2009年 05月 02日
![]() 道玄斎です、こんばんは。 今日は、番外編。著作権切れの名作をサウンドノベルにしたもののご紹介。 というわけで今回は「ASN」さん制作、芥川龍之介原作の『杜子春』です。 なんとなく、今、こういう作品、読みたかった所なんですよね。 ご存じ『杜子春』です。多分……国語の教科書なんかにも録られているような、名作だと思います。ストーリーなんかは別に今更、いいですよね? 謎のじいさん(仙人)のススメに従って、土を掘ると財宝が出てきてお金持ちになる。 だけれども、お金は三年で使い果たしてしまう。そうすると今まで仲良くしてくれていた人もそっぽを向くように。それを何度か繰り返し、じいさんに「仙人にさせてくれ」と頼んで…… という感じです。 って、ストーリー語ってしまいましたね……。 大体、こういう感じのお話を「志怪小説」と呼びます。後にこれが発展して「伝奇小説」になるわけです。『杜子春』なんかはもう「伝奇」という事みたいですね。 で、志怪小説には仙人が付きものです。『杜子春』に於いても、仙人としてビッグネームの左慈が、名前を変えて登場しますね。「眇目」(すがめ)という描写から「もしや……」と思って検索してみたら、ドンピシャでした。 『杜子春』は志怪小説のまさに王道パターン。 大体、仙人が出てくる志怪小説って、こういう感じなんですよ。 何だか町中で仙術を見せていて、それを見て、「弟子入りさせて下さい!」と頼み込んだり、と大きく見ればパターンは一緒。 あと、すっごく多いのは、この手の仙人が「街の薬屋さん」をやっているケースw 薬屋さんって云っても、町中でツボを並べているような、そういう感じの、ね。確か、『道教百話』なんて本を見ると、こういうお話が沢山詰まっていたと記憶しています。興味のある方は是非どうぞ。 ただ、この『道教百話』は、著者は有名ではあるけれども、学術的にはちょっとどうかな? という感じの人みたいですよ。いや、私、そういうものとは全然縁がなくて、良く分からないのですけれども、昔、そういう風に教えてくれた人が居ました。まぁ、読み物として非常に面白いですから学術的にどうこう、って事は抜きにして、楽しいエッセンスだけ読めばいいかな? という気がしますね。 たまにこうやって、昔読んだ名作をサウンドノベルとして読んでみる、とまたちょっと違った味わいがあっていいですね。短い作品ですから、さっくりプレイするのにも向いてますし。 で、若干変則的ですけれども、サウンドノベル化するに当たって、注意した方が良い点についても述べておきましょう。 何しろ、昔の文章ですから、ビッシリと字が詰まっています。 だけれども、例えば「 」で括られるような発話の前後には一行くらい空白行なんかを入れると、グッと読みやすくなるんじゃないかな、っと。 或いは、画面一杯まで文字を表示せず、半分くらいで改ページを入れると、サクサクと読み進められるような気もしますね。 あとは、「タイトル画面」を付ける、というのもやっぱり大事な所。 文章が終わって、最後の行に「完」と出てくるだけだと、ちょっと味気ないというか……。出来れば、「完」が出てきた後にタイトル画面に戻ったりした方が、サウンドノベルとしてはベターではないかと愚案致します。 著作権切れの名作がサウンドノベルで読める。良い時代になりましたねぇ……。 昔読んだことがある方も、そして、まだ読んだこともないという方も、是非気軽に名作を楽しんでみて下さい。 それでは、また。
by s-kuzumi
| 2009-05-02 00:24
| サウンドノベル
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