱線でしたね……。 ともあれ、こうした「死体を見ても驚かない」とか「世の中に無気力になっている」といった特徴が、この密室に閉じこめられた人たちの共通項、なのですが、そうした共通項をラストで捉え直す、というのが本作のオイシイ所。ただ、ラストまで見てもスッキリするかどうかは……ちょっとねw 或る意味で、結構救いようがなくて、本当に密室みたいな息苦しさを感じる作品でした。 BGMも、メロディアスなものではなく、寧ろ暗くて、ちょっと隠微な雰囲気を出すリズム主体の音楽といった感じ。 ラストで少し分かりにくさがあるような気がするのですが、短いながらも、緊張感のある作品に仕上がっていて、久々に面白かったです。幽霊とかじゃないホラーが好きな人、或いはミステリーが好きな人はどうぞ、プレイしてみて下さい。 それでは、また。
by s-kuzumi
| 2009-02-28 14:32
| サウンドノベル
|
Comments(2)
|
アバウト
カレンダー
メモ帳。らしきもの。
■レビューリストを作りました。随時更新予定です。こちらからどうぞ。
■ノベルゲームのコミュニティと素材ポータル始めました 制作者の方とプレイヤーを繋ぐような、そんなコミュニティを作りました。 こちらからどうぞ。 そして、ゲーム制作に利用出来る素材ポータルサイトも作りました。 こちらからどうぞ。 どちらも、是非ご覧になってみて下さい。そして、ご参加/ご利用頂ければ幸いで御座います。 フリーのノベルゲーム/サウンドノベルをレビューをやっております。たまに私のどうでもいい日々之記録が入る事がありますが、ご了承下さいませ。 ・“引用”としてスクリーンショットやストーリーの概略などの文章を使わせていただいております。問題が御座いましたらご連絡下さい。対処いたします。 連絡先はkazenitsurenaki あっとまーく gmail.com です。 ・レビューは「甘口~中辛」くらいです。 ・評価は完全に私個人の主観に基づいています。評価は「大吟醸」「吟醸」「無印(=純米)」の三段階となっております。参考までに。 で、実は、 こちらが本館です。ブログは別館的な位置づけなのですが、何故かこちらがメインになってしまっています……。バナーなんかもあるので、リンクを張って下さる方はご利用下さいませ。 リンクに関しては、お好きにやっちゃって下さい。許可なんかは一切要りませんので。 本館の方では、謎の音楽制作などをやっております。こっそり更新している事もありますので、たまに見てやって下さると嬉しいです。 カテゴリ
以前の記事
2024年 12月 2024年 11月 2024年 05月 2023年 07月 2020年 08月 2020年 05月 2020年 01月 2019年 12月 2018年 09月 2017年 09月 2016年 12月 2016年 06月 2016年 04月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 10月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||