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久住女中本舗

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2009年 08月 10日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『ゆめのはなし』

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道玄斎です、こんばんは。
日曜なのに関わらず、今日も今日とてちょっと出かけていました。帰宅した所、あまりの疲労で眠ってしまって。先ほど起きたのですが、再度眠りにつく前に、ちょっとゲームを。季節感たっぷりの短編ホラー作品のご紹介。
というわけで、今回は「plug in.」さんの『ゆめのはなし』です。

いやぁ、怖かったです。
大体10分も掛からないくらいの本当に短編ホラーなんですが、テキストが「一人称語り口」みたいな感じで、所謂「体験談風」になっています。ホラーにはこの手の文体が滅茶苦茶マッチする事が屡々あるわけですが、本作の場合もその例に漏れず、短い乍らもかなり怖い作品に仕上がっていたんじゃないかと。

タイトルは「ゆめのはなし」ですから、ホラーの内容も「夢」に関係したものになります。
田舎にある祖父母の旧宅に泊まると、必ず見る夢。しかしそれは本当に夢なのかどうか……。
怪異のオチみたいなもの(つまり、その怪異は何なのか? というオチ)こそないのですが、一本の話としてキッチリ纏まっており、且つかなり怖いという。
作品をプレイして、その怖いオチみたいなものを、プレイヤーに想像させてゾッとさせる、そういうタイプですかね。

そういえば、本作で使われている所の「旧家」という単語は、どうも「旧宅」と置換可能なようです。
というのは、「昔住んでいた家」という意味で「旧家」という言葉が使われていると思しいわけです。旧家って云っちゃうと田舎の方の、名家というニュアンスが出てきてしまいます。
尤も、本作に出てくる「旧家」も一般的な旧家でもある、という事みたいなのですが。

兎も角、日本家屋、雪見窓、田舎、そうした純和風テイストのホラーが展開されます。
日本家屋ってのはやっぱり、現代に於いてある種の怖さを持っていますねぇ。しかも、本作で示される舞台は、かなり大きめの日本家屋なんだそうな。
私の祖母の実家も、所謂武家屋敷で、やっぱりその手合いの家だったそうで、昔(って云っても明治時代くらい?)、修学旅行の一団に家を貸しても全然、手狭になる事がなかったくらい大きかったそうです。実際、やんごとなき身分の方がそちらにいらっしゃった時は、その家をお貸ししていたわけで。
一応、そんな事情があって、旧家に属するみたいですが、多分……全国的な知名度はゼロでしょうw 長野県在住の方でしたら、ピンと来るかもしれません。
流石に、その家で怪異が起きたなんて事は聞いたことがありませんが、田舎の家ってのは、独特な怖さがあって、夜中ふと目が覚めてみたら、顔の上に手のひらサイズのでっかい蜘蛛が乗っていたとか、リアルな意味で怖い話は事欠きませんw
ちなみに、私の家系は変死者が多くて(戦死も多いんですが)、「虫に食われて死亡」とか「風呂で釜ゆでになってた」とか、そういうのが多いんですよねぇ……ってそれはもう普通にホラーか……。

軌道修正しましょう。
中々背景素材なんかも、怖さを誘発するようなものを使っており、好印象。
で、怖さのクライマックスシーンでは、一枚絵(?)が表示されて、こんな時間にプレイしている訳ですから、ホント泣きそうになりましたw

本当に短いけれども、しっかり怖がらせてくれる良いホラー作品だったと思います。
妖怪とかではないのですが、思わずゾッとするような、そういう話で満足致しました。
ボチボチテレビなんかでも「怪談特集」が組まれる頃合いですし、夏にぴったりのホラー作品をお探しの方は是非、プレイしてみて下さい。

それでは、また。

by s-kuzumi | 2009-08-10 02:08 | サウンドノベル | Comments(0)
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