2009年 03月 18日
道玄斎です、こんばんは。 今日は、これからちょいと気になる作品を見つけたのでプレイするつもり。 なんだけれども、書き留めておきたい事なんかもあるので、又しても久々に箸休めを。今日は私も全然馴染みの無い世界のお話……。 ■海外のサウンドノベル事情を軽く眺めてみる というわけで、今回は、海外のサウンドノベルの状況をちらりと覗いてみようかと。 とはいへ、「海外発」というよりは、我が国にて作られた作品が海外でどう受容されているのか? とか、その辺りの事情の一端を見てみましょう。 altogether というサイトがあります。 ここは、どうも、日本のサウンドノベルの中から、作品を取り上げレビューし、尚かつ翻訳し、配布しているサイトのようです。多分、米国かな? 英語だし。って英語圏って一杯あるんだけれども、雰囲気で米国っぽい。whois掛けてみたら、サーバーは米国にある事は判明しました。けれどもサーバーがあるからって、サイトの運営者がその国に在住しているかってーと、それはまた別物だもんね。 で、そこで取り上げられている作品を見ると、お馴染みの作品が丁寧にレビューされ、翻訳されています。 どうも、傾向を見るに「感動系」の作品の比率が高いですね。少なくとも2008年のものに関しては、私は全てプレイしてますし、結構レビューも書いたりしていますねぇ。例のクリックして熱量を蓄えて打撃を加える、ミニゲームも実は窃かに遊んでいたんですw ノベルゲーム探しをやっていると、たまに「ちょっとやってみようかな?」と思うようなゲームが見つかる事があって、屡々そういうので遊んだり、ね。 ざっとしか見ていないのですが、かなり本格的なレビュー、分析がなされています。 書物からの引用も多いですね。フランス語、ドイツ語文献からの引用なんかもあったり、或いは現代日本に関する書物を引いて作品のバックグラウンドを探る、なんて試みも。勿論、かなりの分量があって、私のレビューなんかより全然長いですよ。 で、かなり日本のノベルゲーム/サウンドノベルを研究しているな、と思いますね。恐らく著名な情報サイトやベクターのようなサイトにも足繁く通って、作品を探しているのではないかと。少なくとも、翻訳出来ちゃうんだから、きっと日本語が滅茶苦茶堪能な方達がやっているサイトでしょう。 またねぇ、レビューサイトなんかもチェック入れているみたいで、私の敬愛する某レビュワーの方についての言及があったり(海外でも一目置かれている……凄いとしか云いようがない)、英語圏でのノベルゲーム受容に関しては、かなりお腹いっぱいになれるサイトです。 各々の作品に対して、滅茶苦茶細かく述べているので、扱っている作品数自体は少なめなんですけれどもね。 ただ、どうしても気になる点があったんです。 それは翻訳の問題。特に「タイトル」に関してなんですな。『ごがつのそら。』がまんま『May Sky』になってたりとかね。私が作っているのではないので分からないのですけれども、『May Sky』は確かに「五月の空」でしょう。けれども、本家が敢えて『ごがつのそら。』と平仮名で、そして「。」付きで示されているという、そういう何かしらの含意がそこにはすっぽりと抜け落ちてしまっている気がします。 『月照~ツキノテラス~』が『Moonshine』になっている、というのも、やっぱり気に掛かる所。 かと思うと、その一方で、『願えばきっと…』なんかは『From the Bottom of the Heart』なんて、ちょっと気の利いたタイトルになっていたりして、こりゃ、どういうわけだ? と。 やっぱりね、日本語を逐語訳的に、英文に置換するよりは、私としては作品の内容を踏まえて英語版は英語版のオリジナルのタイトルを付けた方が、良いような気がしますねぇ。原題は、日本人なら無意識的に捉える事の出来る「雰囲気」とか「ニュアンス」とか(平仮名なのか、漢字なのか、或いはカタカナなのか、ってな部分でもそういうモノってありますよね?)、そういうものを持っている事は非常に多いと思うので、それを逐語訳しちゃうと、却って外国の人には分かりづらいものになってしまうのではないかと。 そうは云っても、海外に於いてもノベルゲーム/サウンドノベルが広まっていくのは、ファンとして素直に嬉しいと思います。これもね、日本の文化みたいなもんですよね。 