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久住女中本舗

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2010年 01月 10日

フリーサウンドノベルレビュー 番外編 『ブラームスの雪』

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道玄斎です、こんにちは。
一時間くらい前に起床し、「どん兵衛」で朝食兼昼食を摂りましたw 最近、「どん兵衛」が何故か無性に好きでねぇ……。
それはともかく、今回は番外編という事で少し短めの作品のご紹介。昨日、ちょっと長目の作品をプレイしたので、さっくり遊べるものを探していたら、タイトルで惹かれる作品を発見。
というわけで今回は「志舞」さんの『ブラームスの雪』です。

今回は、番外編ですので、項目立てて良かった点、気になった点を挙げる事は致しません。
ご了承下さいませ。


本作、結構ジャンル分けが難しい作品ですね。
うんと粗雑に纏めれば「恋愛ノベル」って事なんですけれども、恋愛と一口にいっても、中学生の恋愛だったり、高校生の恋愛だったり、はたまた大学生とか、社会人の恋愛、色々ありますよね。
そういう区分けだったら「高校生の恋愛」という、この手のノベルゲームでは本当に良くお目に掛かるタイプではあるんです。けれども、短時間で読了出来る作品ですが、時間的な推移は結構あって、少しラストでほろ苦さ、みたいなものも感じさせてくれる部分もあって。

そもそも、ベクターの紹介文の頭に「忘れられない恋、ありますか?」なんて書いてあって、この紹介文でプレイしようと決心したわけでして。。
この文句には、恐らく「実らなかったけれども忘れられない恋」というような含意があるはずで、当然のように私はそのタイプのテーマが大好きだというw

BGMは全編に渉ってクラシック。
お馴染みの曲が流れてきますが、タイトルワークとの絡みで結構良かったかな? と。
まぁ、例によって脱線ですが、こういうクラシックの曲って「自分の良く聞く音源」と違う音源で聴くと、妙な違和感がありますよね。「テンポが遅い……」或いは早いとか、下手すると「オッサンの鼻歌(ハミング)が入ってないと何だか落ち着かねぇ!」」とかw 子供の頃、あれは最初「ノイズ」だと思っていて……ってグールドの話ですが。


ストーリー的には割とオーソドックスな印象でした。
ヴァオイリンをやっている美少女に恋する少年の視点で語られるわけですが、それ自体は割とオーソドックスであっても、何か凄く瑞々しいというか、昔を思い出してきゅんきゅんしちゃうような、そういう切なくてリアリティのある描写が魅力。
ラストの感じとかもね、やっぱり「男性主人公視点」のリアリティが感じられますねぇ。

個人的な感触、で恐縮ですけれども「男女問わずお勧めします」ってんじゃなくて、(高校生が過ぎ去りし過去になった)「男性にお勧め」したいような、そういう感じ。

もうちょっと尺があって、通常のレビューの体裁だったら、こりゃ吟醸を付けちゃっていました。
少し、展開が早いとか(特にラストの部分)はあるのですが、それを差し引いても、絶妙なリアリティを持つ描写の威力は喪われる事がないわけです。

気になった点、という訳じゃないけれども、「リアリティ」の部分で、少しだけ脱線しつつ話してみましょう。
今まで使ってきた「リアリティ」という言葉は、主として男性主人公の「内面描写」のリアリティだったり、高校生同士の恋愛の微妙な空気感みたいなものを指していました。
一方で、本当のリアリティみたいな、部分では、ヴァイオリニスト志望の高校三年生が一日「三時間」の練習なわけはないよなぁ、なんて思ったりw

いとこがピアニストというか音楽教師で海外の大学にて教鞭を執っているんですが、ピアノで「最低一日6時間」は幼い頃から練習していないとモノにならない、とか云ってました。それだけ練習してもピアニストとして、一般的な認知を受ける事は相当難しいわけです。やっぱり有名になる方というのは、演奏は勿論の事プラスαの要素も必要みたい。

ピアノとヴァイオリンという楽器の違いは勿論あれど、やっぱり本格的にやっている人だったら「一日三時間」ってのは無いかなぁ、と。高校生だと学校とかありますから、「5時間」くらいが適当かもしれませんね。


番外編なのに沢山書いてしまいましたが、結構お勧めの作品です。
男性主人公の心理描写が巧みな一本。音楽に興味がある方も無い方も、是非プレイしてみて下さい(特に男性)。


それでは、また。

by s-kuzumi | 2010-01-10 14:42 | サウンドノベル | Comments(0)
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