2009年 07月 10日
道玄斎です、こんばんは。 何か暑くて暑くてダレています……。 ■初めて聞いたモノ 今日も今日とて、しょぼくれた顔をして歩いていると、町中で冊子を渡されました。 例によって宗教です。 新約聖書の分冊を渡されたりしたんですが、今まで見たことも聞いたこともないようなものでした。 その名も「回復訳」。ほら、メジャーなのは、新共同訳とか、七十人訳聖書とかそういうのであって、キリスト教系の書籍を読んでいてもちらほら名前が出てきます。何しろ手元にある聖書も新共同訳だもんね。 で、やっぱりこういう宗教的な活動をなさっている方ってのは、「ターゲット」になりそうな人に声を掛けるに決まってますから、きっと今日の私は、この世の終わりのような顔をして歩いていたんでせう。 その冊子を私に差し出したオッサンは、早口で色々まくし立ててるんですわ。 「聖書に従おう」とか、「自分はそれで救われた」とかさ。 んで、そういうオッサンの語りを聞いている内に、私も頭が回り始めて、こっちも質問してみたって訳だ。 道玄斎「あの、結局、あなたがたはカソリックなんですか? プロテスタントなんですか?」 オッサン「……いや……兎に角我々は、カソリックだとかプロテスタントとかではなくて、聖書に忠実に生きるという事を目的にしていて……」 なんて答えてます。 聖書に忠実に、とか云っているわけで、福音主義に近い感触なので、最初プロテスタント系の一派かと思っていたら、どうもそうでもないらしい。 オッサンの弁を借りると、「聖書にはカソリックになろうとか、プロテスタントになろうとかそういう事が書いてあるわけじゃない。飽くまで聖書そのものに立ち返ろうという運動」という事なんですけれども、開祖(キリスト)の教えを受け継いだ組織ってのが当然あるわけで、そうした組織が枝分かれして、現在のようなカソリックとプロテスタントになったわけですよねぇ。プロテスタントなんて宗派(?)の数は数千とかあるんじゃなかったっけ? んで、渡された聖書、底本がギリシャ語ネストレの二十六版なんだそうな。 聖書の文献学的な研究ってのは、歴史も複雑さもきっと半端じゃないだろうから、素人の、しかも日本の文献学を少し囓った程度の私にゃぁ、何が良いのか全然分からないのですけれども、このギリシャ語ネストレの訳は良い底本みたいですねぇ。 まぁ、ざらっと貰った聖書の分冊を見てみると、兎に角注記が多い事に気がつきます。 一ページの半分は注記です。正しいのか正しくないのか、判断は付かないものの、かなり詳細な註が付けられており、読みやすいっちゃ読みやすい。ただ、こう「!」(びっくりまーく)が聖書に付いたりするのはどうなんだろう……w 他のヤツにも「!」って付いてましたっけ??? 意外とね、文語訳の聖書なんかも味わいがあって私は、良いと思うんですよね。 文語訳は、良い感じのある一節を取り出した時に、それが「格言」としてビシッとキマるわけで。 ともあれ、今日、私に声を掛けてきた団体は、ちょっと怪しげな感じがしないでもないんですよねぇ……。 というわけで、オチも何もないですが、明日もちょっと早めに出ないといけないので、今日はこのへんで。 それでは、また。
by s-kuzumi
| 2009-07-10 22:44
| 日々之雑記
|
Comments(7)
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回復訳……。とりあえず、正統的らしいキリスト教徒の私は、
きいた事がありません(笑)。 そもそも、ペトロを初めとする十二使徒が宣教を始めた 自体には、まず新約聖書が存在しなかった訳で(旧約聖書が ユダヤ教の聖典となったのも、1世紀末)、私も聖書は 生活の唯一の規範と信じていますが、それが行き過ぎると キリスト教ではなく「聖書教」になってしまう訳で(最たる 例がJWな方々ですね)。 文語訳聖書はきりっと決まってて、私も好きです。ただ、 いくら文章が美しくても、理解して実践できないと、キリスト教徒に とっては無意味なんですよね。聖書はお守りとか幸運の書物 ではありませんし。 あと、感嘆符に関しては、私はヘブライ語(旧約聖書はこれで 書かれた)とかギリシア語(新約以下同文)は分かりませんが、 私が持っている英語の聖書(New International version)では、 かなり感嘆符が使われています。 ま、これは英語と日本語の性質の違いによるものかも知れま せんけどね。
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>>NaGISAさん
こんばんは。 私も寡聞にして、回復訳なるものは初めて耳にしました……w >生活の唯一の規範と信じていますが、それが行き >過ぎるとキリスト教ではなく「聖書教」になってしまう 全くその通りだと思います。 そうなると何だか原理主義みたいになってしまいますから……。 英語の聖書で感嘆符が使用されている、との情報有り難う御座います!! 私も英語のものは所持していないので、そういう情報、凄く興味深いです。 英語と日本語、或いはヘブライ語やギリシア語の違いは様々あると思うのですが、そういう聖書の文献学的なものも、見ていくと滅茶苦茶面白いんだろうなぁ、なんて最近思っています。 ![]()
その聖書、オンラインでも読めるみたいですよ。
ttp://www.recoveryversion.jp/ 乱暴な言い方ですが、正統か正統じゃないかというより、その聖書があなたの人生に役立つかどうかじゃないですかね? (まあ、ものみの塔やモルモンなど明らかな異端は避けないとだめですが。) ざっと読んだところ、使徒信条(ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%BF%E5%BE%92%E4%BF%A1%E6%9D%A1)には反するところはないようですし、参考になる所もあるし、検索機能もついているので、私は最近、コンコルダンス代わりに使わせてもらってます。 (まあ、タダで頂けるものは頂いておく主義というのが本音ですが。) 自分に役立つものは良いものという判断基準でいいのではないですか?