原点に戻れば、お姫様相手に、女房が物語を読んで聞かせ、当のお姫様はその物語の「イラスト集」を見ていた(と推測される)平安時代からの、古式ゆかしい伝統なのですよ、ノベルゲームってのはw そういう事を考えていくと、潜在的に日本には、「ストーリーそのもの」と「キャラ」を分けて考えるような、そういうものもやっぱりあるのかしらね。 で、話を戻して海外とノベルゲームについて語っていきましょう。 ちょっと前に、海外発のノベルゲームがあるらしい、という情報を聞きつけ調べてみると、出てきました。 『かたわ少女』 なる作品です。 これ、まだ体験版も出来ていない正に制作中の作品。 ただ、タイトルがねぇ……。これはちとマズイんじゃないかなぁ……? 少なくとも放送禁止用語みたいですし、日本人の感覚としては、良くないタイトルだと思います。 ここらへんも敢えてやっているんじゃないとしたら、言語的な摺り合わせというか、言葉のニュアンスに祖語があるというか、そういう所なのかしら……。 タイトルが示唆するように、設定こそ変わっていますが、内容やキャラクターは我々が良く目にする、所謂ハイスクール学園恋愛モノという感じ。普通にキャラクターの名前、日本名だし、イラストの雰囲気も海外のそれには無い、日本独特なものになっています。当然のように、完成品は英語で配布されるようですが、わたしゃ、リリースされたら読みますよ。英語苦手だけどさ。 個人的に、キャラクターを見て気になったのは、リリー・佐藤さん。って、なんかリリー・フランキーの方がよっぽど外国人みたいな名前だw どうもリリーさんは、設定を読んでみると生まれながらにして盲目だそうで、なんとなくね、気になるのよ。 ともかく、リリーさんを含め、六人、ヒロインがいる模様。スタイル自体はオーソドックスだけれども、開発は順調なようで、「人混み」のエフェクトを実装した、なんてブログの記事に載っていました(この記事のちょっと前の記事にバレンタインのイラストがあって「べっ、べつにアンタの為に作ったんじゃないんだからねっ!」的な文が書いてあり、ちょっと笑いましたw)。意外と、そうした人混みのエフェクト、見たことないですよねぇ。 外国人が作る、ノベルゲームから学ぶ所も多そうです。 もしかしたら、今後、海外と我が国のノベルゲームの交流が盛んになり、ノベルゲームが世界的に認知されるようになれば、マルチプラットフォームのノベルゲームエンジンなんかも出てくるかも。 一朝一夕にそこまではいかないでしょうけれども、徐々にそういう流れの下地(の更に下地くらいかも)は徐々に出来てきているのかな、と。 そんなわけで、今回はちょこっと海外のノベルゲーム受容だったり、或いは制作状況なんかを見てみました。 他にもあるぜ! なんて事があったら是非教えて下さいね。 それでは、また。
by s-kuzumi
| 2009-03-18 20:22
| サウンドノベル
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Comments(13)
ちょうど昨日、某サークルの某さんと話をしていたところ、
この話題が出たのでちょっとタイムリーな感じです。 さくらミントも「月照~ツキノテラス~」を翻訳していただいたaltogetherは、insaniという翻訳者サークル(というより、それぞれ翻訳をされている方のコミュニティ?)が企画されているもののようですね。 (とはいえ、この辺の事情は余りよく分からないんですが;) タイトルについては確かにもう一ひねり欲しい気はしましたね。解説を読みたくて機械翻訳にかけても、"密造酒"と訳されてしまうのはちょっと複雑な気分ですw altogetherでも何人かの翻訳者さんがいるようですので、 翻訳した方によって、その辺りのセンスも変わってくるのかもしれませんね。 それでも、丁寧に作業が行われていて、システム面についてもほぼそのまま移植されていることを考えると結構組織的にされているんですかねー。 解説のところを読んでも、翻訳にあたって色々と試行錯誤されている様子が読み取れます。(あいにく英語がさっぱりな私は、機械翻訳を元に原文と見比べながら手探りで内容を読み取るしかないのですが;)
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文字数制限のようなので続き...
