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久住女中本舗

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2009年 08月 03日

ノベルゲーム愛好家のDTM勉強会 第十二回

道玄斎です、こんにちは。
今日は午前中はゆっくりと出来るので、ぼんやりしていた所、無性に効果音を作りたくなったので、さっくり作ってみました。



■超定番! 学校のチャイムを作ってみよう。

ノベルゲームで、とっても人気のあるジャンルの一つに「ハイスクール恋愛モノ」があります。

ちょっと暗い影を背負った主人公(男子高校生)、そしてそんな彼に積極的に関わろうとするイカすヒロイン。ヒロインと過ごす事で、いつしか氷の様な主人公の心も解けていきハッピーエンドか? と思いきやヒロインに襲いかかる試練。その解決を手助けし、ヒロインもそして、主人公も(内的な)成長を遂げ、二人は永久の愛を誓うのであった……。

みたいなヤツw
今回は、主人公が「暗い」タイプのものを例に挙げましたが、大凡、ハイスクール恋愛モノでは、この手の暗いタイプか、「お馬鹿だけども憎めない」タイプの主人公が多いんじゃないでしょうか?

そうしたキャラクターの造型の是非は擱いておいて、何しろメインの舞台が学校な訳ですから、物語も「学校の時間軸」に或る程度沿った形で叙述されるのが一般的。
つまり、「登校時間」なるものがあって、主人公は昼寝をしている事が非常に多い「授業時間」があり、調理パンの争奪戦が繰り広げられる「お昼休み」があり、最後に、放課後の始まりを告げる「下校時間」が設定されている訳です。

そうした時間の切れ目を演出する為の効果音として、「チャイム」が存在している、という事は言わずもがなの事で御座います。キーンコーンカーンコーンのアレですよ。
ゲームとして、場面毎にチャイムが鳴ってるってのは鬱陶しいものですけれども、適度に使えば「学校らしさ」が出てくるのは事実。そんな非常に汎用性の高い学校のチャイムを作っちゃおう、というのが今回の趣旨。


例によって最初に完成したブツを出しておきましょう。
こちらからどうぞ。
アドレスをコピーして直接アドレスバーに貼り付けないと鳴らないかもしれない……。


んで、どうやって作ったのか、って事ですが、


1、DAWを立ち上げる。

2、それらしいプリセットが入っているシンセを立ち上げる。

3、チャイムの音になるようにメロディを書く。

4、エフェクトを掛ける。

5、.wavにして書き出す。


と、大体こんな作業になります。
尤も、「4」なんかは省いてしまっても大丈夫。エフェクトを掛けた方がリアルになりますけれども、まぁ、それをしなくても取り敢えずチャイムの音は作れます。

「5」に関しても、必ずしもwavである必要は無くて、ノベルゲームエンジンで使用出来る形式(.mp3や.ogg)で書き出してもOK。今回は汎用性を考えて.wavにして書き出しました。

以下、どうやってやったのか、詳細な手順を書いてみる事にします。

使用したDAWは愛用のFL STUDIO8。Windows専用のソフトです。
あんまし使っている人がいない、とか、全て英語表示とか、色々問題はあるんですけれども、私はこいつが今一番のお気に入りなのです。

立ち上げたシンセは、FL STUDIO付属のSytrus。
プリセットの括りに「Bell」なるものがあるので、そっから音色をチョイスします。幸い「Clock」という、それっぽい名前のプリセットがあったので、試しに鳴らしてみたらイメージそのものだったので、そいつを採用。

で、後はピアノロールに音を記述していくだけ。
適当に鍵盤を叩けば、チャイムのメロディはすぐに分かるハズですけれども(私の変じゃない……よね?)、いざとなれば、ネットで検索すれば譜面くらいは出てきそうです。

ピアノロールにて、メロディを記述して、更にテンポを調節してひとまずOK。テンポは色々試して88にしました。
もう、この段階で、.wavなり.oggなりで書き出してもいけそうですけれども、折角作るんだから、自分なりのこだわりを入れてみました。
学校のチャイムは、当然、各教室だったり、廊下に備え付けられたスピーカーみたいなものから聞こえてきます。この手の音って、「すっきりクリア!」な音声である訳がなくて、ちょっと音が籠もっていたり、若干ノイジーだったりしますよね。そういうリアル感みたいなものをエフェクトなんかで加えてやります。

最初、独特なノイズ感を出そうと思って、「レコードのプチプチする音」を追加するプラグインエフェクトを軽く掛けててみたのですが、そういうノイズが載っていると、ゲームにした時に「これ、雑音が入ってるぜ!」と、制作の意図が伝わらずに、却って余計な産物になってしまうという事が判明した為、ノイズ系の音を混ぜるのは止める方向で。

代わりに、少し籠もったような音にして、尚かつ学校の教室空間くらいの響きは持っても良かろう、ってんで音を籠もらせ、リバーブで空間を出してやる事にしました。
その前に、EQを使い、より好みの音に近づけてやります。これも別にやらなくても全然OK。
んで、最後に少し籠もった音になるリバーブを掛けたりして、音量レベルを調えます。これもやらなくても良さそうですけれども、オートメーションにて、音の終端部分のボリュームがゼロになるようにしてみました。

最後にファイルの書き出しですが、FLはステレオでしか書きだせないっぽいので、そのまま44.1のステレオで書きだします。書きだした.wavファイルを今度は、Suond Engine Freeに流し込み、モノラルにし、サンプリングレートを44.1から引き下げて22にしてやりました。
これで、容量の削減が実現出来ます。
で、そいつを書きだせば完成!!

そのまま使っても、或いはスクリプトで2回ループさせても大丈夫。
自分としては、中々グーな学校のチャイム音が出来たぞ、と悦に入っているわけですが、如何でしょう? 例によってちょっと長目の効果音になってしまったのはご愛敬。というか、チャイムですから……。


自分自身の怪しげな構想の中では、謎のBGMを集めたシリーズを「乾」と名付け、効果音を集めたシリーズを「坤」と名付け、配布したいなぁ、なんて。
二つセットで、それっぽい名前って例えば「阿吽」とか「甲乙」とかありますけれども、阿吽ってのも何となくカッチョ悪い気がするし、甲乙にしちゃうと優劣が存在しているみたいだったので、乾坤に。

役に立つか立たないか、それは分からないけれども、少しでもノベルゲーム制作に於いて、選択肢を増やせたらいいなぁ、と思っています。マジでどうしようもないファイルを上げたりしているけれども、有り難い事にアドバイスを下さる方なんかが居て、少しづつだけれども前進出来ているのかな? っと。
この効果音作成も継続的にやっていきたいですね。


それでは、また。

by s-kuzumi | 2009-08-03 10:19 | サウンドノベル | Comments(0)
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