2009年 10月 14日
道玄斎です、こんばんは。 ちょっと、ここんとこ調子が悪くて、あんまりノベルゲームを積極的にプレイしたい気がしません。 そういう時もありますよね。で、そういう時にゃぁ、DTMでお茶を濁します。 ■8小節のラブソング 何度も書いている通り、ノベルゲームに於いてピアノ曲というのは非常にツブシの効くものになっています。 どんな場面でもマッチしますし、特に「泣き」の要素が入る場面なんかだと効果絶大なのはご存じの通り。 以前、適当にコードを繋いで、メロディが思い浮かばない所はアルペジオで誤魔化す、なんて事をやってみたのですが、技術的な問題があってあんまりグーなものじゃなかったですよねぇ。 で、今回はもっと簡単に、もっと「それらしく」出来るピアノ曲の作り方のご紹介。 今回のテーマは題して「8小節のラブソング」。 ■具体的には…… まぁ、先ずは例によって出来たブツを聞いて頂きましょう。 ちょっと雑な作りかもしれませんが、こちらからどうぞ。 まーた、暫くしたらサーバーから消されちゃうんだろうから、予備のファイルも別のサーバーに上げておきます。こちらから。 すっげぇ「イカニモ感」が出ているんじゃないかと思うのですが、その分汎用性があるかもしれないって事でご容赦を。 今回は、「3分半の壮大なピアノ曲を作るぜ!」ってな話じゃなくて、30秒程度で1回転する曲を作ります。 このくらいの長さがあれば、タイトル画面、或いは短めのシーンで十分BGMとして使用出来ると考えるからです。 実はこっそり、研究を重ねていて、その研究結果から分かった事は、テンポを64、或いは65にして、8小節のものを作るとそれだけで30秒になるんですよね。 流石に5秒で「曲です」って云われても困っちゃいますし、それはフレーズかもしれないけれども曲じゃないですよね。 私が「メロディ思いついたぜ!」って時に急いでシーケンサーに記述してみると、それは大抵4小節分だったりします。現代に生きる私達は(って敷衍していいのかな?)、どうやら「4小節」を曲の最小単位として認識するようです。 でも、4小節ってのもちと寂しいですよね。それこそフレーズっぽいもの、或いは「曲の一部」感がアリアリと出てしまいます。そういう事情があるので、思いっきりテンポを下げて64乃至65にしつつ、小節数を倍の8小節にしてやります。 すると、曲に聞こえないかもしれないけれども、「音素材」くらいにはなるかな? っと。 で、兎に角、この「DTM」絡みの記事は「省エネ」と「誰でも出来る」がコンセプトですから(そして、FL STUDIO布教)、今回も実は滅茶苦茶お手軽です。 【手順】 1、書籍などからグーな感じのコード進行を探してくる。 2、メロディを載せる。 3、完成。 という驚きの三ステップです。って作業自体は2つだけ。 一冊や二冊、「コード進行早見表」みたいな本、持ってますよね? そっからグーな進行を探してきて、記述してやれば良いのです。その上にちょこちょこっとメロディを載せてやれば完成。 コード自体が複雑な響きを持ったものだと、コードそのものがメロディ的な役割を果たしたりもするので、結構複雑な感じのものを探してくると更に楽が出来るかも。 私も、それっぽい教則本から、「Ⅱ―Ⅴ」の解説を見て、そこのコード進行だけ取ってきました。 コード進行早見表、みたいな本だと、「この進行を使っているのは○○という曲です」みたいな情報も載っていたりするので、そういうのを参考にして、好みのコード進行というかハーモニーを探しましょう。 大切なのは「ハーモニーそのものが旨味を持ったものを探してくる」という辺りですね。ぶっちゃけ、コードの進行だけでも十分美味しいものを探してくると滅茶苦茶楽です。 で、あとは適当にメロディをつけて完成です。 ここだけは自力でやらないとマズイですねぇ。でも、ハーモニーを活かすように、基本邪魔せず、だけれども時に主張して、なんてイメージで作っていくと割と何とかなります。コードの構成音でメロディを作れば、少なくとも不協和になる事は避けられるので、そういう部分も手がかりにしつつ。 ただ、これも8小節分だけ作ればいい訳ですから、普通に曲を作るよりも遥かに楽なんじゃないかしら? ■これをたたき台にしてアレンジも たった8小節と云って侮る勿れ。 30秒も尺がありゃ、それはBGMとして立派に機能しますし、8小節という取っつきやすい長さですから、曲作りの良い練習にもなる気がします。 これだって、テンポを120にして、ノリの良いドラムの音と合わせたりすれば、かなり雰囲気も変わりますし、色々楽します。 テンポを変えて、ドラムを追加してみたサンプルはこちらから。 