おかげさまで海外の方からサイトを訪問してくれる方も増えたり、英語で回答されたアンケートをいただいたりと、さくらミントとしても大変励みになりますね。 そういえば、上の某さんの作品も現在翻訳作業がされているようですが、結構ボリュームがあるため時間がかかっているようです。
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s-kuzumi at 2009-03-19 01:22
>>TAKERさん
こんばんは。 何となく某さんがどなたか、うっすらと分かってしまうのですが……w それはさておき、どうやらサークルというか、チームみたいな感じなんですよね。最初は期間を決めて、翻訳してみたいなそういう作業をやっていたっぽいです。 システムも殆どそのままの移植で、けれども、相当翻訳に頭を悩ませている様子が見えますよね。そして、翻訳する方も複数居る、との事でしたし、やはり翻訳者によって、ちょっとしたニュアンスだったり、或いはもうちょっと大きな問題としてタイトルの付け方だったりが変わってくるんでしょうね。 海外から訪問してくれる人が居る、そしてアンケートまで出してくれる、というのは凄い事ですね。勿論、作品の良さが前提だと思いますが、実際に英語版が配布された「効果」が目に見える形で分かるというのは、凄く興味深いですねー。
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at 2009-03-23 21:18
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s-kuzumi at 2009-03-23 21:34
>>masuさん
こんばんは、はじめまして(かな?) 紅楼夢のノベルゲーム化は、実はチェックしています。 紅楼夢は、恥ずかしながら、訳本でも読んだことはないんですよ。 今改めてゲームのサイトを見てみると、イラストなんか日本のソレにとっても近いですし、クオリティも凄い高いと思います。 これは、所謂「ギャルゲー会社」がリリースする「商業作品」って事なんでしょうか? 現代中国語は全然読めないので、ちと良く分かりませんねぇ。 今は、日本の作品を有志の方が翻訳して、という形ですが、将来的にワールドワイドな展開になったら、逆に有志の日本人が翻訳して、という形になるかしら? ともあれそうやって想像するのはとっても楽しくて、私も良くそういう妄想に耽って無為に時間を過ごしてしまいますw 中国が、自国の文化というか文学作品をゲーム化したわけですから、ここいらで文科省あたりの肝煎りで『源氏物語』とかのゲームプロジェクトがあってもよさそうなんですが……w
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at 2009-03-24 16:55
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s-kuzumi at 2009-03-24 20:12
>>masuさん
いえいえ、どうぞお気になさらず。 ノベルゲーム界隈にアンテナを張っておくと、やっぱり色々情報が入ってきますから、一応知ってましたw コピー文化に関しては、何て云うかそういうもん、と割り切るしかないのかもw 勿論、どんなものでも作品ってのは、先行する作品の引用があったり、それを言葉は悪いですけれども踏み台にして存在しているわけで、でも、本当なら、それを乗り越えてオリジナリティを確立していく、って所が一番の問題なんですよね。「vii」は私も大爆笑しました。ちょっと酷いよなぁ、と思うと同時に逆に妙に臆面のないパクリに笑ったりして。 ローカライズは、結構難しいかもしれませんね。 多分、原作の分量が相当あるわけで、翻訳だけでもかなりの時間が掛かるのでは? 今回wikipediaの方で、あらすじを読んでみたんですけれども、没落貴族の斜陽的な作品なんですかね? だとすれば、私も是非プレイしてみたいんですが……。
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at 2009-03-25 17:18
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at 2009-03-25 17:19
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s-kuzumi at 2009-03-25 22:15
>>masuさん
こんばんは。確かにアニメは「三文字アニメ」なんて言葉が生まれるくらい、かの国に下請けしてしまっているという現状はあるみたいです。ただ、やっぱりクオリティ的に安定はしていない、という感じらしいですよ。 或る意味で、こういう職人的な部分こそ、日本のアドバンテージだと思うので、そういう所を活かして欲しいなぁ、と私は思いますね。 タイのゲームは初めてみました。 結構頑張ってますよねぇw 広義の「魔法少女モノ」なんでしょうか……?w ちょっと前の商業ゲームのノリですけれども、これはこれで、面白そうかも。 タイはメイド喫茶が進出したりと、そっち系の文化が大分入っているみたいですからねー。 ちなみに『Selene~』もチェック済みですが、iPhoneなるものを持っていないので、ちょっとなぁ、と。多分Windowsで走るヴァージョンはイベントなどで頒布していたんじゃなかったかな? あそこのサークルさんのゲームは、ウインドウサイズにもこだわりがありますし、内容も良いものが多いと思います。
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s-kuzumi at 2009-03-25 22:15
つづき。
で、普通の携帯でも出来るゲーム、ありますよ。 有名所だと『ナルキッソス』がプレイ出来ます。私の携帯にも入っています。又、今「ももいろかんづめ」さんが一生懸命Windowsに移植していると思しい『あやかしよりまし 祓』も、携帯で遊べるノベルゲームです。 是非、プレイしてみて下さい。
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at 2009-03-26 00:36
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s-kuzumi at 2009-03-26 20:56
>>masuさん
こんばんは。 どちらもDoCoMoでプレイ出来るハズ(私の携帯では両作品ともプレイ出来ました)ですので、是非プレイしてみて下さい。 で、作品のご紹介有り難う御座います。 早速ダウンロードしました。百合とかは嫌いじゃないので(マリみてとかも好きですから)、近い内にプレイしてみようと思っています。 |
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