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久住女中本舗

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2009年 08月 18日

フリーサウンドノベルレビュー 『はじめてのかていか~死ぬ程洒落にならない話を集めてみない?~』

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今日の副題 「まだまだ続く夏の夜に……」

ジャンル:ホラー
プレイ時間:20分程度。
その他:選択肢なし、一本道。
システム:Yuuki! Novel

制作年:2009/8/17
容量(圧縮時):13.3MB




道玄斎です、こんばんは。
今日は丸々一日お休み。でも、午前中はちょっと用事があって御茶ノ水の方まで出て、午後はゴロゴロしたり、例によって打ち込みをしたりしていました。そういや、何か曲を作っている時って「タイトルを付ける」のが物凄い楽しいんですよ。曲そのものを作るより楽しいですからねぇ。
真面目にタイトルを付けようとすれば、「いかにも」なタイトルを付けちゃえばいいんですけれども(ノベルゲームだったら、「○○(←メインヒロインの名前)」とか「絆」とか、そんな感じのタイトル)、ノベルゲーマーの為のDTMを標榜しているクセに、タイトルワークみたいな部分では、随分いつも遊んでいる気がしますねぇ。
タイトルとか、或いは以前良く書いていた「怪しげなストーリー」とか、ただの曲に対して情報を付与する、或いは意味づけを行う、という作業はとっても楽しいのです。多分……多くの人が賛同して呉れるんじゃないかと思いますよ? でも、仮のタイトルが『下総中山・落花生』ってどうなんだろう……w

っと、いきなりの脱線ですね。
とにかくもうすぐ夏は終わりです。だけれどもまだ終わってはいないのです。
夏……それは怪談の季節……。思い返してみると、夏とはいえあんまりノベルゲームが出来なかったなぁ、というのが正直な印象。特に夏はホラー系のゲームをやると季節感も演出出来てばっちりなんですけれどもね。
で、いつものように情報サイトを巡っていたら、ホラーの短編集が出ているじゃないですか。
というわけで、今回は「Elimi-250」さんの『はじめてのかていか~死ぬ程洒落にならない話を集めてみない?~』です。
良かった点

・普通に鳥肌が立つような気味の悪い話が……。

・一話一話が短いので、さっくり怖い思いが出来るw


気になった点

・短編集ではあるものの、一つの作品として見た場合、ちょっとどうかな、と思う部分が。

ま、今回は短編集なので、ストーリーみたいなものは省略しましょう。

どうも、本作は、某掲示板で語られた怖い話を集め、更にオリジナルのお話(?)を追加した、怪談集という趣ですね。怪談って云っても、幽霊だ妖怪だってなものとはちょっと違う、寧ろ「薄気味悪い」タイプのお話が多い印象でした。そういう意味では怪談というよりは都市伝説に近いかも。

全部で、六話ありました。
で、第一話目がタイトルにも出てきている「はじめてのかていか」というお話なんですが、子供がクレヨンで書いた絵日記風のイラストが付いていたり、何て云うか、割と良く見かけるタイプの「猟奇ホラー」みたいな、そういうお話。

本作で一番気になったのは、この第一話目の扱いなんですよね。
他の話は、掲示板で語られた「実録(風)」なお話で、要所要所に書き込みの画面みたいなものが背景に出てきて雰囲気を盛り上げたりしてくれるんですが、この話に限っては、先ほど書きましたようにクレヨンの絵日記風で、一人称の語りなんですよ。
で、そこで語られる内容も、他の薄気味悪い話とはちょっと位相が異なっているわけで、全体で見たら浮いているのかな? と思いました。

私だったら、という話になると、どこか「法則性」みたいなものを出して、全体に馴染ませると思います。
具体的に云えば、第一話目はこれで良いとして、第二話、第三話、第四話、第五話、第六話ときて第七話を作って、そこを第一話と同じテイストのものを持ってきて、サンドウィッチにするわけです。
そうすれば、頭と尻尾が「そのテイスト」という法則というか、秩序が生まれるわけで、もちっと纏まり感は出るかもしれません。
或いは、一話毎とか二話毎とかに、「そのテイスト」のものと、掲示板の語り風のものを交互に見せていくとか。その分ちょっと手間は掛かりますけれどもね。

気になった部分は、そのくらいでしょうか。
実際、二話~六話で語られる話は、洒落にならないほど怖いって程じゃないけれども、気味の悪い話として、雰囲気は出ていましたし、短さとかも適当で良かったですよ。

一番怖いのは、第三話目の「自殺志願」でした。
或る程度まで、文章が普通に流れていき、「どうなるんだ……?」とこっちがヒヤヒヤしながら見ていると、掲示板の書き込み画面が表示されて、良い感じに焦らしてくれます。ホラーの演出としてこういうのは凄く好き。
ちゃっちゃかクリックしていく事が多い私ですけれども、作品のテイストにあった「クリックを阻害」する演出ならば美味しく頂けます。
結局、この第二話は、決定的な謎みたいな部分は明らかにならないのですが、そこがなんとも、隠微でジメジメとして良い雰囲気でした(怪談として)。

第四話目の「ガラス瓶」は、本当に短いお話ですけれども、都市伝説に近い感じで、結構好みかもしれません。とはいへ、もうちっと尺の長いお話の方が、やっぱり全体的な纏まりという意味では良かったのかも。


他にもお話が入っていますので、ホラー作品を探している方はプレイしてみて下さい。
こういう、実録風の怪談集ってのもいいもんですねぇ……。
多分、このお話の大部分を占めるであろう「洒落にならない怖い話」は、ここを丁寧に見ていけば、見つける事が出来るんじゃないかな?

雰囲気とか演出に拘って、且つ適度な長さで統一され10編くらい入った「ベストオブ怖い話」みたいな作品がプレイしたいですねぇ……。誰か作ってみません?w


というわけで、今日はこのへんで。
それでは、また。

by s-kuzumi | 2009-08-18 18:48 | サウンドノベル | Comments(0)
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