2009年 09月 08日
道玄斎です、こんばんは。 何だか、夜食を食べ過ぎて(私が夜食を採るなんて珍しい!)、ちょっと気持ち悪くて起きてしまいました。慣れない事はするもんじゃありませんねぇ……。 それはさておき、もう九月です。怪談っていうとちょっと違う季節に突入しつつありますが、今回取り上げる作品は、雨の学校が舞台。旧暦九月を雨が長く降り続くから、という事で長月と云ったりした訳で、季節は外していないのかもしれません。 というわけで、今回は「空の箱庭」さんの『アマオト』です。 何て云うか、凄い素朴でシンプルな作品でした。だからこその番外編なんですけれどもね。 何に驚いたって、どうやら作者様は中学生なんだそうな。いや、こりゃ大したもんだよ。サイトだって普通に「見れる」感じだし、サイト内のギャラリーから見ることが可能なイラストは中々のものが。個人的には、もうちょい目を小さめに描くといいんじゃないかな? と愚案致します(私、絵描けませんけどw)。 ストーリーは、ある日、雨に降られて、主人公千堂羽衣が学校に入ってみると、見知らぬ女の子が。どうやら、その女の子は傘を探しているらしくて……。 と、まぁ、そういう感じ。微妙にソレっぽい要素はありつつも、恐怖ものとかじゃないし、ハートフルっていうのもまた違う。何て云うか、本当にリアル中学生がノートの片隅に描いたストーリーみたいな、或る意味で、直球で、素朴な物語。 何と云っても、完成品を作っている、というのは凄い事ですよ。 結局、あれやこれや、腐心してあーだこーだ、設定を弄くり回しているよりも、「完成まで持っていく」という事がやっぱり大事なのです。自戒を込めていいますけれども……。 これは、別にノベルゲーム制作じゃなくたって、同じな気がします。例のDTM講座でたまにお披露目する、怪しげな曲も、「最初の一曲」ってのがあって、存在しているんですよね。気に入らない部分、どうにかしたい部分、知識や技術が足りない事が痛い程分かっていてもどうしようもない部分。そういう所に一旦目をつむって、何とかそれでも完成まで持っていく。それがやっぱり大事。 で、逆に最初の一作を作ると、意外な程その後、スムーズにいったりするから不思議です。拙くても一作作ってしまえば、二作目は絶対にクオリティがアップしている訳で、最初に出来なかった事、分からなかった事がスラリと理解出来たり、自然とそれを使っていたり、ね。 ストーリーとか、全体的な部分に関しては素朴な作品、という言葉が、良い意味でもそうでない部分でも象徴していると思うので、割愛して、特に気になった点を書いてみましょう。 先ず、一番気になったのは「素材」の扱い方です。 基本的に音も背景も、お馴染みの素材な訳で、それ自体はまぁ、しょうがないとして。 兎に角、「これはマズイよなぁ」と思うのが、教室の中の背景画像なんです。というのは、本作の舞台は雨の日の学校です。ですから、当然、外には雨が降っています。 だけれども、明るい曲と共に表示される教室の背景画像には、燦燦と降り注ぐ日の光がw ここはやっぱり、ちょっと注意して欲しい所ですね。 後は、折角「イラストが描ける」という特技が有るわけですから、それを活かして、ヒロイン(?)雨音の立ち絵を用意しても良かったかも? やっぱり音と背景が全て素材で、テキストだけオリジナルってよりも、もう一歩、オリジナリティを出す要素ってのが必要なんじゃないかな? っと。 まぁ、あまりにもお馴染みの素材ばかりだから、と云う事なんですけれどもね。 ちょっと厳しくなってしまいましたが、中学生で、完成品をリリースしている、というのは掛け値無しで凄いですよ。オマケに作中では出てきませんが、ちゃんとイラストも描けるという、アドバンテージもあります。文章が書けるという以外にも、イラストが描けるとか、音楽が作れるとか、そういう+αの要素があると、物凄く強力な武器になりますよ。 是非、第二作目、第三作目と作品をお作りになって欲しいですね。 幼かった頃、ノートの片隅に書いたような、素朴な作品をお探しの方はプレイしてみて下さい。 それでは、また。
by s-kuzumi
| 2009-09-08 03:05
| サウンドノベル
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