2009年 12月 17日
道玄斎です、こんばんは。 久々に一日二度更新ですね。いや、もう眠る気満々で、お酒呑んでいたくらいなんですけれども、妙に「怪談」が読みたくなって、ネットで怖い話が一杯載っているサイトでも探そうかな、と思っていたら、習慣とはげに恐ろしきもので、いつの間にかベクターに繋いでいて、新着のゲームを探していましたw 幸い、タイトルから怖い話です! というオーラがヒシヒシと出ていたので渡りに舟とは、まさにこの事。 というわけで、今回は「逢坂瀬菜」さんの『悪夢の呪文』です。 作者様サイトが見つからなかった為、ベクターへのリンクを張っておきました。 多分……読了するのに10分は掛かりませんね。 私がプレイして7分くらいでした。 内容は、タイトルの示すとおり、「悪夢」に関係する怖い話です。怖い話って云っても色々ありますよね。本当に妖怪みたいのが出てくる話とか、なんとなく気味が悪いとか、はたまた「全然怖くなかった」なんて思いつつもその怪談を振り返って考えてみたら、何か決定的に異常な部分(や事やモノ)があって後になってゾッとする、とか。 本作は、二番目と三番目の混交タイプって感じかしら? 直球に「妖怪が出たぞ!」ってのとは違う、最後の最後でジワッと来るタイプ。「薄気味悪い」話で、且つ最後で、ストンと落ちない、一瞬こちらを考えさせるような、そういうテクニックで怖さを演出しています。 私は結構怪談、好きですから(でなきゃ、んなもん読もうとは思わない)、ちょっぴり怪談には一家言あってw いや、別に優劣とかそういう話じゃないですよ? こちらが本当に怖くなって夜中にコンビニに行けなくなっちゃうくらいの怪談って、実は「リアルさ」に欠けている事が屡々あります。 実体験では「口裂け女」とかね。昔、すげぇ流行ったんだよね。テレビでも連日放送されてたし、雑誌にも載ってたりして、一時期本当に「口裂け女ブーム」みたいなものがありました。昔付き合っていた女の子が「口裂け女が一番最初に目撃された近所に住んでいた!」と自慢していた事を覚えていますw けどね、常識的に考えて、主に子供を狙って刃物を振り回す女が居たとして、そいつが捕まらない事があろうか、とw 普通に考えれば、あれだけ目撃例があったんだから、本当にそうした女が居たとしても、すぐに足取りは掴めるだろうし、日本の警察の力を以てすれば逮捕なんて簡単だと思うのですよ。 だけれども、怖さってのは、そういう常識を一瞬忘れさせる部分があって、でなきゃ、あれだけの騒ぎが起きないもんね。 私も例に漏れず、滅茶苦茶怖くて、「なるべく外に出ない」を金科玉条にしていましたw で、あれこれ口裂け女の情報を入手しては「俺の血液型なら狙われないらしい……一安心だぜ……」とか、「とはいへ、万が一襲われたら困るからポケットにあめ玉を入れておこう」とか一喜一憂していた記憶が。 一応、フォローしておくと、口裂け女は「べっこう飴」が好き、という顕著な特徴があって、彼女に声を掛けられてもべっこう飴を渡せば、それを舐めるのに一生懸命になって、こちらは難を逃れられる、と、そういう事がまことしやかに信じられていました。 べっこう飴って云って分かる人、意外と最近では少ないんじゃないかとも思いますけれども。 まぁ、簡単に言うと「お砂糖を溶かして出来るアメ」です。 当時、私は学校の理科部の部長をやっていたんですが、良くガスバーナーを使ってべっこう飴を作った記憶がありますねぇ。お玉にアルミホイルか何かを敷いて、少量の水とお砂糖をガンガン投下して、きつね色になったら火から下ろして固まったら完成、という非常にお手軽な飴ですw 他には、「合金」を作るなんて事も良くやってました。しかも熱湯で溶ける合金。ビスマスとか使うんですよね。 って、脱線しまくってますがw 話を元に戻しましょう。 多くの人が恐怖を感じるであろう怪談ってのは、実は冷静な目で見てみると穴ぼこだらけなんですよ。口裂け女で云えば、「私が見た」という直接的な体験を聞くという事はないわけですし、実際に身近に襲われて怪我した人、というのも皆無でした。 一方で、本当に体験した怖い話、みたいなものは、そうした穴ぼこを超越してしまうリアルさがあって(勿論穴ぼこはあるんですけれども)、実は怪談としてはあまり怖くない、という。というかその怪談自体が「あれは何だったんだろう?」みたいな不確定な事項である事が示される事も多いわけで……。 まぁ、世に出回っている怪談はどれもこれも少なからぬ文飾が加えられているものと推測されますけれども、あまり怖さを感じさせない「リアル系怪談」をほんまもんの「怪談」にする、というのは、作者(体験者?)の文章構成の力に拠る部分も大きいんですよね。 そういう意味で、本作で云えばシメの部分の提示が、本作を「怪談」にしていたような部分がありました。 実は、タイトルから分かる「悪夢」の内容自体は全然怖くないんです。 悪夢を含めた、本作全体、それが結構怖いというか、どこか薄気味の悪さを感じさせるものになっていて、「こりゃ、確かに怪談だわ……」とw 怖さで云えば、小辛くらいなんですけれど、気味の悪さはかなりのものがあったんじゃないかな、と。実は、構造としては凄く凝ってるんですよね。だからこそ、一瞬こちら(プレイヤー)は思考活動をしてしまって、それによって怖さ(というか気味悪さ)を感じる、という、そういうタイプでした。 この作者様の作品も、結構プレイした気がするんですけれども、設定やら仕掛けやらの部分で結構凝ったものが多い気がしますねぇ。割と気軽にプレイしやすい尺の作品を創って下さるので、いつも息抜き的にプレイしています。 本作も、本当に怖いかどうかは兎も角として、さっくりとプレイ出来、且つ少ししこりが残るような、そういう余韻が漂う作品ですので、普段怪談などあまり読まない方も気軽にプレイしてみて下さい。 脱線しまくりましたけれども、今日はこのへんでw それでは、また。
by s-kuzumi
| 2009-12-17 23:41
| サウンドノベル
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