>>聖書のコメントを下さった方。
コメント有り難う御座いました。 中々情報が無い中で、貴重な情報感謝致します。 全く仰る通りで、「自分にとって役に立てばいい」という考えで、私も良いと思います。 ただ、性格的に割と保守的というか、ある種の権威に裏打ちされたものの方が好ましいと思うような所があってw ご紹介下さった、サイトの方も是非見てみようと思います。 ![]()
それ、ネットで読めるやつですね?
直訳臭い翻訳ですが、単なる直訳というわけでもなさそうです。 聖書翻訳には、「伝統的誤訳」っていうのかなあ、本当は間違ってるんだけど、伝統的にそう訳してるからそれに従うんだ、みたいな個所がいくつかあります。新改訳は欄外注でそういうものを一々指摘しています。文庫でない方の岩波訳は本文でそれをやっています。ファンダメンタリストの新改訳と、メインラインの岩波が出した結論がよく似ているという不思議な現象。 回復訳を見てびっくりしました。新改訳の欄外注、岩波の本文と同じ路線です。かなりガチな雰囲気。 「フットノート」と呼ばれる注解を見るに福音主義をベースにしている風です。シャッフ、ダービー、アルフォード、中田重治系の戦後のガチな福音主義者たちの愛読書からの引用オンパレード。しかし時々東方正教会を思わせるような解釈もあります。ギリシャ、ラテン教父を相当学んだ人の文章です。 常識的に考えるに、「フットノート」がカヴァーしている神学領域は一人の人物で知悉できる範囲を逸脱しています。ウイットネス・リー(なんでウィじゃないの?)は、神学シンクタンクの共同執筆時の筆名でしょうか?
>>通りすがりさん
コメント有り難う御座います。 フットノートは、所謂「脚注」という事なんでしょうけれども、様々な神学の領域を含んでいるんですね。 そういう神学的な話は全く疎いので、参考になりました。 ただ、フットノートが「神学シンクタンク」的な複数による執筆とはならないんじゃないかなぁ? と個人的には思います。 私は神学については無知ですけれども、文献解釈みたいなものは少し囓った事があるので、どうも、そこまで難しい作業ではないと思ってしまうんですよね(や、それでも個人でやるには大変な作業だと思いますけども)。 大量の神学的な知識を「理解」しているかどうかと、それを取り込んでいるかどうかは別だと思うので。 多分、重要なのは「何故、そこでその解釈を採用するのか?」というプロセスの部分ではないかと。 私も、全然勉強不足なので、色々本を読んだりして、知識を蓄えた上で、考えてみたい問題ですねぇ。 ![]()
個人でやると得意分野と不得意分野のバラつきがでます。この注釈はあまりそれが感じられない。だからわたしは神学シンクタンクの存在を仮定しました。
しかし、もし複数のリサーチャーの仕事を寄せ集めたなら、一貫性が失われます。 ちょっとわたしの考えはグラつきかけています。どうもブレがないのです。三位一体論、キリスト論から、教会論、終末論にいたるまで、用語も思想内容も各聖句の解釈も一貫しています。しかも、あきらかに福音主義がベースなのに、どこの教派の立場をとるのか読めば読むほどわからなくなっていく。カトリックともプロテスタントともつかない。 なんなんだこれは・・・・・・ >オッサン「……いや……兎に角我々は、カソリックだとかプロテスタントとかではなくて、聖書に忠実に生きるという事を目的にしていて……」 何となくこのセリフの意味がわかってきました。 |
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