テンポを上げた分、尺が短くなってますが、曲として意外と聴けません? まぁ、纏めると最初っから100小節にも及ぶ曲を考えて作ってみる、ってのも大事なのかもしれませんが、取り敢えず8小節で練習してみるってのも悪くないと思いますよ、って事ですね。 単純に、 ・短いからやりやすい ・短いから(こそ)こだわれる ・短いから長続きする とか、そういうメリットもあるわけですが。 騙されたと思って是非、8小節のラブソング、作ってみて下さい。 ■そして恒例、布教コーナー というわけで、今回も愛用のFL STUDIO9で作りました。 最後に作ったドラム付きのものなんて、ドラム部分、FL付属のドラムループ素材だもんね。 音源もFL付属のFL Keysを使用しています。 これ、フリーで有名な「mda piano」の改良版、というかFL版ですよね。このピアノの音だったら「mda piano」を使えば再現出来る、という事です。もっと良い音源があればそっちを使った方がグーだと思いますが。 んでもってピアノに掛けたリバーブも付属のFruity Reeverb2です。しかもプリセットの「cathedrale」(ん? カテドラルってこれで綴りあってるっけ?)を使って、そこから微調整しているだけです。カテドラルってのは、日本語に訳すと「伽藍」とか「大聖堂」とかそのくらいですね。つまり「すっげぇ響くよ」って事なんでしょう。ピアノだけでムードのある曲を作る際、結構深めにリバーブを掛けると良いみたいですねぇ。 最後にマスターにマルチバンドコンプを差して完成。ちなみにリミッターはデフォルトで刺さってます。 結論:FL結構いいよ! 今日は大体こんな所でしょう。お役に立つ部分があれば幸いです。 それでは、また。
by s-kuzumi
| 2009-10-14 01:37
| 日々之雑記
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Comments(3)
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sorayuki
at 2009-10-16 21:57
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楽曲聴かせて頂きました。
短くも洗練されたメロディーですね…何だか大人な 雰囲気が。。ホテルのフロントとかで流れていそう。 8小節で完結とのことですが、この旋律なら16小節まで 伸ばして繰り返しにして、(メロの5度上ぐらいに) 薄くストリングスを乗せて…2分まで伸ばせば……。 ピアノの音に厚みがあって良いなぁ。 音圧稼ぎも適正で、響きが上質です。。 体調は宜しくない(?)そうですが、どうぞお体に 気をつけてお過ごし下さい。 インフルエンザ不安…
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s-kuzumi at 2009-10-16 23:41
>>sorayukiさん
こんばんは。 これは、何て云うかコードのパワーに全面的に頼っているので、本当にお手軽作曲になっちゃってます。8小節のループ曲。 本当ならオリジナリティ溢れる進行を考えたり、メロディを考える方が良いんですけれども、どうしても汎用性とか技術とか、そういう事を考えると、ね。 で、仰る通りの作業で「第十六回」に向けて、このロングヴァージョン制作を実は窃かにやっていましてw 取り敢えず8*2=16小節繰り返せばそれだけで1分になっちゃいますから。それに+αの部分を上手く付け足して出来たら……いいなぁ……。 ピアノは、何てこと無い普通のピアノ音源です。フリーのvstiのmda pianoを使えば(恐らく)再現可能。でも、実は音圧稼ぎ、殆どやってないんですよ。本当に簡単にマスターにコンプを差して、プリセットで若干音圧を稼ぐ設定にして、それだけ。 一応、リミッターにリアルタイムで波形が流れて見えるので、作業し易いのと関係があるのかも? 欲を言えばもうちょっと上品に響くように、手直ししたいんですよね。
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s-kuzumi at 2009-10-16 23:41
つづき
体調は……まずまずと云った所なんですが、何となく気怠くて。暫くデロデロな更新が続きそうですが、地道に一歩一歩。 インフルエンザは……本当に気をつけたいですねぇ……。sorayukiさんも、お風邪など召されませんように。 |
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